JP6675204B2 - 柱主筋の定着構造 - Google Patents

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Description

本発明は、柱主筋の定着構に関するものである。

建物の柱梁架構として、例えば柱を鉄筋コンクリートとし、梁を鉄骨とするような複合構造は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造に比べると、施工におけるコストと工期のバランスが良いため、広く使用されている。
上記のような複合構造の、柱に梁が接合される柱梁接合部においては、鉛直方向に延在する柱の主筋は、鉄骨梁を避けるように配筋されてコンクリートに埋設され、定着されている。柱の主筋の定着破壊を防止し、柱の曲げ耐力を常に発揮できる状態に置くために、柱の主筋は、柱梁接合部に十分に定着する必要がある。
特に、柱が鉄筋コンクリート(以下、RCと呼称する)で梁が鉄骨の最上階柱頭部における柱主筋のプレート定着は、地震時に柱に生じる曲げ応力に起因する鉄筋に作用する引張力(鉛直下方への力)に対する抵抗要素として有効に働く機能を有する他に、梁に生じる曲げ応力に起因する柱内部での鉛直上方に働く力を、柱主筋にて確実に抵抗させる機能を持たせる必要がある。
中間階の柱梁接合部では、図10(a)に示すように梁端部に生じた曲げモーメントと連動して、柱頭部には上方側に力が生じようとするが、上階の柱が接続されているために、上階の重量によって、その力を抑え込むことができる。しかし、最上階の柱梁接合部では、図10(b)に示すように柱頭部の上方側には柱はなく、柱頭部上方に生じる力により柱側面にひびわれが生じ、梁の曲げ抵抗が十分に発揮されない惧れがある。
柱と梁がともに同じ構造種別、すなわち、柱と梁がともに鉄筋コンクリート、あるいはともに鉄骨、もしくは鉄骨鉄筋コンクリートの場合は、梁の曲げモーメントが柱にスムーズに伝達できるが、柱が鉄筋コンクリートで梁が鉄骨であると、梁の応力が柱へ伝達する機構が希薄なため、それを解決するためにいくつかの柱梁接合部に関する構法が開発されている。その中でもRCの柱の中にH鋼の梁が挿し込まれただけの機構は、その伝達力が最も乏しい。
梁の応力を確実に柱へ伝達するため、一般には柱頭部を上部に延伸させたり、屋上スラブを増し打ちしたり、図10(c)に示すように、定着金物を使用する等の処置が必要となる。非特許文献1には、これらの処置の具体例が開示されている。特に図11(a)及び(b)は、非特許文献1に開示されている、定着金物を使用した場合の柱主筋の定着構造の、上面図と側面図を、それぞれ示す。
従来、最上階の柱梁接合部における柱主筋の定着構造は、鉄筋コンクリート柱(以下、RC柱と呼称する)201の柱頭部201aにおいて、鉄骨梁202が挿通されて、柱梁接合部200が形成されている。鉄骨梁202の上部フランジ202a上面には、プレート203が設けられている。プレート203は、RC柱201の断面形状よりも少し小さな矩形形状の外周203aと、外周203aよりも更に小さな矩形形状の内周203bにより形成される、ロ字形状の鋼板である。鉛直方向に延在する柱201の柱主筋204は、先端部204aが下方から、プレート203に開設された図示されない孔を挿通し、プレート203の上方からナット205が螺着されることにより、固定されている。このように、最上階の柱主筋204は、柱主筋204を固定するために定着金物203を設けて、下向きに生じる引張応力に抵抗出来るように設計されている。
従来の柱主筋の定着構造は、図11に示すように、柱主筋204はプレート203に対して垂直に取り付けられている。プレート203は一枚の鋼板であるため、地震時等に、柱主筋204に作用する引張力の大きさによっては、プレート203の板厚を大幅に厚くする対応が必要となる。
日本建築学会「鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁混合構造の設計と施工」、2001年1月10日、第1版第1刷、p.83−93
柱主筋の定着構造を構成するプレート定着板には、鉛直鋼板は設けられておらず、柱主筋に作用する引張力はプレート定着板の板厚部分のみで抵抗する必要があった。
そこで、プレート定着板は、厚板や高強度化を行い、鉛直抵抗力を高めることで面外方向への変形が防止されていた。しかしながら、従来の方法では鋼材費が嵩むという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、RC柱と鉄骨梁による複合構造を備える建物において、柱頭部の延伸や、屋上スラブ厚さを増し打ちすることなく、建物最上階における柱主筋の定着性能が確保された柱主筋の定着構造及びその定着構造を備えた建物を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明による柱主筋の定着構造においては、コンクリート造柱と鋼製梁で構成された建物の最上階の柱梁接合部におけるものであり、前記柱主筋の上端部は、鉛直部を有する定着手段に固着されていることを特徴とする。
このような構成によれば、建物最上階において、柱主筋の上端部が定着手段に固着されており、定着手段は鉛直部を備えているため、地震時等に、柱主筋に引張力が作用した場合においても、この鉛直部が定着手段の面外剛性を高めることによって、定着手段の変形を防止することができる。また、定着手段は、柱梁接合部のコンクリートを面材として押し込み、コンクリートの支圧効果を高めることができる。これにより、定着破壊を防止可能な、強固な柱主筋の定着構造を実現することが可能となる。
