JP2008111332A - 接合金物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接合金物20において、ダンパー用鋼板26が曲げ−せん断降伏するような形状とされていることで、ダンパー用鋼板26がせん断降伏した後に繰り返し荷重を受けても、そのせん断耐力の上昇が抑制でき、設計用のせん断耐力を超えた応力が発生することがない。従って、接合金物20が設置される周辺の構造材に作用する応力が設計値を超えることがなく、構造体各部の破損が防止できる。さらに、ダンパー用鋼板26の降伏後の剛性の上昇を抑制することもできることから、地震等の入力エネルギーが増大することなく、ダンパー用鋼板26の減衰効果(エネルギー吸収)によって設計上期待した振動抑制効果が得られる。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載された制震構造では、曲げパネルやせん断パネルの一方側が溶接等によって柱脚部に接合され、他方側が取付プレート(支持プレート)を介してベースプレートに接合されている。そして、地震等により柱が浮き上がる方向の引張り力が作用した際に、曲げパネルが曲げ降伏したりせん断パネルがせん断降伏したりすることで、引張り力を吸収するように構成されている。
また、従来の制震構造では、せん断パネルを介して柱とベースプレートとが連結されているため、柱を立設する際の施工精度が確保しにくく、施工手間も増大してしまう。さらに、曲げパネルやせん断パネルを柱脚部に直接接合しているため、これらのパネルを地震後に取り換えたり、より高性能のものに交換したりなどができず、メンテナンス性が劣るという問題もある。
さらに、前記ダンパー用鋼板における前記第1方向に沿った幅寸法は、前記第2方向両端部よりも中央部が小さく設定され、かつ当該中央部の幅寸法で決定されるせん断耐力が上昇した際に前記両端部が曲げ降伏するように当該両端部の幅寸法が設定され、このダンパー用鋼板の形状によって前記耐力抑制手段が構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、一組の対象物の相対変位に対し、減衰部材であるダンパー用鋼板が面内方向にせん断変形するように配置した接合金物において、ダンパー用鋼板の中央部の幅寸法を小さくしてせん断耐力を決定し、この中央部のせん断耐力の上昇に応じて両端部が曲げ降伏するようにダンパー用鋼板の形状を設定したことで、ダンパー用鋼板の負担する応力が安定化できる。すなわち、前述のように、曲げ(引張り)降伏の場合には、真応力は上昇するものの耐力上昇が抑制されることから、ダンパー用鋼板の両端部が曲げ降伏した後において、加工硬化によってせん断耐力が上昇したとしても曲げ耐力は上昇せず、この曲げ耐力で両端ヒンジとなった応力状態(所定の負担せん断力)で安定することとなる。
さらに、本発明の接合金物では、前記ダンパー用鋼板は、前記第1方向に沿った幅寸法が前記第2方向両端部よりも中央部が小さく設定され、かつ板厚寸法が前記第2方向端縁部よりも中央部が薄く設定され、当該中央部の幅寸法および板厚寸法で決定されるせん断耐力が上昇した際に前記両端部が曲げ降伏するように当該両端部の幅寸法と板厚寸法とが設定され、このダンパー用鋼板の形状によって前記耐力抑制手段が構成されていてもよい。
このような構成によっても、ダンパー用鋼板中央部のせん断耐力の上昇に応じて両端部が曲げ降伏するようにでき、ダンパー用鋼板の負担する応力が安定化できる。
このような構成によれば、傾斜部によって両端部から中央部に向かってダンパー用鋼板の幅寸法を徐々に小さくしていくことで、ダンパー用鋼板内部の応力の流れがスムーズにでき、降伏後の塑性化領域を広くしてエネルギー吸収性能および変形性能を向上させることができる。
このような構成によれば、略菱形状の切欠き孔を挟んでダンパー用鋼板を分割することができる、すなわち、第1方向に沿ったダンパー用鋼板の全体幅寸法に対し、切欠き孔で分割されて幅寸法が小さく形成された各部ごとに、前述のような応力状態が形成されることになる。従って、1つの接合金物の中に複数の各部鋼板が並列配置されることで、各部の曲げ−せん断に関する応力−変形関係を維持したままで、その数を適宜に変更することにより接合金物としての減衰効果を調節することができる。さらに、各部の曲げモーメントを小さくすることにより、第1および第2の連結部ならびにその周辺の構造材の変形を抑制することができる。
