JP5282721B2 - 剛床構造および剛床工法 - Google Patents

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Description

本発明は、軽量気泡コンクリート(ALC)板等の床パネルを使用する鉄骨造建築の床、平屋根等において、床パネルを相互に一体化するとともに、それらを鉄骨梁に緊結した剛床構造と、当該剛床構造を構築する剛床工法に関する。
鉄骨造建築の床や平屋根は、主としてデッキプレートとコンクリートの合成床板や鉄筋コンクリート床板によるものと、ALC板等の床パネルによるものがある。
前者は、現場でコンクリートが打設され、床板と鉄骨梁とは頭付きスタッド等で緊結されるので、地震時において床面に作用する面内剪断力を床板が負担することができる。したがって、床面ブレースは不要である。また、床板が梁の上フランジの移動を拘束するので、小梁の場合の横座屈止めが不要となる。このように床面に作用する面内剪断力を床板が負担できる床構造は、一般的に剛床構造と呼ばれる。
後者の場合の一般的な施工法は、床パネルを梁の上に並べて、床パネルが移動したり梁から浮き上がったりしないように固定しているだけであり、床面の面内剪断力を負担することはできない。したがって、一般的には、面内剪断力を処理するために床面ブレースが設けられる。また、小梁の横座屈止めも必要となる。
床面ブレースは、床パネルより下側に配置され、床面の下側となる天井の設備配管工事や吸音材工事、カーテンボックス工事等の障害になるだけでなく、ブレース自体の製造と工事のコストもかかる。そのため、床パネル同士および床パネルと鉄骨梁を緊結する剛床構造が求められている。
例えば、鉄筋の両端に支持金物が溶接された剛床金物を床パネルの目地部に設置し、両端の支持金物をそれぞれ床パネルが掛け渡される二本の鉄骨梁にワンサイド接合具で結合し、鉄筋が入る床パネルの目地部と支持金物が設置される床パネルの切欠部にはモルタルを充填して構成される剛床構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、コーナー部に継手ナットが突出固定された切欠部を形成した床パネルを二本の梁の上に並べ、床パネルの切欠部において、支持金具を梁にボルトで固定し、支持金具と床パネルをボルトで固定する剛床構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−221861号公報 特開平8−120814号公報
ところで、特許文献1に記載の剛床構造では、剛床金物の形状が、床パネルと同じ長さの鉄筋の両端に支持金物がついている形状のため、金物全体の重量が重く、取り扱いが不便であるとともに、運搬も不便である。
さらに、目地とパネルの切欠部に大量のモルタルを充填する必要があるので、施工の手間が掛かるとともに、コストも高くなってしまう。
また、特許文献2に記載の剛床構造では、床パネルの製造時に、当該床パネルのコーナー部を切り欠いて継手ナットおよびその定着用の鉄筋を仕込むことは大幅なコスト増になる。
さらに、支持金具を床パネルに締結する際に、切欠部の狭い場所で横方向にボルトを挿入、締め付けをしなければならないので、施工が難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、モルタル等の湿式材料の使用量を最小限に抑えるとともに、床パネルに対する加工を最小限に抑え、かつ、施工性に優れるとともに、製作、施工の全体コストを最小限に抑えることができる剛床構造および剛床工法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の剛床構造は、互いに平行に配置された鉄骨梁間に架け渡されて敷き詰められた床パネルを備える剛床構造であって、前記鉄骨梁に載せられる床パネルの端部と前記鉄骨梁とを接合する接合部材と、隣り合う前記床パネルに跨って設けられ、前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材とを備え、前記接合部材は、前記鉄骨梁のフランジの下面に当接する梁当接部および前記床パネルの下面に当接するパネル当接部を一体に備えたベース部材と、前記梁当接部から上側に延出して、前記フランジに設けられたピン孔に下側から挿入されるピンと、前記パネル当接部から上側に延出して前記床パネルに設けられたボルト孔に下側から挿入されるボルトと、前記ベース部材に設けられ、前記ピン孔に前記ピンを挿入した際に、前記フランジの下側から弾性変形しながら前記フランジの側縁の上面に係合された状態となることで、前記接合部材を前記鉄骨梁に仮固定する仮固定部材とを備え、前記フランジのピン孔にピンが挿入されるとともに、前記床パネルの前記ボルト孔にボルトが挿入され、かつ、前記仮固定部材により前記接合部材が前記鉄骨梁に仮固定された状態で、前記ボルトと座金およびナットにより前記接合部材が前記床パネルに締結され、前記ボルトと前記ボルト孔の隙間に湿式材料が充填されていることを特徴とする。