また、上記のように、定着手段によって、柱主筋を柱梁接合部に強固に定着することが可能となるため、最上階の柱の柱頭部をふかしたり、鋼製梁上に設けられる屋根スラブが厚くなるように増し打ちしたり、あるいは、鋼製梁の梁端部をピン接合として曲げモーメントの影響を受けないように設計する等の処置が不要である。鋼製梁の梁端部をピン接合とする必要がないために、鋼製梁を長スパン化することも可能である。したがって、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である。
また、本発明の定着手段は、鉛直部を備えるという構造的な特徴によって、引張力に抵抗して変形を防ぐものであるため、定着手段の柱主筋が接合される部分の強度を極度に高める必要がない。したがって、比較的安価に定着手段(プレート定着板)を製作することが可能となり、材料費を更に低減することができる。
本発明の一態様においては、前記定着手段は、水平鋼板と前記鉛直部を構成する鉛直鋼板が接合されたプレート定着板であり、前記柱主筋は、前記水平鋼板に開設された孔内に挿通されるとともに、該柱主筋の上端部が前記水平鋼板上にナットで緊締されていることを特徴とする。
このような構成によれば、プレート定着板は水平鋼板と鉛直鋼板が接合されて形成されているため、柱主筋に作用する引張力に対して、一体となって抵抗することができる。また、柱主筋の上端部が前記水平鋼板上にナットで緊締されているため、柱主筋に作用する引張力を、水平鋼板直下のコンクリートの反作用力で抵抗させることができる。すなわち、柱主筋に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造となる。
本発明の一態様においては、前記定着手段は、水平鋼板と前記鉛直部を構成する鉛直鋼板が接合されたプレート定着板であり、前記鋼製梁は、フランジとウェブを備え、前記水平鋼板は、前記鋼製梁の上部フランジを跨いだ該上部フランジ上に設置され、前記鉛直鋼板は、前記ウェブの両側に設置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、プレート定着板の水平鋼板を、鋼製梁の上部フランジを跨いだ上部フランジ上に設置されているため、プレート定着板を形成する鉛直鋼板とともに、鋼製梁が、水平鋼板の変形に抵抗することが可能となる。したがって、更に強固な構造を実現することが可能となる。
本発明の一態様は、上記のような柱主筋の定着構造を備えた建物である。
このような構成によれば、建物の最上階の柱頭部を上方に延伸させたり、屋上スラブを増し打ちしたり、或いは、高価な定着金物を使用することなく、最上階の柱梁接合部における柱主筋の定着性能が確保された建物を提供することができる。
鉛直投影面からコンクリートを打設する際に、図11に示す従来の柱主筋の定着構造ではコンクリート面が少ないことにより、施工時に上方からコンクリートを打設する場合に充填不足の可能性が高くなる。本発明では、コンクリート面積が広く改善されたことによりコンクリートの充填度に対する信頼性が高まり、躯体としての品質の向上が期待できる。
本発明によれば、RC柱と鉄骨梁による複合構造を備える建物において、柱頭部の延伸や、屋上スラブ厚さを増し打ちすることなく、建物最上階における柱主筋の定着性能が確保された柱主筋の定着構造及び定着構造を備えた建物を提供できる。
本発明の第1の実施形態による柱主筋の定着構造の水平断面図である。 本発明の第1の実施形態による柱主筋の定着構造の縦断面図である。(a)は正面縦断面図、(b)は側面縦断面図である。 本発明の第1の実施形態による柱主筋の定着構造のプレート定着板で、(a)は斜視図、(b)は正面図である。 本発明の第2の実施形態による柱主筋の定着構造のプレート定着板で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は設置状況の説明図である。 本発明の第3の実施形態による柱主筋の定着構造で、(a)は水平断面図、(b)は正面縦断面図(B−B´)である。 本発明の第4の実施形態による柱主筋の定着構造で、(a)は水平断面図、(b)は正面縦断面図である。 本発明の第5の実施形態による柱主筋の定着構造で、(a)は水平断面図、(b)は正面縦断面図である。 本発明の第6の実施形態による柱主筋の定着構造のプレート定着板で、(a)は水平断面図、(b)は斜視図、(c)は設置状況の説明図である。 本発明の第7の実施形態による柱主筋の定着構造のプレート定着板で、(a)は斜視図、(b)、(c)は設置状況の説明図である。 従来の柱主筋の定着構造の説明図である。 従来の柱主筋の定着構造の説明図である。
本発明は、RC造柱とS造梁で構成された建物の最上階の柱梁接合部における柱主筋の定着構造として、柱主筋の上端部を、鉛直部(鉛直鋼板)を有する定着手段(プレート定着板)に設けた孔部を貫通させ、当該柱主筋をナットで緊締させた。
具体的には、本発明によるプレート定着板の第1実施形態は、鋼製梁の上部フランジを跨いだ前記上部フランジ上に設置された水平鋼板と、当該水平鋼板の下部側に鉛直鋼板が接合されたものであり、第2実施形態は、鋼製梁の上部フランジを跨ぐことなく、柱主筋の最上端部が締結されたものであり、第3実施形態は、プレート定着板が鋼製梁の上部フランジを跨いで設置され、そのプレート定着板同士は一部重なり部があり、四方に配筋される柱主筋を覆う様にロ型状に設置されたものである。
