JP2002188314A - 耐震性に優れた壁構造、その構築方法、並びに高壁耐力,減震機能付与の壁パネル - Google Patents

耐震性に優れた壁構造、その構築方法、並びに高壁耐力,減震機能付与の壁パネル

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JP2002188314A
JP2002188314A JP2000387451A JP2000387451A JP2002188314A JP 2002188314 A JP2002188314 A JP 2002188314A JP 2000387451 A JP2000387451 A JP 2000387451A JP 2000387451 A JP2000387451 A JP 2000387451A JP 2002188314 A JP2002188314 A JP 2002188314A
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眞一郎 石▲橋▼
Toshiharu Maeda
敏治 前田
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Tokico Ltd
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Edogawa Unitec Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高壁倍率の耐力を有しながら、減震機能も併
せ持った壁構造を提供する。 【解決手段】 隣接する柱とその上・下端間に架設した
上,下の横架材とで形成した柱・桁構造の内側空間を厚
み方向に二分し、その一方の空間にX字形に交叉する一
対の斜材を有する壁耐力増強のための筋交い構造を設け
ると共に、厚み方向に二分した他方の空間に、上・下端
が上・下の横架材に固定された上側支持板下側支持板の
一対、及びこれらを連結して両者の水平方向及び垂直方
向の相対移動を緩衝するダンパ装置の組合せからなる減
震機構を設けた耐震性に優れた壁構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐力と減震機能
を有する耐震性に優れた木造建築物における壁構造に関
するものである。
【0002】
【従来技術】一般に木造建築物においては、図7に示す
ように、建物の強度を向上させるために、壁構造を構成
する柱(支柱)1と横架材(土台と梁)2,3の壁内部
空間に筋交いを入れることが古くからから行われてい
る。
【0003】この筋交いにより補強される壁構造は、1
本の斜材を入れた筋交い構造又はX字型に斜材を交叉さ
せた筋交い構造とされ、一般的には現場で斜材を釘の打
設などで柱や横架材に連結固定する作業を行うのが普通
である。しかしこのような現場作業を行う在来工法の場
合は、作業工数が多くなって建築作業期間が長くなり、
ひいては建築費のコスト上昇を招くことが問題となるた
めにその改善が求められていた。
【0004】しかし、壁構造の耐力補強の程度(「壁倍
率」という)は筋交いの構造(斜材の数等)と斜材の太
さに依存し、これを設置する壁構造内部の空間の厚みW
は制限されているため特にX字型の筋交いで太い斜材を
用いることは難しく、高い壁倍率を得ることは容易でな
い。
【0005】ところで、実際の住宅建築においては、上
述した現場作業の工期短縮の要求と共に、近時において
は、比較的頻繁に発生する地震、特に強い横揺れなどに
耐え得るようにした壁構造が求められる傾向が大きくな
ってきており、高い耐震性を有するように補強された壁
構造が要望されている。
【0006】そこで耐震性向上を図る対策が考えられ、
その一つとして、高い壁倍率を得ることができるX字型
構造の筋交いを、壁空間内の厚み方向に斜材を単純に重
ねて設けるのではなく、1本の斜材(一方の斜材)に対
してX字型構造を形成するもう1本の斜材(他方の斜
材)をその長さ方向の中間で分割すると共に、この各分
割材を柱間部分で上記一方の斜材につき当てかつ突き当
てた両方の斜材を鉄板等からなる連結部材を用いて強固
に連結固定するようにした壁構造が提案されている(特
開平11−6207号公報及び特開平11−6208号
公報)。
【0007】この提案のものは、プレキャスト型のパネ
ル(「壁高耐力付与パネル」と称する)を工場生産して
現場に搬送するのに適した構成とすることができるの
で、現場作業工数の削減、建築作業期間の短縮に有効
で、また2本の斜材を同一平面内に配置したX字型構造
の筋交いを実現できるので太い斜材を使用でき、建築基
準法での高い耐震性を有する高壁倍率耐力をもった壁構
造を提供できる利点がある。
【0008】上記耐震性向上の対策の別のものとして
は、一単位の壁構造を構成する隣接柱間や上下の横架材
間に生ずる水平方向,鉛直方向の相対的なずれ衝撃を緩
和して、耐震性の向上を図った提案(特開2000−4
5563号公報)もされている。
【0009】この提案のものは、図8に示されるよう
に、上側横架材(梁)3に固定される上枠31と、下側
横架材(土台,柱)2に固定される下枠21と、これら
上枠31と下枠21の間を連結するダンパ装置(衝撃緩