請求項2に記載の剛床構造は、請求項1に記載の発明において、前記移動規制部材が、隣り合う前記床パネル間に渡って配置されるとともに、当該床パネルの上面に固定される板状の下地材であることを特徴とする。
請求項3に記載の剛床構造は、請求項1に記載の発明において、前記移動規制部材が、隣り合う前記床パネル間で重なって一つの凹部となるように前記床パネルの側縁部に設けられた切欠部に充填されて硬化した硬化材であることを特徴とする。
請求項4に記載の剛床工法は、互いに平行に配置された鉄骨梁間に床パネルを架け渡して敷き詰めて形成される床を剛床構造とする剛床工法であって、前記鉄骨梁のフランジの下面に当接する梁当接部および前記床パネルの下面に当接するパネル当接部を一体に備えたベース部材と、前記梁当接部から上側に延出して、前記フランジに設けられたピン孔に下側から挿入されるピンと、前記パネル当接部から上側に延出して前記床パネルに設けられたボルト孔に下側から挿入されるボルトと、前記ベース部材に設けられ、前記ピン孔に前記ピンを挿入した際に、前記フランジの下側から弾性変形しながら前記フランジの側縁の上面に係合された状態となることで、前記接合部材を前記鉄骨梁に仮固定する仮固定部材とを備える接合部材を用い、前記フランジの前記ピン孔に前記ピンを挿入するとともに、前記床パネルの前記ボルト孔に前記ボルトを挿入し、かつ、前記仮固定部材により前記接合部材を前記鉄骨梁に仮固定した状態で、前記ボルトと座金およびナットにより前記接合部材を前記床パネルに締結し、前記ボルトと前記ボルト孔の隙間に湿式材料を充填し、前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材を隣り合う前記床パネルに跨って設けることを特徴とする。
請求項5に記載の剛床工法は、請求項4に記載の発明において、前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材を隣り合う前記床パネルに跨って設けるに際し、前記移動規制部材としての板状の下地材を、隣り合う前記床パネル間に渡って配置するとともに、当該床パネルの上面に固定することを特徴とする。
請求項6に記載の剛床工法は、請求項4に記載の発明において、前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材を隣り合う前記床パネルに跨って設けるに際し、隣り合う前記床パネル間で一体の凹部となるようにそれぞれの床パネルの側縁部に切欠部を設け、当該切欠部に前記移動規制部材としての硬化材を充填して硬化させることを特徴とする。
請求項1および請求項4に記載の発明においては、接合部材が梁のフランジのピン孔にピンを挿入することで取り付けられるので、ボルトで締結するような場合と比較して作業性が向上する。また、フランジの下側からピン孔にピンを挿入する場合に、ピンの上端が梁の上面より上に出る可能性がある。また、梁に係合する仮固定部材の上端も梁の上面より上に出る可能性がある。したがって、梁の上面に床パネルの端部が載った状態では、床パネルの下面にピンや仮固定部材を避けるための切欠部を設ける必要があるが、当該切欠部の大きさや深さ等を小さなものとすることができる。
すなわち、ボルトで鉄骨梁と接合金物とを締結する場合には、ボルトを避けるための最小限度の空間だけではなく、ボルトの締結作業用の空間が必要となり、床パネルに形成される切欠部が大きくなってしまうのに対して、本発明では、梁のフランジのピン孔に接合金物のピンが挿入されるだけなので、切欠部をピンや仮固定部材を避ける最低限度の大きさとすることができる。
また、接合部材は、床パネルにボルトで締結され、床パネルに対する接合金物の位置が固定されることになる。これにより、鉄骨梁の上に載った状態となる床パネルの端部と、鉄骨梁の下側に配置される梁当接部との位置が固定される。したげって、梁当接部の位置が梁の下面に固定され、梁当接部を有する接合金物が床パネルに固定されていることから、鉄骨梁から床パネルが浮き上がらないように鉄骨梁に床パネルが固定された状態となる。また、鉄骨梁のフランジのピン孔にピンが挿入されていることで、鉄骨梁と床パネルに締結された接合部材との間で水平方向の力が伝達されることになる。
このような接合金物によって鉄骨梁と床パネルが接合された状態となる。また、移動規制部材により隣り合う床パネルどうしの相対移動(水平方向の相対移動)が規制されるので、床パネルを用いた床を剛床構造とすることができる。これにより、床面ブレースと小梁の横座屈止めが省略でき、作業性の向上とコストの低減を図れるとともに、天井の設備配管工事や吸音材工事、カーテンボックス工事の作業が容易となる。
また、上述のように接合部材を用いた鉄骨梁への床パネルの接合作業は、ピン孔にピンを挿入するとともに、ボルト孔にボルトを挿入して仮固定部材により鉄骨梁に接合部材を仮固定した状態で、ボルトに座金を介してナットを螺合させて接合部材に床パネルを締結し、ボルトとボルト孔の隙間に湿式材料を充填するだけであり、作業性がよい。また、床パネルどうしの相対移動が移動規制部材で規制されるので、例えば、接合部材に床パネルを締結するためのボルトを一本として、接合部材に対して床パネルが回転可能な構造としても問題がなく、接合部材のボルトを一本とするとともに床パネルのボルト孔を一つとして、構造の簡略化と締結作業の省力化を図ることができる。
