JP2021038651A - 制震構造物 - Google Patents

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【課題】地震発生時に建造物に作用する軸力を建造物から間柱を介してせん断型パネルダンパーに確実に伝達し、地震エネルギーを効率よく吸収させることができる制震構造物を提供する。【解決手段】制震構造物10では、天井梁11から下方へ延びる第1間柱13がコンクリート製の第1基礎間柱17と第1鉄骨鋼材22と第1基礎間柱17の下端18から下方へ延出する第1連結鋼材19とを備え、床梁12から上方へ延びる第2間柱14がコンクリート製の第2基礎間柱25と第2鉄骨鋼材30と第2基礎間柱25の上端26から上方へ延出する第2連結鋼材27とを備え、制震装置15が第1連結鋼材19に固定された第1固定パネルと第2連結鋼材27に固定された第2固定パネルと第1及び第2固定パネルの間に延びるダンパーパネルとを備えた低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパーであり、ダンパーパネルがその前面と後面に第1凹曲面域と第2凹曲面域とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、建造物に施工された間柱と間柱に設置された制震装置とから形成された制震構造物に関する。
地震エネルギーを吸収する低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパーを設置し、地震による建造物の変形を低減する制震構造物が使用されている。制震構造物は、建造物の天井梁に連結されて天井梁から下方へ延びる第1間柱と、建造物の床梁に連結されて床梁から上方へ延びる第2間柱と、上下方向へ離間する第1間柱と第2間柱との間に設置されたせん断型パネルダンパーとから形成されている。せん断型パネルダンパーは、第1間柱の下端部に固定された第1固定パネルと、第2間柱の上端部に固定された第2固定パネルと、第1および第2固定パネルの間に位置して地震の際に塑性変形するダンパーパネルとから形成されている。そのような制震構造物を設置した建造物が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示の建造物は、パネル形状のパネルダンパーを利用して地震時に建物の架構に入力される振動エネルギーを吸収することで建物の揺れを抑える制震ダンパーを備えている。建造物に設置された制震ダンパーは、構造計算上長期軸力を算定する柱の中間部における上部柱の下端プレートと下部柱の上端プレートとの間に柱に掛かる軸力を支持する軸力支持機構とパネルダンパーとが設置され、パネルダンパーと軸力支持機構との一方が水平方向に左右一対となり、他方がその対となった一方の間に配置されている。パネルダンパーは、低降伏点鋼からなる平板の中央部に鉛直断面の外形線が円孤を描くように中央に行くに従って厚さが薄くなる凹レンズ状の窪みが形成された凹レンズ型の形状に成形され、軸力支持機構は、上部柱の下端プレートに下向きに伸びて取り付けられた第1のプレートと、下部柱の上端プレートに上向きに伸びて取り付けられた第2のプレートとを有し、それら第2のプレートと第1のプレートが水平方向に摺動自在に止め付けられることで柱に掛かる軸力を支持している。
特開2014−58790号公報
低降状点鋼材から作られたせん断型パネルダンパーを使用した制震構造物には、地震発生時に建造物に作用する軸力(地震エネルギーによって建造物に作用する水平荷重、鉛直荷重、曲げ応力、せん断応力)を効率的に吸収し、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることが求められ、そのためにせん断型パネルダンパーの地震エネルギーに対する減衰力を十分に活用する必要がある。せん断型パネルダンパーの地震エネルギーに対する減衰力を十分に活用するには、地震発生時に建造物に作用する軸力を建造物から間柱を介してせん断型パネルダンパーに確実に伝達しつつ、せん断型パネルダンパーのダンパーパネルを均等に塑性変形させてせん断型パネルダンパーに地震エネルギーを効率よく吸収させる必要がある。地震エネルギーの建造物からせん断型パネルダンパーへの伝達とせん断型パネルダンパーにおける地震エネルギーの吸収との少なくとも一方が不十分である場合、地震エネルギーを十分に吸収(減衰)させることができず、建造物を地震から保護することができない。
