JP3684337B2 - 鋼製柱と鋼製梁との接合構造 - Google Patents

鋼製柱と鋼製梁との接合構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物、その他各種の鋼構造物において、H型断面や十字断面、閉鎖断面を有する鋼部材を柱材とし、この柱材の側部にH形鋼、I形鋼、C形鋼などからなる梁材を取付ける鋼製柱と鋼製梁との接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種鋼構造物における、柱・梁接合構造に関しては、特に、地震対策の面から耐震接合構造にすることにつき種々の提案がなされている。
【0003】
耐震接合構造の従来例1として、特開平8−326154号公報に記載の発明がある。この先行技術は、柱と梁を剛結合してラーメンを形成する柱・梁接合部において、柱梁接合部の柱及び梁のフランジ交差部の材軸方向に、柱材又は梁材と合一に変位する取付板を前記柱又は梁のウェブと平行な配置で各々が相対変位するハンチ形状に取付け、柱材及び梁材の前記取付板の相互間に粘弾性体シートを接着する構成に関するものである。
【0004】
従来例2として、特開平11−81458号公報に記載の発明がある。この先行技術は、柱と梁を剛結合してラーメンを形成する柱・梁接合部において、前記梁の端部の位置に、一方のフランジ及びウェブの一部を切り欠いた切欠部を設け、同フランジ及びウェブの母材よりも降伏点の低い金属材料からなるT字型断面のエネルギー吸収部材のT形フランジを前記母材のフランジと一致させ、T形ウェブを前記母材のウェブと一致させて前記切欠部の中に一体的に組み込むと共に、梁耐力を確保する平板上の中間フランジを前記の各フランジと平行に前記T形ウェブと母材のウェブの間へ一体的に組み込み接合するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−326154号公報に記載の発明では、(1)柱と梁を剛結合した上で制振機能を有する部材を取付けるため、材料、加工・施工面でコスト高である。(2)柱と梁を剛結合しているため制振部材でのエネルギー吸収効率が低い。(3)特に、梁部材回転角が小さいときは、制振ダンパーでのエネルギー吸収部位が梁下部のハンチの斜辺近傍のみとなるため、制振部材による振動減衰効果が十分に得られない。(4)依然、梁下にハンチを設けており、(梁下と天井の間での)配管等、設置スペースに制約がある。
【0006】
前記の特開平11−81458号公報に記載の発明では、前記の(4)項の問題は解決するものの、(1)〜(3)の課題は残す。
【0007】
本発明は、前記の欠点を改良したもので、柱・梁の接合部そのものが大きなエネルギー吸収能力を有し、柱・梁部材の弾性保持が可能で、かつ接合部廻りの納まりがコンパクトな柱・梁接合構造を提供することを目的とする。
【0008】
【問題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は次のように構成する。
【0009】
第1の発明は、梁の端部を、梁の端部における梁せいの一方の梁フランジ側に設けた、主に梁に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する接合要素Aで柱に接合し、梁の他方のフランジは、当該フランジと平行となるようにして一端を当該フランジに取付けた軸力で抵抗する板状の先行降伏部材からなる先行降伏軸力抵抗要素、および、当該先行降伏軸力抵抗要素と平行となるようにして当該先行降伏軸力抵抗要素の柱側の他端を取付けた、柱から外方に水平に延びて梁端の当該フランジと所定量重なり合うような水平部を有する接合要素Bを介して柱と接合し、前記他方のフランジに取付けた先行降伏軸力抵抗要素は、柱・梁部材の地震による曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏し、さらに、当該他方のフランジと接合要素Bが先行降伏軸力抵抗要素の先行降伏部位を上下から挟持する座屈部位拘束材を兼ねていることを特徴とする。
【0010】
第1の発明によると、梁の一方のフランジ接合部、つまり接合要素Aがピン支持機構的な挙動を示し、梁の他方のフランジに取付けた先行降伏軸力抵抗要素が耐震デバイスとして機能することで、接合部のみで地震エネルギー吸収が可能である。また、先行降伏軸力抵抗要素を板状とし、圧縮時の座屈を拘束する部材を、接合要素Bで構成することで、接合部廻りの納まりが非常にコンパクトになる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、梁のせん断力方向に対する前記接合要素Bの曲げ変形剛性を前記接合要素Aよりも大きくして、前記先行降伏軸力抵抗要素が引張りとなる向きの梁のせん断力に対しては、主に接合要素Aで抵抗させ、前記先行降伏軸力抵抗要素が圧縮となる向きの梁のせん断力に対しては、主に接合要素Bで抵抗させることを特徴とする。