また、床パネルには、前記ボルト孔と、例えば、ボルトの上端が床パネル上に出るのを防止するための座掘りと、上述のピン等を避けるための切欠部を設ければよく、床パネルの加工が簡単なものとなり、床パネルの加工によるコストの増大を防止できる。また、床パネルに多くの加工や大きな加工を施すことにより、床パネルの強度が低下するのを防止することができる。さらに上述のようにボルト孔を一つとした場合に、床パネルの加工をさらに少ないものとすることができる。
また、ボルト孔とボルトとの隙間に湿式材料を充填するものとしても、湿式材料の使用量は僅かなものとなり、充填も短時間で終わることになり、コストの増大を防止することができる。
請求項2および請求項5に記載の発明においては、移動規制部材として、住宅となる鉄骨造建築物で一般的に用いられる床仕上げ材の下地材(例えば、合板やパーティクルボード)を用いることができ、下地材を隣り合う床パネル間に渡って配置するとともに、タッピンねじ等で、床パネルに固定するだけなので、移動規制部材を用いることによるコストの増大を防止することができる。
請求項3および請求項6に記載の発明においては、前記下地材を用いない床構造においても、硬化材を移動規制部材として、剛床構造を構築することができる。なお、移動規制部材としての硬化材を用いる工法を、下地材を使用する床構造に用いてもよい。
本発明の実施の形態に係る剛床構造を示す要部斜視図である。 前記剛床構造で用いられる床パネルを示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)底面図である。 前記剛床構造で用いられる接合金物を示す図であって、(a)は側面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図である。 前記剛床構造を示す要部断面図である。 前記剛床構造を示す要部底面図である。 前記剛床構造の床パネルの接合金物との締結部分を示す平面図である。 前記剛床構造で用いられるワッシャを示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。 前記剛床構造の変形例を示す要部斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7に示すように、この例の剛床構造は、例えば、鉄骨造建築で梁(鉄骨梁)1どうしの間に掛け渡されるALC板等の床パネル2により構築される床や平屋根に適用されるものである。梁1は、例えば、H形鋼からなり、フランジ3とウェブ4とを有する。床パネル2は、ALCや、その他周知の素材からなるものであり、長尺な矩形状に形成されている。
剛床構造においては、互いに平行で同じ高さ位置にある2本の梁1の間に架け渡された状態に床パネル2が配置されている。また、床パネルの長手方向は、梁1の長手方向と直交する配置となっている。
床パネル2の端部は、梁1のフランジ3の上に載置された状態となっている。なお、梁1のフランジ3上には、ウェブ4の位置を境に、2つの床パネル2が端面どうしを付き合わせた状態で配置されるようになっている。また、梁1のフランジ3と床パネル2の端部が接合金物(接合部材)5を介して接続されている。また、床パネル2の上面側には、合板やパーティクルボードからなる床仕上げの板状の下地材(移動規制部材)6が固定されている。
梁1は、その上側のフランジ3に、接合金物5の後述のピン51を挿入するためのピン孔11が設けられている。ピン孔11は、梁1の床パネル2の載置位置に対応して設けられている。すなわち、梁1のフランジ3には、当該梁1の長手方向に直交する床パネル2の中心線を挟んで一つの床パネル2用に一対のピン孔11が設けられている。一対のピン孔11とその隣の一対のピン孔11とは、床パネル2の幅に対応する間隔があけられている。また、上述のように壁際の梁1を除いて、梁1の上側には、ウェブ4を境に端面どうしを突き合わせて、梁1の長手方向と直交する方向で隣り合う床パネル2が配置されるので、梁1の上側のフランジ3には、ウェブ4を境にして、それぞれの部分に一対ずつのピン孔11が並んだ状態であり、ウェブ4を挟んで隣り合う床パネルどうしが略同じ配置で配置される場合には、一箇所に4つのピン孔11が配置された状態となる。
床パネル2は、長尺な矩形状の板体であり、その長手方向の両端部が梁1の上側のフランジ3に載置された状態となる。ここで、梁1のフランジ3のピン孔11に下側から挿入された接合金物5のピン51が上側のフランジ3の上面より上に突出するようになっている。また、ピン51の近傍には、接合金物5の後述の仮固定用ばね(仮固定部材)52がフランジ3の上面より上に突出するようになっている。
そのため、そのままでは、床パネル2の端部をフランジ3上に載置できないので、床パネル2にフランジ3上に突出するピン51および仮固定用ばね52を逃げるための切欠部21が設けられている。なお、切欠部21は、床パネル2の支持部耐力に支障がないように、必要最小限に近い深さと大きさとする。
