JPH0725160U - 弾塑性ダンパー - Google Patents

弾塑性ダンパー

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JPH0725160U
JPH0725160U JP6027093U JP6027093U JPH0725160U JP H0725160 U JPH0725160 U JP H0725160U JP 6027093 U JP6027093 U JP 6027093U JP 6027093 U JP6027093 U JP 6027093U JP H0725160 U JPH0725160 U JP H0725160U
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武彦 加藤
久義 石橋
恵司 坂尾
隆司 久保
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地震時に大きな震動エネルギーを吸収するこ
とができ、しかも、小型で、取り付けが容易である。 【構成】 弾塑性ダンパー10は中央部の幅が最も狭
く、上下方向に行くに従って幅広となる変形部1と、こ
の変形部1の上下端部に溶接され、ボルト穴2が穿設さ
れた取付部3、3とからなる。変形部1は低降伏点鋼に
より構成され、取付部3は普通鋼または高強度鋼により
構成されている。「低降伏点鋼」とは、普通鋼よりも降
伏強度が低く、破断時の伸び変形量が大きな鋼材をい
う。低降伏点鋼は、普通鋼と比較して、降伏点強度が約
1/3であり、引張強度は約1/2である。また、該低
降伏点鋼は、引張破断時の伸びが約2倍であり、繰り返
しの塑性変形能力が優れている。このダンパー10が取
り付けられた建築物は、地震時において、鉄骨梁からP
C壁板に入力された震動エネルギーが、ダンパー10の
変形部1で弾塑性履歴吸収エネルギーとして吸収される
から、建築物の揺れを小さくすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は弾塑性ダンパーの構造に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
一般に、建築物の耐震安全性の向上を目的として、建築物内の地震時に変形す る部分に、弾塑性ダンパーを設置することが行われている。当該弾塑性ダンパー は、地震時において建築物に入力される震動エネルギーを同ダンパーの弾塑性履 歴により吸収して、建築物の揺れを小さくするものである。
【0003】 従来の弾塑性ダンパーの例を図7(a)、(b)に示す。同図において、上段 は正面図であり、下段には中央部横断平面図が示されている。 図7(a)のダンパーは鋼材を用いて枠組11を形成し、中央部に開口部12 を有するものであるが、強度が小さく、大量のエネルギーを吸収することができ ない。また、強度を向上させるためにダンパー部の鋼材の幅を広くすると、面外 の座屈を生じや易くなるという欠点を有している。
【0004】 図7(b)に示すH型鋼13からなるダンパーは、大量のエネルギーを吸収す ることができるが、ダンパーが取着される相手方の部材もH型断面であることを 要し、かつ、フランジ幅分のスペースも必要となるという問題点があった。
【0005】 更に、特開平4−323475号公報には、柱と梁からなる架構内に設置する プレキャストコンクリート壁板(以下、PC壁板という。)の上側辺と下側辺の 一方を対応する梁に剛に結合し、他方を低降伏点鋼材からなる弾塑性ダンパーを 介して対応する梁に結合してなる可撓耐震壁が開示されている。上記公報に開示 された発明は、低降伏点鋼材からなるダンパーを早期に降伏させて、中小地震に おけるエネルギーの減衰性能に優れた可撓耐震壁を提供するものであり、PC壁 板とダンパーとは、溶接またはボルト接合するとされている。
【0006】 しかしながら、溶接による取り付けでは作業性が悪い。 また、ボルト接合では、低降伏点鋼材は降伏点が低いため、高力ボルトの導入 張力だけで、鋼材部分が降伏状態または降伏状態に近くなり、十分な接合強度を 得ることができない。接合強度を高めるためにボルト本数を増やせば、ダンパー の取付部が大きくならざるを得ない。
【0007】
【考案の目的】
本考案は上記問題点を解決するものであり、地震時に大きな震動エネルギーを 吸収することができ、しかも、小型で、取り付けの容易な弾塑性ダンパーを提供 するものである。
【0008】
【考案の構成】
本考案は、建築物内において地震時に相対的な変位を生じる部分にボルト接合 により取り付けられる弾塑性ダンパーにおいて、両端の取付部が普通鋼または高 強度鋼からなり、該取付部に挟まれた変形部が低降伏点鋼からなることを特徴と するものである。
【0009】
【作用】
本ダンパーは、鉄骨梁や柱とPC壁板との間に配設されてボルト接合される。 ダンパーの取付部は普通鋼または高強度鋼からなるので、高力ボルトによる摩擦 接合を行うことができ、十分な接合強度を得ることができる。一方、地震時には 、変形能力に優れたダンパーの変形部が弾塑性変形して、大きな震動エネルギー を吸収することができ、建築物の揺れを小さくすることができる。
【0010】
【実施例】
