JP3197734U - 鉄骨架構の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価なブレース体からなる補強ユニットの使用でも耐震性能が向上し、さらに構造躯体の鋼材重量の低減にも寄与する鉄骨架構の補強構造を提供する。【解決手段】ブレース体5を構成するブレース材2,3,4は丸鋼からなり、それぞれの両端側にクレビス13a,13bが螺着され、第1のブレース材2と第3のブレース材4の他端側は、矩形状架構面の上部鉄骨梁8aと左右の鉄骨柱7a,7bの接合部分の内側に形成される上コーナー部9,11にあるガセットプレート14a,14bに対して、クレビス13aとピン15により接合され、第2のブレース材3の他端側は、下部鉄骨梁8bと左側の鉄骨柱7aの接合部分の内側である下コーナー部16にあるガセットプレート14cにピン接合されている。また各ブレース材の一端側は、連結板17にすべての連結箇所が回転可能にピン接合されている。【選択図】図5

Description

この考案は、鉄骨架構内にブレース体を連結してなる鉄骨架構の補強構造に関するものである。
鉄骨ラーメンフレーム架構は、主要構造部材である鉄骨柱と鉄骨梁が剛接合されたもので、中小鉄骨建築物などに広く採用されている架構形式である。この種の架構では、建物の耐震性を高めるため、鉄骨柱と鉄骨梁で囲まれた矩形状架構面(以下、単に架構面と称することもある。)の内部にブレース体が設置される。ブレース体は、構成するブレース材の配置形態により、図9(a)〜(c)に示したK型、X型、Z型の3種類に大別される。
図10に示したように、ブレース体が連結された上記架構において、地震等による左右の水平力Qが作用したとき、この水平力Qをラーメン構造の鉄骨架構(鉄骨骨組)とブレース体とで負担し、ブレース付鉄骨架構の耐力は、鉄骨骨組とブレース体の耐力の累加として求められる。この際、ブレース体を構成する各ブレース材には、それぞれ引張力または圧縮力が交互に作用する。このことから、ブレース材は機能的に引張力を主として負担する引張ブレースと、圧縮力を主として負担する圧縮ブレースとに区分される。この種のブレース材は、本体部分が丸鋼、平鋼、山形鋼、溝形鋼、鋼管などで形成され、その両端部分には架構との連結に供される接合部材が一体化されている。
一般的に、鋼材は引張力には十分な耐力を発揮するが、圧縮力に対しては座屈を起こしやすく、その耐力を十分に発揮する前に急激な耐力低下をきたす。図11(a)〜(c)は、K型、X型、Z型の各ブレース体(図9)が水平力Qにより座屈したときの挙動を示したものである。図12(a),(b)は、従来のブレース体を配設した架構における水平力Qと変位量δの関係を示している。このように、圧縮力を負担する圧縮ブレースは、比較的早い段階で座屈しやすく、座屈すると、架構全体の耐力が座屈時点で急激に低下し、架構の剛性低下と耐震性の低下につながる。
このようなブレース材の座屈現象を防ぐ手段として、鋼材からなるブレース材の本体部分の細長比λを小さくする手法がとられている。ところが、細長比λを小さくした場合には、上記本体部分の外形と断面積が必然的に大きくなり、それに伴って鋼材重量が増大することから、ブレース材としては不経済となる。上記各種鋼材のうちで丸鋼と平鋼は、他の形状のものに比べて座屈耐力が劣るため、圧縮ブレースとしての機能が低くなり、ブレース体としての耐力はあまり期待できない。一方、溝形鋼、鋼管等は、座屈耐力に優れることから主に圧縮ブレースとして用いられるが、圧縮力やブレースの長さ等、使用に関して制約が多い。さらに、いずれの配置形態においても矩形状架構面内に広い開口部を確保するのが難しいという問題点があった。
近年、開口部の確保とともに、より耐震性能を向上させる手段として、一端側でピン接合された一対のブレース材のそれぞれ他方の端部を、矩形状架構面の対角に位置する上下のコーナー部にピン接合し、これら一対のブレース材同士の連結部分にダンパー効果を有するパネル材の一端側をピン接合するとともに、他端側を上コーナー部と同じ鉄骨柱の下コーナー部にピン接合してなる補強構造が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。しかしながら、斯かる補強構造の場合には、ダンパー材の使用により、補強ユニット全体としてのコスト上昇が避けられず、優れた耐震性能と経済性を両立させるものとは言いがたいのが実情である。
特許第3720252号 公報 特許第4045334号 公報
