JP5830803B2 - 建造物の補強構造 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、柱及びこの柱を挟んで同一軸線上に設けた梁を備えた建造物に対する補強構造が開示されているが、この構造を図10,11に示した。この補強構造は、柱1の一面を、所定の間隔を保持して柱用枠体3で囲むとともに、柱1と梁2との交差部であって、上記柱用枠体3で囲った面と対応する面を、その面と所定の間隔を保持して交差部用枠体4で覆っている。
また、上記柱用枠体3及び交差部用枠体4のそれぞれは、一対の囲い鋼板の端部を重ね合わせて構成され、これら柱用枠体3及び交差部用枠体4の外周には帯状シート5を接着し、この帯状シート5によって隣り合う囲い鋼板を結合している。そして、柱用枠体3内には2本の縦筋7を配置しているが、この縦筋7は、上記交差部用枠体4内にも延長させている。
なお、上記柱1及び梁2の表面であって上記グラウト材6で覆われる部分には、あらかじめ多数のアンカー部材9を打ち込んでいるが、このアンカー部材9は、それにグラウト材6が絡み付くことによってグラウト材6と柱1及び梁2の表面との密着性を高める機能を果たしている。
上記横筋8は、交差部における梁2の曲げ耐力を上げて、柱1と梁2との交差部近傍の補強強度を高める機能を果たすが、この横筋8の本数や配置箇所は、補強する既存構造物に応じて異なる。具体的には、補強工事前に行われる構造計算によって、横筋の必要な本数及び配置箇所があらかじめ決められる。
一方、上記横筋8を支えるアンカー部材9は、必要本数が所定の間隔を保って打ちこまれていれば、既存構造物と上記両枠体3,4内に充填したグラウト材6との密着度は保たれるので、施工現場において、アンカー部材9の打ち込み位置が厳密に設定されるわけではない。
また、横筋8を適切な箇所に配置できないだけでなく、当該横筋8を梁2の軸線に平行に配置することも難しいのが現状であった。
また、横筋8が梁2の軸線に対して平行に配置されないと、例えば、梁2の軸線方向から作用した曲げ力が横筋8に対して分散して作用してしまうので、横筋8の曲げ耐力が上記交差部における曲げ耐力補強として機能しなくなってしまう。
しかも、グラウト材6を充填した後では、横筋8の位置がずれたかどうかは分からない。そのため、グラウト材6の充填時などに横筋8がずれても、そのまま放置されることになって、交差部に設けた横筋8の効果が発揮されないという問題があった。
この発明の目的は、柱と梁との交差部を覆うグラウト材内に埋設する横筋を、構造計算上決められた位置に設けることができ、目的の補強効果を安定して実現できる建造物の補強構造を提供することである。
上記構造計算上決められた位置とは、この補強構造が目的とする補強強度を実現するために横筋を設置すべき位置のことであり、建造物の条件に応じて決められるものである。
なお、上記枠板を構成する、直角にした一対の囲い片は、鋼板やその他の板材を折り曲げ加工などによって形成し、交差角度がわずかに直角からずれたものや、交差部に丸みを帯びたものなども含まれるものとする。
また、横筋を配置する位置が位置決め孔によってあらかじめ明確に決められているので、施工現場において横筋の設定位置を決める必要がない。言い換えれば、取付け片を梁における所定の箇所に取付けさえすれば、上記位置決め孔の位置決めができる。このようにして位置決めされた位置決め孔間に横筋を架け渡せば、当該横筋は、必然的に構造計算上の位置に設定されることになる。したがって、横筋を配置する際の作業性が向上する。
したがって、上記枠体の一対の側面片それぞれに、構造計算で決められた複数の位置決め孔を形成しておくことによって、構造計算上必要とされる曲げ耐力補強が可能になる。
しかも、各横筋は、枠体に形成された位置決め孔に架け渡すことによって簡単に位置決めできるので、横筋の本数が増えても横筋を設置する際の作業性が落ちることはない。
また、第4の発明によれば、位置決め孔を形成した対向する囲い片間に梁が介在していても、横筋を架け渡すことができるので、構造計算上の必要な箇所に横筋を架け渡すことができる。
さらに、第5の発明によれば、構造計算上必要であれば、梁よりも下方となる位置にも横筋を架け渡すことができる。
さらに、上記柱用枠体11及び交差部用枠体12で柱1及び交差部を囲うときには、これら枠体11,12と柱1及び梁2との間に間隔を設け、この間隔には、図示していないグラウト材を充填し、このグラウト材と柱1及び交差部とを一体化して、当該柱1及び上記交差部を補強する。ただし、図1,3はグラウト材を充填する前の状態を示している。
