JP2008111331A - 接合金物を有する建築物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐力壁10の壁脚部に建物基礎2と連結される接合金物20を設置したことで、地震等の水平力が建築物に作用した際に、耐力壁10がロッキングして接合金物20のダンパー用鋼板27が変形することにより減衰効果が発揮される。従って、接合金物20の減衰効果に応じたエネルギー吸収を行うことで、建築物の振動を抑制することができ、耐震性能を向上させることができる。さらに、接合金物20において、壁連結用鋼板21が左右一対で配置され、ダンパー用鋼板27がアンカーボルト6の軸線に対して略線対称に配置されることで、減衰効果を発揮する際の偏心による付加応力の発生が防止できる。
【選択図】図3
Description
ところで、耐力壁を用いた建築物では一般的に、最下層(1階)の耐力壁の壁脚部がホールダウン金物等を介して基礎のアンカーボルトに連結されており、水平力を負担した耐力壁がロッキングした際に、ホールダウン金物やアンカーボルトが破損しないように設計されている。すなわち、ホールダウン金物やアンカーボルトが破損してしまうと、ロッキングにより耐力壁が回転してしまって所定の水平力が負担できなくなり、建物全体としての水平耐力が低下するという不具合が生じてしまう。また逆に、耐力壁は比較的高い水平耐力が確保できるものの、水平剛性も高くなることから、地震による入力エネルギーが大きくなってしまい、より高い水平耐力が必要になるというデメリットもある。
特許文献1に記載された制震構造では、曲げパネルやせん断パネルの一方側が溶接等によって柱脚部に接合され、他方側が取付プレート(支持プレート)を介してベースプレートに接合されている。そして、地震等により柱が浮き上がる方向の引張り力が作用した際に、曲げパネルが曲げ降伏したりせん断パネルがせん断降伏したりすることで、引張り力を吸収するように構成されている。
この際、本発明の接合金物を有する建築物は、建物基礎上に設置される耐力壁における壁脚部に取り付けられた前記接合金物が、当該耐力壁のロッキングによって減衰効果を発揮するものであって、前記接合金物は、前記建物基礎に固定されて上方に延びるアンカー部材に連結される第1連結部と、前記耐力壁に連結される第2連結部と、前記第1連結部と前記第2連結部とに渡って接合される減衰部材とを備え、前記耐力壁がロッキングした際に、当該耐力壁と一体移動する前記第2連結部と、前記アンカー部材で移動が拘束された前記第1連結部との相対変位に伴って前記減衰部材が変形し、この減衰部材の変形によって減衰効果を発揮することを特徴とする。
このような接合金物を有する建築物によれば、前述の耐力壁の壁脚部に接合金物を設けた場合と同様に、柱や建物基礎に特別な加工を施したり他の部品等を設けたりしなくても、接合金物を設置することができる。そして、減衰部材自体を直接接合する必要がないため、接合金物の設置作業が容易にできて、施工性を向上させることができるとともに、地震後の点検や交換などのメンテナンス性を向上させることができる。
このような接合金物を有する建築物によれば、前述の耐力壁の壁脚部に接合金物を設けた場合と同様に、梁端部に特別な加工を施したり他の部品等を設けたりしなくても、接合金物を設置することができる。そして、減衰部材自体を直接接合する必要がないため、接合金物の設置作業が容易にできて、施工性を向上させることができるとともに、地震後の点検や交換などのメンテナンス性を向上させることができる。
このような接合金物を有する建築物によれば、前述の耐力壁の壁脚部に接合金物を設けた場合と同様に、ブレース接合部に特別な加工を施したり他の部品等を設けたりしなくても、接合金物を設置することができる。そして、減衰部材自体を直接接合する必要がないため、接合金物の設置作業が容易にできて、施工性を向上させることができるとともに、地震後の点検や交換などのメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、本発明の接合金物を有する建築物では、前記第2連結部は、前記第1連結部から放射状に一組で配置されるとともに、前記減衰部材は、前記アンカー部材の軸線に対して略点対称に配置されていてもよい。
さらに、本発明の接合金物を有する建築物では、前記第2連結部は、一対または一組の連結用鋼板で構成され、当該一対または一組の連結用鋼板が前記アンカー部材を挟んで対称位置または前記アンカー連結部から放射状に設けられ、前記減衰部材は、前記一対または一組の連結用鋼板と前記第1連結部とを連結するダンパー用鋼板で構成されていてもよい。