衝装置)4と、上記上枠31と下枠21を柔軟に連結
(弱く拘束して連結)する枠連結支柱5とを備えてい
て、上枠31と下枠21の間に地震などによる相対変位
が生じたときにダンパ装置4で減衰力を作用させて振動
エネルギーを吸収するものであり、壁構造の耐震性を向
上させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように説明され
る各対策のものは、木造建築物の耐震性向上を図る具体
的な構成、作用はそれぞれ全く異なるものであるので、
高壁倍率耐力の構造を採用すると共に、上枠と下枠間の
衝撃的な相対変位をダンパで減衰するダンパ機構を採用
することを併せて行うことができれば、高い壁耐力を有
しつつ減震機能を有する耐震性に優れた壁構造を得るこ
とができる。
【0011】しかしながら、これらの観点の異なる構
造,機構を一つの木造構造物において同時に有効に採用
することは簡単でない。その理由は以下の通りである。
すなわち、第1に、上記の構造,機構は上述のようにそ
の原理,作用は異なるが、補強のために壁構造の内部空
間内にこれらを設置する必要があるため、設置場所が共
通することになり、内部空間は狭いことが問題となる。
【0012】第2に、個人住宅等の木造建築物において
は、図9に示すように、屋外との出入り口(玄関、庭,
ベランダ等への出入り口)、窓等がある壁構造部分や、
屋内のドアのある壁構造部分が多数あり、このような壁
構造部分には上記の筋交いや減震機構を組み込むことが
できないし、更に筋交いや減震機構を組み込むことがで
きる壁構造部分も壁面に沿った水平方向の長さを十分に
確保できないために、一般に耐震性に優れた壁構造を多
数設けることができない。
【0013】上記の各問題に加えて更に次の問題があ
る。例えば図8に示したように、厚み方向に余裕がない
ことから、一単位の壁構造を更に中間柱11を入れて壁
面に沿った方向に区画を分け、一方の区画61に筋交い
構造を設置し、他方の区画62にダンパ装置を含む減震
機構を設置することが考えられるが、このようにすると
壁面に沿った水平方向の長さがきわめて短くなり、特に
筋交いの補強効果が減少し、上述した耐震補強した壁構
造の部分を多数設けられないことと合わせて建物全体の
耐震性向上が十分達成できないことになる。
【0014】本発明は、以上のような種々の観点から、
高壁倍率の耐力を有しながら、減震機能も併せ持った壁
構造を有効に設けることができる耐震性に優れた木造建
築物における壁構造及びその構築方法を提供することを
目的としてなされたものである。
【0015】また本発明は、容易な作業で構築すること
ができるプレキャスト型の高壁耐力付与パネルの提供
と、これを用いた壁構造の提供を目的としてなされたも
のである。
【0016】更にまた本発明の別の目的は、容易な作業
で高壁倍率の耐力壁を構築可能として、施工工期の短
縮、ひいては建築コストの低減に有効な高壁耐力付与パ
ネルを提供するところにある 。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】本願発明の目的
は以下の発明(1)〜(12)により達成される。 (1)木造建築物の壁構造であって、隣接する柱とその
上端間及び下端間にそれぞれ架設された上,下の横架材
とで形成される柱・桁構造と、この柱・桁構造の内側に
形成された空間を厚み方向に二分した一方の空間に設け
られて、上記空間の四頂点を対角として各端部が柱及び
/又は横架材に締結固定されたX字形に交叉する一対の
斜材を有する壁耐力増強のための筋交い構造と、上記厚
み方向に二分された他方の空間に設けられて、上端が上
横架材に固定された上側支持板、下端が下横架材に固定
された下側支持板、及びこれら上側支持板と下側支持板
を連結して両者の水平方向及び垂直方向の相対移動を緩
衝するダンパ手段の組合せからなる減震機構とを備え、
上記筋交い構造の交叉する一方の斜材は分割二部材から
なり、他方の斜材に対し同一平面内で当接して金属製薄
板で強固に連結して構成されていることを特徴とする耐
震性に優れた壁構造。 (2)上記減震機構の上側支持板及び下側支持板の壁厚
み方向の倒れ止めを、厚み方向の片側は前記筋交い構造
物により行い、厚み方向の他側は、上記柱・桁構造の柱
間内側に渡って固定した横桟により行うように設けたこ
とを特徴とする発明(1)に記載の耐震性に優れた壁構
造。 (3)上記減震機構の上側支持板及び下側支持板は、柱
と横架材の締結治具を組み付ける隙間を柱との間に有す
るように、柱に対し離間して配置したことを特徴とする
発明(1)に記載の耐震性に優れた壁構造。 (4)上記減震機構は、一つのダンパの一端が壁厚み方
向の軸回りに回転自在に上側支持板の下端縁に枢着され
ると共に、他端が壁厚み方向の水平方向の軸回りに回転
自在に下側支持板の上端縁に枢着され、更にこのダンパ
は、伸張・縮少の方向が略水平方向の姿勢に設定されて
いることを特徴とする発明(1)に記載の耐震性に優れ
た壁構造。 (5)上記ダンパ手段の両端を支持する軸受けが予め上
記上側支持板及び下側支持板に設けられていると共に、
これら上側支持板及び下側支持板と上・下の横架材の壁
面に沿った水平方向の位置決め手段が設けられているこ