さらに、上記両枠体11,12の内側であって、柱1の前面との対向間隔には、柱1の軸線に沿った縦筋7を配置しているが、図2に示すようにスラブ18がある場合には、縦筋7を複数の階層のスラブ18を貫通させる。これにより、柱1は複数階にわたって、大きな曲げ耐力を得ることになる。
上記柱用枠体11は、それらを複数備え、それらを柱1の長さ方向であって梁下まで積層している。また、個々の柱用枠体11は、鋼板を折り曲げて断面形状をコの字状にした一部材で構成され、柱1の前面に平行に配置される対向片11aと、これに直交する側面片11b,11cとを備えている。
ただし、この交差部用枠体12及び上記柱用枠体11は、鋼板に限らず、例えば、非鉄金属や合金、強化樹脂、木の板、強化ガラスなどで構成してもよい。
そして、上記取付け片12d,12eを上記のように止めボルト16に仮止めするとともに、この止めボルト16にナット17を締め付けて、上記交差部用枠体12を、交差部を構成する梁2に固定する。
これら位置決め孔13a,13b、14a,14bは、この交差部用枠体12を梁2,2の所定の箇所に固定したとき、この位置決め孔13a,14a間、13b,14b間に架け渡した横筋8,8が構造計算上決められた位置になるように形成されている。
ただし、この第1実施形態における交差部用枠体12は1枚板で構成されているので、通常状態で帯状シート5の靱性は機能しない。地震力が作用して交差部用枠体12が変形しようとしたときには、帯状シート5の靱性でその変形を抑えることが期待できる。
さらに、上記柱用枠体11と交差部用枠体12との連続部分にも適当な長さにカットした上記帯状シート5を接着して、両枠体11,12を一体化するようにしてもよい。
上記のようにして、上記位置決め孔13a,14a及び13b,14bから横筋8の両端を突出させたら、この突出部に形成された雄ねじにナット17を結合する。このナット17を上記側面片12b,12cの外側面に接触するまで締め付けることによって横筋8の軸方向のずれを防止する。
このように横筋8を位置決めしたら、柱用枠体11及び交差部用枠体12で囲まれた内側にグラウト材を充填する。これによって、上記交差部用枠体12と交差部との間に充填されたグラウト材内において、構造計算上決められた位置に横筋8を埋設することができる。
また、曲げ耐力ではなく、交差部における引っ張り耐力を補強する場合には、横筋8は、特に梁2の上下端近傍に配置しなくてもよく、例えば梁2の幅方向の中央付近に1本の横筋8を配置するだけでもよい。
いずれにしても、この第1実施形態では、対向する側面片12b,12cにおける構造計算上決められた位置に位置決め孔を形成することによって、横筋8を簡単かつ正確に位置決めすることができる。
なお、上記ナット17を用いなくても、両端を位置決め孔13a,14a及び13b,14bから突出させておくだけでも、位置決めされた横筋8をずれにくくすることができるとともに、グラウト材の充填後に横筋8が決められた位置に保たれていることを確認することができる。仮に、横筋8が位置決め孔から脱落した場合には、横筋8の突出がなくなるので、交差部用枠体12の外部からもそのことが分かり、横筋8がずれたことを知らずに放置されるようなことはない。
上記囲い板20,21は、その端部を重ねてこの発明の対向片を構成する前面片20a,21aと、これに直交して連続し、この発明の側面片を構成する側面片20b,21bと、これら側面片20b,21bに直交して梁2,2の前面に固定される取付け片20c,21cとこの交差部用枠体19の底をふさぐ底板20d,21dとを備えている。
このような交差部用枠体19の取付け片20c,21cを、梁2に固定するとともに、上記側面片20b,21b間に横筋8を架け渡す構造は、上記第1実施形態と同様である。したがって、上記第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態と同じ符号を用いるとともに、同様の構成要素についての詳細な説明は省略する。なお、図4も、グラウト材を充填する前の状態を示している。
上記正対する位置決め孔13a,14a間と、位置決め孔13b,14b間とに横筋8を架け渡し、図4には表われていないが、2本の横筋8が上下に平行に配置される。
