JP2002061417A - 制振ダンパーおよび制振構造 - Google Patents

制振ダンパーおよび制振構造

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JP2002061417A
JP2002061417A JP2000252487A JP2000252487A JP2002061417A JP 2002061417 A JP2002061417 A JP 2002061417A JP 2000252487 A JP2000252487 A JP 2000252487A JP 2000252487 A JP2000252487 A JP 2000252487A JP 2002061417 A JP2002061417 A JP 2002061417A
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damper
lower chord
plastic
beams
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Application number
JP2000252487A
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English (en)
Inventor
Takayuki Inoue
貴之 井上
Norio Suzuki
紀雄 鈴木
Tomoyasu Kato
友康 加藤
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Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特に建物への設置が容易で、かつ建物の美観
と利便性を損なわない、免震性能のきわめて高い制振ダ
ンパーおよび制振構造を提供する。 【解決手段】 制振ダンパー3は、所定間隔に設置され
た左右柱1,1とこの左右柱1,1間に架け渡された梁
2とからなる建物の軸組内に設置される。制振ダンパー
3は、左右柱1,1間に架け渡された下弦材3aと、こ
の下弦材3aと梁2との間に設置された複数の垂直材3
bとからなる。下弦材3aと垂直材3bの両方に一定値
以上の応力で塑性化する塑性変形部3cを形成する。塑
性変形部3cは、下弦材3aおよび垂直材3bの一部を
くびれたように小径に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は構造物に適用され
る制振ダンパーおよび制振構造に関し、例えば鉄骨構
造、RC構造またはSRC構造などの建物に適用される
ものである。
【0002】
【従来の技術】これまでの建物の耐震工法としては、例
えば免震装置による方法、ハニカムダンパーによる方法
などが一般に知られている。
【0003】免震装置による方法においては、例えば図
11(a)に図示するように、一般に建物を支持する基
礎として上部構造20の一部をなす上部基礎20aとそ
の下側に上部構造20の荷重を地盤に伝える下部基礎2
0bがそれぞれ構築され、また、この上部基礎20aと
下部基礎20bとの間に免震要素としてゴム支承21な
どが設置されている。
【0004】一方、ハニカムダンパーによる方法におい
ては、例えば図11(b)に図示するように、建物の柱
22や梁23などの軸組とは別に柱22と梁23とから
なる建物の軸組内にハニカムダンパー24を取り付ける
ためのフレーム25が新たに取り付けられ、このフレー
ム25と梁23との間にハニカムダンパー24が設置さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の免震装
置による方法は、上部構造20の基礎として上部基礎2
0aと下部基礎20bを二重に構築する必要があるた
め、基礎工事の建設コストが大幅に嵩む等の課題があ
り、また既存の建物には設置できないか、設置できても
大規模な基礎工事を強いられる等の課題があった。
【0006】一方、後者のハニカムダンパーによる方法
は、柱22や梁23などの軸組材とは別に、ハニカムダ
ンパー24を取り付けるためのフレーム25を設置する
