JP7242624B2 - 弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体 - Google Patents

弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体 Download PDF

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Description

本発明は、弾塑性エレメント及びそれを備えたサイスミックタイ、ならびにボイラの支持構造体に関する。
節炭器、蒸発器、及び過熱器等の熱交換器が内部に搭載されたボイラ本体を、複数の支持鉄骨で形成された支持構造体の上部から吊り下げて支持するボイラの支持構造体が知られている。このようなボイラの支持構造体では、例えば地震等の振動発生時にボイラ本体が振り子運動をするように繰り返し揺れてしまうため、ボイラ本体と支持鉄骨との間における相対変位を限度内に制限するための振れ止め装置としてサイスミックタイが用いられている。
このようなサイスミックタイは、等応力梁となる変断面を有する複数個の弾塑性エレメントを、ボイラ本体側及び支持鉄骨側それぞれに肉盛溶接することによって使用される。そして、特許文献1には、肉盛溶接部の疲労破壊を防止することを目的として、弾塑性エレメントの矩形の本体の表面から、ボイラ本体側及び支持鉄骨側それぞれに向かうにつれて外方に張り出す肩部を設けたサイスミックタイが開示されている。
特開2019-2595号公報
しかしながら、地震などの振動は、肉盛溶接部だけでなく、弾塑性エレメントの直角の角部にも作用し、この角部周辺に細かいクラックを生じさせる。そして、度重なる地震で荷重が繰り返し加えられると、クラックが断面を貫通して弾塑性エレメントが破断する。そのため、弾塑性エレメントが本来有している寿命まで使用することが難しいという課題がある。
そこで、本発明は、繰り返しの振動に耐え得る疲労強度を確保して、耐久性を向上させることが可能な弾塑性エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、代表的な本発明は、鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体と、前記ボイラ本体を支持するための支持柱との振動による相対変位を制限するための挟み込み式のサイスミックタイに用いられ、本体の中央部厚み方向に貫通する菱形状の貫通孔が設けられると共に、前記厚み方向に直交する長さ方向の一端面が前記ボイラ本体側に溶接され、前記長さ方向の他端面が前記支持柱側に溶接される板状の弾塑性エレメントであって、前記厚み方向において対向する一対の主表面または前記厚み方向及び前記長さ方向に直交する幅方向において対向する一対の外側面に設けられて、前記一端面に向かうにつれて外方に拡大するように前記本体から張り出した一対の第1肩部と、前記一対の主表面または前記一対の外側面に設けられて、前記他端面に向かうにつれて外方に拡大するように前記本体から張り出した一対の第2肩部とを有し、前記外側面と前記貫通孔の内周面とを含み且つ前記長さ方向に交差する断面は、前記厚み方向において対向し且つ互いに平行な一対の第1辺と、前記一対の第1辺に直交し且つ互いに平行な一対の第2辺と、隣接する前記第1辺及び前記第2辺それぞれと異なる方向を向き、隣接する前記第1辺及び前記第2辺を接続する4つの接続辺とで構成されることを特徴とする。
本発明によれば、繰り返しの振動に耐え得る疲労強度を確保して、耐久性を向上させることが可能な弾塑性エレメントを得ることができる。なお、上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用されるボイラ装置の構造の一例を示す概略図である。 第1実施形態に係るサイスミックタイの一構成例を示す斜視図である。 第1実施形態に係る弾塑性エレメントの一構成例を示す平面図である。 第1実施形態に係る弾塑性エレメントがバックステー及びバインダ部材のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、下図が側面図である。 図4のA-A断面の形状を示す図である。 図4のC-C断面の形状を示す図である。 C/tの比率と、弾塑性エレメント3の延命比率との関係を示す図である。 第2実施形態に係る弾塑性エレメントがバックステー及びバインダ部材のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、下図が側面図である。 第3実施形態に係るサイスミックタイの一構成例を示す図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1~4を参照して説明する。
