JP7339865B2 - 壁パネルの建て込み方法 - Google Patents

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Description

本発明は、木質材料製の壁パネルの下端を、引き抜き力に抵抗する引きボルト及びせん断力に抵抗するアンカーを備えた固定手段にてコンクリート躯体部に固定する壁パネルの建て込み工法に関する。
壁パネルの建て込み工法として、特許文献1に示すように、プレキャスト鉄筋コンクリート部材の結合構造を構築する方法が存在する。この方法では、プレキャストコンクリート製の床板と、これの上側面に結合されるプレキャストコンクリート製の2階の壁板の下側部と、床板の下側面に結合されるプレキャストコンクリート製の1階の壁板の上側部の各々に、上下方向で連通するスリーブを予め埋設する。2階の壁板のスリーブと床板のスリーブ及び1階の壁板のスリーブとにわたってボルトを貫通配置する。2階の壁板の下部側に設けられた角孔及び1階の壁板の上部側に設けられた角孔に臨むボルトの上下両端部の各々に、座金を介してナットを螺合する。この両ナットの締め込みにより、2階の壁板と床板及び1階の壁板とを緊結する。その後、2階の壁板の角孔から各スリーブ内にモルタルを充填するとともに、各角孔内にもモルタル又はコンクリートを充填する。
実公平03-001923号公報
上述の特許文献1の方法(結合構造)には、CLT等の木質材料製の壁パネルの下端を、引き抜き力に抵抗する引きボルト及びせん断力に抵抗するアンカーを備えた固定手段にてコンクリート躯体部に固定する壁パネルの建て込み工法については全く記載されていない。
一般に、木質材料製の壁パネルの下端をコンクリート躯体部に定着するためには、多量の引きボルト及びせん断抵抗アンカーボルトを要し、且つ、その設置精度に非常に厳密な管理が要求されるため、現場施工性を損なう大きな要因になっている。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、壁パネルの下端をコンクリート躯体部に定着するために用いられる大量の引きボルトの設置精度の厳密な管理を不要化し、現場施工性の改善を図ることのできる壁パネルの建て込み方法を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、木質材料製の壁パネルの下端を、引き抜き力に抵抗する引きボルト及びせん断力に抵抗するアンカーを備えた固定手段にてコンクリート躯体部に固定する壁パネルの建て込み工法であって、
前記コンクリート躯体部の構築時に、前記引きボルトの配置相当箇所に当該引きボルトよりも大径のルーズ孔を形成するシース管を埋め込んでおき、前記コンクリート躯体部の硬化後における前記壁パネルの建て込み時に、前記引きボルトを前記シース管に挿入し、前記シース管を利用して前記引きボルトを前記コンクリート躯体部に乾式工法で固定してある点にある。
上記構成によれば、コンクリート躯体部の構築時に、引きボルトの配置相当箇所にボルト径よりも大径のルーズ孔を形成するシース管を埋め込んであるので、壁パネルの建て込み時に、シース管に挿入された引きボルトを、ルーズ孔の余裕空間を使用して壁パネルの引きボルト配置位置に対応する位置に簡単且つ高精度に配置することができる。そのため、壁パネルの下端をコンクリート躯体部に定着するために用いられる大量の引きボルトの設置精度に厳密な管理が不要となり、現場施工性を改善することができる。
しかも、壁パネルとコンクリート躯体部とを引きボルトで相互に固定する乾式工法であるため、引きボルトが挿入されたシース管の内部にグラウトを充填する湿式工法に比べて現場施工の能率化を図ることができる。
本発明の第2特徴構成は、前記コンクリート躯体部が、上下に空間を有する床スラブであり、スラブ型枠の撤去後に、前記シース管を通じて前記床スラブを貫通する状態に前記引きボルトを配置し、前記壁パネルの位置を調整した上で、前記引きボルトにおける前記床スラブの下方の部位に支圧プレートを取付け、前記支圧プレートを前記床スラブに押し付けるように前記引きボルトにナットを締め込み、前記壁パネルの下端と前記床スラブとを前記引きボルトで緊結する点にある。
