JP2020056166A - 制振ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】制振ダンパにおいて、取付作業性の向上を図ると共に小型化を可能とする。【解決手段】第1梁113の第1取付部131と第2梁114の第2取付部132との間に設けられるパネルダンパ10であって、第1取付部131と第2取付部132との間に配置されて第1梁113と第2梁114の並設方向であるZ方向に沿う板形状をなすダンパ本体11と、第1取付部131とダンパ本体11の一端部とを連結する第1連結部材12と、第2取付部132とダンパ本体11の他端部とを連結する第2連結部材13とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、制振ダンパに関する。
地震の発生時、建築物に入力する振動エネルギーを吸収して減衰させるものとして、従来から制振ダンパが用いられる。例えば、左右に隣接する柱の間に制振ダンパを設けたり、上下に隣接する梁の間に制振ダンパを設けたりしている。このような技術として、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。特許文献1は、鋼板からなる板状のパネルダンパに開口を形成し、このパネルダンパの各取付端を隣接する柱に固定するものである。特許文献2は、接合用鋼板にリブを設けて面外方向への座屈を防止するものである。
特許第2531053号公報 特開2000−096867号公報
ところが、特許文献1は、パネルダンパの各取付端を柱に対して溶接により固定するものであり、取付作業性がよくないと共に、取付精度が低下する可能性がある。特許文献2は、接合用鋼板をボルトにより直接柱や梁に固定するものであり、接合用鋼板と柱や梁との間で接合用鋼板を高精度に位置決めする必要があり、取付作業性がよくない。また、特許文献2は、柱や梁に対して接合用鋼板を締結するための大きな作業空間が必要となり、接合用鋼板が大型化してしまう。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、取付作業性の向上を図ると共に小型化を可能とする制振ダンパを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための制振ダンパは、第1構造物の第1取付部と第2構造物の第2取付部との間に設けられる制振ダンパであって、前記第1取付部と前記第1取付部との間に配置されて前記第1構造物と前記第2構造物の並設方向に沿う板形状をなすダンパ本体と、前記第1取付部と前記ダンパ本体の一端部とを連結する第1連結部材と、前記第2取付部と前記ダンパ本体の他端部とを連結する第2連結部材と、を備える。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1連結部材および前記第2連結部材は、前記ダンパ本体に平行な板形状をなす。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1連結部材および前記第2連結部材は、厚さが前記ダンパ本体の厚さより厚く設けられる。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1連結部材は、前記ダンパ本体を板厚方向から挟持し、前記第2連結部材は、前記ダンパ本体を板厚方向から挟持する。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1取付部および前記第2取付部は、前記ダンパ本体に平行な板形状をなし、前記第1連結部材は、前記第1取付部と前記ダンパ本体の一端部とを板厚方向から挟持し、前記第2連結部材は、前記第2取付部と前記ダンパ本体の他端部とを板厚方向から挟持する。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1連結部材と前記第1取付部は、第1ボルトにより締結され、前記第2連結部材と前記第2取付部は、第2ボルトにより締結され、前記第1連結部材と前記ダンパ本体の一端部は、第3ボルトにより締結され、前記第2連結部材と前記ダンパ本体の他端部は、第4ボルトにより締結される。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1連結部材と前記第2連結部材との間に所定隙間が設けられる。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記ダンパ本体は、前記第1構造物と前記第2構造物の並設方向における中間位置に本体切欠部が設けられる。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1連結部材における前記切欠部に対向する位置に第1切欠部が設けられ、前記第2連結部材における前記切欠部に対向する位置に第2切欠部が設けられる。
