JP6805085B2 - 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体 - Google Patents

弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP6805085B2
JP6805085B2 JP2017115413A JP2017115413A JP6805085B2 JP 6805085 B2 JP6805085 B2 JP 6805085B2 JP 2017115413 A JP2017115413 A JP 2017115413A JP 2017115413 A JP2017115413 A JP 2017115413A JP 6805085 B2 JP6805085 B2 JP 6805085B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elasto
boiler
end surface
plastic element
support structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017115413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019002595A (ja
Inventor
森川 昭二
昭二 森川
清 相田
清 相田
幸太郎 河村
幸太郎 河村
邦宏 森下
邦宏 森下
基規 加藤
基規 加藤
将樹 下野
将樹 下野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Power Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Power Ltd filed Critical Mitsubishi Power Ltd
Priority to JP2017115413A priority Critical patent/JP6805085B2/ja
Priority to PCT/JP2017/045078 priority patent/WO2018230014A1/ja
Publication of JP2019002595A publication Critical patent/JP2019002595A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6805085B2 publication Critical patent/JP6805085B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F7/00Vibration-dampers; Shock-absorbers
    • F16F7/12Vibration-dampers; Shock-absorbers using plastic deformation of members
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F22STEAM GENERATION
    • F22BMETHODS OF STEAM GENERATION; STEAM BOILERS
    • F22B37/00Component parts or details of steam boilers
    • F22B37/02Component parts or details of steam boilers applicable to more than one kind or type of steam boiler
    • F22B37/24Supporting, suspending, or setting arrangements, e.g. heat shielding

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

本発明は、弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体に関する。
節炭器、蒸発器、及び過熱器等の熱交換器が内部に搭載されたボイラ本体を、複数の支持鉄骨で形成された支持構造体の上部から吊り下げて支持するボイラの支持構造体が知られている。このようなボイラの支持構造体では、例えば地震等の振動発生時にボイラ本体が振り子運動をするように繰り返し揺れてしまうため、ボイラ本体と支持構造体との間における相対変位を限度内に制限するための振れ止め装置としてサイスミックタイが用いられている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、等応力梁となる変断面を有する複数個の弾塑性エレメントの一端をボイラ本体の水壁に設けたバックステーに所定の間隔をもって固着し、他端を剛性を有するバインダ部材に固着し、支持鉄骨又はその延長部材を両側から所定間隙をもって挟み込むごとくバインダ部材を設けて構成した挟み込み式のサイスミックタイが開示されている。
このサイスミックタイの弾塑性エレメントは、長方形のプレートに略菱形の開口を設けて断面係数が位置により変化するもの(変断面)としている。また、弾塑性エレメントとバックステー及びバインダ部材のそれぞれとは、肉盛溶接により互いに固着されている。