このような構成によれば、一組の対象物の相対変位に対し、減衰部材であるダンパー用鋼板が面内方向にせん断変形するように配置した接合金物において、スリット孔で分割した各分割鋼板部の幅寸法を、そのせん断耐力が上昇した際に両端部が曲げ降伏するように設定したことで、ダンパー用鋼板の負担する応力が安定化できる。すなわち、各分割鋼板部の両端部が曲げ降伏して両端ヒンジとなった応力状態(所定の負担せん断力)で負担せん断力が安定することとなる。また、1つの接合金物の中に複数の各分割鋼板部が並列配置されることで、各部の曲げ−せん断に関する応力−変形関係を維持したままで、その数を適宜に変更することにより接合金物としての減衰効果が調節できる。さらに、各部の曲げモーメントを小さくすることにより、第1および第2の連結部ならびにその周辺の構造材の変形を抑制することができる。
このような構成によれば、減衰部材であるダンパー用鋼板の力学特性として、降伏耐力比を2/3以上に設定したり、降伏耐力幅を±20%以内に設定したりすることで、ダンパー用鋼板の負担する応力が安定化できる。
このような構成によれば、析出硬化加工を施すことで、降伏耐力比や降伏耐力幅を所定値に設定することができ、このような鋼材をダンパー用鋼板として用いることで、せん断降伏後の耐力上昇を抑制することができる。
そして、接合金物周辺に用いられる一般的な構造材の設計耐力が最大耐力の2/3以下であることから、接合金物の降伏耐力を最大耐力の2/3以上に設定することで、周辺の構造が最大耐力に達する前に接合金物を降伏させることが可能になり、また同様に、降伏耐力幅を±20%以内の範囲とすることで、周辺の構造が最大耐力に達する前に接合金物を降伏させることができる。
このような構成によれば、塑性化加工を施すことで、降伏耐力比や降伏耐力幅を所定値に設定することができ、このような鋼材をダンパー用鋼板として用いることで、せん断降伏後の耐力上昇を抑制することができる。
また、本発明の接合金物では、前記第2連結部は、一組の連結用部材で構成され、当該一組の連結用部材が前記第1連結部を挟んで略点対称位置に設けられ、前記ダンパー用鋼板は、前記第1連結部を挟んで略点対称に配置される一組で構成されていてもよい。
このような構成によれば、第2連結部としての連結用鋼板が第1連結部を挟んで一組で対称配置され、ダンパー用鋼板も第1連結部を挟んで一組で略線対称または略点対称に配置されることで、ダンパー用鋼板が変形した際の応力が偏心せずに左右対称に作用し、偏心による応力が発生しないか、偏心による応力を極めて小さくできる。従って、一組の対象物に偏心曲げモーメント等の付加応力が作用しにくくでき、付加応力に対する補強等が不要または削減できる。さらに、付加応力が生じないことで、接合金物を介した一組の対象物間の力の伝達がスムーズになり、ダンパー用鋼板における力学的メカニズムが明確になって、減衰効果が確実かつ適切に発揮され、地震等による振動エネルギーを効果的に吸収することができる。
[第1実施形態の接合金物]
図1は、接合金物20を示す斜視図である。図2は、接合金物20の取付状態を示す側面図である。図3は、接合金物20の変形状態を示す側面図である。
図1および図2において、接合金物20は、周辺の構造材10に連結される一対の第2連結部としての連結用鋼板21と、これら一対の連結用鋼板21の上部同士に渡って接合される上部補強用鋼材22と、一対の連結用鋼板21の下部同士に渡って接合される下部補強用鋼材23を有し、これらの連結用鋼板21、上部および下部補強用鋼材22,23で形成された四周枠状のフレーム24を備えて構成されている。また、上部補強用鋼材22および下部補強用鋼材23の略中央には、アンカーボルト6を挿通させるための挿通孔22A,23Aが形成されている。
図4は、第1実施形態の変形例に係る接合金物30を示す側面図である。
接合金物30は、接合金物20と略同様の連結用鋼板31、上部補強用鋼材32、下部補強用鋼材33からなるフレーム34と、筒状鋼材35およびダンパー用鋼板36とを備えて構成されている。そして、接合金物30は、連結用鋼板31が枠組材11にボルトで固定されるとともに、筒状鋼材35の上下からナット37を締め付けることでアンカーボルト6に連結されるようになっている。
