JP2000096867A - 制振部材 - Google Patents
制振部材Info
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- JP2000096867A JP2000096867A JP10280500A JP28050098A JP2000096867A JP 2000096867 A JP2000096867 A JP 2000096867A JP 10280500 A JP10280500 A JP 10280500A JP 28050098 A JP28050098 A JP 28050098A JP 2000096867 A JP2000096867 A JP 2000096867A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼材のせん断降伏型の制振部材の繰り返し変
形に対する面外座屈を防止し、疲労特性を向上させる。 【解決手段】 せん断降伏用鋼材1の両面を座屈拘束鋼
板2で挟み、面外変形を拘束した。これにより大変形に
対しても、面外に歪みや変形が生ずることなく、せん断
降伏を生じ、疲労特性やエネルギー吸収性能を大幅に向
上させることができる。
形に対する面外座屈を防止し、疲労特性を向上させる。 【解決手段】 せん断降伏用鋼材1の両面を座屈拘束鋼
板2で挟み、面外変形を拘束した。これにより大変形に
対しても、面外に歪みや変形が生ずることなく、せん断
降伏を生じ、疲労特性やエネルギー吸収性能を大幅に向
上させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の耐震・耐
風技術に関わる制振部材に関するものである。
風技術に関わる制振部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】構造物の耐震・耐風技術に関わる分野
で、構造物に組み込み、地震や風などの外力を受けたと
きに、特定の鋼材が塑性変形することで、振動のエネル
ギーを吸収し、振動を低減する、いわゆる制振部材は、
従来技術として、多くのものが提案されている。従来の
技術の例を図20に示す。従来の技術は部材にせん断力
が生じたとき、鋼材パネル11がせん断降伏を生じるこ
とで、振動のエネルギーを吸収するものである。鋼材パ
ネル11のエネルギーの吸収効率を上げるために、上下
の接合用鋼材3とリブ4からなる部材の曲げ剛性・せん
断剛性をできるだけ高めることで該部材を弾性状態に保
ち、鋼材パネル11にせん断変形を集中させるようにな
っている。さらに、鋼材パネル11の面外方向の座屈を
防止するために、座屈止めプレート(リブ4)が溶接接
合されている。この座屈止めプレート(リブ4)の縦お
よび横方向の間隔は、鋼材パネル11の幅厚さ比(リブ
4の間隔を鋼材パネル11の板厚で割った値)が、たと
えば80/F1/2 (ここで、Fは鋼材の基準強度:単位
はkg/cm2 )以下になるように設計されている。
で、構造物に組み込み、地震や風などの外力を受けたと
きに、特定の鋼材が塑性変形することで、振動のエネル
ギーを吸収し、振動を低減する、いわゆる制振部材は、
従来技術として、多くのものが提案されている。従来の
技術の例を図20に示す。従来の技術は部材にせん断力
が生じたとき、鋼材パネル11がせん断降伏を生じるこ
とで、振動のエネルギーを吸収するものである。鋼材パ
ネル11のエネルギーの吸収効率を上げるために、上下
の接合用鋼材3とリブ4からなる部材の曲げ剛性・せん
断剛性をできるだけ高めることで該部材を弾性状態に保
ち、鋼材パネル11にせん断変形を集中させるようにな
っている。さらに、鋼材パネル11の面外方向の座屈を
防止するために、座屈止めプレート(リブ4)が溶接接
合されている。この座屈止めプレート(リブ4)の縦お
よび横方向の間隔は、鋼材パネル11の幅厚さ比(リブ
4の間隔を鋼材パネル11の板厚で割った値)が、たと
えば80/F1/2 (ここで、Fは鋼材の基準強度:単位