このような構成によれば、第2連結部(連結用鋼板)が一対または一組で配置され、減衰部材(ダンパー用鋼板)がアンカー部材の軸線に対して略点対称または略線対称に配置されることで、第2連結部と第1連結部との相対変位に伴って減衰部材が変形した際の応力が偏心せずに左右対称に作用し、偏心による応力が発生しないように、あるいは偏心による応力を極めて小さくできる。従って、耐力壁の壁脚部や柱脚部、梁端部、ブレース接合部などに作用する偏心曲げモーメント等の付加応力に対する補強等が不要、あるいは最小限の補強とすることができ、構造体の製造コストの増加が防止できる。さらに、付加応力が生じないことで、接合金物を介したアンカー部材と耐力壁などとの間の力の伝達がスムーズになり、減衰部材における力学的メカニズムが明確になって、減衰効果が確実かつ適切に発揮され、地震等による振動エネルギーを効果的に吸収することができる。
また、本発明の接合金物を有する建築物では、前記第1連結部は、前記アンカー部材を挿通可能な筒状鋼材から構成され、前記ダンパー用鋼板は、前記筒状鋼材の周面に沿って接線方向に延びて接合され、前記一対または一組の連結用鋼板の各々と前記筒状鋼材との間に2枚ずつのダンパー用鋼板が配置されていてもよい。
さらに、本発明の接合金物を有する建築物では、前記ダンパー用鋼板は、前記一対または一組の連結用鋼板を連結して配置され、かつ互いに対向して略平行に延びる2枚のダンパー用鋼板から構成され、前記第1連結部は、前記2枚のダンパー用鋼板の一方の端縁同士および他方の端縁同士をそれぞれ連結する第1端縁連結部材および第2端縁連結部材から構成され、第1端縁連結部材および第2端縁連結部材には、前記アンカー部材を挿通可能な挿通孔が形成されていてもよい。
このような構成によれば、当該接合金物を設置する建物や設置対象の耐力壁などの仕様に応じて適宜な形態のダンパー用鋼板や第1連結部を選択することで、発揮させる減衰効果の大きさや、アンカー部材との取付形態の選択肢を増やすことができる。
このような構成によれば、一対または一組の連結用鋼板を第1補強用鋼材および第2補強用鋼材で連結したことで、ダンパー用鋼板からの応力が連結用鋼板に作用した際に、連結用鋼板の変形や移動、つまり一対または一組の連結用鋼板同士が初期状態から互いに傾くような変形を第1および第2の補強用鋼材で防止することができ、ダンパー用鋼板の減衰効果を適切に発揮させることができる。さらに、第1および第2の補強用鋼材の少なくともいずれかに形成した挿通孔にアンカー部材を挿通させることで、アンカー部材と補強用鋼材(連結用鋼板およびダンパー用鋼板)との偏心をなくすことができ、偏心による付加応力の発生を防止することができる。
このような構成によれば、耐力壁を構成する枠組材の一対の対向面に第2連結部を連結する、すなわち枠組材の中空断面内部に接合金物を設置することで、接合金物と枠組材との偏心量も最小限にすることができ、枠組材に作用する応力を一層小さくすることができる。さらに、枠組材の中空断面内部に設置することで、接合金物が耐力壁の外部に突出せず、設置状態において邪魔になることがないため、耐力壁の設置自由度を向上させることができる。
このような建築物によれば、前述の接合金物を有する建築物と略同様の効果を得ることができ、接合金物および耐力壁の設置自由度やメンテナンス性を向上させることができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る枠組壁工法建築物1の概略構成を示す側面図である。図2は、枠組壁工法建築物1を構成する耐力壁10を示す分解斜視図である。図3は、耐力壁10と基礎2との連結部を示す斜視図である。
図1〜図3において、枠組壁工法建築物1は、地盤G上に構築された鉄筋コンクリート製の基礎2と、この基礎2上に固定された建物本体3と、この建物本体3の上部を覆って設けられる屋根4とを備えて構成された2階建ての住宅である。
図4は、接合金物20およびアンカーボルト6を示す斜視図である。図5は、接合金物20の変形状態を示す側面図である。
図4および図5において、接合金物20は、枠組材11のフランジ14に連結される一対の壁連結部としての壁連結用鋼板21と、これら一対の壁連結用鋼板21の上部同士に渡って接合される上部補強用鋼材22と、一対の壁連結用鋼板21の下部同士に渡って接合される下部補強用鋼材23を有し、これらの壁連結用鋼板21、上部および下部補強用鋼材22,23で形成された四周枠状のフレーム24を備えて構成されている。また、上部補強用鋼材22および下部補強用鋼材23の略中央には、アンカーボルト6を挿通させるための挿通孔22A,23Aが形成されている。
図6および図7は、それぞれ本実施形態の変形例に係る接合金物20,30を示す斜視図および分解斜視図である。
