JP4181680B2 - 制震ブレースダンパー及びそれに用いるエネルギー吸収体とこれの設計方法 - Google Patents

制震ブレースダンパー及びそれに用いるエネルギー吸収体とこれの設計方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄骨構造物等のブレース(筋かい)部分に設けられて地震時や強風下の振動エネルギーを吸収するための剪断変形型の制震ブレースダンパーの改良に関する。前記の剪断変形型のダンパーとは、地震時等に板部材(エネルギー吸収板)に主として剪断作用を付与させることにより振動エネルギーを吸収するものである。
【0002】
また、他の発明におけるエネルギー吸収体は、前記の制震ブレースダンパーに用いられるもので、そのブレースダンパーの主要部を構成する。
【0003】
【従来の技術】
従来のこの種の剪断変形型のダンパーとしては、例えば、特開平2−300476号公報に開示されたものを挙げることができる。
【0004】
同公報に示されたものは、ダンパー本体が、2枚のベースプレートを有し、前記ベースプレート間に板状に形成された振動エネルギー吸収格子をベースプレート間を接続する形で1個以上備え、前記振動エネルギー吸収格子にスリットを介してエネルギー吸収部分をベースプレート方向に複数個有しており、ダンパー本体はフレームを介して構造物の骨組に取り付けられて構成されている。
【0005】
しかしながら、前記公報に開示された従来の剪断変形型のダンパーにはなお改善されるべき問題点が見られる。すなわち、一つには、フレームを含む全体構造が極めて大形であるため、柱や梁が構成する構造物の骨組付近の空間の有効利用については支障を来たすことであり、他の一つには、振動エネルギー吸収格子の形状が複雑であるため、その製作には切削加工等を要し、コスト高になることである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の制震ブレースダンパー及びそれに用いるエネルギー吸収体は、ダンパー全体を小形化し、ダンパー近傍の空間を有効利用できるようにすると共に、その製作においてコストダウンを計ることを目的として提案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る制震ブレースダンパーは、間隔を隔てて対向して設けられる横断面H形の一対のブレース主材の間に、3段のフランジ部分とそれらフランジ部分と直角をなして連続する2段のウエブ部分とをその横断面形状が「王」字状をなすように形成したエネルギー吸収体を配設し、前記一方のブレース主材のウエブにはフランジ状の中間取付板が固設されており、一方のブレース主材の中間取付板とエネルギー吸収体の中フランジ部分との間及び、他方のブレース主材の2枚のフランジとエネルギー吸収体の外フランジ部分との間をそれぞれ任意数のスプライスプレートを介してボルト結合させ、更に、ブレース主材の軸線方向において、エネルギー吸収体のウエブ部分の前・後端と一対のブレース主材の内端との間にはそれぞれ逃がし用の間隙を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項の制震ブレースダンパーは、横断面H形のブレース主材と任意形状のブレース副材とが直交配置され、その交点部に、3段のフランジ部分とそれらフランジ部分と直角をなして連続する2段のウエブ部分とをその横断面形状が「王」字状をなすように形成したエネルギー吸収体を配設し、前記ブレース主材のウエブにはフランジ状の中間取付板が固設されており、ブレース主材の中間取付板とエネルギー吸収体の中フランジ部分との間はスプライスプレートを介してボルト結合させ、上記ブレース副材とエネルギー吸収体の2枚の外フランジ部分との間はボルト結合させ、更に、ブレース主材の軸線方向において、エネルギー吸収体のウエブ部分とブレース主材の対向端部との間には逃がし用の間隙を設けたことを特徴とする。
【0010】
更に、この発明の請求項3に係るエネルギー吸収体は、請求項1又は2記載の制震ブレースダンパー用のものであり、3段のフランジ部分とそれらフランジ部分と直角をなして連続する2段のウエブ部分とをその横断面形状が「王」字状をなすように形成したことを特徴とする。
【0011】