はkg/cm2 )以下になるように設計されている。
【0003】しかしながら、この従来技術は、以下の点
において、問題がある。鋼材パネル11の幅厚さ比を8
0/F1/2 (Fは鋼材の降伏強度)程度としても、大き
な地震により層間変形角で約1/200の傾きが生じた
場合、即ち上下の階で2cm程度のずれが生じた場合、
図21に示すような面外座屈を生じる。面外座屈は、座
屈により湾曲した部分の頂点での局部歪みが集中し、数
回の繰り返しによりこの部分で亀裂が発生し、亀裂の進
展に伴い、耐力の低下を伴い、破裂に至る。従って、繰
り返し大変形を受ける場合、数回で疲労破壊を生じる。
面外座屈を生じない様にするためには、座屈止めプレー
ト(リブ4)の間隔を小さくし、幅厚さ比で、10−2
0程度にすることで改善できるが、座屈止めプレート
(リブ4)の長さや溶接長さは、リブ4の間隔の2乗に
反比例するので、経済性の問題がある。したがって、従
来のリブ4による座屈防止方法では、大変形に対して優
れた疲労特性・エネルギー吸収性能を経済的に確保する
ことはできない。
において、問題がある。鋼材パネル11の幅厚さ比を8
0/F1/2 (Fは鋼材の降伏強度)程度としても、大き
な地震により層間変形角で約1/200の傾きが生じた
場合、即ち上下の階で2cm程度のずれが生じた場合、
図21に示すような面外座屈を生じる。面外座屈は、座
屈により湾曲した部分の頂点での局部歪みが集中し、数
回の繰り返しによりこの部分で亀裂が発生し、亀裂の進
展に伴い、耐力の低下を伴い、破裂に至る。従って、繰
り返し大変形を受ける場合、数回で疲労破壊を生じる。
面外座屈を生じない様にするためには、座屈止めプレー
ト(リブ4)の間隔を小さくし、幅厚さ比で、10−2
0程度にすることで改善できるが、座屈止めプレート
(リブ4)の長さや溶接長さは、リブ4の間隔の2乗に
反比例するので、経済性の問題がある。したがって、従
来のリブ4による座屈防止方法では、大変形に対して優
れた疲労特性・エネルギー吸収性能を経済的に確保する
ことはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の鋼材
のせん断降伏型の制振部材の問題点である、繰り返し変
形に対する面外座屈を防止し、疲労特性を向上するもの
である。
のせん断降伏型の制振部材の問題点である、繰り返し変
形に対する面外座屈を防止し、疲労特性を向上するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために、以下の手段を用いた。せん断降伏用
鋼材の面外座屈を完全に防止するため、せん断降伏用鋼
材の両面を座屈拘束鋼板で挟み、せん断降伏用鋼材の両
面を拘束した。この事により、大変形に対しても、面外
に歪みや変形が生ずることなくせん断降伏を生じ、疲労
特性やエネルギー吸収性能を大幅に向上させることがで
きる。
を解決するために、以下の手段を用いた。せん断降伏用
鋼材の面外座屈を完全に防止するため、せん断降伏用鋼
材の両面を座屈拘束鋼板で挟み、せん断降伏用鋼材の両
面を拘束した。この事により、大変形に対しても、面外
に歪みや変形が生ずることなくせん断降伏を生じ、疲労
特性やエネルギー吸収性能を大幅に向上させることがで
きる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に実施例を参照しつつ、実施
の形態を説明する。 (実施例1)実施例1を図1に示す。まず、せん断降伏
用鋼板1はその上下端に溶接されたフランジ12を介し
て上あるいは下の梁に接合されている接合用鋼板3の下
端部あるいは上端部の水平プレート鋼材13に接合され
ている。せん断降伏用鋼板1の上半部と下半部をそれぞ
れ別々の座屈拘束鋼板2でせん断降伏用鋼板1の両面か
ら挟み込み、ボルト5により、前記座屈拘束鋼板2をせ
ん断降伏用鋼板1の上下端部が溶接されたフランジ12
及び水平プレート鋼材13に固定している。座屈拘束鋼
板2は、せん断降伏用鋼板1とは、接触しているが溶接