特許第3181371号 特開平9−112805号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のサイスミックタイでは、単体全体が1つの弾塑性体である弾塑性エレメントの一端部をバックステーに、他端部をバインダ部材に、それぞれ肉盛溶接するため、肉盛溶接部分の止端部が不均一に形成され、当該止端部で応力が集中してしまう。さらに、肉盛溶接による残留応力の発生や不均一な肉盛形状の形成によって応力集中係数が変わるため、肉盛溶接部分において定まった応力が生じにくく、弾塑性エレメント内の位置によって強度に差が出てしまう。
したがって、例えば大地震等の繰り返しの振動が発生した場合、肉盛溶接部分が最弱部となって疲労破壊が生じやすくなり、弾塑性エレメントを構成する弾塑性体部材が本来有している強度まで使用することが難しかった。
そこで、本発明は、繰り返しの振動に耐え得る疲労強度を確保して、耐久性を向上させることが可能な弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、代表的な本発明は、鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体を支持するための支持構造体に備えられ、前記ボイラ本体と前記支持構造体との間における振動による相対変位を制限するための挟み込み式のサイスミックタイに用いられるものであり、矩形板状の本体における幅方向に沿った一端面が前記ボイラ本体側に肉盛溶接され、かつ前記幅方向に沿った他端面が前記支持構造体側に肉盛溶接される弾塑性エレメントであって、前記本体の中央部に菱形状の開口が設けられ、前記開口の第1頂部が前記一端面側に配置され、かつ前記開口の第2頂部が前記他端面側に配置されていると共に、前記本体の前記幅方向の両側面又は厚み方向の表裏両面から前記一端面に向かうにつれて外方へ拡大するように張り出した一対の第1肩部と、前記本体の前記幅方向の前記両側面又は前記厚み方向の前記表裏両面から前記他端面に向かうにつれて外方へ拡大するように張り出した一対の第2肩部と、を有し、前記第1肩部における拡大の終点位置から前記一端面に至る離間長さは前記第1頂部から前記一端面に至る離間長さよりも大きく設定され、かつ前記第2肩部における拡大の終点位置から前記他端面に至る離間長さは前記第2頂部から前記他端面に至る離間長さよりも大きく設定されており、前記ボイラ本体側との肉盛溶接部の止端部分は前記一端面と前記第1頂部との間に位置し、かつ前記支持構造体側との肉盛溶接部の止端部分は前記他端面と前記第2頂部との間に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、上記の特徴により繰り返しの振動に耐え得る疲労強度を確保して、耐久性を向上させることができる。なお、上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用されるボイラ装置の構造の一例を示す概略図である。 第1実施形態に係るサイスミックタイの一構成例を示す斜視図である。 第1実施形態に係る弾塑性エレメントの一構成例を示す平面図である。 第1実施形態に係る弾塑性エレメントがバックステー及びバインダ部材のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、中央図が側面図であり、下図が上図におけるA−A線断面図である。 図5Aは第1実施形態に係る弾塑性エレメントにおける長さ方向の位置に対する応力の関係を示すグラフであり、図5Bは従来構造の弾塑性エレメントにおける長さ方向の位置に対する応力の関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る弾塑性エレメントがバックステー及びバインダ部材のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、中央図が側面図であり、下図が上図におけるB−B線断面図である。 第3実施形態に係るサイスミックタイの一構成例を示す図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1〜5を参照して説明する。
(ボイラ装置1の構成)
まず、本発明が適用されるボイラ装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるボイラ装置1の構造の一例を示す概略図である。なお、以下の説明において、ボイラ装置1が設置された地面に対して平行な方向を「水平方向」とし、この水平方向に直交する方向を「鉛直方向」とする。
ボイラ装置1は、例えば火力発電プラント内に設置される大型のボイラ装置である。このボイラ装置1は、鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体10と、このボイラ本体10を支持するための支持構造体11と、を備えている。
ボイラ本体10は、化石燃料等の燃料を燃焼させる火炉や、節炭器、蒸発器、及び過熱器等の熱交換器が内部に搭載され、その周囲を水壁101(図2参照)で囲んだ筐体構造を有している。