本考案者は、これら従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、3本1組のブレース材を特定の角度条件で矩形状架構面に配置したとき、各ブレース材には引張力しか負荷されない点に着目し、本考案に想到したのである。すなわち、個々のブレース材が安価な鋼材からなるブレース体の使用により、経済性が向上した鉄骨架構の補強構造の提供を目的とするものである。
上記従来技術の問題点を解決するため、請求項1に係る考案では、ラーメン構造の鉄骨柱と鉄骨梁を骨組みとした鉄骨架構の矩形状架構面内に、棒鋼からなるブレース材の3本を1組とするブレース体を配設した鉄骨架構の補強構造において、前記ブレース体は、各ブレース材の一端側が前記矩形状架構面内の1箇所でピン接合され、このうち第1のブレース材と第2のブレース材の他端側がそれぞれ該矩形状架構面における一方の鉄骨柱に沿う上コーナー部と下コーナー部にピン接合されるとともに、第3のブレース材の他端側が他方の鉄骨柱に沿う上コーナー部にピン接合され、前記ブレース体における第1のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ1、第1のブレース材と第2のブレース材の間の角度θ2、第2のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ3が、θ1>90°、θ2≧90°、θ3<180°の関係にあるという技術手段を採用した。
また、請求項2に係る考案では、ラーメン構造の鉄骨柱と鉄骨梁を骨組みとした鉄骨架構の矩形状架構面内に、棒鋼からなるブレース材の3本を1組とするブレース体の1対を配設した鉄骨架構の補強構造において、前記1対のブレース体の一方は、各ブレース材の一端側が前記矩形状架構面内の1箇所でピン接合され、このうち第1のブレース材と第2のブレース材の他端側がそれぞれ該矩形状架構面における一方の鉄骨柱に沿う上コーナー部と下コーナー部にピン接合されるとともに、第3のブレース材の他端側が該矩形状架構面における上部鉄骨梁に対して該上コーナー部から他方の上コーナー部の方向に所定の間隔を置いた位置でピン接合され、前記ブレース体における第1のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ1、第1のブレース材と第2のブレース材の間の角度θ2、第2のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ3が、θ1>90°、θ2≧90°、θ3<180°の関係にあり、他方のブレース体は、前記矩形状架構面の中央を縦断する仮想軸線に対して左右対称となるように配置されるという技術手段を採用した。斯かる考案では、1箇所の矩形状架構面に対して、請求項1で用いるブレース体の1対を左右の鉄骨柱に沿って対称配置する点に特徴がある。
さらに、上記請求項1または2に記載の考案において、前記ブレース体における各ブレース材の一端側は、例えば連結ピンを介して互いに回転可能に一体化してもよいが、適宜形状の連結板に対して個々にピン接合することもできる(請求項3)。
この考案に係る鉄骨架構の補強構造では、地震で構造躯体に作用する左右の水平力を鉄骨ラーメンフレーム架構とブレース体とで負担し、このブレース体が上記のような構成であることにより、次の効果が得られる。
(1)請求項1に係る補強構造は、ブレース体が棒鋼からなるブレース材を3本1組とし、上記配置形態で鉄骨架構にピン接合されるので、左右の水平力を受けたとき、いずれの方向に対しても個々のブレース材が常に引張力のみで負担する引張ブレースとして機能する。このため、圧縮による座屈を考慮する必要がなくなり、小外形・小断面の鋼材を適用できるので、安定した耐震性能を確保しつつ鋼材重量の低減により、安価なブレース体となる。斯かるブレース体の使用により、鉄骨ラーメンフレーム架構の耐震性能が向上し、構造躯体の鋼材重量の低減にも寄与することから、全体としての経済性が大きく向上する
(2)請求項2に係る補強構造は、棒鋼からなるブレース材を3本1組とするブレース体の一対が、矩形状架構面に対して対称配置されるが、このような構成でも6本のブレース材がすべて引張ブレースとして機能するので、上記と同様な効果が得られ、特に鉄骨柱間のスパンが長い場合に好都合である。
(3)請求項3に係る補強構造は、上記請求項1または2に係る補強構造において、3本1組で使用する各ブレース材の一端側を連結板に対してピン接合したもので、この場合には、ブレース単体一本当りの応力負担が低減できるので、構造躯体(ブレース付ラーメン構造)の耐力剛性がより高められ、地震等の力に対してより安全となる。