る必要があること等から建設コストが嵩むだけでなく、
フレーム25を設置することで開口部を塞ぐこととなっ
て、建物としての美観を損なうだけでなく、居住部分に
フレームが突出したり、フレームで視界が遮られる等し
て利便性も失いかねない等の課題があった。
【0007】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、特に建物への設置が容易で、かつ建物
の美観と利便性を損なわない、免震性能のきわめて高い
制振ダンパーおよび制振構造を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段として、この発明に係る制振ダンパーは、請求
項1として、所定間隔に設置された柱間に梁と平行に架
け渡される下弦材と、この下弦材と梁との間に設置され
る複数の垂直材とを有し、かつ前記下弦材または垂直
材、またはその両方に塑性変形部が形成されている。
【0009】請求項2として、請求項1の制振ダンパー
において、下弦材または垂直材、またはその両方の一部
をくびれたように小径にすることで、塑性変形部が形成
されている。
【0010】請求項3として、上下の梁間に柱と平行に
建て付けられる複数の支柱と、この支柱間に設置される
複数の水平材とを有し、かつ前記支柱または水平材、ま
たはその両方に一定値以上の応力で塑性化する塑性変形
部が形成されている。
【0011】請求項4として、請求項3の制振ダンパー
において、支柱または水平材、またはその両方の一部を
くびれたように小径にすることで、塑性変形部が形成さ
れている。
【0012】ここで、塑性変形部とは、柱と梁とからな
る建物の軸組が地震力を受けて層間変位を起こした際に
発生する一定値以上の応力(主に曲げモーメントM)に
よって塑性化する部分をいう。塑性変形部の曲げモーメ
ントMがある一定値に達すると、塑性変形部は降伏して
曲げモーメントMに対する抵抗力を失い、曲げモーメン
トMを保ってヒンジのように回転し、これにより地震時
の過大な地震エネルギーが吸収される。
【0013】請求項5として、所定間隔に設置された柱
間に梁と平行に架け渡される下弦材と、この下弦材と前
記梁との間に設置される複数の垂直材と、前記下弦材と
前記柱、前記垂直材と前記梁および/または前記下弦材
と前記垂直材とをそれぞれ接合する塑性ダンパーとを有
し、かつ前記塑性ダンパーは一定値以上の応力(主にね
じれモーメント)で塑性化するように形成されている。
【0014】請求項6として、上下の梁間に柱と平行に
建て付けられる複数の支柱と、この支柱間に設置される
複数の水平材と、前記支柱と前記梁および/または前記
支柱と前記水平材とをそれぞれ接合する塑性ダンパーと
を有し、かつ前記塑性ダンパーは一定値以上の応力で塑
性化するように形成されている。
【0015】請求項7として、請求項5または6の制振
ダンパーにおいて、塑性ダンパーは、円柱状をなす塑性
変形部とこの塑性変形部の両端部に突設された板状の固
定部とを有して形成されている。
【0016】請求項8として、請求項7の塑性ダンパー
において、塑性変形部の中央に貫通孔が設けられてい
る。
【0017】ここで、塑性ダンパーは低降伏点鋼からな
り、ねじれモーメントで塑性化することで建物の軸組に
生じる地震エネルギーが吸収される。また、塑性変形部
の外径寸法または中央の孔径を適当に変えることで塑性
変形能力を変えられるようになっている。
【0018】この発明に係る制振構造は、請求項9とし
て、所定間隔に設置された柱とこの柱間に架け渡された
梁とからなる建物の軸組内に請求項1、2、3、4、
5、6、7または8の制振ダンパーを設置して構成され
ている。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、この発明に係る制
振ダンパーと制振構造の一例を示し、図において所定間
隔に設置された左右柱1,1とこの左右柱1,1間に架
け渡された梁2とからなる建物の軸組Aの内側に制振ダ
ンパー3が取り付けられている。
【0020】左右柱1と梁2はともに、例えばRC構
造、鉄骨構造または鉄骨鉄筋コンクリート構造などで構
築され、その構造は特に限定されていない。
