JP4829714B2 - スチールハウスの制震壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、スチールハウスの壁下地に制震機能を持たせた制震壁構造に関する。
従来のスチールハウスの耐力壁構造としては、互いに間隔を隔てて立設された一対の竪枠材と、前記一対の竪枠材の互いに向かい合う側面間に連結された複数のブレース材と、によってトラス構造に構成されたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2006−37704号公報
しかし、このようなトラス構造をしたスチールハウスの耐力壁構造は、せん断変形に対して粘り強く抵抗するものの、建物の揺れを吸収することはできなかった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであり、建物の揺れを吸収することができるスチールハウスの制震壁構造を提供することを課題とする。
本発明は、互いに間隔を隔てて立設された一対の竪枠材と、前記一対の竪枠材の向かい合う側面間に連結された複数のブレース材と、によってトラス構造に構成されたスチールハウスの制震壁構造であって、前記複数のブレース材のうちの少なくとも一つは、低降伏点鋼からなる制震部材と、前記制震部材の一方の側部と一方の前記竪枠材とを連結する第1連結部材と、前記制震部材の他方の側部と他方の前記竪枠材とを連結する第2連結部材と、からなり、前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、溝部を有する溝形鋼又はC形鋼からなり、前記制震部材は、前記第1連結部材及び前記第2連結部材の溝部に跨って嵌合されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記一対の竪枠材と前記複数のブレース材とはトラス構造に構成されていることから、ブレース材には軸方向の力(軸力)が作用する。そして、前記複数のブレース材のうちの少なくとも一つが低降伏点鋼からなる制震部材を有することから、建物の揺れによってブレース材に軸力が作用すると、低降伏点鋼からなる制震部材が塑性変形して、建物の揺れを吸収する。
また、かかる構成によれば、ブレース部材に軸方向の圧縮力又は引張力が作用すると、第1連結部材と第2連結部材とによって制震部材の一方の側部と他方の側部に逆向きの力が作用する。これにより、制震部材がブレース部材の軸方向に塑性変形(せん断変形)し、建物の揺れが吸収される。
また、かかる構成によれば、前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、溝部を有する溝形鋼又はC形鋼からなり、前記制震部材は、前記第1連結部材及び前記第2連結部材の溝部に跨って嵌合されているので、ブレース材の幅寸法が大きくなることがない。そのため、かかる制震壁構造に板材を貼り付けるときに、ブレース材と板材が衝突することがなく、板材の取付作業が容易になる。
また、前記複数のブレース材の両端部は、前記一対の竪枠材にピン接合されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記複数のブレース材の両端部が前記一対の竪枠材にピン接合されているので、ブレース材に曲げモーメントが伝達されることがない。そのため、制震部材を曲げ変形させずに軸方向に変形させることができる。
また、前記第1連結部材の制震部材側の端部と前記第2連結部材の制震部材側の端部とは、互いに離間していることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記第1連結部材の制震部材側の端部と前記第2連結部材の制震部材側の端部とは、互いに離間しているので、ブレース材に圧縮方向の軸力が作用した場合でも、第1連結部材と第2連結部材とが衝突することがない。そのため、ブレース材に圧縮方向の軸力が作用したときでも制震部材が塑性変形する。これにより、建物の揺れが制震部材によって確実に吸収されることとなる。
また、前記制震部材は、両側に一対のフランジを備える溝形鋼又はC形鋼からなることを特徴とする。
かかる構成によれば、溝形鋼又はC形鋼の両側に備えられた一対のフランジが、それぞれ、第1連結部材と第2連結部材とによって引っ張られたり押されたりすることにより、その中間にある溝形鋼又はC形鋼(より詳しくはそのウェブ部分)がせん断変形することになる。これにより、建物の揺れが吸収されることとなる。
本発明によれば、建物の揺れを吸収することができるスチールハウスの制震壁構造を提供することができる。これにより、建物の制震性能等を向上させることができる。