とを特徴とする発明(4)に記載の耐震性に優れた壁構
造。 (6)木造建築物の隣接する柱とその上端間及び下端間
にそれぞれ架設された上,下の横架材とで形成される柱
・桁構造を高壁耐力でかつ減震機能を有するようにした
上記発明(1)〜(5)のいずれかに記載の壁構造の構
築方法であって、上端が上横架材に固定された上側支持
板、下端が下横架材に固定された下側支持板、及びこれ
ら上側支持板と下側支持板を連結して両者の水平方向及
び垂直方向の相対移動を緩衝するダンパ手段の組合せか
らなる減震機構を、上記柱・桁構造の内側空間に設けた
後、次いでこの柱・桁構造の壁の厚み方向に分割されて
いる内側空間に、X字形に交叉すると共に、各端部が前
記柱・桁構造の内側空間の四頂点に締結される一対の斜
材として予め形成された筋交い構造物を設けることを特
徴とする高壁耐力でかつ減震機能を有する壁構造の構築
方法。 (7)上記減震機構を柱・桁構造の内側空間に設ける際
に、上側支持板及び下側支持板を、隣接する柱間に渡る
ように仮り固定した横桟に仮り固定することを特徴とす
る発明(6)に記載の高壁耐力でかつ減震機能を有する
壁構造の構築方法。 (8)上記減震機構の構築、及び筋交い構造物の構築後
に、前記仮り固定用横桟を取り外し、前記上側支持板と
下側支持板の片側への倒れ止めをする横桟を、前記柱・
桁構造の隣接柱に渡って内側空間内に固定することを特
徴とする発明(7)に記載の高壁耐力でかつ減震機能を
有する壁構造の構築方法。 (9)柱・桁で形成される四角形の壁構造をその内側空
間内の対角を一対の斜材で締結固定できるように予め筋
交い構造物として構築した壁パネルであって、上記壁構
造の内部空間を厚み方向に二分した一方の空間内の同一
平面内で収容されるように、該筋交い構造物の交叉する
一方の斜材は分割二部材からなり、他方の斜材に対し同
一平面内で当接して金属製薄板で強固に連結して構成さ
れていることを特徴とする上記発明(6)〜(8)のい
ずれかに記載の高壁耐力でかつ減震機能を有する壁構造
の構築に用いる壁パネル。 (10)交叉する一対の斜材を、水平方向に延設した補
強板で締結していることを特徴とする上記発明(9)に
記載の高壁耐力でかつ減震機能を有する壁構造の構築方
法に用いる壁パネル。 (11)上記補強板が、柱・桁で形成される四角形の壁
構造の内側空間内に位置するように設けられていること
を特徴とする上記発明(10)に記載の高壁耐力でかつ
減震機能を有する壁構造の構築方法に用いる壁パネル。 (12)上記補強板が、柱・桁で形成される四角形の壁
構造の空間外に位置するように設けられていることを特
徴とする上記発明(10)に記載の高壁耐力でかつ減震
機能を有する壁構造の構築方法に用いる壁パネル。
【0018】
【発明の実施の形態】実施例1 本例は図1〜図3に示される。これらの図において、木
造建築物の外壁として構築される壁構造は、その隣接す
る柱101及びその上側端及び下側端に渡って水平に架
設される横架材(桁)102,103で骨格が構成さ
れ、これらで囲まれた内側空間は、壁の厚み方向に二分
されていて、建物の外部側にX字形の筋交い構造物10
4が組み込まれると共に、内部側に減震機構105が組
み込まれるようになっている。
【0019】上記X字形の筋交い構造104は、図2及
び図3によりその詳細が説明され、上記柱・桁構造の四
頂点の対角間に斜めに架設される一対の斜材1041,
1042を有し、一方の斜材1041は図の如く上記対
角間に渡る1本の長尺の材からなり、両端が柱・桁構造
の隅部と図示しないブラケット,ボルト等により強固に
固定される。また他方の斜材1042は、中間部で分割
されていて、中間部で上記一方の斜材1041に当接す
ると共に、端部で柱・桁構造の隅部と図示しないブラケ
ット,ボルト等により強固に固定される。なお、この他
方の斜材1042はその中間部で金属製薄板の連結板
(継ぎ手)1043をその側面に添って組み付けて、予
め穿設した釘穴に釘を打ち込むことで一対の斜材104
2及び斜材1041を強固に連結固定するようになって
いる。
【0020】これにより一対の斜材1041,1042
は同一平面内でX字形に強固に一体化した筋交いとして
構成される。
【0021】1044は補強板であり、構造用合板を矩
形に形成して設けられ、横方向(壁面に沿った方向の)
寸法は柱101間の内寸法に一致して内側空間内に嵌合
するように、X字形筋交いの上・下の端部側において、
X字形筋交い構造を構成する斜材1041,1042を
その端部側で釘打ちで強固に連結固定し、ねじれ防止を
図ることで該筋交い構造物を補強するようになってい
る。なお、この補強板1044及び後述する垂直方向の
中桟1047、縦枠1045等を含めて、X字形筋交い
構造物を予め工場等で製造したプレキャスト型の壁パネ
ルとして形成することができ、これを用いる場合には、
誤差等を考慮して該補強板1044は柱間の寸法よりも
若干短く設定しておくことが好ましい。なお、本例にお
いては、この補強板1044は上記金属製連結板104
3と同じ面側で、この金属製連結板1043とは重なら
ない位置で一対の斜材1041,1042に釘打ちで固
定される。
【0022】この金属製連結板1043と補強板104