【0012】
第2の発明によると、一般的に、梁端ウェブ部に取付ける接合要素で梁部材に作用するせん断力を負担させるが、この第2の発明の構造形式とすることで、梁ウェブを固定しなくてもせん断力伝達可能で、また、ウェブを固定しないことにより、梁部材に大きな回転力を持たせることを可能とする。
【0013】
第3の発明は、梁のせん断力方向に対する前記接合要素Bの曲げ変形剛性を前記接合要素Aよりも小さくして、前記先行降伏軸力抵抗要素が引張りとなる向き、および圧縮となる向きの両方の梁のせん断力に対して、主に接合要素Aで抵抗させ、接合要素Bでは、主に先行降伏軸力抵抗要素の作用軸力および座屈に対して抵抗させることを特徴とする。
【0014】
第3の発明によると、一般的に、梁端ウェブ部に取付ける接合要素で梁部材に作用するせん断力を負担させるが、この第3の発明の構造形式とすることで、梁ウェブを固定しなくてもせん断力を伝達可能で、また、また、梁に作用するせん断力は接合要素Aのみで抵抗させるため、接合要素Bは先行降伏軸力抵抗要素の座屈および先行降伏軸力抵抗要素のとりつく梁フランジに作用する軸力のみに抵抗させればよいことから、接合要素Bは第2の発明より更にコンパクトにすることが可能である。
【0015】
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明において、接合要素A、Bの一方、もしくは両方が、1枚もしくは複数枚の梁フランジに対して水平な板、および梁フランジに対して直交する1枚もしくは複数枚の鉛直な板で構成されたことを特徴とする。
【0016】
第4の発明によると、接合要素A、Bの一方、もしくは両方を水平板・鉛直板で構成することで、構成を簡潔にできる共に、接合部廻りの納まりが非常にコンパクトにでき、板状の先行降伏軸力抵抗要素の圧縮時の座屈を拘束する部材とするとき、座屈拘束を一層確実にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態1〜10を図1〜図17を参照して順に説明する。
【0018】
まず、図1〜図3によって、請求項1、2、4に記載の本発明に係る実施形態1を説明する。各図には、角形鋼管製の柱(以下鋼柱という)1と、H形鋼製の鋼梁2の端部との接合構造を示し、当該鋼柱1と鋼梁2の柱・梁接合部3は、接合要素A7と先行降伏軸力抵抗要素8と接合要素B9とで構成される。また、各接合要素A7,B9間の梁端縁2dと鋼柱1とは接合しない構成とされている。なお、鋼柱1は、CFT柱の場合もある。
【0019】
接合要素A7の具体的構造を説明すると、鋼柱1に溶接されたガセットプレート11の上下面を挟持して、接合要素Aを構成する上下の水平に配設した連結プレート12の一端部が設けられ、かつ高力ボルト13で摩擦接合されている。連結プレート12の他端部は、鋼梁2の端部の梁上フランジ2aの上下面を挟持したうえ高力ボルト13にて摩擦接合することで、鋼梁2が鋼柱1に接合されている。前記ガセットプレート11の両側面には、側面形状三角形の補強板11aが溶接されており、補強板11aの鉛直端縁が鋼柱1の側面に溶接されている。梁上フランジ2aの下面に当てがう連結プレート12は、梁ウェブ2bを避けるため左右部材に分割されており、これらで梁せいの中立軸O−Oよりも上方に、接合要素A7が構成されている。
【0020】
したがって、地震などにより柱・梁接合部に作用する曲げにより、鋼梁2にせん断力や軸力が作用するとき、当該梁の連結プレート12がとりつく側の梁フランジ2aに作用する軸力は、高力ボルト13による摩擦接合部で応力を伝達し、先行降伏軸力抵抗要素8がとりつく側の梁フランジ2cに作用する軸力は先行降伏軸力抵抗要素8および接合要素B9を介した高力ボルト13による摩擦接合部で伝達する。先行降伏軸力抵抗要素8が引張となる向きの梁に作用するせん断力は高力ボルト摩擦接合部における連結プレート12の板曲げで抵抗し、先行降伏軸力抵抗要素8が圧縮となる向きの梁に作用するせん断力は接合要素B9の曲げせん断耐力で抵抗させる。本実施例のように接合要素B9に鉛直金物を取り付けることで、先行降伏軸力抵抗要素8が圧縮となる向きの梁に作用するせん断力が非常に大きいときでも、接合部廻りの納まりをコンパクトにできる。また、この場合、回転中心となる部位の近傍、つまり、梁端の梁上フランジ2aの位置に主に鋼梁2に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する接合要素A7(連結プレート12)が位置するので、柱・梁接合部に回転力が作用したとき、当該連結プレート12が設計上ピン仮定として十分に機能でき、連結プレート12によるピン支持機能的挙動が一層確実に行われる。したがって、柱・梁接合構造に作用する大変形に対しても、柱・梁接合要素である連結プレート12はせん断されず、十分に機能することができる。