支持構造体11は、ボイラ本体10を支持する複数の支持柱としての支持鉄骨111と、複数の支持鉄骨111のうち鉛直方向の上部に配置された支持鉄骨111に懸架され、ボイラ本体10を吊り下げ支持する複数の吊り下げ部材112と、ボイラ本体10と支持構造体11との間における振動による相対変位を制限するための複数の挟み込み式のサイスミックタイ110と、を備えている。
複数のサイスミックタイ110はそれぞれ、例えば地震等の振動によりボイラ本体10と支持構造体11(支持鉄骨111)との間に水平方向の相対変位が生じたとき、その変位量に応じた振動エネルギーを吸収して、ボイラ本体10に接続される配管やダクト等を保護するための振れ止め装置である。
(サイスミックタイ110の構成)
次に、サイスミックタイ110の具体的な構成について、図2〜図5を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係るサイスミックタイ110の一構成例を示す斜視図である。図3は、弾塑性エレメント3の一構成例を示す平面図である。図4は、弾塑性エレメント3がバックステー102及びバインダ部材2のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、中央図が側面図であり、下図が上図におけるA−A線断面図である。図5Aは、第1実施形態に係る弾塑性エレメント3における長さ方向の位置に対する応力の関係を示すグラフであり、図5Bは、従来構造の弾塑性エレメントにおける長さ方向の位置に対する応力の関係を示すグラフである。なお、図5A及び図5Bにおいて、基準となる公称応力を二点鎖線(実機形状の応力と重なる部分では太い実線)で、実機形状の応力を太い実線で、それぞれ示している。
図2に示すように、ボイラ本体10の水壁101には、水壁101に対して平行な方向であって鉛直方向に交差(直交)する水平方向(図2ではボイラ本体10の前後方向)に延伸する補強部材としてのバックステー102が固定されている。ボイラ本体10の水壁101の中央部付近において、バックステー102と支持鉄骨111とを接続するようにサイスミックタイ110が設けられている。
なお、図2に示すサイスミックタイ110は、図1に示す複数の支持鉄骨111のうち鉛直方向に延伸する支持鉄骨111(例えば支持鉄骨111V)と、ボイラ本体10の前後方向に延伸するバックステー102との間に設けられたものである。
サイスミックタイ110は、支持鉄骨111をバックステー102の延伸方向(前後方向)から所定の隙間を空けて挟み込む一対のバインダ部材2と、バックステー102と一対のバインダ部材2との間においてバックステー102の延伸方向に沿って所定の間隔を空けて複数(本実施形態では8つ)並べられた弾塑性エレメント3と、一対のバインダ部材2を連結するためのタイプレート4と、を備えている。
本実施形態では、一対のバインダ部材2がそれぞれ支持鉄骨111をバックステー102の延伸方向から所定の隙間を空けて挟み込んでいるが、必ずしもその必要はなく、他の構成からなるバインダ部材を用いたサイスミックタイの構成について、後述する第3実施形態にて説明する。
弾塑性エレメント3は、鋼材等の弾塑性体部材で形成された矩形板状の本体30を有しており、地震等の振動によってボイラ本体10と支持鉄骨111(支持構造体11)との間に相対変位が生じた場合にはせん断型に曲げられ弾塑性変形して振動エネルギーを吸収する。
図4に示すように、弾塑性エレメント3は、本体30における幅方向に沿った一端面3AE(一端部3A)がバックステー102(ボイラ本体10側)に、本体30における幅方向に沿った他端面3BE(他端部3B)が一対のバインダ部材2(支持構造体11側)に、それぞれ肉盛溶接により接合されている。
図2に示すように、本実施形態では、8つの弾塑性エレメント3のうち4つの弾塑性エレメント3が一方のバインダ部材2に接合されてひと纏めにされ、残り4つの弾塑性エレメント3が他方のバインダ部材2に接合されてひと纏めにされている。
一対のバインダ部材2はそれぞれ、地震等の振動により弾塑性エレメント3が変形した場合であっても、バックステー102に対して対向面が平行に保てる程度の剛性を有している。
前述したように、本実施形態では、一対のバインダ部材2は、支持鉄骨111を水平方向(前後方向)から挟み込んでおり、かつタイプレート4で互いに連結されているため、ボイラ本体10が水平方向に振動して支持鉄骨111との間に相対変位を生じた場合であっても、一対のバインダ部材2と支持鉄骨111との間には予め形成された所定の隙間以上の相対変位は生じ得ない。そのため、一対のバインダ部材2と支持鉄骨111とは一体としてみなすことができ、ボイラ本体10と支持鉄骨111との相対変位のほとんどは弾塑性エレメント3の変形量となる。なお、当該変形量は、複数の弾塑性エレメント3全てにおいて同一となっている。
弾塑性エレメント3は、本体30の長さ方向に沿った両側面から一端面3AEに向かうにつれて拡大するように張り出した一対の第1肩部31と、本体30の長さ方向に沿った両側面から他端面3BEに向かうにつれて拡大するように張り出した一対の第2肩部32と、を備えている。なお、本体30の「長さ方向」とは、本体30において、幅方向及び厚み方向に交差(直交)する方向を示す。
