JPH11303275A - スラブ構造 - Google Patents

スラブ構造

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JPH11303275A
JPH11303275A JP11694898A JP11694898A JPH11303275A JP H11303275 A JPH11303275 A JP H11303275A JP 11694898 A JP11694898 A JP 11694898A JP 11694898 A JP11694898 A JP 11694898A JP H11303275 A JPH11303275 A JP H11303275A
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JP
Japan
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panel
slab
alc panel
alc
fixed
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JP11694898A
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Hiroaki Shibuya
洋明 渋谷
Tsutomu Sato
強 佐藤
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Sekisui House Ltd
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、スラブパネルが保有する面内剪断
耐力を有効に機能させることが出来、各部材の取り合い
が簡単で各部材の寸法誤差や取り付け誤差の影響を受け
難く施工管理が容易で安定した面内剪断耐力の確保が出
来、施工時のスラブパネルの保全を確保することが出来
るスラブ構造を提供することを可能にすることを目的と
している。 【解決手段】 横架材2上にALCパネル3を載置して
ビス4により固定し、ALCパネル3相互の目地部には
コッター5を設け、更にALCパネル3上にパーティク
ルボード6をALCパネル3相互の目地部に跨いで載置
してビス7により固定して構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柱及び梁を躯体構
造とする建築物における床や屋根等のスラブ面を構成す
るスラブ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のスラブ構造として、例えば、実用
新案登録第2521524 号公報(第1公知例)に開示された
技術は、図10に示すように、床梁51及び胴差し56に固定
された受け部材52上にALC(軽量気泡コンクリート)
パネル53が載置され、床梁51、胴差し56及びALCパネ
ル53上に木質面材54がゴム系接着剤55または釘打ちによ
って貼付されている。
【0003】木質面材54の水平方向に突出した周端部54
a,54bは胴差し56及び床梁51に載架され、壁パネル57
側の周端部54aは胴差し56の上端部内側に木質面材54の
厚さ分だけ形成された切欠部56aに挿入されている。上
階の壁パネル57の下部枠材57aと下階の壁パネル58の上
部枠材58aとは胴差しボルト59により連結されて木質面
材54の周端部54aが壁パネル57の下部枠材57aと胴差し
56との間で挟持されている。
【0004】上記構成において、地震等による床部50に
加わる水平力は垂直面となる壁パネル57,58から木質面
材54に伝達され、該木質面材54から床梁51に効率よく分
散伝達されてALCパネル53には剪断力がほとんど加わ
らず、ALCパネル53の座屈等を防止することが出来る
ものである。
【0005】即ち、地震等によって床部50に負担がかか
った場合、木質面材54の周端部54a,54bが壁パネル5
7,58を連結する胴差し56及び床梁51に連結されている
ので木質面材54が主に水平方向の力を受けて該木質面材
54から胴差し56及び床部50を介して壁等にその力を有効
に分散することができるものである。
【0006】この時、ALCパネル53には周囲の構造材
からの外力がほとんど加わらず、ALCパネル53に面内
剪断力が加わらないことにより地震等においてもALC
パネル53を保障することが出来、その構築物の損傷等を
少なくすることが出来るものである。
【0007】また、特開平4-52349 号公報(第2公知
例)に開示された技術は、図11(a),(b)に示すよ
うに、大梁61、小梁62により木造軸組63が構成され、小
梁62に支持アングル64が固定されている。そして、AL
Cパネル65の下面両端部を支持アングル64により支持さ
せ、木造軸組63の内周の4面に対峙するALCパネル65
の小口面を該4面に直接的にまたはモルタル等の充填材
66を介して間接的に当接させたものである。
【0008】上記構成によれば、建築物に加わる地震力
や風圧力等の外力によって発生する水平面内剪断力に対
して木造軸組63だけでなく該木造軸組63の内周に嵌合さ
れているALCパネル65にも小口面を当接させたことに
より有効に伝達して負担させるので該ALCパネル65の
保有する面内剪断耐力を有効に機能させることが出来る
ものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
各公知例において、第1公知例では、面内剪断耐力は主
に木質面材54により負担する構成であり、ALCパネル
53が保有する面内剪断耐力を有効に機能させることが出
来ないという問題があった。
【0010】また、木質面材54の中央部が受け部材52に
より支持されたALCパネル53上に載置され、該木質面
材54の一方の周端部54aが胴差し56と壁パネル57の下部
枠材57aとの間に挟持され、他方の周端部54bが床梁51
上に載置されて極めて複雑に取り合うため各部材の寸法
誤差や取り付け誤差の影響を受け易く、施工管理が面倒
であった。
【0011】また、水平力により床面に生じる剪断力を
木質面材相互間で伝達させる際に、ALCパネルに損傷
を与えないようにするには、隣接する木質面材相互間の
継ぎ目に、例えば図10の梁51のような面内剪断力を伝達
出来るALCパネル以外の部材を多く必要とし、コスト
や手間がかかるばかりか各部材の取り合いを益々複雑な
ものとしていた。
【0012】また、第2公知例では、ALCパネル65の
寸法誤差を補うためにモルタル等の充填材66を使用する
ものであるがモルタルが下方に流出するのを防止するた
めにモルタル流出止め用の部材を別途設けなくてはなら
ないという問題があった。
【0013】また、モルタルを充填する作業は手間がか
かり、空気の巻き込み等の影響でモルタルが密に充填出
来なかった場合には安定した面内剪断耐力の確保が困難
となり、モルタルの充填状況を外観で確認できないた
め、モルタルの充填されない部分が発生することを防止
する管理が困難であった。
【0014】また、モルタルを充填した後、ALCパネ
ル65の施工中に作業者が該ALCパネル65上に乗ると、
該ALCパネル65に撓みが発生して充填したモルタルが
破断して十分な面内剪断耐力が得られなくなる虞もあ
る。
【0015】また、ALCパネル65を木造軸組63の内周
面に落とし込む際に該ALCパネル65に破損が生じる虞
もある。
【0016】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、スラブパネルが保有する面内
剪断耐力を有効に機能させることが出来、各部材の取り
合いが簡単で各部材の寸法誤差や取り付け誤差の影響を
受け難く施工管理が容易で安定した面内剪断耐力の確保
が出来、施工時のスラブパネルの保全を確保することが
出来るスラブ構造を提供せんとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係るスラブ構造は、柱及び梁を躯体構造とす
る建築物におけるスラブ構造であって、支持部材上にス
ラブパネルを載置して支持すると共に第1の固定手段に
より該支持部材とスラブパネルとを固定し、前記スラブ
パネル上に隣接する複数のスラブパネルに跨がって面材
を載置して支持すると共に第2の固定手段により該スラ
ブパネルと面材とを固定したことを特徴とする。
【0018】上記構成によれば、簡単な施工により支持
部材、スラブパネル及び面材を第1、第2の固定手段に
より固定して一体化することが出来、スラブパネル相互
の目地ずれを防止して面内剪断耐力及び面内剪断剛性に
優れたスラブ構造を得ることが出来る。
【0019】また、各部材の取り合いが簡単で各部材の
寸法誤差や取り付け誤差の影響を受け難く施工管理が容
易で安定した面内剪断耐力の確保が出来、施工時のスラ
ブパネルの保全を確保することが出来る。
【0020】即ち、第2の固定手段によりスラブパネル
と面材とを固定したことで、該スラブパネルに面内剪断
力が加わった場合にスラブパネルと面材とが互いに面外
に拘束し合って座屈を防止することが出来るので面内剪
断耐力及び面内剪断剛性を有効に発揮することが出来
る。
【0021】また、第1の固定手段により該支持部材と
スラブパネルとを固定したことで、支持部材からスラブ
パネルに伝わった面内剪断力は、該スラブパネルに面状
に広がり、更にスラブパネルから面材に面から面への伝
達がされるため剪断応力が面状に広がり、局所的に著し
く大きな応力が働くことがない。従って、面外に変形し
易く局所的な大きな応力に対する抵抗力が小さい薄い面
材であっても該面材の面内剪断耐力及び面内剪断剛性を
積極的に活かすことが出来る。また、面材を隣接する複
数のスラブパネルに跨がって固定したために隣接する複
数のスラブパネル相互の目地ずれが拘束され、面内剪断
耐力及び面内剪断剛性を向上させることが出来る。
【0022】また、支持部材、スラブパネル及び面材を
第1、第2の固定手段により固定して一体化したこと
で、スラブ構造上面に発生した衝撃や振動を支持部材、
スラブパネル及び面材が相互に抑制し合って下階への衝
撃や振動の伝達を抑えることが出来る。
【0023】また、面材、スラブパネル、支持部材の順
に厚みを大きく構成した場合には、衝撃や振動の抑制効
果が高くなって好ましい。
【0024】また、スラブパネルが面材相互の目地に跨
がって第2の固定手段により固定された場合には面材相
互の目地ずれがスラブパネルにより拘束され、面内剪断
耐力及び面内剪断剛性を向上させることが出来る。
【0025】また、第1、第2の固定手段を支持部材、
スラブパネル及び面材の本体またはそれ等が隣設して形
成された目地部に対してビス止め、釘打ち止め、ボルト
止め、接着のうちから選択して固定するように構成すれ
ば好ましい。
【0026】また、スラブパネルをALCパネルで構成
