JP2006161846A - 制振パネル - Google Patents

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Kazuhiko Kasai
和彦 笠井
Yasuhiro Nakada
安洋 中田
Koji Nishimoto
晃治 西本
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Abstract

【課題】 塑性化パネル部を十分にせん断変形させることにより、地震等の発生時に振動エネルギーを効率良く吸収し、制振性能を高める。
【解決手段】 矩形板状の塑性化パネル部2と、塑性化パネル部2の周縁部に一体に設けられる塑性化パネル部2よりも板厚の厚い環状の枠部4とから構成される。塑性化パネル部2と枠部4とは、歪硬化性を有する金属材料(低降伏点鋼等)を素材として、機械による切削加工等によって一体に形成される。塑性化パネル部2の板厚と幅又は長さとの比は25以下に設定され、面外座屈が生じるのが防止される。塑性化パネル部2と枠部4との間を溶接によって接合する必要がないので、溶接による問題が生じるようなことはなく、塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、制振パネルに関し、特に、建築物、土木構造物等の地震、風等による振動を抑制するために有効な制振パネルに関する。
従来、建築物、土木構造物等の地震、風等による振動を抑制するため、各種の制振装置が提案されており、その一例として、低降伏点鋼等からなる塑性化パネル部と、塑性化パネル部の周縁部に一体に設けられる普通鋼等からなる枠部と、塑性化パネル部に取り付けられるリブとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、制振装置の他の例として、平板状のせん断変形部の周縁部に複数のボルト孔を有する取付け部を一体に設けた超塑性材料からなるエネルギーパネルを備えた制振装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、制振装置の他の例として、極軟鋼からなるせん断変形パネルと、せん断変形パネルの上下端部に一体に設けられる上部本体取付け板及び下部本体取付け板と、せん断変形パネルの表面に上部本体取付け板と下部本体取付け板と直交するように一体に設けられるリブプレートとを備えた制振装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
登録実用新案第2556764号公報 特開2001−234974号公報 特開2003−97084号公報
ところで、上記のような各種の制振装置のうち、特許文献1に記載されている制振装置は、塑性化パネル部の表面にリブを取り付けるとともに、塑性化パネル部の周縁部に溶接により枠部を一体に接合しているので、建築物等の振動を抑制する際に、塑性化パネル部に面外座屈が発生するのを防止でき、振動エネルギーを効率良く吸収することができる。
しかし、塑性化パネル部にリブを取り付ける必要があるため、その作業の分だけ余計に手間がかかってしまい、製造コストが高くついてしまう。
また、塑性化パネル部の幅厚比が十分に小さくないため、せん断変形を繰り返したり、過大な変形を受けたりした場合に、塑性化パネル部に面外座屈が生じてしまい、塑性化パネル部の歪が局所的に大きくなり、塑性化パネル部の平均せん断歪度と塑性化パネル部の金属素材の疲労寿命から推定される疲労寿命と比較して、塑性化パネル部の寿命が極端に低下してしまう。
さらに、塑性化パネル部は、その外側に位置する枠部との間が溶接によって一体に接合されているため、溶接の際の入熱によって金属組織が劣化してしまい、また、相対的に強度が高く塑性化しにくい溶接金属の存在によって塑性化パネル部の塑性変形(特に絞り)が拘束されてしまい、さらに、溶接部のアンダーカットや溶接線部の断面積の急変によって発生する応力集中等の影響により、大きなせん断変形域で溶接線部から破断してしまう等の問題が生じる。
また、特許文献2に記載されている制振装置は、せん断変形部と取付け部との間を溶接によって接合していないので、特許文献1に記載の制振装置のような溶接による問題(金属組織の劣化、塑性変形の拘束、溶接線部からの破断)が生じることはない。
しかし、せん断変形部の面外座屈を防止するため、リブの代わりにせん断変形部の両面に拘束板を設けるとともに、拘束板の外側に連結部材を設けなければならないため、製造に手間がかかり、製造コストが高くついてしまう。