上記構成によれば、スラブ型枠の撤去後の壁パネルの建て込み時に、床スラブに埋め込まれたシース管を通じて床スラブを貫通する状態で引きボルトを配置し、床スラブから下方に貫通突出する引きボルトの突出部位に取付けられた支圧プレートを、引きボルトに螺合したナットの締め込み操作で床スラブに押し付けることにより、位置調整された壁パネルの下端を床スラブに能率良く緊結することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記コンクリート躯体部が基礎であり、前記引きボルトの下端部にフック部を設け、前記シース管の底部には引っ掛け部を設けておき、前記引きボルトを前記シース管の内部に挿入し、前記引きボルトの前記フック部を前記シース管の前記引っ掛け部に引っ掛け、前記壁パネルの位置を調整した上で、前記壁パネルの下端と前記基礎とを前記引きボルトで緊結する点にある。
上記構成によれば、壁パネルの建て込み時に、基礎に埋め込まれたシース管の内部に引きボルトを挿入し、この引きボルトの下端部のフック部をシース管の底部の引っ掛け部に引っ掛け、この状態での引きボルトの緊結操作により、位置調整された壁パネルを基礎に能率良く緊結することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記壁パネルの建て込み時には、前記引きボルトが前記壁パネルの下方に突出する状態で設けられている点にある。
上記構成によれば、壁パネルの建て込み位置への吊り込み操作に伴って、壁パネルの下方に突出する状態で設けられている引きボルトが、コンクリート躯体部に埋め込まれたシース管の内部に挿入配置される。しかも、壁パネルの位置調整に伴って引きボルトの配置位置も変更されるので、壁パネルの建て込み作業の能率化を図ることができる。
本発明の第5特徴構成は、前記アンカーは、アンカー筋付きせん断プレートとせん断金物とを備え、前記コンクリート躯体部の構築時に、当該コンクリート躯体部に、前記せん断プレートを埋め込んでおき、前記壁パネルの建て込み時に、前記壁パネルの位置を調整した上で、前記壁パネルの下端に設けた前記せん断金物を前記せん断プレートに溶接する点にある。
上記構成によれば、壁パネルの建て込み時に、壁パネルの下端に設けたせん断金物を、コンクリート躯体部に埋め込まれたアンカー筋(せん断抵抗アンカーボルト)付きせん断プレートに溶接する。この方法により、コンクリート躯体部側のせん断プレートと壁パネル側のせん断金物との施工誤差を容易に吸収することができる。それ故に、せん断プレートのアンカー筋の平面位置精度に厳密な管理が不要となり、施工性が改善する。
壁パネルの建て込み方法の第1実施形態を示す建て込み時の要部の斜視図 建て込み時の要部の縦断正面図 図2におけるIII-III線断面図 図2におけるIV-IV線断面図 壁パネルの建て込み方法の第2実施形態を示す建て込み時の要部の縦断正面図 基礎のシース管埋設箇所の縦断正面図(a)とシース管埋設箇所の水平断面図(b) 壁パネルの建て込み方法の第2実施形態の変形例を示す基礎のシース管埋設箇所の組付け途中の縦断正面図(a)とシース管埋設箇所の水平断面図(b) 基礎のシース管埋設箇所の組付け完了時の縦断正面図
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図4は、木質材料製の壁パネル1の下端を、コンクリート躯体部の一例である上下に空間を有する上階の床スラブ2に定着する壁パネル建て込み工法を示す。
本実施形態では、木質材料製の壁パネル1として、日本農林規格(JAS)の直交集成板(CTL)を用いた。この直交集成板は、ひき板又は小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む。)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主として、その繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせたもので、高い寸法安定性と耐震性、優れた断熱性を有する。