した場合には、該ALCパネルの内部に埋設された補強
筋の内側でスラブパネルのごく端部で横架材に固定して
も高い面内剪断耐力及び面内剪断剛性を確保することが
出来るので好ましい。
【0027】また、前記スラブ構造を木造建築物のスラ
ブ構造として適用すれば好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】図により本発明に係るスラブ構造
の一例として木造建築物の床や屋根に適用されたスラブ
構造の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に
係るスラブ構造の第1実施形態の全体構成を示す斜視
図、図2は第1実施形態においてスラブパネルを支持部
材に固定した様子を示す斜視図、図3は第1実施形態に
おいて支持部材に固定したスラブパネルに面材を固定し
た様子を示す斜視図、図4は第1実施形態の各固定手段
の配置位置を示す断面説明図、図5は本発明に係るスラ
ブ構造の第2実施形態の各部材の配置構成を示す断面説
明図、図6は第2実施形態の各固定手段の配置位置を示
す断面説明図、図7は図5の左右方向から見た断面説明
図、図8は本発明に係るスラブ構造の第3実施形態の構
成を示す断面説明図、図9は本発明に係るスラブ構造の
第4実施形態の構成を示す断面説明図である。尚、以下
に示す各部材の寸法及び材質等は具体的実施形態の一例
を示すものであり、これ等に限定されるものではない。
【0029】先ず、図1〜図4を用いて本発明に係るス
ラブ構造の第1実施形態について説明する。図1に示す
ように、柱1及び梁(横架材)2を躯体構造とする木造
住宅等の建築物における床や屋根を構成するスラブ構造
Aは、図2に示すように、支持部材となる木製の横架材
2上にスラブパネルとなるALC(軽量気泡コンクリー
ト)パネル3を載置して支持すると共に第1の固定手段
となるビス4により該横架材2とALCパネル3とが固
定される。
【0030】縦横方向に直交して配置された横架材2
は、例えば、幅120mm、高さ寸法240mmを有する大
梁2aが夫々2mの間隔を有して複数本平行に配置さ
れ、該大梁2aに該大梁2aと直交する方向に小梁2b
が連結されている。大梁2aと小梁2bの上面レベルは
互いに面一に形成されている。
【0031】また、ALCパネル3の長手方向の寸法は
小梁2bのピッチに略等しい長さを有しており、例え
ば、ALCパネル3が幅500mm、長さ2000mm、厚
さ100mmを有して構成され、該ALCパネル3の長手
方向の両端部が横架材2の上面上に載置され、例えば、
外径6mm、長さ140mmのビス4がALCパネル3の長
手方向の両端部の上面3c側から該ALCパネル3の長
さ方向両端部の幅方向の両側に計4本横架材2に対して
打ち込まれてALCパネル3が横架材2に固定されてい
る。
【0032】この時、ビス4は、図4に示すように、A
LCパネル3の内部に該ALCパネル3の長手方向端部
よりも15〜30mm程度内部に埋設された補強筋3bよ
りもパネル内側位置に配置され、該ビス4の頭部をAL
Cパネル3の上面3cよりも内部に5〜10mm程度沈め
てALCパネル3の長手方向端部よりも40〜50mm程
度内部に打ち込まれる。また、ビス4の打ち込み角度は
横架材2の中心に向かってやや斜めに打ち込まれ、ビス
4の縁あき距離を確保している。
【0033】また、隣設されるALCパネル3の長辺の
目地部には目地ずれ防止手段となるコッター5が配置さ
れている。コッター5はALCパネル3の長辺目地部に
該ALCパネル3の対向する長辺の一部に両ALCパネ
ル3に亘って跨がって形成された溝部となる直径20〜
100mm、深さ20〜80mmの円柱状の穴3dに、係止
部材となる直径が該穴3dの大きさよりもやや大きく長
さがやや短い中空若しくは中実の円柱状部材を打ち込む
ことによって形成されている。尚、穴3dにモルタルや
接着剤等を充填することでも良い。
【0034】このコッター5によりALCパネル3に加
わる面内剪断力によりALCパネル3の長辺目地にずれ
が生じるのを防止しており、これにより高い面内剪断耐
力及び面内剪断剛性を確保することが出来るものであ
る。
【0035】また、柱1に隣接するALCパネル3には
該柱1の形状に対応する切り欠き3aが形成されて納ま
っている。
【0036】尚、本実施形態ではALCパネル3の厚さ
寸法は横架材2の高さ寸法よりも小さい寸法で構成され
ている。
【0037】また、図3及び図4に示すように、ALC
パネル3の上面3c上には面材となるパーティクルボー
ド6を載置して支持すると共に第2の固定手段となるビ
ス7により該ALCパネル3とパーティクルボード6が
固定されている。
【0038】パーティクルボード6は木粉を樹脂で固め
て構成されたものであり、本実施形態では、幅1000
mm、長さ2000mm、厚さ15mmのパーティクルボード
6をALCパネル3の上面3c上に複数の該ALCパネ
ル3に跨がり、且つALCパネル3と直交するように向
けて載置して、外径8mm、長さ90mmのビス7を該パー
ティクルボード6の上面側からALCパネル3に対して
打ち込んで固定されている。
【0039】ビス7は頭部が逆三角形状であり、頭部の
上面がパーティクルボード6の表面と略面一になるよう
に縦横に250mmのピッチで格子状に打ち込まれてい
る。パーティクルボード6は複数のALCパネル3に跨
がって各々のALCパネル3に固定されている。
