JPH0593475A - 弾塑性ダンパ - Google Patents

弾塑性ダンパ

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JPH0593475A
JPH0593475A JP28059291A JP28059291A JPH0593475A JP H0593475 A JPH0593475 A JP H0593475A JP 28059291 A JP28059291 A JP 28059291A JP 28059291 A JP28059291 A JP 28059291A JP H0593475 A JPH0593475 A JP H0593475A
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JP
Japan
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energy
damper
energy absorber
elasto
rigidity
Prior art date
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Application number
JP28059291A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Nomichi
利幸 野路
Hidetoshi Yoshida
英敏 吉田
Hisayuki Yamanaka
久幸 山中
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Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】剛性の調整が容易で且つ大きな振動エネルギを
効率的に吸収し得る弾塑性ダンパを提供すること。 【構成】ベースプレート15、15間にエネルギ吸収体
16をエネルギ吸収体係合溝15aを介して挿し抜き自
在に複数装着し、各エネルギ吸収体16は板幅Wを上下
方向の中央部16cが上下端部16aに比して縮幅する
よう形成しておく。中央部16cの板幅Wを調整するこ
とによりエネルギ吸収体16の剛性を調整して、建物に
生じる振動エネルギを、各エネルギ吸収体16の全面で
負担吸収させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の壁と梁の間な
どに組み込まれて制振効果を発揮することの出来る弾塑
性ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の弾塑性ダンパに用いられて
いる金属板の一例を示す図、図7は従来の弾塑性ダンパ
に用いられている金属板の別の例を示す図である。最
近、地震や風等により構造物に生じる揺れを抑えるため
に各種の制振装置が提案されているが、そのいずれもが
構造物の基礎の部分に組み込んだものが多い。しかし、
こうした方法の他に、構造物の各層において振動を吸収
することの出来る制振装置があれば、個々の制振性能が
比較的小型のものでも有効に作用することが出来、そう
した装置の開発が望まれていた。そこで、各階の壁と柱
を間隙を介して形成し、当該壁を梁に対して粘弾性部材
及び弾塑性部材を介して接続し、地震に際して生じる揺
れを、当該揺れが小さなうちは粘弾性ダンパで吸収し、
揺れが大きくなると弾塑性ダンパで吸収せんとするフレ
ーム組込型制振装置の提案がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来弾塑性
ダンパとしては、図6に示すように、一定幅のスリット
を複数形成した金属板17を用いるダンパが知られてい
るが、そうしたダンパでは、金属板17の上下端部のみ
が塑性化してしまうことによりエネルギ吸収効率が芳し
くなく、これを補って当該ダンパに大きな揺れを吸収さ
せようとすると、当然大きな金属板17を用いなければ
ならず、これによりダンパの大型化、特に高さ方向の長
大化が懸念される。そこで、金属板のエネルギ吸収効率
を上げるために、図7に示すように、可変幅のスリット
を複数形成した金属板18を用いるダンパが提案された
こともあるが、この場合はダンパの水平方向の長大化が
懸念されると共に、金属板18に上下方向の変位を吸収
させるのが難しくなる。そして、こういった金属板1
7、18はいちいち別個の形状に加工しておかなければ