ただし、図4に示すように、上記横筋8の雄ねじに、対向する側面片20b,21bの間隔を保って、プレートナット22,23を取り付ける場合には、交差部用枠体19を固定する前に横筋8を挿入する。上記位置決め孔13a,13b、14a,14bに横筋8を挿入して外部にナット17を締め付ければ、側面片20b、21bの間隔を保持した交差部用枠体19を組み立ててからそれを梁2に取り付けることもできる。
また、上下に間隔を保って設けた一対の横筋8,8によってより効果的に曲げ耐力を補強できる点も、上記第1実施形態と同じである。
そして、各位置決め孔13a,13b、14a,14bから突出した横筋8の端部にナット17を固定すれば、横筋8,8のずれを防止できるとともに、この横筋8,8がタイバーとしても機能する。
さらに、この第2実施形態では、横筋8を架け渡す側面片20a,21aの対向間隔を現場で調整することもできるとともに、個々の部品の重量が軽くなるため運搬作業が容易になる。
図5に示すように、柱1の外周を、所定の間隔を保って柱用枠体25で囲み、柱1と梁2及び梁24との交差部を、柱1の四隅を覆う、第1〜4枠板26,27,28,29で囲うようにしている。
そして、上記柱用枠体25及び第1〜4枠板26〜29の外表面には帯状シート5を接着するとともに、内側には、後で説明するように横筋8を設けてからグラウト材を充填する。
ただし、図5,7,8はグラウト材を充填していない状態を示し、図5では、上記第1〜4枠板26〜29の位置関係を明確に示すため、帯状シート5、板座金15などを省略している。
なお、上記柱用枠体25は、柱1との間にグラウト材を充填できればどのようなものでもよいが、例えば、断面をL字状にした4つの枠板を組み合わせて筒状に構成するとともに、この筒状にした枠板のセットを柱1の軸方向に沿って積層して構成する。そして、その外周に帯状シート5を接着して、周方向及び軸方向に連続する枠板を連結して柱用枠体25を構成することができる。
厳密には、梁2又は24を介して隣り合う枠板はそれぞれ、上記梁2又は24の軸線を中心とする線対称形であるが、全ての枠板26〜29は同じ構成要素を備えているので、まず、第1枠板26について説明する。
第1枠板26は、図5〜7に示すように、梁2に固定するための第1取付け片26aと、この第1取付け片26aに連続して直交する第1囲い片26bと、この第1囲い片26bに連続して直交する第2囲い片26cと、この第2囲い片26cに連続して直交し、梁24に固定するための第2取付け片26dとを備えている。また、第1,2側面片26b,26cの下端には、第1,2側面片26b,26cと、上記柱用枠体25との隙間をふさぎ、梁2,24の下方に突出する底板26eを備えている。
また、第1囲い片26bには、上記梁2に沿って配置される横筋8,8を架け渡すための位置決め孔30,31を上下に形成し、第2囲い片26cには梁24に沿って配置される横筋8を架け渡すための位置決め孔32を形成している。
これら位置決め孔30〜32は、後で説明するように、上記第1〜4枠板26〜29を所定の箇所に設けたとき、対向する位置決め孔30,30間、31,31間、32,32間に架け渡した横筋8が構造計算上決められた位置に配置されるように形成されている。
例えば、図8に示すように、梁24を挟んで隣り合う第1,2枠板26,27の底板26eと底板27eとが、梁24の下方で当接する。そして、その当接部には継手板部材33を重ねるとともに、その外周に帯状状シート5を接着して両底板26e,27eを連結している。
上記のような第1〜4枠板26〜29の第1取付け片26a,27a,28a,29aを梁2に、第2取付け片26d,27d,28d,29dを梁24に、それぞれ止めボルト16及びナット17で固定することにより、各枠板26〜29をそれぞれ所定の箇所に設けている。
そして、上記梁24を挟んで隣り合う第1、2枠板26,27であって、上記梁24を挟んで対向する第1囲い片26b,27bに形成されている、位置決め孔30,30間及び、位置決め孔31,31間に、梁2の軸線に沿った横筋8,8を架け渡す。これら対向する位置決め孔30,30間と31,31間に架け渡された横筋8は、それぞれ構造計算上決められた位置に配置される。
上記貫通孔24aは、上記位置決め孔30,30に対応する位置に形成されているが、その内径を、横筋8の外径に比べて十分に大きくしておけば、貫通孔24aの形成位置をそれほど正確に管理しなくても、横筋8を貫通させることができる。