【0040】本実施形態ではコストダウンのため、AL
Cパネル3、パーティクルボード6ともに定尺寸法のも
のを使っている。従って、ALCパネル3とパーティク
ルボード6の目地は大部分は一致していないが、パーテ
ィクルボード6の長辺目地の一部はALCパネル3の短
辺目地と一致し、また、ALCパネル3の長辺目地の一
部はパーティクルボード6の短辺目地と一致している。
【0041】これらの目地は一致しない方が各々のAL
Cパネル3の厚さの誤差による段差を吸収するためには
有効である。また、面内剪断力に対する耐力、剛性に関
しても効果はあるが本実施形態のように構成すれば実用
上問題にはならない。
【0042】先ず、ALCパネル3の短辺目地とパーテ
ィクルボード6の長辺目地の一部の一致について説明す
る。ALCパネル3は長手方向の端部の15〜30mm程
度内側に入った位置に補強筋3bを有し、該補強筋3b
のすぐ内側であるALCパネル3の長手方向の端部の4
0〜50mm程度内側で横架材2にビス止めされている。
【0043】パーティクルボード6のような均一な材料
ではビス止めする場合に端部から100mm程度入った位
置にビス止めしないと、面内剪断力を受けた際に簡単に
ビス止め位置で局部破壊が生じる。しかし、ALCパネ
ル3は端部に補強筋3bを有するために端部にビス止め
して面内剪断力を受けても容易に破壊することがない。
【0044】本実施形態では、短辺目地を挟んだ両側の
ALCパネル3は各々そのごく端部において横架材2に
ビス止めされているため、面内剪断力による変位は微小
であり、両側のALCパネル3間の相対変位も微小であ
る。また、短辺目地を挟んだ両側のALCパネル3の夫
々に固定された各々のパーティクルボード6間の相対変
位も微小である。
【0045】上記のように本実施形態の構成では、AL
Cパネル3の短辺目地とパーティクルボード6の長辺目
地の一部が一致していなくても、ALCパネル3の短辺
目地の目地ずれは微小であり、更に短辺目地を挟んだ両
側のALCパネル3の夫々に固定された各々のパーティ
クルボード6間の相対変位も微小であるため、目地を全
て一致させない構成と比較して面内剪断力に対する耐
力、剛性の差は微小である。
【0046】一方、スラブパネルとして補強筋を用いな
い均一な材料を用いる場合には、スラブパネルの目地と
面材との目地は全て一致しないようにするのがより好ま
しい。
【0047】また、スラブパネルであるALCパネル3
はその製法上の特徴より、一般に長さと幅の比は3〜5
程度のものがよく用いられ、面材であるパーティクルボ
ード6の長さと幅の比はその製法上の特徴より2〜3程
度のものがよく用いられる。
【0048】前述のようにALCパネル3をスラブパネ
ルとして用いた場合、長さと幅の比が大きいために長辺
目地のずれが大きく、この長辺目地のずれを抑制するこ
とが大きな課題であったが、パーティクルボード6や構
造用合板のように長さ、幅の比が小さい面材をスラブパ
ネルの上面に固定することによりALCパネル3の長
さ、幅の比が大きい欠点を簡単に解消出来る。
【0049】また、住宅の居室でスラブパネルであるA
LCパネル3の仕上げにフローリング材を用いる場合、
該フローリング材を直接パーティクルボード6や構造用
合板に釘止めすることが出来るので施工が簡単である。
【0050】次にALCパネル3の長辺目地の一部とパ
ーティクルボード6の短辺目地との一致について説明す
る。本実施形態のALCパネル3は長さ2000mm、幅
500mmであるため、長さが幅の4倍あり、面内剪断力
によりALCパネル3が回転した際に長辺目地における
ALCパネル3相互間の変位の方がより大きく、この長
辺目地のずれを拘束することが重要である。
【0051】ここで、本実施形態では幅方向に隣接する
ALCパネル3はパーティクルボード6により長辺目地
のずれを拘束されて4枚毎に一体化し、面内剪断力に対
する耐力、剛性が向上している。
【0052】この時、一体化した4枚のALCパネル3
の長さと幅の比が1倍になっている。面材により一体化
されるスラブパネルの枚数は一体化されたスラブパネル
の長さ、幅の比が1倍となる範囲が特に有効であり、パ
ーティクルボード6の長さを2000mm超として幅方向
に一体化される枚数を増やしても一体化されたスラブパ
ネルの長さ、幅の比が1倍を超えてしまうと効果の向上
度合いは小さい。
【0053】同様にALCパネル3、パーティクルボー
ド6に特殊な寸法のものを用いてALCパネル3の全て
の長辺目地をパーティクルボード6の短辺目地と一致さ
せないようにしても本実施形態との差は微小であり実用
的ではない。
【0054】上記構成によりALCパネル3に加わる面
内剪断力によりALCパネル3の長辺目地にずれが生じ
るのをパーティクルボード6が防止しており、これによ
り高い面内剪断耐力及び面内剪断剛性を確保することが
出来るものである。
【0055】また、柱1に隣接するパーティクルボード
6には該柱1の形状に対応する切り欠き6aが形成され
て納まっている。
【0056】尚、本実施形態では、図4に示すように、
ALCパネル3とパーティクルボード6との間にポリエ
チレンシート8が敷設されており、これによりALCパ
ネル3からの水分の移動を防止している。また、パーテ
ィクルボード6の厚さはALCパネル3の厚さよりも小
さく構成されている。
【0057】目地ずれ防止手段となるコッター5の施工