さらに、特許文献3に記載されている制振装置は、特許文献2に記載のもののように、拘束板や連結部材を設ける必要がないので、製造に要する手間を特許文献2に記載のものよりも削減することができる。
しかし、せん断変形パネルの表面に溶接によりリブプレートを一体に接合しているため、特許文献1に記載の制振装置のような溶接の問題(金属組織の劣化、塑性変形の拘束、溶接線部からの破断)が生じてしまう。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、溶接による金属組織の劣化、塑性変形の拘束、溶接線部からの破断等が生じるのをなくすことにより、使用する素材の本来のせん断変形能力を十分に発揮させることができるとともに、溶接を不要とすることにより製造に要する手間を大幅に削減することができ、さらに、せん断変形時に局所的な応力集中や板厚方向への変形拘束を低減させることができて、良好なせん断変形能力を確保することができ、そして、リブを用いることなく面外座屈が生じるのを防止できる制振パネルを提供することを目的とする。
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、平板状の塑性化パネル部と、該塑性化パネル部の周縁部に一体に設けられる塑性化パネル部よりも板厚の厚い環状の枠部とからなり、前記塑性化パネル部と前記枠部とを歪硬化性を有する金属材料によって一体に形成したことを特徴とする。
本発明による制振パネルによれば、塑性化パネル部及び枠部は、歪硬化性を有する金属材料を素材として一体に形成されるので、制振対象箇所に設置した場合に、塑性化パネル部を十分にせん断変形させることが可能となり、振動エネルギーを効率良く吸収することができ、良好な制振性能を発揮することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の制振パネルであって、前記塑性化パネル部の板厚と幅又は長さとの比を25以下に設定したことを特徴とする。
本発明による制振パネルによれば、塑性化パネル部を補剛するために、塑性化パネル部の表面にリブを設ける必要がなくなり、リブがなくても塑性化パネル部が面外座屈を起こすのを防止できる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の制振パネルであって、前記歪硬化性を有する材料は低降伏点鋼であることを特徴とする。
本発明による制振パネルによれば、塑性化パネル部及び枠部は、低降伏点鋼から形成されるので、制振対象箇所に設置した場合に、塑性化パネル部を十分にせん断変形させることが可能となり、振動エネルギーを効率良く吸収することができ、良好な制振性能を発揮することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載の制振パネルであって、前記塑性化パネル部及び枠部は、機械加工、鋳造又は鍛造により一体に形成されていることを特徴とする。
本発明による制振パネルによれば、塑性化パネル部及び枠部は、機械加工、鋳造又は鍛造により一体に形成されているので、溶接による問題(金属組織の劣化、塑性変形の拘束、溶接線部からの破断)が生じるのを防止することができるととともに、製造を容易にすることもできる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れかに記載の制振パネルであって、前記枠部と前記塑性化パネル部との境界部は、全周に渡って面取りされて所定の曲率の曲面に形成されていることを特徴とする。
本発明による制振パネルによれば、塑性化パネル部をせん断変形させる際に、塑性化パネル部と枠部との境界部に応力が集中するのを防止でき、塑性化パネル部を良好にせん断変形させることが可能となり、振動エネルギーを効率良く吸収することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れかに記載の制振パネルであって、前記枠部の一部には、制振対象箇所に取り付けるための取付け部が設けられていることを特徴とする。
本発明による制振パネルによれば、取付け部を介して制振対象箇所に取り付けることができるので、制振対象箇所への取付けが容易となる。
以上、説明したように、本発明の請求項1に記載の制振パネルによれば、塑性化パネル部と枠部とは、歪硬化性を有する金属材料で一体に形成されているので、制振対象箇所に設置した場合に、塑性化パネル部を十分にせん断変形させることができ、振動エネルギーを効率良く吸収することができ、良好な制振性能を発揮することができる。