[壁パネル1の準備工程]
本実施形態の壁パネル1の建て込み工法では、壁パネル1の下端を、引き抜き力に抵抗する引きボルト3及びせん断力に抵抗するアンカー4を備えた固定手段Aにて床スラブ2に固定する。
そのため、壁パネル1の建て込み前の準備工程として、図1、図2に示すように、工場等において、壁パネル1の下端部におけるパネル横幅方向(図1、図2における紙面の左右方向)の両側部の引きボルト配置相当箇所の各々に、引きボルト3の上側ネジ部3aに対する上側支圧プレート10やナット11等の装着操作及び緊結操作を行うための角孔12を形成する。角孔12の各々は、壁パネル1の一側面に開口する。
また、図1~図3に示すように、各角孔12内の内側底面13のボルト挿通中心位置と壁パネル1の下端面のボルト挿通中心位置とにわたって、引きボルト3の挿通方向である鉛直方向に沿って貫通する引きボルト配置孔14が貫通形成されている。この引きボルト配置孔14は、一般的な孔径のボルト挿通孔に形成されている。
さらに、図1、図2、図4に示すように、壁パネル1の下端部におけるパネル横幅方向の中央部には、アンカー4の構成部材である鋼板製のせん断金物4Aを、ビス等の締結具16で仮留めする。せん断金物4Aは、U型に折り曲げ形成されている。せん断金物4Aの両側板4aの相対向する内寸法は、壁パネル1の厚み寸法に設定され、せん断金物4Aの両側板4aには、締結具16の取付け孔(図示省略)が形成されている。
壁パネル1の下端面におけるせん断金物4Aの取付け部位には、せん断金物4Aの底板4bの厚みに相当する凹部(図示省略)が形成され、図2に示すように、壁パネル1の下端部に締結されたせん断金物4Aの底板4bの下面と壁パネル1の下端面とが面一の連続平滑面に構成されている。これにより、せん断金物4Aの底板4bの下面を含む壁パネル1の下端面は、応力伝達や気密性確保のために床スラブ2の立ち上がり部2Aの天端面と密着させることができる。
[床スラブ2の構築工程]
床スラブ型枠(図示省略)の底面に、壁パネル位置を墨出し、引きボルト3の配設相当位置に、図1~図3に示すように、引きボルト3よりも大径のルーズ孔6を形成する金属製のシース管7を、それのルーズ孔6が上下方向に向く縦姿勢で配置する。シース管7は、図示はしていないが、設置精度調整が容易なスラブ底面型枠に固定する。必要に応じて、床スラブ2内に配設される配筋17等に固定してもよい。
また、シース管7の下端には、シース管7の外径よりも大きな板状の鍔部7Aが固着され、この鍔部7Aの下面位置は、図2、図3に示すように、床スラブ2の下面位置に設定されている。シース管7の天端位置は、コンクリート打設完了時の床スラブ2の立ち上がり部2Aの打設天端面2aよりも設定寸法分だけ上方に突出する。シース管7の天端の突出寸法は、コンクリート打設完了後において、床スラブ2の立ち上がり部2Aの打設天端面7aの天端レベルを整形するレベル調整モルタル層2Bの厚みに設定されている。
本実施形態では、シース管7として多角筒状の角シース管を用いたが、丸筒状の丸シース管を用いてもよい。
床スラブ2の立ち上がり部2Aを形成する立ち上がり型枠(図示省略)の天端のアンカー設置位置に、アンカー4の構成部材であるアンカー筋(又はスタッド)4Bを備えたせん断プレート4Cを設置する。このせん断プレート4Cの板厚とレベル調整モルタル層2Bの厚みとが同一に構成され、せん断プレート4Cの上面と立ち上がり部2Aの上部に形成されたレベル調整モルタル層2Bの天端面とが面一の連続平滑面に構成される。
そのため、床スラブ2の立ち上がり部2Aの打設天端面7aをモルタルで天端レベルを整形する際、シース管7の天端及びせん断プレート4Cの上面を基準(定規)にしながらモルタルを容易に均すことができる。