4を、一対の斜材1041,1042に対して同じ側の
面に固定することは、壁の厚み方向の余裕がない本発明
の適用対象として重要である。すなわち、減震機構が同
じ厚みとすれば、筋交いの斜材をその分太くできるから
である。
【0023】1045は、上記上・下の補強板1044
の横方向の両端部に縦方向の姿勢で釘打ち固定された角
棒材からなる縦枠であり、本例では、上記補強板104
4のX字形筋交い斜材に対する固定面とは反対側の面に
固定され、上・下の横架材102,103との間には、
筋交い構造物を柱・桁構造物に固定するためのブラケッ
ト等を組み込むための空間を残すことができるように上
・下方向に短尺に設けられている。この縦枠1045
は、いくつかの機能を果たすためのものであり、第一
に、プレキャスト型のX字形筋交い構造物を当該壁構造
の内側空間に嵌合させて固定する際に、該縦枠1045
を一対の隣接柱101に固定ないし仮り固定して、その
斜材端部と柱・桁構造の四隅の固定作業を容易に行える
ようにすることに利用される。第二に、X字形筋交い構
造物を補強する上・下の補強板1044を連結固定する
ことで、補強効果を一層高めることができる作用を奏す
る。第三に、この縦枠1045を補強板1044の筋交
い構造物とは反対側の面に固定し、これらの一対の縦枠
1045に渡って横桟1046を架設固定することで、
後述する減震機構の上側支持板及び下側支持板の倒れ止
め構造を、上記補強板1044と共に効果的に果たすこ
とができるという利点がある。すなわち、減震機構にお
ける上側支持板1051と下側支持板1052は、上・
下の横架材102,103に各々固定されると共に、こ
れら上側支持板1051及び下側支持板1052はダン
パ装置1053を介して連結されるが、上・下の横架材
102,103の壁面に沿った水平方向の移動は震動減
衰機能を奏しつつも相互の相対移動は許容する必要があ
り、このために上記上側支持板1051と下側支持板1
052はX字形筋交い構造物とは非固定の関係に設けら
れる。しかしそのままでは、これら上側支持板1051
と下側支持板1052は厚み方向に容易に倒れてしまう
ことになるので倒れ止め機構を設ける必要がある。しか
るに、壁厚み方向の余裕がなく、また上側支持板105
1と下側支持板1052の倒れ止めのための隙間は精度
よく形成することが求められる。これらのことから本例
においては、X字形筋交い構造物に固定した補強板10
44を一面側の倒れ止めとして用い、他面側は、この補
強板1044に対して直接固定されることで壁厚み方向
の隙間を最大限有効にかつ隙間の大きさを正確に得るこ
とができる縦枠1045を利用して、横桟1046を固
定するようにしたものである。なお、上・下の支持板1
051,1052を上・下の横架材102,103に固
定するためには、適宜の固定金具を用いることができる
が、好ましくは、厚み方向の凹部に支持板を嵌入して横
架材に螺子で固定する第1のブラケット1048と、壁
面に沿った方向のズレを防止するように横架材に螺子で
固定するL型金具等の第2のブラケット1049を併用
することがよい。
【0024】1047は、X字形筋交い構造物と同一の
平面内において、その一対の斜材1041,1042の
交叉部から、上側横架材(梁又は桁ともいう)、及び下
側横架材(土台ともいう)に渡って上・下方向に延設さ
れた中桟であり、外壁材の固定に利用される。この中桟
1047は、上記の上・下の補強板1044に釘打ち固
定される。
【0025】次に、上記した柱・桁からなる壁構造の建
物内部側に区画された内側空間に収容される減震機構1
05について説明する。
【0026】本例のこの機構は、上側横架材102に上
端が固定された上側支持板1051と、下側横架材10
3に下端が固定された下側支持板1052とを有し、か
つ上側支持板1051の下端部と下側支持板1052の
上端部は、ダンパ装置1053を介挿することができる
間隙を保つように設けられていて、略水平姿勢をなすダ
ンパ装置(減震装置)1053の一端は上側支持板10
51の下端部に水平方向(壁厚み方向)の軸10531
の回りに回転自在に枢着され、他端は下側支持板105
2の上端部に水平方向の軸10532の回りに回転自在
に枢着されている。このダンパ装置1053には、軸方
向の圧縮,伸張の両方向に対する衝撃荷重を減衰するい
わゆるショックアブソーバを用いることができ、上側支
持板1051と下側支持板1052の壁面に沿った水平
方向の圧縮,伸張の衝撃荷重を緩和・減衰することがで
きる。
【0027】なお、ダンパ装置1053は、セッティン
グ時の両端支持位置がずれると装置の性能が十分に発揮
できないことがあるので、上側支持板1051及び下側
支持板1052と、上・下の横架材との壁面に沿った位
置決めを正確に与えることが好ましく、このために、上
側支持板1051と上側横架材102、及び下側支持板
1052と下側横架材103の壁面に沿った位置を正確
に決めるための位置決め手段、例えば両者の間に設けた
図示しない凹凸嵌合部等を設けることが望ましい。
【0028】次に、以上のような構成を有する耐震壁構
造をプレキャスト壁パネルを用いて構築する場合の方法
について以下説明すると、本例の構造を有する高耐力壁
構造を構築するに当たり、予め工場等で形成したプレキ
