JP6328585B2 - 免震構造およびその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、杭頭上に免震装置を設置して上部構造物を免震支持する免震構造およびその構築方法に関する。
地盤に建物等の上部構造物を構築する際、地震や地盤沈下等によって上部構造物が傾かないように支持層にまで延びる杭が設けられる。その杭を有する一般的な基礎免震構造では、杭の頂部(杭頭)にフーチングと呼ばれる上部構造物の荷重を地盤に伝えるコンクリート部分を構築し、そのフーチング同士を基礎梁により繋ぎ、これによって免震層底盤の剛床仮定を保証した設計手法を採用している。ここで、剛床は、水平方向にかかる荷重に対して剛性や耐力を有し、変形しない床である。
上記の設計手法では、質点系への縮約が容易であるため、汎用プログラムでの解析が容易である。一方で、施工面で見ると、基礎の掘削量が増加し、工期も延長することから、コストアップの要因となっている。
このような問題に鑑み、フーチングを設けず、杭頭に設けられる鋼製のキャップ(パイルキャップ)の上部に免震装置を設置する、基礎免震構造の施工面を効率化した杭頭免震構造が採用されている(例えば、特許文献1、2参照)。杭頭免震構造は、免震装置の許容回転量に制限を設けて設計され、杭のモーメントと免震装置に用いられる積層ゴムの回転剛性を考慮したつなぎ梁を設けるのが一般的とされている。つなぎ梁は、独立基礎の移動や捩れ等を防止するために、基礎同士を連結する梁で、ここでは杭同士を連結する梁のことである。
特許第4743412号公報 特許第3663557号公報
従来の杭頭免震構造では、つなぎ梁として、幅広で薄い形状の扁平梁を設け、この扁平梁に曲げ応力とせん断応力を負担させている。この扁平梁は、基礎梁よりも厚さが薄いため、基礎の掘削量を減らし、工期を短縮して、コストダウンを図ることができる。
しかしながら、この扁平梁は、後で接合して杭頭間に設けることはできず、また、杭が鉄筋コンクリート(RC)で構築されるため、RC以外の、例えばH形鋼や鋼管等を使用することはできず、施工性が低いという問題があった。
そこで、つなぎ梁を後で接合して杭頭間に設けることができ、施工性に優れた免震構造の提供が望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑み、杭頭上に免震装置を設置して上部構造物を免震支持する免震構造であって、各杭頭の周部に設けられ、隣り合う杭頭へ向けて突出する突出部材と、各杭頭の周部に設けられた突出部材間を繋ぐ連結材とを含み、突出部材と連結材とがピン接合されることを特徴とする、免震構造が提供される。
本発明によれば、つなぎ梁を後で接合して杭頭間に設けることができ、施工性に優れた免震構造を提供することができる。
従来の杭頭免震構造について説明する図。 本発明の免震構造の概略を示した図。 ピン接合の例を示した図。 突出部材および連結材の具体例を示した図。 杭頭間を連結材で連結したところを示した図。 免震構造を構築する流れを示したフローチャート。 所定の入力地震波を与えて免震装置の端部における杭頭回転角の時刻歴を示した図。 所定の入力地震波を与えて免震装置の中央における杭頭回転角の時刻歴を示した図。 所定の入力地震波を与えて免震装置の端部における復元力の履歴を示した図。 所定の入力地震波を与えて免震装置の中央における復元力の履歴を示した図。
本発明の免震構造について説明する前に、従来の杭頭免震構造について簡単に説明しておく。図1は、従来の杭頭免震構造の一例を示した図である。従来の杭頭免震構造は、図1(a)に示すように、地盤10に、支持層にまで延びる杭11を構築し、その杭11の頂部である杭頭の上部にフーチング12と呼ばれる上部構造物13の荷重を地盤10に伝えるための拡張した面を有する構造物を構築する。そして、杭頭免震構造は、このフーチング12上に免震装置14を設置し、上部構造物13を免震装置14で免震支持する。
杭11は、鋼材、コンクリート、RCにより構築することができ、上部構造物13を適切に支持することができる本数、径とされる。フーチング12も、杭11と同様、コンクリートやRCにより構築される。
上部構造物13は、柱15と、床構造を構築する床スラブ16と、柱15の下の、柱15の断面に比較して拡張した断面を有する基礎17を繋ぐ基礎梁18とを含んで構成される。上部構造物13は、上記の床スラブ16、柱15、基礎17、基礎梁18を有する構造物であればいかなる構造物であってもよく、例えば、ビル、マンション、物流倉庫等とされる。