(4)上記各請求項に係る補強構造では、矩形状架構面の下方部分に比較的広い開口部を確保することが可能となることから、従来のブレース構造に比べて窓やドア等を取り付ける際の自由度が高まる。
本考案の第1実施形態を建築構造記号で表示した概略図である。 本考案の第2実施形態を建築構造記号で表示した概略図である。 ブレース体を設置する際の3本のブレース材間の角度の関係を示した説明図である。 矩形状架構面に設置したブレース体に左右の水平力が作用したときの3本のブレース材間の角度の変化を示す説明図である。 第1実施形態の変形例を具体的に示した正面図である。 第1実施形態の別の変形例を具体的に示した正面図である。 第2実施形態の変形例を具体的に示した正面図である。 本考案の鉄骨架構における水平力と変位量の関係を示した説明図である。 従来の代表的なブレース体の配置形態を示した模式図である。 ブレース付架構における耐力の累加関係を示した説明図である。 図9の各ブレース体が座屈したときの挙動を示す説明図である。 従来のブレース付架構における水平力と変位量の関係を示した説明図である。
この考案に係る鉄骨架構の補強構造では、ブレース体が棒鋼からなるブレース材を3本1組とし、これら3本のブレース材を特定の角度条件で鉄骨架構に対してピン接合することにより、左右の水平力を受けたとき、いずれの方向に対しても個々のブレース材が常に引張力のみで負担する点に大きな技術的特徴がある。
本考案において、ブレース材に適用する棒鋼としては、断面形状が円形状もしくは矩形状の鋼材が好適である。3本を1組として使用されるブレース材は、適用する矩形状架構面の縦横の寸法や2組を同じ矩形状架構面に配置する場合などに応じて個別にその長さを選択することになる。より大きな開口部を架構面に確保するには、例えば1箇所の架構面にブレース材3本を設置する場合、個々のブレース材の長さは、第3のブレース材>第2のブレース材>第1のブレース材の順番が好ましい。なお、棒鋼の断面形状および断面性能はほぼ同等のものを用いることが基本であるが、必ずしもこれに限定されることはなく、異なる寸法の棒鋼を組み合わせてもよい。また、鉄骨架構に対する他端側での連結とブレース材同士の一端側での連結をピン接合とするため、棒鋼の両端部分に設ける接合部材として、クレビス、ピン用のボルトなどを使用することができる。以下、図面を参照しながら本考案の実施形態について説明するが、これら実施形態に限定されるものではなく、この考案の技術思想内での種々の変更実施はもちろん可能である。
図1は、本考案に係る鉄骨架構の補強構造の第1実施形態について、建築構造記号で示した図である。図示の補強構造は、ラーメン構造からなる鉄骨架構1の1階部分に、3本1組の棒鋼製ブレース材2,3,4からなるブレース体5を適用した事例である。すなわち、下端側が柱脚6に固定された鉄骨柱7a,7bと鉄骨梁8が剛接合された矩形状架構面に対して、第1のブレース材2、第2のブレース材3および第3のブレース材4が、それぞれ他端側において、一方の鉄骨柱7a側の上コーナー部9(鉄骨梁8との接合部)、下コーナー部10(柱脚6との接合部)、および他方の鉄骨柱7bの上コーナー部11(鉄骨梁8との接合部)にピン接合されるとともに、これら3本のブレース材2,3,4の一端側が矩形状架構面内の1箇所でピン接合された構成である。
図2は、同じく第2実施形態を建築構造記号で示した図である。なお、以下の各実施形態において、図1と同一部分は同一符号で表示し、重複する部分の説明を省略する。図示の補強構造は、1箇所の矩形状架構面に対して、一対のブレース体5,12を設けた形態である。この場合、第3のブレース材4の他端側は、鉄骨梁8に対して一方の鉄骨柱7a側の上コーナー部9から他方の上コーナー部11の方向に所定の間隔Lを置いた位置でピン接合されている。そして、他方のブレース体12は、前記矩形状架構面の中央を縦断する仮想軸線Cに対して左右対称となるように配置された構成である。
図3は、3本1組で構成される上記ブレース体5において、ブレース材2,3,4間の角度の関係を示したものである。ここで、第1のブレース材2と第3のブレース材4の間の角度θ1、第1のブレース材2と第2のブレース材3の間の角度θ2、第2のブレース材3と第3のブレース材4の間の角度θ3が、θ1>90°、θ2≧90°、θ3<180°の関係にある。なお、図では第3のブレース材4が、他方の鉄骨柱7bの上コーナー部11にピン接合されている場合、すなわち1組のブレース体5を矩形状架構面に設置したときの関係について説明しているが、図2に示した第2実施形態のように、第3のブレース材4の他端側を鉄骨梁8の中間部分(上コーナー部11から間隔Lだけ離れた位置)に接合した場合でも同様な関係を維持する必要がある。このことは、他方の鉄骨柱7b側に設けたブレース体12にも当てはまる。