また、上記貫通孔24aの内径を十分に大きくして、挿入された横筋8と貫通孔24aの内周との間に隙間が保たれるようにすれば、第1,2枠板26,27内に充填するグラウト材が貫通孔24a内に入り込み、空隙を埋めるとともに横筋8と梁24とを一体化してさらに強度を高めることができる。
このように、梁2に沿った横筋8を、位置決め孔30,30及び31,31によって正確に位置決めし、各横筋8を構造計算上決められた位置に配置することができる。
特に、梁24の下方において上記位置決め孔31,31間に架け渡された横筋8は、まげ応力が集中する梁2の下端に近づけることができるため、梁2の曲げ耐力をより効果的に補強することができる。
こちら側の面においても、上記位置決め孔30,30を結ぶ直線上に位置する梁24には横筋8の外径よりも十分に大きい内径の貫通孔24bを形成し、横筋8をこの貫通孔24bを貫通させて上記位置決め孔30,30間に架け渡す。
また、位置決め孔31,31を結ぶ直線は梁24の下方に位置し、これら位置決め孔31,31間に架け渡した横筋8は、上記梁24の下方でグラウト材に埋設される。
したがって、梁2,2の軸線の両側面において、梁2に沿った横筋8を構造計算上決められた位置に配置することができる。
図7において、梁24の左側では、第1,4枠板26,29が、一対の梁24,24と直交する梁2と間に設けられ、梁2を挟んで隣り合うことになる。そして、梁2を挟んで互いに対向する上記第1枠板26の第2囲い片26cと第4枠板29の第2囲い片29cとに形成された位置決め孔32,32間に横筋8を架け渡す。
ただし、上記位置決め孔32,32を結ぶ直線上には梁2が位置するので、梁2の対応する位置には横筋8の外径よりも十分大きい内径の貫通孔2aを形成し、横筋8をこの貫通孔2aに貫通させて上記位置決め孔32,32間に架け渡すようにする。
こちら側においても、上記位置決め孔32,32を結ぶ直線上に対応する梁2の部分には、横筋8の外径よりも十分大きい内径の貫通孔2bを形成し、横筋8をこの貫通孔2bを貫通させて、上記位置決め孔32,32間に架け渡すようにする。
なお、この第3実施形態では、上記位置決め孔32,32に架け渡した横筋8,8が貫通孔2a,2bを貫通するようにしているが、上記横筋8を梁2の下方に架け渡すことも可能である。いずれにしても、対向する位置決め孔32,32によって梁24に沿った横筋8を正確に位置決めすることができる。
なお、この第3実施形態では、梁24に沿った横筋8は、梁24のそれぞれの側面側において梁2を貫通する1本だけである。横筋8の曲げ耐力をより有効に利用する場合には、梁24の上下端に対応する位置に近づけて配置することが好ましいが、スラブ18の強度を利用でき、目的とする補強強度によっては構造計算上、1本の横筋8で足りることもある。
そのため、この第3実施形態では、互いに軸線が直交する梁2,24を柱1に結合した構造において、アンカー部材の打ち込み位置にかかわりなく、梁2及び24に沿った横筋8を、構造計算上決められた位置に簡単かつ正確に位置決めすることができる。そのため、横筋8による補強効果を目的通りに発揮させることができる。
なお、この第3実施形態における上記第1〜4枠板26,27,28,29及び継手板部材33は、鋼板だけでなく、非鉄金属や合金、強化樹脂、木の板、強化ガラスなど、必要な強度を維持できれば様々な材料で構成することができる。
図9は、角型鋼管からなる柱34と、この柱34の両側に結合し、同一直線上に設けた一対のH型鋼からなる梁35,35との交差部を補強する第4実施形態を示している。
この第4実施形態では、柱34であって梁35より下の分を柱用枠体36で覆い、柱34と梁35との交差部を交差部用枠体37で覆っている。
なお、一対の梁35,35に沿った両側面には、それぞれ同一形状の上記交差部用枠体37を設けている。
上記柱用枠体36は、その詳細は図示していないが、鋼板を折り曲げて断面形状をL字状にした4枚の枠板で構成される。このような柱用枠体36を複数備え、それらを柱34の長さ方向であって梁下まで積層している。なお、上記柱用枠体36は、鋼板ではなく、他の材質で形成してもよい。
また、上記側面片37b,37cに連続する連結部37d,37eを備え、これら連結部37d,37eを、梁35を構成するH型鋼のフランジ35a,35b間に挿入してウエブ35cに突き当て、その周囲を溶接している。
さらに、上記対向片37a及び側面片37b,37cの下端であって柱用枠体36から外れた位置には、底板37fを設けている。
