JP5249005B2 - 耐震補強用アンカーおよびそれを用いた耐震補強構造 - Google Patents

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本発明は、耐震補強性能を向上することが可能な耐震補強用アンカーおよびそれを用いた耐震補強構造に関する。
近年、既設のRC造やSRC造の構造物に対して耐震性能を高めるために、新たに耐震壁を設けたり、鉄骨ブレース等の鉄骨躯体やRC躯体を増設するなどの耐震補強工事が盛んに行われている。
これら耐震補強工事においては、一般に耐震補強用アンカーが用いられる。柱や梁などの既設構造体の所定位置にドリル等で削孔し、その孔に耐震補強用アンカーの一端側を固定するとともに、既設構造体から突出する他端側を、新設または増設するRC躯体や鉄骨躯体等の構造体の定着部とし、この定着部を埋め込むようにしてコンクリートやモルタル等が打設される。
この種の耐震補強用アンカーのうち、削孔内に差し入れて、何らかの固定手段で固定するようにしたアンカーとしては、以下のものが知られている。
(1)孔内に充填した樹脂系やセメント系の接着材料により固定されるアンカー(特許文献1参照)。
(2)鉄筋端部に設けたスリーブまたは雄ネジを形成したスリーブに拡張部を設け、この拡張部を孔内で拡開させて孔壁に食い込ませることで固定されるアンカー(特許文献2〜4参照)。
この種の耐震補強用アンカーにおける固定手段は、設備機器などを地面や天井等に固定する固定用アンカーにも用いられている。この種の固定用アンカーは、性能面や施工面において、一長一短はあるが、固定することを目的としているため、対象とする設備機器等が倒壊したり落下したりしないように固定できればよく、所定の引張力と純せん断力に対抗できるだけの耐力を有していればよい。
一方、耐震補強用のアンカーは、既設構造体と新設や増設のRC躯体等の構造体とを一体化できる性能が要求される。即ち、既設構造体と新設または増設する構造体それぞれの内部に当該アンカーを埋設するため、アンカーには、引張力やせん断力だけでなく、圧縮や曲げ、ねじりなどの様々な力が作用することになる。このため、上記従来の耐震補強用アンカーでは、以下のような問題点があった。
(イ)引張力やせん断力に対しては有効に機能を発揮するが、曲げや曲げ引張などの力に対しては、有効性が低かった。しかも、施工上、既設構造体に穿設する孔の内径が、アンカーの外径よりも大径となるため、これらアンカーと孔内面との間の間隙により、アンカーと既設構造体との間で、曲げ力を確実に伝達させることが難しい。
(ロ)接着材料で固定するタイプのアンカーでは、接着材料の性能が、施工時の天候条件や削孔時に発生するコンクリートの切粉などに左右されるため、アンカーとしての耐力や剛性に関し信頼性が乏しく、所定の性能を満足できていない場合もある。また、アンカーの外径が太径になるにつれてその長さも長くなり、また孔の内径も大きくなって、長く大きな孔の形成を余儀なくされることから削孔作業が煩雑になったり、また両者間の間隙も大きくなることから、接着材料による固定作業にも手間がかかるなど、施工性が悪化する。
(ハ)拡張作用で固定するタイプのアンカーでは、拡張部を坑壁に食い込ませて固定する機構であるため、引き抜き方向以外の力には弱く、アンカーとしての耐力に劣る。また、アンカーの外径が太径になるにつれて、孔内にスリーブを打ち込む作業や孔内で拡張部を拡開させる作業が大変で大掛かりなものになるという難点がある。
このように、削孔内に差し入れて、接着材料や拡張部で固定する上記従来の耐震補強用アンカーにあっては種々の問題があり、このようなアンカーを耐震補強構造に対して使用した場合、既設構造体に対する固定の度合が、新設または増設した構造体に対する固定の度合よりも低くなる。このため、既設構造体と新設または増設した構造体とが一体化した構造体に様々な力が作用すると、それら構造体の境界面でずれが生じてひび割れが発生してしまう虞があった。
また、固定の度合が低い既設構造体へ多数のアンカーを打たねばならないことから、削孔数が多くなり、耐震補強性能や作業面、環境面で問題が生じる。