順序としては、先ずビス4によりALCパネル3を横架
材2に固定した後、該ALCパネル3の長辺の目地部に
コッター5を設けた後、ビス7によりパーティクルボー
ド6をALCパネル3に固定される。
【0058】上記構成によれば、簡単な施工により横架
材2、ALCパネル3及びパーティクルボード6をビス
4,7により固定して一体化することが出来、面内剪断
耐力及び面内剪断剛性に優れたスラブ構造Aを得ること
が出来る。
【0059】また、前述した第1公知例と比較して横架
材2、ALCパネル3及びパーティクルボード6の取り
合いが簡単で各部材の寸法誤差や取り付け誤差の影響を
受け難く施工管理が容易で乾式工法により安定した面内
剪断耐力の確保が出来、施工時のALCパネル3の保全
を確保することが出来る。
【0060】また、ビス7によりALCパネル3とパー
ティクルボード6とを固定したことで、該ALCパネル
3に面内剪断力が加わった場合にALCパネル3とパー
ティクルボード6とが互いに面外に拘束し合って座屈を
防止することが出来るので面内剪断耐力及び面内剪断剛
性を有効に発揮することが出来る。
【0061】また、ビス4により横架材2とALCパネ
ル3の幅方向の両側とを固定したことで、横架材2から
ALCパネル3に伝わった面内剪断力は、該ALCパネ
ル3に面状に広がり、更にALCパネル3からパーティ
クルボード6に面から面への伝達がされるため剪断応力
が面状に広がり、局所的に著しく大きな応力が働くこと
がない。
【0062】従って、面外に変形し易く局所的な大きな
応力に対する抵抗力が小さい薄いパーティクルボード6
であっても該パーティクルボード6の面内剪断耐力、面
内剪断剛性を積極的に活かすことが出来る。また、AL
Cパネル3の幅方向の両側を固定したことで該ALCパ
ネル3の回転が拘束され、高い面内剪断耐力及び面内剪
断剛性を確保することが出来る。
【0063】また、横架材2、ALCパネル3及びパー
ティクルボード6をビス4,7により固定して一体化し
たことで、スラブ構造A上面に発生した衝撃や振動を横
架材2、ALCパネル3及びパーティクルボード6が相
互に抑制し合って下階への衝撃や振動の伝達を抑えるこ
とが出来る。
【0064】また、パーティクルボード6、ALCパネ
ル3、横架材2の順に厚みを大きく構成した場合には、
振動源から発散場所に向かって順に曲げ剛性が大きくな
り、衝撃や振動の伝達が抑制され、好ましい。
【0065】また、スラブ構造Aの面に加わった水平剪
断力によるALCパネル3相互の目地ずれを複数の該A
LCパネル3に跨がってビス7により固定されたパーテ
ィクルボード6が拘束することにより面内剪断耐力及び
面内剪断剛性を向上させることが出来る。
【0066】同時にALCパネル3がパーティクルボー
ド6相互の目地に跨がってビス7により固定されている
場合には、パーティクルボード6相互の目地ずれがAL
Cパネル3により拘束され、面内剪断耐力及び面内剪断
剛性を向上させることが出来る。
【0067】また、前記ビス4,7の代わりに釘打ち止
めやボルト止め等の他の固定手段により適宜選択して用
いて固定することでも良い。
【0068】第1の固定手段として用いるビス4、或い
は釘は径は4〜8mmが強度、施工性に優れ、好ましい。
また、横架材2を木製とする場合は、該横架材2の内部
に20〜70mm程度打ち込まれる長さとするのが好まし
い。ビス4と横架材2との固定は、本実施形態のように
直接横架材2に固定しても良いが、該横架材2に1〜4
mm程度の鉄板製若しくは木製等のビス打ち用部材を設
け、該ビス打ち用部材にビス打ちする方法もある。
【0069】また、第1の固定手段として用いるボルト
は径6〜12mm程度が好ましい。ボルトと横架材2の固
定は該ボルトと螺合するナット部材を横架材2に固定
し、該ナット部材にボルトを固定する方法及び横架材2
自体にボルトと螺合するネジを設ける方法等、種々の方
法を用いることが出来る。
【0070】また、ボルト、ビス、釘ともに、その頭部
の裏面に座金を挟み、ボルト、ビス、釘の頭部とスラブ
パネルとの間の応力伝達部分の面積を増やす方法も有効
である。また、第1の固定手段としてビス4を用いる方
法の特殊な形態としては、後述する第3実施形態のよう
にビスの頭部に環状部等の係止部分を形成し、該環状部
に目地鉄筋32等の部材を連結し、スラブパネルを横架材
2に固定する方法もある。
【0071】第2の固定手段として用いるビス7、或い
は釘は径4〜10mm程度、長さはスラブパネルの内部に
該スラブパネルの厚さの30〜90%程度打ち込まれる
ようにするのが好ましい。
【0072】特にALCパネル3をスラブパネルとして
用いた場合に第2の固定手段として用いる釘は、ALC
パネル3専用のものを使うのが好ましい。中でも打ち込
んだ際に先端部が拡張するタイプの釘、若しくはエクス
プレスピンと称する断面が略環状で、その断面の一部に
窪みを有していたり、断面の一部が欠損し、開放断面と
なっているタイプの釘を用いるのが好ましい。特に打ち
込んだ際に釘とALCパネル3との間に隙間が生じず、
剪断力に対して優れた性能を有するものを選択するのが
好ましい。
【0073】また、ビス4を該ALCパネルの内部に埋
設された補強筋3bよりもパネル内側位置に配置した場
合には強固な固定が出来るため好ましい。
【0074】尚、ALCパネル3の代わりにスラブパネ
ルとしてセメント板材、木板、金属板、プラスチック板
等を用いて構成しても良い。また、面材としてパーティ