・ボルトなどで固定されていない。このため、せん断降
伏用鋼板1がせん断変形を生じても、座屈拘束鋼板2は
変形を生じないため、自ら座屈を生じることなく、せん
断降伏用鋼板1が面外に座屈しようとする力を受け止
め、これを防止する役割をもつ。せん断降伏用鋼板1と
座屈拘束鋼板2が接触する部分は、地震や風のとき、相
対的なずれが生じるため、過大な摩擦抵抗が生じないよ
うに、摩擦緩和材8を設ける。摩擦緩和材8の具体例と
して、テフロン、機械油、グリス等が挙げられる。 地
震や風により構造物に水平力が加わると、せん断降伏用
鋼材1にせん断変形が生じる。この時、座屈拘束鋼板2
の拘束により、せん断降伏用鋼材1は面外に変形するこ
とがないので、局部座屈が防止され、疲労に対する性能
(寿命)は高い。荷重−変形関係を表す復元力特性は、
繰り返し安定したリープを描き、エネルギー吸収性能は
高い。接合用鋼材3について、曲げモーメント、せん断
力を上下の梁6に充分に伝達し、、接合用鋼材3自身の
変形ができるだけ少ない剛な形状が望ましい。鋼種につ
いては、±10%程度のせん断歪みを受け塑性化するせ
ん断降伏用鋼板1については、伸び率が高い軟鋼が望ま
しく、その他の鋼材については弾性範囲で使用されるた
め、鋼材の制約はない。座屈拘束鋼板2は、水平方向に
長細い形状となっているが、作業姓に応じて、図2に示
すように、複数以上に分割することもできる。
の形態を説明する。 (実施例1)実施例1を図1に示す。まず、せん断降伏
用鋼板1はその上下端に溶接されたフランジ12を介し
て上あるいは下の梁に接合されている接合用鋼板3の下
端部あるいは上端部の水平プレート鋼材13に接合され
ている。せん断降伏用鋼板1の上半部と下半部をそれぞ
れ別々の座屈拘束鋼板2でせん断降伏用鋼板1の両面か
ら挟み込み、ボルト5により、前記座屈拘束鋼板2をせ
ん断降伏用鋼板1の上下端部が溶接されたフランジ12
及び水平プレート鋼材13に固定している。座屈拘束鋼
板2は、せん断降伏用鋼板1とは、接触しているが溶接
・ボルトなどで固定されていない。このため、せん断降
伏用鋼板1がせん断変形を生じても、座屈拘束鋼板2は
変形を生じないため、自ら座屈を生じることなく、せん
断降伏用鋼板1が面外に座屈しようとする力を受け止
め、これを防止する役割をもつ。せん断降伏用鋼板1と
座屈拘束鋼板2が接触する部分は、地震や風のとき、相
対的なずれが生じるため、過大な摩擦抵抗が生じないよ
うに、摩擦緩和材8を設ける。摩擦緩和材8の具体例と
して、テフロン、機械油、グリス等が挙げられる。 地
震や風により構造物に水平力が加わると、せん断降伏用
鋼材1にせん断変形が生じる。この時、座屈拘束鋼板2
の拘束により、せん断降伏用鋼材1は面外に変形するこ
とがないので、局部座屈が防止され、疲労に対する性能
(寿命)は高い。荷重−変形関係を表す復元力特性は、
繰り返し安定したリープを描き、エネルギー吸収性能は
高い。接合用鋼材3について、曲げモーメント、せん断
力を上下の梁6に充分に伝達し、、接合用鋼材3自身の
変形ができるだけ少ない剛な形状が望ましい。鋼種につ
いては、±10%程度のせん断歪みを受け塑性化するせ
ん断降伏用鋼板1については、伸び率が高い軟鋼が望ま
しく、その他の鋼材については弾性範囲で使用されるた
め、鋼材の制約はない。座屈拘束鋼板2は、水平方向に
長細い形状となっているが、作業姓に応じて、図2に示
すように、複数以上に分割することもできる。
【0007】(実施例2)図3に示す例は、座屈拘束鋼
板2の拘束効果を高めるために、座屈拘束鋼板2に鉛直
リブ4aを溶接接合した実施例である。
板2の拘束効果を高めるために、座屈拘束鋼板2に鉛直
リブ4aを溶接接合した実施例である。
【0008】(実施例3)図4に示す例は、座屈拘束鋼
板2の拘束効果を高めるために、鉛直リブ4aだけでな
く、座屈拘束鋼板2の先端にも水平リブ4bを溶接接合
した点である。
板2の拘束効果を高めるために、鉛直リブ4aだけでな
く、座屈拘束鋼板2の先端にも水平リブ4bを溶接接合
した点である。