また、第4実施形態は、第3実施形態と同様に、プレート定着板がロ型状に設置されるとともに、鋼製梁にL形鋼材が接合されたものであり、第5実施形態は、第3、4実施形態と同様に、プレート定着板がロ型状に設置されるとともに、鋼製梁の上下フランジに鉛直鋼板が接合されたものである。
第6実施形態は、柱主筋群を1枚のプレート定着板にて締結するものであり、第7実施形態は、第3〜5実施形態と同様に、プレート定着板がロ型状に設置されるとともに、当該プレート定着板は溝型状の鋼材である。
定着手段は、水平鋼板、または鉛直部と水平部が予め溝型状に一体化された鋼材で形成される。また、鉛直部は、鉛直鋼板または棒状材で形成される。
以下、実施形態ごとに構成と、その作用効果を述べる。
(第1の実施形態)
まず、図1から図3を用いて、第1の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による柱主筋の定着構造の水平断面図である。図1は、RC柱に、鋼製梁が一方向(図では側面方向)架設させた柱梁接合部であり、地震力が作用する場合の柱主筋の定着部分の発明である。正面方向は、ピン接合の梁が取付く場合を相当している。また、図2は柱主筋の定着構造の縦断面図であり、図2(a)は正面縦断面図で、図2(b)は側面縦断面図である。図2(a)、(b)のA−A´断面図が、図1となる。図3は、第1の実施形態の柱主筋の定着構造を構成するプレート定着板であり、図3(a)は斜視図で、図3(b)は正面図である。
図1、図2に示されるように、本第1の実施形態における柱主筋の定着構造1を備える、建物の構造躯体は、柱2と梁3で構成されている。柱2は、図示しない基礎や床スラブ等の上に立設された、コンクリート造柱2である。コンクリート造柱2の柱頭部2aには、鋼製梁3が直交して挿通されて、固定されている。本実施形態においては、コンクリート造柱2はRC柱2であり、鋼製梁3は鉄骨梁3、より具体的にはH形鋼である。鉄骨梁3は、上部フランジ3a、下部フランジ3b、及びウェブ3cを備えている。本第1の実施形態においては、鉄骨梁3はRC柱2に対して、図1における左右方向である第1の方向Xの両側から接続されている。
図1、図2に示される定着構造1は、建物の最上階の、RC柱2と鉄骨梁3の接合部におけるものである。したがって、鉄骨梁3の上部フランジ3a上には屋根スラブ4が設けられており、屋根スラブ4とRC柱2の柱頭部2aの各々の上面により、屋根が形成されている。
鉄骨梁3のウェブ3cの、RC柱2内に埋設された部分には、ウェブ3cの厚さを増すように、図示しないダブラープレートが溶接により接合されている。また、RC柱2の外表面2bの、鉄骨梁3のウェブ3cが突出している部位には、フェイスベアリングプレート5が、RC柱2の外表面2b上に外表面2bと平行に、かつ、鉄骨梁3のウェブ3cと垂直になるように、接合されて設けられている。
RC柱2内には、複数の柱主筋6が、鉛直方向Zに延在して設けられている。また、柱主筋6の外側を水平方向に囲うように、帯筋7が配筋されている。鉄骨梁3のウェブ3cには、複数の孔3dが開設されており、鉄骨梁3が埋設されている高さ位置においては、この孔3dに帯筋7が挿通されている。
柱主筋6の上端部6aは、鉛直部を有するプレート定着板(定着手段)10に固着されている。図3に示されるように、プレート定着板10は、水平鋼板11及び、鉛直部を構成する鉛直鋼板12を有している。本実施形態においては、水平鋼板11は、矩形形状を有し、水平面内に位置している。後述するようにプレート定着板10は鉄骨梁3に接合されて、RC柱2内に埋設されるが、このときに、RC柱2の柱主筋6に対応する水平位置に、孔11cが開設されている。
鉛直鋼板12は、図3に示されるように、水平鋼板11の長さ方向をX1、幅方向をY1と表すと、長さ方向X1の両端間にわたって、水平鋼板11の下面11bの、幅方向Y1における略中央の位置から垂直に突出し、鉛直下方に延在する鋼板である。鉛直鋼板12は、水平鋼板11の下面11bに溶接により接合されている。鉛直鋼板12の、高さ方向Z1の長さは、鉄骨梁3のウェブ3cの高さと略同程度である。
鉛直鋼板12は、上端12aから下方の特定の高さ位置まで、長さ方向X1の長さは水平鋼板11の長さ方向X1の長さと略同等の長さを備えている。この特定の高さ位置において、鉛直鋼板12は、その両側辺12bが斜め内側方向に向けて屈曲する形状を備えており、これにより、この特定の高さより低い高さ位置においては、下方に向かうにつれ鉛直鋼板12の長さが漸次小さくなるように形成されている。
鉛直鋼板12には、第1及び第2のスリット12d、12eが設けられている。第1のスリット12dは、鉛直鋼板12の、長さ方向X1における略中央の位置に、鉛直鋼板12の上端12aから下端12cまで、高さ方向Z1に延在するように開設されている。第1のスリット12dの幅は、鉄骨梁3のウェブ3cの厚さと略同等となるように形成されている。
第2のスリット12eは、鉛直鋼板12の上端12aが、長さ方向X1における略中央の位置から長さ方向X1の両端に向かって水平に、一定の長さだけ削り取られるように形成されている。鉛直鋼板12の上側には水平鋼板11が接合されているため、第2のスリット12eの上側は、水平鋼板11の下面11bによって塞がれている。第2のスリット12eは、第2のスリット12eの長さ方向X1における中央位置に第1のスリット12dが位置して第1のスリット12dと連通するように、かつ、第2のスリット12eの長さ方向X1の長さが鉄骨梁3の上部フランジ3aの幅と略同等となるように形成されている。また、第2のスリット12eの高さ方向Z1の高さは、鉄骨梁3の上部フランジ3aの厚さと略同等となるように形成されている。