そして、上述のシース管7の設置作業、せん断プレート4Cの設置作業、配筋作業等が完了すると、床スラブ型枠及び立ち上がり型枠内にコンクリートを打設し、立ち上がり部2Aを含む床スラブ2を構築する。
コンクリート打設完了後において、床スラブ2の立ち上がり部2Aの打設天端面7aにモルタルを敷設し、この敷設されたモルタルを、床スラブ2に埋め込まれたシース管7の天端及びせん断プレート4Cの上面をレベル調整モルタル層2Bの目標天端レベル(定規)として均しながら平滑面に整形する。レベル調整モルタル層2Bの天端面は、シース管7の天端及びせん断プレート4Cの上面と面一の連続平滑面に構成される。
[壁パネル1の建て込み工程]
床スラブ2の硬化後における壁パネル1の建て込み時の準備作業として、図1に示すように、壁パネル1の両引きボルト配置孔14の各々に、壁パネル1の下端面側の開口から引きボルト3を挿入する。壁パネル1の各角孔12内に突出する引きボルト3の上側ネジ部3aに、各角孔12内の内側底面13に当接する上側支圧プレート10を装着したのち、引きボルト3の上側ネジ部3aに、上側支圧プレート10の上面に当接するナット11を螺合する。
この状態で壁パネル1を吊り上げると、壁パネル1の各角孔12内においてナット11で止め付けられた引きボルト3の下半側は、各引きボルト配置孔14の下端開口から下方に突出して垂下する。
次に、図1に示すように、引きボルト3が装着されている壁パネル1を、床スラブ2の立ち上がり部2Aの建て込み位置に吊下げ搬入し、壁パネル1の各引きボルト配置孔14の下端開口から垂下する引きボルト3の下半側を、床スラブ2に埋め込まれたシース管7の内部に挿入しながら、壁パネル1の下端面を、床スラブ2の立ち上がり部2Aのレベル調整モルタル層2Bの天端面に設置する。
図2、図3に示すように、壁パネル1の下端面が床スラブ2のレベル調整モルタル層2Bに設置された状態では、引きボルト3の下半側が床スラブ2のシース管7を貫通し、引きボルト3の下側ネジ部3bは、床スラブ2の下面から下方に突出する。
床スラブ2のレベル調整モルタル層2Bに設置された壁パネル1の位置を設定設置位置に調整する。このとき、シース管7は、引きボルト3のボルト径よりも大径のルーズ孔6を形成しているので、このルーズ孔6の余裕空間が、引きボルト3の水平方向での位置調整が可能な範囲となる。
そして、シース管7のルーズ孔6の余裕空間を使用して、壁パネル1の位置調整に伴って引きボルト3の配置位置も変更されるので、壁パネル1の建て込み作業の能率化を図ることができる。しかも、壁パネル1の下端をコンクリート躯体部に定着するために用いられる大量の引きボルト3及びアンカー筋(せん断抵抗アンカーボルト)4B付きせん断プレート4Cの設置精度に厳密な管理が不要となり、現場施工性を改善することができる。
上述の壁パネル1の位置調整後に、図2、図3に示すように、引きボルト3の下側ネジ部3bに、床スラブ2に埋め込まれたシース管7の鍔部7Aの下面に下方から当接する下側支圧プレート18を装着したのち、下側支圧プレート18を貫通した引きボルト3の下側ネジ部3bに、下側支圧プレート18の下面に当接するナット19を螺合する。このナット19の締め込み操作により、下側支圧プレート18を床スラブ2に埋め込まれたシース管7の鍔部7Aの下面に押し付けると同時に、引きボルト3の上側ネジ部3aに装着された上側支圧プレート10を、壁パネル1の角孔12内の内側底面13に押し付け、壁パネル1の下端と床スラブ2とを引きボルト3で緊結する。
上述のように、スラブ型枠の撤去後の壁パネル1の建て込み時に、床スラブ2に埋め込まれたシース管7を通じて床スラブ2を貫通する状態で引きボルト3を配置し、床スラブ2から下方に貫通突出する引きボルト3の下側ネジ部3bに螺合したナット19の締め込み操作による下側支圧プレート18と上側支圧プレート10との間での挟持固定により、位置調整された壁パネル1の下端を床スラブ2に能率良く緊結することができる。
しかも、壁パネル1と床スラブ2とを引きボルト3で相互に固定する乾式工法であるため、引きボルト3が挿入されたシース管7の内部にグラウトを充填する湿式工法に比べて現場施工の能率化を図ることができる。