【0021】制振ダンパー3は、左右柱1,1間に梁2
の下側に梁2と平行に架け渡された下弦材3aとこの下
弦材3aと梁2間に下弦材3aおよび梁2の軸方向(ス
パン方向)に所定間隔おきに設置された複数の垂直材3
bとで構成されている。
【0022】下弦材3aと垂直材3bはともに、例えば
H形鋼などの形鋼や円形断面の鋼棒、あるいは帯鋼など
の鋼材で形成され、その断面形状は特に限定されるもの
ではない。また、下弦材3aの両端部よりやや内側部分
と各垂直材3bの上下両端部よりやや内側部分に塑性変
形部3cがそれぞれ形成されている。
【0023】塑性変形部3cは、建物の軸組Aが地震力
を受けて層間変位した際に発生する一定値以上の曲げモ
ーメントMによって塑性ヒンジ化する部分であり、すな
わち、塑性変形部3cは、曲げモーメントMがある一定
値に達すると、降伏して曲げモーメントMに対する抵抗
力を失い、曲げモーメントMを保ってヒンジのように回
転する部分であり、例えば図示するようにくびれたよう
な小径に形成されている。
【0024】なお、塑性変形部3cの形状は、曲げモー
メントMの分布に合わせてより大きなエネルギーを吸収
できるような形状に形成されている。例えば図2(a)
〜(c)は、塑性変形部3cの他の例を示し、曲げモー
メントMの応力分布に比例して一端側から他端側へと徐
々に小径となるようにくびれた形状に形成され、このよ
うに塑性変形部3cの形状や径を適当に変えることで、
塑性変形能力を調整することができる。
【0025】この場合、下弦材3aおよび各垂直材3b
の塑性変形部3cを除く部分は、塑性変形部3cの形状
や位置などによって塑性変形部3cより先に降伏しない
径に形成されている。
【0026】こうして形成された制振ダンパー3は、下
弦材3aの両端が左右柱1,1の内側部に、各垂直材3
bの上端が梁2の下側部にそれぞれ固定されていること
で、建物の軸組Aの内側に設置されている。
【0027】なおその際、柱1がRC構造またはSRC
構造で新築の場合には、下弦材3aの両端および各垂直
材3bの上端は、例えば図1(a)に図示するように柱
1のコンクリート内に所定深さ埋設して固定されること
もあり、また図1(b)に図示するように構築後の柱1
の側面部と梁2の下側部にアンカーボルト4等で固定さ
れることもある。
【0028】このような構成において、建物の軸組Aに
作用する地震力は、制振ダンパー3の下弦材3aと各垂
直材3bの塑性変形部3cが、地震力で発生する曲げモ
ーメントMによって塑性ヒンジ化することで吸収され
る。
【0029】この場合、例えば図4(a),(b)に図
示するように、各垂直材3bの塑性変形部3cを垂直材
3bの中央よりに設けることで、軸組Aに生じる部材角
の数倍の部材角を生じさせることができる。
【0030】図5(a),(b)はこの発明の他の例を
示し、片方の柱1側から他方の柱1側に梁2と平行に所
定長さ水平に設置された下弦材3aと、この下弦材3a
と梁2間に所定間隔おきに設置された複数の垂直材3b
とを有し、また下弦材3aの固定側の端部と各垂直材3
bの上下両端部に塑性変形部3cがそれぞれ形成されて
いる。
【0031】こうして形成された制振ダンパー3は、要
求される制振エネルギーが小さい場合に使用されるもの
で、図示するように梁2と一方の柱1との仕口部に設置
されている。 発明の実施の形態2.図6と図7は、同じくこの発明の
他の例を示し、図において、左右柱1,1とこの左右柱
1,1間に架け渡された梁2とからなる建物の軸組Aの
内側に制振ダンパー5が取り付けられている。
【0032】左右柱1と梁2はともに、例えばRC構
造、鉄骨構造または鉄骨鉄筋コンクリート構造などで構
築され、その構造は特に限定されていない。
【0033】制振ダンパー5は、左右柱1,1間に梁2
の下側に梁2と平行に架け渡された下弦材5aと、この
下弦材5aと梁2間に下弦材5aおよび梁2の軸方向
(スパン方向)に所定間隔おきに設置された複数の垂直
材5bと、下弦材5aの両端部と左右柱1との連結部、
各垂直材5bの上端部と梁2との連結部、さらに下弦材
5aと各垂直材5bとの連結部にそれぞれ取り付けられ
た塑性ダンパー5cとで構成されている。