また、請求項2に記載の制振パネルによれば、塑性化パネル部の板厚と幅又は長さとの比は25以下に設定されているので、塑性化パネル部を補剛するために塑性化パネル部の表面にリブを設ける必要がなく、リブがなくても塑性化パネル部が面外座屈を起こすのを防止できる。従って、振動エネルギーを効率良く吸収することができるので、良好な制振性能を発揮することができる。
さらに、請求項3に記載の制振パネルによれば、塑性化パネル部及び枠部は低降伏点鋼から形成されているので、制振対象箇所に設置した場合に、塑性化パネル部を十分にせん断変形させることができ、振動エネルギーを効率良く吸収することができ、良好な制振性能を発揮することができる。
さらに、請求項4に記載の制振パネルによれば、塑性化パネル部及び枠部は、機械加工、鋳造又は鍛造によって一体に形成されているので、溶接によって両者を一体に接合した場合のように、金属組織が劣化したり、塑性変形が拘束されたり、溶接線部から破断したりするようなことはなく、塑性化パネル部を十分にせん断変形させることができる。また、塑性化パネル及び枠部の製造が容易となり、製造コストを削減することができる。
さらに、請求項5に記載の制振パネルによれば、塑性化パネル部と枠部との境界部は全周に渡って面取りされて所定の曲率の曲面に形成されているので、塑性化パネル部をせん断変形させる際に、塑性化パネル部と枠部との境界部に応力が集中するのを防止できる。従って、塑性化パネル部を十分にせん断変形させることができるので、振動エネルギーを効率良く吸収することができ、良好な制振性能を発揮することができる。
さらに、請求項6に記載の制振パネルによれば、枠部の一部には取付け部が設けられているので、取付け部を介して制振対象箇所に取り付けることができる。従って、制振対象箇所への取付けの際に、取付けのために新たな取付け治具等を用意する必要がないので、取付け作業が容易となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図6には、本発明による制振パネルの一実施の形態が示されていて、図1は制振パネルの全体を示す斜視図、図2は図1の部分拡大正面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は制振パネルの一使用例を示す概略図、図5は図4の部分拡大図、図6は制振パネルの他の使用例を示す概略図である。
すなわち、この制振パネル1は、図1に示すように、所定の板厚の矩形板状の塑性化パネル部2と、塑性化パネル部2の周縁部に一体に設けられる塑性化パネル部2よりも板厚の厚い環状の枠部4とから構成されている。
塑性化パネル部2と枠部4とは、歪硬化性を有する金属材料を素材として一体に形成されている。塑性化パネル部2及び枠部4を構成する金属材料としては、塑性変形可能な歪硬化性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、低降伏点鋼、軟鋼、アルミ、錫、鉛等が挙げられ、本実施の形態においては、低降伏点鋼を素材として使用している。
低降伏点鋼は、降伏強さが低く(例えば205〜245N/mm)、伸びが大きい(例えば40%以上)鉄鋼材料であって、例えば、重量%で、C:0.1%以下、Si:0.05%以下、Mn:0.5%以下、N:0.006%以下のもの等が挙げられる。
塑性化パネル部2と枠部4とを一体に形成する方法としては、切削加工、プレス加工等の機械加工、鋳造、鍛造等が挙げられ、この実施の形態においては、低降伏点鋼を素材として、機械による切削加工により塑性化パネル部2と枠部4とを一体に形成している。
具体的には、低降伏点鋼からなる矩形板状の鋼板を用意し、この鋼板の表裏面の中央部にそれぞれ矩形状の凹部3、3を所定の深さで形成し、両凹部3、3間に所定の板厚の矩形板状の塑性化パネル部2を形成する。そして、塑性化パネル部2の外側の環状の部分の外形を所定の形状に形成し、その部分を塑性化パネル部2よりも板厚の厚い枠部4とする。このような切削加工を鋼板に施すことにより、塑性化パネル部2と枠部4とを一体に形成することができる。
塑性化パネル部2と枠部4とを一体に形成することにより、塑性化パネル部2と枠部4を別体に形成して、それらの間を溶接によって一体に接合する必要がなくなるので、溶接による問題(金属組織の劣化、塑性変形の拘束、溶接線部からの破断)が生じるのを防止することができ、塑性化パネル部2のせん断変形機能を十分に発揮させることができる。
