JP4565258B2 - 柱脚構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管等の閉鎖形断面の柱と鉄筋コンクリート構造の基礎とを接合するための柱脚構造に関するものである。
従来の柱脚は、図6に示すように、鉄骨柱50の下端に溶接等でベースプレート60を取付け、コンクリート基礎51に埋設・定着したアンカーボルト61の先端をベースプレート60に予め明けられた穴に挿通し、ナット62を螺合して締付け、コンクリート基礎51に鉄骨柱50を固定する方法が一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2など)。また、アンカーボルト61の外周には、アンカーボルトを取り囲む鳥籠状の主筋とフープ筋からなる立上り配筋63が設置される。
また、特願2004−1021では、図7に示すように、ベースプレートの代わりに、鉄骨柱50の下部の内部に鋳鋼製のスリーブ70を周方向に間隔をおいて複数個固定し、コンクリート基礎51に埋設・定着したアンカーボルト71をスリーブ70内に挿通し、このスリーブ内に高強度モルタル等を注入して固化し、鉄骨柱50をコンクリート基礎51に固定している。
特開2003−193559号公報 特許2003−184180号公報
前述のような従来の柱脚では、以下の課題がある。
(1) 図6では、ベースプレートを柱下端に固定し、図7ではスリーブを柱の内側に固定することが必要となる。
(2) 図6では、アンカーボルト先端をベースプレートのボルト穴に、図7では、スリーブの穴に挿通するため、アンカーボルトの据付精度を確保するために高度な技術が必要である。
(3) 図6では、アンカーボルトとベースプレートを固定するためにナットが必要となる。図7では、スリーブと異形棒鋼を固定するために、高強度モルタルを充填する作業が必要となる。
(4) 図6では、ベースプレートが柱断面より大きいため、これを受ける基礎(図6の基礎立上り部の寸法a)が大きくなる。さらに、アンカーボルトの外周に主筋とフープからなる鳥籠状の配筋が必要となる。従って、柱に対して基礎が大きくなる。
本発明は、前述のような課題を解決すべくなされたものであり、柱脚の応力伝達上の機能に着目し、発想を転換して、従来のベースプレート、アンカーボルト、スリーブ等の柱脚構成要件を用いないで、単純な構成の柱脚を提供し、柱脚に用いる材料を削減することにより、工場加工を省力化し、精度管理を緩和して工場現場での作業性を容易にし、コストを低減することを目的とする。
本発明の請求項1の発明は、閉鎖形断面柱の下部をコンクリート基礎上に固定するための柱脚構造であり、閉鎖形断面柱(角形鋼管や円形鋼管等の断面が閉じた鉄骨柱) と、コンクリート基礎に埋設された異形棒鋼からなる立上り主筋とから構成され、前記異形棒鋼をコンクリート基礎の上面から所定の長さだけ上方に向って突出させた異形棒鋼突出部分が前記閉鎖形断面柱の下部の内部に挿入され、この閉鎖形断面柱の内部にコンクリートが少なくとも柱内の異形棒鋼が埋没されるように充填され、この閉鎖形断面柱の下端部の内面に内部に向って突出する突起が設けられ、前記閉鎖形断面柱に作用する引張力または曲げを下端部の前記突起がコンクリートに与える支圧力により内部コンクリートへ伝達するようにすることで、前記閉鎖形断面柱をコンクリート基礎に固定するためのアンカーボルトおよびベースプレートを不要としたことを特徴とするものである。
即ち、本発明は、閉鎖形断面柱とコンクリート基礎立上り主筋の異形棒鋼と充填コンクリートを用いて柱脚構造を構成し、従来のベースプレート、アンカーボルト、スリーブ等を不要としたものである。また、閉鎖形断面柱の内面には、柱が引張力や曲げを受けたときに支圧力により内部コンクリートへ力を伝達する簡単な突起を設けるだけでよい。異形棒鋼の立上り主筋はフープ筋が設けられており、この主筋とフープ筋からなる立上り鉄筋籠の上部下部とも例えば主筋径の15倍以上をコンクリートに埋設する。内部コンクリートは、閉鎖形断面柱内の異形棒鋼が完全に埋没するように充填すればよく、閉鎖形断面柱の上部まで充填してもよい。