本発明の目的は、地震発生時に建造物に作用する軸力(地震エネルギーによって建造物に作用する水平荷重、鉛直荷重、曲げ応力、せん断応力)を建造物から間柱を介してせん断型パネルダンパーに確実に伝達しつつ、せん断型パネルダンパーのダンパーパネルを均等に塑性変形させてせん断型パネルダンパーに地震エネルギーを効率よく吸収(減衰)させることができる制震構造物を提供することにある。本発明の他の目的は、地震発生時に地震エネルギーを十分に吸収(減衰)させることができ、地震による建造物の変形や損傷を低減させる(最小限にする)ことができる制震構造物を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、建造物に施工された間柱と、間柱に設置された制震装置とから形成された制震構造物である。
前記前提における本発明の特徴は、間柱が、建造物の天井梁に連結されて天井梁から下方へ延びる第1間柱と、建造物の床梁に連結されて床梁から上方へ延びる第2間柱とから形成され、第1間柱が、上下方向へ延びるコンクリート製の第1基礎間柱と、第1基礎間柱に埋設固定されて上下方向へ延びる第1鉄骨鋼材と、第1基礎間柱の下端から下方へ延出する第1鉄骨鋼材によって形成された第1連結鋼材又は第1基礎間柱の下端に位置する第1鉄骨鋼材に連結されて下方へ延びる第1連結鋼材とを備え、第2間柱が、上下方向へ延びるコンクリート製の第2基礎間柱と、第2基礎間柱に埋設固定されて上下方向へ延びる第2鉄骨鋼材と、第2基礎間柱の上端から上方へ延出する第2鉄骨鋼材によって形成された第2連結鋼材又は第2基礎間柱の上端に位置する第2鉄骨鋼材に連結されて上方へ延びる第2連結鋼材とを備え、制震装置が、第1間柱の第1連結鋼材に固定された第1固定パネルと、第2間柱の第2連結鋼材に固定された第2固定パネルと、第1及び第2固定パネルの間に延びるダンパーパネルとを備え、上下方向へ離間する第1連結鋼材と第2連結鋼材との間に位置する低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパーであり、ダンパーパネルが、その一方の面に形成されて一方の面の周縁から中心に向かって所定の曲率半径で凹む所定面積の第1凹曲面域と、その他方の面に形成されて他方の面の周縁から中心に向かって所定の曲率半径で凹む所定面積の第2凹曲面域とを有することにある。
本発明の一例として、第1基礎間柱及び第2基礎間柱には、鉄筋と鉄骨とのうちの少なくとも鉄筋が配筋され、横方向及び前後方向へ延びる複数本のスタッドボルトが、第1鉄骨鋼材及び第2鉄骨鋼材に設置され、第1鉄骨鋼材が、第1基礎間柱に配筋された鉄筋の間に配置され、第2鉄骨鋼材が、第2基礎間柱に配筋された鉄筋の間に配置されている。
本発明の他の一例としては、第1基礎間柱が、鉄筋コンクリート、鉄筋鉄骨コンクリート、プレストレスト・コンクリート、プレキャストコンクリートのいずれかであり、第2基礎間柱が、鉄筋コンクリート、鉄筋鉄骨コンクリート、プレストレスト・コンクリート、プレキャストコンクリートのいずれかである。
本発明の他の一例としては、第1凹曲面域と第2凹曲面域とが、互いに同形同大であってダンパーパネルにおいて前後方向へ対称に並び、せん断型パネルダンパーのダンパーパネルが、上下方向へ離間する第1連結鋼材と第2連結鋼材との間のスペースに位置している。