塑性化パネル部2は、板厚twに対する幅l又は長さhの比が25以下に設定され、このような値に塑性化パネル部2の板厚twに対する幅l又は長さhの比を設定することにより、塑性化パネル部2に補剛用のリブを設けることなく、塑性化パネル部2に面外座屈が生じるのを防止でき、制振の際に塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができる。
ここで、塑性化パネル部2の板厚twに対する幅l又は長さhの比を25以下に設定しているのは、面外座屈が生じる危険性を除去しているためである。すなわち、図8(a)〜(d)に示すように、既往の研究によれば、鋼種にLY160を用いて動的載荷を行ったときの各幅厚比の復元特性は、幅厚比が33、42では、パネル変形角0.05rad付近までほぼ安定したループを描いているが(図8(a)(b))、幅厚比56では、パネル変形角0.04radのループでパネル部の面外座屈による耐力低下が見られ(図8(c))、幅厚比83では更に面外座屈の進行が早まり、パネル変形角0.02radのループからバタフライ型となる(図8(d))傾向があるからである。
枠部4は、塑性化パネル部2の周縁部の上側に設けられる上枠部5と、下側に設けられる下枠部6と、左側に設けられる左枠部7と、右側に設けられる右枠部8とから構成され、上枠部5及び下枠部6は制振パネル1を制振対象箇所に取り付ける際の取付け部9として機能している。
各取付け部9(上枠部5、下枠部6)は、上下方向の厚みaが左枠部7及び右枠部8の水平方向の厚みb、cよりも厚く形成されるとともに、両端部がそれぞれ左枠部7及び右枠部8の外側面10、11よりも外方に突出している。
各取付け部9には、表裏面間を貫通するボルト挿通用の孔13が所定の間隔ごとに複数箇所(この実施の形態においては4箇所)に設けられ、後述する取付けプレート23とこのボルト挿通用の孔13との間にボルト24を挿通させてナット(図示せず)により締め付けることにより、各取付け部9が制振対象箇所に固定され、制振パネル1が制振対象箇所の所定の位置に取り付けられる。
各取付け部9は、上記の形状に限らず、水平方向の両端面14、14を左枠部7及び右枠部8の外側面10、11と面一に形成しても良いし、水平方向の両端面14、14が左枠部7及び右枠部8の外側面10、11よりも内側に位置するように形成しても良い。また、両取付け部9、9をボルト24によって制振対象箇所に取り付けずに溶接などによって取り付けても良い。その場合には、各取付け部9にボルト挿通用の孔13を設ける必要がなくなる。
塑性化パネル部2と枠部4との境界部は、図2及び図3に示すように、表裏面ともにフィレット加工等によって全周に渡って面取りされて所定の曲率の曲面15に形成され、この曲面15により塑性化パネル部2がせん断変形する際に、塑性化パネル部2と枠部4との境界部に応力が集中するのを防止し、塑性化パネル部2の全体が均一にせん断変形するように構成している。
塑性化パネル部2の四隅はそれぞれ外形が所定の曲面16に形成されるとともに、この曲面16に対応する表裏面の凹部3、3の内周面の四隅も同様の曲面17に形成され、これらの曲面16、17により塑性化パネル部2の四隅に応力が集中するのを防止している。
次に、上記のように構成した本実施の形態による制振パネル1の使用例について説明する。
図4及び図5に示す使用例は、構造物の柱20、20間に水平に架設されている上下1対の梁21、21間に本実施の形態による制振パネル1を上下方向に向けて取り付けたものである。すなわち、制振パネル1の上側の取付け部9をブラケット22及び取付けプレート23を介して上側の梁21に一体に取り付け、下側の取付け部9をブラケット22及び取付けプレート23を介して下側の梁21に一体に取り付けている。
この場合、各ブラケット22は、上側の梁21及び下側の梁21にそれぞれ溶接などによって一体に接合されている。また、上側のブラケット22の下面側及び下側のブラケット22の上面側にはそれぞれ取付けプレート23が溶接などによって一体に接合されるとともに、各取付けプレート23には複数箇所にそれぞれボルト24が取り付けられている。
上側の取付けプレート23の各ボルト24を制振パネル1の上側の取付け部9の各ボルト挿通用の孔13内を挿通させて取付け部9の裏面側に突出させ、下側の取付けプレート23の各ボルト24を下側の取付け部9のボルト挿通用の孔13内を挿通させて取付け部9の裏面側に突出させ、各取付け部9の裏面側に突出させた各ボルト24の先端の部分にナット(図示せず)を螺合させて締め付けることにより、上側の取付け部9が上側の梁21に固定され、下側の取付け部9が下側の梁21に固定され、制振パネル1が制振対象箇所に取り付けられる。