この例では、一対のピン51の間となる位置に仮固定用ばね52が配置されるとともに、仮固定用ばね52の方がピン51より床パネル2の端面から離れて位置にあるので、切欠部21は、床パネル2の中心線を挟んで配置される一対のピン51の間隔に対応して、床パネル2の端部の幅方向(梁1の長手方向に平行な方向)の中央部に設けられる。
また、切欠部21の形状が概略半円状とされ、床パネル2の端面側に前記半円(円弧)の弦側が配置されるとともに半円状の切欠部21の弦側が床パネル2の端面で開放された状態となっている。
この切欠部21の床パネル2の端面側となる幅の広い部分に一対のピン51が配置され、ピン51より端面から遠い側にあり、一対のピン51の間隔より幅の狭い仮固定用ばね52が半円状の切欠部21の幅の狭くなった部分に配置される。これにより、切欠部21の大きさが略必要最小限のものとなる。
また、床パネル2の端部で、梁の上側のフランジ3に載っている部分より長手方向の中央側には、幅方向の中央部に床パネル2を上下に貫通するボルト孔22が形成されている。また、床パネル2の上面の前記ボルト孔22の周囲には、ボルト孔22を中心とする座掘り23が形成されている。
また、ボルト孔22を有する座掘り23と床パネル2の端面との間には、床パネル2の支持部耐力に支障がないように、床パネル2の板厚程度の間隔があけられている。
ボルト孔22は、接合金物5の後述のボルト53が貫通され、ボルト53と座金59およびナット77により床パネル2が接合金物5に締結されるようになっている。また、ボルト孔22とボルト53との間には、湿式材料としてのグラウト材31が充填されるので、ボルト孔22の直径(内径)は、施工誤差を吸収し、かつグラウト材31が確実に注入できるように、ボルト53の直径よりも10mm程度大きく設定することが好ましい。なお、湿式材料とは、建築施工後に硬化して強度を発現する材料であり、セメントミルク等のグラウト材31が例示される。
座掘り23は、その直径は、座金59の直径よりも大きくし、その深さは、ボルト53のねじ部余長を見込んでボルト53が床パネル2の上面から突き出さない範囲でできるだけ小さい深さとする。
接合金物5は、ベース板54と、前記ピン51と、前記仮固定用ばね52と、前記ボルト53を備えるものである。
ベース板54は、梁1の上側のフランジ3の下面に当接する梁当接部55と、床パネル2の端部のフランジ3に載せられる部分より中央側の下面に当接するパネル当接部56と、梁当接部55とパネル当接部56との間となる中間部57とを備えている。
フランジ3の下面と、床パネル2の下面との間には、フランジ3の板厚分の高さの違いがあるので、中間部57は、水平な梁当接部55およびパネル当接部56に対して斜めとなるように形成されている。
また、中間部57には、その幅方向(梁1の長手方向と平行な方向)の中央部に後述のように仮固定用ばね52を貫通させる開口部58が形成されている。
ベース板54の梁当接部55には、幅方向に沿って並んだ状態に一対の前記ピン51が溶接されている。ピン51は、その下端部が梁当接部55に設けられた貫通孔を貫通した状態で、梁当接部55の下面側で当該梁当接部55に強固に溶接されている。また、ピン51の上端部は、ピン孔11への挿入を容易とするために、円錐台状とされている。なお、ドーム状としてもよい。
なお、後述のように接合金物5と梁1との間で水平方向の力を伝達することから、ピン51の梁当接部55に接合される基端部には、剪断力に基づいて、曲げ応力が作用する。したがって、ピン51の基端部は、梁当接部55に強固に溶接される必要がある。
また、ピン51を二本としたのは、梁1に対して接合金物5の回転を規制するためである。
ピン孔11にピン51を容易かつ円滑に挿入できるようにするには、ある程度のクリアランスが必要となるが、ここでは、例えば、ピン孔11の内径がピン51の外径に1mm程度を加算した値以下となるようにしており、がたがでるのを抑制している。なお、クリアランスとなる値は、ピン孔11やピン51の径の値によって異なるものとなる。
ピン孔にピン51が挿入されることで、梁1に対して接合金物5の水平方向への移動が規制されるとともに、梁1と接合金物5との間で水平方向の力が伝達されるようになっている。
また、ベース板54の一対のピン51の間となる位置には、前記仮固定用ばね52が設けられている。仮固定用ばね52は、帯状の金属板(薄い鋼板)を屈曲させることにより形成された板ばねであり、ベース板54の下面に溶接により固定される固定部71と、略水平な固定部71から90度曲げられて下側に向かった後にU字状に湾曲して上側に向かうU字部72と、U字部72から更に上側に延出して開口部58を貫通する延出部73と、延出部73の上端から梁1の上側のフランジ3の上面に係止されるように屈曲した係止部74と、上に向かう程、係合すべきフランジ3から離れるように斜めにされた傾斜部75とを備えている。
ピン51を上側フランジ3のピン孔11に挿入した際に、仮固定用ばね52の係止部74がフランジ3の側縁部に係止され、ピン孔11に挿入されたピン51と仮固定用ばね52とにより接合金物5が梁1の上側のフランジ3に仮固定される。
