JP2014088657A - 座屈拘束ブレースおよびこれを用いた耐震補強構造 - Google Patents

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【課題】 少ない補強構面数で既存建物の補強が行え、既存建物との接合部の簡素化、施工期間の短縮、施工に伴う騒音、振動、粉塵の問題も解消できる座屈拘束ブレースおよびこれを用いた既存建物の耐震補強構造を提供する。
【解決手段】 この座屈拘束ブレース2は、両端が建物の躯体1に接合される芯材3と、この芯材3の両面に沿って配置されて芯材3の座屈を拘束する一対の拘束材4,4とを有する。芯材3は、拘束材4で拘束されている長さ方向の範囲で一対の分割芯材に分割されている。芯材3の両端には、躯体1である柱20A,20Bと横架材30A,30Bとにそれぞれ接合されてこれら柱20A,20Bと横架材30A,30Bの相互間に生じる曲げ力を負担する躯体接合片10を設ける。この躯体接合片10における曲げ力の負担と、前記芯材3と拘束材4との間に生じる摩擦力とで、芯材3の両端間に作用する引っ張り力の一部を負担可能とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、座屈拘束ブレースおよびこれを用いて補強する既存建物の耐震補強構造に関する。
従来、RC造(鉄筋コンクリート造)建物やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)建物の耐震補強方法として、鉄骨枠付ブレースによる補強方法が多く用いられている。この耐震補強方法には、以下のような特徴がある。
・RC壁を増打ちして耐震補強する場合に比べて、閉塞間を低減できる。
・既存建物躯体に鉄骨枠付ブレースを接合する場合には、後施工アンカーと頭付きスタッドを用いモルタル充填を行う間接接合が多く採用される。
しかし、上記した従来の耐震補強方法のように、後施工アンカーを用いて既存建物躯体へ鉄骨枠付ブレースを間接接合するのでは、施工において、以下の問題が生じる。
・後施工アンカーを打設するときに、騒音、振動、粉塵が発生する。すなわち、ブレースに引っ張り力を負担させる場合、既存建物躯体との応力伝達を確実に行うために、後施工アンカーを多数用いたり、深く埋め込む必要がある。そのため、後施工アンカーを打設するときの、騒音、振動、粉塵発生の問題が大きい。
・アンカー打設は、既存建物躯体の鉄筋の配筋状況に施工性が左右され、多くの時間を要する場合がある。
・型枠組立、無収縮モルタルの充填・養生、型枠解体の各作業を要するので、施工期間が長期化し、コストアップを招く。
そこで、これらの問題を解決するものとして、圧縮力のみを伝達する圧縮ブレースを用いることで接合部の簡素化を図ったものが提案されている(例えば特許文献1)。
特許第4917168号公報
上記圧縮ブレースを用いた補強方法は、圧縮ブレースが圧縮力のみを伝達するブレースであることから、2本の圧縮ブレースを1組として用いることが望ましい補強方法である。そのため、圧縮ブレースをはすかいに配置する場合は、従来の枠付鉄骨ブレースを用いた補強方法の場合に比べて、補強する耐力壁面である補強構面が2倍必要になる。既存建物を補強する場合、補強可能な構面数は限られている場合もあり、必要構面数が多くなる上記補強方法では対応できない。例えば、補強構面が増えると開口の確保が難しくなり、また工期も長くなる。
この発明の目的は、基本的には圧縮力の負担を行いながら引っ張り力も負担できて、少ない補強構面数で既存建物の補強が行え、既存建物との接合部の簡素化、施工期間の短縮、施工に伴う騒音、振動、粉塵の問題も解消できる座屈拘束ブレースおよびこれを用いた既存建物の耐震補強構造を提供することである。
この発明の座屈拘束ブレースは、両端が建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の両面に沿って配置されて前記芯材の座屈を拘束する一対の拘束材とを有し、前記芯材が、前記拘束材で拘束されている長さ方向の範囲で一対の分割芯材に分割された座屈拘束ブレースであって、前記芯材の両端に、前記躯体である柱と横架材とにそれぞれ接合されてこれら柱と横架材の相互間に生じる曲げ力を負担する躯体接合片を設け、前記芯材の両端間に作用する引っ張り力の一部を負担可能としたことを特徴とする。