【0021】
次に、鋼柱1と鋼梁2の梁端下部とは、前述のとおり、先行降伏軸力抵抗要素8と接合要素B9で接合される。先行降伏軸力抵抗要素8は、主に鋼梁2に作用する軸力に対して抵抗する板状の先行降伏部材からなり、梁下フランジ2cの下面に、当該梁下フランジ2cと平行となるように設けられる。この先行降伏軸力抵抗要素8は、引張と圧縮に対して軸力で抵抗すると共に、所定値以上の引張と圧縮が作用したとき、他の部材よりも先に降伏させるものである。
【0022】
先行降伏軸力抵抗要素8を先行降伏させる手段として、普通鋼を用いる場合は、図3に示すように、所定板で長方形の鋼板の中間部にくびれ部8aなどの縮小断面部を形成することで、当該先行降伏軸力抵抗要素8に引張力または圧縮力が作用したとき、このくびれ部8aを他部材に先立って降伏させるように構成してもよいし、板厚を薄くすることで先行降伏部位を形成してもよい。さらに、先行降伏軸力抵抗要素8の材料を極軟鋼または低降伏点鋼で構成してもよい。図示の先行降伏軸力抵抗要素8を接合要素B9と梁下フランジ2c間に配設したとき、くびれ部8aの両側に空隙ができるので、この部分には、任意形状のスペーサ6を介在させるとよい。
【0023】
接合要素B9は、水平板4aと鉛直板4bとで溝形断面、T字断面等に構成する。図では、接合要素B9は溝形断面に構成されていて、その一端縁は、鋼柱1の側面に溶接されており、他端縁は、鋼柱1から外方に向けて水平に延びていて、鋼梁2の端部と所定量重なり合っている。そして、接合要素B9の水平板4aの上面と梁下フランジ2cの下面との間に渡って介在させる板状の先行降伏軸力抵抗要素8は、前記の両部材と重なっていて、各重なり部を挿通して高力ボルト13を設け、ナットを締結することで先行降伏軸力抵抗要素8と接合要素B9を介して鋼梁2の梁端下部が鋼柱1に摩擦接合される。
【0024】
接合要素B9は、梁下フランジ接合部を構成するもので、(梁ウェブ2bには固定されず)主に鋼梁2に作用する軸力および、せん断力に対して抵抗するものであり、さらに、先行降伏軸力抵抗要素8に圧縮が作用したときの座屈部位拘束材をも兼ねている。
【0025】
さらに、実施形態1では、梁の上向き(先行降伏軸力抵抗要素8が引張となる向きの)せん断力に対しては、主に梁上フランジ近傍の接合要素A7で抵抗させ、梁の下向き(先行降伏軸力抵抗要素8が圧縮となる向きの)せん断力に対しては、梁下フランジに先行降伏軸力抵抗要素8を介して鋼梁2に接合される接合要素B9で抵抗させる。
【0026】
実施形態1を前述の構造形式とすることで、一般的に、梁端ウェブ部に取付ける接合要素で梁部材に作用するせん断力を負担させるが、梁ウェブ2bを鋼柱1に固定しなくてもせん断力を伝達可能で、また、梁ウェブ2bを固定しないことにより、梁部材に大きな回転力を持たせることが可能となり、地震等により、柱・梁接合部に曲げが作用したときのエネルギー吸収能力が向上する。
【0027】
実施形態1の作用を説明する。実施形態1では、地震等による曲げが柱・梁接合部に作用したとき、梁上フランジ2a近傍に設けられる接合要素A7がピン支持機構的な挙動を示し、この接合要素A7にせん断力が作用しない。また、このとき鋼梁2の材軸方向の力に対しては、地震により柱・梁部材に作用する曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏するように設けられ、梁下フランジ2cに取付けた先行降伏軸力抵抗要素(エネルギー吸収接合要素)8が塑性変形することで、耐震デバイスとして機能し、これにより先行降伏軸力抵抗要素8のみで地震エネルギー吸収が可能である。
【0028】
さらに、先行降伏軸力抵抗要素8が板状であること、および先行降伏軸力抵抗要素8の圧縮時の座屈を拘束する部材としての接合要素B9を、梁下フランジ2cと鋼柱1にまたがって取付けた水平板4aと鉛直板4bで構成したことで、鋼柱1と鋼梁2との接合部廻りの納まりが簡潔で、鋼梁2を構成するH形鋼の梁せいを大きくする必要がなく、既製のH形鋼を使用できると共に、接合部が非常にコンパクトになる。
【0029】
次に、図4、図5を参照して、請求項1、3、4に記載の本発明に係る実施形態2を説明する。実施形態2は、接合要素A7aと接合要素B9aの構成が、実施形態1の接合要素A7および接合要素B9と相異している。実施形態2では、接合要素A7aの接合部材5における上部材の断面形状が梁上フランジ2aの上面にあてがわれる水平板5aと鉛直板5bで逆さT字の断面に構成され、接合要素B9aは、フラット鋼板で構成される。