ピン孔11にピン51を挿入する場合に、上述のように接合金物5の水平方向の移動が規制された状態で、上側のフランジ3の側縁部に、仮固定用ばね52の最も上側となる傾斜部75が接触する。この状態で、傾斜部75の下側の係止部74を上側フランジ3の側縁部に係止しようとすると、傾斜部75がフランジ3の側縁部に押し付けられてフランジ3から離れる方向に係止部74が移動する。この際には、仮固定用ばね52のU字部72、延出部73等が弾性変形することで、係止部74が移動する。
このように移動した係止部74が下側からフランジ3の側面に接触し、されに上に移動し、フランジ3を乗り越えたところで、フランジ3側に移動して、フランジ3の側縁の上面に係止された状態となることで、接合金物5が梁1に仮固定される。
前記ボルト53は、通常の例えば六角形状の頭部と、棒状の雄ねじ部とを有するものであり、接合金物5のベース板54のパネル当接部56に設けられている。
ボルト53は、パネル当接部56に形成された雄ねじ部の外径より僅かに大きな内径を有する挿入孔に下側から挿入され、頭部がパネル当接部56の下面に溶接されることで、パネル当接部56から雄ねじ部が垂直に上側に延出するようにパネル当接部56にボルト53が固定される。
ボルト53は、上述のように梁1の上側のフランジ3のピン孔11にピン51を挿入するとともに、仮固定用ばね52をフランジ3に係止した際に、床パネル2のボルト孔22に挿入されるようになっている。また、上述のように接合金物5を梁1に仮固定した際に、接合金物5のパネル当接部56が梁1上の床パネル2の下面側に配置されるとともに、ボルト53が床パネル2のボルト孔22に挿入され、ボルト53(雄ねじ部)の上端部が床パネル2の上面に形成されたボルト孔22の座掘り23内に配置されるようになっている。このボルト53の上端部には、座金59を介してナット77が螺合され、ナット77を締め付けることで、接合金物5が床パネル2に締結される。
前記座金59は、ボルト53より大きな径のボルト孔22に対して、ナット77によりボルト53を床パネル2に確実に締結するために、ナット77およびボルト孔22より大きな径を有するものである。
したがって、ボルト孔22は、座金59により閉塞されてしまうが、座金59には、ボルト53を貫通させるボルト貫通孔78が形成されるだけではなく、ボルト貫通孔78と交差して連通するように、長孔79が形成されている。この長孔79の長手方向の長さは、例えば、ボルト貫通孔78の3倍程度となっており、ボルト貫通孔78から長孔79が左右に延出した状態となっている。
座金59のボルト貫通孔78にボルト53を通してナット77をボルト53に螺合した状態では、ボルト貫通孔78は、ボルト53とナット77により閉塞された状態となるが、長孔79は、その中央部(ボルト貫通孔78と重なる部分)がボルト53とナット77とにより閉塞されるが、中央部を除く左右の部分は、開放された状態となっている。長孔79の左右の開放部分のうちの一方からグラウト材31を注入するようになっている。なお、周知のグラウト材31を使用可能であるが、比較的狭い空間に隙間無くグラウト材31を注入できるように、グラウト材31として流動性の高いものを用いることが好ましい。
グラウト材31をボルト孔22に注入すると、ボルト孔22の下側が、床パネル2の下面に当接している接合金物5のパネル当接部56により閉塞されているので、ボルト孔22の下側からグラウト材31が漏れることなく、ボルト孔22の内周面とボルト53の外周面との間に充填される。この際に、ボルト孔22にグラウト材31が満杯となるように充填された際に、例えば、座金59の長孔79の他方の開放された部分からグラウト材31が溢れて排出され、グラウト材31が満杯となったことがわかるようになっている。
本発明のように湿式材料(グラウト材31)を利用すると、ボルト孔22の直径を大きくして支圧面積を大きくすることができ、全体の支圧強度を高める効果がある。床パネル2がALC板(軽量気泡コンクリート)の場合は、ボルト孔22の単位面積当たりの支圧強度はプレキャストコンクリート板等と比べて小さいので、本発明が特に有効である。
以上のような梁1、床パネル2、接合金物5を有する剛床構造においては、平行に配置された2本の梁1に対して、長手方向を直交させた床パネル2が架け渡された状態に配置されるとともに、複数の床パネル2が長手方向に直交する方向に並べて敷き詰められている。なお、基本的には、このような構造が梁の長手方向に直交する方向に繰り返された状態となっている。
この状態で、接合金物5のピン51が梁1の上側フランジ3のピン孔11に挿入され、前記仮固定用ばね52がフランジ3の側縁部に係止され、接合金物5のボルト53が床パネル2に締結されている。これにより、接合金物5を介して、床パネル2の両端部がそれぞれ異なる梁1に接合された状態となっている。ピン51は、ピン孔11に挿入されているだけなので、床パネル2の上下方向の移動を許容する状態である。ただし、梁1のフランジ3の下面には、床パネル2に締結された接合金物5の梁当接部55が当接し、フランジ3の上面には床パネル2の端部が当接しており、床パネル2の梁1に対する上下動は規制されている。これにより、ピン51がピン孔に挿入されただけの状態であっても、床パネル2が梁1から浮き上がらないように梁1に固定されたことになる。