図6に示す接合金物30は、接合金物20と略同様の壁連結用鋼板31、上部補強用鋼材32、下部補強用鋼材33からなるフレーム34を備えて構成されている。そして、上部補強用鋼材32および下部補強用鋼材33の略中央には、前記アンカーボルト6を挿通させるための挿通孔32A,33Aが形成されている。
すなわち、枠組壁工法建築物1において、耐力壁10の壁脚部に建物基礎2と連結される接合金物20,30,40を設置したことで、地震等の水平力が建築物1に作用した際に、耐力壁10がロッキングして接合金物20,30,40のダンパー用鋼板27,37,47が変形することにより減衰効果が発揮される。従って、接合金物20,30,40の減衰効果に応じたエネルギー吸収を行うことで、建築物1の振動を抑制することができ、耐震性能を向上させることができる。そして、耐力壁10において所定のせん断力を負担した状態でのロッキングに対して、ダンパー用鋼板27,37,47がせん断降伏するような設定にしておくことで、耐力壁10の負担せん断力が過大にならず、かつダンパー用鋼板27,37,47の降伏によって建築物1の振動周期が長周期化することから、地震の入力エネルギー自体を抑制することができ、経済的な建築物1の設計が可能になる。
以下、本発明の第2実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。
図8〜図10は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る接合金物を有した建築物の一部を示す斜視図である。
図8〜図10において、接合金物50は、建物基礎2上に設置される柱51における柱脚部に取り付けられ、柱51のロッキングまたは浮き上りによって減衰効果を発揮するように構成されている。接合金物50は、前記第1実施形態の各接合金物20,30,40と略同様の構成を備え、建物基礎2に固定されて上方に延びるアンカー部材であるアンカーボルト6に連結される第1連結部としての筒状鋼材52と、柱51に連結される第2連結部としての固定片部53と、筒状鋼材52と固定片部53とに渡って接合される減衰部材としての一対のダンパー用鋼板54とを備えて構成されている。
以下、本発明の第3実施形態を図11および図12に基づいて説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係る接合金物を有した建築物の一部を示す斜視図である。
図11において、接合金物60は、建築物の柱61と梁62とが接合される柱梁接合部63において、梁62の端部に取り付けられ、梁62の曲げによる上下フランジ64の伸縮によって減衰効果を発揮するように構成されている。接合金物60は、前記第1、第2実施形態の各接合金物20,30,40,50と略同様の構成を備え、柱61または柱61を挟んで対向した梁62端部に固定されたアンカー部材であるアンカーボルト6に連結される第1連結部としての筒状鋼材65と、梁62端部に連結される第2連結部としての固定片部66と、筒状鋼材65と固定片部66とに渡って接合される減衰部材としての一対のダンパー用鋼板67とを備えて構成されている。
図12(B)において、接合金物60は、梁62の端部下端面(下フランジ)のみに設けられており、床スラブ62Aが設けられる梁62の上端面には、接合金物60が設けられていない。
図12(C)において、接合金物60は、梁62の端部上端面(上フランジ)のみに設けられており、柱61に連結部材62Bで接合される梁62の下端面には、接合金物60が設けられていない。
すなわち、本実施形態において、接合金物60は、梁62の上下端面(上フランジおよび下フランジ)のうちの少なくともいずれか一方に設けられていればよい。
以下、本発明の第4実施形態を図13および図14に基づいて説明する。
図13は、本発明の第4実施形態に係る接合金物を有した建築物の一部を示す側面図である。
図13において、接合金物70は、建築物の柱71と梁72とで囲まれた内部において、左右の柱71間かつ上下階の梁72間に斜めに掛け渡されるブレース73を分割したブレース接合部74に取り付けられ、ブレース73の伸縮によって減衰効果を発揮するように構成されている。接合金物70は、前記第1〜第3実施形態の各接合金物20,30,40,50,60と略同様の構成を備え、分割されたブレース接合部74の一方に連結される第2連結部と、分割されたブレース接合部74の残る一方に固定されたアンカー部材としてのアンカーボルト6に連結される第1連結部と、これらの第1連結部と第2連結部とに渡って接合される減衰部材とを備えて構成されている。