他方、上記固定用アンカーにおいては、固定手段として雄ネジを形成することで、直接削孔にねじ込めるようにしたものも知られている(特許文献5〜6参照)。このネジ式固定用アンカーは、孔の内径が最小限で良く、また、ネジで固定するため、天候条件や施工状況に左右されることなく安定した耐力を得ることができるなどの優れた特長を有している。
特開2004−116128号公報 特許第2911036号公報 特開平9−195523号公報 特開平9−279856号公報 特開2004−19370号公報 特開2004−27640号公報 実用新案登録第3087932号公報
既設構造体と増設の構造体とを一体化する際、または既設構造体に対して新設の構造体を構築して一体化する際、前者では構造体同士の間にコンクリートやモルタル等の充填材が充填され、後者では新設する構造体のコンクリートが打設される。既設構造体に設けた耐震補強用アンカー、もしくはその耐震補強用アンカーと増設の構造体に取り付けた定着体は、これら構造体同士を一体化すべく、コンクリート中または充填材中に埋設される。
ここで、ネジ式固定用アンカーを、コンクリート中または充填材中に埋設して定着できるような長さまで延ばすことによって、耐震補強用アンカーとして使用する場合、従来のネジ式固定用アンカーにあっては、コンクリートに穿設した孔に雄ネジをねじ込んでいくものであることから、ネジ部が消耗したり潰れることがないように、熱処理を施した材料や非常に硬くて伸びの少ない材料が用いられていて、そのため、例えば、当該ネジ式固定用アンカーの充填材等に埋設される延設部分の強度と、定着体の強度のバランスが合わず、かなり偏ったものとなってしまう。
この結果、既設構造体と新設等の構造体とを一体化した構造体に様々な力が作用すると、それら構造体の境界面などでずれが生じてひび割れが発生してしまい、性能低下につながる虞があって、耐震補強用アンカーとして使用することができなかった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、耐震補強性能を向上することが可能な耐震補強用アンカーおよびそれを用いた耐震補強構造を提供することを目的とする。
本発明にかかる耐震補強用アンカーは、雄ネジが少なくとも一部に形成され、既設構造体に穿設した孔に当該雄ネジを介してねじ込まれて固定される固定軸部と、該固定軸部の材質よりも低強度の材質で形成され、新設または増設する構造体に埋設される定着軸部とを一体的に形成したことを特徴とする。
本発明にかかる耐震補強構造は、上記耐震補強用アンカーを用いた耐震補強構造であって、前記定着軸部の強度が、増設する構造体に設けられる定着体の強度とほぼ同じであることを特徴とする。
本発明にかかる耐震補強構造は、上記耐震補強用アンカーを用いた耐震補強構造であって、前記定着軸部の強度が、新設する構造体に配筋される鉄筋の強度とほぼ同じであることを特徴とする。
本発明にかかる耐震補強用アンカーおよびそれを用いた耐震補強構造にあっては、耐震補強性能を向上することができる。
以下に、本発明にかかる耐震補強用アンカーおよびそれを用いた耐震補強構造の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1には、本実施形態にかかる耐震補強用アンカー1の正面図が示されている。
図示するように、本実施形態にかかる耐震補強用アンカー1は全体として、軸体状に形成される。耐震補強用アンカー1は、図示において下部が固定軸部2として形成され、また上部が定着軸部3として形成される。固定軸部2の上端には、定着軸部3との間に位置するように、ネジ孔付きボルト頭4が一体的に取り付けられる。定着軸部3の下端部には、ボルト頭4のネジ孔にねじ込まれるネジ部5が形成され、ネジ部5をネジ孔にねじ込むことで、定着軸部3と固定軸部2とが一体化される。
固定軸部2には、軸方向に沿って雄ネジ6が形成される。雄ネジ6は、既設構造体に穿設した孔にねじ込まれる。雄ネジ6の有効径は、孔径よりも僅かに大きく設定される。雄ネジ6の長さは、既設構造体に確実に固定できる長さを少なくとも有していればよく、また固定軸部2の長さについては、孔の長さとほぼ同じかもしくは僅かに短く設定される。従って、固定軸部2を孔にねじ込んだとき、ボルト頭4が既設構造体の表面にほぼ当接される。