免震装置14としては、金属板とゴムとを交互に重ね合わせた積層ゴムや、その積層ゴムの中心に鉛ダンパー等の制震ダンパーを備え、震動を減衰させることができる装置が用いられる。なお、免震装置14は、ベースプレートやアンカーボルト等を使用してフーチング12や基礎17と連結される。
従来の杭頭免震構造は、図1(b)に示すように、基礎17の位置に合わせて一定距離で離間して設けられるフーチング12間を連結するための連結材として、薄い板状の扁平梁19をさらに備えている。扁平梁19は、杭11の曲げモーメントや免震装置14の回転量、すなわち傾きを制御(拘束)するためのつなぎ梁として設けられている。このため、この杭頭免震構造では、この扁平梁19に杭11の折れ曲がりに抵抗する曲げ応力と断面にずれが生じないように抵抗するせん断応力を負担させている。
この扁平梁19は、これらの応力を負担することから、フーチング12に剛接合されている。扁平梁19も、コンクリートやRCにより構築されるため、フーチング12を設ける際、フーチング12と一体的に構築される。
フーチング12や扁平梁19は、地盤10を浅く掘削し、掘削した地盤10上に構築するが、基礎梁のようにその厚さが厚くないので、地盤10の掘削量が少なくて済み、その結果、工期を短縮することができ、コストダウンを図ることができる。しかしながら、フーチング12と同時に構築する必要があり、ボルトとナットで連結するといった簡単な接合方法で接合することはできない。
本発明では、数値解析を行い、扁平梁19等の杭頭間を連結するつなぎ梁の曲げ応力負担が杭頭免震構造の全体挙動に大きな影響を与えていないことを見出した。そして、設計上必要なせん断力のみを負担する鋼材等をピン接合するのみで耐震性に問題がないことを見出した。
これは、杭11を構築する間隔に比較して、地震波の波長が非常に長いため、杭1本だけが大きく曲がるということはなく、曲がるにしても、全杭がほぼ均一に曲がり、また、免震装置14が容易に変形して杭11を曲げようとする力を吸収するためと考えられる。そこで、本発明では、フーチング12間の連結を、扁平梁19による剛接合ではなく、鋼材や鋼管等によるピン接合とした免震構造を提供する。
図2は、本発明の免震構造の概略を示した図である。杭11により上部構造物13を支持し、上部構造物13の基礎17との間に免震装置14を設置している構造は、図1に示す従来の構造と同様である。図1と同様、フーチング12であってもよいが、図2では、杭頭上部にパイルキャップ20と呼ばれる鋼製のキャップ部材(杭頭閉塞材)を設けている。そして、パイルキャップ20には、隣り合うパイルキャップに向けて突出する突出部材21が設けられている。突出部材21は、先端が円弧状の鋼製の板状物で、ボルトやリベット等の締結部材23を通すための穴を有している。
隣り合うパイルキャップ20に設けられた突出部材21間には、それらの間を連結するための鋼製の連結材22が設けられる。連結材22は、例えば、一方に長く延びた板状物で、両側の先端が円弧状になっていて、締結部材23を通すための穴を有している。このため、パイルキャップ20を設置した後で、突出部材21と連結材22とを重ね合わせ、ボルトを通し、ナットで締結して両者を連結することができる。リベットを用いる場合、リベットを通し、通したリベットの端部を塑性変形させ、該端部を拡張させることで、突出部材21と連結材22とを連結することができる。
なお、突出部材21および連結材22は、それぞれが備える穴を、例えば水平方向に向け、左右に重ね合わせ、左右のいずれか一方の側からボルトを通し、他方の側でナットにより締結し、両者を連結することができる。このように連結した場合、ボルトおよびナットで連結した接合部は地表面に対して平行な水平方向や杭11が延びる垂直方向へ移動しないように固定されるが、ボルトを中心として自由に回転するピン接合となる。
連結材22は、鋼製の細長い板状物のほか、I形鋼やH形鋼、断面が丸形もしくは角形の鋼管等であってもよい。フーチング12に用いる場合、突出部材21および連結材22は、鋼製のものに限らず、コンクリート製やRC製のものを採用することもできる。これらは、現場打ちコンクリートで作製したもののほか、工場等で予め作製したもの(プレキャストコンクリート梁、プレキャストRC梁)を用いることができる。
図3を参照して、突出部材21および連結材22の構成について説明する。図3(a)は、突出部材21および連結材22の1つの実施形態を示し、図3(b)は、それらの別の実施形態を示した図である。図3(a)を参照すると、突出部材21は、パイルキャップ20に剛接合される末端部と、円弧状の先端部とを有する板状物とされ、先端側に、リベットやボルト等の締結部材23を通すための穴30を有している。なお、先端部の形状は、ここでは円弧状としたが、円弧状に限定されるものではない。末端部は、パイルキャップ20に隣接する面を有し、その面とパイルキャップ20の側面とが溶接等により所定の位置に接合される。