次に、壁パネル1の下端部におけるパネル横幅方向の中央部に仮留めされているせん断金物4Aの底板4bと床スラブ2に固定されているせん断プレート4Cとを現場溶接で一体化したのち、せん断金物4Aの両側板4aを壁パネル1にビス等の締結具16で本留めする。この方法により、床スラブ2側のせん断プレート4Cと壁パネル1側のせん断金物4Aとの施工誤差を容易に吸収することができる。それ故に、せん断プレート4Cのアンカー筋の平面位置精度に厳密な管理が不要となり、施工性が改善する。
〔第2実施形態〕
図5、図6は、木質材料製の壁パネル1の下端を、コンクリート躯体部の一例である基礎5に定着する壁パネル1の建て込み工法を示す。
尚、引きボルト3の壁パネル1側の取付け構造は、上述の第1実施形態で説明した引きボルト3の壁パネル1側の取付け構造と同一であるので、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの詳細な説明は省略する。
[基礎5の構築工程]
基礎5の構築時に、引きボルト3の配置相当箇所に当該引きボルト3よりも大径のルーズ孔6を形成するシース管7を、それのルーズ孔6が上下方向に向く縦姿勢で埋め込んでおく(図5参照)。このシース管7の底板7Bは、図示はしていないが、設置精度調整が容易な基礎型枠に固定する。基礎型枠として底面型枠がない場合など必要に応じて、基礎5内に配設される配筋(図示省略)等に固定してもよい。
シース管7の天端位置は、コンクリート打設完了時の基礎5のパネル配置箇所の打設天端面5aよりも設定寸法分だけ上方に突出する。シース管7の天端の突出寸法は、コンクリート打設完了後において、基礎5のパネル配置箇所の打設天端面5aの天端レベルを整形するレベル調整モルタル層5Aの厚みに設定されている。
シース管7の底部には、図6に示すように、引きボルト3の下端部に設けたフック部21が引っ掛け可能な引っ掛け部22が設けられている。
フック部21は、引きボルト3の下端部にT字状に固着された棒状の係止体21Aから構成されている。引っ掛け部22は、シース管7内の底部側に、シース管7の底板7Bの内面との間に引きボルト3の係止体21Aが入り込み可能な係合空間22Aを形成する係止板22Bを固着し、この係止板22Bには、設定向き姿勢にある引きボルト3の係止体21Aの挿入移動を許容する係入孔22Cと、係止体21Aの長さ寸法よりも小径で、且つ、引きボルト3よりも大径の円形状の第2ルーズ孔6Bとが連通形成されている。
そして、係止板22Bの係入孔22Cに挿入された引きボルト3の係止体21Aを、引きボルト3の回動操作で設定向き姿勢から引っ掛け姿勢に変更すると、引きボルト3の係止体21Aがシース管7の係止板22Bの下面に引っ掛かって係合する。この係合状態においても、第2ルーズ孔6Bの余裕空間によって引きボルト3の水平方向での位置調整が可能となる。
基礎5のパネル配置箇所のアンカー設置位置に、図5に示すように、アンカー4の構成部材であるアンカー筋(又はスタッド)4Bを備えたせん断プレート4Cを設置する。このせん断プレート4Cの板厚とレベル調整モルタル層5Aの厚みとが同一に構成され、せん断プレート4Cの上面とレベル調整モルタル層5Aの天端面とが面一の連続平滑面に構成される。
そのため、基礎5のパネル配置箇所の打設天端面5aに敷設されたモルタルを均しながら天端レベルを整形する際、シース管7の天端及びせん断プレート4Cの上面を基準(定規)にしながらモルタルを容易に均すことができる。
上述のシース管7の設置作業、せん断プレート4Cの設置作業、配筋作業等が完了すると、基礎型枠内にコンクリートを打設し、基礎5を構築する。
コンクリート打設完了後において、基礎5のパネル配置箇所の打設天端面5aにモルタルを敷設し、この敷設されたモルタルを、基礎5に埋め込まれたシース管7の天端及びせん断プレート4Cの上面をレベル調整モルタル層5Aの目標天端レベル(定規)として均しながら平滑面に整形する。レベル調整モルタル層5Aの天端面は、シース管7の天端及びせん断プレート4Cの上面と面一の連続平滑面に構成される。