定着軸部3は、縦リブや環状リブ、ネジ状リブを備えた異形鉄筋等の異形棒鋼6で形成される。例えば、異形鉄筋の端部にネジ部を形成することで、定着軸部3としても良い。定着軸部3にはネジ部5と反対側の上端に、図1に仮想線で示すように、鍔部7を形成しても良い。この鍔部7の外形輪郭は、ボルト締め具で把持して耐震補強用アンカー1を回転させねじ込むことができるように、例えば六角形などの多角形状に形成される。またこの鍔部7は、既設構造体と増設の構造体との間に充填されるコンクリートやモルタル等の充填材中、あるいは新設の構造体のコンクリート中に埋め込まれて、定着軸部3の定着作用を高める。
特に、定着軸部3の材質は、固定軸部2の材質よりも低強度に設定される。固定軸部2は、既設構造体のコンクリートにねじ込む必要があるため、高い硬度で伸びが少ない高強度の材質が選定される。他方、定着軸部3は、耐震補強構造に作用する力を効率よく効果的に伝達するために、増設等の構造体に取り付けられる定着体の材質に対応させて、引張・圧縮や、曲げ性能、ねじり性能に富んだ低強度の材質が選定される。
例えば、固定軸部2には、鉄鋼中にボロンを含有させたボロン鋼(硬打ち用鋼)や機械構造用炭素鋼(S45Cなど)に熱処理を施したものが用いられる。これに対し、定着軸部3には、スタッドボルトに用いられるアルミキルド鋼やシリコンキルド鋼や、鉄筋コンクリート用棒鋼(SD345やSD390など)が使用される。
このような構成を備える耐震補強用アンカー1にあっては、固定軸部2は、コンクリートに穿設した孔に雄ネジ6をねじ込んでいくものであるが、当該雄ネジ6が消耗したり潰れることがなく確実な固定作用が得られる。また、増設の際の充填材や新設の構造体のコンクリート等に埋設される定着軸部3の強度を、増設または新設される構造体に設けられる定着体の強度とバランスさせることができる。
また、本実施形態にかかる耐震補強用アンカー1は、固定軸部2と定着軸部3とを、摩擦圧接で接合したボルト頭4を介して、一体的に形成しているので、固定軸部2および定着軸部3にそれぞれの機能を確保しつつ、これら異なる機能を備えた固定軸部2および定着軸部3を、耐震補強用アンカー1単体として取り扱って取り付けを完了できるなど、取扱い性に優れ、高い施工性で施工することができる。
図2には、図1に示した耐震補強用アンカー1を適用した耐震補強構造の一例の正面断面図が示されている。図示例は、既設柱8に面して配置される左右一対の縦フレーム9と、既設梁10下に面して配置される上フレーム11と、既設床上に面して配置される図示しない下フレームとをガセットプレート12で接合した四角形状のフレーム構造内に、ガセットプレート12に連結してブレース13を設けた鉄骨躯体14によって、RC造やSRC造の既設構造体15を耐震補強するようにしたものである。
鉄骨躯体14のフレーム9,11には、これより既設柱8や既設梁10等に向かって突出させて、定着体となるスタッドボルト16が複数設けられている。スタッドボルト16としては、頭付きの丸鋼や異形棒鋼など、一般周知のものが用いられる。スタットボルト16は、耐震補強用アンカー1の定着軸部3とほぼ同じ強度に設定される。言い換えれば、耐震補強用アンカー1の定着軸部3が、スタットボルト16とほぼ同じ強度に設定される。例えば、これら耐震補強用アンカー1の定着軸部3とスタットボルト16とは、同材質とされる。スタッドボルト16が異形棒鋼の場合には、耐震補強用アンカー1の定着軸部3も、異形棒鋼とすることが好ましい。
他方、既設構造体15には、スタットボルト16の取付位置とは位置をずらして、複数の上記耐震補強用アンカー1が取り付けられる。
耐震補強用アンカー1の取り付けについて説明すると、既設構造体15、例えば既設柱8や既設梁10の表面からドリルによって、孔を穿設する。また、予め定着軸部3のネジ部5を固定軸部2のボルト頭4のネジ孔にねじ込んで、一体の耐震補強用アンカー1とする。