本発明を実施するための第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。参照する図面において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。図1は、第1実施形態にかかるスチールハウスの制震壁構造を示す正面図である。図2は、第1実施形態にかかるスチールハウスの制震壁構造の下部付近の拡大斜視図である。
図1に示すように、スチールハウスの制震壁構造1(以下、単に「制震壁構造1」という)は、建物の土台や梁等の上に立設される壁下地であり、一対の竪枠材2,2と、この一対の竪枠材2,2の上端部同士を連結する上枠材3と、一対の竪枠材2,2の下端部同士を連結する下枠材4と、一対の竪枠材2,2の互いに向かい合う側面間に連結された複数のブレース材5a,5b,…,5h(以下、区別しない場合は単に「ブレース材5」という場合がある)と、によってトラス構造に構成されている。そして、ブレース材5a,5d,5e,5hは、その中間部に低降伏点鋼からなる制震部材6を有している。
図2に示すように、竪枠材2は、例えばウェブ背面同士を溶接接合した2本のC形鋼21,21から構成されており、C形鋼21,21の溝の開口部を面外方向に向けて境界梁等(図示省略)に取り付けられている。竪枠材2としては、例えば「C−100×50×20×2.3」や「C−100×50×20×3.2」等を用いる。竪枠材2,2の向かい合う側面には、ブレース材5を連結するためのガセット22が千鳥状(図1参照)に溶接固定されている。C形鋼21の溝の開口部には、プレート23が溶接固定されている。なお、竪枠材2の上部付近もほぼ同様の構造であるため、詳細な説明は省略する。
図1、図2に示すように、上枠材3及び下枠材4は、例えば溝形鋼からなり、一対の竪枠材2,2の向かい合う側面間に溶接固定されている。上枠材3及び下枠材4としては、例えば「[−65×75×2.3」等を用いる。
図1、図2に示すように、各ブレース材5は、例えば溝形鋼からなり、竪枠材2,2の向かい合う側面間に斜めに架け渡されている。ブレース材5としては、例えば「[−60×35×2.3」等を用いる。各ブレース材5の両端部は、千鳥に配置されたガセット22にボルトによってピン接合されている。これにより、制震壁構造1は、トラス構造に構成される。また、上下に隣り合うブレース材5,5の近接する端部同士は同じガセット22に連結されている。なお、最も上部のブレース材5aの上側の端部は、上枠材3を介して一方の竪枠材2に連結されている。また、最も下方のブレース材5hの下側の端部は、下枠材4を介して他方の竪枠材2に連結されている。
図1に示すように、各ブレース材5のうち、ブレース材5a,5d,5e,5hは、その中間部に低降伏点鋼からなる制震部材6を有している。ブレース材5a,5d,5e,5hは同様の構造であるので、以下、これらを代表してブレース材5hの構造について説明する。
図3は、制震部材を有するブレース材の分解斜視図である。
図3に示すように、ブレース材5hは、制震部材6と、第1連結部材51と、第2連結部材52と、から構成されている。
制震部材6は、低降伏点鋼を加工して溝形に形成された部材であり、せん断変形による履歴減衰型の鋼材ダンパーである。制震部材6は、変形部61と、変形部61の一方の側部に立設された第1取付部62と、変形部61の他方の側部に立設された第2取付部63とから構成されている。変形部61は、ブレース材5hに軸力が作用したときに、せん断変形して揺れを吸収する部分である。第1取付部62は、後記する第1連結部材51に取り付けられる部分であり、第1連結部材51側の端部62bが変形部61よりも延出している。同様に、第2連結部材52は、後記する第2連結部材52に取り付けられる部分であり、第2連結部材52側の端部63bが変形部61よりも延出している。第1取付部62及び第2取付部63には、ボルトを挿通させるためのボルト孔62a、63aが、それぞれ2箇所ずつ形成されている。
制震部材6を構成する低降伏点鋼は、通常の圧延鋼板に比べて降伏点が低い鋼材である。制震部材6としては、例えば、降伏点が100N/mm以上150N/mm以下、引張強さが200N/mm以上300N/mm以下、降伏比が60%以下、伸びが50%以上の低降伏点鋼を用いることができる。