また、閉鎖形断面柱の下部の周りに増し打ちコンクリート打設してもよい。即ち、閉鎖形断面柱の応力がコンクリート基礎に伝達するに当り、その境界面における集中する直圧力やせん断力を緩和する場合には、必要に応じて閉鎖形断面柱の周囲におけるコンクリート基礎上に増し打ちコンクリートを打設する。コンクリート表面での集中耐力よりは、コンクリート深部での集中耐力が大きいことが知られているからである。この増し打ちコンクリートは床としても用いることができる。
さらに、閉鎖形断面柱のコンクリートが充填される中間部の内面に内部に向って突出する突起が設けることもできる。即ち、必要に応じて、閉鎖形断面柱の下端部の突起のほかに、閉鎖形断面柱の中間部の内面にも突起を設け、内部コンクリートへの支圧力を増加させる。
本発明の請求項の発明は、請求項1記載の柱脚構造において、前記閉鎖形断面柱の下端に山形金物が設けられ、この山形金物の二辺のうちの柱の内部に位置する鉛直辺により前記閉鎖形断面柱下端部の突起が構成されていることを特徴とする柱脚構造である。
即ち、閉鎖形断面柱の下端部の突起は、柱内面に角形鋼、山形鋼、平鋼等を溶接等で固定して形成することができるが、下端部の突起は、山形断面鋼材や山形鋼等の山形金物を用い、一方の鉛直辺を柱内面に沿って配置して溶接やボルトで固定し、この鉛直辺を突起として用い、他の辺を柱の外側に水平に突出させ、この水平辺を柱建込み時の位置決めプレートとして用いるのが好ましい。
また、前記閉鎖形断面柱の内部に挿入される異形棒鋼の長さが棒鋼径の15倍以上であることが好ましい。即ち、閉鎖形断面柱内の異形棒鋼と内部コンクリートとの付着力を確保し、柱が引張や曲げを受けたとき、力を十分にコンクリート基礎に伝達できるようにする。
前記柱脚構造において、異形棒鋼に帯筋(フープ筋)け、異形棒鋼と帯筋とが結束線(針金等) により結束、この結束部分に金属接着材(エポキシ樹脂系の金属接着材等)が含滲固化するようにしてもよい
即ち、柱が受ける曲げ応力に対して固定度を増すために、異形棒鋼からなる主筋とフープ筋を針金等で結束した上、金属接着材で交点を固定する。主筋が引張力または圧縮力を受けたとき、主筋の軸方向の伸びに対して直角方向に固定したフープ筋がコンクリートに固定されているので、主筋の付着が切れて伸びにくくなり、従って柱脚の回転変形を拘束するから、固定度が大きくなる。フープ筋は全てを金属接着材で固定する必要はなく、複数本のフープ筋を金属接着材で固定するだけでも効果がある。
一般に、柱を基礎に固定するためには、アンカー材を介して柱脚の力を基礎に伝達しなければならない。従って、従来においては、アンカーボルト等のアンカー材を基礎に定着し、これらを柱に固定することが必要であった。そのため、ベースプレートを用いたり、柱に固定した円筒形スリーブを用いている。
これに対して、本発明では、アンカーボルトの代わりにコンクリート基礎に埋設された立上り主筋を伸ばして閉鎖形断面柱(以下、管体という)内に挿入し、この管体内部にコンクリートを打設することにより、柱とコンクリート基礎を固定する。このような柱脚に引張力が作用すると、引張力は管体内面の突起から内部コンクリートに伝達され、また管体内壁とコンクリートの付着力と摩擦力で内部コンクリートに伝達され、異形棒鋼の主筋とコンクリートの付着力と摩擦力によって引張力は、主筋の引張力としてコンクリート基礎に伝達される。せん断力は、柱と基礎の境界部の柱形の鉄筋コンクリート断面でコンクリート基礎に伝達される。圧縮力が作用すると、管体の内壁とコンクリートの付着力と摩擦力で内部コンクリートに伝達され、この圧縮力はそのままコンクリート基礎に伝達される。管体に加わる圧縮力はそのままコンクリート基礎を支圧する。せん断力は、増し打ちコンクリートが拘束するが、これがなく完全露出柱脚の場合でも、柱と基礎の境界部の柱形の鉄筋コンクリート断面のほか管体外周の支圧力の40%の摩擦力でコンクリート基礎に伝達される。