上記のように構成されたプレート定着板10は、図1、図2においては、図3におけるプレート定着板10の長さ方向X1、幅方向Y1、高さ方向Z1の各々が、図1、図2における第2の方向Y、第1の方向X、鉛直方向Zの各々に対応して位置するように設けられている。プレート定着板10は、第1のスリット12d内に鉄骨梁3のウェブ3cが、第2のスリット12e内に上部フランジ3aが、それぞれ挿通されるように、鉄骨梁3に設置されている。また、鉛直鋼板12の下端12cが、鉄骨梁3の下部フランジ3bの上面に位置するように設置されている。鉛直鋼板12はウェブ3cに対して垂直に位置している。これにより、水平鋼板11は、鉄骨梁3と交差する方向、すなわち第2の方向Yに、鉄骨梁3の上部フランジ3aを跨いで、上部フランジ3a上に設置され、鉛直鋼板12は、ウェブ3cの両側に設置されている。図3に示される、プレート定着板10の第1のスリット12dを形成する側辺12fと、ウェブ3cの側面は溶接されている。
鉄骨梁3に設けられたプレート定着板10の水平鋼板11に、柱主筋6の上端部6aが固着されている。より具体的には、柱主筋6が、図3に示される、水平鋼板11に開設された孔11c内に挿通されるとともに、水平鋼板11の上方に突出する柱主筋6の上端部6aにナット8が螺着され、水平鋼板11上に緊締されている。
プレート定着板10はRC柱2内部の、鉄骨梁3の延在する方向、すなわち第1の方向Xにおいて、柱主筋6の位置する外表面2bに近い位置に設けられている。本第1の実施形態においては、鉄骨梁3は、第1の方向XにおいてRC柱2の互いに反対側の2つの外表面2bから突出するように設けられているため、プレート定着板10はRC柱2の両側の、計2か所に設けられている。
柱主筋6、帯筋7、プレート定着板10の周囲にはコンクリートが打設されて、RC柱2が形成されることにより、これらの部材がコンクリート内に埋設されている。
次に、上記柱主筋の定着構造1の施工方法を説明する。
先ず始めに、最上階より下方階の床スラブ上に、RC柱を形成するための柱型枠を組み立てる。
次に、柱型枠内に、柱主筋6と帯筋7を配筋する。
その後、プレート定着板10を鉄骨梁3に接合し、支保工などにより、プレート定着板10が設けられた鉄骨梁3を設置する。
次に、柱主筋6の上端部6aを、水平鋼板11に開設された孔11c内に挿通させて、上端部6aにナット8を螺着させることにより緊締する。
その後、型枠内にコンクリートを打設して、RC柱2を製作する。
最後に型枠、支保工を撤去する。
次に、上記の実施形態として示した、柱主筋の定着構造1の作用、効果について説明する。
上記のような構成によれば、建物最上階において、柱主筋6の上端部6aがプレート定着板10の水平鋼板11に固着されており、プレート定着板10は鉛直鋼板12を備えているため、地震時等に、柱主筋6に引張力が作用した場合においても、この鉛直鋼板12が水平鋼板11の面外剛性を高めることによって、プレート定着板10の変形を防止することができる。また、プレート定着板10は、柱梁接合部のコンクリートを面材として押し込み、コンクリートの支圧効果を高めることができる。これにより、定着破壊を防止可能な、強固な柱主筋の定着構造を実現することが可能となる。
また、上記のように、プレート定着板10によって、柱主筋6を柱梁接合部に強固に定着することが可能となるため、最上階の柱2の柱頭部2aをふかしたり、鉄骨梁3上に設けられる屋根スラブ4が厚くなるように増し打ちしたり、あるいは、鉄骨梁3の梁端部をピン接合として曲げモーメントの影響を受けないように設計する等の処置が不要である。鉄骨梁3の梁端部をピン接合とする必要がないために、鉄骨梁3を長スパン化することも可能である。したがって、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である。
また、プレート定着板10が鉛直鋼板12を備えていない場合においては、プレート定着板10の柱主筋6が接合される部分のみの耐力で軸力に抵抗して変形を防ぐ必要があるため、当該部分を厚くする、高価な高強度の部材を使用する等により、当該部分の強度を高めなければならないが、上記の構成においては、プレート定着板10は、鉛直鋼板12を備えるという構造的な特徴によって、軸力に抵抗して変形を防ぐものであるため、プレート定着板10の柱主筋6が接合される部分の強度を極度に高める必要がない。したがって、比較的安価にプレート定着板10を製作することが可能となり、材料費を更に低減することができる。
また、プレート定着板10は水平鋼板11が鉛直鋼板12に溶接されて形成されているため、柱主筋6に作用する引張力に対して、一体となって抵抗することができる。また、柱主筋6の上端部6aが水平鋼板11上にナット8で緊締されているため、柱主筋6に作用する引張力を、水平鋼板11直下のコンクリートの反作用力で抵抗させることができる。すなわち、柱主筋6に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造となる。