そして、このように上側の取付け部9及び下側の取付け部9をブラケット22及び取付けプレート23を介して上側の梁21及び下側の梁21に固定することにより、制振パネル1が水平方向に回転するのを阻止することができる。
上側のブラケット22の取付けプレート23の両外側、及び下側のブラケット22の取付けプレート23の両外側には、それぞれ所定の間隔をおいて水平拘束部25が一体に設けられ、この水平拘束部25により、制振パネル1が取付け位置から水平方向に移動するのを防止している。なお、水平拘束部25は必要に応じて省略しても良いし、他の水平移動拘束方法を用いても良い。
各水平拘束部25は、各ブラケット22に溶接などにより一体に接合される案内部26と、案内部26に水平方向に進退可能に螺着されるボルト27からなり、各水平拘束部25のボルト27を水平方向に前進又は後退させて、各ボルト27の先端部を各取付け部9の端面14に当接させることにより、各取付け部9が水平方向から1対の水平拘束部25、25によって押圧され、制振パネル1の水平方向への移動が防止される。
そして、上記のように本実施の形態による制振パネル1を構造物の上下枠21、21間に取り付けることにより、構造物の水平方向への変位に追従して制振パネル1の塑性化パネル部2に水平方向へのせん断変形が作用し、この塑性化パネル部2のせん断変形により振動エネルギーが吸収される。
この場合、塑性化パネル部2と枠部4との間には溶接箇所が存在していないので、溶接による問題(金属組織の劣化、塑性変形の拘束、溶接線部からの破断)が生じるようなことはなく、塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができ、振動エネルギーを効率良く吸収することができ、良好な制振性能を十分に発揮することができる。
また、塑性化パネル部2と枠部4との境界部は面取りされて所定の曲率の曲面15に形成されているので、塑性化パネル部2がせん断変形する際に塑性化パネル部2と枠部4との境界部に応力が集中するようなことはなく、塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができる。
さらに、塑性化パネル部2は、板厚twに対する幅l又は長さhの比が25以下に設定されているので、塑性化パネル部2にリブを設けて補剛することなく、塑性化パネル部2が面外座屈するのを防止でき、塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができる。
図6には、本発明による制振パネル1の他の使用例が示されており、この使用例は、構造物の柱20と柱20との間に本実施の形態による制振パネル1を水平方向に向けて取り付けたものであって、その他の構成は前記図4及び図5の使用例に示したものと同様である。
そして、この使用例においては、本実施の形態による制振パネル1を構造物の柱20、20間に取り付けることにより、構造物の上下方向(鉛直方向)への変位に追従して制振パネル1の塑性化パネル部2に上下方向(鉛直方向)へのせん断変形が作用し、この塑性化パネル部2のせん断変形により振動エネルギーが吸収される。
そして、この場合にも、塑性化パネル部2と枠部4との間には溶接箇所が存在していないので、溶接による問題(金属組織の劣化、塑性変形の拘束、溶接線部からの破断)が生じるようなことはなく、塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができ、振動エネルギーを効率良く吸収することができ、制振性能を十分に発揮することができる。
また、塑性化パネル部2と枠部4との境界部は面取りされて所定の曲率の曲面15に形成されているので、塑性化パネル部2がせん断変形する際に、塑性化パネル部2と枠部4との境界部に応力が集中するようなことはなく、塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができる。
さらに、塑性化パネル部2は、板厚twに対する幅l又は長さhの比が25以下に設定されているので、塑性化パネル部2にリブを設けて補剛することなく、塑性化パネル部2が面外座屈するのを防止でき、塑性化パネル部2を十分にせん断変形させることができる。
図7に本発明による制振パネルの性能試験の結果を示す。
この性能試験においては、以下に示すものを試験体として使用している。