【0034】下弦材5aは一枚の帯鋼材で、各垂直材5
bは二枚の帯鋼材でそれぞれ形成され、いずれの帯鋼材
も塑性ダンパー5cより先に降伏しないように一定厚、
一定幅以上に形成されている。なお、下弦材5aおよび
垂直材5bとしては、必ずしも帯鋼材である必要はな
く、塑性ダンパー5cを取り付けることが可能であれば
H形鋼やI形鋼などの形鋼が使用されていてもよい。
【0035】下弦材5aの両端は、左右柱1の内側部に
それぞれ突設された固定金具6aに塑性ダンパー5cを
介して接合され、各垂直材5bの上端部は梁2の下側部
に突設された固定金具6bに塑性ダンパー5cを介して
それぞれ接合されている。
【0036】さらに、各垂直材5bの下端部と下弦材5
aとは塑性ダンパー5cを介してそれぞれ連結されてい
る。なお、その際塑性ダンパー5cは各接合部および連
結部に二個ずつ介在されている。
【0037】塑性ダンパー5cは円柱形状をなす塑性変
形部5dと矩形板状をなす固定部5eとからなり、固定
部5eは塑性変形部5dの両端に鍔状にそれぞれ突設さ
れている。
【0038】また特に、塑性変形部5eは低降伏点鋼か
らなり、必要に応じて中央に貫通孔を有することで円筒
形状をなし、両端の固定部5eが上述した各接合部およ
び連結部において相反する方向に回転することで、ねじ
れモーメントを生じて塑性化し、これにより建物の軸組
Aに生じる地震エネルギーが吸収される。
【0039】また、塑性ダンパー5cの塑性変形部5d
と固定部5eは、低降伏点鋼で一体的に形成され、また
塑性変形部5dの中央の孔径を適当に変えることで塑性
変形能力を調整できるようになっている。
【0040】図8は塑性ダンパー5cの製作方法の一例
を示したので、低降伏点鋼の鋼塊を(a)に図示するよ
うに直方体形に切り出し、その中央部分を円柱状に切削
して(b)に図示するように塑性変形部5dとその両端
の固定部5eが形成されている。また、(c)に図示す
るように塑性変形部5dにその軸方向に貫通する貫通孔
が形成され、この貫通孔の内径を適当に変えることで塑
性変形能力が調整されている。さらに、固定部5eに取
り付け用のボルト孔5fが形成されている。
【0041】なお、塑性変形部5dのみが低降伏点鋼で
形成され、その両端に固定部5eとしてプレートが溶接
またはボルトで取り付けられていてもよい。
【0042】こうして形成された塑性ダンパー5cは、
下弦材5aの端部と固定金具6aとの連結部において
は、下弦材5aの両側部と固定金具6aとの間にそれぞ
れ介在され、かつ一端側の固定部5eが固定金具6a
に、他端側の固定部5eが下弦材5aの側部にそれぞれ
固定されている。
【0043】また、各垂直材5bの上端部と固定金具6
bとの連結部においては、固定金具6bの両側部と垂直
材5bとの間にそれぞれ介在され、かつ一端側の固定部
5eが固定金具6bの側部に、他端側の固定部5eが垂
直材5bの側部にそれぞれ固定されている。さらに、各
垂直材5bの下端部と下弦材5aとの連結部において
は、下弦材5aの両側部と固定金具6aとの間にそれぞ
れ介在され、一端側の固定部5eが垂直材5bの側部
に、他端側の固定部5eが下弦材5aの側部にそれぞれ
固定されている。この場合、いずれの部分においても、
固定部5eはボルトで固定されている。
【0044】このような構成において、建物の軸組Aに
作用する地震力は、各塑性ダンパー5cの両端側の固定
部5eが、上述した各接合部および連結部において相反
する方向に回転することで、塑性変形部5cにねじれモ
ーメントMP を生じて塑性変形部5cが塑性化し、これ
により建物の軸組Aに生じる地震エネルギーが吸収され
る。
【0045】図9(a),(b)は制振ダンパーの他の
例を示し、図(a)に図示するものは、建物軸組Aの片
方の柱1側から他方の柱1側に梁2の軸方向に所定長さ
水平に設置された下弦材7aとこの下弦材7aと梁2間
に所定間隔おきに設置された複数の垂直材7bを有して
形成された制振ダンパーであり、この制振ダンパー7に
おいては、下弦材7aと各垂直材7bは図6に図示する
ものと同様に一本または二本の帯鋼で形成され、また下
弦材7aの一端側と各垂直材7bの上端部は、柱1の側
部と梁2の下側部に図7に図示するような塑性ダンパー