[壁パネル1の建て込み工程]
基礎5に埋め込まれたシース管7に、引きボルト3を設定向き姿勢で挿入し、引きボルト3の下端部に設けたフック部21の係止体21Aを、シース管7の引っ掛け部22を構成する係止板22Bの係入孔22Cから係合空間22A内に挿入する。次に、引きボルト3を回動操作し、引きボルト3の係止体21Aを、設定向き姿勢から引っ掛け姿勢に変更する。この状態では、引きボルト3の上半側がシース管7の上部開口から上方に突出する。(図5参照)
このとき、引きボルト3が下に落ちたり、平面的に動いてしまったり、また、再度回転しないように、図示はしないが、引きボルト3の上半側に仮止めプレートを外装してナットを螺合する。このナットの締め付け操作により、係止板22Bの上下両側に位置する仮止めプレートとフック部21の係止体21Aとを挟持状態で仮止め固定する。(図7、図8参照)
次に、図5に示すように、壁パネル1を、基礎5のパネル配置箇所の建て込み位置に吊下げ搬入し、シース管7の上部開口から上方に突出する引きボルト3の上半側を、壁パネル1の各引きボルト配置孔14の下端開口から挿入しながら、壁パネル1の下端面を、基礎5のパネル配置箇所のレベル調整モルタル層5Aの天端面に設置する。
設置された壁パネル1の位置を調整した上で、壁パネル1の各角孔12内において、引きボルト3の上側ネジ部3aに、角孔12内の内側底面13に当接する上側支圧プレート10を装着したのち、引きボルト3の上側ネジ部3aに、上側支圧プレート10の上面に当接するナット11を螺合する。このナット11を締め込み操作することにより、壁パネル1の下端と基礎5とを引きボルト3で緊結する。これにより、位置調整された壁パネル1を基礎5に能率良く緊結することができる。
その後、壁パネル1の下端部におけるパネル横幅方向の中央部に仮留めされているせん断金物4Aの底板4bと基礎5に固定されているせん断プレート4Cとを現場溶接で一体化したのち、せん断金物4Aの両側板4aを壁パネル1にビス等の締結具16で本留めする。
〔第2実施形態の変形例〕
図7、図8は、木質材料製の壁パネル1の下端を、コンクリート躯体部の一例である基礎5に定着する壁パネル1の建て込み工法の変形例を示す。
シース管7の底部側に偏位した部位には、図7(a)に示すように、シース管7を水平方向に横断する支圧板23が設けられている。支圧板23におけるシース管7内の内側板部23aには、引きボルト3の下端部に設けたフック部21が引っ掛け可能な引っ掛け部22が設けられている。
フック部21は、引きボルト3のボルト径よりも十分大きな短辺及び長辺を備えた矩形状の係止板21Bを、引きボルト3の下端部に回転不能な状態でナット24等にて固定することにより構成されている。
引っ掛け部22は、支圧板23の内側板部23aに、引きボルト3の係止板21Bよりも少し大きな相似形の第2係入孔22Dを貫通形成して構成されている。この第2係入孔22Dの短辺方向の開口幅は、引きボルト3の係止板21Bの短辺方向幅よりも大きく、且つ、係止板21Bの長辺方向幅よりも小に構成されている。
そのため、第2係入孔22Dは、引きボルト3のボルト径よりも大きな第2ルーズ孔6Bに構成され、この第2ルーズ孔6Bである第2係入孔22Dの内面と引きボルト3の外周面との間の余裕空間が、引きボルト3の位置調整が可能な範囲となる。
また、支圧板23の内側板部23aの下面とシース管7の底板7Bの内面との間には、第2係入孔22Dから挿入された引きボルト3の係止板21Bが係合可能な係合空間22Aが形成されている。
そして、基礎5に埋め込まれたシース管7に、引きボルト3を設定向き姿勢で挿入し、引きボルト3の下端部に設けたフック部21の係止板21Bを、シース管7の引っ掛け部22を構成する支圧板23の内側板部23aにおける第2係入孔22Dから係合空間22A内に挿入する。次に、引きボルト3を90度回動操作し、引きボルト3の係止板21Bを、設定向き姿勢から引っ掛け姿勢に変更する。この状態では、引きボルト3の上半側がシース管7の上部開口から上方に突出する。