本実施形態では、第1肩部31における拡大の始点位置311から終点位置312まで、及び第2肩部32における拡大の始点位置321から終点位置322までがそれぞれ、円弧を描くように湾曲面でつながっている。
なお、一対の第1肩部31及び一対の第2肩部32はそれぞれ、必ずしも本体30の長さ方向に沿った両側面から外方に張り出して形成されている必要はない。他の例については、後述する第2実施形態において説明する。
本体30には、等応力梁となる変断面を形成するための菱形状の開口30Aが中央部において厚み方向に貫通して形成されている。本実施形態では、開口30Aの4つの頂部301〜304はいずれも、弧状に湾曲している。
4つの頂部301〜304は、第1頂部301と第2頂部302とが本体30の幅方向の中央部において長さ方向に相対し、第3頂部303と第4頂部とが本体30の長さ方向の中央部において幅方向に相対して配置されている。なお、第1頂部301が一端面3AE側に配置され、第2頂部302が他端面3BE側に配置されている。
第1頂部301は、一対の第1肩部31のそれぞれにおける拡大の終点位置312よりも一端面3AE側に位置しており、第2頂部302は、一対の第2肩部32のそれぞれにおける拡大の終点位置322よりも他端面3BE側に位置している。
つまり、図3に示すように、第1肩部31における拡大の終点位置312から一端面3AEに至る離間長さD12は、第1頂部301から一端面3AEに至る離間長さD11よりも大きく設定されている(D12>D11)。同様に、第2肩部32における拡大の終点位置322から他端面3BEに至る離間長さD22は、第2頂部302から他端面3BEに至る離間長さD21よりも大きく設定されている(D22>D21)。
したがって、図3に示す斜線部分(長さ方向に距離D11,D21を有する領域)は、平等強さ梁とするための応力が生じる「弾塑性体の領域」に対して「剛体の領域」としてみなすことが可能となる。この「剛体の領域」に生じる応力は、「弾塑性体の領域」に生じる応力よりも十分に小さい。なお、弾塑性エレメント3における「弾塑性体の領域」は、図3に示す白抜き部分に相当する。
そして、図4に示すように、一端部3Aとバックステー102との肉盛溶接部41の止端部分41Eは、長さ方向において一端面3AEと第1頂部301との間に位置しており、他端部3Bとバインダ部材2との肉盛溶接部42の止端部分42Eは、長さ方向において他端面3BEと第2頂部302との間に位置している。すなわち、肉盛溶接部41,42は、図3に示す斜線部分に相当する「剛体の領域」内に形成されている。
一対の第1肩部31及び一対の第2肩部32が形成されていない矩形状の従来構造の弾塑性エレメントでは、図5Bに示すように、肉盛溶接部の止端部分において、基準となる公称応力に対して大きな応力のピークが生じている。よって、従来構造の弾塑性エレメントでは、止端部分を基点として肉盛溶接部に損傷が集中しやすかった。
これに対して、本実施形態に係る弾塑性エレメント3では、図5Aに示すように、肉盛溶接部41,42の止端部分41E,42Eにおける応力のピークが基準となる公称応力に対して小さい。すなわち、構造的に不連続部分となる肉盛溶接部41,42において、「弾塑性体の領域」に生じる応力に応力集中係数を乗じた値の大きさが「弾塑性体の領域」に生じる応力以下となり、肉盛溶接部41,42が弾塑性エレメント3内の最弱部にならなくなる。
これにより、例えば大地震等による繰り返しの振動による疲労破壊は、肉盛溶接部41,42に集中することなく、「弾塑性体の領域」に分散して生じることとなるため、弾塑性エレメント3を構成する弾塑性体部材(鋼材)が本来有する強度まで使用することが可能となる。よって、弾塑性エレメント3は、繰り返しの振動に耐えられる疲労強度を確保することができ、サイスミックタイ110の耐久性を向上させて延命化が図れる。
本実施形態では、図4の下図に示すように、弾塑性エレメント3は、幅方向の外側、かつ長さ方向の一端から他端に亘って、側面に面取りが施されている。図4の下図では、幅方向の中心Cを二点鎖線で示している。このように、弾塑性エレメント3の側面を面取りすることにより、第1肩部31における拡大の始点位置311、及び第2肩部32における拡大の始点位置321に応力が集中しにくくなる。これにより、第1肩部31における拡大の始点位置311、及び第2肩部32における拡大の始点位置321において発生する応力をさらに抑制することができ、弾塑性エレメント3の信頼性の向上が図れる。
また、当該面取り部分のそれぞれの長さL1は、3[mm]以上であり、かつ弾塑性エレメント3の厚みH1[mm]の半分の長さ未満であることが望ましい(3[mm]≦L1<H1/2[mm])。なお、図4における下図では、面取り部分が平面状に形成されているが、必ずしもその必要はなく、例えば曲面状に形成されていてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る弾塑性エレメント5の構成について、図6を参照して説明する。なお、本実施形態及び後述する第3実施形態において、第1実施形態で説明した構成と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係る弾塑性エレメント5がバックステー102及びバインダ部材2のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、中央図が側面図であり、下図が上図におけるB−B線断面図である。