本発明の制震構造物によれば、地震発生時に建造物に作用する軸力(地震エネルギーによって建造物に作用する水平荷重や鉛直荷重、曲げ応力、せん断応力)が建造物からコンクリート製の第1及び第2基礎間柱と第1及び第2鉄骨鋼材とを備えた第1及び第2間柱に伝達され、軸力が第1基礎間柱から下方へ延びる第1連結鋼材を介して低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパーに均等に伝達されるとともに、軸力が第2基礎間柱から上方へ延びる第2連結鋼材を介して低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパーに均等に伝達されるから、軸力を建造物からせん断型パネルダンパーに確実に伝達することができ、せん断型パネルダンパーの第1凹曲面域と第2凹曲面域とを有するダンパーパネルの全体が軸力によって均等に塑性変形し、せん断型パネルダンパーに地震エネルギーを効率よく吸収(減衰)させることができる。制震構造物は、地震による軸力(地震エネルギー)が建造物からせん断型パネルダンパーへ円滑に伝達され、せん断型パネルダンパーのダンパーパネルの塑性変形を利用して地震エネルギーを十分に吸収する(減衰させる)ことができるから、地震による建造物の変形や損傷を低減させる(最小限にする)ことができる。制震構造物は、コンクリート製の第1基礎間柱と第1連結鋼材とを備えた第1間柱を天井梁に構築又は連結(設置)し、コンクリート製の第2基礎間柱と第2連結鋼材とを備えた第2間柱を床梁に構築又は連結(設置)し、第1及び第2連結鋼材にせん断型パネルダンパーの第1及び第2固定パネルを固定することで施工することができるから、短い工期で廉価に施工することができ、地震の後はせん断型パネルダンパーを交換するだけでよく、地震後に制震構造物をあらたに施工する必要はなく、手間と費用とを節約することができる。
制震構造物は、第1凹曲面域と第2凹曲面域とが互いに同形同大であってダンパーパネルにおいて前後方向へ対称に並び、せん断型パネルダンパーのダンパーパネルが上下方向へ離間する第1連結鋼材と第2連結鋼材との間のスペースに位置しているから、地震による軸力(地震エネルギーによって建造物に作用する水平荷重や鉛直荷重、曲げ応力、せん断応力)がダンパーパネルに伝達された際に、互いに同形同大であってダンパーパネルにおいて前後方向へ対称に並ぶ第1凹曲面域と第2凹曲面域とを有するダンパーパネルの全体が軸力によって均等に塑性変形し、更に、ダンパーパネルが第1連結鋼材と第2連結鋼材との間のスペースに位置しているから、地震による軸力の伝達時におけるダンパーパネルの塑性変形を妨げる障害がなく、地震発生時にダンパーパネル全体が他物に邪魔されることなく自由に塑性変形し、せん断型パネルダンパーに地震エネルギーを効率よく吸収させることができ、せん断型パネルダンパーのダンパーパネルの塑性変形を利用して地震エネルギーを十分に減衰させることができる。
一例として示す制震構造物の正面図。 制震構造物の背面図。 制震構造物の側面図。 天井梁及び床梁並びに第1及び第2間柱に配筋された鉄筋を示す制震構造物の正面図。 天井梁及び床梁並びに第1及び第2間柱に配筋された鉄筋を示す制震構造物の側面図。 一例として示すせん断型パネルダンパーの正面図。 図6のせん断型パネルダンパーの側面図。
一例として示す制震構造物10の正面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る制震構造物の詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、制震構造物10の背面図であり、図3は、制震構造物10の側面図である。図4は、天井梁11及び床梁12並びに第1及び第2間柱13,14に配筋された鉄筋20,21,29,30を示す制震構造物10の正面図であり、図5は、天井梁11及び床梁12並びに第1及び第2間柱13,14に配筋された鉄筋20,21,29,30を示す制震構造物10の側面図である。図6は、一例として示すせん断型パネルダンパー33の正面図であり、図7は、図6A−A線断面図である。図1,2では、天井梁11及び床梁12並びに第1及び第2間柱13,14に配筋された鉄筋20,21,29,30の図示を省略している。図1,3では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