第1連結部材51は、制震部材6の一方の側部と一方の竪枠材2(図2参照)とを連結する部材であり、通常の圧延鋼板からなる溝形鋼で構成されている。第1連結部材51は、ウェブ部511と、このウェブ部511の一方の側部に立設された第1フランジ部512と、他方の側部に立設された第2フランジ部513と、を有している。第1フランジ部512の制震部材6側の端部512bは、制震部材6に向って延出している。この第1フランジ部512には、制震部材6の第1取付部62に形成されたボルト孔62a,62aに対応する位置に、ボルト孔512a,512aが形成されている。第1フランジ部512は、制震部材6の第1取付部62と重ね合わされて、ボルトBとナットNによって連結される。
第2連結部材52は、制震部材6の他方の側部と他方の竪枠材2(図2参照)とを連結する部材であり、通常の圧延鋼板からなる溝形鋼で構成されている。第2連結部材52は、ウェブ部521と、このウェブ部521の他方の側部に立設された第1フランジ部522と、ウェブ部521の一方の側部に立設された第2フランジ部523と、を有している。第1フランジ部522の制震部材6側の端部522bは、制震部材6に向って延出している。この第1フランジ部522には、制震部材6のボルト孔63a,63aに対応する位置に、ボルト孔522a,522aが形成されている。第1フランジ部522は、制震部材6の第2取付部63と重ね合わされて、ボルトBとナットNによって連結される。
なお、通常の圧延鋼板は、制震部材6を構成する低降伏点鋼よりも降伏点が大きい鋼材であればよく、例えば、降伏点が235N/mm以上355N/mm以下、引張強さが400N/mm以上510N/mm以下、降伏比が80%以下、伸びが17%以上のものを用いることができる。
ここで、第1連結部材51と第2連結部材52との間には、図2に示すように、隙間Sが設けられている。これにより、ブレース材5hにはじめに圧縮方向の軸力が作用したときでも、第1連結部材51と第2連結部材52とが衝突することがなく、建物の揺れを吸収することができる。隙間Sの間隔は、特に限定されるものではなく、許容変位量などから適宜設定すればよい。
次に、制震壁構造1の動作について図4を参照して説明する。
図4は、制震部材を有するブレース材を下方から見た状態を示した図であり、(a)は通常時、(b)は引張時、(c)は圧縮時、の状態をそれぞれ示している。
図4(a)に示すように、ブレース材5hに軸力が作用していない状態では、制震部材6の変形部61は、元の形状、すなわち直方体形状を呈している。また、第1連結部材51と第2連結部材52との間には、隙間Sが存在している。
図4(b)に示すように、ブレース材5hに引張方向の軸力が作用すると、第1連結部材51によって制震部材6の第1取付部62が一方に(図4の右側に)引っ張られるとともに、第2連結部材52によって制震部材6の第2取付部63が他方に(図4の左側に)引っ張られる。これにより、制震部材6の変形部61がせん断変形することとなる。制震部材6は低降伏点鋼で構成されているので、塑性変形によってエネルギーが消費され、建物の揺れが吸収される。
図4(c)に示すように、ブレース材5hに圧縮方向の軸力が作用すると、第1連結部材51によって制震部材6の第1取付部62が他方に(図4の左側に)押されるとともに、第2連結部材52によって制震部材6の第2取付部63が一方に(図4の右側に)押される。このとき、隙間S(図4(a)参照)の存在により、第1連結部材51と第2連結部材52とが衝突することなく、互いに近接する方向に移動することができる。これにより、制震部材6の変形部61がせん断変形することとなる。制震部材6は低降伏点鋼で構成されているので、塑性変形によってエネルギーが消費され、建物の揺れが吸収される。
以上、説明したように、第1実施形態に係るスチールハウスの制震壁構造1によれば、建物に水平方向の荷重(例えば地震力)が作用したときに、ブレース材5a,5d,5e,5hに備えられた制震部材6によって、建物の揺れが吸収される。そのため、建物の耐震性能を向上させることができる。
また、第1実施形態に係るスチールハウスの制震壁構造1は、トラスに構成された耐力壁の構造を変更することなく、制震部材6を取り入れているので、トラス構造の耐力壁の特徴、すなわち、建物の変形に対して粘り強く抵抗するという特徴を備えつつ、建物の揺れを吸収できるという優れた効果を奏する。
つづいて、本発明の参考例について図面を参照して説明する。参照する図面において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図5は、参考例に係るスチールハウスの制震壁構造を示す正面図である。図6は、参考例に係るスチールハウスの制震壁構造の下部付近を示す部分拡大斜視図である。