ャスト構造の部材を使用して、初めに減震機構を構築
し、次に筋交い構造物を嵌合固定する順序で減震機能を
有する高耐力の壁構造が構築する場合を挙げることがで
きる。
【0029】すなわち、まず、ダンパ装置1053の端
部を水平方向の軸回りに回転自在に支持する軸受けブラ
ケット1054,1055を予め固定した減震機構を構
築するための上・下の上側支持板1051及び下側支持
板1052を準備する。この上側支持板1051及び下
側支持板1052には、更に、横架材102,103と
固定するためのL型金具等の第1のブラケット104
8、第2のブラケット1049を固定しておいてもよ
く、また壁面に沿った方向の横架材との位置決め手段
(例えば凹凸嵌合部等)を設けておくことも好ましい。
更に又、構築の際にこれら上側支持板1051及び下側
支持板1052の厚み方向の倒れを防ぐための支持手段
として、仮り固定用横桟10461をパッキン1046
2等を介して仮り固定しておき、この仮り固定用横桟1
0461の両端を隣接する柱101に仮り固定すること
で、ダンパ装置1053の取り付け作業を容易化するこ
とも好ましい。本例で言えば、図1(イ)で示した横桟
は仮り固定用横桟10461としての長さを有してい
て、プレキャスト壁パネルにパッキン等を介し予め固定
しておくことで上記仮り固定用に利用され、現場での壁
構造の構築の最終段階では、仮り固定を外し、パッキン
を除き、所定の寸法に切断して、壁面の内側空間内に嵌
合して横桟として機能するように用いられる。
【0030】すなわち、図2に示したX字形筋交い構造
物を柱・桁構造の外部側の内側空間に嵌合し、縦枠10
45を柱101に仮り固定してから、一対の斜材104
1,1042の端部を柱・桁構造の四隅にブラケット,
ボルト等を用いて強固に固定し、その後、上記した仮り
固定用横桟10461を取り外し、更にパッキン104
62を外して柱間の内寸法にあうように切断し、上記縦
枠1045の側面であって壁構造の内側空間に入る位置
に釘打ち固定する。
【0031】以上の構築作業により、本例においては、
壁構造の内側空間内で二分されたうちの内側空間に、予
め所定の部材がプレキャストされた上側支持板1051
及び下側支持板1052を組み付け、更にダンパ装置1
053が組み付けられるので減震機構の構築が容易であ
り、その次にX字形筋交い構造物を容易に構築すること
ができるという効果が奏される。
【0032】また、X字形筋交い構造物の補強板104
4を、減震機構の片側の倒れ止めに利用し、更に、他側
の倒れ止めに縦枠1045を利用して固定した横桟を用
いて行うことができるので、構造物を収容することにつ
いて制約の大きい壁厚み方向の問題を効果的に解消でき
るという効果が奏される。
【0033】実施例2 本例は図4,図5に示される。本例の特徴は、補強板の
配置と形状が実施例1とは異なるところにあり、その他
の構成は同じである。したがって、実施例1と共通する
部材及び構成については、符号の先頭番号1を2に替え
て示し、特に必要のある場合を除いて説明は省略した。
【0034】本例の特徴は、筋交い構造物の補強板20
44が、柱・桁構造によって形成される内側空間よりも
一回り大きい寸法の全面に設けられていて、かつ筋交い
構造物の一対の斜材2041,2042を連結固定する
連結板(継ぎ手)203の接合面とは反対側(建物の外
側部)に釘打ち固定されているところにある。
【0035】また、本例の壁構造を構築する作業は、実
施例1と同様に減震機構を初めに構築し、次に筋交い構
造物を壁構造の内側空間に嵌合して固定するようにして
行われ、その作業の際に、パッキン(図示せず)を介し
て仮り固定用の横桟(図示せず)で上・下の支持板20
51,2052を仮り固定して減震機構を構築し、更に
筋交い構造物を固定した後に、この仮り固定用横桟を外
し、内側空間内に嵌合するのに適した長さに切断してか
ら横桟2046として縦枠2045に固定して、上側支
持板2051及び下側支持板2052の倒れ止めとして
機能するようになっている。
【0036】以上のように設けることで、補強板204
4の外縁部は柱・桁構造の内側空間よりも外部側に位置
して柱201及び横架材202,203に釘打ち固定さ
れることになるので、該内側空間内の厚み方向の余裕が
該補強板2044の厚み分だけ大きくなり、その分例え
ば筋交い構造物を構成する斜材2041,2042に断
面寸法の大きなものを用いることができて、より壁倍率
の高い高耐力壁を採用できるという利点がある。
【0037】実施例3 本例は図6に示される。本例は柱間の寸法が大きな壁構
造に用いられるものであり、その特徴は、補強板の配置
と形状が実施例2と同様である点で実施例1と異なり、
また壁面に沿った水平方向の寸法が大きいために縦方向
の中桟3047が2本設けられている点で実施例2と異
なる。したがって、実施例1と共通する部材及び構成に
ついては、符号の先頭番号1を3に替えて示し、特に必
要のある場合を除いて説明は省略した。
【0038】本例の特徴は、筋交い構造物の補強板30
44が、柱・桁構造によって形成される内側空間よりも
一回り大きい寸法の全面に設けられていて、かつ筋交い
構造物の一対の斜材3041,3042を連結固定する