本発明の制振ダンパの望ましい態様として、前記第1連結部材における前記ダンパ本体に接触しない面に第1変形抑制部材が設けられ、前記第2連結部材における前記ダンパ本体に接触しない面に第2変形抑制部材が設けられる。
本発明の制振ダンパによれば、取付作業性の向上を図ることができると共に、小型化を可能とすることができる。
図1は、本実施形態のパネルダンパを表す正面図である。 図2は、パネルダンパを表す側面図である。 図3は、パネルダンパを表す斜視図である。 図4は、パネルダンパを表す分解斜視図である。 図5は、パネルダンパの構造の作用を表す正面図である。 図6は、本実施形態のパネルダンパにおける第1変形例を表す斜視図である。 図7は、本実施形態のパネルダンパにおける第2変形例を表す斜視図である。 図8は、本実施形態のパネルダンパにおける第3変形例を表す斜視図である。 図9は、本実施形態のパネルダンパの第1適用例を表す概略図である。 図10は、本実施形態のパネルダンパの第2適用例を表す概略図である。 図11は、本実施形態のパネルダンパの第3適用例を表す概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる、均等の範囲のものが含まれる。さらに、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
本実施形態の制振ダンパは、第1構造物の第1取付部と第2構造物の第2取付部との間に設けられる。本実施形態の制振ダンパは、鋼板により制作されるパネルダンパであり、外力を受けて塑性変形または降伏することで、振動エネルギーを吸収して減衰させる。
図9は、本実施形態のパネルダンパの第1適用例を表す概略図、図10は、本実施形態のパネルダンパの第2適用例を表す概略図、図11は、本実施形態のパネルダンパの第3適用例を表す概略図である。なお、以下の説明では、XYZ直交座標軸を用いて説明する。X軸は、第1水平方向に平行な軸であり、Y軸は、第1水平方向に直交する第2水平方向に平行な軸であり、Z軸は、第1水平方向および第2水平方向に直交する鉛直方向に平行な軸である。X軸に平行な方向はX方向と記載し、Y軸に平行な方向はY方向と記載し、Z軸に平行な方向はZ方向と記載する。
第1適用例において、図9に示すように、第1柱111と第2柱112は、鉛直方向であるZ方向に沿うと共に、第1水平方向であるX方向に間隔を空けて配置される。第1梁113と第2梁114は、第1水平方向であるX方向に沿うと共に、鉛直方向であるZ方向に間隔を空けて配置される。第1柱111および第2柱112と、第1梁113および第2梁114は、直交するように配置される。第1梁113は、第1柱111の上部と第2柱112の上部を連結するように配置される。第2梁114は、第1柱111の下部と第2柱112の下部を連結するように配置される。第3梁115と第4梁116は、第2水平方向であるY方向に沿うと共に、鉛直方向であるZ方向に間隔を空けて配置される。第3梁115および第4梁116は、第1柱111および第2柱112と第1梁113および第2梁114と、直交するように配置される。すなわち、第3梁115および第4梁116は、図9の紙面に直交するY方向に沿う。第3梁115は、長手方向の端部が第1梁113の長手方向の中間部に連結され、第4梁116は、長手方向の端部が第2梁114の長手方向の中間部に連結される。
第1取付部材117は、第1梁113の長手方向の中間部に連結される。第1取付部材117は、第1梁113における第3梁115の連結位置からZ方向の下方へ向けて延出される。第2取付部材118は、第2梁114の長手方向の中間部に連結される。第2取付部材118は、第2梁114における第4梁116の連結位置からZ方向の上方へ向けて延出される。ここでは、第1梁113および第1取付部材117が第1構造物であり、第2梁114および第2取付部材118が第2構造物である。本実施形態のパネルダンパ(制振ダンパ)10は、第1取付部材117と第2取付部材118との間に設けられる。
第2適用例において、図10に示すように、第1柱111および第2柱112、第1梁113および第2梁114、第3梁115および第4梁116は、第1適用例と同様である。取付部材119は、第1柱111と第2梁114との連結部から斜め上方に向けて延出されると共に、第2柱112と第2梁114との連結部から斜め上方に向けて延出される。取付部材119は、逆V字形状をなし、取付部材本体119aと、2つの支持部材119b,119cを有する。取付部材本体119aは、2つの支持部材119b,119cにより第1柱111と第2柱112と第2梁114に支持される。取付部材本体119aと第1梁113は、Z方向に対向する。ここでは、第1梁113が第1構造物であり、第2梁114および取付部材120が第2構造物である。本実施形態のパネルダンパ10は、第1梁113と取付部材119の取付部材本体119aとの間に設けられる。