クルボード6以外にセメント板材、木板、金属板、プラ
スチック板等で構成しても良い。
【0075】次に、図5〜図7を用いて本発明に係るス
ラブ構造の第2実施形態について説明する。尚、前記第
1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して
説明を省略する。
【0076】図5〜図7に示すように、本実施形態のス
ラブ構造Bでは、複数本平行に配置された大梁22に対し
て直交して配置された複数本の支持部材となる小梁21が
固定されており、大梁22の上面22aが小梁21の上面21a
よりもALCパネル3の厚さ分だけ高い位置に配置され
ている。
【0077】大梁22は、例えば、幅120mm、高さ24
0mmの寸法を有し、2mの間隔で配置されており、小梁
21は、例えば、幅120mm、高さ180mmの寸法を有
し、2mの間隔で配置されている。
【0078】そして、小梁21の上面21a上にスラブパネ
ルとなるALCパネル3が載置され、ALCパネル3の
上面3c側から各々のALCパネル3の両端部の左右両
側に合計4本のビス4を小梁21に対して打ち込んでAL
Cパネル3を小梁21に固定している。
【0079】大梁22の上面22aが小梁21の上面21aより
もALCパネル3の厚さ分だけ高い位置に配置されてい
るため、大梁22の上面22aとALCパネル3の上側の上
面3cとは面一に形成されている。本実施形態のALC
パネル3は幅300〜600mm、長さ2000mm、厚さ
100mmを有して構成されている。
【0080】ALCパネル3と大梁22との取り合い部
は、一方はALCパネル3の小口面3eと大梁22の側面
22bとが面接触しており、該大梁22の反対側の側面22b
とこれに隣設されるALCパネル3の小口面3eとの間
には設計上、20mm程度のクリアランス23を設けてい
る。本実施形態では、図5に示すように、ALCパネル
3の短手方向(図5の左右方向)に4列毎にクリアラン
ス23が設けられている。このクリアランス23によりAL
Cパネル3、大梁22及び小梁21の寸法誤差及び施工誤差
を調整することが出来るようになっている。
【0081】また、本実施形態では、ALCパネル3の
長手方向の端部は小梁21上で互いに突き合わせて構成さ
れているが、長手方向にも同様に3〜5列毎程度に所定
寸法のクリアランスを設けておけばALCパネル3の長
手方向の寸法誤差及び施工誤差を調整することが出来る
ので好ましい。
【0082】隣接するALCパネル3相互の長辺目地部
には溝3fが形成されており、該溝3fにモルタル24が
充填されている。溝3fは、例えば、深さが40mm、幅
がALCパネル3の上面3c側で両者を合わせて30mm
で下方側に向かって幅広に形成されており、溝3fの底
部は両者を合わせて40mmで形成されている。この溝3
fに充填されたモルタル24は隣接するALCパネル3を
面外、面内に連結すると共に遮音、耐火上の弱点となる
隙間が生じることを防止している。
【0083】また、図示しないが、ALCパネル3相互
間の長辺目地部には該ALCパネル3の長辺端部よりも
内側に300mm入った位置に外径60mm、深さ60mmの
穴が設けられており、該穴の内部にはモルタルが充填さ
れて目地ずれ防止手段となるコッターを形成している。
上記溝3fとこの穴へのモルタルの充填作業は同時に行
うことが出来るので作業性が良い。
【0084】また、ALCパネル3と大梁22の上面3
c,22aとが面一に形成され、ALCパネル3の小口面
3eの一部は大梁22に囲まれるが、小梁21を大梁22より
も低い位置に配置したことでALCパネル3の他の小口
面は軸組に囲まれないので前述した第2公知例と比較し
てALCパネル3の設置作業が容易であり、溝3fに手
を掛けて持つことが出来るので落とし込みによるALC
パネル3の破損等の虞がない。
【0085】ALCパネル3の上面3cには酢酸ビニー
ル系接着剤を介在させて面材となる構造用合板25が該A
LCパネル3の目地部に跨がって載置され、釘26を構造
用合板25の上面側からALCパネル3に対して打ち込ん
で釘26と酢酸ビニール系接着剤との併用により固定され
ている。
【0086】構造用合板25は長さ2000mm、幅100
0mm、厚さ15mmで構成され、ALCパネル3の目地部
に跨がって該ALCパネル3の目地位置と構造用合板25
との目地位置とが一致しないように配置され、釘26を縦
横500mm程度のピッチで打ち込むことによりALCパ
ネル3に固定されている。
【0087】また、構造用合板25は大梁22の上面22a上
にも載置され、該大梁22に対しても釘26と酢酸ビニール
系接着剤との併用により固定されている。
【0088】前記酢酸ビニール系接着剤は0.5〜1kg
/m2 程度で櫛目引き塗布し、ALCパネル3及び大梁22
と構造用合板25との間に若干生じる不陸(段差)を吸収
できるようになっている。
【0089】また、ALCパネル3の上面3cに3〜3
0mm程度のモルタルを塗り、該モルタルを介して面材を
固定する方法も好ましい。この場合、ALCパネル3の
上面3cの高さレベルを大梁22の上面22aの高さレベル
よりもモルタルの厚さ分さらに低く配置し、ALCパネ
ル3の上面3cにモルタルを塗り、不陸(段差)を調整
した上で、面材を固定する方法もより好ましい。
【0090】また、大梁22に固定する小梁21の高さレベ
ルを適宜設定することにより洋室、和室、浴室等の種々