本実施形態に係る弾塑性エレメント5は、第1実施形態に係る弾塑性エレメント3の構成と異なり、一対の第1肩部51が本体50の厚み方向の表裏両面から一端面5AEに向かうにつれて外方へ拡大するように張り出して形成されると共に、一対の第2肩部52が本体50の厚み方向の表裏両面から他端面5BEに向かうにつれて外方へ拡大するように張り出して形成されている。
なお、本実施形態に係る弾塑性エレメント5においても、第1肩部51における拡大の始点位置511から終点位置512まで、及び第2肩部52における拡大の始点位置521から終点位置522まではそれぞれ、円弧を描くように湾曲面でつながっている。
また、本実施形態に係る弾塑性エレメント5においても、開口50Aの第1頂部501は、一対の第1肩部51のそれぞれにおける拡大の終点位置512よりも一端面5AE側に位置しており、第2頂部502は、一対の第2肩部52のそれぞれにおける拡大の終点位置522よりも他端面5BE側に位置している。
これにより、弾塑性エレメント5の一端部5A及び他端部5Bのそれぞれにおいて「剛体の領域」が形成され、肉盛溶接部41,42は「剛体の領域」内に形成される。
したがって、第1実施形態と同様に、肉盛溶接部41,42が弾塑性エレメント5内の最弱部にならなくなり、繰り返しの振動による疲労破壊が「弾塑性体の領域」で生じることとなる。そのため、弾塑性エレメント5を構成する弾塑性体部材(鋼材)が本来有する強度まで使用することが可能となり、繰り返しの振動に耐えられる疲労強度を確保して信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、一対の第1肩部51及び一対の第2肩部52がそれぞれ、本体50から厚み方向に張り出して形成されており、幅方向の寸法は従来構造と変わらないため、例えば設置場所の制約がある場合等においても使用することが可能となる。
本実施形態においても、図6の下図に示すように、弾塑性エレメント5は、幅方向の外側、かつ長さ方向の一端から他端に亘って、側面に面取りが施されている。図6の下図では、幅方向の中心Cを二点鎖線で示している。これにより、第1肩部51における拡大の始点位置511、及び第2肩部52における拡大の始点位置521において発生する応力をさらに抑制することができ、弾塑性エレメント5の信頼性の向上が図れる。
また、本実施形態においても、当該面取り部分のそれぞれの長さL2は、3[mm]以上であり、かつ弾塑性エレメント5の厚みH2[mm]の半分の長さ未満であることが望ましい(3[mm]≦L2<H2/2[mm])。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るサイスミックタイ110Aの構成について、図7を参照して説明する。
図7は、第3実施形態に係るサイスミックタイ110Aの一構成例を示す図である。
本実施形態に係るサイスミックタイ110Aは、図1に示す複数の支持鉄骨111のうちボイラ本体10の左右方向に延伸する支持鉄骨111(例えば支持鉄骨111H)と、当該支持鉄骨111に沿って左右方向に延伸するバックステー102とが、ボイラ本体10の前後方向に対向して配置されている。複数の弾塑性エレメント3は、バックステー102と支持鉄骨111との間において左右方向に所定の間隔を空けて配置されている。
複数の弾塑性エレメント3はそれぞれ、バックステー102との対向面に第1バインダ部材201が接合され、支持鉄骨111との対向面に第2バインダ部材202が接合されている。本実施形態では、複数の弾塑性エレメント3と第1バインダ部材201及び第2バインダ部材202とは、溶接により接合されている。
したがって、本実施形態に係るサイスミックタイ110Aでは、バックステー102と支持鉄骨111との間において、複数の弾塑性エレメント3を前後方向から挟み込むように一対のバインダ部材(第1バインダ部材201及び第2バインダ部材202)が設けられている。
バックステー102の側に配置された第1バインダ部材201は、バックステー102に接合された一対のストッパ6の間に配置されている。これら一対のストッパ6は、左右方向から第1バインダ部材201を挟み込むように対向して並んでいる。
第1バインダ部材201と一対のストッパ6とは、溶接等によって接合されていないため、鉛直方向において互いに非拘束の関係にある。一方、第2バインダ部材202は支持鉄骨111に接合されている。したがって、本実施形態では、複数の弾塑性エレメント3は、支持鉄骨111の側に固定されており、第1実施形態のように、バックステー102の側に必ずしも固定されている必要はない。
また、第1バインダ部材201と第2バインダ部材202との間には、前後方向に沿って延伸するリンク7が、左右方向に一対並んで設けられている。一対のリンク7はそれぞれ、延伸方向の一端部が第1バインダ部材201に、延伸方向の他端部が第2バインダ部材202に、ピン8を介してそれぞれ取り付けられている。
これら一対のリンク7は、水平方向(左右方向)における平行作動リンク機構の役割を果たしており、地震等の振動によってボイラ本体10と支持鉄骨111との間に水平方向の相対変位が生じた場合に複数の弾塑性エレメント3の一部に過剰な変形が生じてしまうといった事態を抑制することができる。