第3適用例において、図11に示すように、第1柱121と第2柱122は、鉛直方向であるZ方向に沿うと共に、第1水平方向であるX方向に間隔を空けて配置される。第1梁123と第2梁124は、第1水平方向であるX方向に沿うと共に、鉛直方向であるZ方向に間隔を空けて配置される。第1柱121および第2柱122と、第1梁123および第2梁124は、直交するように配置される。第1梁123は、第1柱121の上部と第2柱122の上部を連結するように配置される。第2梁124は、第1柱121の下部と第2柱122の下部を連結するように配置される。第3梁125と第4梁126は、第2水平方向であるY方向に沿うと共に、鉛直方向であるZ方向に間隔を空けて配置される。第3梁125および第1梁126は、第1柱121および第2柱122と第1梁123および第2梁124と、直交するように配置される。すなわち、第3梁125および第4梁126は、図11の紙面に直交する方向(Y方向)に沿う。第3梁125は、端部が第1梁123の長手方向の中間部に連結され、第4梁126は、端部が第2梁124の長手方向の中間部に連結される。
ここでは、第1柱121が第1構造物であり、第2柱122が第2構造物である。本実施形態のパネルダンパ10は、第3梁125と第4梁126との間で、第1柱121と第1柱122との間に設けられる。
なお、上述した柱111,112,121,122、梁113,114,115、116,123,124,125,126、取付部材117,118,119は、H型鋼またはI形鋼である。
以下、パネルダンパ10について詳細に説明する。図1は、本実施形態のパネルダンパを表す正面図、図2は、パネルダンパを表す側面図、図3は、パネルダンパを表す斜視図、図4は、パネルダンパを表す分解斜視図、図5は、パネルダンパの構造の作用を表す正面図である。なお、以下の説明では、パネルダンパを第1適用例に適用したものとして説明する。
図1から図3に示すように、パネルダンパ10は、第1構造物としての第1梁113の第1取付部材117における第1取付部131と、第2構造物としての第2梁114の第2取付部材118における第2取付部132との間に設けられる。パネルダンパ10は、ダンパ本体11と、第1連結部材12と、第2連結部材13とを備える。パネルダンパ10を形成する材料としては、鋼材、アルミ、鉛、銅、合金などが挙げられる。
パネルダンパ10は、第1梁113の第1取付部材117と第2梁114の第2取付部材118とを連結する減衰部材として機能する。パネルダンパ10は、降伏強度が取付部材117,118および取付部131,132の降伏強度より低く設定される。ここで、降伏強度とは、塑性変形を起こさずに材料に対して生じさせることができる最大応力のことである。降伏強度は、材料のせん断強度にせん断断面積を積算して求めることができる。
パネルダンパ10は、所定厚さの平板材料であるダンパ本体11を有する。ダンパ本体11は、第1梁113および第2梁114の長手方向であるX方向と、第1梁113と第2梁114の並設方向であるZ方向とに沿う。すなわち、ダンパ本体11の厚さ方向は、Y方向に平行である。
ダンパ本体11は、矩形状をなし、Z方向における中間部にX方向に沿う切欠部(本体切欠部)21,22が設けられる。切欠部21は、ダンパ本体11におけるY方向の一端側に端面からY方向の他端側に向けて設けられる。切欠部22は、ダンパ本体11におけるY方向の他端側に端面からY方向の一端側に向けて設けられる。そのため、ダンパ本体11は、切欠部21,22によりZ方向の中間部におけるX方向の長さが短くなっている。
ダンパ本体11は、第1梁113および第2梁114に対して着脱自在に設けられる。第1梁113の第1取付部材117は、第1取付部131が設けられ、第2梁114の第2取付部材118は第2取付部132が設けられる。第1取付部131は、平板形状をなす固定部133と平板形状をなす取付部134が直交する方向に固定されて構成される。第1取付部131は、固定部133が第1取付部材117に、例えば、溶接により固定され、取付部134は、X方向及びZ方向に平行である。第2取付部132は、平板形状をなす固定部135と平板形状をなす取付部136が直交する方向に固定されて構成される。第2取付部132は、固定部135が第2取付部材118に、例えば、溶接により固定され、取付部136は、X方向及びZ方向に平行である。取付部134,136は、Y方向における位置が同じである。なお、第1取付部131および第2取付部132を、固定部133,135を設けずに取付部134,136だけとし、第1梁113および第2梁114に取付部134,136を直接固定してもよい。