それに加えて、請求項又はに係るエネルギー吸収体又は制震ブレースダンパーは、ウエブ部分に開口を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項における、請求項記載の制震ブレースダンパーの設計方法は、横断面H形のブレース主材の断面形状を決定するにあたり、制震ブレースダンパーを設置したフレームを対象に、ブレース主材の断面積をパラメータとした静的解析または動的解析を行い、想定する外力が作用した時に制震ブレースダンパーに働く軸力を算定し、該軸力が収束し始める断面積をもとに決定する事を特徴とする。
【0013】
また、請求項における、請求項記載の制震ブレースダンパーの設計方法は、横断面「王」字状のエネルギー吸収体のウエブ部分のフランジ面に平行な断面の形状を決定するにあたり、制震ブレースダンパーを設置したフレームを対象に、静的解析または動的解析を行い、想定する外力が作用した時に制震ブレースダンパーに働く軸力を算定し、該軸力の10〜30%の軸力が作用した場合に各エネルギー吸収体のウエブ部分が塑性化し、エネルギー吸収を開始するように構成する事を特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すつの実施形態に基づいてこの発明について説明する。図1〜図4はこの発明の第1実施形態の制震ブレースダンパーを、図5〜図7は同じく第2実施形態の制震ブレースダンパーを、図8は同じく第3実施形態〜第5実施形態を、図9及び図10は同じく第6実施形態を、図11、図12は第7実施形態の制震ブレースダンパー又はエネルギー吸収体をそれぞれ表わしている。これらの各実施形態において、同一の符号で指し示す部材ないし部位は相互に等効の部材ないし部位を示している。
【0015】
図1は、鉄骨構造物その他の構造物に対し、2組の本発明の制震ブレースダンパーが装着されている例を示している。同図で符号1は柱、2は梁、3は本発明の制震ブレースダンパーにおける対をなすブレース主材、4は制震ブレースダンパーの一部をなすエネルギー吸収体をそれぞれ示している。
【0016】
図1〜図4に示す第1実施形態において、ブレース主材3,3はエネルギー吸収体4を中間部に配置し、柱1と梁2とで成る構造物の骨組の隅角部に掛け渡して固定してあるが、本発明の制震ブレースダンパーは構造物の筋かい部分に設けるならば、どのように組み込んでもよい。基本的には、この制震ブレースダンパーは柱と梁との間又は、梁と梁との間に傾斜させて設けるのが普通である。
【0017】
1本の直線軸l上に間隔を隔てて対向して設けられる横断面H形の一対のブレース主材3,3は、例えばH形鋼等で作られており、その間には、3段のフランジ部分41,42,41とウエブ部分43とで横断面「王」字状に形成されたエネルギー吸収体4が配置される。エネルギー吸収体4におけるウエブ部分43は剪断作用のためのパネル部分を構成する。
【0018】
エネルギー吸収体4は鋼鉄,軟鋼鉄,アルミニウムその他の金属材料で製作するのが普通である。「王」字状のエネルギー吸収体4は、図4(a),(b)に示すように3段のフランジ部分41,42,41と2段のウエブ部分43,43とを溶接等で接合して形成してもよいし、図示はしないが全体を一体として成形することもできる。
【0019】
接合タイプのエネルギー吸収体4においては、例えば、フランジ部分41,42を鋼鉄とし、ウエブ部分43を極軟鋼として製作することもできる。
【0020】
要するに、エネルギー吸収体4において、フランジ部分41,42及びウエブ部分43は、材質又は硬度が互いに異なっていても同一であってもよい。
【0021】
そして、上記の対をなすブレース主材3,3の内、一方のブレース主材3におけるウエブ32の幅方向の中間部、すなわち両フランジ31,31の中間部には、予め両側に向けフランジ状に延びる中間取付板33が溶接等により固設してあり、一方のブレース主材3の中間取付板33とエネルギー吸収体4の中フランジ部分42との間及び、他方のブレース主材3の2枚のフランジ31とエネルギー吸収体4の2枚の外フランジ部分41との間はそれぞれ任意数のスプライスプレート5を介してボルト結合させてある。
【0022】
鋼板等で作られるスプライスプレート5は、それを2枚1組として、一方のブレース主材3の中間取付板33とエネルギー吸収体4の中フランジ部分42及び他方のブレース主材3のフランジ31とエネルギー吸収体4の外フランジ部分31の接続部をそれぞれ挟み付けるようにして、それらの重合部をボルト結合手段6で締着結合させる。各ボルト結合手段6は、例えばボルトとナットの組又はボルトとスプライスプレート5に設けた雌ねじ孔の組等で成る。