【0009】(実施例4)実施例4を図5に示す。この
例の特徴は、座屈拘束鋼板2を上部・下部に分けずに一
体化した点である。せん断降伏用鋼板1の高さが低いと
きに有効である。
例の特徴は、座屈拘束鋼板2を上部・下部に分けずに一
体化した点である。せん断降伏用鋼板1の高さが低いと
きに有効である。
【0010】(実施例5)実施例5を図6に示す。図5
と違う点は、座屈拘束鋼板2の高さ方向の中央部分に水
平リブ4bを設けた点である。
と違う点は、座屈拘束鋼板2の高さ方向の中央部分に水
平リブ4bを設けた点である。
【0011】(実施例6)実施例6を図7に示す。本実
施例の特徴は、下部の座屈拘束鋼板2をせん断降伏用鋼
板1の上部まで延長し、さらに下部の座屈拘束鋼板2の
外側に、上部の座屈拘束鋼板2を設け、座屈拘束効果を
高めた点である。
施例の特徴は、下部の座屈拘束鋼板2をせん断降伏用鋼
板1の上部まで延長し、さらに下部の座屈拘束鋼板2の
外側に、上部の座屈拘束鋼板2を設け、座屈拘束効果を
高めた点である。
【0012】(実施例7)実施例7を図8に示す。本実
施例の特徴は、座屈拘束鋼板2を平板とし、せん断降伏
用鋼板1に直接ボルト接合している点である。さらに、
せん断降伏用鋼板1のボルト孔部分での歪み集中を緩和
させ、せん断降伏用鋼板1の全体がせん断降伏するよう
に、せん断降伏用鋼板1の上下部分の両端部の見つけ幅
を広げている。せん断降伏用鋼板1と座屈拘束鋼板2と
の間には、実施例1で述べた摩擦緩和材料8が設けられ
ているので、過大な摩擦抵抗が生じない。したがって、
自身や風の時には、座屈拘束鋼板2には面内のせん断力
が生じることなく、座屈防止効果として機能し、せん断
降伏用鋼板1は、面外に座屈することなく、せん断降伏
を生じ、安定した復元力特性を発揮する。
施例の特徴は、座屈拘束鋼板2を平板とし、せん断降伏
用鋼板1に直接ボルト接合している点である。さらに、
せん断降伏用鋼板1のボルト孔部分での歪み集中を緩和
させ、せん断降伏用鋼板1の全体がせん断降伏するよう
に、せん断降伏用鋼板1の上下部分の両端部の見つけ幅
を広げている。せん断降伏用鋼板1と座屈拘束鋼板2と
の間には、実施例1で述べた摩擦緩和材料8が設けられ
ているので、過大な摩擦抵抗が生じない。したがって、
自身や風の時には、座屈拘束鋼板2には面内のせん断力
が生じることなく、座屈防止効果として機能し、せん断
降伏用鋼板1は、面外に座屈することなく、せん断降伏
を生じ、安定した復元力特性を発揮する。
【0013】(実施例8)実施例8を図9に示す。図8
と違う点は、座屈拘束鋼板2の面外に垂直リブ4aを溶
接接合し、座屈拘束効果を高めた点である。
と違う点は、座屈拘束鋼板2の面外に垂直リブ4aを溶
接接合し、座屈拘束効果を高めた点である。
【0014】(実施例9)実施例9を図10に示す。図
8と違う点は、座屈拘束鋼板2の上下に分割しないで、
かつ座屈拘束鋼板2の中央部で、せん断降伏用鋼板1と
ボルト接合した点である。また、せん断降伏用鋼板1の
ボルト孔部分での歪み集中を緩和させ、せん断降伏用鋼
板1の全体がせん断降伏するように、せん断降伏用鋼板
1の中央部分の両端部の見つけ幅を広げている。
8と違う点は、座屈拘束鋼板2の上下に分割しないで、
かつ座屈拘束鋼板2の中央部で、せん断降伏用鋼板1と
ボルト接合した点である。また、せん断降伏用鋼板1の
ボルト孔部分での歪み集中を緩和させ、せん断降伏用鋼
板1の全体がせん断降伏するように、せん断降伏用鋼板
1の中央部分の両端部の見つけ幅を広げている。
【0015】(実施例10)実施例10を図11、図1
2に示す。本実施例の特徴は、座屈拘束鋼板2をせん断
降伏用鋼板1より長尺とし、フランジ12と接合せず、
せん断降伏用鋼板1の両外側にてボルト5により座屈拘
束鋼板2同士を固定している点である。座屈拘束鋼板2
の拘束効果を高めるために、座屈拘束鋼板2に水平リブ
4bを溶接接合している。地震や風により構造物に水平
力が加わると、図13のように、せん断降伏用鋼材1が