の用途に応じてALCパネル3の上面3cの高さレベル
を変更することが出来る。他の構成は前記第1実施形態
と同様に構成され、同様な効果を得ることが出来る。
【0091】次に、図8を用いて本発明に係るスラブ構
造の第3実施形態について説明する。尚、前記第1、第
2実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して
説明を省略する。
【0092】本実施形態のスラブ構造Cでは、前記第2
実施形態のスラブ構造Bと第1の固定手段が異なってい
る。即ち、図8に示すように、隣接するALCパネル3
の長辺目地部の位置にネジ付き丸管31が小梁21に対して
打ち込まれ、該ネジ付き丸管31の丸管部に目地鉄筋32が
挿通される。
【0093】その後、溝3f内にモルタル24が充填され
てネジ付き丸管31、目地鉄筋32及び隣接するALCパネ
ル3の長辺目地部とが一体的に固着され、ALCパネル
3を小梁21に固定するようになっている。これによりA
LCパネル3の幅方向の両側が小梁21に固定されるため
該ALCパネル3が回転することを防止することが出来
る。ネジ付き丸管31の丸管部は溝3fの内部に完全に収
納される。他の構成は前記第1、第2実施形態と同様に
構成され、同様な効果を得ることが出来る。
【0094】次に、図9を用いて本発明に係るスラブ構
造の第4実施形態について説明する。尚、前記第1、第
2実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して
説明を省略する。
【0095】本実施形態のスラブ構造Dは大梁22の側面
22bの所定位置に支持部材となる木製の受け材41が該受
け材41の上面41aの高さレベルが大梁22の上面22aの高
さレベルよりもALCパネル3の厚さ分だけ低い位置に
なるように固定されており、該受け材41の上面41a上に
ALCパネル3が載置され、該ALCパネル3の上面3
c側から受け材41に対してビス4を打ち込んでALCパ
ネル3を受け材41に固定したものである。
【0096】大梁22は、例えば、幅120mm、高さ寸法
240mmを有して2m間隔で複数本平行に配置されてお
り、受け材41は、例えば、幅60mm、高さ寸法90mmを
有して構成され、ALCパネル3は、例えば長さ187
0mm、厚さ100mm、幅500mmを有して構成されてい
る。
【0097】また、ALCパネル3と大梁22との取り合
い部は、一方はALCパネル3の小口面3eと大梁22の
側面22bとが面接触しており、該大梁22の反対側の側面
22bとこれに隣設されるALCパネル3の小口面3eと
の間には設計上、10mm程度のクリアランス23を設けて
いる。このクリアランス23によりALCパネル3、大梁
22及び受け材41の寸法誤差及び施工誤差を調整すること
が出来るようになっている。
【0098】尚、ALCパネル3と大梁22との取り合い
部は、一方において必ずALCパネル3の小口面3eと
大梁22の側面22bとを面接触させなければならない訳で
はなく、両方にクリアランスを設けても構わない。
【0099】また、大梁22と直交する方向には適宜小梁
を設けても良く、その場合、ALCパネル3の下部に配
置しても良いし、隣接するALCパネル3相互間の長辺
目地間に小梁が配置できるようにALCパネル3相互の
長辺間に隙間を設けて構成しても良い。
【0100】ALCパネル3の上面3cと大梁22の上面
22a上には構造用合板25が複数のALCパネル3の目地
部に跨がって載置され、該構造用合板25の上面側からA
LCパネル3に対してビス7が打ち込まれて構造用合板
25がALCパネル3及び大梁22に固定されている。他の
構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様な効果を
得ることが出来る。但し、構造用合板25と大梁22との固
定度を構造用合板25とALCパネル3との固定度より極
端に大きくすると、前述のALCパネル3から構造用合
板25に応力を面から面に伝達する効果が妨げられる。
【0101】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、スラブパネルと面材が保有する面内剪断耐力
を有効に機能させることが出来、各部材の取り合いが簡
単で各部材の寸法誤差や取り付け誤差の影響を受け難く
施工管理が容易で安定した面内剪断耐力の確保が出来、
施工時のスラブパネルの保全を確保することが出来るス
ラブ構造を提供することが出来る。
【0102】即ち、第2の固定手段によりスラブパネル
と面材とを固定したことで、該スラブパネルに面内剪断
力が加わった場合にスラブパネルと面材とが互いに面外
に拘束し合って座屈を防止することが出来るので面内剪
断耐力及び面内剪断剛性を有効に発揮することが出来
る。
【0103】また、第1の固定手段により該支持部材と
スラブパネルとを固定したことで、支持部材からスラブ
パネルに伝わった面内剪断力は、該スラブパネルに面状
に広がり、更にスラブパネルから面材に面から面への伝
達がされるため剪断応力が面状に広がり、局所的に著し
く大きな応力が働くことがない。従って、面外に変形し
易く局所的な大きな応力に対する抵抗力が小さい薄い面
材であっても該面材の面内剪断耐力及び面内剪断剛性を
積極的に活かすことができる。
【0104】また、支持部材、スラブパネル及び面材を
第1、第2の固定手段により固定して一体化したこと