【0030】
接合要素A7aにおいて、接合部材5の上部材の水平板5aと、下部材とで鋼柱1に溶接されたガセットプレート11の上下面と、鋼梁2端部の梁上フランジ2aの上下面を挟持させた上、各部材の重合部を高力ボルト13にて摩擦接合することで構成されており、これにより鋼梁2が鋼柱1に接合されている。フラットな鋼板製の接合要素B9aが先行降伏軸力抵抗要素8を下部から挟持する点は実施形態1と同じである。
【0031】
実施形態2においても、接合要素A7aと接合要素B9aにより、鋼柱1と鋼梁2が接合され、接合要素A7aが実施形態1と同様に地震による曲げが柱・梁接合部に作用したとき、梁上フランジ接合部、つまり接合要素A7aがピン支持機構的な挙動を示して、曲げに対して円滑なエネルギー吸収ができる。また、地震により柱・梁部材に作用する曲げ・せん断力に対しては先行降伏軸力抵抗要素8が、曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏することでエネルギー吸収でき、地震時の鋼柱1に作用する、上向き力、下向き力のせん断力に対しては、接合要素A7aと接合要素B9aがそれぞれ抵抗し、さらに、接合部が非常にコンパクトになる。なお、図4(B)に示すように、接合要素A7aの接合部材5における上部材は、L字断面の2部材の鉛直部を背中合わせにしてボルト結合して構成してもよい。
【0032】
次に、図6、図7、図8を参照して、請求項1、2、4に記載の本発明に係る実施形態3を説明する。この実施形態3以下ではH形鋼製の鋼柱10である点が、実施形態1、2の閉鎖断面の鋼柱1と相異する。鋼梁2がH形鋼製である点は共通である。
【0033】
この実施形態3において、鋼梁2に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する接合要素A7bが、柱フランジ10aと梁上フランジ2aの接合部(以下柱フランジ接合部という)と、柱ウェブ10bと梁上フランジ2aの接合部(以下柱ウェブ接合部という)とで若干構成を異にしている。
【0034】
柱フランジ接合部にあっては、接合要素A7bの上部材と下部材が、鉛直板14および水平板15を断面L字形に一体に組合わせて構成された例が示されている。すなわち、接合要素A7bの上下部材の鉛直板14を鋼柱10の柱フランジ10a側面に当てがい、その当接部を挿通する高力ボルト13で両部材を摩擦接合し、また、上下部材の水平板15をH形鋼製の鋼梁2の上部フランジ2aの上面と下面に当てがい、当接部を挿通する高力ボルト13で両部材を摩擦接合することで、接合要素A7bを介して鋼柱10に鋼梁2が接合される。なお、L字形の下部材は、図8(B)に示すように梁ウェブを挟んだ両側で二分割したものでも、また、分割せず一体物とし、水平板15に梁ウェブ2bを回避するための溝を形成したもの(図示せず。)でもよい。
【0035】
接合要素B9bは、水平板16と鉛直板17を一体的に組み合わせ、断面T字形に構成されていて、実施形態1、2と同様に先行降伏軸力抵抗要素8を下部から挟持している。
【0036】
柱ウェブ接合部の接合要素A7bにおいては、鋼柱10の柱ウェブ10bに溶接されたガセットプレート11の上下面と、鋼梁2端部の梁上フランジ2aの上下面を、実施形態1と同様の連結プレート12で挟持した上、各部材の重合部を高力ボルト13にて摩擦接合することで構成されており、これにより鋼梁2が鋼柱1に接合されている。また、柱ウェブ10bと梁上フランジ2aを接合する接合要素B9bにおいては、柱フランジ10aの接合部と同じ断面T字形構造の接合部材が設けられている。なお、この接合要素B9bでは、鉛直板17の基部下端面が、柱ウェブ10bに溶接されたスチフナー18で支持されていて、鉛直荷重を受ける接合要素B9bを補強している。
【0037】
実施形態3においても、接合要素A7bと接合要素B9bとにより、鋼柱10と鋼梁2が接合され、接合要素A7bが実施形態1、2と同様に地震による曲げが柱・梁接合部に作用したとき、梁上フランジ接合部、つまり接合要素A7bがピン支持機構的な挙動を示して、曲げに対して円滑なエネルギー吸収ができる。また、地震により柱・梁部材に作用する曲げ・せん断力に対しては先行降伏軸力抵抗要素8が、曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏することでエネルギー吸収でき、地震時の鋼柱1に作用する、上向き力、下向き力のせん断力に対しては、接合要素A7bと接合要素B9bがそれぞれ抵抗する。
【0038】
実施形態3では、柱フランジ接合部と柱ウェブ接合部とで、若干異なる構成の接合要素A7bを組み合わせた例が示されているが、前記フランジ側またはウェブ側の何れかの接合要素A7bを、柱フランジ接合部と柱ウェブ接合部の両方に共通に実施することは構わない。