せん断変形を生じる。この時、座屈拘束鋼板2の拘束に
より、せん断降伏用鋼材1は面外に変形することがない
ので、局部座屈が防止され、疲労に対する性能(寿命)
は高い。座屈拘束鋼板2は、せん断降伏用鋼板1とは、
接触しているが、溶接・ボルトなどで、固定されていな
い。このため、せん断降伏用鋼板1がせん断変形を生じ
ても、座屈拘束鋼板2は変形を生じないため、せん断降
伏用鋼材との相対的なずれが生じている。この時、せん
断降伏用鋼材1が座屈拘束鋼板2を接合するボルト5に
衝突しないように、一定のクリアランスを設ける。
2に示す。本実施例の特徴は、座屈拘束鋼板2をせん断
降伏用鋼板1より長尺とし、フランジ12と接合せず、
せん断降伏用鋼板1の両外側にてボルト5により座屈拘
束鋼板2同士を固定している点である。座屈拘束鋼板2
の拘束効果を高めるために、座屈拘束鋼板2に水平リブ
4bを溶接接合している。地震や風により構造物に水平
力が加わると、図13のように、せん断降伏用鋼材1が
せん断変形を生じる。この時、座屈拘束鋼板2の拘束に
より、せん断降伏用鋼材1は面外に変形することがない
ので、局部座屈が防止され、疲労に対する性能(寿命)
は高い。座屈拘束鋼板2は、せん断降伏用鋼板1とは、
接触しているが、溶接・ボルトなどで、固定されていな
い。このため、せん断降伏用鋼板1がせん断変形を生じ
ても、座屈拘束鋼板2は変形を生じないため、せん断降
伏用鋼材との相対的なずれが生じている。この時、せん
断降伏用鋼材1が座屈拘束鋼板2を接合するボルト5に
衝突しないように、一定のクリアランスを設ける。
【0016】(実施例11)実施例11を図14に示
す。実施例10と違う点は、座屈拘束鋼板2の形状で、
該鋼板2の高さ方向両端部に水平リブ4b、さらに数箇
所に鉛直リブ4aを溶接接合したものである。
す。実施例10と違う点は、座屈拘束鋼板2の形状で、
該鋼板2の高さ方向両端部に水平リブ4b、さらに数箇
所に鉛直リブ4aを溶接接合したものである。
【0017】(実施例12)実施例12を図15に示
す。実施例10と違う点は、座屈拘束鋼板2の形状であ
る。
す。実施例10と違う点は、座屈拘束鋼板2の形状であ
る。
【0018】(実施例13)実施例13を図16、図1
7に示す。実施例11と違う点は、せん断降伏用鋼板1
はその水平方向の両端にフランジ12aを溶接してH型
をしている点と、それに伴う座屈拘束鋼板2の形状であ
る。せん断降伏用鋼板1の見つけ幅に制約がある場合、
地震や風のときのせん断降伏用鋼板1の変形がせん断変
形だけでなく、曲げ変形を起こす。曲げ変形によるせん
断降伏用鋼板1の隅部の降伏が、せん断降伏よりも先行
するのは、せん断降伏用鋼板1の隅部の歪みが集中する
ため、好ましくない。このため、せん断降伏用鋼板1の
見つけ幅に制約がある場合には、せん断降伏用鋼板1の
形状をH型とし、曲げ剛性を高めることで、曲げによる
変形を防止する必要がある。せん断降伏用鋼板のウェブ
に相当する部分を座屈拘束鋼板2で挟み込み、ボルト5
により、せん断降伏用鋼板1の両外部で、座屈拘束鋼板
2同士を固定している。座屈拘束鋼板2とリブ4で組み
立てられた箱状の座屈拘束部材かせん断降伏用鋼板1を
拘束している。座屈拘束鋼板2は、せん断降伏用鋼板1
とは、接触しているが、溶接・ボルトなどで、結合され
ていない。地震や風のとき、座屈拘束鋼板2は、変形を
生じないため、せん断降伏用鋼材との相対的なずれが生
じるので、H型のせん断降伏用鋼材1とボルト5との間
には、一定のクリアランスを設ける。
7に示す。実施例11と違う点は、せん断降伏用鋼板1
はその水平方向の両端にフランジ12aを溶接してH型
をしている点と、それに伴う座屈拘束鋼板2の形状であ
る。せん断降伏用鋼板1の見つけ幅に制約がある場合、
地震や風のときのせん断降伏用鋼板1の変形がせん断変
形だけでなく、曲げ変形を起こす。曲げ変形によるせん
断降伏用鋼板1の隅部の降伏が、せん断降伏よりも先行
するのは、せん断降伏用鋼板1の隅部の歪みが集中する
ため、好ましくない。このため、せん断降伏用鋼板1の