この構成によると、芯材が一対の分割芯材に分割されているため、基本的には圧縮ブレースとして機能する。しかし、前記躯体接合片における曲げ力の負担により、結果的に座屈拘束ブレースが躯体の引っ張り力の一部を負担することと同様の作用が得られる。この躯体接合片における曲げ力の負担と、前記芯材と拘束材との間に生じる摩擦力とで、芯材の両端間に作用する引っ張り力の一部を負担可能となる。このように、圧縮力を負担するだけでなく引つ張り力もある程度は負担するので、圧縮側だけでなく引っ張り側に対しても補強効果を発揮することができる。そのため、少ない座屈拘束ブレースにより、換言すると少ない補強構面数で建物の躯体を補強することができる。補強構面数を少なくすることで、工期短縮や建物を使用する際の開口確保等の自由度も高まる。また、座屈拘束ブレースの既存建物躯体との接合についても、通常の引っ張り力のみを負担するブレースに比べて、引っ張り力の負担が少ないため、躯体接合片が躯体から剥がれる方向の強度負担が軽減され、接合構造が簡素化できる。これにより、後施工に使用するボルト等のアンカーの本数も削減できるので、騒音、振動、粉塵の発生を抑えることができ、工期も短縮することができる。
この発明において、前記躯体接合片が、前記芯材の一部で形成されて先端縁の2辺が互いに直角を成しそれぞれ前記柱および横架材に沿う形状の芯材継手部と、この芯材継手部の前記2辺に沿って立ち上がりそれぞれ前記柱および横架材に接合される柱側および横架材側のエンドプレートとでなり、両エンドプレートの幅を前記一対の拘束材の互いに背を向く面の間の幅よりも大きくしても良い。
このように、両エンドプレートの幅を一対の拘束材の互いに背を向く面の間の幅よりも大きくすることで、前記躯体接合片における躯体の曲げ力の負担を大きくできて、引っ張り側に対しての補強効果をより大きく発揮することができる。
この発明において、前記柱側のエンドプレートに、前記柱に沿って延びるエンドプレート延長部を設けても良い。このように。柱側のエンドプレートに、柱に沿って延びるエンドプレート延長部を設けることで、座屈拘束ブレースの柱との接合部で曲げ耐力をより一層増大させることができ、補強効果をさらに高めることができる。
この発明の既存建物の耐震補強構造は、既存建物を座屈拘束ブレースで補強する構造であって、この発明の座屈拘束ブレースを用いて既存建物の補強することを特徴とする。
この既存建物の耐震補強構造によると、この発明の座屈拘束ブレースにつき前述したと同様に、少ない補強構面数で既存建物の補強が行え、既存建物との接合部の簡素化、施工期間の短縮、施工に伴う騒音、振動、粉塵の問題も解消できる。
この発明の座屈拘束ブレースは、両端が建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の両面に沿って配置されて前記芯材の座屈を拘束する一対の拘束材とを有し、前記芯材が、前記拘束材で拘束されている長さ方向の範囲で一対の分割芯材に分割された座屈拘束ブレースであって、前記芯材の両端に、前記躯体である柱と横架材とにそれぞれ接合されてこれら柱と横架材の相互間に生じる曲げ力を負担する躯体接合片を設け、前記芯材の両端間に作用する引っ張り力の一部を負担可能としたため、基本的には圧縮力の負担を行いながら引っ張り力も負担できて、少ない補強構面数で既存建物の補強が行え、既存建物との接合部の簡素化、施工期間の短縮、施工に伴う騒音、振動、粉塵の問題も解消できる。
この発明の既存建物の耐震補強構造は、既存建物の補強にこの発明の座屈拘束ブレースを用いたため、少ない補強構面数で既存建物の補強が行え、既存建物との接合部の簡素化、施工期間の短縮、施工に伴う騒音、振動、粉塵の問題も解消できる。
この発明の一実施形態に係る座屈拘束ブレースを用いた建物躯体の耐震補強構造を示す正面図である。 同座屈拘束ブレースの外観斜視図および断面図である。 (A)は座屈拘束ブレースの圧縮時の断面図、(B)は同座屈拘束ブレースの引っ張り時の断面図である。 (A)は座屈拘束ブレースの他の構成例の圧縮時の断面図、(B)は同座屈拘束ブレースの引っ張り時の断面図である。 座屈拘束ブレースのさらに他の構成例の部分斜視図である。 座屈拘束ブレースの芯材の分割側端部の表面に補強板がない場合の圧縮時の芯ズレの説明図である。 座屈拘束ブレースの建物躯体への取付状態を示す部分拡大正面図および部分拡大断面図である。 この座屈拘束ブレースを用いた補強構造の建物躯体と補強を行わない建物躯体とを比較して行った水平加力実験結果を示すグラフである。 他の実施形態の座屈拘束ブレースの建物躯体への取付状態を示す部分拡大正面図および部分拡大断面図である。 さらに他の実施形態の座屈拘束ブレースの建物躯体への取付状態を示す部分拡大正面図および部分拡大断面図である。 さらに他の実施形態の座屈拘束ブレースの建物躯体への取付状態を示す部分拡大断面図である。 さらに他の実施形態の座屈拘束ブレースの建物躯体への取付状態を示す部分拡大断面図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図8と共に説明する。図1は、この実施形態の座屈拘束ブレース2を用いた既存建物躯体1の耐震補強構造を示す正面図である。同図に示すように、建物躯体1では、隣り合う2本の柱20A,20B間に横架材である上下の梁30A,30Bが横架されている。建物躯体1はRC造またはSRC造である。下側の横架材となる梁30Bは、布基礎や基礎梁等の基礎であっても良い。座屈拘束ブレース2は、片方の柱20Aと下側の梁30Bとの隅部から、もう片方の柱20Bと上側の梁30Aとの隅部に渡ってはすかいに設ける。