(ボイラ装置1の構成)
まず、本発明が適用されるボイラ装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるボイラ装置1の構造の一例を示す概略図である。なお、以下の説明において、ボイラ装置1が設置された地面に対して平行な方向を「水平方向」とし、この水平方向に直交する方向を「鉛直方向」とする。
ボイラ装置1は、例えば火力発電プラント内に設置される大型のボイラ装置である。このボイラ装置1は、鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体10と、このボイラ本体10を支持するための支持構造体11と、を備えている。
ボイラ本体10は、化石燃料等の燃料を燃焼させる火炉や、節炭器、蒸発器、及び過熱器等の熱交換器が内部に搭載され、その周囲を水壁101(図2参照)で囲んだ筐体構造を有している。
支持構造体11は、ボイラ本体10を支持する複数の支持柱としての支持鉄骨111と、複数の支持鉄骨111のうちボイラ本体10の上部に配置された支持鉄骨111に懸架され、ボイラ本体10を吊り下げ支持する複数の吊り下げ部材112と、ボイラ本体10と支持鉄骨111との振動による相対変位を制限するための複数の挟み込み式のサイスミックタイ110と、を備えている。
複数のサイスミックタイ110それぞれは、例えば地震等の振動によりボイラ本体10と支持鉄骨111との間に水平方向の相対変位が生じたとき、その変位量に応じた振動エネルギーを吸収して、ボイラ本体10に接続される配管やダクト等を保護するための振れ止め装置である。
(サイスミックタイ110の構成)
次に、サイスミックタイ110の具体的な構成について、図2~図4を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係るサイスミックタイ110の一構成例を示す斜視図である。図3は、弾塑性エレメント3の一構成例を示す平面図である。図4は、弾塑性エレメント3がバックステー102及びバインダ部材2のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、下図が側面図である。
図2に示すように、ボイラ本体10の水壁101には、水壁101に対して平行な方向であって、水平方向(図2ではボイラ本体10の前後方向)に延設された補強部材としてのバックステー102が固定されている。ボイラ本体10の水壁101の中央部付近において、バックステー102と支持鉄骨111とを接続するようにサイスミックタイ110が設けられている。
なお、図2に示すサイスミックタイ110は、図1に示す複数の支持鉄骨111のうち鉛直方向に延設された支持鉄骨111(例えば支持鉄骨111V)と、ボイラ本体10の前後方向に延設されたバックステー102との間に設けられている。
サイスミックタイ110は、支持鉄骨111をバックステー102の延設方向(前後方向)から所定の隙間を空けて挟み込む一対のバインダ部材2と、バックステー102と一対のバインダ部材2との間においてバックステー102の延設方向に沿って所定の間隔を空けて複数(第1実施形態では8つ)並べられた弾塑性エレメント3と、一対のバインダ部材2を連結するためのタイプレート4と、を備えている。
第1実施形態では、一対のバインダ部材2がそれぞれ支持鉄骨111をバックステー102の延設方向から所定の隙間を空けて挟み込んでいるが、必ずしもその必要はなく、他の構成からなるバインダ部材を用いたサイスミックタイの構成について、後述する第3実施形態にて説明する。
図2に示すように、第1実施形態では、8つの弾塑性エレメント3のうち4つの弾塑性エレメント3が一方のバインダ部材2に接合されてひと纏めにされ、残り4つの弾塑性エレメント3が他方のバインダ部材2に接合されてひと纏めにされている。