次いで、孔に固定軸部2をねじ込んでいき、ボルト頭4が既設柱8等の表面に当接する程度までねじ込む。固定軸部2のねじ込みは、鍔部7をボルト締め具で把持して回転させることによってなされる。これにより、耐震補強用アンカー1は既設構造体15に取り付けられる。
その後、既設構造体15と増設する鉄骨躯体14のフレーム9,11との間に、コンクリートやモルタル等の充填材17を充填し固化させる。これによって、既設構造体15に鉄骨躯体14を増設した耐震補強構造が完成される。
なお、孔に固定軸部2をねじ込む前に予め、孔内に樹脂系やセメント系の接着材料を充填しておいてもよく、それにより、さらに既設構造体15への固定度を増すことができる。
図1に示した耐震補強用アンカー1は、雄ネジ6が少なくとも一部に形成され、既設構造体15に穿設した孔に当該雄ネジ6を介してねじ込まれて固定される固定軸部2と、固定軸部2の材質よりも低強度の材質で形成され、増設の際の充填材17に埋設される定着軸部3とを一体的に形成したものであるので、固定軸部2については従前のように、RC造の既設構造体15に適切に固定することができるとともに、定着軸部3を、固定軸部2よりも低強度の材質で形成するので、既設構造体15と増設した鉄骨躯体14とでなる構造体に対し様々な力が作用して、充填材17中に埋設した耐震補強用アンカー1の定着軸部3に圧縮や引張、曲げやねじりなどの様々な力が作用しても、当該定着軸部3は、容易に破壊することなく、これら力を受け止めて適切に伝達することができる。
また、定着軸部3の強度を、増設する鉄骨躯体14に設けられるスタッドボルト16の強度とほぼ同じに設定したので、充填材17中における応力伝達要素であるこれらスタッドボルト16や定着軸部3の強度を、既設構造体15側と増設した鉄骨躯体14側とでバランスさせることができ、既設構造体15と増設の鉄骨躯体14とを一体化した耐震補強構造に様々な力が作用しても、それら構造体14,15の境界面などでずれが生じることを防ぎ、ひび割れなどの構造劣化原因が発生することを防止して、耐震補強構造の性能を高めることができる。
本実施形態にあっては、定着軸部3の鍔部7をボルト締め具で把持して、耐震補強用アンカー1をねじ込み操作するので、ねじ込む際にボルト締め具が既設柱8等の表面と干渉するようなことがなく、円滑に作業を行うことができる。鍔部7を設けない場合には、定着軸部3の異形棒鋼6部分をボルト締め具のチャックなどで把持してねじ込み操作すればよい。
図3には、図1に示した耐震補強用アンカー1を適用した耐震補強構造の他の例の平面断面図が示されている。図にあっては、下部がRC造の既設梁10位置での断面を示し、上部が新設したRC製の耐震壁18位置での断面を示している。また、図3では、鍔部7を設けていない耐震補強用アンカー1が示されている。
図示例は、RC造の既設柱8に耐震壁18を新設することにより、既設構造体15を耐震補強するようにしたものである。新設の耐震壁18には、せん断補強筋19を巻き付けた壁鉄筋20が埋設されている。壁鉄筋20は、耐震補強用アンカー1の定着軸部3とほぼ同じ強度に設定される。言い換えれば、耐震補強用アンカー1の定着軸部3が、壁鉄筋20とほぼ同じ強度に設定される。例えば、これら耐震補強用アンカー1の定着軸部3と壁鉄筋20とは、同材質とされる。
他方、既設構造体15の既設柱8には、壁鉄筋20と重ね継ぎ手を構成するように、複数の上記耐震補強用アンカー1が取り付けられる。耐震補強用アンカー1はもちろん、壁鉄筋20と位置をずらして配設するようにしても良く、また、カプラー等を介して壁鉄筋20に直接接続してもよい。
耐震補強用アンカー1の取り付けは、図2の場合と同様である。定着軸部3のネジ部5を固定軸部2のボルト頭4のネジ孔にねじ込んで、予め一体の耐震補強用アンカー1として準備しておく。鍔部7のない耐震補強用アンカー1のねじ込みは、異形棒鋼6部分をボルト締め具で把持して回転させることによってなされる。
耐震補強用アンカー1を既設柱8に取り付けた後、新設の耐震壁18を構築するコンクリート21を打設し、壁鉄筋20および耐震補強用アンカー1の定着軸部3をその内部に埋設して固化させる。これによって、既設構造体15に耐震壁18を新設した耐震補強構造が完成される。
