JP5806843B2 - 建物の耐震構造及び建物 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の耐震構造及び建物に関する。
建物の耐震構造として、上下の大梁間に立設された一対の縦材と、それら縦材間に設けられたブレース(筋交い)とを有する耐力壁を備えた構造が知られている(例えば特許文献1参照)。かかる構造では、地震等が発生して建物に揺れが生じた場合に、ブレースが引張又は圧縮されることで揺れが吸収されるようになっている。
かかる耐力壁を有する建物では、窓部等の開口部を形成する際に耐力壁の横幅を小さくする必要に迫られることがある。その一方で、ブレース構造では振動を吸収するためにブレースの伸び代がある程度必要であるため、ブレースの長さを短くすると振動を好適に吸収できなくなるおそれがある。そのため、上記の耐震構造では、耐力壁を幅狭に構築することが困難であり、建物のプランニングに種々の制約が生ずるという問題があった。
建物の耐震構造としてはその他に、ブレースの一部に、曲げ変形することにより振動時のエネルギを吸収する曲げ部を設けた構成が知られている。図8には、かかる構造の例が示されている。図8では、一対の縦材91,92の間に設けられたブレース93の両端側に曲げ部95が設けられており、その曲げ部95によりブレース93の両端部が縦材91,92に沿う向きに配置された連結端部96となっている。そして、それら各連結端部96がそれぞれ各縦材91,92に連結されている。これによれば、地震等により建物に揺れが発生した場合に、曲げ部95がその通常状態に対して曲げ変形(塑性変形)することにより揺れが吸収される。具体的には、連結端部96はスペーサ98を介して縦材91,92に連結されており、かかる連結により曲げ部95が縦材91,92から離間した位置に配置されている。これにより、曲げ部95が曲げ変形する領域が確保されて、該変形により建物の揺れを吸収できるようになっている。この場合、ブレースの伸び代がある程度必要となる上述したブレースの圧縮・引張により揺れを吸収する構造と比べ、耐力壁を幅狭にすることが可能となる。
特許第3664611号公報
しかしながら、曲げ部95の曲げ変形により揺れを吸収する上記耐震構造において、幅狭の耐力壁を構築すべくブレース93の長さを短くした場合、建物に揺れが生じた際にブレース93が圧縮される圧縮長さが小さくなるため、ブレース93の圧縮による揺れの吸収量が低下し、その結果として揺れのエネルギが曲げ部95に集中することが考えられる。その場合、曲げ部95の塑性変形(降伏)が早まり、建物の揺れを好適に吸収できないおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、幅狭の耐力壁を構築する場合において、建物に生じる揺れを好適に吸収できる建物の耐震構造及び建物を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の耐震構造は、互いに平行に設けられた一対の柱材と、線状材よりなり前記一対の柱材の間に設けられた複数の耐震要素と、有する耐力壁を備え、前記各耐震要素は、前記一対の柱材に各々固定される第1固定部と第2固定部とを有し、前記第1固定部は、前記一対の柱材の一方にスペーサを介して固定され、前記第2固定部は、前記一対の柱材の他方に前記スペーサを介さず直に固定され、それら第1固定部及び第2固定部の間に、前記柱材に対して斜めに延びる斜め部が設けられており、前記複数の耐震要素には、前記第1固定部寄りの部位において前記スペーサにより当該耐震要素が柱材から離間した離間部分を変形領域として、建物への水平荷重が生じた時に曲げ変形により応力を吸収する応力吸収部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、耐震要素において第1固定部についてはスペーサを介して柱材に固定されている一方、第2固定部についてはスペーサを介さないで直接柱材に固定されている。この場合、耐力壁の幅を同じとした条件の下で、耐震要素の各固定部がそれぞれスペーサを介して柱材に固定されている構成と比較すると、斜め部の長さをスペーサの厚み分長くすることができる。これにより、地震等により建物に揺れが生じ、斜め部が圧縮された場合に、斜め部が圧縮される圧縮長さ、ひいては斜め部の圧縮による揺れの吸収量を大きくすることができるため、揺れのエネルギが応力吸収部に集中するのを抑制でき、その結果応力吸収部の塑性変形(降伏)が早まるのを抑制できる。この場合、斜め部の長さを短くして幅狭の耐力壁を構築する構成において、耐震要素の揺れ吸収機能を高めることができる。