見つけ幅に制約がある場合には、せん断降伏用鋼板1の
形状をH型とし、曲げ剛性を高めることで、曲げによる
変形を防止する必要がある。せん断降伏用鋼板のウェブ
に相当する部分を座屈拘束鋼板2で挟み込み、ボルト5
により、せん断降伏用鋼板1の両外部で、座屈拘束鋼板
2同士を固定している。座屈拘束鋼板2とリブ4で組み
立てられた箱状の座屈拘束部材かせん断降伏用鋼板1を
拘束している。座屈拘束鋼板2は、せん断降伏用鋼板1
とは、接触しているが、溶接・ボルトなどで、結合され
ていない。地震や風のとき、座屈拘束鋼板2は、変形を
生じないため、せん断降伏用鋼材との相対的なずれが生
じるので、H型のせん断降伏用鋼材1とボルト5との間
には、一定のクリアランスを設ける。
【0019】(実施例14)実施例14を図18、図1
9に示す。図16、図17と違う点は、座屈拘束鋼板2
の形状である。せん断降伏用鋼板1を座屈拘束鋼板2で
挟み込み、ボルト9により、せん断降伏用鋼板1を貫通
するように、座屈拘束鋼板2同士を固定している。座屈
拘束鋼板2は、せん断降伏用鋼板1とは、接触している
が、固定されていない。従って、地震や風のとき、座屈
拘束鋼板2は、変形を生じない。地震や風のときせん断
降伏用鋼板1との相対的なずれが生じるので、座屈拘束
鋼板2のボルト孔にはリーズホール9を設ける。座屈拘
束鋼板2の拘束効果を高めるために、座屈拘束鋼板2に
リブ4を溶接接合している。地震や風により構造物に水
平力が加わると、せん断降伏用鋼材1がせん断変形を生
じる。座屈拘束鋼板2は、必要に応じて複数以上に分割
することも可能である。
9に示す。図16、図17と違う点は、座屈拘束鋼板2
の形状である。せん断降伏用鋼板1を座屈拘束鋼板2で
挟み込み、ボルト9により、せん断降伏用鋼板1を貫通
するように、座屈拘束鋼板2同士を固定している。座屈
拘束鋼板2は、せん断降伏用鋼板1とは、接触している
が、固定されていない。従って、地震や風のとき、座屈
拘束鋼板2は、変形を生じない。地震や風のときせん断
降伏用鋼板1との相対的なずれが生じるので、座屈拘束
鋼板2のボルト孔にはリーズホール9を設ける。座屈拘
束鋼板2の拘束効果を高めるために、座屈拘束鋼板2に
リブ4を溶接接合している。地震や風により構造物に水
平力が加わると、せん断降伏用鋼材1がせん断変形を生
じる。座屈拘束鋼板2は、必要に応じて複数以上に分割
することも可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、大変形に対しても、面
外に歪みや変形が生ずることなくせん断降伏を生じ、疲
労特性やエネルギー吸収性能を大幅に向上させることが
できる。
外に歪みや変形が生ずることなくせん断降伏を生じ、疲
労特性やエネルギー吸収性能を大幅に向上させることが
できる。
【図1】図1は請求項1の実施例1を説明する図であ
る。(b)は(a)の右側面図である。
る。(b)は(a)の右側面図である。
【図2】図2は実施例1の変形例を説明する図である。
(b)は(a)の右側面図である。
(b)は(a)の右側面図である。
【図3】図3は請求項1の実施例2を説明する図であ
る。(b)は(a)の右側面図である。
る。(b)は(a)の右側面図である。
【図4】図4は請求項1の実施例3を説明する図であ
る。(b)は(a)の右側面図である。
る。(b)は(a)の右側面図である。
【図5】図5は請求項1の実施例4を説明する図であ
る。(b)は(a)の右側面図である。
る。(b)は(a)の右側面図である。
【図6】図6は請求項1の実施例5を説明する図であ
る。(b)は(a)の右側面図である。
る。(b)は(a)の右側面図である。
【図7】図7は請求項1の実施例6を説明する図であ
る。(b)は(a)の右側面図である。
る。(b)は(a)の右側面図である。
【図8】図8は請求項1の実施例7を説明する図であ
る。(b)は(a)の一部の右側面図である。
る。(b)は(a)の一部の右側面図である。
【図9】図9は請求項1の実施例8を説明する図であ