連結板(継ぎ手)3043の接合面とは反対側(建物の
外部側)に釘打ち固定されている点で異なっている。
【0039】また、本例の壁構造を構築する作業は、実
施例1と同様に減震機構を初めに構築し、次に筋交い構
造物を壁構造の内側空間に嵌合して固定するようにして
行われ、その作業の際に、実施例2と同様にパッキン
(図示せず)を介して仮り固定用の横桟(図示せず)で
上・下の支持板3051,3052を仮り固定して減震
機構を構築し、更に筋交い構造物を固定した後に、この
仮り固定用横桟を外し、内側空間内に嵌合するのに適し
た長さに切断してから横桟3046として縦枠3045
に固定して、上側支持板3051及び下側支持板305
2の倒れ止めとして機能するようになっている。
【0040】以上のように設けることで、補強板304
4は柱・桁構造の内側空間よりも外部側に位置すること
になるので、該内側空間の厚み方向の余裕が該補強板3
044の厚み分だけ大きくなり、その分例えば筋交い構
造物を構成する斜材3041,3042に断面寸法の大
きなものを用いることができて、より壁倍率の高い高耐
力壁を採用できるという利点がある。なお、2本の縦方
向の中桟3047は筋交い構造物の連結板3043と厚
み方向に重複しない位置に設けられる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
壁倍率の耐力を有しつつ減震機能を併せ持った壁構造を
有効に設けることができる耐震性に優れた木造建築物の
壁構造、及び現場での工期を短縮することができる構築
方法を提供することができるという効果が奏される他、
更に以下の効果が奏される。 (イ):上記発明(2)の壁構造によれば、減震機構を
構成する上側支持板及び下側支持板の厚み方向の倒れ防
止に、筋交い構造物を利用することができるので、一つ
の部材,機構を筋交い構造物と減震機構に両用でき、そ
の分、部品数の削減が可能となると共に、壁厚み方向の
余裕のない構造内での空間を有効に利用できるという利
点が得られる。 (ロ):上記発明(3)によれば、上記発明(2)の構
成と併せて、X字形筋交い構造物の端部と柱・桁構造の
四隅との連結固定を行わせる際のブラケット等の設置空
間、作業空間を確保できるので、簡便な作業で壁構造を
構築することが可能となる。 (ハ):上記発明(4)によれば、減震機構を構成する
ダンパが一つであるので組み込み作業が容易であり、作
業工数が少ないと共に、部品数が少ないので全体のコス
ト低減を有効に図ることができる。 (ニ):上記発明(5)によれば、ダンパ枢着軸受けを
有するブラケットを工場等で予め上側支持板及び下側支
持板に組み付けておくことができるので、その位置決め
精度を高く確保することができ、また、横架材との壁面
に沿った位置決めを凹凸嵌合等で精度よく確保できるの
で、ダンパ(ショックアブソーバ)の性能を最も高く発
揮させることができる状態で設置することができる。 (ホ):上記発明(6)の壁構造の構築方法によれば、
ダンパを組み込む作業を、空間的に制約の少ない状況下
で行うことができ、その後、X字形筋交い構造物を組み
込むようにするので、特にプレキャスト壁パネルを用い
る作業では、その現場作業の効率化が極めて優れ、作業
の単純化、工期の短縮化などから、建築コストの低減な
どの面で木造建築物におけるコスト面で優れた効果が得
られる。 (ヘ):上記発明(7)によれば、厚み方向に姿勢が不
安定である減震機構の上側支持板及び下側支持板を仮り
固定用横桟で仮り固定することができるので、この減震
機構の構築作業を容易に行うことができるという効果が
得られる。 (ト):上記発明(8)によれば、減震機構の上側支持
板及び下側支持板を仮り固定して全体の構造を構築した
後、この仮り固定用横桟を取り外し、柱・桁構造の内側
空間内に上側支持板及び下側支持板の倒れ止め横桟を固
定することで筋交い構造物と一対をなして厚み両方向へ
の倒れ止めを行うことができ、減震機能付き耐震壁構造
の構築作業を効率よく行うことができるという効果が奏
される。また特に、上記仮り固定用横桟を予め上側支持
板及び下側支持板に組み付けておいて、減震機構の構築
作業時にこれを柱に仮り固定し、全体作業の終了後に、
該固定用横桟を取り外し、長尺方向寸法を柱・桁構造の
内側空間内に嵌合するように切断して嵌合固定すれば、
部材の無駄がなく作業も遅滞なく行うことができる点で
効果的である。 (チ):上記発明(9)の壁パネルによれば、減震機構
と共に柱・桁構造の内側空間内に設けられるX字形筋交
い構造物を予め工場等で精度よく構成しておくことがで
き、これを建築現場に搬送して直ちに壁構造の構築に利
用できるので、現場での工期を著しく短縮することがで
きるという効果が奏される他、同プレキャストされた壁
パネルの壁耐力を十分に高く設計することができるとい
う効果が奏される。 (リ):上記発明(10)〜(12)によれば、目的と
する減震機能及び高壁耐力の壁構造を構築するのに適し
た、X字形筋交い構造物を、予め工場等で製造して現場
に搬送し、構築することができるという効果が奏される
他、X字形筋交いの一面側に補強板を設ける場合、他面