また、本耐震要素では、斜め部の両端部の各固定部のうち第2固定部についてはスペーサを介さないで柱材に固定した関係上、一の斜め部につき応力吸収部が1つしか設けられていないものの、一対の柱材間に耐震要素を複数設けることで、応力吸収部を複数有する構成となっている。したがって、耐震要素の各固定部がそれぞれスペーサを介して柱材に連結されている構成、すなわち一の斜め部につき応力吸収部が2つ設けられている構成(図8の構成)と比べ、耐力壁の単位高さ(上下長さ)当たりにおける応力吸収部の個数を同等とすることができる。よって、以上より、上記の構成は、幅狭の耐力壁を構築する場合において、建物に生じる揺れを好適に吸収することができる。
第2の発明の建物の耐震構造は、第1の発明において、前記複数の耐震要素は、各耐震要素の斜め部が互いに交差する状態で前記各柱材に固定されており、その交差部において互いに固定されていないことを特徴とする。
複数の耐震要素を各斜め部が互いに交差する状態で各柱材に固定する構成において、その交差部にて各耐震要素の斜め部同士を互いに固定するようにすれば、地震等で揺れが発生した場合に、圧縮荷重を受ける一方の斜め部の座屈(面外座屈)を、他方の斜め部によって拘束することが可能となる。この場合、揺れの発生時において、応力吸収部での曲げ変形が生じる前に、斜め部の座屈が生じるといった不都合を抑制することができ、揺れの吸収機能をより確実に発揮させることが期待できる。この点からすると、かかる構成とすることが好ましいと思われるが、幅狭の耐力壁を構築する場合においては、斜め部の長さが短くなるため斜め部の座屈が生じる可能性が少ないと考えられる。また、各耐震要素の斜め部同士をその交差部で固定すると、各斜め部において互いの変位が拘束され、応力吸収部での曲げ変形が制限されるおそれがある。すなわち、応力吸収部において揺れを好適に吸収できなくなる可能性がある。そこで、本発明では、互いに交差する複数の斜め部を、その交差部において互いに固定しないようにし、これにより各斜め部において一方の斜め部が他方の斜め部によって拘束されないようにしている。これにより、各耐震要素の各々の応力吸収部において曲げ変形が制限されるのを回避でき、同曲げ変形による揺れ吸収機能を好適に発揮させることが可能となる。
第3の発明の建物の耐震構造は、第1又は第2の発明において、前記複数の耐震要素をそれぞれ前記柱材に固定している前記各スペーサがそれぞれ別々の柱材に固定されて対向配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の各耐震要素ごとに設けられた各々のスペーサが、別々の柱材に固定されて対向配置されているため、各耐震要素の応力吸収部がそれぞれ別々の柱材の側に配設されている。これにより、建物の揺れがいずれの方向に生じたとしてもバランスよく耐震効果を発揮できる。
第4の発明の建物の耐震構造は、第1乃至第3の発明において、前記複数の耐震要素は、前記線状材の一部として前記各柱材に沿って延びる鉛直部を有し、その鉛直部が前記第1固定部及び前記第2固定部となっており、前記第1固定部における前記鉛直部の長さL1は、前記スペーサの鉛直方向の長さよりも大きく、前記第2固定部における前記鉛直部の長さL2は、前記長さL1よりも小さいものとなっていることを特徴とする。
本発明によれば、第1固定部は、その鉛直部の長さL1がスペーサの鉛直方向の長さよりも大きくなっているため、その一部が鉛直方向においてスペーサから延出している。この場合、応力吸収部での曲げ変形時において、その延出部分が同曲げ変形に伴って変位するため、応力吸収部における曲げ変形が好適に行われ、その結果建物の揺れ吸収機能を高めることができる。
一方、スペーサを介さないで柱材に固定されている第2固定部ではかかる延出部が不要であるため、鉛直部の長さL2が、第1固定部における鉛直部の長さL1よりも短くされている。この場合、一対の柱材間に斜め部を上下に複数設ける場合において、上下に隣接する斜め部同士の間隔を小さくすることができるため、斜め部の設置個数を増やすことができ、ひいては応力吸収部の設置個数を増やすことができる。これにより、耐震性能の向上が期待できる。
第5の発明の建物の耐震構造は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記複数の耐震要素は、前記第1固定部及び前記第2固定部の少なくともいずれかを挟んでその両側にかつ前記柱材に対する傾きを互いに逆にして設けられた複数の前記斜め部をそれぞれ有していることを特徴とする。
本発明によれば、複数の耐震要素において第1固定部及び第2固定部の少なくともいずれかを挟んでその両側に複数の斜め部が設けられており、それら各斜め部についての柱材への固定にあたり第1固定部(又は第2固定部)を共用できる。この場合、一対の柱材間に斜め部を上下に複数並べるにあたり、斜め部とその両端部の各固定部とをそれぞれ1つずつ有してなる耐震要素を上下に複数並べる場合(換言すると上下に隣接する複数の斜め部を柱材に固定するにあたり固定部を共用しない構成)と比べ、上下に隣接する斜め部同士の間隔を小さくすることができる。したがって、斜め部の設置個数、ひいては応力吸収部の設置個数を多くすることができ、その結果耐震性能を高めることができる。