前記座屈拘束ブレース2は建物躯体1に加わる水平力に抵抗する部材であって、図2に示すように、芯材3とこの芯材3の両面に沿って配置されて芯材3の座屈を拘束する一対の拘束材4,4とを有する。芯材3は、帯状の平鋼板であり、SN材(建築構造用圧延鋼材)や、LYP材(極低降伏点鋼材)等の降伏点の低い鉄鋼材料からなる。
拘束材4は、例えば芯材3に向けて開口する溝形鋼材5内にモルタルまたはコンクリート6を充填して構成される。芯材3と拘束材4との間には粘性弾性体からなるアンボンド材9が介在させてある。芯材3の両側面には、対向する一対の拘束材4,4の間の隙間を確保するスペーサ19が介在させてある。スペーサ19は、線状の鋼材またはゴム材等からなるが、省略しても良い。
芯材3の両端には、躯体接合片10が設けられている。これら躯体接合片10は、座屈拘束ブレース2を建物躯体1に接合する部分であるが、前記柱20A,20Bと梁30A,30Bとにそれぞれ接合されて、これら柱20A,20Bと梁30A,30Bの相互間に生じる曲げ力を負担する機能を有する。この躯体接合片10は、芯材3の一部で形成されて先端縁の2辺が互いに直角を成しそれぞれ前記柱20A,20Bおよび梁30A,30Bに沿う形状の芯材継手部3aと、この芯材継手部3aの前記2辺に沿って前記芯材継手部3aに垂直に設けられそれぞれ前記柱20A,20Bおよび梁30A,30Bに接合される柱側および梁側のエンドプレート11,12とでなる。両辺のエンドプレート11,12は、互いに折れ曲がって互いに連続しており、また芯材継手部3aの表裏両面に突出している。芯材継手部3aには、両面に長手方向に沿って補強リブ3aaが設けられ、補強リブ3aaは拘束材4の溝形鋼材5の端部付近に設けられたスリット部から突出している。前記両エンドプレート11,12の幅H1は、前記一対の拘束材4,4の互いに背を向く面の間の幅H2よりも大きくされている。これらエンドプレート11,12には複数のボルト挿通孔(図2には図示せず)が設けられている。
図3に示すように、芯材3は、拘束材4,4で挟まれた長さ範囲内における、長さ方向の途中部分、例えば中央で、一対の分割芯材3A,3Aに分割されている。これら一対の分割芯材3A,3Aの間には、長さ方向と垂直な鋼板7が、拘束材4に渡って介在させてある。図3の例では、前記鋼板7は、拘束材4の外側部材である溝形鋼材5に突き当たる位置まで、縦横とも延ばされている。拘束材4のモルタルまたはコンクリート6の部分は、鋼板7を介して左右に2分割される。
この他に図4のように、溝形鋼材5を突き切って拘束材4の外側に突出する位置まで鋼板7を延ばしても良い。この場合、拘束材4の全体が左右に2分割されることになる。
両分割芯材3Aの分割側端部の両面には、図5のように補強板8が溶接により接合されている。補強板8を設けた場合、前記アンボンド材9により被覆される部分は、両分割芯材3Aの両面における、前記補強板8の接合部を除く部分とするのが良い。
図3は、図1における座屈拘束ブレース2のIII − III矢視断面図を、圧縮時と引っ張り時に分けて示している。この座屈拘束ブレース2では、芯材3が長さ方向の途中部分で分割された一対の分割芯材3Aからなるため、図3(A)のように圧縮力の作用時には、両分割芯材3A,3Aの端部が鋼板7を介して突き当て状態となり、圧縮力の伝達が可能であるが、図3(B)のように引っ張り時には両分割芯材3A,3Aの端部が鋼板7から引き離されるので、分割芯材3Aの構造だけからでは引っ張り力を負担するのに十分ではない。ただし、次に挙げる2つの要因により、この座屈拘束ブレース2では、ある程度の引っ張り力を負担することができる。
(1) 芯材3・拘束材4間の摩擦とアンボンド材9の粘着力
(2) 座屈拘束ブレース2の両端における躯体接合片10による、建物の直角に隣合う柱20A,20Bと梁30A,30B間の曲げ力の負担。特に、躯体接合片10のエンドプレート11,12の幅H1を、一対の拘束材4,4の互いに背を向く面の間の幅H2よりも大きくした(H1>H2)ことによる、前記柱20A,20Bと梁30A,30B間の曲げ力の負担増大