剛性の調節をすることが出来ないので、建物に最も適合
した剛性のダンパを製作、設置するのは非常に煩雑であ
った。本発明は、前述の欠点を解消すべく、剛性の変更
を容易に行なうことが出来ると共に、建物に生じる振動
エネルギを効率良く吸収することが出来る弾塑性ダンパ
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ベース
プレート(15)を対向した形で設け、それらベースプ
レートに複数のエネルギ吸収体係合溝(15a)をそれ
ぞれ穿設形成し、前記エネルギ吸収体係合溝(15a)
に板状のエネルギ吸収体(16)を複数枚、それらベー
スプレートを接続する形で設け、前記エネルギ吸収体
(16)を、該エネルギ吸収体(16)の上下方向の中
央部(16c)の板幅(W)が縮幅する形に形成して構
成される。また、本発明は、複数のエネルギ吸収体(1
6)が少なくとも2種類の板形態を有するように構成さ
れる。また、本発明は、複数のエネルギ吸収体(16)
が少なくとも2種類の材質を有するように構成される。
なお、( )内の番号等は、図面における対応する要素
を示す、便宜的なものであり、従って、本記述は図面上
の記載に限定拘束されるものではない。以下の
【作用】の欄についても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により、本発明は、中央部(16
c)の板幅(W)を調整することにより各エネルギ吸収
体(16)の剛性を調整し、そして、エネルギ吸収体
(16)の装着枚数を調整することによりダンパ全体の
剛性を調整するように作用する。また、本発明は、板形
態及び材質の相違するエネルギ吸収体(16)を組み合
わせて装着することにより、キメの細かな剛性の調整を
行なうように作用する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1はフレーム組込型制振装置の1例を示す図、図
2は粘弾性ダンパの一例を示す側面図、図3は本発明に
よる弾塑性ダンパの一実施例を示す正面図、図4は図3
の側面図、図5は図3に示す弾塑性ダンパにおけるエネ
ルギ吸収体の変形状態を示す図である。
【0007】構造物1は、図1に示すように、所定の間
隔で立設された柱2を有しており、各柱2間にはそれ等
柱2間を接続する形で梁3が水平に設けられている。図
中左右方向に隣接する柱2、2及び上下方向に隣接する
梁3、3間に囲まれた空間にはプレキャストコンクリー
ト製の壁5が設けられており、壁5の図中上側左右及び
中央部分にはダンパ取付用の切欠き5aが3ヵ所形成さ
れている。各切欠き5aの内、図中中央部分の切欠き5
aと図中上方の梁3との間には粘弾性ダンパ6、6が図
中左右方向に並列に設けられており、図中左右の切欠き
5a、5aと図中上方の梁3との間にはそれぞれ弾塑性
ダンパ7、7が設けられている。なお、壁5の図中左右
及び図中上側には、粘弾性ダンパ6及び弾塑性ダンパ7
に支持された部位以外の部位に、周囲の柱2及び梁3と
の間に間隙9が形成されている。
【0008】粘弾性ダンパ6は、図2に示すように、壁
5側にベースプレート8を介して固着された断面L字形
の取付部材10、10が、部材装着面10a、10aを
互いに対向しかつ図中紙面と直角方向に伸延する形で設
けられており、部材装着面10a、10a間には断面が
T字形の取付部材11が部材装着面11a、11aを各
取付部材10の部材装着面10aに対向する形で、図中
紙面と直角方向に伸延する形で設けられている。取付部
材11の図中上部はベースプレート13を介して梁3に
固着されており、各部材装着面10a、11a間には粘
弾性材料からなる粘弾性部材12が図中紙面と直角方
向、即ち図1中矢印A、B方向に両装着面10a、11
a間を接続する形で設けられている。また、弾塑性ダン
パ7は、図3及び図4に示すように、ベースプレート1
5、15を有しており、各ベースプレート15は、図中
上方が梁3側に、図中下方が壁5側に装着されている。
各ベースプレート15、15には、図3に示すように、
所定の間隔でエネルギ吸収体係合溝15aが互いに対向
する形で形成されており、エネルギ吸収体係合溝15a
は図3中矢印A、B方向で示すダンパの制振方向と直交
する方向、即ち図4中矢印C、D方向にベースプレート
15を突き抜ける形で、連続的に穿設形成されている。
ベースプレート15、15間には、図4に示すように、
図中上下方向中央部16cの板幅Wが図中上下端部16
a、16aの板幅Wに比して曲げモーメント分布に応じ