第6の発明の建物は、車両を駐車するためのガレージを備え、第1乃至第5のいずれかの発明の耐震構造が採用されており、前記ガレージへの車両の出入りを可能とするガレージ開口部に隣接して、前記耐力壁が、各柱材の並び方向が前記ガレージ開口部の開口幅方向と同じとなる向きで設けられていることを特徴とする。
建物においてガレージ開口部は比較的大開口として形成されるものであるため、ガレージ開口部に隣接して耐力壁をその壁幅方向をガレージ開口部の開口幅方向に向けて設置する場合には、ガレージ開口部の開口幅を狭くせざるを得ない等、建物プランニング上の制約が生じ易いと考えられる。この点、第1乃至第5の発明における耐震構造によれば、上述したように幅狭の耐力壁を構築できるため、これをガレージ開口部に隣接してその壁幅方向をガレージ開口幅方向に向けて設置すれば、かかるプランニング上の制約を緩和しつつ耐力壁を設置できる。
ところで、耐力壁により耐震構造を構築する建物(例えば壁式構造からなる建物)において、ガレージ開口部の周辺だけをラーメン構造とし、これによりプランニングの制約を解消しつつ耐震性能を確保する構成も考えられる。しかしながら、このような異種構造の組み合わせ(つまり混構造)からなる建物とすると、一方の構造体において耐震性能を十分に発揮できない、各構造体について納まりの共通化が図れない等、種々の不都合が生じることが考えられる。この点、上記の構成とすれば、ガレージ開口部周辺においても、その他の部位と同じ種類の構造とすることができるため、上述の不都合を回避しつつ耐震性能を確保できる利点も得られる。
建物の骨組みを示す正面図。 下階柱の構成を示す正面図。 図2のA−A線断面図。 図2における領域Bの拡大図。 他の実施形態における建物の骨組みを示す正面図。 耐力壁の設置の仕方についての別例を示す図。 下階柱の構成に関する別例を示す正面図。 従来における耐力壁の構成を示す正面図。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は建物の骨組みを示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態の建物10は、基礎11上に形成された下階としての一階部分12と、その一階部分12の上方に連続して形成された上階としての二階部分13とを備えている。基礎11は、周知の鉄筋コンクリート造の基礎として構成されている。一階部分12にはガレージ15が形成されており、二階部分13には居室16が形成されている。ガレージ15の一側面(正面)には、車両の出入りを可能とするガレージ開口部17(一点鎖線参照)が形成されている。
一階部分12において、基礎11上には、H形鋼よりなる下階床梁18が当該基礎11に沿って設けられており、下階床梁18上には、下階柱21,22が立設されている。各下階柱21,22はガレージ開口部17を挟んだ両側に設けられており、そのうち下階柱21はラチス柱により構成され、耐力壁として機能するものとなっている。また、この下階柱21は、幅狭の耐力壁として構築されており、その横幅が250mmとなっている。
各下階柱21,22の上端には、水平方向に延びる上階床梁19が連結されている。上階床梁19の下面側には、下階天井梁26が上階床梁19に沿って連結されている。下階天井梁26は、上階床梁19よりもその長さが短くなっており、各下階柱21,22間に配設されるものとなっている。上階床梁19と下階天井梁26とは下階床梁18と同様にH形鋼よりなり、これら各梁19,26は同一の断面形状を有して形成されている。なお、図示は省略するが、上階床梁19の上部には図示しない上階床材が設置されており、下階天井梁26の下部には下階天井材が設置されている。これにより、一階部分12と二階部分13との境界部が構築されるようになっている。
二階部分13において、上階床梁19上には上階柱23,24の下端が連結されている。上階柱23は、上記下階柱21と同様に、ラチス柱により構成されており、耐力壁として機能するものとなっている。これら各上階柱23,24の上端には水平方向に延びる上階天井梁27が連結されている。この上階天井梁27の下部には、上階天井材(図示略)が設置されるようになっている。
ところで、本建物10では、上述したように耐力壁としての下階柱21を(上階柱23よりも)幅狭に構築しており、これにより、建物10におけるプランニング上の制約を緩和しつつ、ガレージ開口部17に隣接して下階柱21を配置可能としている。以下、かかる下階柱21の構成について図2乃至図4に基づいて説明する。なお、図2は下階柱21の構成を示す正面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2における領域Bの拡大図である。