また、プレート定着板10の水平鋼板11を、鉄骨梁3の上部フランジ3aを跨いだ上部フランジ3a上に設置されているため、プレート定着板10を形成する鉛直鋼板12とともに、鉄骨梁3が、水平鋼板11の変形に抵抗することが可能となる。したがって、更に強固な構造を実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、図4を用いて、柱主筋の定着構造の第2の実施形態を説明する。図4は、第2の実施形態による柱主筋の定着構造を構成するプレート定着板であり、図4(a)は上面図で、図4(b)は正面図で、図4(c)は設置状況の説明図である。第2の実施形態のプレート定着板(定着手段)20は、第1の実施形態のプレート定着板10と比べると、鉛直鋼板(鉛直部)22の形状と、プレート定着板20が鉄骨梁とは接合されない点が異なっている。
プレート定着板20の水平鋼板21は、図3に示されるプレート定着板10の水平鋼板11と同様な形状を有している。鉛直鋼板22は、水平鋼板21の長さ方向X1の中央近傍の一定区間内において、水平鋼板21の下面21bの、幅方向Y1における略中央の位置から垂直に突出し、鉛直下方に延在する矩形形状の鋼板である。鉛直鋼板22は、水平鋼板21に対して溶接により接合されている。また、鉛直鋼板22は、図3に示されるようなスリット12d、12eを有していない。
図4(c)に示されるように、上記のようなプレート定着板20に対して、第1の実施形態におけるプレート定着板10と同様に、柱主筋6が、水平鋼板21に開設された孔21c内に挿通されるとともに、水平鋼板21の上方に突出する柱主筋6の上端部6aにナット8が螺着され緊締されている。プレート定着板20は、鉄骨梁に対して接合されない状態で、RC柱2のコンクリートに埋設されて、固定されている。
本第2の実施形態においては、プレート定着板20が梁のフランジ面を上面から抑える構造ではないので、柱主筋6を介して水平鋼板21が下方に抑え込むことになる。また一方では、プレート定着板20は、鉄骨梁の位置に依存せずに、柱主筋6の位置のみを考慮して配置されるために、設計自由度が向上される。また、鉛直鋼板22にスリットを開設する必要がなくなるため、施工費用を低減可能である。
本第2の実施形態が、上記第1の実施形態と同様に、定着破壊を防止可能な、強固な柱主筋の定着構造を実現することが可能となる、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である、柱主筋6に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造を実現することが可能となる等の効果を奏することはいうまでもない。
(第3の実施形態)
次に、図5を用いて、柱主筋の定着構造の第3の実施形態を説明する。図5は、本発明の第3の実施形態による柱主筋の定着構造であり、図5(a)は水平断面図で、図5(b)は図5(a)の正面縦断面図(B−B´)である。第3の実施形態のプレート定着板(定着手段)30は、第1の実施形態のプレート定着板10と比べると、鉛直鋼板(鉛直部)32の形状と、プレート定着板30の設置構造が異なっている。
プレート定着板30の水平鋼板31は、図3に示されるプレート定着板10の水平鋼板11と同様な形状を有している。プレート定着板30の鉛直鋼板32も、基本的にはプレート定着板10の鉛直鋼板12と同様な形状を有しており、水平鋼板31に対して垂直に溶接されている。しかし、プレート定着板30の鉛直鋼板32は、図5(b)に示されるように、鉛直鋼板32の下端32cが、水平方向に切截されて、水平鋼板31と平行となるように形成されており、その幅は、鉄骨梁3の下部フランジ3bの幅と略同等になっている点が異なっている。これにより、プレート定着板30が第1の実施形態と同じ要領で鉄骨梁3に設置された時に、鉄骨梁3の下部フランジ3bの直上に鉛直鋼板32の下端32cが位置せしめられるようになっている。プレート定着板10の第1のスリットを形成する側辺32fと、ウェブ3cの側面は溶接されており、鉄骨梁3の下部フランジ3bの上面と鉛直鋼板32の下端32cは溶接されている。
本第3の実施形態においては、図5(a)における左右方向である第1の方向Xの両側から、RC柱2に対して鉄骨梁3Aが接続されているとともに、第1の方向Xに水平面内で直交する第2の方向Yからも、鉄骨梁3Bが接続されている。これに伴い、RC柱2の各外表面2bに近い位置に、計4個のプレート定着板30(30A、30B)が埋設されて設けられている。
鉄骨梁3Aと鉄骨梁3BはXY平面内で直交しており、また、鉄骨梁3A、3Bと、これらに対応するプレート定着板30A、30Bの各々は、第1の実施形態において記載した要領で、直交して交差するように接合されている。したがって、鉄骨梁3Aに設けられたプレート定着板30Aと、鉄骨梁3Bに設けられたプレート定着板30Bは、互いに直交するように位置している。プレート定着板30Aとプレート定着板30Bは、各々の水平鋼板31の端部において、互いに接合されて、これにより、4個のプレート定着板30の、4枚の水平鋼板31がロ字形状を成している。各プレート定着板30同士は、ロ型状の四隅において、其々重なり部分が設けられている。
RC柱2の柱主筋6は、第1の実施形態と同様に、水平鋼板31に開設された孔31c内に挿通されるとともに、水平鋼板31の上方に突出する柱主筋6の上端部6aにナット8が螺着され緊締されている。
本第3の実施形態においては、4個のプレート定着板30の、4枚の水平鋼板31の端部同士が重なり合い、互いに接続されて、ロ字形状を成している。また、各プレート定着板30の鉛直鋼板32の下端32cは、水平方向に延在するように形成されており、鉄骨梁3の下部フランジ3bの上面と鉛直鋼板32の下端32cは溶接されている。これらの構造により、プレート定着板30の変形を更に効果的に防止することができるため、第1の実施形態よりも強固な、柱主筋の定着構造を実現することが可能となる。