このように、バインダ部材は、少なくともバックステー102と支持鉄骨111との間に設けられる梁状の部材であればよく、第1実施形態や本実施形態の構成以外にも、例えば、バックステー102に沿って延伸する1つのバインダ部材を支持鉄骨111の側に設けた構成であってもよく、その数や配置関係について特に制限はない。
第1実施形態では、弾塑性エレメント3は、一端面3AEがバックステー102に、他端面3BEが一対のバインダ部材2に、それぞれ肉盛溶接により接合されていたが、本実施形態では、弾塑性エレメント3は、一端面3AE(バックステー102側の端面)が第1バインダ部材201に、他端面3BE(支持鉄骨111側の端面)が第2バインダ部材202に、それぞれ肉盛溶接により接合されている。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
2,201,202 バインダ部材
3,5 弾塑性エレメント
3AE,5AE 一端面
3BE,5BE 他端面
6 ストッパ
7 リンク
8 ピン
10 ボイラ本体
11 ボイラの支持構造体
30,50 本体
30A,50A 開口
31,51 第1肩部
32,52 第2肩部
101 水壁
102 バックステー(補強部材)
110 サイスミックタイ
111 支持鉄骨(支持柱)
112 吊り下げ部材
301,501 第1頂部
302,502 第2頂部

Claims (5)

  1. 鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体を支持するための支持構造体に備えられ、前記ボイラ本体と前記支持構造体との間における振動による相対変位を制限するための挟み込み式のサイスミックタイに用いられるものであり、矩形板状の本体における幅方向に沿った一端面が前記ボイラ本体側に肉盛溶接され、かつ前記幅方向に沿った他端面が前記支持構造体側に肉盛溶接される弾塑性エレメントであって、
    前記本体の中央部に菱形状の開口が設けられ、前記開口の第1頂部が前記一端面側に配置され、かつ前記開口の第2頂部が前記他端面側に配置されていると共に、
    前記本体の前記幅方向の両側面又は厚み方向の表裏両面から前記一端面に向かうにつれて外方へ拡大するように張り出した一対の第1肩部と、
    前記本体の前記幅方向の前記両側面又は前記厚み方向の前記表裏両面から前記他端面に向かうにつれて外方へ拡大するように張り出した一対の第2肩部と、を有し、
    前記第1肩部における拡大の終点位置から前記一端面に至る離間長さは前記第1頂部から前記一端面に至る離間長さよりも大きく設定され、かつ前記第2肩部における拡大の終点位置から前記他端面に至る離間長さは前記第2頂部から前記他端面に至る離間長さよりも大きく設定されており、
    前記ボイラ本体側との肉盛溶接部の止端部分は前記一端面と前記第1頂部との間に位置し、かつ前記支持構造体側との肉盛溶接部の止端部分は前記他端面と前記第2頂部との間に位置している
    ことを特徴とする弾塑性エレメント。
  2. 請求項1に記載の弾塑性エレメントであって、
    前記開口における前記第1頂部及び前記第2頂部を含む4つの頂部はいずれも、弧状に湾曲している
    ことを特徴とする弾塑性エレメント。
  3. 請求項1又は2に記載の弾塑性エレメントであって、
    前記第1肩部における拡大の始点位置から終点位置まで、及び前記第2肩部における拡大の始点位置から終点位置まではそれぞれ、湾曲面でつながっている
    ことを特徴とする弾塑性エレメント。
  4. 鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体を支持するための支持構造体に備えられ、前記ボイラ本体と前記支持構造体との間における振動による相対変位を制限するための挟み込み式のサイスミックタイであって、
    前記ボイラ本体側に設けられて水平方向に延伸する補強部材と前記支持構造体との間に設けられたバインダ部材と、
    前記補強部材と前記バインダ部材との間において、前記補強部材の延伸方向に沿って所定の間隔を空けて複数並べられた請求項1〜3の何れか1項に記載の弾塑性エレメントと、を備えた
    ことを特徴とするサイスミックタイ。
  5. 鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体を支持する複数の支持柱と、
    前記複数の支持柱のうち前記鉛直方向の上部に配置された支持柱に懸架され、前記ボイラ本体を吊り下げ支持する複数の吊り下げ部材と、
    請求項4に記載のサイスミックタイと、を備えた
    ことを特徴とするボイラの支持構造体。
JP2017115413A 2017-06-12 2017-06-12 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体 Active JP6805085B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017115413A JP6805085B2 (ja) 2017-06-12 2017-06-12 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体