図2に示すように、下階柱21は、下梁としての下階床梁18と、上梁としての上階床梁19との間に設けられた左右一対の縦材31,32と、それら各縦材31,32の間に設けられた耐震要素としての一対の耐震用線材34,35とを備えている。縦材31,32は、角形鋼からなり、その下端部が下ブラケット41を介して下階床梁18に連結されており、その上端部が上ブラケット42を介して上階床梁19に連結されている。各ブラケット41,42は共にスチフナ付きのH形鋼からなり、一対のフランジを上下とする向きに設けられている。
縦材31,32の連結構成について詳しくは、下ブラケット41は、その上フランジ部が縦材31,32の下端部に溶接等により固定され、その下フランジ部が下階床梁18にボルト48により固定されている。したがって、各縦材31,32は下階床梁18に対してピン接合されている。また、下階床梁18の溝内には平板状の板金からなるスチフナ45が下階床梁18の上下の各フランジ部を繋ぐように縦向きで配設されている。スチフナ45は、下ブラケット41のウェブ部と上下に並ぶ位置に配置されており、下階床梁18に対して溶接等により固定されている。これにより、下階柱21の下端部と下階床梁18との連結強度が高められている。
一方、上ブラケット42は、その下フランジ部が縦材31,32の上端部に溶接等により固定され、その上フランジ部が上階床梁19にボルト49により固定されている。したがって、各縦材31,32は上階床梁19に対してピン接合されている。また、上階床梁19の溝内には平板状の板金からなるスチフナ46が上階床梁19の上下の各フランジ部を跨ぐように縦向きで配設されている。スチフナ46は、上ブラケット42のウェブ部と上下に並ぶ位置に配置され、上階床梁19に対して溶接等により固定されている。これにより、下階柱21の上端部と上階床梁19との連結強度が高められている。
耐震用線材34,35は、丸鋼材が曲げ加工されることにより形成されており、左右一対の縦材間31,32において縦材31,32の上下方向ほぼ全域に亘って延びている。各耐震用線材34,35は同一の構成を有しており、下階柱21の正面視において左右対称の関係となるように配置されている。また、この配置状態において各耐震用線材34,35は、図3に示すように、下階柱21の前後方向(下階柱21の横幅方向に直交しかつ水平となる方向)において耐震用線材34が前側、耐震用線材35が後側に位置している。
耐震用線材34,35は、一対の縦材31,32間において互いに交差した状態で設けられた斜め部をそれぞれ備え、これら交差しあう斜め部(換言すると交差部X)が上下方向に複数(図2では6つ)並べられている。すなわち、各耐震用線材34,35にはそれぞれ縦材31,32に対する傾きが互いに逆となる斜め部が設けられている。以下の説明では便宜上、上下に隣接する2つの交差部Xについてその一方の交差部Xを構成する各斜め部に51の符号を付し、他方の交差部Xを構成する各斜め部に52の符号を付す。また、本実施形態では、交差部Xにおいて互いに交差する斜め部51,52同士がその交差部において互いに固定されていない。そのため、地震等が発生して下階柱21に揺れが生じ交差する各斜め部51,52のうち一方の斜め部51,52が変位する場合において、その変位が他方の斜め部51,52によって拘束(規制)されないようになっている。なお、本実施形態では、互いに交差する斜め部同士が略直角(90°)をなして交差している。
各斜め部51,52はそれぞれその両端部において各縦材31,32に固定されている。本実施形態では、2本の耐震用線材34,35で各斜め部51,52を構成しているため、各斜め部51,52の境界部において縦材31,32に固定されるものとなっている。縦材31,32に固定される上記境界部としては、縦材31,32に対して矩形平板状の金属製スペーサ56を介して固定されている第1固定部53と、縦材32,31に対してスペーサ56を介さないで直接固定されている第2固定部54とが設けられている。図2の構成では、第1斜め部51の上端部(第2斜め部52の下端部)に第1固定部53が設けられ、第1斜め部51の下端部(第2斜め部52の上端部)に第2固定部54が設けられている。各固定部53,54はそれぞれ縦材31,32に沿うように設けられており、縦材31,32の内側面(対向面)に溶接等により固定されている。これにより、各耐震用線材34,35が縦材31,32に対して固定されている。
上述した構成では、各耐震用線材34,35において、第1固定部53と第2固定部54とが交互に設けられている。すなわち、耐震用線材34では第1固定部53が縦材31にスペーサ56を介して固定され、第2固定部54が縦材32に直接固定されている。一方、耐震用線材35では第2固定部54が縦材32にスペーサ56を介して固定され、第1固定部53が縦材31に直接固定されている。この場合、各耐震用線材34,35の第1固定部53同士は別々の縦材31,32に固定されて対向配置されており、それ故スペーサ56も同様に対向配置されている。また、各耐震用線材34,35の第2固定部54同士も別々の縦材31,32に固定されて対向配置されている。