すなわち、接合金物20,30において、ダンパー用鋼板26,36が曲げ−せん断降伏するような形状とされていることで、ダンパー用鋼板26,36がせん断降伏した後に繰り返し荷重を受けても、そのせん断耐力の上昇が抑制でき、設計用のせん断耐力を超えた応力が発生することがない。従って、接合金物20,30の連結用鋼板21,31や周辺の構造材10に作用する応力が設計値を超えることがなく、それら各部の破損が防止できる。さらに、ダンパー用鋼板26,36の剛性の上昇を抑制することもできることから、地震等の入力エネルギーが増大することなく、ダンパー用鋼板26,36の減衰効果(エネルギー吸収)によって設計上期待した振動抑制効果が得られる。
次に、第2実施形態の接合金物40,40Aについて、図5および図6に基づいて説明する。
図5および図6は、それぞれ第2実施形態の接合金物40,40Aを示す側面図である。
接合金物40,40Aは、前記接合金物20と略同様の連結用鋼板41、上部補強用鋼材42、下部補強用鋼材43からなるフレーム44と、筒状鋼材45およびダンパー用鋼板46とを備えて構成されている。そして、接合金物40,40Aは、連結用鋼板41が周辺の構造材10にボルトで固定されるとともに、筒状鋼材45の上下からナット47を締め付けることでアンカーボルト6に連結されるようになっている。
次に、第3実施形態の接合金物50について、図7に基づいて説明する。
図7は、第3実施形態の接合金物50を示す側面図である。
接合金物50は、前記接合金物20と略同様の連結用鋼板51、上部補強用鋼材52、下部補強用鋼材53からなるフレーム54と、筒状鋼材55およびダンパー用鋼板56とを備えて構成されている。そして、接合金物50は、連結用鋼板51が周辺の構造材10にボルトで固定されるとともに、筒状鋼材55の上下からナット57を締め付けることでアンカーボルト6に連結されるようになっている。
次に、第4実施形態の接合金物60について、図8〜図11に基づいて説明する。
図8は、第4実施形態の接合金物60を示す側面図である。図9および図10は、接合金物60の製造手順および取付手順を示す斜視図である。図11は、接合金物60の詳細構造を示す側面図である。
接合金物60は、アンカーボルト6に連結される第1連結部としての一対のコ字形鋼材65と、このコ字形鋼材65に溶接接合される一対のダンパー用鋼板66とを備えて構成されている。そして、接合金物60は、ダンパー用鋼板66の側端縁に形成された第1連結部である固定片部66Cが周辺の構造材10にドリルネジ15Aで固定され、コ字形鋼材65の上下からのナット67でアンカーボルト6に連結されている。また、ダンパー用鋼板66には、上下端部の第1スリット66Aと、これらの第1スリット66A間に並んだ複数の第2スリット66Bとが形成され、これらの第1および第2のスリット66A,66Bからなる列が左右対称に2列で設けられている。
第1スリット66Aおよび第2スリット66Bは、それぞれ左右方向の幅寸法(つまり、分割鋼板部66Eの長さ寸法l)が同一に設定され、第1スリット66Aは、両端部から中央部に向かって第2スリット66Bに向かって高さ寸法が大きくなる傾斜を有して形成され、第2スリット66Bは、両端部から中央部に向かって上下対称に高さ寸法が大きくなる傾斜を有して形成されている。すなわち、第1および第2のスリット66A,66B間に位置するダンパー用鋼板66の分割鋼板部66Eは、両端部の幅寸法bよりも中央部の幅寸法bc が小さく形成された略菱形状とされている。このような分割鋼板部66Eの形状は、以下の式(1)、(2)で規定される寸法に設定されている。また、ダンパー用鋼板66における第1スリット66Aよりも上端側または下端側のスチフナ部66Fの幅寸法bs は、以下の式(3)で規定される寸法に設定されている。
ここで、Mは、分割鋼板部66Eの両端部に作用する曲げモーメントであり、Zは、分割鋼板部66Eの両端部における断面係数であり、Z=t・b2/6である(tは、ダンパー用鋼板66の板厚寸法)。また、σyは、ダンパー用鋼板66の降伏引張応力度である。
1.5Q/A<τy …(2)
ここで、Qは、分割鋼板部66Eに作用するせん断力であり、Aは、分割鋼板部66Eの中央部における断面積であり、A=t・bc である。また、τy は、ダンパー用鋼板66の降伏せん断応力度である。
P/(t・bs )<σy …(3)
ここで、Pは、スチフナ部66Fに作用する引張り力または圧縮力であり、M/bである。