る。(b)は(a)の一部の右側面図である。
る。(b)は(a)の一部の右側面図である。
【図10】図10は請求項1の実施例9を説明する図で
ある。(b)は(a)の一部の右側面図である。
ある。(b)は(a)の一部の右側面図である。
【図11】図11は請求項1の実施例10を説明する図
である。
である。
【図12】図12は図11の断面図であり、(a)はA
−A視断面、(b)はB−B視断面である。
−A視断面、(b)はB−B視断面である。
【図13】図13は実施例10において、水平力が加わ
り、せん断変形を生じた状態を示す図である。
り、せん断変形を生じた状態を示す図である。
【図14】図14は請求項1の実施例11を説明する図
である。
である。
【図15】図15は請求項1の実施例12を説明する図
である。(b)は(a)の一部の右側面図である。
である。(b)は(a)の一部の右側面図である。
【図16】図16は請求項2の実施例13を説明する図
である。
である。
【図17】図17は図16のA−A視断面を示す図であ
る。
る。
【図18】図18は請求項2の実施例14を説明する図
である。
である。
【図19】図19は図18の断面図であり、(a)はA
−A視断面、(b)はB−B視断面である。
−A視断面、(b)はB−B視断面である。
【図20】図20は従来の制振部材の例を説明する図で
ある。
ある。
【図21】図21は面外座屈について説明する図であ
る。(b)は(a)のA−A視断面を示す図である。
る。(b)は(a)のA−A視断面を示す図である。
1 せん断降伏用鋼板 2 座屈拘束鋼板 3 接合用鋼材 4 リブ 4a 垂直リブ 4b 水平リブ 5 ボルト 6 梁 7 柱 8 摩擦緩和材料 9 リーズホールとボルト 10 C型鋼材 11 鋼材パネル 12 フランジ 12a フランジ 13 水平プレート鋼材
Claims (2)
- 【請求項1】 建造物の上下階の梁間に鉛直方向に上下
の接合用鋼板を介して設置する制振部材において、前記
上部接合用鋼材の下端部、下部接合用鋼材の上端部を構
成する水平プレート鋼材にせん断降伏用鋼板の上下端に
溶接されたフランジを接合し、該せん断降伏用鋼板を両
面から挟み込むように座屈拘束用鋼部材を設置してなる
ことを特徴とする制振部材。 - 【請求項2】 せん断降伏用鋼板の水平方向の両端部に
フランジを溶接したことを特徴とする請求項1記載の制
振部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10280500A JP2000096867A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 制振部材 |
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---|---|---|---|
JP10280500A JP2000096867A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 制振部材 |
Publications (1)
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ID=17625963
Family Applications (1)
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JP10280500A Pending JP2000096867A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 制振部材 |
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- 1998-09-17 JP JP10280500A patent/JP2000096867A/ja active Pending
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