【0039】
次に、図10、図11、図12を参照して、請求項1〜4に記載の本発明に係る実施形態4を説明する。この実施形態4でも、柱フランジ接合部と柱ウェブ接合部とで、それぞれの接合要素Aと接合要素Bの構成が若干相異している。
【0040】
柱フランジ10aと梁上フランジ2aの接合要素A7cは、複数の鉛直配置のプレートで構成されている。具体的には、接合要素A7cは、鋼柱10の一方の柱フランジ10aの側面に側端縁が溶接にて固着されたガセットプレート20と、鋼梁2の端部の梁上フランジ2aの上面に固着された上部連結プレート21と、前記ガセットプレート20の上半部両側面および、上部連結プレート21の両側面を挟持して設けられ、その重なり部を挿通する高力ボルト13で各部材間が摩擦接合される第1の添接板22と、ガセットプレート20の下半部両側面および、梁上フランジ2aの下面に近接して位置する梁ウェブ2bの両側面を挟持して設けられ、その重なり部を挿通する高力ボルト13で各部材間が摩擦接合される第2の添接板22aとから構成されている。上部連結プレート21の一端が傾斜面とされているのは、コンクリート床スラブとの接合を円滑にすることを配慮したためである。
【0041】
柱フランジ10aと梁上フランジ2aの接合要素A7cは、柱ウェブ10bに溶接されたスチフナー23の上面に溶接されたガセットプレート24と鋼梁2の端部の梁上フランジ2aの上面に固着された上部連結プレート21と、前記ガセットプレート24の両側面および、上部連結プレート21の両側面を挟持して設けられ、その重なり部を挿通する高力ボルト13で各部材間が摩擦接合される第1の添接板22と、スチフナー23の下面に設けられた補剛板25および、梁上フランジ2aの下面に近接して位置する梁ウェブ2bの両側面を挟持して設けられ、その重なり部を挿通する高力ボルト13で各部材間が摩擦接合される第2の添接板22aとから構成されている。
【0042】
柱フランジ接合部において、フラットな鋼板製の接合要素B9cが先行降伏軸力抵抗要素8を下部から挟持する点は実施形態1と同じである。また、柱ウェブ接合部において、接合要素B9cが水平板と鉛直板とでT字断面に構成される点は、図6の実施形態3と同様である。
【0043】
実施形態4においても、実施形態1〜3と同様に、接合要素A7cと接合要素B9cとにより、鋼柱10と鋼梁2が接合され、接合要素A7cが実施形態1、2と同様に地震による曲げが柱・梁接合部に作用したとき、梁上フランジ接合部、つまり接合要素A7cがピン支持機構的な挙動を示して、曲げに対して円滑なエネルギー吸収ができる。また、地震により柱・梁部材に作用する曲げ・せん断力に対しては先行降伏軸力抵抗要素8が、曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏することでエネルギー吸収でき、地震時の鋼柱10に作用する、上向き力、下向き力のせん断力に対しては、接合要素A7cと接合要素B9cがそれぞれ抵抗する。
【0044】
次に、図13を参照して、請求項1、2、4に記載の本発明に係る実施形態5を説明する。この実施形態5では、接合要素A7dの上部材27は図に示すように、水平板と鉛直板を逆さT字に組み合わせてなり、その水平板を柱ウェブ10bに固着したスチフナー23の上面と梁上フランジ2aの上面に渡って当てがう。接合要素A7dの下部材28は図に示すように、水平部と鉛直部をL字に組合わせてなり、この下部材28を、スチフナー23を支持する補剛板25と梁ウェブ2bの両側に配置し、かつ水平部をスチフナー23の下面と梁上フランジ2aの下面に渡って当てがう。上部材27の水平板と下部材28の水平部とでスチフナー23の上下面および梁上フランジ2aの上下面を挟持し、これらの当接部に高力ボルト13を挿通しナットで締結することで、接合要素A7dにより鋼梁2を鋼柱10の柱ウェブ10bに接合できる。
【0045】
接合要素B9dは、水平板29と鉛直板30を一体的に組み合わせ、断面T字形に構成されていて、実施形態1〜4と同様に先行降伏軸力抵抗要素8を下部から挟持している。
【0046】
次に、図14を参照して、請求項1、3、4に記載の本発明に係る実施形態6を説明する。この実施形態6では、接合要素A7eの上部材31は図に示すように、水平板と鉛直板を逆さT字に組み合わせてなり、その水平板を柱ウェブ10bに固着したスチフナー23の上面と梁上フランジ2aの上面に渡って当てがう。上部材31は、図14(C)に示すように、L字断面の2部材の鉛直部を背中合わせにしてボルト結合して構成してもよい。接合要素A7eの下部材32はフラットな鋼板からなり、この下部材32を梁ウェブ2bの両側に配置し、かつスチフナー23の下面と梁上フランジ2aの下面に渡って当てがい、その当接部に高力ボルト13を挿通しナットで締結することで、接合要素A7eにより鋼梁2を鋼柱10の柱ウェブ10bに接合する。