1)材質:低降伏点鋼(LYP225……降伏点(σy):229(N/mm)、
引張強度(σt):330(N/mm)、伸び:75(%))
2)塑性化パネル部の板厚(tw):10(mm)
3)塑性化パネル部の長さ(h):100(mm)
4)塑性化パネル部の幅(l:155(mm)
5)枠部の幅(tf):8.5(mm)
6)幅厚比(min(h,l)/tw):10.0
7)l/tf:18.2
8)アスペクト比(α=l/h):1.55
9)降伏せん断力(σy):205(kN)
10)フィレットサイズ:5(mm)
また、最大水平加力:1000kN、最大ストローク:±1000mm、最大速度:10mm/secの圧縮せん断試験機を用い、治具を用いて試験体の上下を試験機に固定し、試験体下部を試験機内のジャッキにより水平方向(せん断方向)に載荷する試験を、以下の載荷リストにより実施した。計測項目は、ジャッキに取り付けたロードセルによる水平荷重とジャッキのストロークを直接計測する水平変位量、その他、試験体の各部位の変位量とした。各変位量は、加力フレームを不動点とした絶対変位又は試験体各部位間の相対変位とした。
1) 載荷方法:静的(3.5mm/sec)、定振幅繰り返し
2) 振幅:50mm
3) 層間変形角:1.9%
4) せん断ひずみ:50%
そして、上記の性能試験の結果、図7に示すようなせん断応力とせん断歪との関係が得られた。
本発明による制振パネル1は、従来の制振パネルに比較して、より長い疲労寿命が得られるので、疲労寿命の到来による交換回数を低減することができ、経済的である。また、同じ要求疲労寿命に対しては、より大きなせん断歪で制振パネル1を使用することができるので、せん断歪を小さくするために制振パネル1を大型化する必要はなく、制振パネル1をコンパクトにすることができるため、経済的である。さらに、塑性化パネル部2の幅厚比が従来の制振パネルよりも小さいため、塑性化パネル2の板厚twに対して幅l又は長さhを小さくすることが可能となり、従来と同じせん断力を得るために、塑性化パネル部2の幅l又は長さhをより縮小することができるので、制振パネル1をコンパクトにすることができ、その意味でも経済的である。
本発明による制振パネルの一実施の形態を示した斜視図である。 図1の部分拡大正面図である。 図2のA−A線断面図である。 図1の制振パネルの一使用例を示した概略図である。 図4の部分拡大図である。 図1の制振パネルの他の使用例を示した概略図である。 本発明による制振パネルの性能試験結果を示した説明図であって、せん断応力とせん断歪との関係を示した説明図である。 制振パネルの幅厚比ごとの復元力特性を示した説明図である。
符号の説明
1 制振パネル 2 塑性化パネル部
3 凹部 4 枠部
5 上枠部 6 下枠部
7 左枠部 8 右枠部
9 取付け部
10、11 外側面 12 傾斜面
13 ボルト挿通用の孔 14 端面
15、16、17 曲面 20 柱
21 梁 22 ブラケット
23 取付けプレート 24、27 ボルト
25 水平拘束部 26 案内部

Claims (6)

  1. 平板状の塑性化パネル部と、該塑性化パネル部の周縁部に一体に設けられる塑性化パネル部よりも板厚の厚い環状の枠部とからなり、前記塑性化パネル部と前記枠部とを歪硬化性を有する金属材料によって一体に形成したことを特徴とする制振パネル。
  2. 前記塑性化パネル部の板厚と幅又は長さとの比を25以下に設定したことを特徴とする請求項1に記載の制振パネル。
  3. 前記歪硬化性を有する材料は低降伏点鋼であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振パネル。
  4. 前記塑性化パネル部及び枠部は、機械加工、鋳造又は鍛造により一体に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の制振パネル。
  5. 前記枠部と前記塑性化パネル部との境界部は、全周に渡って面取りされて所定の曲率の曲面に形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の制振パネル。
  6. 前記枠部の一部には、制振対象箇所に取り付けるための取付け部が設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の制振パネル。

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