PCT/JP2017/045078 WO2018230014A1 (ja) 2017-06-12 2017-12-15 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017115413A JP6805085B2 (ja) 2017-06-12 2017-06-12 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019002595A JP2019002595A (ja) 2019-01-10
JP6805085B2 true JP6805085B2 (ja) 2020-12-23

Family

ID=64659832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017115413A Active JP6805085B2 (ja) 2017-06-12 2017-06-12 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6805085B2 (ja)
WO (1) WO2018230014A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7242624B2 (ja) * 2020-12-03 2023-03-20 三菱重工業株式会社 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3181371B2 (ja) * 1992-05-26 2001-07-03 バブコック日立株式会社 ボイラの支持構造体
JPH08158474A (ja) * 1994-12-07 1996-06-18 Shimizu Corp 早期降伏型ブレース
JP2813561B2 (ja) * 1995-08-21 1998-10-22 鹿島建設株式会社 地震エネルギーの吸収装置
JPH09112805A (ja) * 1995-10-13 1997-05-02 Babcock Hitachi Kk ボイラ支持構造体
JPH11140978A (ja) * 1997-11-05 1999-05-25 Nippon Steel Corp 柱梁接合部用鋼製h型断面ブラケット
JP2004232292A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Shimizu Corp ブレースダンパー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019002595A (ja) 2019-01-10
WO2018230014A1 (ja) 2018-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101403230B1 (ko) 오메가 형상 강재 댐퍼를 갖는 철골 접합부 구조
JP5075948B2 (ja) 制震装置
JP5042234B2 (ja) 発電用ボイラの壁を支持するための方法及び装置
JP2018172888A (ja) 建築物の架構構造
JP6805085B2 (ja) 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体
JP6126932B2 (ja) 橋梁の機能分離型制振構造
JPS6064191A (ja)
KR20200000050U (ko) 배관의 가이드 어셈블리
JP7242624B2 (ja) 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体
JP6142518B2 (ja) 排熱回収ボイラの支持構造
TWI744815B (zh) 鍋爐裝置
JP2010043415A (ja) 制震デバイス
KR20110132314A (ko) 벅스테이 시스템
KR102012499B1 (ko) 화력발전용 보일러 나선형 수냉벽의 하중 지지구조
JP2011089700A (ja) バックステー連結機構
JP7353463B2 (ja) ボイラ装置およびボイラ炉壁の補強構造
JP6074773B2 (ja) 木造建築物の軸組補強構造
JP7465792B2 (ja) 排熱回収ボイラのサポート機構
JP6645770B2 (ja) 耐震補強構造
JP7495309B2 (ja) 梯子型耐力壁架構及び門型架構
JP6885370B2 (ja) 鉄骨梁及び該鉄骨梁を用いた柱梁接合構造
JP6157992B2 (ja) 柱脚補強構造
JP2000291903A (ja) ボイラ天井壁貫通部のシールプレート構造
JP6208623B2 (ja) 既存構造部材への弾塑性ダンパーの取付構造
JP5086901B2 (ja) 建物の制振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20200131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6805085

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150