各斜め部51,52において固定部53,54寄りの部位にはそれぞれ曲げ部58,59が設けられている。この曲げ部58,59によって固定部53,54が縦材31,32に沿う向きに設けられている。曲げ部58は、斜め部51,52において第1固定部53寄りに設けられており、曲げ部58は、地震等で建物10に揺れが生じた場合に、(初期状態に対して)曲げ変形することでその揺れ(応力)を吸収する応力吸収部である。より詳しくは、曲げ部58は、塑性変形することにより揺れを吸収するものとなっている。
上述したように、第1固定部53が縦材31,32に対して離間して配置されているため、曲げ部58は縦材31,32から浮かせた状態で配置されている。そのため、図4に示すように、各縦材31,32間において曲げ部58の曲げ変形領域Sが確保されており、同領域S内では縦材31,32に干渉することなく曲げ部58の曲げ変形ができるようになっている。ここで、建物10に揺れが生じて斜め部51,52に圧縮力が作用した場合には、図4において一点鎖線で示すように、曲げ部58が圧縮曲げされて、建物10の揺れが吸収されるようになっている。なお、曲げ変形領域Sの幅(縦材31,32に直交する方向の長さ)はスペーサ56の厚みと略同じとなっている。
一方、曲げ部59は、斜め部51,52において第2固定部54寄りに設けられている。第2固定部55は、上述したように縦材31,32に直接固定されているため、曲げ部59は縦材31,32に一部接触した状態で配置されている。そのため、曲げ部59については縦材31,32に干渉することなく曲げ変形できる領域が確保されていない。しかしながら、建物10に揺れが生じた場合には、曲げ部59においても少なからず曲げ変形が行われ、その曲げ変形によって揺れが吸収されるようになっている。
図4に示すように、第1固定部53は、縦材31,32に沿って延びており、スペーサ56に固定される固定部53aと、スペーサ56から鉛直方向(縦材31,32に沿う方向)両側にはみ出た一対のはみ出し部53bとを有している。このはみ出し部53bは、建物10に揺れが生じて曲げ部58が曲げ変形した場合に、その曲げ変形に伴い変位するものであり、その変位によって曲げ部58の曲げ変形が好適に行われるようになっている。また、第1固定部53は、はみ出し部53bを有しているが故にその鉛直方向の長さL1がスペーサ56の鉛直方向の長さよりも大きくなっている。
他方、第2固定部54は、スペーサ56を介さないで縦材31,32に直接固定されている関係上はみ出し部が不要である。そのため、本実施形態では、第2固定部54の鉛直方向の長さ(縦材31,32の長手方向の長さ)L2が、第1固定部53の鉛直方向の長さL1よりもはみ出し部53bの長さ分(詳しくは一対のはみ出し部53bの長さ分)短くなっている(図2参照)。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
互いに平行に設けられた一対の縦材31,32と、それら各縦材31,32間に設けられた複数の耐震用線材34,35とを備え、各耐震用線材34,35には、各縦材31,32に固定される第1固定部53及び第2固定部54を設けるとともに、第1固定部53を縦材31,32にスペーサ56を介して固定し第2固定部54を縦材31,32にスペーサ56を介さないで直接固定した。そして、各固定部53,54の間には縦材31,32に対して斜めに延びる斜め部51,52を設け、耐震用線材34,35において第1固定部53寄りの部位には曲げ変形により応力(揺れ)を吸収する曲げ部58を設けた。
この場合、耐震用線材34,35の各固定部53,54がそれぞれスペーサ56を介して縦材31,32に固定されている構成と比較すると、斜め部51,52の長さをスペーサ56の厚み分長くすることができる。これにより、地震等により建物10に揺れが生じ、斜め部51,52が圧縮された場合に、斜め部51,52が圧縮される圧縮長さ、ひいては斜め部51,52の圧縮による揺れの吸収量を大きくすることができるため、揺れのエネルギが曲げ部58に集中するのを抑制でき、その結果曲げ部58の塑性変形(降伏)が早まるのを抑制できる。この場合、斜め部51,52の長さを短くして幅狭の耐力壁を構築する構成において、耐震用線材34,35の揺れ吸収機能高めることができる。
また、耐震用線材34,35において、第2固定部54についてはスペーサ56を介さないで縦材31,32に固定した関係上、一の斜め部51,52につき曲げ部58(応力吸収部)が1つしか設けられていないものの、一対の縦材31,32間に耐震用線材34,35を複数設けることで、曲げ部58を複数有する構成となっている。したがって、耐震用線材34,35の各固定部53,54がそれぞれスペーサ56を介して縦材31,32に固定されている構成、すなわち一の斜め部51,52につき曲げ部58(応力吸収部)が2つ設けられている構成(例えば図8の構成)と比べ、耐力壁(下階柱21)の単位高さ(上下長さ)当たりにおける曲げ部58の個数を同等とすることができる。よって、以上より、上記の構成は、幅狭の耐力壁を構築する場合において、建物10に生じる揺れを好適に吸収することができる。