また、曲げモーメントによる柱脚の曲げ応力に対しては、内部コンクリートに水平方向に支圧反力を与えるので、引張側の主筋においては、管体内壁とコンクリートとの付着力と摩擦力のほか突起の支圧力が内部コンクリートに伝達され、主筋とコンクリートの付着力と摩擦力で引張力が主筋に生じ、コンクリート基礎に伝達される。圧縮側では、管体下端の支圧部がコンクリート基礎に圧縮力を与えるので、柱に加わる曲げモーメントはコンクリート基礎に伝達される。せん断力に対しては、露出柱脚としても鉄筋コンクリート断面のせん断耐力と上記管体下端の支圧部のすべり耐力(一般に支圧部の40%) とで抵抗する。
本発明の柱脚構造は、以上のように構成されているので、次のような効果を有する。
(1) アンカーボルトの代わりにコンクリート基礎に埋設された立上り主筋を伸ばして閉鎖形断面柱の管体内に挿入し、この管体内部にコンクリートを打設する構造であるため、工場での柱の加工度が極めて少ない。
(2) 異形棒鋼と内部コンクリートによる簡易な柱脚構造で、柱脚に作用する軸方向力、曲げモーメント、せん断力を、コンクリート基礎に確実に伝達できる。柱脚の曲げ応力に対しては、内部コンクリートに水平方向に支圧反力を与えるので、上下方向の摩擦力が発生し、柱の管体と内部コンクリートは一体化する。従って、コンクリートの充填で目的が達成できるので、高度な技術は不要である。
(3) 閉鎖形断面柱内に挿入する立上り鉄筋籠の外幅は、柱の内径より5cm以上小さいので、鉄筋籠の据付精度は通常の鉄筋コンクリート構造の施工精度でよい。基礎底盤から鉄筋籠を立ち上げれば、従来工法のようにアンカーを支持するための支補構など不要であり、普遍的な技術で実施できる。
(4) 柱に加わる引張力あるいは柱の管体が負担する応力は突起部の内部コンクリートに対する支圧により内部鉄筋コンクリートへ容易に伝達するための突起を管体内面下端部に設けているが、これは軽微な装置であり、図6の符号60で示すベースプレートや、図7の符号70で示すスリーブを用いる従来工法に比べて簡便である。
(5) 下端部の突起として山形金物の鉛直辺を柱内側に添えたり、山形金物を外側に添えて内側の平鋼等を突起金物としてボルト接合等で固定することにより、山形金物の水平辺を位置決めプレートとして仮設的なダボやメカニカルアンカー等により位置決めでき、柱の管体を基礎面上に容易に据え付けることができる。また、山形金物の接地面は圧縮力に対して面積を有するので、基礎への接地面の局部支圧力を軽減する効果もある。また、柱脚の曲げにより発生する引張力は挿入した鉄筋が負担するので、従来のベースプレート形式のようにアンカーボルトは不要になり、従ってアンカーボルトの反力による面外曲げ応力は発生しない。
(6) 以上を総合すれば、本発明によれば、最も少ない材料で、最も明快な力の伝達機構を持ち、高度な技術は不要とする柱脚構造が得られ、従来の柱脚工法に比べて、コストを30〜50%低減できる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の柱脚構造の基本的な構成を示す水平断面図、正面図、鉛直断面図であり、本発明において、鉄骨柱に閉鎖形断面の角形鋼管や円形鋼管などの鋼管柱1を用い、コンクリート基礎2には、異形棒鋼の主筋4とフープ筋5から構成される円筒状や角筒状の立上り鉄筋籠3を用い、この立上り鉄筋籠3をコンクリート基礎2の上面から所定長さだけ突出させ、この立上り鉄筋籠3の上部突出部分3Bを鋼管柱1の下部の内部に挿入し、この鋼管柱1の下部の内部にコンクリート6を充填し、従来のベースプレート、アンカーボルト、スリーブ等を不要とする。また、鋼管柱1の下端部の内面に内部に向って突出する突起7を設け、後に詳述するように支圧力により内部コンクリート6へ応力を有効に伝達できるようにする。