図14(A),(B)において、ブレースは、柱71と梁72とで囲まれた内部においてV字形に一対で配置されており、これらの一対のブレースの各々に接合金物70が設けられてる。そして、図14(A)の例では、一対のブレースの交差位置が柱71の中間部に設けられ、図14(B)の例では、一対のブレースの交差位置が梁72の中間部に設けられている。
図14(C)において、ブレースは、柱71と梁72とに渡ってほおづえ状に左右対称に配置されており、これらのブレースの各々に接合金物70が設けられてる。
すなわち、本実施形態において、ブレースの架設形態は、X字形に限らず、縦横のV字形や/字形、あるいはほおづえ状のいずれであってもよい。
例えば、前記第1実施形態においては、2階建ての住宅としての枠組壁工法建築物1に本発明の接合金物20,30,40を設置するものとしたが、建築物としては、3階建て以上のものでもよく、また建築物の用途も住宅に限定されない。さらに、枠組壁工法建築物1として、耐力壁10の枠組材11が薄板軽量形鋼から構成されたスチールハウスについて説明したが、これに限らず、耐力壁10の枠組材11が木質材料から構成されたツーバイフォー構造建築物であってもよい。また、耐力壁10の面材12としては、鋼製折板に限らず、構造用合板やセメント成形板や石膏ボード等の各種板材が使用可能である。
さらに、上下階の耐力壁10同士を連結する構造に限らず、図16に示すように、耐力壁10と、これに隣接する腰壁9Aや垂壁9Bとを接合金物80およびアンカーボルト6で連結する構造としてもよい。
また、耐力壁10としては、前記第1実施形態で説明したように、枠組材11と、この枠組材11に接合される面材12とを有したものに限らず、図17に示すように、枠組材11の内部にブレース材16が設けられた耐力壁10Aでもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (14)
- 一組の対象物に渡って取り付けられ、当該対象物間の相対変位に伴って減衰部材が降伏して減衰効果を発揮する接合金物を有する建築物であって、
前記減衰部材には、降伏後の耐力上昇を抑制する耐力抑制手段が設けられ、構造体のロッキングまたは伸縮によって減衰効果を発揮することを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項1に記載の接合金物を有する建築物において、
建物基礎上に設置される耐力壁における壁脚部に取り付けられた前記接合金物が、当該耐力壁のロッキングによって減衰効果を発揮するものであって、
前記接合金物は、
前記建物基礎に固定されて上方に延びるアンカー部材に連結される第1連結部と、
前記耐力壁に連結される第2連結部と、
前記第1連結部と前記第2連結部とに渡って接合される減衰部材とを備え、
前記耐力壁がロッキングした際に、当該耐力壁と一体移動する前記第2連結部と、前記アンカー部材で移動が拘束された前記第1連結部との相対変位に伴って前記減衰部材が変形し、この減衰部材の変形によって減衰効果を発揮することを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項1に記載の接合金物を有する建築物において、
建物基礎上に設置される柱における柱脚部に取り付けられた前記接合金物が、当該柱のロッキングまたは浮き上りによって減衰効果を発揮するものであって、
前記接合金物は、
前記建物基礎に固定されて上方に延びるアンカー部材に連結される第1連結部と、
前記柱に連結される第2連結部と、
前記第1連結部と前記第2連結部とに渡って接合される減衰部材とを備え、
前記柱がロッキングまたは浮き上りをした際に、当該柱と一体移動する前記第2連結部と、前記アンカー部材で移動が拘束された前記第1連結部との相対変位に伴って前記減衰部材が変形し、この減衰部材の変形によって減衰効果を発揮することを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項1に記載の接合金物を有する建築物において、
建物の柱梁接合部における梁端部に取り付けられた前記接合金物が、当該梁の曲げによる上フランジおよび下フランジの少なくともいずれか一方の伸縮によって減衰効果を発揮するものであって、
前記接合金物は、
前記柱または柱を挟んで対向した梁端部に固定されたアンカー部材に連結される第1連結部と、
前記梁端部に連結される第2連結部と、
前記第1連結部と前記第2連結部とに渡って接合される減衰部材とを備え、
前記梁が曲げ変形した際に、当該梁の上フランジまたは下フランジと一体移動する前記第2連結部と、前記アンカー部材で移動が拘束された前記第1連結部との相対変位に伴って前記減衰部材が変形し、この減衰部材の変形によって減衰効果を発揮することを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項1に記載の接合金物を有する建築物において、