このとき、引きボルト3が下に落ちたり、平面的に動いてしまったり、また、再度回転しないように、図7、図8に示すように、引きボルト3の上半側に、係止板21Bと平面視形状が同一の仮止めプレート25を外装してナット26を螺合する。このナット26の締め付け操作により、支圧板23の内側板部23aの上下両側に位置する仮止めプレート25とフック部21の係止板21Bとを挟持状態で仮止め固定する。
その他の構成は、図5、図6に基づいて説明した上述の壁パネル1の建て込み工法の第2実施形態と同一であるので、それの説明は省略する。
〔その他の実施形態〕
上述の各実施形態では、壁パネル1の引きボルト配置孔14を、一般的な孔径のボルト挿通孔に形成したが、引きボルト3よりも大径のルーズ孔に形成してもよい。
この場合、引きボルト配置孔14の余裕空間とシース管7のルーズ孔6の余裕空間との総和が、引きボルト3の位置調整が可能な範囲となる。そのため、壁パネル1の下端をコンクリート躯体部に定着するために用いられる多量の引きボルト3及びアンカー筋(せん断抵抗アンカーボルト)4B付きせん断プレート4Cの設置精度管理が容易となり、現場施工性を改善することができる。
1 壁パネル
2 コンクリート躯体部(床スラブ)
3 引きボルト
4 アンカー
4A せん断金物
4B アンカー筋
4C せん断プレート
5 コンクリート躯体部(基礎)
6 ルーズ孔
6A ルーズ孔(第2ルーズ孔)
6B ルーズ孔(第2ルーズ孔)
7 シース管
14 引きボルト配置孔
18 支圧プレート(下側支圧プレート)
19 ナット
21 フック部
22 引っ掛け部
A 固定手段

Claims (5)

  1. 木質材料製の壁パネルの下端を、引き抜き力に抵抗する引きボルト及びせん断力に抵抗するアンカーを備えた固定手段にてコンクリート躯体部に固定する壁パネルの建て込み工法であって、
    前記コンクリート躯体部の構築時に、前記引きボルトの配置相当箇所に当該引きボルトよりも大径のルーズ孔を形成するシース管を埋め込んでおき、前記コンクリート躯体部の硬化後における前記壁パネルの建て込み時に、前記引きボルトを前記シース管に挿入し、前記シース管を利用して前記引きボルトを前記コンクリート躯体部に乾式工法で固定してある壁パネルの建て込み工法。
  2. 前記コンクリート躯体部が、上下に空間を有する床スラブであり、スラブ型枠の撤去後に、前記シース管を通じて前記床スラブを貫通する状態に前記引きボルトを配置し、前記壁パネルの位置を調整した上で、前記引きボルトにおける前記床スラブの下方の部位に支圧プレートを取付け、前記支圧プレートを前記床スラブに押し付けるように前記引きボルトにナットを締め込み、前記壁パネルの下端と前記床スラブとを前記引きボルトで緊結する請求項1記載の壁パネルの建て込み工法。
  3. 前記コンクリート躯体部が基礎であり、前記引きボルトの下端部にフック部を設け、前記シース管の底部には引っ掛け部を設けておき、前記引きボルトを前記シース管の内部に挿入し、前記引きボルトの前記フック部を前記シース管の前記引っ掛け部に引っ掛け、前記壁パネルの位置を調整した上で、前記壁パネルの下端と前記基礎とを前記引きボルトで緊結する請求項1記載の壁パネルの建て込み工法。
  4. 前記壁パネルの建て込み時には、前記引きボルトが前記壁パネルの下方に突出する状態で設けられている請求項1~3のいずれか1項に記載の壁パネルの建て込み工法。
  5. 前記アンカーは、アンカー筋付きせん断プレートとせん断金物とを備え、前記コンクリート躯体部の構築時に、当該コンクリート躯体部に、前記せん断プレートを埋め込んでおき、前記壁パネルの建て込み時に、前記壁パネルの位置を調整した上で、前記壁パネルの下端に設けた前記せん断金物を前記せん断プレートに溶接する請求項1~4のいずれか1項に記載の壁パネルの建て込み工法。
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