て縮幅する形に形成された金属製のエネルギ吸収体16
が複数枚、各係合溝15aにその上下端部16a、16
aを嵌入係合させた形で設けられており、即ちエネルギ
吸収体16はそれぞれがエネルギ吸収体係合溝15a、
15aから抜き挿し自在な形でダンパの制振方向である
図3中矢印A、B方向に複数並んで配置されている。
【0009】構造物1等は以上のような構成を有するの
で、地震や風等により構造物1に、図1中矢印A、B方
向に振動が生じた場合には、梁3と壁5との間で矢印
A、B方向に相対的な振動が生じるが、当該振動が小さ
いうちは、図中上方の梁3と壁5との間に設けられた、
図2に示す粘弾性ダンパ6の取付部材10、11間の粘
弾性部材12が変形して当該振動エネルギを吸収する。
また、矢印A、B方向の振動が大きくなり、粘弾性ダン
パ6の粘弾性部材12だけでは振動を吸収することが出
来ない程度になった場合には、図1中下方の梁3と壁5
との間に設けられた弾塑性ダンパ7のエネルギ吸収体1
6が、図3矢印A、B方向に塑性変形して当該エネルギ
を吸収する。(なお、この場合においても粘弾性ダンパ
6による振動エネルギの吸収動作は継続される。)
【0010】即ち、梁3と壁5との間で矢印A、B方向
に相対的な振動が生じると、図5に示すように、壁5側
のベースプレート15の係合溝15aとこれに対応する
梁3側のベースプレート15の係合溝15aとが矢印
A、B方向に相対移動することにより、弾塑性ダンパ7
に装着された各エネルギ吸収体16は、図5中実線で示
すように、該係合溝15a、15aに嵌入係合されてい
る上下端部16a、16aが矢印A、B方向に引き離さ
れる形で移動する。すると、上下端部16a、16a部
分は係合溝15a、15aを介してベースプレート15
に接続された形になっていることからここに塑性域が生
じてエネルギーを吸収し、またこれにつれて、中央部1
6cには引っ張り応力が作用する。ところがここで、各
エネルギ吸収体16は、図4に示すように上下方向中央
部16cの板幅Wが上下端部16a、16aの板幅Wに
比して曲げモーメント分布に応じて縮幅するように形成
されているので、該上下端部16a、16a部分のみで
なく、該中央部16cも弾性領域を超えて降伏して、上
下端部16a、16aと共に塑性変形することが出来
る。従って、梁3と柱5とが相対的に移動することによ
り生じてエネルギ吸収体16に作用する面外応力は、各
エネルギ吸収体16の制振面全面に亙って分散吸収され
ることになるので、各エネルギ吸収体16全面部分の塑
性変形により最大限の振動エネルギが負担吸収されるこ
とが出来る。従って、各エネルギ吸収体16が効率良く
最大限の振動エネルギを吸収することが出来ることによ
り、各エネルギ吸収体16を小さくしたり、該エネルギ
吸収体16の弾塑性ダンパ7への装着枚数の低減を図っ
て、弾塑性ダンパ7の小型化を図ることが可能となる。
そして、こうして中央部16cが上下端部16a、16
aと同等に塑性変形し得るように、弾塑性ダンパ7が負
担すべき振動エネルギ(即ち矢印A、B方向から各エネ
ルギ吸収体16に作用する応力)に応じて、各エネルギ
吸収体16の中央部16cの板幅Wを適宜設定調整して
おくにことにより、各エネルギ吸収体16の剛性を調整
することが出来るので、これにより、弾塑性ダンパ7を
構造物1に発生する大小各種の振動に対応させて、常時
有効な制振効果を得ることが可能である。
【0011】なお、弾塑性ダンパ7全体の剛性は、各ベ
ースプレート15、15間に装着されるエネルギ吸収体
16の中央部16cと上下端部16aの板幅Wをそれぞ
れ変更して、各エネルギ吸収体16の板形態を変更する
ことにより、自由に調整変更することが出来るので、建
造物の態様に最も適した剛性をダンパ7に付与すること
が出来る。また、一旦装着したエネルギ吸収体16は、
図4中矢印C、D方向に挿し抜きすることにより係合溝
15aから取り外すことが出来るので(なお、通常の設
置状態では、エネルギ吸収体16のどちらか一方の端部
はベースプレート15に対してボルトや溶接などにより
固定しておくことが望ましい。また、中央部16cを効
果的に塑性変形させるために、エネルギ吸収体16の両
端部を固定しておくことも可。)、一度塑性変形をして
劣化したエネルギ吸収体16は、弾塑性ダンパ7全体を
取り外すことなく、簡単に交換することが出来る。更
に、ダンパの設置時または設置後においても、ベースプ
レート15、15間に装着すべきエネルギ吸収体16の