側に補強板を設ける場合のそれぞれにおける効果を奏す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の耐震性に優れた壁構造の減震機構部
分を説明するための図であり、(イ)はその壁厚み方向
からみた正面図、(ロ)は同(イ)図のA矢視図、
(ハ)はダンパ装置部分の平面図である。
【図2】同実施例1の壁倍率を増強する高耐力壁部分を
説明するための図であり、(イ)はその建物内側からみ
た正面図、(ロ)は同(イ)図のB矢視図、(ハ)は平
面図である。
【図3】同実施例1の高耐力壁構造を示し、(イ)はそ
の斜視図、(ロ)連結板の斜視図である。
【図4】実施例2の壁倍率を増強する高耐力壁部分を説
明するための図であり、(イ)はその建物内側からみた
正面図、(ロ)は同(イ)図のC矢視図、(ハ)は平面
図である。
【図5】同実施例2の壁倍率を増強する高耐力壁部分と
減震機構を組み込んだ壁構造全体を説明するための図で
あり、(イ)はその建物内側からみた正面図、(ロ)は
同(イ)図のD矢視図、(ハ)はダンパ装置部分の平面
図である。
【図6】実施例3の壁倍率を増強する高耐力壁部分と減
震機構を組み込んだ壁構造全体を説明するための図であ
り、(イ)はその建物内側からみた正面図、(ロ)は同
(イ)図のE矢視図、(ハ)はダンパ装置部分の平面図
である。
【図7】本発明の壁構造を適用する柱・桁構造の内側空
間を示した図である。
【図8】図7の柱・桁構造の内側空間を壁面に沿って二
分割し、一方に筋交い構造物を組み付け、もう一方に減
震機構を組み付けた状態を示した図である。
【図9】一般的な2階建ての木造住宅において本発明を
適用できる壁構造部分を示した図である。
【符号の説明】
1:柱 2:下側横架材(土台、桁) 21:下枠 3:上側横架材(梁、桁) 31:下枠 4:ダンパ装置 5:枠連結支柱 61:一方の区画 62:他方の区画 7:斜材 11:柱間柱 101:柱 102,103:横架材(桁) 104:筋交い構造物 1041,1042:斜材 1043:連結板(継ぎ手) 1044:補強板 1045:縦枠 1046:横桟 10461:仮り固定用横桟 10462:パッキン 1047:中桟 1048:第1のブラケット 1049:第2のブラケット 105:減震機構 1051:上側支持板 1052:下側支持板 1053:ダンパ装置 10531:(水平方向の)軸 10532:(水平方向の)軸 1054,1055:軸受けブラケット 201:柱 202,203:横架材(桁) 204:筋交い構造物 2041,2042:斜材 2043:連結板(継ぎ手) 2044:補強板 2045:縦枠 2046:横桟 2047:中桟 301:柱 302,303:横架材(桁) 304:筋交い構造物 3041,3042:斜材 3043:連結板(継ぎ手) 3044:補強板 3045:縦枠 3046:横桟 3047:中桟
フロントページの続き (72)発明者 前田 敏治 川崎市川崎区東田町8番地 トキコ株式会 社内 Fターム(参考) 2E001 DG01 DG02 EA09 FA01 FA02 GA12 GA63 HC01 HC02 KA03 LA01 LA12 LA18 2E002 EB12 FA03 FB07 FB13 FB14 FB15 GA01 GA14 LC01 LC02 MA07 MA12 2E125 AA03 AA13 AA33 AA52 AB12 AC23 AE16 AG03 AG04 AG07 BB03 BB08 BC09 BD01 BF08 CA02 CA05 EA25 EA33

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造建築物の壁構造であって、 隣接する柱とその上端間及び下端間にそれぞれ架設され
    た上,下の横架材とで形成される柱・桁構造と、この柱
    ・桁構造の内側に形成された空間を厚み方向に二分した
    一方の空間に設けられて、前記空間の四頂点を対角とし
    て各端部が柱及び/又は横架材に締結固定されたX字形
    に交叉する一対の斜材を有する壁耐力増強のための筋交
    い構造と、前記厚み方向に二分された他方の空間に設け
    られて、上端が上横架材に固定された上側支持板、下端
    が下横架材に固定された下側支持板、及びこれら上側支
    持板と下側支持板を連結して両者の水平方向及び垂直方
    向の相対移動を緩衝するダンパ手段の組合せからなる減
    震機構とを備え、前記筋交い構造の交叉する一方の斜材
    は分割二部材からなり、他方の斜材に対し同一平面内で
    当接して金属製薄板で強固に連結して構成されているこ
    とを特徴とする耐震性に優れた壁構造。
  2. 【請求項2】 前記減震機構の上側支持板及び下側支持
    板の壁厚み方向の倒れ止めを、厚み方向の片側は前記筋
    交い構造物により行い、厚み方向の他側は、前記柱・桁
    構造の柱間内側に渡って固定した横桟により行うように
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の耐震性に優れ
    た壁構造。
  3. 【請求項3】 前記減震機構の上側支持板及び下側支持
    板は、柱と横架材の締結治具を組み付ける隙間を柱との