これら位置決め孔38a,38b、39a,39bは、この交差部用枠体37を梁35,35の所定の箇所に固定したとき、位置決め孔38a,38b間、39a,39b間に架け渡した図示しない横筋が構造計算上決められた位置になるように形成されている。
したがって、これら位置決め孔38a,38b間、39a,39b間に横筋を架け渡せば、それらの横筋が構造計算上決められた位置に配置されることになる。
ただし、交差部用枠体37を梁35に溶接できない材質で形成した場合には、上記連結部37d,37eから外方へ向けた取付け片を設けて、この取付け片を梁35のウエブ35cにボルトなどで固定すればよい。
ただし、溶接や接着などによって柱用枠体36や、交差部用枠体37が一体化でき、強度が保てれば、上記帯状シートは必須ではない。この点は、上記他の実施形態においても同様である。
ここでは、角型鋼管からなる柱34の両側に同一線上に設けられたH型鋼からなる梁35との交差部を補強する例を説明したが、柱や梁を構成する鋼材の形状は上記のものに限らない。
また、上記交差部用枠体37も、隣接する複数の枠板部材で構成するなど、様々な態様が可能である。
2 梁
2a,2b 貫通孔
8 横筋
12 交差部用枠体
12a 対向片
12b 側面片
13a,13b 位置決め孔
14a,14b 位置決め孔
19 交差部用枠体
20 囲い板
20a 前面片
20b 側面片
21 囲い板
21a 前面片
21b 側面片
24 梁
24a,24b 貫通孔
26〜29 第1〜4枠板
26b〜29b 第1囲い片
26c〜29c 第2囲い片
30,31,32 位置決め孔
34 柱
35 梁
37 交差部用枠板
37a 対向片
37b,37c 側面片
38a,38b 位置決め孔
39a,39b 位置決め孔
Claims (5)
- 柱とこの柱を挟んで同一軸線上に設けた梁との交差部を覆う枠体は、柱及び梁の側面と対向する対向片と、この対向片の両脇において上記対向片と交差して、上記対向片と梁との間隔を保つ一対の側面片とからなり、上記枠体と柱及び梁との間にグラウト材を充填するとともに、上記グラウト材内に上記梁に沿った横筋を設けた建造物の補強構造において、
上記枠体の側面片にはその側面片に直交して連続する取付け片を設け、この取付け片を上記梁に固定するとともに、上記側面片には、上記横筋が架け渡される構造計算上決められた位置に、上下に間隔を保って配置された少なくとも一対の位置決め孔を形成し、これら位置決め孔に上記横筋を貫通して上記位置決め孔間に上記横筋を架け渡した建造物の補強構造。 - 上記枠体における一対の側面片のそれぞれには、複数の横筋を平行に架け渡すための複数の位置決め孔を形成した請求項1に記載の建造物の補強構造。
- 柱とこの柱に交わる少なくとも3本の梁とを備え、これら少なくとも3本の梁は同一軸線上に位置する一対の梁と、これら一対の梁と直交する梁とからなり、上記柱を介して直交する一対の梁間に、各梁と柱との交差部を覆う枠板を設けるとともに、この枠板は、直角にした一対の囲い片からなり、上記柱を挟んで同一軸線上に位置する一対の梁に対して平行にした横筋を上記枠板内に配置し、これら枠板と柱及び梁との間にグラウト材を充填した建造物の補強構造において、
上記柱を介して同一軸線上に位置する一対の梁に対して直交する梁を挟んで隣り合う上記枠板であって、上記直交する梁を挟んで互いに対向する囲い片のそれぞれにその囲い片に直交して連続する取付け片を設け、この取付け片を上記梁に固定するとともに、上記囲い片には、上記横筋が架け渡される構造計算上決められた位置に、上下に間隔を保って配置された少なくとも一対の位置決め孔を形成し、これら位置決め孔に横筋を貫通して上記位置決め孔間に上記横筋を架け渡した建造物の補強構造。 - 上記柱を介して同一軸線上に位置する上記梁に対して直交する上記梁であって、上記横筋を架け渡す一対の位置決め孔を結ぶ直線上に貫通孔を形成し、この貫通孔を貫通した横筋が上記位置決め孔に架け渡される構成にした請求項3に記載の建造物の補強構造。
- 上記横筋を架け渡す一対の位置決め孔を結ぶ直線が、上記柱を介して同一軸線上に位置する上記梁に対して直交する上記梁よりも下方になる関係位置を保つように、上記一対の位置決め孔を形成し、これら一対の位置決め孔間に架け渡した横筋が、上記柱を介して同一軸線上に位置する上記梁に対して直交する上記梁よりも下方に架け渡される構成にした請求項3又は4に記載の建造物の補強構造。
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