図5に示すように、参考例に係るスチールハウスの制震壁構造10(以下、単に「制震壁構造10」という場合がある)は、建物の土台や梁等の上に立設される壁下地であり、一対の竪枠材12,12と、この一対の竪枠材12,12の上端部同士を連結する上枠材13と、一対の竪枠材12,12の下端部同士を連結する下枠材14と、上枠材13と下枠材14とを連結する上下枠連結部材15と、によって構成されている。そして、上下枠連結部材15は、その中間部に低降伏点鋼からなる制震部材16を有している。
図6に示すように、竪枠材12は、例えば、ウェブ背面同士を溶接接合した2本の溝形鋼121,121から構成されており、溝形鋼121,121の溝の開口部を面外方向に向けて下枠材14に取り付けられている。竪枠材12の下端部には、下枠材14とピン接合するためのピン接合片122,122が、互いに間隔を隔てて溶接固定されている。各ピン接合片122には、ピンとなるボルトBを挿通するための軸孔122aが形成されている。なお、竪枠材12の上端部の構造は、下端部の構造と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図5、図6に示すように、上枠材13及び下枠材14は、例えばH形鋼からなり、一対の竪枠材12,12の上端部及び下端部にそれぞれピン接合されている。なお、上枠材13及び下枠材14は、枠組壁工法の壁下地の枠体の一部であってもよいし、建物の土台又は梁であってもよい。
図6に示すように、下枠材14の上面には、一対の竪枠材12,12が接合される位置に対応して、ピン接合片141,141が溶接固定されている。ピン接合片141,141には、ピンとなるボルトBを挿通するための軸孔141aが形成されている。このピン接合片141が、竪枠材12の下端部に設けられた2つのピン接合片122,122の間に配置されて、ボルトB及びナットNによって係止されることで、ピン支承P(図5参照)が構成されることになる。また、下枠材14には、一対の竪枠材12,12が接合される位置に対応して、上フランジと下フランジとの間に補強のためのリブ142,142,…が設けられている。
なお、上枠材13は、下枠材14と上下対称であること以外は同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、上下枠連結部材15は、上枠材13と下枠材14との間に架設されて建物の揺れを吸収するものであり、上部連結部材151と、下部連結部材152と、制震部材16と、から構成されている。
図6に示すように、下部連結部材152は、通常の圧延鋼板からなる板状部材であり、正面視略台形状を呈している。下部連結部材152は、平板部152aと、上端部に沿って設けられた上リブ152bと、下端部に沿って設けられた下リブ152cと、その中間に略等間隔で水平に設けられた3つの中間リブ152d,152d,152dと、両側部に沿って設けられた側部リブ152e,152eと、を備えている。下部連結部材152は、例えば下枠材14に下リブ152cを介してボルト接合されている(図8参照)。また、下部連結部材152は、平板部152aの面内方向が一対の竪枠材12,12と上枠材13と下枠材14とで構成される枠体の面内方向と平行に配置されている。このように配置すれば、下部連結部材152が変形し難くなり、制震部材6に変形を集中させることができる。上リブ152bには、ボルトを挿通させるためのボルト孔152fが貫通形成されており、制震部材6とボルト接合できるようになっている。
なお、上部連結部材151は、下部連結部材152と上下対称であること以外は同様の構造であるので、詳細な説明は省略する。
図7は、制震部材の斜視図である。
図7に示すように、制震部材16は、低降伏点鋼からなる板材を加工して形成された部材である。制震部材16は、塑性変形して揺れを吸収する変形部161と、変形部161の上端部から変形部161と直交する方向に延出する上リブ162と、変形部161の下端部から変形部161と直交する方向に延出する下リブ163と、変形部161の両側部から変形部161と直交する方向に延出する横リブ164,164と、から構成されている。これら上リブ162、下リブ163、及び、横リブ164,164によって、変形部161の面外方向への変形が防止されている。上リブ162及び下リブ163には、ボルトBを挿通させるためのボルト孔162a,163aがそれぞれ形成されている。
図8は、参考例に係るスチールハウスの制震壁構造の部分断面図である。
図8に示すように、制震部材16は、上リブ162と下リブ163とを介して上部連結部材151及び下部連結部材152にボルトB及びナットNによって連結されている。また、制震部材16の変形部161は、上部連結部材151の平板部151aと下部連結部材152の平板部152aと、同一平面に配置されている。これにより、制震壁構造1が変形したときに、上下枠連結部材15がねじれ難くなり、制震部材6を十分にせん断変形させることができる。