本第3の実施形態が、上記第1の実施形態と同様に、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である、柱主筋に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造を実現することが可能となる等の効果を奏することはいうまでもない。
(第4の実施形態)
次に、図6を用いて、柱主筋の定着構造の第4の実施形態を説明する。図6は、本発明の第4の実施形態による柱主筋の定着構造であり、図6(a)は水平断面図で、図6(b)は図6(a)の正面縦断面図(C−C´)である。第4の実施形態のプレート定着板(定着手段)40(40A、40B)は、第1の実施形態のプレート定着板10と比べると、2個のプレート定着板40A、40Bを備えていること、及び、各プレート定着板40A、40Bは、鉄骨梁3に挿通されるのではなく、側方から鉄骨梁3に接合されている点が異なっている。本実施形態では、プレート定着板40の水平鋼板41は鉄骨梁3の上部フランジ3aと同一レベルであるために、鉄骨梁3とプレート定着板40の接合方法は複雑となる。しかし、プレート定着板40が上部フランジ3aの上面に設置されないために、柱主筋6の頭部側については、コンクリートの被り厚さを容易に確保することができる。
図6(b)において、鉄骨梁3の右に図示されているプレート定着板40Aは、略矩形形状の鉛直鋼板(鉛直部)42Aと、この鉛直鋼板42Aよりも、鉄骨梁3のウェブ3cの側面3eから上部フランジ3aの側辺3fまでの距離D分だけ、短く形成された水平鋼板41Aを備えている。水平鋼板41Aと鉛直鋼板42Aは、図6(b)における右端を揃えつつ、長さ方向の互いの側辺において互いに垂直に接合されており、これにより、水平鋼板41の左端には、鉛直鋼板42Aよりも距離D分だけ短い欠落部が形成されている。
プレート定着板40Aは、鉄骨梁3の図6(b)における右方向から、上記欠落部内に鉄骨梁の上部フランジ3aが位置するように設けられる。すなわち、水平鋼板41Aの欠落部側の側辺41aが上部フランジ3aの側辺3fと、鉛直鋼板42Aの欠落部における上端辺42aが上部フランジ3aの下面と、及び、鉛直鋼板42Aの側端辺42bがウェブ3cの側面と、それぞれ接するようにプレート定着板40Aが配されて、これらの接触部位において溶接されることで、プレート定着板40Aは鉄骨梁3に接合されている。
プレート定着板40Aの、欠落部とは反対側の端部、すなわち図6(b)における右端には、孔41bが形成されている。柱主筋6は、第1の実施形態と同様に、水平鋼板41Aに開設された孔41b内に挿通されるとともに、水平鋼板41Aの上方に突出する柱主筋6の上端部6aにナット8が螺着され緊締されている。
鉄骨梁3の左に図示されているプレート定着板40Bは、鉄骨梁3を挟んで、プレート定着板40Aと対称的な形状を備えており、鉄骨梁3の、プレート定着板40Aとは反対側に、プレート定着板40Aと同様に接合されている。プレート定着板40Bに対しても、プレート定着板40Aと同様に、柱主筋6が接続されている。
本第4の実施形態においては、プレート定着板40(40A、40B)が2個のプレート定着板40A、40Bを備えており、各プレート定着板40A、40Bは、鉄骨梁3の側方から接合されている。したがって、上記した第1及び第3の実施形態のように、プレート定着板40A、40Bを鉄骨梁3に接合するに際し、プレート定着板のスリットに鉄骨梁3を通す必要がないため、施工が容易である。
また、上記のように、コンクリートの被り厚さを容易に確保することができる。
本第4の実施形態が、上記第1の実施形態と同様に、定着破壊を防止可能な、強固な柱主筋の定着構造を実現することが可能となる、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である、柱主筋6に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造を実現することが可能となる等の効果を奏することはいうまでもない。
(第5の実施形態)
次に、図7を用いて、柱主筋の定着構造の第5の実施形態を説明する。図7は、本発明の第5の実施形態による柱主筋の定着構造であり、図7(a)は水平断面図で、図7(b)は図7(a)の正面縦断面図(D−D´)である。第5の実施形態のプレート定着板(定着手段)50(50A、50B)は、第4の実施形態のプレート定着板40(40A、40B)と同様に、2個のプレート定着板50A、50Bを備えており、各プレート定着板50A、50Bは、鉄骨梁3の側方から接合されている。プレート定着板50は、第4の実施形態におけるプレート定着板40とは、鉛直鋼板(鉛直部)52の形状が異なっている点を除いて、同じ形状を備えており、プレート定着板40(40A、40B)と同様な要領で鉄骨梁3に接合されている。
各プレート定着板50A、50Bの鉛直鋼板52A、52Bは、図7(b)に示されるように鉄骨梁3の両側に接合された時に、第3の実施形態として図5を用いて示したプレート定着板30の鉛直鋼板32と同様な形状を成すように形成されている。すなわち、鉛直鋼板52A、52Bの各々の、図7(b)の左右方向において外方に位置する外側側辺52bが、斜め内側方向に向けて屈曲する形状を備えることによって、鉛直鋼板52A、52Bの幅が漸次小さくなるように形成されているとともに、下端52cが、水平方向に切截されて、水平鋼板51A、51Bと平行となるように形成されている。これにより、プレート定着板50A、50Bが鉄骨梁3に設置された時に、鉄骨梁3の下部フランジ3bの直上に鉛直鋼板52A、52Bの下端52cが位置せしめられるようになっている。