で、スラブ構造上面に発生した衝撃や振動を支持部材、
スラブパネル及び面材が相互に抑制し合って下階への衝
撃や振動の伝達を抑えることが出来る。
【0105】また、面材、スラブパネル、支持部材の順
に厚みを大きく構成した場合には、衝撃や振動の抑制効
果が高くなって好ましい。
【0106】また、面材が隣設される複数のスラブパネ
ルに跨がって配置されているのでスラブ構造面に加わっ
た水平剪断力によるスラブパネル相互の目地ずれを第2
の固定手段により固定された面材が拘束することにより
面内剪断耐力及び面内剪断剛性を向上させることが出来
る。
【0107】また、スラブパネルが面材相互の目地に跨
がって第2の固定手段により固定された場合には面材相
互の目地ずれがスラブパネルにより拘束され、面内剪断
耐力及び面内剪断剛性を向上させることが出来る。
【0108】また、目地ずれ防止手段が隣設されるスラ
ブパネルの対向する辺の一部に両スラブパネルに亘って
穿設された溝部に係止部材を設けて係止することにより
構成された場合には、スラブ構造面に加わった水平剪断
力によるスラブパネル相互の目地ずれを隣接するスラブ
パネルに亘って穿設された溝部に設けられた係止部材に
よってスラブパネル相互の目地ずれを係止することが出
来、これにより面内剪断耐力及び面内剪断剛性を向上さ
せることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスラブ構造の第1実施形態の全体
構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態においてスラブパネルを支持部材
に固定した様子を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態において支持部材に固定したスラ
ブパネルに面材を固定した様子を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態の各固定手段の配置位置を示す断
面説明図である。
【図5】本発明に係るスラブ構造の第2実施形態の各部
材の配置構成を示す断面説明図である。
【図6】第2実施形態の各固定手段の配置位置を示す断
面説明図である。
【図7】図5の左右方向から見た断面説明図である。
【図8】本発明に係るスラブ構造の第3実施形態の構成
を示す断面説明図である。
【図9】本発明に係るスラブ構造の第4実施形態の構成
を示す断面説明図である。
【図10】第1の公知例を説明する図である。
【図11】第2の公知例を説明する図である。
【符号の説明】
A〜D…スラブ構造 1…柱 2…横架材 2a…大梁 2b…小梁 3…ALCパネル 3a…切り欠き 3b…補強筋 3c…上面 3d…穴 3e…小口面 3f…溝 4…ビス 5…コッター 6…パーティクルボード 6a…切り欠き 7…ビス 8…ポリエチレンシート 21…小梁 22…大梁 21a,22a…上面 22b…側面 23…クリアランス 24…モルタル 25…構造用合板 26…釘 31…ネジ付き丸管 32…目地鉄筋 41…受け材 41a…上面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱及び梁を躯体構造とする建築物におけ
    るスラブ構造であって、支持部材上にスラブパネルを載
    置して支持すると共に第1の固定手段により該支持部材
    とスラブパネルとを固定し、前記スラブパネル上に隣接
    する複数のスラブパネルに跨がって面材を載置して支持
    すると共に第2の固定手段により該スラブパネルと面材
    とを固定したことを特徴とするスラブ構造。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2の固定手段は、前記支持
    部材、スラブパネル及び面材の本体またはそれ等が隣設
    して形成された目地部に対してビス止め、釘打ち止め、
    ボルト止め、接着のうちから選択して固定するように構
    成したことを特徴とする請求項1に記載のスラブ構造。
  3. 【請求項3】 前記スラブパネルの対向する辺の一部に
    両スラブパネルに亘って穿設された溝部に係止部材を設
    けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    スラブ構造。
  4. 【請求項4】 前記スラブパネルはALCパネルで構成
    されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のスラブ構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のス
    ラブ構造を木造建築物のスラブ構造として適用したこと
    を特徴とするスラブ構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011111818A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 剛床構造および剛床工法
JP2012052324A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Nara Prefecture 板壁耐力壁及び板耐力床

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