1つのパイルキャップ20とそれに隣り合うパイルキャップとに設けられた突出部材21間につなぎ梁としての連結材22が設けられる。連結材22は、一方に長く延びた板状物で、両端が円弧状となっていて、上記の締結部材23を通すための穴31を有している。このため、突出部材21と連結材22とを左右に重ね合わせ、突出部材21の穴30と連結材22の穴31を位置合わせし、締結部材23としてのボルトを通し、ナットで締結することで、両者を連結することができる。ボルトおよびナットで締結する際、ナットの緩みや突出部材21および連結材22の損傷を防止するためにワッシャー等を用いてもよい。
突出部材21と連結材22は、一定の厚さを有するものであってもよいが、例えば、重ね合わせる部分を半分の厚さとし、ボルトおよびナットで締結した場合に、その重ね合わせる部分以外の部分と同じ厚さになるように構成されていてもよい。
図3(b)に示す例では、突出部材21の先端および連結材22の両端の一方に、一方に延びる支持軸32を介して該支持軸32の径より大きい径を有する球形の球状部33を備え、他方に、その球状部33を回転自在に包囲する収容部34を備える構成とされている。したがって、支持軸32および球状部33は、突出部材21および連結材22のいずれが備えていてもよい。また、連結材22の一端に、支持軸32および球状部33を備え、他端に、収容部34を備える構成としてもよい。
ここでは、連結材22が支持軸32および球状部33を備える構成として説明する。連結材22の両端に支持軸32がそれぞれ設けられ、各支持軸32の先端に球状部33が設けられる。なお、球状部33は、自由に回転することができるように、棒状の支持軸32を介して連結材22の本体に接続されるが、支持軸32を介さず、その本体に直接設けられていてもよい。
突出部材21が備える収容部34は、支持軸32が挿通可能な球状部33の径より小さい径を有する円形の開口35と、開口35に連続し、球状部33を回転可能に収容する収容溝36とを備えている。図3(b)では、収容部34の断面が斜線で示されている。このように、球状部33の径より開口35の径が小さいため、抜けることはなく、しっかりと連結することができる。収容部34は、例えば2つに分割可能とされていて、一方に球状部33を収容し、他方を被せて両者を溶接や締結部材を用いて固定することで、突出部材21と連結材22とを連結することができる。
図3(a)に示す例では、一方向にのみ、例えば上下方向にのみ回転可能とされているが、図3(b)に示す例では、上下方向に限らず、水平方向や斜め方向にも回転可能とされている。本発明では、せん断力のみを負担することができる構成であれば、図3(a)、(b)に示す構成以外の構成であってもよい。
図4は、突出部材21と連結材22の具体的な構成例を示した図である。杭頭40には、パイルキャップ20を被せて設置する。そのため、パイルキャップ20に予め溶接する等して突出部材21を接合する。図4に示す例では、略90°毎に4つの突出部材21がパイルキャップ20の周囲に接合されている。突出部材21は、板状で、所定の位置にボルトを通す穴30を備えている。図4では、板状の突出部材21の両面が水平方向に向くように接合されている。
連結材22は、厚さが薄い、細長い板状のものとされ、両端の所定の位置にボルトを通す穴31を備えている。このため、2つの突出部材21の水平方向における左右のいずれか一方の側に連結材22を配置し、ボルト41およびナット42で両者を締結することにより、ピン接合することができる。一方向に自由に回転するように接合することができれば、ボルト1本だけで締結することに限られるものではない。なお、図4では、2つの突出部材21のみが2つの連結材22とボルト41およびナット42で締結されるのが示されているが、他の2つの突出部材21も同様に他の2つの連結材22とボルト41およびナット42で締結される。
図5は、杭頭間を突出部材21および連結材22により連結したところを示した図である。図5(a)は、杭11が格子状に構築され、全ての突出部材21と連結材22とを水平方向に重ね合わせてピン接合した図である。図5(a)では、水平方向に重ね合わせてピン接合したものを例示したが、鉛直方向に上下に重ね合わせてピン接合することも可能である。つなぎ梁の曲げ応力負担が杭頭免震構造の全体挙動に影響を与えないことから、設計上必要なせん断力のみ負担できれば、どのような方向に接合してもよいからである。