制震構造物10は、超高層ビルや高層ビル、中層ビル、低層ビル等の建造物の天井梁11と床梁12の間に施工され、建造物を地震から保護する。制震構造物10は、第1間柱13及び第2間柱14と、第1及び第2間柱13,14に設置された制震装置15とから形成されている。第1間柱13及び第2間柱14は、同形同大であり、上下方向の寸法(長さ寸法)や横方向の寸法(幅寸法)、前後方向の寸法(厚み寸法)が同一である。第1間柱13と第2間柱14とは上下方向へ離間対向し、第1間柱13と第2間柱14との間にスペース16が形成されている。
第1間柱13は、建造物の天井梁11(大梁または小梁)に構築又は連結(設置)されて天井梁11から下方へ延びている。第1間柱13は、コンクリート製(鉄骨鉄筋コンクリート製、鉄筋コンクリート製、プレストレスト・コンクリート製、プレキャストコンクリート製)の第1基礎間柱17と、第1基礎間柱17の下端18から下方へ延びる第1連結鋼材19とを備えている。天井梁11には、図4,5に示すように、上下方向及び横方向へ延びる天井梁用の複数本の鉄筋20が配筋されている。
尚、天井梁11に横方向へ延びる鉄骨が配筋され、鉄骨の周りに上下方向及び横方向へ延びる天井梁用の複数本の鉄筋20が配筋される場合がある。第1基礎間柱17には、上下方向及び横方向へ延びる第1基礎間柱用の複数本の鉄筋21が配筋されている。尚、第1基礎間柱17に上下方向へ延びる鉄骨が配筋され、鉄骨の周りに上下方向及び横方向へ延びる第1基礎間柱用の複数本の鉄筋21が配筋される場合がある。
第1基礎間柱17には、上下方向へ延びる所定面積の第1鉄骨鋼材22が埋設(設置)され、第1鉄骨鋼材22が第1基礎間柱17に固定されている。第1鉄骨鋼材22には、横方向及び前後方向へ延びる複数本のスタッドボルト23が設置されている。第1鉄骨鋼材22は、第1基礎間柱17に配筋された鉄筋21の間に配置されている。尚、第1基礎間柱17に上下方向へ延びる鉄骨が配筋される場合、第1鉄骨鋼材22が鉄骨と鉄筋21との間に配置される。第1連結鋼材19は、第1基礎間柱17の下端18から下方へ延出する第1鉄骨鋼材22によって形成されている。尚、第1連結鋼材19が第1基礎間柱17の下端18に位置する第1鉄骨鋼材22に連結された別鋼材であってもよい。第1連結鋼材19には、横方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔24が穿孔されている。
天井梁11及び第1基礎間柱17の施工の一例としては、建造物を新築する際に、第1基礎間柱17を施工する建造物の天井梁11の施工箇所を決定し、施工箇所に天井梁11の鉄筋20につながる第1基礎間柱用の鉄筋21を配筋しつつ、配筋した第1基礎間柱用の鉄筋21の間に(又は、鉄骨と鉄筋21との間に)第1鉄骨鋼材22を配置した後、天井梁用の型枠とともに施工箇所から下方へ向かって第1基礎間柱用の型枠を組み上げる。第1基礎間柱用の型枠の下端から下方(第1基礎間柱用の鉄筋21の下方)には、第1連結鋼材19を形成する第1鉄骨鋼材22の一部が露出する。天井梁用の型枠及び第1基礎間柱用の型枠を組み上げた後、それら型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、天井梁11及び第1鉄骨鋼材22を埋設固定した第1基礎間柱17を構築する。
既設の建造物に第1基礎間柱17を施工する場合の一例としては、第1基礎間柱17を施工する建造物の天井梁11の施工箇所を決定し、施工箇所において天井梁11のコンクリート(鉄筋20を含む)をはつり、施工箇所に天井梁用の鉄筋20と第1基礎間柱用の鉄筋21とを配筋しつつ、配筋した第1基礎間柱用の鉄筋21の間に(又は、鉄骨と鉄筋21との間に)第1鉄骨鋼材22を配置した後、天井梁用の型枠とともに施工箇所から下方へ向かって第1基礎間柱用の型枠を組み上げる。第1基礎間柱用の型枠の下端から下方(第1基礎間柱用の鉄筋21の下方)には、第1連結鋼材19を形成する第1鉄骨鋼材22の一部が露出する。天井梁用の型枠及び第1基礎間柱用の型枠を組み上げた後、それら型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、天井梁11の一部と第1鉄骨鋼材22を埋設固定した第1基礎間柱17とを構築する。