【0023】
更に、ブレース主材3,3の軸線方向lにおいて、エネルギー吸収体4のウエブ部分43の前・後端と一対のブレース主材3,3の内端との間にはそれぞれ逃がし用の間隙Sを設けるものとする。この間隙Sは、地震時等の構造物の変形に伴ってブレース主材3,3からエネルギー吸収体4に対し該ブレース主材3の軸線方向(長さ方向)について引張力又は圧縮力が付与された際、エネルギー吸収体4のウエブ部分43がブレース主材3のウエブ32に初期の段階で衝突することを避けられるようにしたもので、この構成により、エネルギー吸収体4のウエブ部分43は、スムーズな剪断作用を通じ効率的にエネルギーの吸収が達成されることになる。
【0024】
上述のブレース主材3における軸線方向lの外端側は構造物の柱1又は梁2に対し任意の手段で固定することができる。その固定手段の一例としては、図示はしないが、構造物に固設した取付板に対しボルト及びナットを用いて締着する手段を挙げることができる。
【0025】
次に、本発明に係る第1実施形態の制震ブレースダンパーの作用について図2及び図3を参照して説明する。
図2はブレースダンパーの常態を示しており、図3は地震等により構造物における柱及び梁で成る骨組に変形を生じ、ブレースダンパーに引張力が作用した状態を示している。
【0026】
ブレースダンパーに引張力が作用すると、一方のブレース主材3の中間取付板33に中フランジ部分42が取り付けられ、かつ、他方のブレース主材3のフランジ31,31に外フランジ部分41,41が取り付けられたエネルギー吸収体4の矩形をなすウエブ部分43は、図3においてV字状をなすようにして弾性変形の領域又は塑性変形の領域で剪断的に変形し、ここに、地震や風から付与される振動エネルギーが吸収される。
【0027】
図示はしないが、ブレースダンパーに圧縮力が作用すると、エネルギー吸収体4の矩形をなす部分43は、上述の作用に準じて逆V字状に変形し、同様に地震や風から付与される振動エネルギーが吸収される。
【0028】
図5〜図7に示す第2実施形態の制震ブレースダンパーにおいては、横断面H形のブレース主材3と任意形状のブレース副材7とが直交配置され、その交点部に、横断面「王」字状のエネルギー吸収体4が配設連結されている。
【0029】
前記ブレース主材3におけるウエブ32には、第1実施形態のものと同様、中間取付板33が溶接等により固設してあり、ブレース主材3の中間取付板33とエネルギー吸収体4の中フランジ部分との間は任意数のスプライスプレート5を介してボルト結合6させてある。
【0030】
他方、エネルギー吸収体4に連接されるブレース副材7は例えばブレース主材3と直角をなすようにして構造物の柱1と梁2の隅角部に装着固定される。ブレース副材7は例えば一対1組の横断面H形の形鋼等で成り、各ブレース副材7の内端とエネルギー吸収体4の各外フランジ部分41との間はボルト結合6させてある。
【0031】
更に、ブレース主材3の軸線方向において、エネルギー吸収体4のウエブ部分43とブレース主材3の対向端部との間には逃がし用の間隙Sを設けるものとする。
【0032】
なお、上述のブレース主材3の外端側及びブレース副材7の外端側は構造物の柱1又は梁2に対し任意の手段で固定することができる。図5及び図6で符号8は構造物に固設した取付板、71はブレース副材7に溶接したベースプレートである。第2実施形態の制震ブレースダンパーの作用は上述の第1実施形態のものに準ずる。特にブレース主材3を長尺に構成した場合には、エネルギー吸収体はブレース主材3の中間部でなくその端部においてブレース構面外に対する剛性を確保するのが好ましく、第2実施形態は、このようなブレース主材3が長尺の場合における制震ブレースダンパーの構成に適している。
【0033】
次に、図8(a)〜(c)の第3実施形態、図8(d)の第4実施形態及び図8(e)の第5実施形態の制震ブレースダンパーについて説明する。これら第3実施形態〜第5実施形態のものにおいては、エネルギー吸収体4のウエブ部分43に任意数の開口44が形成してある。この開口44の数や形状や位置を変えることにより、ウエブ部分43の剪断変形によるエネルギーの吸収量に関し設計上任意に増減できることは言うまでもない。
【0034】
第3実施形態の開口44は列設された長孔であり、第4実施形態の開口44は千鳥状に配された円孔であり、第5実施形態の開口44はX字状の孔としてある。
なお、第3実施形態〜第5実施形態の制震ブレースダンパーの作用は上述した第1実施形態のものに準ずる。