コンクリート6は、少なくとも立上り鉄筋籠3の上部突出部分3Bが完全に埋没するように充填する。鋼管柱1の上までコンクリート6を充填してもよい。なお、このコンクリート6は鋼管柱1の側面に設けた注入口から充填してもよいし、鋼管柱1の上部から充填してもよい。このコンクリート6内に埋設される主筋(異形棒鋼)4の長さは棒鋼径の15倍以上とし、鋼管内の異形棒鋼4と内部コンクリート6との付着力を確保し、柱が引張や曲げを受けたとき、力を十分にコンクリート基礎2に伝達できるようにする。なお、鋼管柱1の内面と主筋4との間には5cm以上の隙間が形成されるように立上り鉄筋籠3の外径を決定し、立上り鉄筋籠3の据付け精度を通常の鉄筋コンクリート構造の施工精度とする。
また、コンクリート基礎2に埋設される立上り鉄筋籠3の下部埋設部分3Aの主筋(異形棒鋼)4には支圧板としての定着金物8を取付け、固定度を高めるようにする。この定着金物8は、例えば円筒と円板を組み合わせて構成し、主筋4を挿通して、モルタルグラウト、接着剤等で所定の位置に固定する。この定着金物8の位置は、コンクリート基礎2の上面から鉄筋径の15倍程度の位置とし、主筋4の引張力に対する定着固定点とし、柱脚の曲げ応力に対する回転剛性を高める効果が得られるようにする。
また、回転剛性を高めるため、主筋(異形棒鋼)4とフープ筋5の交点を針金等で結束し、この結束部分にエポキシ系の金属接着材を含滲させて固化させ、主筋4とフープ筋5の交点を剛に固定する。このような交点は溶接したのと同等の固定となるので、主筋4の軸方向の伸びに対して、これに直交するフープ筋5はコンクリートに拘束されてコンクリートに対する立上り鉄筋籠3の定着効果が向上し、回転剛性を高めることができる。この接着工法は、コンクリート基礎部だけでなく、鋼管柱部にも適用することができる。また、主筋4とフープ筋5を接着材で剛に固定すれば、立上り鉄筋籠3自体も剛体となり、立上り鉄筋籠3を据え付けてからコンクリートを打設する際、コンクリート打設後の衝撃に対して変形が小さいから、据付精度を保持しやすい。
図2は、突起の配置と種々の形態を示したものであり、図2(b) に示すように、下端部の突起7のほかに、必要に応じて上部突出部分3Bあるいはコンクリート6が存在する鋼管柱1の中間部における内面に突起9を設けてもよい。なお、立上り鉄筋籠3の上部突出部分3Bの上端部あるいは下部埋設部分3Aと上部突出部分3Bの境界部分に鋼板製のフープ10を設け、補強するようにしてもよい。
図2(c) 、(d) は、下端部の突起7に山形断面鋼材11や山形鋼11’を用いた例であり、一辺を鋼管柱1の下端部の内面に沿って配置し、溶接12やとボルト・ナット13で接合する。溶接の場合には、溶接時の位置決め仮ボルト穴14を設けておき、ボルトを取付けて溶接を行う。溶接後はボルトを除去してもよい。ボルト接合の場合は、フィラー15を介在させてもよい。この鋼管柱1の内側に位置する鉛直辺11aで突起7が形成される。
他の水平辺11bは鋼管柱1の外側に突出し、鋼管柱1の位置決めプレートとして使用することができる。なお、この水平辺11bは鋼管柱1のコンクリート基礎2への接地面の支圧力を軽減する効果もある。この水平辺11bには、図2(a) 、 (b)に示すように、位置決め穴16を形成しておき、コンクリート基礎2の上面から突出させたダボ(丸鋼を樹脂接着剤で埋込み固定したもの)またはメカニカルアンカーを位置決め穴16に挿入して鋼管柱1の位置決めを行う。位置決め後、ダボ等は除去する。なお、図2(a) に示すように、水平辺11bの不要な部分(斜線部分)は削除することもできる。
図2(e) 、(f) は、山形鋼等の山形金物11を鋼管柱1の外側に取付けた例である。この場合、山形金物11の鉛直辺11aを鋼管柱1の下部外面に添わせ、鋼管柱1の下部内面には平鋼等の板材19を添わせ、これら鉛直辺11aと板材19を鋼管柱1の側板を挟んでボルト・ナット13で接合する。ボルト接合が好ましいが、溶接等でもよい。山形金物11の水平辺11bはその下面を鋼管柱1の下端面に一致させ、位置決めプレートとして用いられる。板材19は突起7として用いられる。このように山形金物11を外側に配置した場合には、図2(e) に示すように、山形金物11を平面視でロ字形に設置することができ、鋼管柱1を据え付ける際に、より安定し、かつ、柱の軸圧縮力が大きいとき、コンクリート基礎2に対する支圧力低減に寄与する。
