JP7479228B2 - プレキャストコンクリート板、およびコンクリート構造物の構築方法 - Google Patents
プレキャストコンクリート板、およびコンクリート構造物の構築方法 Download PDFInfo
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Description
コンクリート構造物を構築するためにあらかじめ製造されて用いられるプレキャストコンクリート板であって、
鉄筋が埋め込まれた鉄筋コンクリート板と、
上記鉄筋コンクリート板の側端部に打ち込まれた鋼材片と、
上記鋼材片における上記プレキャストコンクリート板を形成するための型枠を逃げる位置に設けられた高さ位置調整ナットと、
を有することを特徴としている。
鉄骨造りのコンクリート構造物におけるバルコニー等は、例えば図1に示すように、プレキャストコンクリート板201を用いた片持ちスラブによって構築される。より詳しくは、例えば、プレキャストコンクリート板201の根本側の縁部が鉄骨101上に載置され、先端側部分はサポート311と大引312とを有する支保工に支持された状態で、プレキャストコンクリート板201上に、上端筋401等が配筋され、コンクリート402が打設されることによって構築される。
上記プレキャストコンクリート板201は、バルコニー等の現場での施工に先立って、プレキャスト工場で製作されて、現場に運び込まれる。このプレキャストコンクリート板201は、例えば、トラス筋210の一部が、鉄筋コンクリート板220に埋設されて成っている。上記鉄筋コンクリート板220は、格子状に配置された図示しない下端配力筋や、下端主筋がコンクリート板に埋め込まれて形成されている。また、上記トラス筋210は、より詳しくは、1本のトップ筋211と、上記トップ筋211に平行な2本の図示しないボトム筋のそれぞれとが、波形の2本のラチス筋212で接合されて構成され、上記2本のボトム筋と、ラチス筋212の下方部分とが、鉄筋コンクリート板220に埋設されるようになっている。なお、トップ筋211やボトム筋は、より強度や剛性を高めるために、さらに1本以上設けられるなどしてもよい。上記のようなトラス筋210は、現場打ちコンクリート硬化後に、その現場打ちコンクリートとの一体性を保つ機能を有するとともに、上記現場打ちコンクリートを打設するときの荷重に抗する機能を有している。
上記のようなプレキャストコンクリート板201は、前記図1に示したように鉄骨101および支保工上に複数敷き込みされた際に、互いに目違いや目開きが生じないように、高さ位置や出入り方向位置が以下のようにして調整される。
高さ位置調整ナット512は、型枠601を逃げる位置に設けられるようにするためには、上記のように鉄筋コンクリート板220の側方端面より外方側、かつ、上面より上方に配置されるのに限らず、例えば図9、図10に示すように、鉄筋コンクリート板220が側端部に凹部を有し、鋼材片511、および高さ位置調整ナット512が、上記凹部内に配置されるようにしてもよい。ここで、上記のような凹部は、プレキャストコンクリート板201の位置決め後に打設されるコンクリートによって埋められることになる。上記のように高さ位置調整ナット512等が、鉄筋コンクリート板220の製造時に型枠に干渉しないようにセットバックされることにより、やはり、型枠は、特に高さ位置調整ナット512の干渉を回避するための加工をしたりする必要がなく、簡潔な形状、構造に形成することができる。
111 I形断面部材
111a 上フランジ
111b 下フランジ
111c ウェブ
112 水平支持プレート
113 リブ
121 当たり止めプレート
122 クランプ
123 反力受けプレート
123a 切欠部
124 挟持プレート
201 プレキャストコンクリート板
210 トラス筋
211 トップ筋
212 ラチス筋
220 鉄筋コンクリート板
311 サポート
312 大引
401 上端筋
402 コンクリート
501 位置調整部材
511 鋼材片
512 高さ位置調整ナット
513 水平方向位置調整ナット
514 アンカー筋
521 高さ位置調整ボルト
522 水平方向位置調整ボルト
523 ダブルナット
524 位置決めナット
601 型枠
601a 底板
601b 側壁
Claims (5)
- コンクリート構造物を構築するためにあらかじめ製造されて用いられるプレキャストコンクリート板であって、
鉄筋が埋め込まれた鉄筋コンクリート板と、
上記鉄筋コンクリート板の側端部に打ち込まれた鋼材片と、
上記鋼材片の垂直壁における、上記プレキャストコンクリート板を形成するための型枠側の方向に突出した位置で、かつ、上記型枠を逃げる位置に取り付けられた高さ位置調整ナットと、
を有することを特徴とするプレキャストコンクリート板。 - 請求項1のプレキャストコンクリート板であって、
上記鋼材片は、上記鉄筋コンクリート板の上面よりも高い突出部を有し、
上記高さ位置調整ナットは、上記鉄筋コンクリート板の側方端面より外方側、かつ、上面より上方に配置されていることを特徴とするプレキャストコンクリート板。 - 請求項1のプレキャストコンクリート板であって、
上記鉄筋コンクリート板は、側端部に凹部を有し、
上記鋼材片、および高さ位置調整ナットは、上記凹部内に配置されていることを特徴とするプレキャストコンクリート板。 - 請求項1から請求項3のうち何れか1項のプレキャストコンクリート板であって、
さらに、上記鋼材片における上記プレキャストコンクリート板の上面よりも高い位置に、上記プレキャストコンクリート板における水平方向位置調整ナットを有することを特徴とするプレキャストコンクリート板。 - 請求項4のプレキャストコンクリート板を用いたコンクリート構造物の構築方法であって、
上記鉄筋コンクリート板における上記高さ位置調整ナット、および上記水平方向位置調整ナットが設けられた端部を支持鉄骨上に載置し、上記高さ位置調整ナットに調整ボルトを螺合させて上記調整ボルトの先端を上記支持鉄骨に当接させることにより、上記プレキャストコンクリート板の上記端部の高さ位置を調整し、
上記水平方向位置調整ナットに調整ボルトの先端部を螺合させるとともに、上記調整ボルトの他端部、または上記他端部に螺合させたナットを上記支持鉄骨に当接させることにより、上記プレキャストコンクリート板の水平方向位置を調整した後、
上記プレキャストコンクリート板上に上方鉄筋を配置し、コンクリートを打設することを特徴とするコンクリート構造物の構築方法。
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