ダンパ本体11は、第1取付部131と第2取付部132との間に所定隙間を空けて配置される。ダンパ本体11は、Y方向の位置が第1取付部131および第2取付部132と同じである。ダンパ本体11は、Z方向における一端部側が第1連結部材12により第1取付部131の取付部134に連結され、Z方向における他端部側が第2連結部材13により第2取付部132の取付部136に連結される。第1連結部材12および第2連結部材13は、矩形の平板形状をなす。第1連結部材12および第2連結部材13は、同形状をなす。
第1連結部材12および第2連結部材13は、ダンパ本体11に平行であり、厚さがダンパ本体11の厚さより厚く設けられる。第1連結部材12は、2枚設けられ、ダンパ本体11の一端部側を板厚方向の両側から挟持する。第2連結部材13は、2枚設けられ、ダンパ本体11の他端部側を板厚方向の両側から挟持する。第1取付部131の取付部134と、第2取付部132の取付部136と、ダンパ本体11とは、同じ厚さであり、X方向に所定隙間を空けて配置され、Z方向の位置が同じである。
図3および図4に示すように、第1連結部材12の一端部と第1取付部131の取付部134とは、複数の第1ボルト31および複数の第1ナット32により締結される。第2連結部材13の一端部と第2取付部132の取付部136とは、複数の第2ボルト33及び複数の第2ナット34により締結される。すなわち、複数の第1ボルト31は、一方の第1連結部材12の取付孔、取付部134の取付孔、他方の第1連結部材12の取付孔を貫通し、先端のねじ部に第1ナット32が螺合される。複数の第2ボルト33は、一方の第2連結部材13の取付孔、取付部136の取付孔、他方の第2連結部材13の取付孔を貫通し、先端のねじ部に第2ナット34が螺合される。
また、第1連結部材12の他端部とダンパ本体11の一端部は、第3ボルト35及び第3ナット36により締結される。第2連結部材13の他端部とダンパ本体11の他端部は、第4ボルト37及び第4ナット38により締結される。すなわち、複数の第3ボルト35は、一方の第1連結部材12の取付孔、ダンパ本体11の取付孔、他方の第1連結部材12の取付孔を貫通し、先端のねじ部に第3ナット36が螺合される。複数の第4ボルト37は、一方の第2連結部材13の取付孔、ダンパ本体11の取付孔、他方の第2連結部材13の取付孔を貫通し、先端のねじ部に第4ナット38が螺合される。
そのため、ダンパ本体11は、一端部が第1連結部材12を介して第1取付部131に連結され、他端部が第2連結部材13を介して第2取付部132に連結される。このとき、ダンパ本体11と、第1連結部材12と、第1取付部131の取付部134と、第2連結部材13と、第2取付部132の取付部136とは、平行をなす。また、第1連結部材12と第1取付部131の固定部133との間に隙間が設けられ、第2連結部材13と第2取付部132の固定部135との間に隙間が設けられる。さらに、第1連結部材12と第2連結部材13との間に所定隙間が設けられる。
また、第1連結部材12および第2連結部材13は、ダンパ本体11の面外方向としてのY方向への変形を抑制する変形抑制部材として機能する。すなわち、2枚の第1連結部材12は、ダンパ本体11の一端部側を板厚方向から挟持し、2枚の第2連結部材13は、ダンパ本体11の他端部側を板厚方向から挟持する。このとき、第1連結部材12と第2連結部材13との間に所定隙間が設けられることから、ダンパ本体11は、Z方向における中間位置に、第1連結部材12により挟持されず、且つ、第2連結部材13にも挟持されない領域が設けられる。そのため、ダンパ本体11は、第1連結部材12および第2連結部材13に挟持されない領域が優先的に変形可能となる。
このように本実施形態の制振ダンパにあっては、第1梁113の第1取付部131と第2梁114の第2取付部132との間に設けられるパネルダンパ10であって、第1取付部131と第2取付部132との間に配置されて第1梁113と第2梁114の並設方向であるZ方向に沿う板形状をなすダンパ本体11と、第1取付部131とダンパ本体11の一端部とを連結する第1連結部材12と、第2取付部132とダンパ本体11の他端部とを連結する第2連結部材13とを備える。
そのため、図5に示すように、地震によって建築物に水平力が作用した場合、パネルダンパ10により建築物に作用した振動エネルギーを減衰することができる。すなわち、第1梁113と第2梁114が水平方向であるX方向に相対変位したとき、パネルダンパ10は、このX方向の相対変位を生じる。つまり、パネルダンパ10は、入力した外力としてのせん断力によりダンパ本体11が変形する。外力が降伏応力より大きければ、ダンパ本体11が塑性変形または降伏することで振動エネルギーを吸収して減衰させる。その結果、建築物の耐震性を向上させることができる。