図2(g) は、下端部の突起7に角形鋼を用いた例であり、この角形鋼を鋼管柱1の内面に上下の溶接12で接合する。下部の溶接12はその下面を平滑に仕上げる。この角形鋼は中間部の突起9にも用いることができる。
構造物が地震や風圧力等の水平力を受けると、鉄筋コンクリートに立設された柱には、構造物を安定させるため、柱脚に加わる応力と釣合うような反力が生じる。図3(a) はラーメン架構の一部を示したもので、柱1は点線のように変形すると共に柱に加わる曲げモーメントは多数の水平線で示すような分布となる。このときの柱脚に加わる応力は、曲げモーメント、せん断力、および柱に作用する軸方向圧縮力である。図3(b) は柱1に筋違いを設けた構面の一部を示したものである。上部架構に矢印のような水平力が加わると、左柱には引張力が生じ、これに取合う筋違いにも引張力が生ずる。従って、基礎からの反力は図示のように筋違いの引張力の鉛直・水平成分も加わった、引張反力とせん断反力が生じる。同図の右柱については、左側の柱の応力に準じ、作用・反作用の法則に従った反力が生じる。要するに、柱脚には、軸方向力、曲げモーメント、せん断力が作用するので、これらの応力を基礎に伝達するしくみが必要である。
本発明による柱脚構造の応力伝達メカニズムは、図4に示すようになる(図3(b) の筋違い架構の柱の場合) 。即ち、図4(a) に示すように、鋼管柱1に引張力が作用すると、引張力は下端部の突起7(中間部の突起9)から内部コンクリート6に伝達され、また鋼管柱1の内壁とコンクリートの付着力と摩擦力で内部コンクリート6に伝達され、異形棒鋼の主筋4とコンクリート6の付着力と摩擦力によって引張力は主筋(異形棒鋼)4の引張力としてコンクリート基礎2に伝達される。せん断力は、鋼管柱1とコンクリート基礎2の境界部のレベルAにおける柱形の鉄筋コンクリート断面でコンクリート基礎2に伝達される。
図4(b) に示すように、鋼管柱1に圧縮力が作用すると、鋼管柱1の内壁とコンクリートの付着力と摩擦力で内部コンクリート6に伝達され、この内部コンクリート6に伝達された圧縮力はそのままコンクリート基礎2に伝達される。鋼管柱1に加わる圧縮力はそのままコンクリート基礎2を支圧する。せん断力については、レベルAにおける柱形の鉄筋コンクリート断面のほか、鋼管柱1の外周の支圧力の40%をせん断耐力と一般に評価する。
また、曲げモーメントと軸力とせん断力を受ける場合、応力伝達メカニズムは、図5に示すようになる(図3(a) のラーメン架構の柱の場合) 。図5(a) に示すように、反曲点0にQなる水平力を加えると、柱脚の曲げモーメントはDA(M)となる。鋼管柱1がQによって右に曲がろうとするので、内部の充填鉄筋コンクリート6には図5(b) に示すようなQo なる力が加わり抵抗する。このQo の大きさは、鋼管柱1自体の下端の境界部での曲げ抵抗が殆どないので、図5(b) に示すような鋼管柱の曲げモーメント分布となる。また、曲げモーメントが内部鉄筋コンクリートに移行するためには、突起部7の支圧力と柱内壁が内部コンクリート6に与える圧縮力と摩擦力によって伝達する。伝達した力は主筋4の引張力となる。一方、図5(d) の支圧部に向って圧縮場を形成する。従って、境界部では、曲げモーメントMを引張鉄筋4と圧縮力を受ける支圧部で負担し、せん断力は支圧部の摩擦で抵抗し、さらに増し打ちコンクリート20を打設したときは、境界部の上の領域でせん断力を拘束する。即ち、図5(a) に示す応力が生ずると、図5(b) 、図5(c) のような応力負担となる。
本発明の柱脚構造においては、境界部より上はコンクリート基礎から突出した鉄筋コンクリートの柱形を管体が嵌め込む形といえる。境界部において、鋼管柱1とコンクリート基礎2の境目は、図5(d) に示すような、曲げを受けるときの反力の分布となる。引張主筋4においては、鋼管柱1の内壁とコンクリートとの付着力のほか下端部の突起7(中間部の突起9)の支圧力が内部コンクリート6に伝達され、主筋とコンクリートの付着力で引張力が主筋4に生じる。また、図5(c) に示すように、圧縮場が生じ、反対側の鋼管柱1の下端の支圧部はコンクリート基礎4に圧縮力を与えるので、鋼管柱1に加わる曲げモーメントはコンクリート基礎2に伝達する。鋼管柱1に加わる軸方向圧縮力は、引張主筋4の引張力を低減し、支圧部の圧縮力No を大きくする作用をする。