重ね合わせる方向は、図5(a)に示すように全てが同じ方向であってもよいし、図5(b)に示すように、杭11が配列する方向に応じて、重ね合わせる方向を変えてピン接合してもよい。重ね合わせる方向を変えてピン接合することで、一列に配列する杭11の列間は水平方向に自由に回転することが可能で、列内は鉛直方向に自由に回転することが可能となる。このようにすることで、仮に一定以上に杭11に曲がる力が作用したとしても、その方向に抵抗することなく曲がるため、ピン接合の損傷を防止することができる。
図6を参照して、免震構造の構築方法について説明する。この免震構造は、免震構造物あるいは免震構造体として提供することができ、杭頭間の連結がピン接合されることを特徴としている。ステップ600から施工を開始し、ステップ610では突出部材21を周囲に接合したパイルキャップ20を杭頭40に設置する。パイルキャップ20ではなく、フーチングを構築する場合は、突出部材21の末端部がフーチング内に埋設され、先端部が他のフーチングの突出部材と対向するように構築される。
ステップ620では、パイルキャップ20上に免震装置を設置し、ステップ630では、免震装置上に上部構造物を構築する。既設の上部構造物の基礎構造を、免震構造にする場合にあっては、上部構造物の荷重を免震装置上へ移行させ、免震装置による免震支持に変更する。ステップ640では、突出部材21と連結材22とをピン接合し、杭頭40間を連結し、ステップ650でこの施工を終了する。
図6に示す例では、ステップ640で連結材22による連結を行ったが、ステップ610より後の工程であれば、ステップ620の前や後に実施してもよい。なお、杭11の構築、杭頭処理、パイルキャップ20の設置、免震装置の設置、上部構造物の構築、既設の上部構造物の荷重の免震装置への移行等については、従来の方法と同様であるため、ここではその説明については省略する。
ここで、ピン接合でも耐震性について問題がないことを示すために、数値解析を行った結果を、図7〜図10に示す。比較のために、ケース1、2は、従来の杭頭免震構造で用いられる扁平梁とした結果を示し、ケース3は、基礎免震構造で用いられる厚さの厚い基礎梁とした結果を示す。ケース4が、本発明のピン接合とした結果である。
数値解析には、杭、免震装置、建物を一体とした6階建て倉庫の骨組構造の平面フレームモデルを用いた。各部材の解析モデルには、柱、杭、つなぎ梁についてはファイバーモデルを使用し、柱間を繋ぐ梁についてはM-θモデルを使用した。ファイバーモデルは、部材の断面を微小断面(ファイバー要素)に分割し、各ファイバー要素に応力と歪みの関係を与えて、部材に作用する曲げモーメントと曲率との関係を算出する解析モデルである。M-θモデルは、曲げモーメントと回転角との関係を用い、非線形特性を定義する動的非線形解析モデルである。
杭11は、径2000mmとし、つなぎ梁は、幅1000mm、高さ350mmとした鉄筋コンクリートで、D25の径を有する鉄筋を10本使用するものとした。地震応答解析に必要とされる地震ばねの情報として、建築基礎構造設計指針によるばね値、標準貫入試験値(N=6)、せん断波速度(Vs=150m/s)を使用し、地盤減衰の情報として、減衰を瞬間剛性比例型とし、一次減衰定数を2%とし、入力地震波として、告示波(JSCA波 八戸)を採用した。なお、上記のケース1は、鉄筋を10本、ケース2は、鉄筋を半分の5本としたものである。また、上記のケース3の基礎梁は、ケース1、2の扁平梁の梁せい(梁の上面から下面までの高さ)を2倍、すなわち350×2=700mmとしている。
図7、図8は、時間と杭頭回転角との関係を示した図である。図7は、免震装置の上端中央位置である端部における結果で、図8は、免震装置の積層ゴムの厚さ方向の中央位置である中央における結果である。杭頭回転角は、免震装置の下面を水平とした場合の上面が傾いたときのその水平方向に対する角度を示している。図7、図8は、ケース1〜ケース4の杭頭回転角の時刻歴を表しているが、ほとんどが重なり合っているため、つなぎ梁の形状によらず、ケース1〜ケース4でほぼ同じ履歴を示した。また、ケース4は、ケース1〜ケース3と同様、±0.003%内に入っており、許容値±1.0%を満足することを示した。
図9、図10は、水平変位δと水平力Qとの関係を示した図である。図9は、免震装置の端部における結果で、図10は、免震装置の中央における結果である。水平力は、上部構造物に加わる地面に対して水平方向の力である。図9、図10は、免震装置の復元力履歴を表しているが、これもほとんどが重なり合っているため、上記の杭頭回転角の時刻歴と同様、ケース1〜ケース4でほぼ同じ履歴を示した。
