JP2813561B2 - 地震エネルギーの吸収装置 - Google Patents

地震エネルギーの吸収装置

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JP2813561B2
JP2813561B2 JP7211758A JP21175895A JP2813561B2 JP 2813561 B2 JP2813561 B2 JP 2813561B2 JP 7211758 A JP7211758 A JP 7211758A JP 21175895 A JP21175895 A JP 21175895A JP 2813561 B2 JP2813561 B2 JP 2813561B2
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鐸二 小堀
光雄 坂本
祥三 前田
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震等により、
構造物が受ける振動エネルギーを吸収するための弾塑性
ダンパーを使用する地震エネルギーの吸収装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、弾塑性ダンパーの構造物への利用
例としては免震構造への利用が上げられ、種々の形状の
弾塑性ダンパーを使用した地震エネルギーの吸収装置が
考えられている。
【0003】これらの多くは、粘性体を利用した粘性ダ
ンパー、シリンダー型のオイルダンパー、軟鋼を用いた
弾塑性ダンパーを使用する装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、粘性ダ
ンパーや、オイルダンパーは、メンテナンスが必要で、
設計も難しく、エネルギー吸収能力もあまり大きなもの
は、期待できない。また、オイルダンパーは、方向性が
限定され、エネルギー吸収能力もあまり大きくない。さ
らに、軟鋼棒等を用いた従来の弾塑性ダンパーも、あま
り大きなエネルギー吸収能力が期待できないだけでな
く、形状が複雑だったり、大型化する等、設計上問題が
ある。
【0005】なお従来に考案されているRC耐震壁の剛
性あるいは復元力特性を改善する目的でRC耐震壁に取
合う金物(耐震壁剛性調整用金物)はダンパーとは称し
ていない。それは、この金物は主要構造部材と同様に、
建物の通常の耐震設計レベル(1次設計レベル)では弾
性範囲とし、それ以上の大地震時(2次設計レベル)で
は塑性化を許しても、その程度は小さいという使い方の
ものだからである。また、この背景には、耐震設計が地
震力を静的に設定して静的応力解析により耐震部材を設
計する方法が一般的であり、従って静的には地震力を殆
ど負担できない以下に説明するダンパーとしての使い方
は設計上何らメリットがなかったからである。
【0006】この発明は、このような前記従来の問題点
を解決するために提案されたもので、エネルギー吸収能
力が極めて大きく、取り扱いおよび設計が容易にできる
弾塑性ダンパーを使用した地震エネルギーの吸収装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】1番目の発明は軟鋼製ブ
ロックに、水平に貫通する複数個の孔を一定間隔に形成
し、前記孔の側辺に塑性変形域を拡げるくびれ部と一定
深さの小孔をそれぞれ設けた地震による振動エネルギー
を吸収する弾塑性ダンパーを使用し、壁と両側柱および
壁と上下梁の一方との間に隙間を設け、壁と上下梁の一
方の隙間に前記弾塑性ダンパーを配してなり、2番目の
発明は壁と両側柱および壁と上下梁の一方との間に隙間
を設け、壁と柱の隙間に前記弾塑性ダンパーを配してな
り、3番目の発明は振動周期の異なる建物間に連結部材
を配し、連結部材と建物間に前記弾塑性ダンパーを配し
てなる地震エネルギーの吸収装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明に係る地震エネルギーの
吸収装置に使用する弾塑性ダンパー1は、所要の大きさ
に形成された直方体形の軟鋼製ブロック2に多角形(例
えば六角形)乃至円形の横孔3,…を複数個水平に一定
間隔形成することにより形成されている。
【0009】図1は、軟鋼製ブロック2に横方向にやや
細長い六角形の孔3を横方向に一定間隔置きに形成して
なる弾塑性ダンパーを示したものである。図2は、図1
においてさらに、孔3を上下二段に形成したものであ
る。
【0010】また、図3は、軟鋼製ブロック2に円形の
孔3を、横方向に一定間隔おきに形成した弾塑性ダンパ
ーを示したものである。さらに、図4は、図3におい
て、円形の孔3を上下二段に形成したものである。
【0011】このように形成された弾塑性ダンパー1
は、剪断力を受けると孔3の側辺部のくびれ部Aが塑性
変形をおこし、エネルギーを吸収する。
【0012】図6および図8は、軟鋼製ブロック2に孔
3の他に孔3の周辺部に小孔4を一定深さに形成するこ
とにより軟鋼製ブロック2の塑性変形能力を高めたもの
である。なお、弾塑性ダンパー1の長さ、幅を変えるこ
とによっても弾塑性変形能力を代えエネルギー吸収量を
調整できることはいうまでもない。
【0013】図15、16、17はこの発明の地震エネ
ルギーの吸収装置における弾塑性ダンパー1の使用例を
示したものである。
【0014】図15は壁5と両側柱7、7および壁5と
上下梁6、6の一方との間に隙間Wを設け、壁5と上下
梁6、6の一方の隙間に前記弾塑性ダンパー1を配して
なる。
【0015】図16は壁5と両側柱7,7および壁5と