また、ダンパ本体11は、第1連結部材12および第2連結部材13により第1梁113および第2梁114に連結される。そのため、ダンパ本体11を第1梁113や第2梁114に容易に連接することができ、大きな作業空間を不要とすることでダンパ本体11の取付作業性の向上を図ることができると共に、小型化を可能とすることができる。
本実施形態の制振ダンパでは、第1連結部材12および第2連結部材13は、ダンパ本体11に平行な板形状をなす。そのため、X方向の水平力が作用したとき、ダンパ本体11がXZ面内で適正に変形することで、振動エネルギーを効率的に吸収して減衰させることができる。また、パネルダンパ10の全体を薄板構造とすることで、小型化を可能とすることができる。
本実施形態の制振ダンパでは、第1連結部材12および第2連結部材13の厚さをダンパ本体11の厚さより厚くする。そのため、外力が作用したとき、第1連結部材12および第2連結部材13より先にダンパ本体11を塑性変形または降伏させることで、ダンパ本体11が振動エネルギーを適正に吸収して減衰させることができる。
本実施形態の制振ダンパでは、第1連結部材12は、ダンパ本体11を板厚方向から挟持し、第2連結部材13は、ダンパ本体11を板厚方向から挟持する。そのため、第1連結部材12および第2連結部材13を第1梁113および第2梁114への連結部材として機能させるだけでなく、補強部材として機能させることができ、構造の簡素化を図ることができる。
本実施形態の制振ダンパでは、第1取付部131および第2取付部132をダンパ本体11に平行な板形状とし、第1連結部材12により第1取付部131とダンパ本体11の一端部とを板厚方向から挟持し、第2連結部材13により第2取付部132とダンパ本体11の他端部とを板厚方向から挟持する。そのため、第1連結部材12および第2連結部材13によりダンパ本体11と第1梁113および第2梁114とを適正に連結することができると共に、第1連結部材12および第2連結部材13を補強部材とすることで、ダンパ本体11により振動エネルギーを適正に吸収させることができる。
本実施形態の制振ダンパでは、第1連結部材12と第1取付部131を第1ボルト31により締結し、第2連結部材13と第2取付部132を第2ボルト33により締結し、第1連結部材12とダンパ本体11の一端部を第3ボルト35により締結し、第2連結部材13とダンパ本体11の他端部を第4ボルト37により締結する。そのため、溶接個所を減少させて取付作業性の向上を図ることができる。また、ボルト31,33,35,37が貫通する取付孔が平行であることから、取付孔をボルト31,33,35,37の外径より大きく形成することで、ダンパ本体11の取付を容易に行うことができると共に、ダンパ本体11を位置調整することで、高い取付精度を確保することができる。そして、振動エネルギーを吸収してダンパ本体11が損傷しても、損傷したダンパ本体11を取り外して新しいダンパ本体11を直ちに装着することができる。
本実施形態の制振ダンパでは、第1連結部材12と第2連結部材13との間に所定隙間を設ける。そのため、ダンパ本体11に強度が低い部分を確保することで、外力によりダンパ本体11を適正に塑性変形または降伏させることで、振動エネルギーを適正に吸収することができる。
本実施形態の制振ダンパでは、ダンパ本体11における第1梁113と第2梁114の並設方向における中間位置に切欠部21,22を設ける。そのため、切欠部21,22によりダンパ本体11に強度が低い部分を確保することで、外部応力によりダンパ本体11を適正に変形させることで、この外部応力を適正に吸収することができる。
なお、第1連結部材12および第2連結部材13は、上述した構成に限定されるものではない。図6は、本実施形態のパネルダンパにおける第1変形例を表す斜視図、図7は、本実施形態のパネルダンパにおける第2変形例を表す斜視図、図8は、本実施形態のパネルダンパにおける第2変形例を表す斜視図である。
本実施形態の第1変形例において、図6に示すように、パネルダンパ10Aのダンパ本体11は、矩形状をなし、Z方向における中間部にX方向に沿う切欠部21,22が設けられる。切欠部21は、ダンパ本体11におけるY方向の一端側に端面からY方向の他端側に向けて設けられる。切欠部22は、ダンパ本体11におけるY方向の他端側に端面からY方向の一端側に向けて設けられる。そのため、ダンパ本体11は、切欠部21,22によりZ方向の中間部におけるX方向の長さが短くなっている。