【0047】
接合要素B9eは、フラットな鋼板で構成されていて、実施形態1〜5と同様に先行降伏軸力抵抗要素8を下部から挟持している。
【0048】
次に、図15を参照して、請求項1、4に記載の本発明に係る実施形態7を説明する。この実施形態7では、接合要素A7fは、鋼柱10の柱ウェブ10bに固着したスチフナー33の下面を支持する補強板34の両側面と梁上フランジ2aの下面にダプラープレート26を介して添接板35を当てがい、その当接部に高力ボルト13を挿通しナットで締結して構成し、この接合要素A7eにより鋼梁2を鋼柱10の柱ウェブ10bに接合する。
【0049】
接合要素B9fは、水平板と鉛直板をT字に組合わせて構成されていて、水平板で実施形態1〜6と同様に先行降伏軸力抵抗要素8を下部から挟持している。
【0050】
次に、図16を参照して、請求項1、4に記載の本発明に係る実施形態8を説明する。実施形態8は、柱ウェブ接合部の例を図示し、接合要素A7gは、底板36と、その側端縁から立ち上がり、先端に傾斜面37aを有する両側板37とからなる上部開放の溝形接合部材で構成され、両側板37を鋼柱10の柱フランジ10bの内側面に当てがい、各板状部材の重なり部を挿通して高力ボルト13を設け、ナットを締結することで、接合要素A7gの一端側が鋼柱10に摩擦接合される。また、底板36先端部下面を梁上フランジ2bの上面に当てがい、各板部材の重なり部を挿通して高力ボルト13を設けナットを締結する。こうして接合要素A7gにより鋼梁2の梁端上部が鋼柱10に接合される。
【0051】
接合要素B9gは、実施形態6、7と同様に、水平板と鉛直板をT字に組合わせて構成されていて、水平板で先行降伏軸力抵抗要素8を下部から挟持している。
【0052】
実施形態6〜8においても、接合要素A7e、7f、7gと接合要素B9e、9f、9gにより、鋼柱10と鋼梁2が接合され、接合要素A7e〜7gが実施形態1〜5と同様に地震による曲げが柱・梁接合部に作用したとき、梁上フランジ接合部、つまり接合要素A7e〜7gがピン支持機構的な挙動を示して、曲げに対して円滑なエネルギー吸収ができる。また、地震により柱・梁部材に作用する曲げ・せん断力に対しては先行降伏軸力抵抗要素8が、曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏することでエネルギー吸収でき、地震時の鋼柱10に作用する、上向き力、下向き力のせん断力に対しては、接合要素A7e〜7gと接合要素B9e〜9gがそれぞれ抵抗する。
【0053】
図17(A)、(B)を参照して、請求項1、2、4に記載の本発明に係る実施形態9、10を説明する。実施形態9、10は、鋼柱10と鋼梁2の接合関係が実施形態1〜8と異なっていて、H形鋼の柱脚10dの下端をH形鋼の鋼梁2の上フランジ2aに接合する場合にも、本発明を実施できる例を示している。
【0054】
図17(A)の実施形態9をさらに説明すると、鋼梁2の上フランジ2aの上面には、H形鋼の柱脚10dと同一断面の柱接合部材38の下端縁が溶接されていて、柱脚10dの下端部の両側が、左部接合要素7hと右部接合要素9hにより柱接合部材38に接合されている。左部接合要素7hは、柱接合部材38と柱脚10dのそれぞれの左フランジ38a、10aの外側面に当てがわれるT字断面の外側接合部材39と、柱接合部材38のウェブ38bと柱ウェブ10bの両側に配設され、かつ左フランジ38a、10aに接して設けられる内側接合部材40との各板部材の重なり部に高力ボルト13を挿通してナットを締結することにより、左部接合要素7hにより柱接合部材38と柱脚10dの左側が接合される。
【0055】
右部接合要素9hはT字断面の接合部材からなり、柱接合部材38と柱脚10dのそれぞれの右フランジ38c、10cの外側面に当てがわれる先行降伏軸力抵抗要素8の外側を押えるものである。そして、先行降伏軸力抵抗要素8の上端部と柱右フランジ10cとの当接部が高力ボルト13で摩擦接合され、また先行降伏軸力抵抗要素8の下端部とT字断面の右部接合要素9hの重なり部が高力ボルト13で摩擦接合されている。
【0056】
実施形態9においても、左部接合要素7hと右部接合要素9hとにより、柱脚10dの下端部と鋼梁2に溶接した柱接合部材38が接合され、地震による曲げが柱・梁接合部に作用したとき、左部接合要素7hが実施形態1〜5と同様にピン支持機構的な挙動を示して、曲げに対して円滑なエネルギー吸収ができる。また、地震により柱・梁部材に作用する曲げ・せん断力に対しては先行降伏軸力抵抗要素8が、曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏することでエネルギー吸収でき、地震時の柱脚10dに作用する上向き力、下向き力のせん断力に対しては、左部接合要素7hと右部接合要素9hがそれぞれ抵抗する。なお、図17(A)では、実施形態1〜8と異なり、先行降伏軸力抵抗要素8および接合要素B9hを柱フランジの両面に設置している例を示している。