一対のバインダ部材2はそれぞれ、地震等の振動により弾塑性エレメント3が変形した場合であっても、バックステー102に対して対向面が平行に保てる程度の剛性を有している。
前述したように、第1実施形態に係る一対のバインダ部材2は、支持鉄骨111を水平方向(前後方向)から挟み込んでおり、かつタイプレート4で互いに連結されている。そのため、ボイラ本体10が水平方向に振動して支持鉄骨111との間に相対変位を生じた場合であっても、一対のバインダ部材2と支持鉄骨111との間には予め形成された所定の隙間以上の相対変位は生じ得ない。そのため、一対のバインダ部材2と支持鉄骨111とは一体としてみなすことができ、ボイラ本体10と支持鉄骨111との相対変位のほとんどは弾塑性エレメント3の変形量となる。なお、当該変形量は、複数の弾塑性エレメント3全てにおいて同一となっている。
弾塑性エレメント3は、地震等の振動によってボイラ本体10と支持鉄骨111(支持構造体11)との間に相対変位が生じた場合に、せん断型に弾塑性変形して振動エネルギーを吸収する板状の部材である。弾塑性エレメント3は、例えば、鋼材等の弾塑性体部材で形成されている。そして、図3及び図4に示すように、弾塑性エレメント3は、本体30と、一対の第1肩部31と、一対の第2肩部32とを主に備える。
本体30は、弾塑性エレメント3の矩形の部分である。本体30は、一端面3AE及び他端面3BEと、一対の主表面3C、3Dと、一対の外側面3E、3Fとを有する。一端面3AE及び他端面3BEは、弾塑性エレメント3の長さ方向において対向し、且つ互いに平行な平面である。一対の主表面3C、3Dは、弾塑性エレメント3の厚み方向において対向し、且つ互いに平行な平面である。一対の外側面3E、3Fは、弾塑性エレメント3の幅方向において対向し、且つ互いに平行な平面である。
ここで、弾塑性エレメント3の「長さ方向」、「厚み方向」、及び「幅方向」は、互いに直交する方向である。すなわち、一端面3AE及び他端面3BEと、一対の主表面3C、3Dと、一対の外側面3E、3Fとは、互いに直交する面である。
そして、図4に示すように、弾塑性エレメント3は、本体30の一端面3AE(一端部3A)がバックステー102(ボイラ本体10側)に肉盛溶接により接合され、本体30の他端面3BE(他端部3B)が一対のバインダ部材2(支持鉄骨111側)に肉盛溶接により接合されている。
また、本体30には、厚み方向に貫通する貫通孔30Aが形成されている。貫通孔30Aは、4つの頂部301、302、303、304を有する菱形状である。貫通孔30Aは、一対の主表面3C、3Dそれぞれに開口している。そして、貫通孔30Aを画定する内周面300は、一対の主表面3C、3Dと直交している。
第1実施形態では、貫通孔30Aの4つの頂部301~304はいずれも、弧状に湾曲している。4つの頂部301~304は、第1頂部301と第2頂部302とが本体30の幅方向の中央部において長さ方向に相対し、第3頂部303と第4頂部304とが本体30の長さ方向の中央部において幅方向に相対して配置されている。なお、第1頂部301が一端面3AE側に配置され、第2頂部302が他端面3BE側に配置されている。
一対の第1肩部31は、一対の外側面3E、3Fに設けられている。そして、一対の第1肩部31は、一端面3AEに向かうにつれて外方に拡大するように、本体30から張り出ている。また、一対の第1肩部31の外側面3E、3Fに連なる面は、拡大の始点位置311から終点位置312まで、円弧を描く湾曲面となっている。さらに、一対の第1肩部31の主表面3C、3Dに連なる面は、平面となっている。
一対の第2肩部32は、一対の外側面3E、3Fに設けられている。そして、一対の第2肩部32は、他端面3BEに向かうにつれて外方に拡大するように、本体30から張り出ている。また、一対の第2肩部32の外側面3E、3Fに連なる面は、拡大の始点位置321から終点位置322まで、円弧を描く湾曲面となっている。さらに、一対の第2肩部32の主表面3C、3Dに連なる面は、平面となっている。
そして、貫通孔30Aの第1頂部301は、一対の第1肩部31のそれぞれにおける拡大の終点位置312よりも一端面3AE側に位置している。また、貫通孔30Aの第2頂部302は、一対の第2肩部32のそれぞれにおける拡大の終点位置322よりも他端面3BE側に位置している。なお、一対の第1肩部31及び一対の第2肩部32はそれぞれ、必ずしも本体30の長さ方向に沿った両側面から外方に張り出して形成されている必要はない。他の例については、後述する第2実施形態において説明する。