複数の耐震用線材34,35を、各耐震用線材34,35の斜め部51,52が互いに交差する状態で各縦材31,32に固定し、その交差部において斜め部51,52同士を互いに固定しない構成とした。この場合、各耐震用線材34,35において交差しあう各斜め部51,52のうち一方の斜め部51,52が他方の斜め部51,52によって拘束されないため、建物10に揺れが生じた場合に各耐震用線材34,35の各々の曲げ部58において曲げ変形が制限されるのを回避できる。これにより、曲げ部58での曲げ変形による揺れ吸収機能を好適に発揮させることができる。なお、交差しあう斜め部51,52同士をその交差部において互いに固定するようにすれば、建物10に揺れが生じた場合に、一方の斜め部51,52の座屈を他方の斜め部51,52によって拘束することができるため、かかる構成が望ましいとも思われるが、下階柱21を幅狭に構築した上述の構成では、斜め部51,52の長さが短いため、揺れが発生した場合に座屈が生じる可能性が少ないと考えられる。そのため、交差する斜め部51,52同士を固定しない構成とすることによるデメリットは生じないと考えられる。
複数の耐震用線材34,35をそれぞれ縦材31,32に固定する各スペーサ56をそれぞれ別々の縦材31,32に固定し対向配置させた。この場合、各耐震用線材34,35の曲げ部58(応力吸収部)がそれぞれ別々の縦材31,32の側に配設されるため、建物10の揺れがいずれの方向に生じたとしてもバランスよく耐震効果を発揮できる。
第1固定部53及び第2固定部54をそれぞれ縦材31,32に沿って延びる鉛直部として構成し、第1固定部53の鉛直方向の長さL1をスペーサ56の鉛直方向の長さよりも大きくした。すなわち、第1固定部53の一部がスペーサ56から鉛直方向にはみ出す構成とした。この場合、曲げ部58における曲げ変形時において、はみ出し部53bが当該曲げ変形に伴って変位するため、曲げ部58での曲げ変形が好適に行われる。これにより、建物10の揺れ吸収機能を高めることができる。
そして、スペーサ56を介さないで縦材31,32に固定されている第2固定部54では上記はみ出し部53bが不要であるため、第2固定部54の鉛直方向の長さL2を第1固定部53の鉛直方向の長さL1よりも短くした。この場合、一対の縦材31,32間に斜め部51,52を上下に複数設置する場合において、上下に隣接する斜め部51,52同士の間隔を小さくすることができるため、斜め部51,52の設置個数を増やすことができ、ひいては曲げ部58(応力吸収部)の設置個数を増やすことができる。これにより、耐震性能の向上が期待できる。
複数の耐震用線材34,35を、固定部53,54を挟んでその両側にかつ縦材31,32に対する傾きを互いに逆にして設けられた複数の斜め部51,52をそれぞれ有して構成した。この場合、固定部53,54を挟んで両側に設けられた(換言すると固定部53,54を挟んで上下に隣接する)複数の斜め部51,52を縦材31,32に固定するに際し固定部53,54を共用できる。これにより、一対の縦材31,32間に斜め部51,52を上下に複数並べるにあたり、斜め部51,52とその両端部の各固定部53,54とをそれぞれ1つずつ有してなる耐震要素を上下に複数並べる場合(換言すると上下に隣接する複数の斜め部を縦材31,32に固定するにあたり固定部53,54を共用しない構成)と比べ、上下に隣接する斜め部51,52同士の間隔を小さくすることができる。したがって、斜め部51,52の設置個数、ひいては曲げ部58の設置個数を多くすることができ、その結果耐震性能を高めることができる。
また、複数の斜め部51,52において固定部53,54の共用を図る上記の構成では、斜め部51,52一つ当たりにおける縦材31,32に対する固定箇所を減らすことができる。そのため、固定部53,54を縦材31,32に対して溶接等により固定する際の作業負荷の軽減を図ることもできる。
各耐震用線材34,35の斜め部51,52として、縦材31,32に対する傾きが互いに逆となる斜め部51,52を設けた。この場合、建物10に対して水平方向の一方側に揺れが生じた場合には、傾きが逆である各斜め部51,52のうちいずれか一方に圧縮力が作用し、建物10に対して水平方向他方側に揺れが生じた場合には、他方の斜め部51,52に圧縮力が作用する。そのため、建物10の揺れがいずれの向きに生じたとしても、斜め部51,52の圧縮に伴う曲げ部58での曲げ変形を生じさせることができ、ひいては建物10の揺れを吸収することができる。