制震構造物10では、第1基礎間柱17がプレストレスト・コンクリートから作られていてもよい。第1基礎間柱17を形成するプレストレスト・コンクリートは、プレテンション方式又はポストテンション方式によって施工される。プレテンション方式による第1基礎間柱17の施工の一例は、建造物を新築する際に、第1基礎間柱17を施工する建造物の天井梁11の施工箇所を決定し、施工箇所に天井梁11の鉄筋20につながる第1基礎間柱17の鉄筋21を配筋しつつ、配筋した第1基礎間柱用の鉄筋21の間に第1鉄骨鋼材22を配置した後、天井梁用の型枠とともに施工箇所から下方へ向かって第1基礎間柱用の型枠を組み上げる。
第1基礎間柱用の型枠の下端から下方(第1基礎間柱用の鉄筋21の下方)には、第1連結鋼材19を形成する第1鉄骨鋼材22の一部が露出する。PC鋼材(図示せず)を第1基礎間柱17の下端18に配置された固定プレート(図示せず)に挿通して天井梁11と固定プレートとを連結し、PC鋼材に緊張力を付与した後、天井梁用の型枠及び第1基礎間柱用の型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、天井梁11及び第1鉄骨鋼材22を埋設固定したプレストレスト・コンクリート製の第1基礎間柱17を構築する。
ポストテンション方式による第1基礎間柱17の施工の一例は、建造物を新築する際に、第1基礎間柱17を施工する建造物の天井梁11の施工箇所を決定し、施工箇所に天井梁11の鉄筋20につながる第1基礎間柱用の鉄筋21を配筋しつつ、配筋した第1基礎間柱用の鉄筋21の間に第1鉄骨鋼材22を配置した後、天井梁用の型枠とともに施工箇所から下方へ向かって第1基礎間柱用の型枠を組み上げる。
第1基礎間柱用の型枠の下端から下方(第1基礎間柱用の鉄筋21の下方)には、第1連結鋼材19を形成する第1鉄骨鋼材22の一部が露出する。天井梁用の型枠及び第1基礎間柱用の型枠を組み上げた後、それら型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの強度が発現した後にコンクリートと第1基礎間柱17の型枠の下端に配置された固定プレート(図示せず)とにPC鋼材(図示せず)を挿通して天井梁11と固定プレートとを連結しつつPC鋼材に緊張力を付与し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、天井梁11及び第1鉄骨鋼材22を埋設固定した第1基礎間柱17を構築する。
既設の建造物にプレストレスト・コンクリートから形成された第1基礎間柱17を施工(新設)する場合の一例としては、第1基礎間柱17を施工する建造物の天井梁11の施工箇所を決定し、施工箇所において天井梁11のコンクリート(鉄筋20を含む)をはつり、施工箇所に天井梁11の鉄筋20とその鉄筋20につながる第1基礎間柱17の鉄筋21とを配筋しつつ、配筋した第1基礎間柱用の鉄筋21の間に第1鉄骨鋼材22を配置した後、天井梁用の型枠とともに施工箇所から下方へ向かって第1基礎間柱用の型枠を組み上げ、既述のプレテンション方式又はポストテンション方式によって天井梁11の一部と第1鉄骨鋼材22を埋設固定した第1基礎間柱17とを構築する。
制震構造物10では、第1基礎間柱17が工場においてあらかじめ製造されたプレキャストコンクリートであってもよい。プレキャストコンクリートには、それを形成する鉄筋の間に第1鉄骨鋼材22が配置され、第1鉄骨鋼材22がプレキャストコンクリートに埋設固定されている。プレキャストコンクリートの下端18から下方には、第1連結鋼材19を形成する第1鉄骨鋼材22の一部が露出している。第1基礎間柱17がプレキャストコンクリートである場合、第1基礎間柱17を工場から施工現場に搬送し、天井梁11を構築(新設)した後のその天井梁1の第1基礎間柱17の施工箇所にプレキャストコンクリート(第1基礎間柱17)を配置し、連結ボルトを介して天井梁11とプレキャストコンクリート(第1基礎間柱17)とを連結固定する。又は、既設の建造物の既設の天井梁11の第1基礎間柱17の施工箇所にプレキャストコンクリート(第1基礎間柱17)を配置し、連結ボルトを介して既設の天井梁11とプレキャストコンクリート(第1基礎間柱17)とを連結固定する。