すなわち、図3に示すように、第1肩部31における拡大の終点位置312から一端面3AEに至る離間長さD12は、第1頂部301から一端面3AEに至る離間長さD11よりも大きく設定されている(D12>D11)。同様に、第2肩部32における拡大の終点位置322から他端面3BEに至る離間長さD22は、第2頂部302から他端面3BEに至る離間長さD21よりも大きく設定されている(D22>D21)。
したがって、図3に示す斜線部分(長さ方向に距離D11,D21を有する領域)は、平等強さ梁とするための応力が生じる「弾塑性体の領域」に対して「剛体の領域」としてみなすことが可能となる。この「剛体の領域」に生じる応力は、「弾塑性体の領域」に生じる応力よりも十分に小さい。なお、弾塑性エレメント3における「弾塑性体の領域」は、図3に示す白抜き部分に相当する。
そして、図4に示すように、一端部3Aとバックステー102との肉盛溶接部41の止端部分41Eは、長さ方向において一端面3AEと第1頂部301との間に位置している。また、他端部3Bとバインダ部材2との肉盛溶接部42の止端部分42Eは、長さ方向において他端面3BEと第2頂部302との間に位置している。すなわち、肉盛溶接部41,42は、図3に示す斜線部分に相当する「剛体の領域」内に形成されている。
さらに、弾塑性エレメント3は、複数の接続面3G、3H、3I、3J、3K、3Lを有する。接続面3G~3Lは、互いに直交する2つの面(主表面3C、3Dの1つと、外側面3E、3F及び内周面300の1つ)を接続する面である。接続面3G~3Lは、接続する2つの面と異なる方向を向いている。接続面3G~3Lは、平面であってもよいし、凸曲面であってもよい。
より詳細には、接続面3Gは、主表面3Cと外側面3Eとを接続する面である。接続面3H(図5参照)は、主表面3Dと外側面3Eとを接続する面である。接続面3Iは、主表面3Cと外側面3Fとを接続する面である。接続面3Jは、主表面3Dと外側面3Fとを接続する面である。
接続面3G~3Jは、弾塑性エレメント3の幅方向の端部に向かって下り傾斜となっている。また、接続面3G~3Jは、弾塑性エレメント3の長さ方向の全域に亘って形成されている。さらに、接続面3G~3Jは、本体30のみならず、第1肩部31及び第2肩部32の互いに直交する2つの面の境界にまで延設されている。
接続面3Kは、主表面3Cと内周面300とを接続する面である。接続面3L(図5参照)は、主表面3Dと内周面300とを接続する面である。接続面3K、3Lは、貫通孔30Aに向かって下り傾斜となっている。また、接続面3K、3Lは、貫通孔30Aの外周に沿ってリング状に形成されている。
接続面3Gは、例えば、直交する主表面3C及び外側面3Eの境界を型削り盤で削ることによって形成することができる。接続面3H~3Lについても同様である。
その結果、図4のA-A断面は、図5に示す形状となる。図5は、図4のA-A断面の形状を示す図である。図6は、図4のC-C断面の形状を示す図である。なお、図5に示す断面の形状は、図4のA-Aの位置に限定されず、外側面3E、3Fの一方と内周面300とを含み、且つ弾塑性エレメント3の長さ方向に交差する任意の断面にも適用可能である。例えば、図4のC-C断面は、図6に示す形状となる。
図5Aは、接続面3G~3Lが平面の場合のA-A断面の形状である。図5Aに示すように、A-A断面は、一対の第1辺33A、33Bと、一対の第2辺34A、34Bと、4つの接続辺35A、35B、35C、35Dとで構成される。この例では、第1辺33Aが主表面3Cに対応し、第1辺33Bが主表面3Dに対応し、第2辺34Aが外側面3Eに対応し、第2辺34Bが内周面300に対応し、接続辺35A、35B、35C、35Dが接続面3G、3H、3K、3Lに対応する。
すなわち、一対の第1辺33A、33Bは、弾塑性エレメント3の厚み方向において対向し、且つ互いに平行な直線状の辺である。また、一対の第2辺34A、34Bは、弾塑性エレメント3の幅方向において対向し、且つ互いに平行な直線状の辺である。そして、第1辺33A、33Bと第2辺34A、34Bは、互いに直交している。また、接続辺35A~35Dは、第1辺33A、33Bの1つと、第2辺34A、34Bの1つとを接続する直線状の辺である。さらに、接続辺35A~35Dは、隣接する第1辺33A、33B及び第2辺34A、34Bと異なる方向を向いている。