プレート定着板50Aは、図6(b)に示されるプレート定着板40Aと同様に、水平鋼板51Aの内側側辺51aが上部フランジ3aの側辺3fと、鉛直鋼板52Aの欠落部における上端辺52aが上部フランジ3aの下面と、及び、鉛直鋼板52Aの側端辺52dがウェブ3cの側面と、それぞれ接するようにプレート定着板50Aが配されて、これらの接触部位において溶接されることで、鉄骨梁3に接合されている。更に、本第5の実施形態においては、鉄骨梁3の下部フランジ3bの上面と鉛直鋼板52Aの下端52cが溶接されている。プレート定着板50Bも、プレート定着板50Aと同様に、鉄骨梁3に接合されている。
柱主筋6は、第4の実施形態において上記した要領で、プレート定着板50A、50Bの水平鋼板51A、51Bに固定されている。
本第5の実施形態においては、上記の構成を有することにより、上記第4の実施形態と同様に、プレート定着板のスリットに柱主筋を通す必要がないため、施工が容易であるとともに、上記第3の実施形態と同様に、第1の実施形態よりも強固な、柱主筋の定着構造を実現することが可能となる。
本第5の実施形態が、上記第1の実施形態と同様に、定着破壊を防止可能な、強固な柱主筋の定着構造を実現することが可能となる、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である、柱主筋に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造を実現することが可能となる等の効果を奏することはいうまでもない。
(第6の実施形態)
次に、図8を用いて、柱主筋の定着構造の第6の実施形態を説明する。図8は本発明の第6の実施形態による柱主筋の定着構造のプレート定着板であり、図8(a)は水平断面図、図8(b)は斜視図、図8(c)は設置状況の説明図である。第6の実施形態のプレート定着板(定着手段)60は、第1の実施形態のプレート定着板10と比べると、水平鋼板61及び鉛直鋼板(鉛直部)62の形状と、プレート定着板60が鉄骨梁とは接合されない点において異なっている。本第6実施形態では、図4に示す第2実施形態と同様に、水平鋼板61が、鉄骨梁3のフランジ面を上面から抑える構造ではないので、柱主筋6を介して水平鋼板61が下方に抑え込むことになる。しかし、一方では、プレート定着板60は、鉄骨梁3の位置に依存せずに、柱主筋6の位置のみを考慮して配置できるために、設計自由度が向上できる面もある。
プレート定着板60の水平鋼板61は、辺61aを長辺とし、2本の辺61bを短辺とした略直角二等辺三角形状の鋼板である。水平鋼板61の、2本の短辺61bの互いに直交する交点近傍には、孔61cが開設されている。また、長辺61aの、短辺61bと交わる各端点の近傍には、該端点の接続する短辺61bと平行に、一定の深さのスリット61dがそれぞれ設けられている。スリット61dの幅は、柱主筋の直径と略同等となるように形成されている。
水平鋼板61の下面には、3枚の鉛直鋼板62が、水平鋼板61に対して垂直になるように溶接されている。3枚の鉛直鋼板62は、各鉛直鋼板62の一方の側辺が向かい合って溶接され、他方の側辺が放射状に、互いに外方を向くように設けられることにより、水平断面視した際にY字形状となるように形成されている。
上記のようなプレート定着板60は、図8(c)に示されるように、平面視において断面矩形形状をなしているRC柱2の4個の角の各々に1個ずつ、各角において直交するRC柱2の2つの外表面2bと2本の短辺61bがそれぞれ平行に位置するように設けられている。プレート定着板60に対して、第1の実施形態におけるプレート定着板10と同様に、図8(c)に示されるように、柱主筋6が、水平鋼板61に開設された孔61c内に挿通されるとともに、水平鋼板61の上方に突出する柱主筋6の上端部にナット8が螺着され緊締される。また、柱主筋6は、孔61cと同様に、水平鋼板61に形成されたスリット61d内に挿通されるとともに、水平鋼板61の上方に突出する柱主筋の上端部6にナット8が螺着されて緊締されている。
プレート定着板60は、第2の実施形態として図4(c)を用いて説明したプレート定着板20と同様に、鉄骨梁3に対して接合されない状態で、RC柱2のコンクリートに埋設されて、固定される。
本第6の実施形態においては、第2の実施形態と同様に、プレート定着板60が鉄骨梁3に接合されていないため、プレート定着板60を、鉄骨梁3の位置に依存せずに、柱主筋6の位置のみを考慮して配置することが可能となる。これにより、設計自由度が向上する。
また、柱主筋6は、水平鋼板61に形成されたスリット61d内に挿通させて固定することが可能である。すなわち、柱主筋6の上端部を水平鋼板61に固定する際に、上端部の位置を、スリット61dが形成された方向にスリット61dに沿って、スリット61dの長さ分だけ、移動させて調整することが可能である。これにより、対応可能な配筋形式が増えるため、設計自由度が更に向上する。
また、プレート定着板60は、複数の柱主筋6を1枚のプレート定着板60で定着させるものであり、四隅位置の柱主筋6に隣接する其々の柱主筋6はスリット61dに挿入させ、固定するものであり、多様な柱主筋6の配筋位置であっても本プレート定着板60で対応可能である。