以下、本考案の好適な実施例を図面に基づいて説明する。 図1(a)に正面図、図1(b)に側面図を以て示した弾塑性ダンパー10は 、中央部の幅が最も狭く、上下方向に行くに従って幅広となる変形部1と、この 変形部1の上下端部に溶接され、ボルト穴2が穿設された取付部3、3とからな るものである。 ボルト穴2の数と間隔による制約から、取付部3は変形部1より左右に長くす ることが必要となる場合が多い。
【0011】 本考案において特徴となるのは、変形部1が低降伏点鋼により構成され、取付 部3が普通鋼または高強度鋼により構成されている点である。 ここで、「低降伏点鋼」とは、普通鋼よりも降伏強度が低く、破断時の伸び変 形量が大きな鋼材をいう。現在、例えば、普通鋼よりも強度が低く、伸びが大き く、かつ、エネルギー吸収能力が大きい低降伏点鋼が知られている。即ち、該低 降伏点鋼は、普通鋼と比較して、降伏点強度が約1/3であり、引張強度は約1 /2である。また、該低降伏点鋼は、引張破断時の伸びが約2倍であり、繰り返 しの塑性変形能力が優れている。
【0012】 本考案において「取付部3」とは、ボルト穴2が穿設されている領域をいう。 変形部1と取付部3とは、突き合わせ溶接またはすみ肉溶接により一体的に結合 されるが、溶接線4の位置は、図2(a)、(b)に示すように、所定長の変形 部1を確保し、かつ、ボルト穴2が普通鋼(または高強度鋼)に設けられる限り 、多少、上下方向にずれてもよい。 また、変形部1の厚さは、材料強度および変形能力を考慮して決定され、取付 部3の厚さと相違しても差し支えない。
【0013】 図3はダンパー10の変形例であり、低降伏点鋼により前記図1に示すダンパ ー10と同じ全体形状、即ち、変形部1および取付部3を一体に形成した上で、 その取付部3に対して正面および背面の両面から普通鋼による当板5をしたもの である。普通鋼による当板5は、低降伏点鋼にすみ肉溶接する。
【0014】 次に、本考案に係るダンパー10の製作方法を説明する。 例えば、図2(a)に示したダンパー10の場合、図4に示すように、低降伏 点鋼の板材21の両側に普通鋼の板材22、22を並べて連続溶接した後、切断 線23で示すように所定のダンパー10の形状に切り出すことができる。この製 造方法によれば、溶接線4と切断線23が殆ど接触しないから、溶接部に欠陥が 生じにくい。
【0015】 続いて、この弾塑性ダンパー10の作用を説明する。 本ダンパー10は、鉄骨梁や柱などの、建築物内において地震時に相対的に横 ずれを生じる部分に取り付ける。例えば、図5に示すように、鉄骨梁6とPC壁 板7の間に配設されたダンパー10は、PC壁板7内に埋め込まれた鋼板8に高 力ボルト9で接合される。
【0016】 地震時において、鉄骨梁6からPC壁板7に入力された震動エネルギーは、ダ ンパー10の変形部1で弾塑性履歴吸収エネルギーとして吸収されるから、建築 物の揺れを小さくすることができる。従って、図6に示すようにダンパー10が 弾塑性変形して大きな震動エネルギーを吸収することができ、このダンパー10 が取り付けられた建築物は倒壊から保護される。
【0017】 なお、本ダンパー10を取り付けるべき、地震時に相対的な変位を生じる部分 として、垂直上下方向に建込まれたPC壁板7、7間も挙げることができる。
【0018】
【考案の効果】
本考案に係る弾塑性ダンパーは、地震時において、従来のダンパーよりも大き な震動エネルギーを吸収することができる。このため、建築物の耐震安全性を向 上させることができ、柱や梁部材を小型化することも可能となる。
【0019】 また、本考案に係る弾塑性ダンパーは、取付部を普通鋼または高強度鋼で構成 するものであるから、高力ボルト摩擦接合を行うことができ、変形部で大きな震 動エネルギーを吸収することができる割に、ダンパー取付部の大きさを小さくす ることができ、建築物内の収まりがよく、取り付けが容易であるという効果を有 している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の弾塑性ダンパーの一実施例であり、同
図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
【図2】図1に示すダンパーの変形例である。
【図3】本考案の弾塑性ダンパーの他の実施例である。
【図4】本考案に係るダンパーの好ましい製作方法の説
明図である。
【図5】ダンパーの取り付け例を示す正面図である。
【図6】ダンパーの弾塑性変形を説明するための正面概
要図である。
【図7】弾塑性ダンパーの従来例である。
【符号の説明】
1 変形部 2 ボルト穴 3 取付部 4 溶接線 5 当板 6 鉄骨梁 7 PC壁板 10 弾塑性ダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 久保 隆司 茨城県つくば市大字鬼ヶ窪字下山1043番1 株式会社熊谷組技術研究所内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物内において地震時に相対的な変位
    を生じる部分にボルト接合により取り付けられる弾塑性
    ダンパーにおいて、両端の取付部が普通鋼または高強度
    鋼からなり、該取付部に挟まれた変形部が低降伏点鋼か
    らなることを特徴とする弾塑性ダンパー。
JP1993060270U 1993-10-14 1993-10-14 弾塑性ダンパー Expired - Fee Related JP2602888Y2 (ja)

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