接続辺35Aは、第1辺33Aと第2辺34Aとを接続すると共に、第1辺33A及び第2辺34Aと異なる方向を向いている。第1実施形態に係る接続辺35Aは、第1辺33A及び第2辺34Aそれぞれとのなす角が45°に設定されている。但し、接続辺35Aと隣接する2つの辺それぞれとのなす角は、これに限定されない。接続辺35Aは、第1辺33A及び第2辺34Aそれぞれとのなす角が30°~60°が望ましい。
また、弾塑性エレメント3の厚み方向において、弾塑性エレメント3の板厚(すなわち、一対の第1辺33A、33bの距離)tに対する接続辺35Aの長さCの比率は、0.25≦C/t<0.5に設定される。すなわち、接続辺35Aの大きさは、一般的な面取りと比較して十分に大きい。そして、断面二次モーメントを維持するために、C/tが高くなるほど、弾塑性エレメント3の幅方向の寸法を大きくするのが望ましい。
図7は、C/tの比率と、弾塑性エレメント3の延命比率との関係を示す図である。延命比率とは、C/t=0(C=0)のときの弾塑性エレメント3の寿命を基準(=1)として、C/tを変化させたときの寿命の割合を指す。図7を参照すると、0≦C/t<0.25の範囲では、C/tの増加に伴って延命比率も上昇する。そして、0.25≦C/t<0.5の範囲では、C/tの値に拘わらず延命比率が1.1程度で安定(収束)する。
さらに、接続辺35B~35Dは、隣接する2つの辺の組み合わせが異なるものの、その構成は接続辺35Aと共通する。すなわち、図5Aに示すA-A断面の形状は、断面の中心を通り且つ厚み方向に延びる仮想線L1に対して対称であり、断面の中心Oを通り且つ幅方向に延びる仮想線L2に対して対称である。但し、接続辺35A~35Dの形状を異ならせることによって、A-A断面の形状を仮想線L1、L2に対して非対称としてもよい。
図5Bは、接続面3G~3Lが凸曲面の場合のA-A断面の形状である。図5Bに示すA-A断面は、接続辺35A~35Dが円弧であることを除いて、図5Aと共通するので、再度の説明は省略する。
第1実施形態によれば、A-A断面を図5に示す形状にする(すなわち、接続面3G~3Lを設ける)ことによって、弾塑性エレメント3から直角の角部を除去することができる。その結果、弾塑性エレメント3の疲労強度が向上し、ボイラ装置1の構造健全性が長期間に亘って維持される。
また、第1実施形態によれば、0.25≦C/t<0.5の範囲に設定することによって、図7に示すように、延命比率を高い水準で安定させることができる。
さらに、第1実施形態によれば、型削り盤による切削で接続面3G~3Lを形成することができるので、低コストで弾塑性エレメント3の寿命を延伸することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る弾塑性エレメント5の構成について、図8を参照して説明する。なお、第2実施形態及び後述する第3実施形態では、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図8は、第2実施形態に係る弾塑性エレメント5がバックステー102及びバインダ部材2のそれぞれに接合された状態を示し、上図が平面図であり、下図が側面図である。
第2実施形態に係る弾塑性エレメント5は、第1実施形態に係る弾塑性エレメント3の構成と異なり、一対の第1肩部51及び一対の第2肩部52が本体50の一対の主表面5C、5Dに設けられている。そして、一対の第1肩部51は、一端面5AEに向かうにつれて外方へ拡大するように張り出している。また、一対の第2肩部52は、他端面5BEに向かうにつれて外方へ拡大するように張り出している。
なお、第2実施形態に係る弾塑性エレメント5においても、第1肩部51における拡大の始点位置511から終点位置512まで、及び第2肩部52における拡大の始点位置521から終点位置522まではそれぞれ、円弧を描くように湾曲面でつながっている。