図4は、図3に示したブレース材2,3,4間の角度の関係において、地震時に各ブレース材2,3,4が引張力のみを負担するメカニズムを説明した図である。(a)の状態にある鉄骨ラーメンフレーム架構は、地震により作用する左右の水平力Qに対して(b)および(c)のような変形状態になる。この場合、上部梁部材8aに相当するAB間と下部梁部材8bに相当するCD間の距離は不変であって、AB間はCD間に対し左右に平行に移動してA’B’(A”B”)となり、柱部材7a,7bに相当するAC間およびBD間に伸び変位(引張力による変位)を生じ、A’CおよびB’D(A”CおよびB”D)となる。このとき、ブレース材2,3,4の接合点EがE’およびE”に移動する。このときのそれぞれの角度は、θ1’(θ1”)>90°、θ2’(θ2”)>90°、θ3’(θ3”)<180°となることから、すべてのブレース材2,3,4には引張力のみが負荷されることになる。なお、θ2に関しては、90°であってもよい。
図5は、第1実施形態の変形例を具体的に示した説明図である。図示の補強構造は、鉄骨架構1の中層階部分にブレース体5を適用した事例である。ブレース材2,3,4は丸鋼からなり、それぞれの両端側に形成されたネジ部に、接合部材としてクレビス13a,13bが螺着されている。このうち第1のブレース材2と第3のブレース材4は、それぞれの他端側が矩形状架構面の上部鉄骨梁8aと左右の鉄骨柱7a,7bの接合部分の内側、すなわち上コーナー部9,11に取り付けられたガセットプレート14a,14bに対して、クレビス13aとピン15により接合されている。また、第2のブレース材3の他端側は、下部鉄骨梁8bと左側の鉄骨柱7aの接合部分の内側である下コーナー部16に取り付けられたガセットプレート14cに対して、同様にクレビス13aを介してピン15で接合されている。そして、各ブレース材2,3,4の一端側は、円形の連結板17に形成された3箇所の貫通孔を利用してクレビス13bとピン15により接合されている。このように、本考案に係る補強構造では、各ブレース材2,3,4のすべての連結箇所が回転可能にピン接合された状態になる。
図6は、第1実施形態の別の変形例を具体的に示した説明図である。図示の補強構造は、鉄骨架構1の1階部分にブレース体5を適用した事例である。鉄骨架構1において、左右の鉄骨柱7a,7bは下端に接合されたベースプレート18とアンカーボルト19により基礎梁20に固定され、一方(左側)の鉄骨柱7aの下端部には、ベースプレート18と鉄骨柱7aの内側の側面に跨るようにガセットプレート14dが接合される。ここで使用するブレース材21,22,23はいずれも平鋼からなり、それぞれの両端部に貫通孔が形成されている。このうち第1のブレース材21と第3のブレース材23は、それぞれ他端側が左右の鉄骨柱7a,7bと鉄骨梁8により形成される上コーナー部9,11にあるガセットプレート14a,14bに対して、ピン15により接合されている。また、第2のブレース材22は、他端側がガセットプレート14d(下コーナー部)に対して、ピン15で接合されている。一方、各ブレース材21,22,23の一端側は、それぞれの端部にある貫通孔を一致させた状態で挿通したピン15によりピン接合された構成である。
図7は、第2実施形態の変形例を具体的に示した説明図である。図示の補強構造は、鉄骨架構1の中層階部分において、1箇所の矩形状架構面に対して一対のブレース体5,12を適用した事例である。ここで使用するブレース材2,3,4は、図5に示したものと同一の構成である。このうち第1のブレース材2と第2のブレース材3の他端側は、左側の鉄骨柱7aの上コーナー部9と下コーナー部16に取り付けられたガセットプレート14a,14cにピン接合されている。また、第3のブレース材4の他端側は、上部鉄骨梁8aに対して、一方の鉄骨柱7aの上コーナー部9から他方の鉄骨柱7bの上コーナー部11の方向に所定の間隔を置いた位置の下面に取り付けた三角形状のガセットプレート14eにピン接合されている。そして、各ブレース材2,3,4の一端側は、三角形状の連結板24の各頂部付近に形成された3箇所の貫通孔を利用してクレビス13bとピン15により接合されている。斯かる構成のブレース体5と同じブレース体12を他方の鉄骨柱7b側にも設置する。すなわち、この実施形態では矩形状架構面の中央を縦断する仮想軸線に対して2組のブレース体5,12が左右対称となるように配置された構成である。この実施形態によれば、ブレース体が1組の場合に比べて開口部分をより広く確保することができる。