第2間柱14は、建造物の床梁12(大梁または小梁)に構築又は連結(設置)されて床梁12から上方へ延びている。第2間柱14は、コンクリート製(鉄骨鉄筋コンクリート製、鉄筋コンクリート製、プレストレスト・コンクリート製、プレキャストコンクリート製)の第2基礎間柱25と、第2基礎間柱25の上端26から上方へ延びる第2連結鋼材27とを備えている。床梁12には、図4,5に示すように、上下方向及び横方向へ延びる床梁用の複数本の鉄筋28が配筋されている。
尚、床梁12に横方向へ延びる鉄骨が配筋され、鉄骨の周りに上下方向及び横方向へ延びる床梁用の複数本の鉄筋28が配筋される場合がある。第2基礎間柱25には、上下方向及び横方向へ延びる第2基礎間柱用の複数本の鉄筋29が配筋されている。尚、第2基礎間柱25に上下方向へ延びる鉄骨が配筋され、鉄骨の周りに上下方向及び横方向へ延びる第2基礎間柱用の複数本の鉄筋29が配筋される場合がある。
第2基礎間柱25には、上下方向へ延びる所定面積の第2鉄骨鋼材30が埋設(設置)され、第2鉄骨鋼材30が第2基礎間柱25に固定されている。第2鉄骨鋼材30には、横方向及び前後方向へ延びる複数本のスタッドボルト31が設置されている。第2鉄骨鋼材30は、第2基礎間柱25に配筋された鉄筋29の間に配置されている。尚、第1基礎間柱25に上下方向へ延びる鉄骨が配筋される場合、第2鉄骨鋼材30が鉄骨と鉄筋29との間に配置される。第2連結鋼材27は、第2基礎間柱25の上端26から上方へ延出する第2鉄骨鋼材30によって形成されている。尚、第2連結鋼材27が第2基礎間柱25の上端26に位置する第2鉄骨鋼材30に連結された別鋼材であってもよい。第2連結鋼材28には、横方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔32が穿孔されている。
床梁12及び第2基礎間柱25の施工の一例としては、建造物を新築する際に、第2基礎間柱25を施工する建造物の床梁12の施工箇所を決定し、施工箇所に床梁12の鉄筋28につながる第2基礎間柱用の鉄筋29を配筋しつつ、配筋した第2基礎間柱用の鉄筋29の間に(又は、鉄骨と鉄筋29との間に)第2鉄骨鋼材30を配置した後、床梁用の型枠とともに施工箇所から上方へ向かって第2基礎間柱用の型枠を組み上げる。第2基礎間柱用の型枠の上端から上方に(第2基礎間柱用の鉄筋29の上方)は、第2連結鋼材27を形成する第2鉄骨鋼材30の一部が露出する。床梁用の型枠及び第2基礎間柱用の型枠を組み上げた後、それら型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、床梁12及び第2鉄骨鋼材30を埋設固定した第2基礎間柱25を構築する。
既設の建造物に第2基礎間柱25を施工する場合の一例としては、第2基礎間柱25を施工する建造物の床梁12の施工箇所を決定し、施工箇所において床梁12のコンクリート(鉄筋28を含む)をはつり、施工箇所に床梁用の鉄筋28と第2基礎間柱用の鉄筋29とを配筋しつつ、配筋した第2基礎間柱用の鉄筋29の間に(又は、鉄骨と鉄筋29との間に)第2鉄骨鋼材30を配置した後、床梁12の型枠とともに施工箇所から上方へ向かって第2基礎間柱用の型枠を組み上げる。第2基礎間柱用の型枠の上端から上方(第2基礎間柱用の鉄筋29の上方)には、第2連結鋼材27を形成する第2鉄骨鋼材30の一部が露出する。床梁用の型枠及び第2基礎間柱用の型枠を組み上げた後、それら型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、床梁12の一部と第2鉄骨鋼材30を埋設固定した第2基礎間柱とを構築する。