    間に有するように、柱に対し離間して配置したことを特
    徴とする請求項1に記載の耐震性に優れた壁構造。
  4. 【請求項4】 前記減震機構は、一つのダンパの一端が
    壁厚み方向の軸回りに回転自在に上側支持板の下端縁に
    枢着されると共に、他端が壁厚み方向の水平方向の軸回
    りに回転自在に下側支持板の上端縁に枢着され、更にこ
    のダンパは、伸張・縮少の方向が略水平方向の姿勢に設
    定されていることを特徴とする請求項1に記載の耐震性
    に優れた壁構造。
  5. 【請求項5】 前記ダンパ手段の両端を支持する軸受け
    が予め前記上側支持板及び下側支持板に設けられている
    と共に、これら上側支持板及び下側支持板と上・下の横
    架材の壁面に沿った水平方向の位置決め手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項4に記載の耐震性に優れ
    た壁構造。
  6. 【請求項6】 木造建築物の隣接する柱とその上端間及
    び下端間にそれぞれ架設された上,下の横架材とで形成
    される柱・桁構造を高壁耐力でかつ減震機能を有するよ
    うにした前記請求項1〜6のいずれかに記載の壁構造の
    構築方法であって、 上端が上横架材に固定された上側支持板、下端が下横架
    材に固定された下側支持板、及びこれら上側支持板と下
    側支持板を連結して両者の水平方向及び垂直方向の相対
    移動を緩衝するダンパ手段の組合せからなる減震機構
    を、前記柱・桁構造の内側空間に設けた後、次いでこの
    柱・桁構造の壁の厚み方向に分割されている内側空間
    に、X字形に交叉すると共に、各端部が前記柱・桁構造
    の内側空間の四頂点に締結される一対の斜材として予め
    形成された筋交い構造物を設けることを特徴とする高壁
    耐力でかつ減震機能を有する壁構造の構築方法。
  7. 【請求項7】 前記減震機構を柱・桁構造の内側空間に
    設ける際に、上側支持板及び下側支持板を、隣接する柱
    間庭たるように仮り固定した横桟に仮り固定することを
    特徴とする請求項6に記載の高壁耐力でかつ減震機能を
    有する壁構造の構築方法。
  8. 【請求項8】 前記減震機構の構築、及び筋交い構造物
    の構築後に、前記仮り固定用横桟を取り外し、前記上側
    支持板と下側支持板の片側への倒れ止めをする横桟を、
    前記柱・桁構造の隣接柱に渡って内側空間内に固定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の高壁耐力でかつ減震
    機能を有する壁構造の構築方法。
  9. 【請求項9】 柱・桁で形成される四角形の壁構造をそ
    の内側空間内の対角を一対の斜材で締結固定できるよう
    に予め筋交い構造物として構築した壁パネルであって、
    前記壁構造の内部空間を厚み方向に二分した一方の空間
    内の同一平面内で収容されるように、該筋交い構造物の
    交叉する一方の斜材は分割二部材からなり、他方の斜材
    に対し同一平面内で当接して金属製薄板で強固に連結し
    て構成されていることを特徴とする前記請求項6〜8の
    いずれかに記載の高壁耐力でかつ減震機能を有する壁構
    造の構築に用いる壁パネル。
  10. 【請求項10】 交叉する一対の斜材を、水平方向に延
    設した補強板で締結していることを特徴とする前記請求
    項9に記載の高壁耐力でかつ減震機能を有する壁構造の
    構築方法に用いる壁パネル。
  11. 【請求項11】 前記補強板が、柱・桁で形成される四
    角形の壁構造の内側空間内に位置するように設けられて
    いることを特徴とする前記請求項10に記載の高壁耐力
    でかつ減震機能を有する壁構造の構築方法に用いる壁パ
    ネル。
  12. 【請求項12】 前記補強板が、柱・桁で形成される四
    角形の壁構造の空間外に位置するように設けられている
    ことを特徴とする前記請求項10に記載の高壁耐力でか
    つ減震機能を有する壁構造の構築方法に用いる壁パネ
    ル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239439A (ja) * 2006-02-09 2007-09-20 Edogawa Lumber Industrial Co Ltd 制振パネル
JP2009002009A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Misawa Homes Co Ltd 建物躯体の補強構造
JP2009167727A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Hitachi Ltd 制振装置及び制振装置の組立方法及び制振装置を用いた建築物
CN111794402A (zh) * 2020-09-08 2020-10-20 沈阳建筑大学 一种土木工程用减震装置

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