このように、杭頭回転角についても、また、免震装置の復元力についても、これまでに曲げ応力を負担させるために設けていた鉄筋コンクリート製(RC)のつなぎ梁を、せん断力のみを負担するピン接合としても顕著な差が生じないことが分かった。このため、基礎梁や扁平梁による剛接合からピン接合に変えても問題がないことが示された。ここでは、地盤の違いや地震動の違いについてはその結果を示していないが、これらの違いについても検証した結果、上記と同様の結果が得られることが見出された。
本発明は、ピン接合とすることで、フーチングの構築と同時につなぎ梁を構築する必要がなくなり、フーチングの構築後やパイルキャップ20の設置後に連結材22を取り付け、これにより、つなぎ梁を設置することができる。連結材22は、フーチング構築後あるいはパイルキャップ設置後に取り付けることができるため、現場打ちコンクリートで作製したもののほか、予め作製したプレキャストRC、I形鋼、H形鋼、鋼管等を採用することができる。
また、扁平梁と同様、地盤を掘削する掘削量を減らすことができ、接合方法が簡便になるため、工期を短縮し、コストを低減させることができる。なお、杭頭40の地盤から突出するパイルキャップ20に突出部材21を接合し、その突出部材21に連結材22を連結することができるので、掘削量をゼロにし、さらに工期の短縮を図り、コストダウンを図ることができる。
これまで本発明の免震構造およびその構築方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…地盤、11…杭、12…フーチング、13…上部構造物、14…免震装置、15…柱、16…床スラブ、17…基礎、18…基礎梁、19…扁平梁、20…パイルキャップ、21…突出部材、22…連結材、23…締結部材、30、31…穴、32…支持軸、33…球状部、34…収容部、35…開口、36…収容溝、40…杭頭、41…ボルト、42…ナット

Claims (6)

  1. 杭頭上に免震装置を設置して上部構造物を免震支持する免震構造であって、
    各前記杭頭の周部に設けられ、隣り合う杭頭へ向けて突出する突出部材と、
    各前記杭頭の周部に設けられた前記突出部材間を繋ぐ連結材とを含み、
    前記突出部材と前記連結材とがピン接合され、前記突出部材は、第1の穴を有する板状物とされ、前記連結材は、両端にそれぞれ第2の穴を有する一方向に延びる板状物とされ、前記第1の穴と前記第2の穴の位置が合うように前記突出部材と前記連結材を重ね合わせ、前記第1の穴および前記第2の穴に締結部材を通して締結することによりピン接合する、免震構造。
  2. 杭は、格子状に構築され、全ての前記突出部材と前記連結材とを鉛直方向に、もしくは水平方向に重ね合わせてピン接合することを特徴とする、請求項に記載の免震構造。
  3. 杭は、格子状に構築され、該杭が配列する方向に応じて、前記突出部材と前記連結材とを重ね合わせる方向を変えてピン接合することを特徴とする、請求項に記載の免震構造。
  4. 前記連結材は、両端に一方に延びる支持軸を介して該支持軸の径より大きい径を有する球形の球状部を備え、前記突出部材は、前記球状部の径より小さい径を有する開口と、該開口に連続する該球状部を回転可能に収容する収容溝とを有する収容部を備える、請求項1に記載の免震構造。
  5. 前記突出部材は、前記杭頭に被せて設置するキャップ部材に接合されており、前記連結材は、前記キャップ部材を設置した後に、離間した2つの前記突出部材に連結される、請求項1〜のいずれか1項に記載の免震構造。
  6. 免震構造の構築方法であって、
    各前記杭頭の周部に、隣り合う杭頭へ向けて突出する突出部材を配設する工程と、
    杭頭上に免震装置を設置して上部構造物を免震支持する工程と、
    各前記杭頭の周部に設けられた前記突出部材間を連結材により繋ぎ、前記突出部材と前記連結材とをピン接合する工程とを含み、
    前記突出部材は、第1の穴を有する板状物とされ、前記連結材は、両端にそれぞれ第2の穴を有する一方向に延びる板状物とされ、
    前記ピン接合する工程は、前記第1の穴と前記第2の穴の位置が合うように前記突出部材と前記連結材を重ね合わせ、前記第1の穴および前記第2の穴に締結部材を通して締結する工程を含む、免震構造の構築方法。
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