【0057】
次に、図17(B)の実施形態10をさらに説明すると、左部接合要素7iを構成するL字断面の外側接合部材41と内側接合部材42の水平部が鋼梁2の上フランジ2aの上面に当てがわれ、各板部材の重なり部に高力ボルト13を挿通してナットを締結することにより、鋼梁2に固着されている。さらに、L字断面の外側接合部材41と内側接合部材42の鉛直部で柱脚10dの下端部における左フランジ10aの両面を挟み、各板部材の重なり部に高力ボルト13を挿通してナットを締結することにより、左部接合要素7iにより鋼梁2と柱脚10dの左側が接合される。
【0058】
右部接合要素9iはT字断面でかつ底板43を有する接合部材からなり、梁上フランジ2aに接合すると共に、先行降伏軸力抵抗要素8の外側を押えるものである。そして、先行降伏軸力抵抗要素8の上端部と柱右フランジ10cとの当接部が高力ボルト13で摩擦接合され、また先行降伏軸力抵抗要素8の下端部とT字断面の右部接合要素9hの重なり部が高力ボルト13で摩擦接合され、さらに、右部接合要素9iの底板43と梁上フランジ2aとの当接部を高力ボルト13で摩擦接合することで、右部接合要素9iにより柱脚10dの右側と鋼梁2が接合される。
【0059】
実施形態10においては、左部接合要素7iと右部接合要素9iとにより、柱脚10dの下端部と鋼梁2が接合され、地震による曲げが柱・梁接合部に作用したとき、左部接合要素7iが実施形態9と同様にピン支持機構的な挙動を示して、曲げに対して円滑なエネルギー吸収ができる。また、地震により柱・梁部材に作用する曲げ・せん断力に対しては先行降伏軸力抵抗要素8が、曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏することでエネルギー吸収でき、地震時の鋼柱10に作用する上向き力、下向き力のせん断力に対しては、左部接合要素7iと右部接合要素9iがそれぞれ抵抗する。なお、図17(B)では、実施形態1〜8と異なり、先行降伏軸力抵抗要素8および接合要素B9iを柱フランジの両面に設置している例を示している。
【0060】
なお、図17(A)、(B)に実施形態9、10として図示する左部接合要素7h、7iと右部接合要素9h、9iは一例であって、実施形態1〜8に示した接合要素A7〜7gおよび、接合要素B9〜9gの何れかの組合せを適用することができる。
【0061】
本発明において、先行降伏軸力抵抗要素8を設ける位置は、梁上フランジ2aと梁下フランジ2cを逆転させて設けてもよい。また、柱フランジ接合部と柱ウェブ接合部を構成する接合要素7〜7iおよび接合要素9〜9iは、任意に組合わせて設けてよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によると、梁上に床スラブを有する柱・梁接合部を、せん断力と軸力に対して抵抗し、ピン支持機能的な挙動を行う接合要素Aと、耐震デバイスとなる先行降伏軸力抵抗要素と、軸力に対して抵抗する接合要素Bとから構成し、接合要素Bは、先行降伏軸力抵抗要素の座屈拘束材を兼ねる。そのため、エネルギー吸収部材を別部材とした従来の構造と異なって、柱・梁の接合部それ自体が大きなエネルギー吸収能力を有しているので、柱・梁部材の弾性保持が可能で、かつ、接合部廻りの納まりをコンパクトにできて、かつ変形能力の大きい損傷制御機能を有すると共に、低コストな損傷制御構造とすることが可能な柱・梁接合構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断正面図である。
【図2】 図1のa−a断面図である。
【図3】 (A)は先行降伏軸力抵抗要素の平面図、(B)は図(A)の正面図である。
【図4】 (A)は、本発明の実施形態2に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断正面図、(B)は、図(A)の接合要素Aの変形例の部分断面図である。
【図5】 図4のb−b断面図である。
【図6】 実施形態3に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断正面図である。
【図7】 図6のc−c断面図である。
【図8】 (A)は、図6のd−d断面図、(B)は、図6のe−e断面図である。
【図9】 図6のf−f断面図である。