せん断力は、図5(d) の鉄筋コンクリートのせん断耐力と、支圧部の40%のすべり耐力とで抵抗する。この抵抗力が作用せん断耐力より小さいときは、境界レベルから上に増し打ちコンクリート20を打設すればよい。この増し打ちコンクリート20は床として用いることができる。
なお、本発明は以上のような図示例に限定されないことは言うまでもない。
本発明の柱脚構造の基本的な構成を示す実施形態であり、(a) は水平断面図、(b) は正面図側面図、(c) は鉛直断面図である。 本発明で用いる突起の配置と種々の形態を示したものであり、(a) は柱脚部分の水平断面図、(b) は柱脚部分の鉛直断面図、(c) 、(d)は突起に山形金物を用いた場合の鉛直断面図、(e) 、(f) は山形金物を柱の外側に配置した場合の水平断面図、鉛直断面図、(g) は突起に角形鋼を用いた場合の鉛直断面図である。 柱梁架構に水平力が作用した場合の応力状態を示す正面図であり、(a) はラーメン架構の場合、(b) は筋違い架構の場合である。 本発明における応力伝達メカニズム(軸力・せん断力を受ける場合) を示す鉛直断面図であり、(a) は引張力の場合、(b) は圧縮力の場合である。 本発明における応力伝達メカニズム(曲げモーメント・軸力・せん断力を受ける場合) を示したものであり、(a) は柱脚に加わる応力を示す正面図、(b) は管体に加わる曲げモーメントを示す正面図、(c) は充填コンクリートに加わる応力を示す鉛直断面図、(d)は境界面における断面と応力分担部分を示す水平断面図である。 従来のベースプレートを用いた柱脚を示したものであり、(a) は鉛直断面図、(b) は水平断面図である。 従来のスリーブを用いた柱脚を示したものであり、(a) は正面図、(b) は水平断面図、(c) 、(d) は接合前の鉛直断面図である。
符号の説明
1……鋼管柱(閉鎖形断面柱)
2……コンクリート基礎
3……立上り鉄筋籠
3A…立上り鉄筋籠の下部埋設部分
3B…立上り鉄筋籠の上部突出部分
4……異形棒鋼の主筋
5……フープ筋
6……内部コンクリート
7……突起(下端部)
8……定着金物
9……突起(中間部)
10……鋼板製のフープ
11……山形断面鋼材
11’…山形鋼
11a…鉛直辺
11b…水平辺
12……溶接
13……ボルト・ナット
14……位置決め仮ボルト穴
15……フィラー
16……位置決め
9……板材
20……増し打ちコンクリート

Claims (2)

  1. 閉鎖形断面柱の下部をコンクリート基礎上に固定するための柱脚構造であり、閉鎖形断面柱と、コンクリート基礎に埋設された異形棒鋼からなる立上り主筋とから構成され、前記異形棒鋼をコンクリート基礎の上面から所定の長さだけ上方に向って突出させた異形棒鋼突出部分が前記閉鎖形断面柱の下部の内部に挿入され、この閉鎖形断面柱の内部にコンクリートが少なくとも柱内の異形棒鋼が埋没されるように充填され、この閉鎖形断面柱の下端部の内面に内部に向って突出する突起が設けられ、前記閉鎖形断面柱に作用する引張力または曲げを下端部の前記突起がコンクリートに与える支圧力により内部コンクリートへ伝達するようにすることで、前記閉鎖形断面柱をコンクリート基礎に固定するためのアンカーボルトおよびベースプレートを不要としたことを特徴とする柱脚構造。
  2. 請求項1記載の柱脚構造において、前記閉鎖形断面柱の下端に山形金物が設けられ、この山形金物の二辺のうちの柱の内部に位置する鉛直辺により前記閉鎖形断面柱下端部の突起が構成されていることを特徴とする柱脚構造。
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