本第6の実施形態が、上記第1の実施形態と同様に、定着破壊を防止可能な、強固な柱主筋の定着構造を実現することが可能となる、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である、柱主筋に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造を実現することが可能となる等の効果を奏することはいうまでもない。
(第7の実施形態)
次に、図9を用いて、柱主筋の定着構造の第7の実施形態を説明する。図9は第7の実施形態による柱主筋の定着構造を構成するプレート定着板であり、図9(a)は斜視図で、図9(b)、(c)は設置状況の説明図である。第7の実施形態のプレート定着板(定着手段)70は、第1の実施形態のプレート定着板10と比べると、プレート定着板70の形状と設置構造が異なっている。
プレート定着板70は、水平面内に位置して水平方向に延在する水平鋼板71と、水平鋼板71の長さ方向に延在する両側辺に対して鉛直下方向に接合された2枚の鉛直鋼板(鉛直部)72によって形成された、断面形状がC字形状の部材である。
プレート定着板70の水平鋼板71上面の、柱主筋が定着される位置には、鋼板である支圧板74が固定されており、水平鋼板71と支圧板74の双方を貫通するように孔75が開設されている。
図9(b)、(c)に示されるように、プレート定着板70は、水平鋼板71の上面が鉄骨梁3の上部フランジ3aの下面に、及び、プレート定着板70の長さ方向に位置する端面がウェブ3cの側面に、それぞれ接するように、鉄骨梁3に接合されている。各鉄骨梁3のウェブ3cの双方の側面にプレート定着板70が接合されており、したがって図9(b)においては8個のプレート定着板70が、ロ字形状を成すように設けられている。柱主筋6は、各プレート定着板70の孔75に挿通されるとともに、支圧板74の上方に突出する柱主筋6の上端部にナット8が螺着されて緊締されている。
本第7の実施形態においては、プレート定着板70が、水平鋼板71と、2枚の鉛直鋼板72によって形成されており、また、柱主筋は水平鋼板71と支圧板74の双方に固定されるため、2枚の鉛直鋼板72と支圧板74がプレート定着板の面外剛性及び支圧効果を高めることによって、柱主筋の定着構造を更に強固にすることが可能となる。
本第7の実施形態が、上記第1の実施形態と同様に、設計、施工、及び材料費等を低減し、かつ、広い室内空間を実現することが可能である、柱主筋に作用する引張力に抵抗しうる強固な構造を実現することが可能となる等の効果を奏することはいうまでもない。
なお、本発明の柱主筋の定着構造及び定着構造を備えた建物は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
例えば、上記の各実施形態においては、コンクリート造柱はRC柱であり、鋼製梁はH形鋼であったが、これに限られない。コンクリート造柱は鉄骨鉄筋コンクリート等であってもよいし、鋼製梁はT形鋼等であってもよい。
また、第4及び第7の実施形態においては、プレート定着板を複数の鋼板を溶接して製作するのではなく、L形鋼やCチャンネル等の、市販のロール材を適宜切削して作成しても構わない。これにより、プレート定着板の製作が更に容易となる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記各実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1 柱主筋の定着構造
2 RC柱(コンクリート造柱)
3 鉄骨梁(鋼製梁) 3a 上部フランジ(フランジ)
3b 下部フランジ(フランジ) 3c ウェブ
6 柱主筋 6a 上端部
8 ナット
10、20、30、40、50、60、70 定着手段(プレート定着板)
11、21,31、41、51、61、71 水平鋼板
11c、21c、31c、41b、61c、75 孔
12、22、32、42、52、62、72 鉛直部(鉛直鋼板)

Claims (4)

  1. コンクリート造柱と鋼製梁で構成された建物の最上階の柱梁接合部における柱主筋の定着構造であって、
    前記柱主筋の上端部は、鉛直部を有する定着手段に固着され
    前記定着手段は、水平鋼板と前記鉛直部を構成する鉛直鋼板が接合されたプレート定着板であり、前記鉛直鋼板は、前記コンクリート造柱を構成するコンクリート内に埋設されていることを特徴とする柱主筋の定着構造。
  2. 記柱主筋は、前記水平鋼板に開設された孔内に挿通されるとともに、該柱主筋の上端部が前記水平鋼板上にナットで緊締されていることを特徴とする請求項1に記載の柱主筋の定着構造。
  3. 記鋼製梁は、上部フランジ、下部フランジ、及びウェブを備え、
    前記水平鋼板は、前記鋼製梁の上部フランジを跨い該上部フランジ上に設置され、
    前記鉛直鋼板は、前記水平鋼板の下面から下方に延在し、前記ウェブの両側に接合されて、下端が前記下部フランジの上面の高さに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の柱主筋の定着構造。
  4. 前記定着手段は、前記鋼製梁から離間して位置づけられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の柱主筋の定着構造。
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