第1連結部材12は、ダンパ本体11の切欠部21,22に対向する位置に第1切欠部41,42が設けられる。第2連結部材13は、切欠部21,22に対向する位置に第2切欠部43,44が設けられる。2枚の第1連結部材12は、ダンパ本体11を板厚方向に挟持することで変形を抑制しているが、切欠部21,22に対向する部分が不要となる。2枚の第2連結部材13は、ダンパ本体11を板厚方向に挟持することで変形を抑制しているが、切欠部21,22に対向する部分が不要となる。
本実施形態の制振ダンパでは、第1連結部材12における切欠部21,22に対向する位置に第1切欠部41,42を設け、第2連結部材13における切欠部21,22に対向する位置に第2切欠部43,44を設ける。そのため、第1連結部材12および第2連結部材13の軽量化を可能とすることができる。
本実施形態の第2変形例において、図7に示すように、パネルダンパ10Bのダンパ本体11は、一端部が第1連結部材12により第1取付部131に連結され、他端部が第2連結部材13により第2取付部132に連結される。第1連結部材12は、ダンパ本体11に接触しない外面に第1変形抑制部材としての複数のリブ51が設けられる。第2連結部材13は、ダンパ本体11に接触しない外面に第2変形抑制部材としての複数のリブ52が設けられる。複数のリブ51,52は、Z方向に平行に設けられているが、X方向であってもよいし、Z方向に平行なリブとX方向に平行なリブを設けてもよい。複数のリブ51,52は、面外方向としてのY方向への変形を抑制する補強部材として機能する。
本実施形態の制振ダンパでは、第1連結部材12におけるダンパ本体11に接触しない面に第1変形抑制部材としてのリブ51を設け、第2連結部材13におけるダンパ本体11に接触しない面に第2変形抑制部材としてのリブ52を設ける。そのため、連結部材12,13は、リブ51,52により面外方向、つまり、Y方向への変形が抑制されるため、ダンパ本体11における連結部材12,13が設けられていない部分をXZ面内で変形させることで、X方向の振動エネルギーを効率的に吸収して減衰させることができる。
本実施形態の第3変形例において、図8に示すように、パネルダンパ60は、第1取付部141と、第2取付部142との間に設けられる。パネルダンパ60は、ダンパ本体61と、第1連結部材62と、第2連結部材63とを備える。
パネルダンパ60は、所定厚さの平板材料である2枚のダンパ本体61を有する。なおダンパ本体61は、3枚以上であってもよい。ダンパ本体61は、矩形状をなし、Z方向における中間部にX方向に沿う切欠部(本体切欠部)71,72が設けられる。そのため、ダンパ本体61は、切欠部71,72によりZ方向の中間部におけるX方向の長さが短くなっている。
第1取付部141は、平板形状をなす固定部143と平板形状をなす取付部144が直交する方向に固定されて構成される。第1取付部141は、取付部14がX方向及びZ方向に平行である。第2取付部142は、平板形状をなす固定部145と平板形状をなす取付部146が直交する方向に固定されて構成される。第2取付部142は、取付部146がX方向及びZ方向に平行である。
2枚のダンパ本体61は、第1取付部141と第2取付部142におけるY方向の両側に配置される。ダンパ本体61は、Z方向における一端部側が第1連結部材62により第1取付部141の取付部144に連結され、Z方向における他端部側が第2連結部材62により第2取付部142の取付部146に連結される。第1連結部材62および第2連結部材63は、矩形の平板形状をなす。第1連結部材62および第2連結部材63は、同形状をなす。
第1連結部材62および第2連結部材63は、ダンパ本体61に平行であり、厚さがダンパ本体61の厚さより厚く設けられる。第1連結部材62は、2枚設けられ、2枚のダンパ本体61の一端部側を板厚方向の両側から挟持する。第2連結部材63は、2枚設けられ、2枚のダンパ本体61の他端部側を板厚方向の両側から挟持する。
第1連結部材62の一端部と第1取付部141の取付部144とダンパ本体61の一端部とは、複数の第1ボルト81および複数の第1ナット82により締結される。第2連結部材63の一端部と第2取付部142の取付部146とダンパ本体61の他端部とは、複数の第2ボルト83及び複数の第2ナット84により締結される。
そのため、ダンパ本体61は、一端部が第1連結部材62を介して第1取付部141に連結され、他端部が第2連結部材63を介して第2取付部142に連結される。このとき、ダンパ本体61と、第1連結部材62と、第1取付部141の取付部144と、第2連結部材63と、第2取付部142の取付部146とは、平行をなす。また、第1連結部材62と第1取付部141の固定部143との間に隙間が設けられ、第2連結部材63と第2取付部142の固定部145との間に隙間が設けられる。さらに、第1連結部材62と第2連結部材63との間に所定隙間が設けられる。