新設の耐震壁18への適用にあっても、耐震補強用アンカー1は上述したと同様に、固定軸部2については従前のように、RC造の既設構造体15に適切に固定することができるとともに、打設コンクリート21中に埋設した耐震補強用アンカー1の定着軸部3は、既設構造体15と新設した耐震壁18とでなる構造体に対し様々な力が作用して、圧縮や引張、曲げやねじりなどの様々な力が作用しても、容易に破壊することなく、これら力を受け止めて適切に伝達することができる。
また、定着軸部3の強度を、新設する耐震壁18に設けられる壁鉄筋20の強度とほぼ同じに設定したので、打設コンクリート21中における応力伝達要素であるこれら壁鉄筋20や定着軸部3の強度を、既設構造体15側と新設した耐震壁18側とでバランスさせることができ、既設構造体15と新設の耐震壁18とを一体化した構造体に様々な力が作用しても、それら構造体15,18の境界面などでずれが生じることを防ぎ、ひび割れなどの構造劣化原因が発生することを防止して、耐震補強構造の性能を高めることができる。
本実施形態にあっては、定着軸部3をボルト締め具で把持して、耐震補強用アンカー1をねじ込み操作するので、ねじ込む際にボルト締め具が既設柱8表面と干渉するようなことがなく、円滑に作業を行うことができる。
図4〜図6には、本発明にかかる耐震補強用アンカーの変形例が示されている。図4に示す耐震補強用アンカー1は、ネジ孔付きボルト頭4とネジ部5を省略したもので、まさに固定軸部2と定着軸部3とを摩擦圧接などで一連に一体的に接合したものである。定着軸部3は、無垢の軸体状に形成される。ねじ込む際には、ボルト締め具のチャックで定着軸部3を把持すればよい。
図5に示すものは、図4に示した耐震補強用アンカー1に追加的に、固定軸部2と定着軸部3との境界位置に位置させて、既設構造体への突き当て用の環状部22を一体的に備えるとともに、定着軸部3の上端に、図1のものと同様の鍔部7を備えたものである。
図6に示すものは、図5に示した耐震補強用アンカー1に対し、無垢の定着軸部に代えて、異形棒鋼6の定着軸部3とし、また、鍔部7を、定着軸部3の上端に形成したネジ部に螺合する上下のナットとそれらナットで挟んだ定着板によって構成したものである。
これら変形例にあっても、上記実施形態で説明した耐震補強用アンカー1と同様の作用効果が得られるとともに、これら耐震用補強アンカー1を新設または増設の構造体による耐震補強構造に適用することで、上述したと同様の作用効果が得られることはもちろんである。
本発明にかかる耐震補強用アンカーの好適な一実施形態を示す正面図である。 本発明にかかる耐震補強構造の好適な一実施形態を示す要部正面断面図である。 本発明にかかる耐震補強構造の他の実施形態を示す要部平面断面図である。 図1に示した耐震補強用アンカーの変形例を示す正面図である。 図1に示した耐震補強用アンカーの他の変形例を示す正面図である。 図1に示した耐震補強用アンカーのさらに他の変形例を示す正面図である。
符号の説明
1 耐震補強用アンカー
2 固定軸部
3 定着軸部
6 雄ネジ
14 鉄骨躯体
15 既設構造体
16 スタッドボルト
18 耐震壁
20 壁鉄筋

Claims (3)

  1. 雄ネジが少なくとも一部に形成され、既設構造体に穿設した孔に当該雄ネジを介してねじ込まれて固定される固定軸部と、該固定軸部の材質よりも低強度の材質で形成され、新設または増設する構造体に埋設される定着軸部とを一体的に形成したことを特徴とする耐震補強用アンカー。
  2. 請求項1に記載の耐震補強用アンカーを用いた耐震補強構造であって、前記定着軸部の強度が、増設する構造体に設けられる定着体の強度とほぼ同じであることを特徴とする耐震補強構造。
  3. 請求項1に記載の耐震補強用アンカーを用いた耐震補強構造であって、前記定着軸部の強度が、新設する構造体に配筋される鉄筋の強度とほぼ同じであることを特徴とする耐震補強構造。
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