なお、ピン51は、梁1と床パネル2との間で水平方向の力を伝達する部材として機能する。
また、接合金物5のボルト53が床パネル2に締結され、さらにボルト孔とボルトの隙間に湿式材料が充填されることで、接合金物5と床パネル2との間で、水平方向の力を伝達することが可能となっている。ただし、一つの接合金物5にピンが2本あるのに対して、ボルト53は一本しかないため、梁1に回転しないように接合された接合金物5に対して床パネル2の回転が許容されてしまう。
したがって、床面に剪断力が加わって床パネル2の両端をそれぞれ支持している並行する梁1がずれようとすると、個々の床パネル2は回転してこれに追随しようとする。その場合、隣り合う床パネル2同士には剪断ずれが発生する。逆に、このずれを止めれば個々の床パネル2の回転も止まり、床面の剪断力に抵抗できる構造となる。
そこで、この例では、鉄骨造建築物が住宅(集合住宅を含む)の場合に、一般的に床パネル2の上面に、床仕上げ材の前記下地材6として、合板もしくはパーティクルボードが配置されることを利用するようになっている。すなわち、このような下地材6を、少なくとも隣り合う床パネル2間に跨るように配置するとともに、複数(多数)のタッピンねじ等の接合部材で下地材6を床パネル2に固定することで、床パネル2の回転を止め、前記剪断ずれを防止するようになっている。
なお、ボルト53を2本として回転止めとしてもよいが、ボルト53の締め付け作業が倍増するとともに、床パネル2の各端部に近接して2本のボルト孔22が形成されることにより、ボルト53により力がかかる部分の強度の低下を招く虞があることからこの例では、下地材6により床パネル2の回転を止めるようになっている。
また、下地材6は、床パネル2の敷き詰められた部分の全面を覆うように配置される。
次に、このような剛床構造を構築するための剛床工法を説明する。
まず、現場で剛床構造を構築する前に、床パネル2の端部が載る梁1の上フランジ3に、当該フランジ3上に上述のように敷き詰められる床パネル2の中心線を挟んで対称に1対のピン孔11をあけて置く。
これら床パネル2の両端部には、下面の中心線上に切欠部21を設けておく。また、中心線上で両端から若干離れた上面に座掘り23を設け、さらにその中央にボルト孔22を設けておく。
前記梁1と梁1上に載せられる床パネル2の端部との接合に、上述のベース板54の片面に1対のピン51と1本のボルト53および仮固定用ばね52が固着された形状の接合金物5を用いる。
床パネル2を梁1のフランジ3の上に設置した後、一対のピン51が梁1の上側のフランジ3の一対のピン孔11に挿入され、ボルト53が床パネル2のボルト孔22に挿入されるように接合金物5を下側から当接させる。その際、仮固定用ばね52が梁1のフランジ3をくわえるように係合するまで接合金物5を上側に押し込むことで、仮固定用ばね52により接合金物5を梁1に仮固定し、接合金物5が後述のようにボルト53にナット77を螺合させて床パネル2に締結されるまで落下しないようにする。
次に、床パネル2の座掘り23内に突出したボルト53の雄ねじ部に長孔79付きの座金59とナット77を設置し、ナット77を締め付ける。
次に、床パネル2のボルト孔22とボルト53との隙間に座金59の長孔79の一方の端部からグラウト材31を注入して固定する。
全ての床パネル2を接合金物5により梁1に固定した後に、床パネル2の上に床パネル2どうしの間の目地部を跨いで下地材6を敷き詰め、タッピンねじ80で床パネル2に固定する。
以上のような剛床構造および剛床工法によれば、床パネル2と梁1とが設置が容易な接合金物5で接合されるとともに、床パネル2間に跨って配置される下地材6で床パネル2の回転が規制されることにより、床面に作用する面内剪断力を梁1、床パネル2、接合金物5、下地材6等により負担することができる。したがって、ALCの床パネルを用いた床構造を従来より簡単な構造でかつ容易な施工により床面ブレースおよび横座屈止めを必要としない剛床構造とすることができる。
したがって、床面ブレースや横座屈止めが不要となり、ALC等の床パネル2を用いた床構造を剛床構造とする際の施工の手間の削減とコストの低減を図ることができる。さらに、床パネル2を用いた床構造において、床構造の下側の天井側に配置される床面ブレースが無くなることで、天井の設備配管工事や吸音材工事、カーテンボックス工事等が容易となる。
また、上記接合金物5と梁1と接合においては、梁1の上側フランジ3の下面から接合金物5のピン51を上側フランジ3のピン孔11に挿入するとともに、床パネル2のボルト孔22にボルト53を挿入することにより、仮固定用ばね52が梁1の上側フランジ3の側縁部に係合されて、梁1に接合金物5が落下しないように仮固定されるので、作業性が良好となる。