また、第2実施形態に係る弾塑性エレメント5においても、貫通孔50Aの第1頂部501は、一対の第1肩部51のそれぞれにおける拡大の終点位置512よりも一端面5AE側に位置しており、第2頂部502は、一対の第2肩部52のそれぞれにおける拡大の終点位置522よりも他端面5BE側に位置している。
これにより、弾塑性エレメント5の一端部5A及び他端部5Bのそれぞれにおいて「剛体の領域」が形成され、肉盛溶接部41,42は「剛体の領域」内に形成される。
そして、第2実施形態に係る弾塑性エレメント5は、第1実施形態と同様に、長さ方向において対向する一端面5AE及び他端面5BEと、厚み方向において対向する一対の主表面5C、5Dと、幅方向において対向する一対の外側面5E、5Fと、貫通孔50Aを画定する内周面500と、互いに直交する2つの面を接続する接続面5G~5Lとを有する。これにより、図8のB-B断面の形状は、図5に示す形状となる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るサイスミックタイ110Aの構成について、図9を参照して説明する。
図9は、第3実施形態に係るサイスミックタイ110Aの一構成例を示す図である。
第3実施形態に係るサイスミックタイ110Aは、図1に示す複数の支持鉄骨111のうちボイラ本体10の左右方向に延設された支持鉄骨111(例えば支持鉄骨111H)と、当該支持鉄骨111に沿って左右方向に延設されたバックステー102とが、ボイラ本体10の前後方向に対向して配置されている。複数の弾塑性エレメント3は、バックステー102と支持鉄骨111との間において左右方向に所定の間隔を空けて配置されている。なお、サイスミックタイ110Aは、弾塑性エレメント3に代えて、弾塑性エレメント5を備えてもよい。
複数の弾塑性エレメント3はそれぞれ、バックステー102との対向面に第1バインダ部材201が接合され、支持鉄骨111との対向面に第2バインダ部材202が接合されている。本実施形態では、複数の弾塑性エレメント3と第1バインダ部材201及び第2バインダ部材202とは、溶接により接合されている。
したがって、本実施形態に係るサイスミックタイ110Aでは、バックステー102と支持鉄骨111との間において、複数の弾塑性エレメント3を前後方向から挟み込むように一対のバインダ部材(第1バインダ部材201及び第2バインダ部材202)が設けられている。
バックステー102の側に配置された第1バインダ部材201は、バックステー102に接合された一対のストッパ6の間に配置されている。これら一対のストッパ6は、左右方向から第1バインダ部材201を挟み込むように対向して並んでいる。
第1バインダ部材201と一対のストッパ6とは、溶接等によって接合されていないため、鉛直方向において互いに非拘束の関係にある。一方、第2バインダ部材202は支持鉄骨111に接合されている。したがって、本実施形態では、複数の弾塑性エレメント3は、支持鉄骨111の側に固定されており、第1実施形態のように、バックステー102の側に必ずしも固定されている必要はない。
また、第1バインダ部材201と第2バインダ部材202との間には、前後方向に沿って延設されたリンク7が、左右方向に一対並んで設けられている。一対のリンク7はそれぞれ、延設方向の一端部が第1バインダ部材201に、延設方向の他端部が第2バインダ部材202に、ピン8を介してそれぞれ取り付けられている。
これら一対のリンク7は、水平方向(左右方向)における平行作動リンク機構の役割を果たしており、地震等の振動によってボイラ本体10と支持鉄骨111との間に水平方向の相対変位が生じた場合に複数の弾塑性エレメント3の一部に過剰な変形が生じてしまうといった事態を抑制することができる。
このように、バインダ部材は、少なくともバックステー102と支持鉄骨111との間に設けられる梁状の部材であればよく、第1実施形態や本実施形態の構成以外にも、例えば、バックステー102に沿って延設された1つのバインダ部材を支持鉄骨111の側に設けた構成であってもよく、その数や配置関係について特に制限はない。
第1実施形態では、弾塑性エレメント3の一端面3AEがバックステー102に、弾塑性エレメント3の他端面3BEが一対のバインダ部材2に、それぞれ肉盛溶接により接合されていたが、第3実施形態では、弾塑性エレメント3の一端面3AE(バックステー102側の端面)が第1バインダ部材201に、弾塑性エレメント3の他端面3BE(支持鉄骨111側の端面)が第2バインダ部材202に、それぞれ肉盛溶接により接合されている。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