なお、引張力の負担の割合は、前記エンドプレート11,12の幅H1を調整することにより調整可能である。
このように一対の分割芯材3A,3Aは、作用荷重によって互いに突き当て状態となったり離れたりするが、両分割芯材3A,3Aの間に鋼板7を介在させているので、分割芯材3A,3Aの端面は鋼板7に当接する。そのため、芯材3に厚み方向のずれが生じても。そのずれによる影響を緩和し、確実な圧縮力の伝達が行える。鋼板7を拘束材4の外部まで突出させた図4の構成例の場合も同様である。
図1のA部を拡大して示す図7(A)のように、柱20Aと梁30Bと、座屈拘束ブレース2の下端における躯体接合片10の柱側および梁側のエンドプレート11,12との間にはモルタル13が充填され、これらエンドプレート11,12をホールインアンカー等のボルト14とナット15で柱20Aおよび梁30Bに接合することにより、座屈拘束ブレース2の下端が柱20Aと下側の梁30Bの交差する隅部に接合される。座屈拘束ブレース2の上端も上記と同様にして、柱20Bと上側の梁30Aの交差する隅部に接合され、既存建物躯体1が座屈拘束ブレース2を用いて補強される。
上記構成の座屈拘束ブレース2を用いた耐震補強構造によると、芯材3が一対の分割芯材3A,3Aに分割されているため、圧縮ブレースとして機能する。しかし、躯体接合片10における曲げ力の負担により、結果的に座屈拘束ブレース2が躯体の引っ張り力の一部を負担することと同様の作用が得られる。この躯体接合片10における曲げ力の負担と、前記芯材2と拘束材4との間に生じる摩擦力およびアンボンド材9の粘着力とで、芯材2の両端間に作用する引っ張り力の一部を負担可能となる。このように、座屈拘束ブレース2が圧縮力を負担するだけでなく引っ張り力もある程度は負担するので、圧縮側だけでなく引っ張り側に対しても補強効果を発揮することができ、少ない座屈拘束ブレース2により、換言すると少ない補強構面数で、既存建物等の建物躯体1の補強を行うことができる。また、座屈拘束ブレース2の建物躯体1との接合についても、通常の引っ張り力を負担するブレースに比べて、引っ張り力の負担が少ないため、躯体接合片10が建物躯体1から剥がれる方向の強度負担が軽減され、コンクリート表層部のボルトの引っ張りによる剥がれ等が生じ難く、接合構造が簡素化できる。座屈拘束ブレース2の既存建物躯体1との接合も簡素化できる。これにより、後施工に使用するボルト14等のアンカーの本数も削減できるので、騒音、振動、粉塵の発生を抑えることができ、工期も短縮することができる。
図8は、上記実施形態の座屈拘束ブレース2を用いた耐震補強構造の建物躯体1と補強を行わない建物躯体とを比較して行った水平加力実験結果を示すグラフである。図中、(1)は補強を行わない建物躯体の実験結果のグラフを、(2)は前記耐震補強構造の建物躯体の実験結果のグラフをそれぞれ示し、グラフの縦軸は水平荷重を、横軸は層間変形角をそれぞれ示す。また、同グラフの第一象限は座屈拘束ブレース2が圧縮される側(正側)を表し、第三象限は引っ張られる側(負側)を表す。この試験結果から明らかなように、前記座屈拘束ブレース2を用いて補強した場合は、正側の水平荷重(圧縮力)が大幅に増大しており、負側についても補強を行わない建物躯体に比べて水平荷重(引っ張り力)が増大していることが分かる。
図9は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態の座屈拘束ブレース2では、図7に示す実施形態において、その躯体接合片10における柱側のエンドプレート11に、柱20Aに沿って延びるエンドプレート延長部11aを設けている。なお、芯材継手部3aは、エンドプレート延長部11aに沿う部分までは延ばさないとしているが、接合部の耐力の範囲内で引っ張り側の負担を増やしたい場合は、一部伸ばしても構わない。ここでは、座屈拘束レース2の下端側についてのみ示しているが、上端側でも同様であり、その他の構成は図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
このように、柱側のエンドプレート11に、エンドプレート延長部11aを設けることによって、座屈拘束ブレース2の柱20A,20Bとの接合部で曲げ耐力を増大させることができ、補強効果をさらに高めることができる。その他の作用効果は先の実施形態の場合と同様である。