以上の式(1)、(2)によれば、図11に示すように、分割鋼板部66Eに曲げモーメントMおよびせん断力Qが作用した状態で、分割鋼板部66Eの中央部がせん断降伏して両端部が曲げ降伏することとなり、このような関係となる分割鋼板部66Eにおける両端部の幅寸法bと中央部の幅寸法bcとの寸法比が算出される。また、式(3)によれば、図11に示すように、スチフナ部66Fに作用する引張り力または圧縮力Pに対して引張り降伏または圧縮降伏しないようなスチフナ部66Fの幅寸法bsが算出される。
b/t<10 …(4)
l/b>3 …(5)
以上の式(4)を満足するように分割鋼板部66Eにおける両端部の幅寸法bと板厚寸法tとの比(幅圧比)を設定しておくことで、分割鋼板部66Eの不安定挙動が抑制でき、曲げ降伏後の変形性能を向上させることができる。また、式(5)を満足するように分割鋼板部66Eにおける長さ寸法lと両端部の幅寸法bとの比を設定しておくことで、端部のせん断降伏が抑制でき、耐力上昇を抑制することができる。
このような接合金物60では、各分割鋼板部66Eが曲げ降伏することで両端ヒンジ状態となり、この両端ヒンジ状態における負担せん断力を略上限耐力とした履歴ループを描いて変形することになる。従って、耐力上昇が抑制された安定した減衰効果を発揮することができるようになっている。
図12(A)は、本発明の接合金物による試験結果を示すグラフであり、図12(B)は、比較例の接合金物による試験結果を示すグラフである。
ここで、本発明の接合金物では、ダンパー用鋼板が曲げ降伏するように設定されており、これによって耐力の上昇が抑制されるようになっている。これに対して比較例の接合金物では、ダンパー用鋼板の上下端縁にリブを設けて曲げ降伏しないように設定されている。
以上のことから、本発明の接合金物によれば、耐力の上昇を抑制し、さらにエネルギー吸収性能に優れた接合金物が実現でき、建物の振動を効果的に抑制できる接合金物が実現できる。
また、前記第1および第4実施形態では、ダンパー用鋼板の端部よりも中央部の幅寸法を小さく形成した略菱形状としたが、これに限らず、ダンパー用鋼板の端部よりも中央部の板厚寸法を小さく形成してもよく、さらに幅寸法および板厚寸法の両方に関し、ダンパー用鋼板の端部よりも中央部で小さくなるように形成してもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (13)
- 一組の対象物に渡って取り付けられ、当該対象物間の相対変位に伴って減衰効果を発揮する接合金物であって、
前記一組の対象物のうちの一方に連結される第1連結部と、
前記一組の対象物のうちの他方に連結される第2連結部と、
前記第1連結部と前記第2連結部とに渡って接合される減衰部材とを備え、
前記減衰部材は、前記一組の対象物間に生じる相対変位に伴って減衰効果を発揮するものであって、当該減衰部材には、降伏後の耐力上昇を抑制する耐力抑制手段が設けられていることを特徴とする接合金物。 - 請求項1に記載の接合金物において、
前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記一組の対象物間に生じる相対変位の方向と略直交して互いに対向配置され、
前記減衰部材は、前記相対変位の方向である第1方向と、前記第1連結部と第2連結部とが対向する方向である第2方向と、の二方向に略平行に設けられるダンパー用鋼板で構成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2に記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板における前記第1方向に沿った幅寸法は、前記第2方向両端部よりも中央部が小さく設定され、かつ当該中央部の幅寸法で決定されるせん断耐力が上昇した際に前記両端部が曲げ降伏するように当該両端部の幅寸法が設定され、このダンパー用鋼板の形状によって前記耐力抑制手段が構成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2に記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板の板厚寸法は、前記第2方向端縁部よりも中央部が薄く設定され、かつ当該中央部の板厚寸法で決定されるせん断耐力