【0044】
,図10は、請求項に対応する第実施形態を説明する図である。図に示すように、柱1と梁2の間に制震ブレースダンパー3を組み込んだフレーム(建物)を対象に、ブレース主材の断面形状(断面積)をパラメータとした静的解析または動的解析を行った。解析前提は、ブレース主材の断面積は全て同様、エネルギー吸収体の断面積は任意でよい、フレームを構成する全ての部材は完全弾性体とする、ものとし、想定する外力が作用した時に制震ブレースダンパーに働く軸力を算定し、該軸力が収束しはじめる断面積をもとに、断面形状を選定した。
【0045】
10は前述のフレームを対象に一次設計用地震力を想定して静的解析を行なった場合の軸力−断面積関係である。このシミュレーション結果によると、ブレース主材の断面積200cm2以上になると軸力は収束しており、HW414(断面積295.4cm2)やHW428(断面積360.7cm2)などが好適であることが確認された。
【0046】
11,図12は、請求項に対応する第実施形態を説明する図である。第実施形態では、第実施形態にて断面形状を決定したブレース主材3を組み込んだフレーム(建物)を対象に、静的解析および動的解析を行った。解析前提は、エネルギー吸収体の断面積は任意とする。フレームを構成する全ての部材は完全弾性体とする、ものとし、想定する外力が作用した時に制震ブレースダンパーに働く軸力を算定し、該軸力の10〜30%の軸力が作用した場合に、各エネルギー吸収体4のウエブ部分が塑性化し、エネルギー吸収を開始するように当該エネルギー吸収体4の軸線方向耐力を決定する。それをもとにウエブ部分の断面形状を使用する材料の強度をもとに選定した。
【0047】
12は、前述のフレーム(建物)を対象に、地震波をElCentro(NS方向)、地表面最大加速度は300(gal)を想定して動的解析を行なった結果を一例に示している。このシミュレーション結果によると、エネルギー吸収体の軸線方向耐力は、部材を完全弾性体とした時にブレースダンパーに働く軸力の20%が好適であることが確認された。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の制震ブレースダンパー及びそれに用いるエネルギー吸収体によれば、次に示すような効果が達成される。
【0049】
この発明の制震ブレースダンパー及びそれに用いるエネルギー吸収体は、いずれも新規な構成のものとして提案されており、しかも全体は小形化され、それらが組み付けられる構造物の骨組における空間は有効利用されることになる。剪断作用のためのパネル部分であるエネルギー吸収体のウエブ部分は単なる平板体であるから、その製作においてコストダウンが計れ、振動エネルギーの吸収量についての設計の変更は、エネルギー吸収体のウエブ部分の材質、大きさ(長さや厚さ等)又はそれに形成される開口を変えるだけで容易に行うことができる。
ブレース主材又は、ブレース副材としては市販のH形鋼を用いることができるので、低価格にして容易に供給できる。
エネルギー吸収体はブレース主材、ブレース副材又はブレース主材にボルト結合されているので、エネルギー吸収体のウエブ部分が塑性変形したり損傷した場合は、容易に交換することができる。本発明による制震ブレースダンパーを適用することによって、従来フレームに比して地震時の最大応答水平変位が6割〜7割に低減する。さらに、大地震に対しては、従来のフレームでは柱および梁の一部に許容応力度を上回る外力が作用する場合でも、本発明の制震ブレースダンパーを適用することによって、当該制震ブレースダンパーが振動エネルギーを吸収するので、全ての部材が許容応力度以内となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る第1実施形態の制震ブレースダンパーの使用態様を示す側面図。
【図2】図1のブレースダンパーの要部を常態において示す拡大側面図。
【図3】図1のブレースダンパーの要部を振動エネルギー吸収の作用状態で示す拡大側面図。
【図4】(a)は図1のブレースダンパーから取り外したブレース主材及びエネルギー吸収体の拡大斜視図、(b)は図1のブレースダンパーの要部における拡大横断面図。
【図5】この発明に係る第2実施形態の制震ブレースダンパーの使用態様を示す側面図。
【図6】図5のブレースダンパーの要部を示す拡大側面図。
【図7】(a)は図6のVIIA−VIIA線による部分断面図、(b)は図6VIIB−VIIB線による部分断面図。