図10は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の座屈拘束ブレース2では、図7に示す実施形態において、その躯体接合片10における柱側のエンドプレート11Aを柱20Aの3つの側面を囲む断面コ字状としている。また、そのエンドプレート11Aには、柱20Aに沿って延びるエンドプレート延長部11Aaも設けている。エンドプレート11Aの中央部と柱20Aとの間にはモルタル13が充填されたうえ、ボルト14で柱20Aに接合されるが、エンドプレート11Aの中央部両側から延びる側片部はエポキシ樹脂などで柱20Aに接着される。ここでは、座屈拘束レース2の下端側についてのみ示しているが、上端側でも同様であり、その他の構成は図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
このように、柱側のエンドプレート11Aを、柱20A,20Bの3つの側面を囲む断面コ字状とすることによって、座屈拘束ブレース2の柱20A,20Bとの接合部でせん断力を増大させることができ、補強効果をさらに高めることができる。その他の作用効果は先の実施形態の場合と同様である。
図11は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の座屈拘束ブレース2では、図7に示す実施形態において、その躯体接合片10における柱側のエンドプレート11Bを柱20Aの4つの側面をすべて囲む断面方形の角筒状にしている。ここでは、座屈拘束レース2の下端側についてのみ示しているが、上端側でも同様であり、その他の構成は図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
このように、柱側のエンドプレート11Bを、柱20A,20Bの4つの側面の全てを囲む断面方形の角筒状とした場合も、座屈拘束ブレース2の柱20A,20Bとの接合部でせん断力を増大させることができ、補強効果をさらに高めることができる。その他の作用効果は先の実施形態の場合と同様である。ただし、この場合には、エンドプレート11Bを柱20Aを囲むように接合するのに、現場溶接が必要である。
図12は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の座屈拘束ブレース2では、図10に示す実施形態において、柱側のエンドプレート11Aの中央部両側から延びる側片部を、接着によらずボルト14により柱20Aに接合している。その他の構成は図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
この場合にも、座屈拘束ブレース2の柱20A,20Bとの接合部でせん断力を増大させることができ、補強効果をさらに高めることができるが、エンドプレート11Aの中央部両側から延びる側片部をボルト14で柱20Aに接合するので、後施工アンカー打設本数が増えることになり、騒音、振動、粉塵の発生が増大することになる。
1…既存建物躯体
2…座屈拘束ブレース
3…芯材
3a…芯材継手部
3A…分割芯材
4…拘束材
10…躯体接合片
11,11A,11B…柱側エンドプレート
11a…エンドプレート延長部
12…梁側エンドプレート
14…ボルト

Claims (4)

  1. 両端が建物の躯体に接合される芯材と、この芯材の両面に沿って配置されて前記芯材の座屈を拘束する一対の拘束材とを有し、前記芯材が、前記拘束材で拘束されている長さ方向の範囲で一対の分割芯材に分割された座屈拘束ブレースであって、
    前記芯材の両端に、前記躯体である柱と横架材とにそれぞれ接合されてこれら柱と横架材の相互間に生じる曲げ力を負担する躯体接合片を設け、前記芯材の両端間に作用する引っ張り力の一部を負担可能としたことを特徴とする座屈拘束ブレース。
  2. 請求項1記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記躯体接合片が、前記芯材の一部で形成されて先端縁の2辺が互いに直角を成しそれぞれ前記柱および横架材に沿う形状の芯材継手部と、この芯材継手部の前記2辺に沿ってこの芯材継手部に対して垂直に設けられそれぞれ前記柱および横架材に接合される柱側および横架材側のエンドプレートとでなり、両エンドプレートの幅を前記一対の拘束材の互いに背を向く面の間の幅よりも大きくした座屈拘束ブレース。
  3. 請求項1または請求項2記載の座屈拘束ブレースにおいて、前記柱側のエンドプレートに、前記柱に沿って延びるエンドプレート延長部を設けた座屈拘束ブレース。
  4. 既存建物を座屈拘束ブレースで補強する既存建物の耐震補強構造であって、前記座屈拘束ブレースに請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレースを用いたことを特徴とする既存建物の耐震補強構造。
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