例えば、接合金物5の梁1への仮固定は、梁1上に複数の床パネル2を敷き詰めてから、床の下側の下階となる部分から、脚立を使って簡単に行うことができる。なお、床パネル2を施設しながら、床パネル2に乗った状態で床パネル2の下側となる梁1に接合金物5を取り付けることも可能である。また、何らかの理由により接合金物5を取り外す必要が生じた場合に、接合金物5の開口部58から指や治具を挿入して仮固定用ばね52を弾性変形することで、梁1のフランジ3から取り外すことができる。
また、梁1と接合金物5の接合は、基本的にはフランジ3のピン孔11にピン51を挿入するだけであり、極めて容易なものとなる。なお、最終的には、接合金物5のボルト53を床パネル2に締結することで、上述のように梁1に対する床パネル2の上下動も規制される。
また、梁1に接合金物5を取り付ける際に、ピン51に代えてボルトを使用するものとすると、フランジ3上に突出するピン51や仮固定用ばね52を避けるためだけに形成された床パネル2の切欠部21をボルトへのナットの締結などの作業用スペースを有する大きなものとする必要が生じる可能性があり、床パネル2の強度の確保が難しくなる。
また、この例において、床パネル2側の加工は、上述の切欠部21とボルト孔22とその座掘り23だけでよい。すなわち、簡単な形状の加工だけでよく、床パネル2の加工によるコストの増加と強度の低下を防止することができる。特に、床パネルがALC場合に、上述の加工は、極めて一般的な設備や工具で行うことが可能であり、例えば、ドリル、回転刃等で床パネル2を加工でき、コストの増加が防止される。
また、床パネル2と接合金物5の接合においては、梁1に接合金物5を仮固定することで、床パネル2の上面の座掘り23内に接合金物5のボルト53の上端部が露出した状態となり、床パネル2の上側から座金59とナット77を利用して容易に締結作業を行うことができる。また、床パネル2に対して2本のボルト53の締結作業を行うだけでよいので作業量も少ないものとなる。
また、接合金物5は、梁1の上側フランジ3と当該フランジ3に載せられる床パネル2の端部とをつなぐ状態となるので、長さを短くすることができる。また、接合金物5は、床パネル2の長さに対してかなり短いベース板54に、ピン51、仮固定用ばね52、ボルト53を設けるだけなので、軽量化することができ、保管や取り扱いが容易である。
また、ピン51は強固にベース板54に固定される必要があるが、仮固定用ばね52は仮固定用なのでピン51のように強固に固定される必要がなく、ボルト53も最終的にベース板54および床パネル2に締結された状態となるので、強固に固定される必要がなく、これらの溶接作業を簡便なものとすることができる。
ボルト53の外周面と、床パネル2のボルト孔22の内周面との間には、グラウト材31が注入されるが、注入量が僅かなものなので、注入に長い時間を取られることがなく、かつ、グラウト材31の注入にかかるコストも僅かなものとなる。
図8は、剛床構造の変形例を示すものであり、床パネル2と、梁1との接合は、上記例と同様に接合金物5を用いて行われるが、床パネル2上に下地材6が設けられない構造となっている。
一般に、鉄骨造建築物が住宅として用いられる場合には、下地材6が設けられる場合が多いが、住宅以外の建築物においては、下地材6が設けられない可能性がある。この変形例は下地材6が設けられない場合についてのものであり、床面に剪断力がかかって上述のように床パネル2が回転して床パネル2に剪断ずれが起きるのを防止する下地材6に代えて、隣接する床パネルどうしで互いに当接する側縁部に剪断ずれが起きるのを防止する構造が設けられてものである。
この変形例において、前記剪断ずれを防止する構造を除いて、床パネル2、梁1、接合金物5の構造は、上記例と同様のものとなっている。
床パネル2の長手方向に沿った側縁部には、半円柱状の切欠部82が形成されている。切欠部82は、床パネル2の側縁部の二箇所に床パネル2の長手方向い並んで形成されるとともに、床パネル2の端面からは、前記座掘り23より離れた位置に配置され、かつ、二箇所の切欠部82間の距離が端面から近い方の切欠部82までの距離より長くなっている。
また、切欠部82は、床パネル2の上面側に開放されるが、下面側は閉塞した状態となっている。また、切欠部82が半円状であることから、半円の円弧ではなく弦側が床パネル2の側面に開放した状態となっている。
上述のように床パネル2を敷き詰めた状態で、隣り合う床パネル2の側縁部どうしの切欠部82は、互いに側面の開放側が重なるように配置され、2枚の床パネル2に渡る円柱状の凹部となる。なお、凹部は底が閉塞した状態となっている。
この隣り合う床パネル2の重なって配置された切欠部82に、例えば硬化材としてのモルタルを注入した場合に、上述のように二つの切欠部82から形成される穴(凹部)は、下側が閉塞した状態なので、モルタルが流出せずに溜まることになり、溜まったモルタルが硬化する。これにより、隣り合う床パネルどうしの間にかかる剪断力により、互いに側面に沿ってずれる方向の移動が防止される。すなわち、切欠部82内で二つの床パネルにまたがって存在する移動規制部材としてのモルタルにより、床パネル2間で剪断応力が伝達される。