また、第1連結部材62および第2連結部材63は、ダンパ本体61の面外方向としてのY方向への変形を抑制する変形抑制部材として機能する。すなわち、2枚の第1連結部材62は、ダンパ本体61の一端部側を板厚方向から挟持し、2枚の第2連結部材63は、ダンパ本体61の他端部側を板厚方向から挟持する。このとき、第1連結部材62と第2連結部材63との間に所定隙間が設けられることから、ダンパ本体61は、Z方向における中間位置に、第1連結部材62により挟持されず、且つ、第2連結部材63にも挟持されない領域が設けられる。そのため、ダンパ本体61は、第1連結部材62および第2連結部材63に挟持されない領域が優先的に変形可能となる。
なお、上述した実施形態では、第1連結部材12および第2連結部材13を矩形状としたが、この形状に限定されるものではなく、制振ダンパの取付位置に応じて適宜形状を変更すればよい。
10,10A,10B,60 パネルダンパ(制振ダンパ)
11,61 ダンパ本体
12,62 第1連結部材
13,63 第2連結部材
21,22,71,72 切欠部(本体切欠部)
31,81 第1ボルト
32,82 第1ナット
33,83 第2ボルト
34,84 第2ナット
35 第3ボルト
36 第3ナット
37 第4ボルト
38 第4ナット
41,42 第1切欠部
43,44 第2切欠部
51 リブ(第1変形抑制部材)
52 リブ(第2変形抑制部材)
111,121 第1柱
112,122 第2柱
113,123 第1梁
114,124 第2梁
115,125 第3梁
116,126 第4梁
117 第1取付部材
118,119 第2取付部材
131,141 第1取付部
132,142 第2取付部
133,135,143,145 固定部
134,136,144,146 取付部

Claims (10)

  1. 第1構造物の第1取付部と第2構造物の第2取付部との間に設けられる制振ダンパであって、
    前記第1取付部と前記第2取付部との間に配置されて前記第1構造物と前記第2構造物の並設方向に沿う板形状をなすダンパ本体と、
    前記第1取付部と前記ダンパ本体の一端部とを連結する第1連結部材と、
    前記第2取付部と前記ダンパ本体の他端部とを連結する第2連結部材と、
    を備える制振ダンパ。
  2. 前記第1連結部材および前記第2連結部材は、前記ダンパ本体に平行な板形状をなす請求項1に記載の制振ダンパ。
  3. 前記第1連結部材および前記第2連結部材は、厚さが前記ダンパ本体の厚さより厚く設けられる請求項2に記載の制振ダンパ。
  4. 前記第1連結部材は、前記ダンパ本体を板厚方向から挟持し、前記第2連結部材は、前記ダンパ本体を板厚方向から挟持する請求項3に記載の制振ダンパ。
  5. 前記第1取付部および前記第2取付部は、前記ダンパ本体に平行な板形状をなし、前記第1連結部材は、前記第1取付部と前記ダンパ本体の一端部とを板厚方向から挟持し、前記第2連結部材は、前記第2取付部と前記ダンパ本体の他端部とを板厚方向から挟持する請求項4に記載の制振ダンパ。
  6. 前記第1連結部材と前記第1取付部は、第1ボルトにより締結され、前記第2連結部材と前記第2取付部は、第2ボルトにより締結され、前記第1連結部材と前記ダンパ本体の一端部は、第3ボルトにより締結され、前記第2連結部材と前記ダンパ本体の他端部は、第4ボルトにより締結される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制振ダンパ。
  7. 前記第1連結部材と前記第2連結部材との間に所定隙間が設けられる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制振ダンパ。
  8. 前記ダンパ本体は、前記第1構造物と前記第2構造物の並設方向における中間位置に本体切欠部が設けられる請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の制振ダンパ。
  9. 前記第1連結部材における前記本体切欠部に対向する位置に第1切欠部が設けられ、前記第2連結部材における前記本体切欠部に対向する位置に第2切欠部が設けられる請求項8に記載の制振ダンパ。
  10. 前記第1連結部材における前記ダンパ本体に接触しない面に第1変形抑制部材が設けられ、前記第2連結部材における前記ダンパ本体に接触しない面に第2変形抑制部材が設けられる請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の制振ダンパ。
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