【図10】 実施形態4に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断正面図である。
【図11】 図10のg−g断面図である。
【図12】 (A)は、図10のh−h断面図、(B)は、図10のi−i断面図である。
【図13】 (A)は、実施形態5に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断側面図、(B)は、図(A)のj−j断面図である。
【図14】 (A)は、実施形態6に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断側面図、(B)は、図(A)のk−k断面図、(C)は、図(A)の接合要素Aの変形例の部分断面図である。
【図15】 (A)は、実施形態7に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断側面図、(B)は、図(A)のl−l断面図である。
【図16】 (A)は、実施形態8に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す縦断側面図、(B)は、図(A)のm−m断面図である。
【図17】 (A)、(B)は、実施形態9、10に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す正面説明図である。
【符号の説明】
1 鋼柱
2 鋼梁
2a 梁上フランジ
2b 梁ウェブ
2c 梁下フランジ
2d 梁端
3 柱・梁接合部
4a 水平板
4b 鉛直板
5 接合部材
6 スペーサ
7 接合要素A
7a〜7g 接合要素A
7h〜7i 左部接合要素
8 先行降伏軸力抵抗要素
8a くびれ部
9a〜9g 接合要素B
9h〜9i 右部接合要素
10 鋼柱
11 ガセットプレート
11a 補強板
12 連結プレート
13 高力ボルト
14 鉛直板
15 水平板
16 水平板
17 鉛直板
18 スチフナー
20 ガセットプレート
21 上部連結プレート
22 添接板
23 スチフナー
24 ガセットプレート
25 補剛板
26 ダプラープレート
27 上部材
28 下部材
29 水平板
30 鉛直板
31 上部材
32 下部材
33 スチフナー
34 補強板
35 添接板
36 底板
37 両側板
38 柱接合部材
38a 左フランジ
38b ウェブ
38c 右フランジ
39 外側接合部材
40 内側接合部材
41 外側接合部材
42 内側接合部材
43 底板

Claims (4)

  1. 梁の端部を、梁の端部における梁せいの一方の梁フランジ側に設けた、主に梁に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する接合要素Aで柱に接合し、梁の他方のフランジは、当該フランジと平行となるようにして一端を当該フランジに取付けた軸力で抵抗する板状の先行降伏部材からなる先行降伏軸力抵抗要素、および、当該先行降伏軸力抵抗要素と平行となるようにして当該先行降伏軸力抵抗要素の柱側の他端を取付けた、柱から外方に水平に延びて梁端の当該フランジと所定量重なり合うような水平部を有する接合要素Bを介して柱と接合し、前記他方のフランジに取付けた先行降伏軸力抵抗要素は、柱・梁部材の地震による曲げ・せん断力による降伏荷重以下で降伏し、さらに、当該他方のフランジと接合要素Bが先行降伏軸力抵抗要素の先行降伏部位を上下から挟持する座屈部位拘束材を兼ねていることを特徴とする、鋼製柱と鋼製梁との接合構造。
  2. 梁のせん断力方向に対する前記接合要素Bの曲げ変形剛性を前記接合要素Aよりも大きくして、前記先行降伏軸力抵抗要素が引張りとなる向きの梁のせん断力に対しては、主に接合要素Aで抵抗させ、前記先行降伏軸力抵抗要素が圧縮となる向きの梁のせん断力に対しては、主に接合要素Bで抵抗させることを特徴とする、請求項1記載の鋼製柱と鋼製梁との接合構造。
  3. 梁のせん断力方向に対する前記接合要素Bの曲げ変形剛性を前記接合要素Aよりも小さくして、前記先行降伏軸力抵抗要素が引張りとなる向き、および圧縮となる向きの両方の梁のせん断力に対して、主に接合要素Aで抵抗させ、接合要素Bでは、主に先行降伏軸力抵抗要素の作用軸力および座屈に対して抵抗させることを特徴とする、請求項1記載の鋼製柱と鋼製梁との接合構造。
  4. 接合要素A、Bの一方、もしくは両方が、1枚もしくは複数枚の梁フランジに対して水平な板、および梁フランジに対して直交する1枚もしくは複数枚の鉛直な板で構成されたことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の鋼製柱と鋼製梁との接合構造。
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