上下梁6、6の一方との間に隙間を設け、壁5と柱7、
7の隙間に前記弾塑性ダンパー1を配してなる。
【0016】図17は振動周期の異なる建物B,B間に
連結部材8を配し、連結部材8と建物B,B間に前記弾
塑性ダンパー1を配してなる。
【0017】かかる使用方法によると、地震力は、弾塑
性ダンパー1の変形能力によって吸収でき、さらに、建
物B,Bどうしで減衰作用があるため効果は、倍増す
る。
【0018】
【発明の効果】この発明は以上の構成からなるので、以
下の効果を有する。
【0019】 特に水平に貫通する複数個の孔を形成
して塑性変形域を拡げるくびれ部をブロック中央に多数
設けてあるので極めて簡単な形状でありながら、構造物
の部材間に介在させて地震エネルギー吸収能力が大き
く、ダンパーとしての効率がよい。また、前記孔の側辺
に塑性変形域を拡げる一定深さの小孔を設けること によ
り、塑性変形能力をより高めることができる。さらに、
形状が簡単故に製 作も容易で量産も可能である。
【0020】 また、孔くびれ部その他ダンパーの長
さ、幅を適当に変更することにより、ダンパーの剛性、
エネルギー吸収量を自由に調整できる。
【0021】 またこの弾塑性ダンパーは通常ダンパ
ーとして扱われる粘性ダンパーやオイルダンパーと性能
比較されるものであり、建物の通常の耐震設計レベル
(1次設計レベル)でも積極的に塑性化させて使うこと
ができ、塑性化の程度も極めて大きい。建物内での設置
位置もダンパーであるので耐震壁に限らず、変位差の生
じる箇所ではどこでもよい。また塑性化の繰り返しによ
る破断という現象のない粘性ダンパーやオイルダンパー
と性能比較できる程、塑性化を繰り返してエネルギー吸
収できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図2】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図3】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図4】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図5】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図6】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図7】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図8】弾塑性ダンパーの正面図である。
【図9】弾塑性ダンパーの側面図である。
【図10】弾塑性ダンパーの側面図である。
【図11】弾塑性ダンパーの塑性変形時の側面図であ
る。
【図12】弾塑性ダンパーの塑性変形時の側面図であ
る。
【図13】弾塑性ダンパーの塑性変形時の側面図であ
る。
【図14】弾塑性ダンパーの塑性変形時の側面図であ
る。
【図15】この発明の実施態様の側面図である。
【図16】この発明の実施態様の側面図である。
【図17】この発明の実施態様の側面図である。
【符号の説明】
1…弾塑性ダンパー、2…軟鋼製ブロック、3…孔、4
…小孔、5…壁、6…梁、7…柱、8…連結部材、A…
くびれ部、B…建物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 祥三 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 高橋 新一 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−16672(JP,A) 特開 昭62−189263(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 9/02 F16F 7/00 - 7/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟鋼製ブロックに、水平に貫通する複数
    個の孔を一定間隔に形成し、前記孔の側辺に塑性変形域
    を拡げるくびれ部と一定深さの小孔をそれぞれ設けた
    震による振動エネルギーを吸収する弾塑性ダンパーを使
    用し、壁と両側柱および壁と上下梁の一方との間に隙間
    を設け、壁と上下梁の一方の隙間に前記弾塑性ダンパー
    を配してなることを特徴とする地震エネルギーの吸収装
    置。
  2. 【請求項2】 軟鋼製ブロックに、水平に貫通する複数
    個の孔を一定間隔に形成し、前記孔の側辺に塑性変形域
    を拡げるくびれ部と一定深さの小孔をそれぞれ設けた地
    震による振動エネルギーを吸収する弾塑性ダンパーを使
    用し、壁と両側柱および壁と上下梁の一方との間に隙間
    を設け、壁と柱の隙間に前記弾塑性ダンパーを配してな
    ることを特徴とする地震エネルギーの吸収装置。
  3. 【請求項3】 軟鋼製ブロックに、水平に貫通する複数
    個の孔を一定間隔に形成し、前記孔の側辺に塑性変形域
    を拡げるくびれ部と一定深さの小孔をそれぞれ設けた地
    震による振動エネルギーを吸収する弾塑性ダンパーを使
    用し、振動周期の異なる建物間に連結部材を配し、連結
    部材と建物間に前記弾塑性ダンパーを配してなることを
    特徴とする地震エネルギーの吸収装置。
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