が上昇した際に前記両端部が曲げ降伏するように当該両端部の板厚寸法が設定され、このダンパー用鋼板の形状によって前記耐力抑制手段が構成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2に記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板は、前記第1方向に沿った幅寸法が前記第2方向両端部よりも中央部が小さく設定され、かつ板厚寸法が前記第2方向端縁部よりも中央部が薄く設定され、当該中央部の幅寸法および板厚寸法で決定されるせん断耐力が上昇した際に前記両端部が曲げ降伏するように当該両端部の幅寸法と板厚寸法とが設定され、このダンパー用鋼板の形状によって前記耐力抑制手段が構成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板における前記第2方向に沿った両端縁には、前記両端部から前記中央部に向かって傾斜した傾斜部が形成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2から請求項6のいずれかに記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板には、前記第1方向に一方の対角線が平行で、かつ前記第2方向に他方の対角線が平行となる略菱形状の切欠き孔が形成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2に記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板には、前記第2方向に平行に延びて当該ダンパー用鋼板を貫通する少なくとも1つのスリット孔が形成され、このスリット孔で分割されて隣接する当該ダンパー用鋼板の各分割鋼板部の幅寸法は、各々のせん断耐力が上昇した際に前記第2方向両端部が曲げ降伏するように設定され、このダンパー用鋼板の形状によって前記耐力抑制手段が構成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2から請求項8のいずれかに記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板は、降伏耐力が最大耐力に対して2/3以上の降伏耐力比を有する鋼材、および降伏耐力が設計用降伏耐力に対して±20%以内の降伏耐力幅を有する鋼材の、少なくとも一方から形成され、このダンパー用鋼板の力学特性によって前記耐力抑制手段が構成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2から請求項9のいずれかに記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板は、析出硬化加工が施された鋼板から形成され、この析出硬化加工によって当該ダンパー用鋼板の降伏耐力比および降伏耐力幅の少なくとも一方が所定値に設定されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2から請求項9のいずれかに記載の接合金物において、
前記ダンパー用鋼板は、予め初期位置から前記第1方向に沿って所定の変形量だけ変形させ、降伏した状態から初期位置に戻す塑性化加工が施された鋼板から形成され、この塑性化加工によって当該ダンパー用鋼板の降伏耐力比および降伏耐力幅の少なくとも一方が所定値に設定されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2から請求項11のいずれかに記載の接合金物において、
前記第2連結部は、一組の連結用部材で構成され、当該一組の連結用部材が前記第1連結部を挟んで対称位置に設けられ、
前記ダンパー用鋼板は、前記第1連結部を挟んで略線対称に配置される一組で構成されていることを特徴とする接合金物。 - 請求項2から請求項11のいずれかに記載の接合金物において、
前記第2連結部は、一組の連結用部材で構成され、当該一組の連結用部材が前記第1連結部を挟んで略点対称位置に設けられ、
前記ダンパー用鋼板は、前記第1連結部を挟んで略点対称に配置される一組で構成されていることを特徴とする接合金物。
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