JP4233105B2 - 既設柱の耐震補強方法 - Google Patents
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既設柱1の背面に土留壁2がある場合、土留壁と反対側の柱面から削孔して鋼板3を配設し、鋼板を通してアンカー筋4を施工してボルト5で締め付けることで鋼板と柱とを一体化し、アンカー筋4と柱との間の付着力で鋼板により柱を拘束する。
本発明は、隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で露出した二面を覆うとともに、露出した二面と反対側の面で、間隔保持部と対向する位置に支圧部材を配置し、前記間隔保持部と支圧部材間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
また、本発明は、隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で露出した二面を覆い、前記間隔保持部を通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
また、本発明は、隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で露出した二面を覆うとともに、露出した二面と反対側の面で、補強プレートと対向する位置に支圧部材を配置し、前記補強プレートと支圧部材間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
また、本発明は、隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で露出した二面を覆い、前記補強プレートを通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする。
図1はPC鋼棒を用い、既設柱二面から鋼板補強する例を示しており、図1(a)は平面図、図1(b)は側断面図、図1(c)は側面図である。
図示するように、既設柱1には土留壁2が柱二面に存在しているため、四面補強は困難であるが、既設柱の隣接する二面が露出して鋼板を配設することが可能な状況にある。本実施形態では、この露出した隣接二面に対して鋼板10を配設する。鋼板10の両端部は既設柱との間に間隔を保持するための間隔保持部11(詳細は後述)を有しており、間隔保持部11を柱の露出した隣接二面の端部位置(土留壁隣接位置)に対向させる。一方、柱の露出した隣接二面と反対側の面で、間隔保持部11と対向する位置に、柱高さ方向に沿って間隔保持部と同程度の厚みを有する支圧板12を配置し、間隔保持部11と支圧板12の間をPC鋼棒13で締め付ける。なお、PC鋼棒13は削孔した孔を貫通させて孔内にモルタル等の充填材を充填し、両端部は緊締具14で固定する。そして、間隔保持部の厚みにより鋼板10と既設柱1の間にできた空間にはモルタルや無収縮モルタル等の充填材15を充填して鋼板と既設柱とを一体化して柱を拘束する。
図1の例では、既設柱の隣接する二面が露出して鋼板が配設可能であるとともに、その対向面に支圧板や緊締具を設置することが可能であった。しかし、柱の露出した隣接二面と反対側の面に、支圧板や緊締具を設置できないケースも少なくない。本実施形態では露出した隣接二面の反対側の面が使用できない場合の二面補強方法である。
間隔保持部11は、鋼板10の両端部に開先溶接等の方法で接合したものであり、20はその溶接部を示している。t1は鋼板面から突出している高さ、t2は間隔保持部の厚みであり、既設柱の置かれている状況により適宜の値を選択する。通常、可能であればt1は30mm程度であるが、それだけの高さがとれない場合もあり、例えば10〜35mm程度、t2は20〜45mm程度である。この間隔保持部はモルタル等の充填材の均一な厚みの層形成を可能にするとともに、充填材が逃げないように機能し、また、鋼棒やアンカー筋での締め付け部分に発生する応力集中に対して鋼板を補強する。この間隔保持部を設けたことで効果的に二面補強が可能となった。
補強プレート30は鋼板端部に溶接され、図1、図2に示した間隔保持部と同様に、補強プレート30を既設柱の露出した隣接二面の端部位置に対向して配置し、図1、図2の場合と同様の方法で鋼板が既設柱の露出した隣接二面に取り付けられる。
図5(a)は、補強プレートを柱高さ方向に分割し、各分割片の位置で鋼棒、或いはアンカー筋により固定する場合、図5(b)は柱高さ方向に長片の一体の補強プレートを用い、複数位置で鋼棒、或いはアンカー筋により固定する場合を示しており、既設柱の置かれた状況に応じて適宜採用すればよい。
Claims (4)
- 隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で露出した二面を覆うとともに、露出した二面と反対側の面で、間隔保持部と対向する位置に支圧部材を配置し、前記間隔保持部と支圧部材間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
- 隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、厚みを大きくした間隔保持部を両端部に有する鋼板で露出した二面を覆い、前記間隔保持部を通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に充填材を充填して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
- 隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で露出した二面を覆うとともに、露出した二面と反対側の面で、補強プレートと対向する位置に支圧部材を配置し、前記補強プレートと支圧部材間に柱を貫通して鋼棒を施工して鋼板を固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
- 隣接する二面が露出した既設柱の補強方法であって、両端部に補強プレートを溶接した鋼板で露出した二面を覆い、前記補強プレートを通して柱に対してアンカー筋を施工して鋼板を柱に固定するとともに、鋼板と柱間に樹脂注入して鋼板と柱を一体化することを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
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