5cを介してそれぞれ接合され、また各垂直材7bの下
端部と下弦材7aも塑性ダンパー5cを介してそれぞれ
接合されている。
【0046】こうして形成された制振ダンパー7は、特
に要求される制振力が小さくてよい場合に使用されるも
ので、例えば図示するように建物の軸組Aの柱1と梁2
との接合部(仕口部)に設置されている。
【0047】また、図(b)に図示するものは、左右支
柱8a,8aとこの左右支柱8a,8a間に支柱8aの
軸方向に所定間隔おきに設置された複数の水平材8bを
有して形成された制振ダンパーであり、この制振ダンパ
ー8においては、左右支柱8aと各水平材8bは図6に
図示するものと同様に一本または二本の帯鋼で形成さ
れ、また左右支柱8a,8aの上下両端部は上下の梁2
に図7に図示するような塑性ダンパー5cを介してそれ
ぞれ接合され、また左右支柱8a,8aと各水平材8b
も塑性ダンパー5cを介してそれぞれ接合されている。
【0048】こうして形成された制振ダンパー8は、特
に建物軸組Aの開口部を一部ふさいでもよい場合などに
使用されるもので、例えば図示するように建物軸組Aの
上下の梁2,2間に鉛直に建て付けて設置されている。
【0049】また、図9(c)は制振ダンパーの設置例
を示し、建物軸組Aのそれぞれの箇所に、必要とされる
制振力に応じたタイプの制振ダンパーが設置されてい
る。
【0050】図10(a)、(b)は、制振ダンパーの
設置方法の一例を示し、簡単に説明すると、最初に工場
などで予め製作された制振ダンパー3をリフト付きの台
車9に載せて建物軸組A内に搬入する。
【0051】次に、台車9のリフト9aを作動させて制
振ダンパー3を梁2の下まで押し上げる。そして、下弦
材3aの両端を左右柱1の内側部に、各垂直材3bの上
端部を梁2の下側部にアンカーボルトでそれぞれ固定す
る。また、必要に応じて、各固定部はモルタル10を充
填する等して隙間を塞ぎ仕上げを行う。
【0052】
【発明の効果】この発明に係る制振ダンパーは、以上説
明した通りであり、例えば柱間の梁下(例えば図1
(a)参照)または上下梁間の柱近くに寄せて取り付け
ることができるため、開口部を塞いで建物としての美観
を損ねたり、あるいは居住部分に突出して建物としての
利便性を失う等の問題はない。
【0053】また、新築の建物に限らず既存の建物にも
簡単に設置できるため、建設コストが安く建物の耐震化
を推進させることができる。
【0054】さらに、塑性変形部および塑性ダンパーが
塑性化することで、地震エネルギーを吸収するので耐震
性もきわめて高い。
【0055】また、塑性変形部と塑性ダンパーの形状や
数量を適当に増減することで、制振力を自由に調整する
ことができるため、耐震設計がし易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は制振ダンパーの設置例を示す
建物軸組の一部正面図、(c)は制振ダンパーの正面図
である。
【図2】(a)は制振ダンパーの一部省略した正面図、
(b)は制振ダンパーの垂直材を示す正面図、(c)は
垂直材に生じる曲げモーメント図である。
【図3】(a),(b)は、地震時の制振ダンパーの挙
動を示し、(a)は挙動前の建物軸組の一部正面図、
(b)は挙動後の建物軸組の一部正面図である。
【図4】(a),(b)は、地震時の制振ダンパーの挙
動を示し、(a)は挙動前の建物軸組の一部正面図、
(b)は挙動後の建物軸組の一部正面図である。
【図5】(a)は制振ダンパーの設置例を示す建物軸組
の一部正面図、(b)は制振ダンパーの正面図である。
【図6】(a)は制振ダンパーの設置例を示す建物軸組
の一部正面図、(b)と(c)はそれぞれ、(a)にお
けるイ−イ線断面図、ロ−ロ線断面図である。
【図7】(a)は塑性ダンパーの斜視図、(b)は塑性
ダンパーの取付例を示す図6(a)におけるハ−ハ線断
面図である。
【図8】(a)〜(c)は塑性ダンパーの製作方法を示
す斜視図である。
【図9】(a)〜(c)は制振ダンパーの設置例を示す
建物軸組の正面図である。
【図10】(a),(b)は制振ダンパーの設置方法を
示す建物軸組の一部正面図である。
【図11】(a),(b)は免震建物の従来例を示す正