【図8】(a)はこの発明に係る第3実施形態の制震ブレースダンパーの要部を示す側面図、(b)はその横断面図、(c)はそのブレースダンパーから取り外したエネルギー吸収体の側面図、(d)はこの発明の第4実施形態の制震ブレースダンパーから取り外したエネルギー吸収体の側面図、(e)はこの発明の第5実施形態の制震ブレースダンパーから取り外したエネルギー吸収体の側面図。
【図】第実施形態を説明するために制震ブレースダンパーを取付けたフレーム(建物)の側面図。
【図10】図のフレームを対象に一次設計用地震力を想定して静的に行った場合の軸力−断面積関係を示すグラフの図。
【図11】図,図10に基づくブレースダンパーを組込んだフレームに想定する外力が作用した時の状況を示す説明図。
【図12】図11のフレームを対象に、複数の地震波を想定して動的解析を行った結果を示すグラフの図。
【符号の説明】
1 柱
2 梁
3 ブレース主材
31 フランジ
32 ウエブ
33 中間取付板
4 エネルギー吸収体
41 外フランジ部分
42 中フランジ部分
43 ウエブ部分
44 開口
5 スプライスプレート
6 ボルト結合手段
61 ボルト孔
7 ブレース副材
71 止め板
8 ベースプレート
S 間隙

Claims (7)

  1. 間隔を隔てて対向して設けられる横断面H形の一対のブレース主材の間に、3段のフランジ部分とそれらフランジ部分と直角をなして連続する2段のウエブ部分とをその横断面形状が「王」字状をなすように形成したエネルギー吸収体を配設し、前記一方のブレース主材のウエブにはフランジ状の中間取付板が固設されており、一方のブレース主材の中間取付板とエネルギー吸収体の中フランジ部分との間及び、他方のブレース主材の2枚のフランジとエネルギー吸収体の外フランジ部分との間をそれぞれ任意数のスプライスプレートを介してボルト結合させ、更に、ブレース主材の軸線方向において、エネルギー吸収体のウエブ部分の前・後端と一対のブレース主材の内端との間にはそれぞれ逃がし用の間隙を設けたことを特徴とする制震ブレースダンパー。
  2. 横断面H形のブレース主材と任意形状のブレース副材とが直交配置され、その交点部に、3段のフランジ部分とそれらフランジ部分と直角をなして連続する2段のウエブ部分とをその横断面形状が「王」字状をなすように形成したエネルギー吸収体を配設し、前記ブレース主材のウエブにはフランジ状の中間取付板が固設されており、ブレース主材の中間取付板とエネルギー吸収体の中フランジ部分との間はスプライスプレートを介してボルト結合させ、上記ブレース副材とエネルギー吸収体の2枚の外フランジ部分との間はボルト結合させ、更に、ブレース主材の軸線方向において、エネルギー吸収体のウエブ部分とブレース主材の対向端部との間には逃がし用の間隙を設けたことを特徴とする制震ブレースダンパー。
  3. 3段のフランジ部分とそれらフランジ部分と直角をなして連続する2段のウエブ部分とをその横断面形状が「王」字状をなすように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の制震ブレースダンパー用のエネルギー吸収体。
  4. エネルギー吸収体のウエブ部分に開口を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の制震ブレースダンパー。
  5. ウエブ部分に開口を形成したことを特徴とする請求項3記載のエネルギー吸収体。
  6. 横断面H形のブレース主材の断面形状を決定するにあたり、制震ブレースダンパーを設置したフレームを対象に、ブレース主材の断面積をパラメータとした静的解析または動的解析を行い、想定する外力が作用した時に制震ブレースダンパーに働く軸力を算定し、該軸力が収束し始める断面積をもとに決定することを特徴とする請求項1記載の制震ブレースダンパーの設計方法。
  7. 横断面「王」字状のエネルギー吸収体のウエブ部分のフランジ面に平行な断面の形状を決定するにあたり、制震ブレースダンパーを設置したフレームを対象に、静的解析または動的解析を行い、想定する外力が作用した時に制震ブレースダンパーに働く軸力を算定し、該軸力の10〜30%の軸力が作用した場合に各エネルギー吸収体のウエブ部分が塑性化し、エネルギー吸収を開始するように構成することを特徴とする請求項1記載の制震ブレースダンパーの設計方法。
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