2,201,202 バインダ部材
3,5 弾塑性エレメント
3AE,5AE 一端面
3BE,5BE 他端面
3C,3D,5C,5D 主表面
3E,3F,5E,5F 外側面
3G~3L,5G~5L 接続面
6 ストッパ
7 リンク
8 ピン
10 ボイラ本体
11 ボイラの支持構造体
30,50 本体
30A,50A 貫通孔
31,51 第1肩部
32,52 第2肩部
33A,33B 第1辺
34A,34B 第2辺
35A,35B,35C,35D 接続辺
101 水壁
102 バックステー(補強部材)
110 サイスミックタイ
111 支持鉄骨(支持柱)
112 吊り下げ部材

Claims (8)

  1. 鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体と、前記ボイラ本体を支持するための支持柱との振動による相対変位を制限するための挟み込み式のサイスミックタイに用いられ、本体の中央部厚み方向に貫通する菱形状の貫通孔が設けられると共に、前記厚み方向に直交する長さ方向の一端面が前記ボイラ本体側に溶接され、前記長さ方向の他端面が前記支持柱側に溶接される板状の弾塑性エレメントであって、
    前記厚み方向において対向する一対の主表面または前記厚み方向及び前記長さ方向に直交する幅方向において対向する一対の外側面に設けられて、前記一端面に向かうにつれて外方に拡大するように前記本体から張り出した一対の第1肩部と、
    前記一対の主表面または前記一対の外側面に設けられて、前記他端面に向かうにつれて外方に拡大するように前記本体から張り出した一対の第2肩部とを有し、
    前記外側面と前記貫通孔の内周面とを含み且つ前記長さ方向に交差する断面は、
    前記厚み方向において対向し且つ互いに平行な一対の第1辺と、
    前記一対の第1辺に直交し且つ互いに平行な一対の第2辺と、
    隣接する前記第1辺及び前記第2辺それぞれと異なる方向を向き、隣接する前記第1辺及び前記第2辺を接続する4つの接続辺とで構成されることを特徴とする弾塑性エレメント。
  2. 請求項1に記載の弾塑性エレメントであって、
    前記接続辺は、隣接する前記第1辺及び前記第2辺それぞれに対して傾斜する直線であることを特徴とする弾塑性エレメント。
  3. 請求項2に記載の弾塑性エレメントであって、
    前記接続辺は、隣接する前記第1辺及び前記第2辺それぞれとのなす角が30°~60°であることを特徴とする弾塑性エレメント。
  4. 請求項1に記載の弾塑性エレメントであって、
    前記接続辺は、円弧であることを特徴とする弾塑性エレメント。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の弾塑性エレメントであって、
    前記厚み方向において、前記一対の第1辺の距離tに対する前記接続辺の長さCの比率は、0.25≦C/t<0.5であることを特徴とする弾塑性エレメント。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の弾塑性エレメントであって、
    前記断面の形状は、前記断面の中心を通り且つ前記厚み方向または前記幅方向に延びる仮想線に対して対称であることを特徴とする弾塑性エレメント。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の複数の弾塑性エレメントと、
    前記厚み方向に離間して配置された前記複数の弾塑性エレメントをひと纏めにするバインダ部材とを備えることを特徴とするサイスミックタイ。
  8. 鉛直方向に沿って設置されるボイラ本体を支持する複数の支持柱と、
    前記複数の支持柱のうち前記ボイラ本体の上部に配置された支持柱に懸架され、前記ボイラ本体を吊り下げ支持する複数の吊り下げ部材と、
    請求項7に記載のサイスミックタイとを備えることを特徴とするボイラの支持構造体。
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