車両を駐車するためのガレージ15を備え、ガレージ15への車両の出入りを可能とするガレージ開口部17に隣接して下階柱21をその壁幅方向をガレージ開口部17の開口幅方向に向けて設置した。建物10においてガレージ開口部17は比較的大開口として形成されるものであるため、ガレージ開口部17に隣接して耐力壁を設置する場合には、ガレージ開口部17の開口幅を狭くせざるを得ない等、建物プランニング上の制約が生じ易いと考えられるが、かかる構成によれば、かかるプランニング上の制約を緩和しつつ耐力壁(下階柱21)を設置できる。
ところで、耐力壁により耐震構造を構築する建物(例えば壁式構造からなる建物)において、ガレージ開口部17の周辺だけをラーメン構造とし、これによりプランニングの制約を解消しつつ耐震性能を確保する構成も考えられる。しかしながら、このような異種構造の組み合わせ(つまり混構造)からなる建物とすると、一方の構造体において耐震性能を十分に発揮できない、各構造体について納まりの共通化が図れない等、種々の不都合が生じることが考えられる。この点、下階柱21をガレージ開口部17に隣接配置する上記の構成によれば、ガレージ開口部17周辺においても、その他の部位と同じ種類の構造とすることができるため、上述の不都合を回避しつつ耐震性能を確保することができる。例えば、上記の実施形態では、上階床梁19と下階天井梁26とが同じH形鋼により構成されており、納まりの共通化が図られている。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態の下階柱21を例えば図5に示す建物70に設置してもよい。図5の建物70では、一階部分においてガレージ71に隣接して居室72が設けられており、基礎11上に設けられた下階床梁18上には下階柱21,74,75が設けられている。下階柱21は、ガレージ71と居室72との間に設けられており、ガレージ開口部77に隣接して配置されている。また、居室72において下階柱21と下階柱74との間には窓開口部78が形成されており、下階柱21は居室72に設けられた窓開口部78に隣接配置されている。これにより、ガレージ開口部77と窓開口部78との2つの開口部を備える建物70において、建物70のプランニング上の制約を緩和しつつ耐力壁(下階柱21)を設置できる。
(2)上記実施形態では、下階柱21を、ガレージ15においてガレージ開口部17に隣接配置したが、その他の部位に下階柱21を設置してもよい。図6(a)及び(b)にその例を示す。なお、図6(a)及び(b)の各図ではそれぞれ上段に建物の正面図、下段に一階部分の間取り図を示す。図6(a)に示す建物80では、下階柱21が、ガレージ83の一側面において、ガレージ開口部82側のみならず、ガレージ奥行き方向の中間位置にも配置されている。この場合、ガレージ83内の駐車スペースに対する広さの制約を緩和しつつ耐震性能を確保できる。また、図6(b)に示す建物85では、ガレージ86における居室87側の一側面において、下階柱21が、ガレージ奥行き方向においてガレージ開口部88側、中間部、ガレージ奥側にそれぞれ設置されている。この場合、ガレージ86の駐車スペース及び居室87の居室スペース双方について広さの制約を緩和しつつ耐震性能を確保できる。なお、図6(b)では、居室87を挟んだ両側に下階柱21が設置されているとともに、ガレージ86の奥側の側面にも下階柱21が設置されている。
(3)上記実施形態では、1つの耐震用線材34,35(つまり耐震要素)に各固定部53,54(換言すると斜め部51,52)を複数ずつ設ける構成としたが、これを変更し、1つの耐震要素に各固定部53,54を1つずつ設ける構成とし、それを上下に複数並べるようにしてもよい。その具体例を図7に示す。図7の下階柱60では、一対の縦材31,32間に、耐震要素としての複数の斜め材61が互いに交差した状態で設けられており、この交差した一組の斜め材61が上下に複数並べて設けられている。
各斜め材61は、その両端部にそれぞれ各縦材31,32に固定される固定部63,64を備え、各固定部63,64のうち第1固定部63はスペーサ56を介して縦材31,32に固定され、第2固定部64はスペーサ56を介さないで縦材31,32に固定されている。そして、斜め材61において各固定部63,64寄りの部位にはそれぞれ曲げ部68,69が設けられ、そのうち第1固定部63寄りの曲げ部68は縦材31,32から離間して配置されている。この場合、曲げ部68の曲げ変形領域が確保されており、地震等が生じて建物10に揺れが生じた場合に曲げ部68の曲げ変形により揺れを吸収できるようになっている。かかる構成においても、斜め材61の各固定部63,64をそれぞれスペーサ56を介して縦材31,32に固定する構成と比べ、建物10に揺れが生じ、斜め部51,52が圧縮された場合に、斜め部51,52が圧縮される圧縮長さ、ひいては斜め部51,52の圧縮による揺れの吸収量を大きくすることができる。そのため、揺れのエネルギが曲げ部68に集中して応力吸収部の塑性変形(降伏)が早まるのを抑制できる。したがって、かかる構成においても、曲げ部68(応力吸収部)の曲げ変形による揺れ吸収機能を十分に発揮させることができる。