図8(a),(b)は、本考案の鉄骨架構における水平力と変位量の関係を示した図であり、従来のブレース付鉄骨架構を示した図12との比較から明らかなように、圧縮による座屈現象が発生しないことがわかる。すなわち、3本1組の棒鋼(ブレース材)からなるブレース体が架構面の所定位置に連結された本考案の鉄骨架構では、左右両方の水平力が作用したとき、3本のブレース材がすべて引張ブレースとしての機能することから、従来のようなブレース材の座屈による鉄骨架構の耐力低下がなくなり、安定した耐震耐力を有することになる。したがって、個々のブレース材として従来よりも小断面積のものが使用可能になり、あるいは同じ断面積の従来ブレース材に比べて鉄骨架構の耐力が向上するため、鉄骨自体のサイズダウンにつながるなど、鉄骨架構全体としての鋼材重量の低減により経済性が向上するという効果が得られる。
1:鉄骨架構、2,21:第1のブレース材、3,22:第2のブレース材、4,23:第3のブレース材、5,12:ブレース体、6:柱脚、7a,7b:鉄骨柱、8,8a,8b:鉄骨梁、9,11:上コーナー部、10,16:下コーナー部、13a,13b:クレビス、14a,14b,14c,14d,14e:ガセットプレート、15:ピン、17,24:連結板、18:ベースプレート、19:アンカーボルト、20:基礎梁

Claims (3)

  1. ラーメン構造の鉄骨柱と鉄骨梁を骨組みとした鉄骨架構の矩形状架構面内に、棒鋼からなるブレース材の3本を1組とするブレース体を配設した鉄骨架構の補強構造であって、前記ブレース体は、各ブレース材の一端側が前記矩形状架構面内の1箇所でピン接合され、このうち第1のブレース材と第2のブレース材の他端側がそれぞれ該矩形状架構面における一方の鉄骨柱に沿う上コーナー部と下コーナー部にピン接合されるとともに、第3のブレース材の他端側が他方の鉄骨柱に沿う上コーナー部にピン接合され、前記ブレース体における第1のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ1、第1のブレース材と第2のブレース材の間の角度θ2、第2のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ3が、θ1>90°、θ2≧90°、θ3<180°の関係にあることを特徴とする鉄骨架構の補強構造。
  2. ラーメン構造の鉄骨柱と鉄骨梁を骨組みとした鉄骨架構の矩形状架構面内に、棒鋼からなるブレース材の3本を1組とするブレース体の1対を配設した鉄骨架構の補強構造であって、前記1対のブレース体の一方は、各ブレース材の一端側が前記矩形状架構面内の1箇所でピン接合され、このうち第1のブレース材と第2のブレース材の他端側がそれぞれ該矩形状架構面における一方の鉄骨柱に沿う上コーナー部と下コーナー部にピン接合されるとともに、第3のブレース材の他端側が該矩形状架構面における上部鉄骨梁に対して該上コーナー部から他方の上コーナー部の方向に所定の間隔を置いた位置でピン接合され、前記ブレース体における第1のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ1、第1のブレース材と第2のブレース材の間の角度θ2、第2のブレース材と第3のブレース材の間の角度θ3が、θ1>90°、θ2≧90°、θ3<180°の関係にあり、他方のブレース体は、前記矩形状架構面の中央を縦断する仮想軸線に対して左右対称となるように配置されることを特徴とする鉄骨架構の補強構造。
  3. 前記ブレース体における各ブレース材の一端側が、連結板にピン接合されることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄骨架構の補強構造。
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CN115075379A (zh) * 2022-08-02 2022-09-20 机械工业第六设计研究院有限公司 空中连廊与两侧塔楼的连接安装方法

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