枚数を適宜変更することによってダンパ7全体の剛性を
簡単に調整することが出来る。更に、エネルギ吸収体1
6の材質を適宜変更して、装着すべき吸収体16を複数
の数種の材質から構成することにより、材質の相違に基
づく剛性の差異を利用して、板形態及び材質の両面から
よりキメの細かな剛性の調整が可能となる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベースプレート15、15を対向した形で設け、それら
ベースプレート15に複数のエネルギ吸収体係合溝15
aをそれぞれ穿設形成し、前記エネルギ吸収体係合溝1
5aに板状のエネルギ吸収体16を複数枚、それらベー
スプレート15を接続する形で設け、前記エネルギ吸収
体16を、該エネルギ吸収体16の上下方向の中央部1
6cの板幅Wが縮幅する形に形成して構成したので、中
央部16cの板幅Wを調整することにより各エネルギ吸
収体16の剛性を調整し、そして、エネルギ吸収体16
の装着枚数を調整することによりダンパ全体の剛性を調
整することが出来る。即ち、中央部16cの板幅Wを調
整することにより各エネルギ吸収体16の剛性を調整し
て、エネルギ吸収体16に地震等による応力が作用する
際に中央部16cを上下端部16a、16aと同等に塑
性変形させることが出来るので、当該応力を各エネルギ
吸収体16の全面で最大限に負担吸収させることが出来
る。従って、各エネルギ吸収体16の全面を有効に利用
して、建物に生じる振動エネルギを効率良く吸収するこ
とが出来るので、エネルギ吸収体16の小型化や装着枚
数の低減によりダンパの小型化を図ることが出来る。ま
た、エネルギ吸収体16をエネルギ吸収体係合溝15a
を介して挿し抜きすることにより、ダンパ全体の剛性を
容易に調整することが出来るので、装着すべきエネルギ
吸収体16の枚数を調整することによりダンパを様々な
建物に適合させることが簡単に出来る。また、複数のエ
ネルギ吸収体が少なくとも2種類の板形態(即ちそれぞ
れの上下端部16aと中央部16cにおける板幅Wが適
宜設定された形状をなす板形態)を有するように構成す
ると、板形態の相違するエネルギ吸収体を組み合わせて
装着することにより、よりキメの細かな剛性の調整が可
能となる。同様に、複数のエネルギ吸収体が少なくとも
2種類の材質を有するように構成すると、エネルギ吸収
体16の材質を適宜変更して、装着すべき吸収体16を
複数の数種の材質から構成することにより、材質の差に
基づく剛性の差異を利用してよりキメの細かな剛性の調
整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレーム組込型制振装置の1例を示す図であ
る。
【図2】粘弾性ダンパの一例を示す側面図である。
【図3】本発明による弾塑性ダンパの一実施例を示す正
面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3に示す弾塑性ダンパにおけるエネルギ吸収
体の変形状態を示す図である。
【図6】従来の弾塑性ダンパに用いられている金属板の
一例を示す図である。
【図7】従来の弾塑性ダンパに用いられれている別の例
を示す図である。
【符号の説明】
7……弾塑性ダンパ 15……ベースプレート 15a……エネルギ吸収体係合溝 16……エネルギ吸収体 16c……中央部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースプレートを対向した形で設け、 それらベースプレートに複数のエネルギ吸収体係合溝を
    それぞれ穿設形成し、 前記エネルギ吸収体係合溝に板状のエネルギ吸収体を複
    数枚、それらベースプレートを接続する形で設け、 前記エネルギ吸収体を、該エネルギ吸収体の上下方向の
    中央部の板幅が縮幅する形に形成して構成した弾塑性ダ
    ンパ。
  2. 【請求項2】請求項1の弾塑性ダンパにおいて、前記複
    数のエネルギ吸収体が少なくとも2種類の板形態を有す
    ることを特徴とする弾塑性ダンパ。
  3. 【請求項3】請求項1の弾塑性ダンパにおいて、前記複
    数のエネルギ吸収体が少なくとも2種類の材質を有する
    ことを特徴とする弾塑性ダンパ。
JP28059291A 1991-10-01 1991-10-01 弾塑性ダンパ Pending JPH0593475A (ja)

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