(4)上記実施形態では、各耐震用線材34,35の第1固定部53ひいてはスペーサ56をそれぞれ別々の縦材31,32に固定し対向配置させたが、これを変更し、各耐震用線材34,35の第1固定部53ひいてはスペーサ56をそれぞれ同一の縦材31,32に固定してもよい。この場合、スペーサ56が各縦材31,32のうち一方の縦材31,32にのみ設けられることとなる。
(5)上記実施形態では、耐震要素(斜め材、耐震バー)を丸鋼材により構成したが、これを変更し、他の鋼材により耐震要素を構成することも可能である。例えば、耐震要素をフラットバー(平鋼)により構成する。
(6)上記実施形態では、下階柱21において各縦材31,32の下端部を下梁としての下階床梁18に連結したが、基礎11上に下階床梁18が設けられていない構成等では、基礎11に連結してもよい。また、建物10の二階部分13に下階柱21(この場合、上階柱となる)を設置してもよく、その場合下階柱21の縦材31,32はその下端部が下梁としての上階床梁19に連結され、その上端部が上梁としての上階天井梁27に連結されることとなる。
(7)上記実施形態では、対向する一対の縦材31,32間において各耐震用線材34,35を各々の斜め部51,52が互いに交差するように配置したが、これを変更し、各耐震用線材34,35を下階柱21(耐力壁)の壁厚み方向において重なるように配置してもよい。
(8)上記実施形態では、第2固定部54を縦材31,32に沿って延びる鉛直部として構成したが、第2固定部54は必ずしも鉛直部として構成する必要はない。例えば、上下に隣接する斜め部51,52同士を曲げ部により繋いでその曲げ部を縦材31,32に固定してもよい。要するに、第2固定部54が縦材31,32に固定されていればよい。
(9)複数の耐震要素を、1つの第1固定部53(又は第2固定部54)と、該固定部53(54)を挟んでその両側にかつ縦材31,32に対する傾きを互いに逆として設けられた2つの斜め部51,52とを有する構成としてもよい。
10…建物、11…基礎、15…ガレージ、17…ガレージ開口部、18…下階床梁、19…上階床梁、21…耐力壁としての下階柱、31,32…柱材としての縦材、51…斜め部としての第1斜め部、52…斜め部としての第2斜め部、53…鉛直部としての第1固定部、54…鉛直部としての第2固定部、56…スペーサ、58…応力吸収部としての曲げ部、59…曲げ部。

Claims (5)

  1. 互いに平行に設けられた一対の柱材と、
    線状材よりなり前記一対の柱材の間に設けられた複数の耐震要素と、
    有する耐力壁を備え、
    前記各耐震要素は、前記一対の柱材に各々固定される第1固定部と第2固定部とを有し、前記第1固定部は、前記一対の柱材の一方にスペーサを介して固定され、前記第2固定部は、前記一対の柱材の他方に前記スペーサを介さず直に固定され、それら第1固定部及び第2固定部の間に、前記柱材に対して斜めに延びる斜め部が設けられており、
    前記複数の耐震要素には、前記第1固定部寄りの部位において前記スペーサにより当該耐震要素が柱材から離間した離間部分を変形領域として、建物への水平荷重が生じた時に曲げ変形により応力を吸収する応力吸収部が設けられており、
    前記複数の耐震要素は、前記線状材の一部として前記各柱材に沿って延びる鉛直部を有し、その鉛直部が前記第1固定部及び前記第2固定部となっており、
    前記第1固定部における前記鉛直部の長さL1は、前記スペーサの鉛直方向の長さよりも大きく、前記第2固定部における前記鉛直部の長さL2は、前記長さL1よりも小さいものとなっていることを特徴とする建物の耐震構造。
  2. 前記複数の耐震要素は、各耐震要素の斜め部が互いに交差する状態で前記各柱材に固定されており、その交差部において互いに固定されていないことを特徴とする請求項1に記載の建物の耐震構造。
  3. 前記複数の耐震要素をそれぞれ前記柱材に固定している前記各スペーサがそれぞれ別々の柱材に固定されて対向配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の耐震構造。
  4. 前記複数の耐震要素は、前記第1固定部及び前記第2固定部の少なくともいずれかを挟んでその両側にかつ前記柱材に対する傾きを互いに逆にして設けられた複数の前記斜め部をそれぞれ有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の建物の耐震構造。
  5. 車両を駐車するためのガレージを備え、請求項1乃至のいずれか一項に記載の耐震構造が採用されている建物であり、
    前記ガレージへの車両の出入りを可能とするガレージ開口部に隣接して、前記耐力壁が、各柱材の並び方向が前記ガレージ開口部の開口幅方向と同じとなる向きで設けられていることを特徴とする建物。
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