建物のブレースを分割したブレース接合部に取り付けられた前記接合金物が、当該ブレースの伸縮によって減衰効果を発揮するものであって、
前記接合金物は、
前記分割されたブレース接合部の一方に連結される第2連結部と、
前記分割されたブレース接合部の残る一方に固定されたアンカー部材に連結される第1連結部と、
前記第1連結部と前記第2連結部とに渡って接合される減衰部材とを備え、
前記ブレースが伸縮変形した際に、当該分割されたブレースの一方と一体移動する前記第2連結部と、前記アンカー部材で移動が拘束された前記第1連結部との相対変位に伴って前記減衰部材が変形し、この減衰部材の変形によって減衰効果を発揮することを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載の接合金物を有する建築物において、
前記第2連結部は、前記第1連結部を挟んで互いに対向した一対で配置されるとともに、前記減衰部材は、前記アンカー部材の軸線に対して略線対称に配置されることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の接合金物を有する建築物において、
前記第2連結部は、前記第1連結部から放射状に一組で配置されるとともに、前記減衰部材は、前記アンカー部材の軸線に対して略点対称に配置されることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の接合金物を有する建築物において、
前記第2連結部は、一対または一組の連結用鋼板で構成され、当該一対または一組の連結用鋼板が前記アンカー部材を挟んで対称位置または前記アンカー連結部から放射状に設けられ、
前記減衰部材は、前記一対または一組の連結用鋼板と前記第1連結部とを連結するダンパー用鋼板で構成されていることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項8に記載の接合金物を有する建築物において、
前記第1連結部は、前記アンカー部材を挿通可能な筒状鋼材から構成され、
前記ダンパー用鋼板は、前記筒状鋼材の周面に対して径方向に延びて接合され、前記一対または一組の連結用鋼板の各々と前記筒状鋼材との間に1枚ずつのダンパー用鋼板が配置されていることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項8に記載の接合金物を有する建築物において、
前記第1連結部は、前記アンカー部材を挿通可能な筒状鋼材から構成され、
前記ダンパー用鋼板は、前記筒状鋼材の周面に沿って接線方向に延びて接合され、前記一対または一組の連結用鋼板の各々と前記筒状鋼材との間に2枚ずつのダンパー用鋼板が配置されていることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項8に記載の接合金物を有する建築物において、
前記ダンパー用鋼板は、前記一対または一組の連結用鋼板を連結して配置され、かつ互いに対向して略平行に延びる2枚のダンパー用鋼板から構成され、
前記第1連結部は、前記2枚のダンパー用鋼板の一方の端縁同士および他方の端縁同士をそれぞれ連結する第1端縁連結部材および第2端縁連結部材から構成され、第1端縁連結部材および第2端縁連結部材には、前記アンカー部材を挿通可能な挿通孔が形成されていることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項8から請求項11のいずれかに記載の接合金物を有する建築物において、
前記一対または一組の連結用鋼板の一方の端部同士および他方の端部同士は、それぞれ第1補強用鋼材および第2補強用鋼材で連結され、少なくとも第1および第2の補強用鋼材のいずれかには、前記アンカー部材を挿通可能な挿通孔が形成されていることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項2に記載の接合金物を有する建築物において、
前記耐力壁は、当該耐力壁の側端縁に位置する一対の枠組材と、これら一対の枠組材に渡って固定される面材とを少なくとも備えて構成され、
前記枠組材は、互いに対向する一対の対向面を少なくとも有した中空断面を備えて形成され、前記一対の対向面に前記第2連結部が連結されることを特徴とする接合金物を有する建築物。 - 請求項13に記載の接合金物を有する建築物において、
前記耐力壁の枠組材が薄板軽量形鋼から構成されたスチールハウスであることを特徴とする接合金物を有する建築物。
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