したがって、床面に剪断力が加わって床パネル2の両端をそれぞれ支持している並行する梁1がずれようとすると、個々の床パネル2は回転してこれに追随しようとして、床パネルどうしの間で剪断ずれが生じるが、この剪断ずれが隣り合う切欠部82にモルタルを注入することで防止され、剛床構造となる。
また、一般的な設備や工具で半円柱状の切欠部82を形成でき、床パネル2の加工によるコストの増大を防止できる。また、硬化材としてのモルタルの使用量は僅かであり、コストの増大を防止できる。また、単に穴にモルタル(このほか、硬化材としては、前述のグラウト材やコンクリート等でもよい)を注入するだけなので作業性もよい。これにより、下地材6なしでも、前記例と同様の作用効果を奏することができる。
1 梁(鉄骨梁)
11 ピン孔
2 床パネル
22 ボルト孔
3 フランジ
5 接合金物(接合部材)
6 下地材(移動規制部材)
51 ピン
52 仮固定用ばね(仮固定部材)
53 ボルト
54 ベース板(ベース部材)
55 梁当接部
56 パネル当接部
59 座金
77 ナット
82 切欠部

Claims (6)

  1. 互いに平行に配置された鉄骨梁間に架け渡されて敷き詰められた床パネルを備える剛床構造であって、
    前記鉄骨梁に載せられる床パネルの端部と前記鉄骨梁とを接合する接合部材と、隣り合う前記床パネルに跨って設けられ、前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材とを備え、
    前記接合部材は、前記鉄骨梁のフランジの下面に当接する梁当接部および前記床パネルの下面に当接するパネル当接部を一体に備えたベース部材と、前記梁当接部から上側に延出して、前記フランジに設けられたピン孔に下側から挿入されるピンと、前記パネル当接部から上側に延出して前記床パネルに設けられたボルト孔に下側から挿入されるボルトと、前記ベース部材に設けられ、前記ピン孔に前記ピンを挿入した際に、前記フランジの下側から弾性変形しながら前記フランジの側縁の上面に係合された状態となることで、前記接合部材を前記鉄骨梁に仮固定する仮固定部材とを備え、
    前記フランジのピン孔にピンが挿入されるとともに、前記床パネルの前記ボルト孔にボルトが挿入され、かつ、前記仮固定部材により前記接合部材が前記鉄骨梁に仮固定された状態で、前記ボルトと座金およびナットにより前記接合部材が前記床パネルに締結され、
    前記ボルトと前記ボルト孔の隙間に湿式材料が充填されていることを特徴とする剛床構造。
  2. 前記移動規制部材が、隣り合う前記床パネル間に渡って配置されるとともに、当該床パネルの上面に固定される板状の下地材であることを特徴とする請求項1に記載の剛床構造。
  3. 前記移動規制部材が、隣り合う前記床パネル間で重なって一つの凹部となるように前記床パネルの側縁部に設けられた切欠部に充填されて硬化した硬化材であることを特徴とする請求項1に記載の剛床構造。
  4. 互いに平行に配置された鉄骨梁間に床パネルを架け渡して敷き詰めて形成される床を剛床構造とする剛床工法であって、
    前記鉄骨梁のフランジの下面に当接する梁当接部および前記床パネルの下面に当接するパネル当接部を一体に備えたベース部材と、前記梁当接部から上側に延出して、前記フランジに設けられたピン孔に下側から挿入されるピンと、前記パネル当接部から上側に延出して前記床パネルに設けられたボルト孔に下側から挿入されるボルトと、前記ベース部材に設けられ、前記ピン孔に前記ピンを挿入した際に、前記フランジの下側から弾性変形しながら前記フランジの側縁の上面に係合された状態となることで、前記接合部材を前記鉄骨梁に仮固定する仮固定部材とを備える接合部材を用い、
    前記フランジの前記ピン孔に前記ピンを挿入するとともに、前記床パネルの前記ボルト孔に前記ボルトを挿入し、かつ、前記仮固定部材により前記接合部材を前記鉄骨梁に仮固定した状態で、前記ボルトと座金およびナットにより前記接合部材を前記床パネルに締結し、
    前記ボルトと前記ボルト孔の隙間に湿式材料を充填し、
    前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材を隣り合う前記床パネルに跨って設けることを特徴とする剛床工法。
  5. 前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材を隣り合う前記床パネルに跨って設けるに際し、前記移動規制部材としての板状の下地材を、隣り合う前記床パネル間に渡って配置するとともに、当該床パネルの上面に固定することを特徴とする請求項4に記載の剛床工法
  6. 前記床パネル間の相対移動を規制する移動規制部材を隣り合う前記床パネルに跨って設けるに際し、隣り合う前記床パネル間で一体の凹部となるようにそれぞれの床パネルの側縁部に切欠部を設け、当該切欠部に前記移動規制部材としての硬化材を充填して硬化させることを特徴とする請求項4に記載の剛床構造。
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