面図である。
【符号の説明】
1 柱 2 梁 3 制振ダンパー 3a 下弦材 3b 垂直材 3c 塑性変形部 4 アンカーボルト 5 制振ダンパー 5a 下弦材 5b 垂直材 5c 塑性ダンパー 5d 塑性変形部 5e 固定部 5f ボルト孔 6a 固定金物 6b 固定金物 7 制振ダンパー 7a 下弦材 7b 垂直材 8 制振ダンパー 8a 支柱 8b 水平材 9 台車 9a リフト 10 モルタル
フロントページの続き (72)発明者 加藤 友康 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DG01 DG02 EA04 EA06 FA01 FA02 GA52 GA62 HA01 HB02 LA01 LA10 3J048 AA06 AC06 AD05 DA03 EA38 3J066 AA26 BA03 BB01 BC01 BF01 BG01 BG05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔に設置された複数の柱とこの柱
    間に架け渡された梁とからなる建物軸内に設置される制
    振ダンパーにおいて、前記柱間に架け渡される下弦材
    と、この下弦材と前記梁との間に設置される複数の垂直
    材とを有し、かつ前記下弦材または垂直材、あるいはそ
    の両方に一定値以上の応力で塑性化する塑性変形部を有
    することを特徴とする制振ダンパー。
  2. 【請求項2】 塑性変形部は、下弦材または垂直材、ま
    たはその両方の一部をくびれたように小径に形成してな
    ることを特徴とする請求項1記載の制振ダンパー。
  3. 【請求項3】 所定間隔に設置された複数の柱とこの柱
    間に架け渡された梁とからなる建物軸内に設置される制
    振ダンパーにおいて、前記梁間に建て付けられる複数の
    支柱と、この支柱間に設置される複数の水平材とを有
    し、かつ前記支柱または水平材、あるいはその両方に一
    定値以上の応力で塑性化する塑性変形部を有することを
    特徴とする制振ダンパー。
  4. 【請求項4】 塑性変形部は、支柱または水平材、また
    はその両方の一部をくびれたように小径に形成してなる
    ことを特徴とする請求項3記載の制振ダンパー。
  5. 【請求項5】 所定間隔に設置された柱とこの柱間に架
    け渡された梁とからなる建物軸内に設置される制振ダン
    パーにおいて、前記柱間に架け渡される下弦材と、この
    下弦材と前記梁との間に設置される複数の垂直材と、前
    記下弦材と前記柱、前記垂直材と前記梁および/または
    前記下弦材と前記垂直材とをそれぞれ接合する塑性ダン
    パーとを有し、かつ前記塑性ダンパーは一定値以上の応
    力で塑性化するように形成してなることを特徴とする制
    振ダンパー。
  6. 【請求項6】 所定間隔に設置された柱とこの柱間に架
    け渡された梁とからなる建物軸内に設置される制振ダン
    パーにおいて、上下の梁間に建て付けられる複数の支柱
    と、この支柱間に設置された複数の水平材と、前記支柱
    と前記梁および/または前記支柱と前記水平材とをそれ
    ぞれ接合する塑性ダンパーとを有し、かつ前記塑性ダン
    パーは一定値以上の応力で塑性化するように形成してな
    ることを特徴とする制振ダンパー。
  7. 【請求項7】 塑性ダンパーは、円柱状をなす塑性変形
    部とこの塑性変形部の両端部に突設された板状の固定部
    とを有することを特徴とす請求項5または6記載の制振
    ダンパー。
  8. 【請求項8】 塑性変形部の中央に貫通孔を有すること
    を特徴とする請求項7記載の制振ダンパー。
  9. 【請求項9】 所定間隔に設置された柱とこの柱間に架
    け渡された梁とからなる建物の軸組内に請求項1、2、
    3、4、5、6、7または8の制振ダンパーを設置して
    なることを特徴とする制振構造。
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