次に、スチールハウスの制震壁構造10の動作について図9を参照して説明する。
図9は、参考例に係るスチールハウスの制震壁構造の正面図であり、(a)は通常時、(b)は変形時の状態をそれぞれ示している。
図9(a)に示すように、制震壁構造10に水平荷重が作用していない状態では、一対の竪枠材12,12と上枠材13と下枠材14とからなる枠体は、長方形形状を維持している。このとき、制震部材16は変形していない。
図9(b)に示すように、制震壁構造10に左向きの水平荷重が作用した場合、竪枠材12,12は、上枠材13及び下枠材14とピン接合されていることから、竪枠材12,12が左向きに傾斜して平行四辺形状になり、上枠材13と下枠材14とが水平方向に相対変位する。制震部材16の上端部は上部連結部材151を介して上枠材13に連結されており、制震部材16の下端部は下部連結部材152を介して下枠材14に連結されているため、上枠材13と下枠材14の相対変位に伴って制震部材16にせん断変形が生じる。そして、制震部材16は低降伏点鋼で構成されているため、このせん断変形は塑性変形となり、建物の揺れが吸収される。このとき、上部連結部材151と下部連結部材152は、面内方向の剛性が大きく変形量が小さいため、制震部材16のせん断変形角及びせん断変形量が大きくなり、制震性能が向上する。
以上、説明したように、参考例に係るスチールハウスの制震壁構造10によれば、建物に水平方向の荷重(例えば地震力)が作用したときに、上下枠連結部材15に備えられた制震部材16によって、建物の揺れが吸収される。そのため、建物の耐震性能を向上させることができる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、参考例の制震部材16は、図7に示すように、板状の低降伏点鋼の上下端部を同じ方向に折り曲げ加工して断面視略コ字形状に形成したが、これに限定されるものではなく、上下端部を逆方向に折り曲げて断面視略Z字形状に形成してもよい。
第1実施形態にかかるスチールハウスの制震壁構造を示す正面図である。 第1実施形態にかかるスチールハウスの制震壁構造の下部付近の拡大斜視図である。 制震部材を有するブレース材の分解斜視図である。 制震部材を有するブレース材を下方から見た状態を示した図であり、(a)は通常時、(b)は引張時、(c)は圧縮時、の状態を示している。 参考例に係るスチールハウスの制震壁構造を示す正面図である。 参考例に係るスチールハウスの制震壁構造の下部付近を示す部分拡大斜視図である。 制震部材の斜視図である。 参考例に係るスチールハウスの制震壁構造の部分断面図である。 参考例に係るスチールハウスの制震壁構造の正面図であり、(a)は通常時、(b)は変形時の状態をそれぞれ示している。
符号の説明
1 スチールハウスの制震壁構造
2 竪枠材
3 上枠材
4 下枠材
5 ブレース材
6 制震部材

Claims (4)

  1. 互いに間隔を隔てて立設された一対の竪枠材と、前記一対の竪枠材の向かい合う側面間に連結された複数のブレース材と、によってトラス構造に構成されたスチールハウスの制震壁構造であって、
    前記複数のブレース材のうちの少なくとも一つは、低降伏点鋼からなる制震部材と、前記制震部材の一方の側部と一方の前記竪枠材とを連結する第1連結部材と、前記制震部材の他方の側部と他方の前記竪枠材とを連結する第2連結部材と、からなり、
    前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、溝部を有する溝形鋼又はC形鋼からなり、
    前記制震部材は、前記第1連結部材及び前記第2連結部材の溝部に跨って嵌合されていることを特徴とするスチールハウスの制震壁構造。
  2. 前記複数のブレース材の両端部は、前記一対の竪枠材にピン接合されていることを特徴とする請求項1に記載のスチールハウスの制震壁構造。
  3. 前記第1連結部材の制震部材側の端部と前記第2連結部材の制震部材側の端部とは、互いに離間していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスチールハウスの制震壁構造。
  4. 前記制震部材は両側に一対のフランジを備える溝形鋼又はC形鋼からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスチールハウスの制震壁構造。
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