制震構造物10では、第2基礎間柱25がプレストレスト・コンクリートから作られていてもよい。第2基礎間柱25を形成するプレストレスト・コンクリートは、プレテンション方式又はポストテンション方式によって施工される。プレテンション方式による第2基礎間柱25の施工の一例は、建造物を新築する際に、第2基礎間柱25を施工する建造物の床梁12の施工箇所を決定し、施工箇所に床梁12の鉄筋28につながる第2基礎間柱の鉄筋29を配筋しつつ、配筋した第2基礎間柱用の鉄筋29の間に第2鉄骨鋼材30を配置した後、床梁用の型枠とともに施工箇所から上方へ向かって第2基礎間柱用の型枠を組み上げる。
第2基礎間柱用の型枠の上端から上方(第2基礎間柱用の鉄筋29の上方)には、第2連結鋼材27を形成する第2鉄骨鋼材30の一部が露出する。PC鋼材(図示せず)を第2基礎間柱25の上端26に配置された固定プレート(図示せず)に挿通して床梁12と固定プレートとを連結し、PC鋼材に緊張力を付与した後に床梁用の型枠及び第2基礎間柱用の型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、床梁12及び第2鉄骨鋼材30を埋設固定したプレストレスト・コンクリート製の第2基礎間柱25を構築する。
ポストテンション方式による第2基礎間柱25の施工の一例は、建造物を新築する際に、第2基礎間柱25を施工する建造物の床梁12の施工箇所を決定し、施工箇所に床梁12の鉄筋28につながる第2基礎間柱用の鉄筋29を配筋しつつ、配筋した第2基礎間柱用の鉄筋29の間に第2鉄骨鋼材30を配置した後、床梁用の型枠とともに施工箇所から上方へ向かって第2基礎間柱用の型枠を組み上げる。
第2基礎間柱用の型枠の上端から上方(第2基礎間柱用の鉄筋29の上方)には、第2連結鋼材27を形成する第2鉄骨鋼材30の一部が露出する。床梁用の型枠及び第2基礎間柱用の型枠を組み上げた後、それら型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの強度が発現した後にコンクリートと第2基礎間柱25の型枠の上端に配置された固定プレート(図示せず)とにPC鋼材(図示せず)を挿通して床梁12と固定プレートとを連結しつつPC鋼材に緊張力を付与し、コンクリートの養生期間経過後に型枠を解体し、床梁12及び第2鉄骨鋼材30を埋設固定した第2基礎間柱25を構築する。
既設の建造物にプレストレスト・コンクリートから形成された第2基礎間柱25を施工(新設)する場合の一例としては、第2基礎間柱25を施工する建造物の床梁12の施工箇所を決定し、施工箇所において床梁12のコンクリート(鉄筋28を含む)をはつり、施工箇所に床梁12の鉄筋28とその鉄筋28につながる第2基礎間柱の鉄筋29とを配筋しつつ、配筋した第2基礎間柱用の鉄筋29の間に第2鉄骨鋼材30を配置した後、床梁12の型枠とともに施工箇所から上方へ向かって第2基礎間柱用の型枠を組み上げ、既述のプレテンション方式又はポストテンション方式によって床梁12の一部と第2鉄骨鋼材30を埋設固定した第2基礎間柱25とを構築する。
制震構造物10では、第2基礎間柱25が工場においてあらかじめ製造されたプレキャストコンクリートであってもよい。プレキャストコンクリートには、それを形成する鉄筋の間に第2鉄骨鋼材30が配置され、第2鉄骨鋼材30がプレキャストコンクリートに埋設固定されている。プレキャストコンクリートの上端26から上方には、第2連結鋼材27を形成する第2鉄骨鋼材30の一部が露出している。第2基礎間柱25がプレキャストコンクリートである場合、第2基礎間柱25を工場から施工現場に搬送し、床梁12を構築(新設)した後のその床梁12の第2基礎間柱25の施工箇所にプレキャストコンクリート(第2基礎間柱25)を配置し、連結ボルトを介して床梁12とプレキャストコンクリート(第2基礎間柱25)とを連結固定する。又は、既設の建造物の既設の床梁12の第2基礎間柱25の施工箇所にプレキャストコンクリート(第2基礎間柱25)を配置し、連結ボルトを介して既設の床梁12とプレキャストコンクリート(第2基礎間柱25)とを連結固定する。
制震装置15には、低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパー33が使用される。せん断型パネルダンパー33は、上下方向へ離間する第1間基礎柱17の第1連結鋼材19と第2基礎間柱25の第2連結鋼材27との間のスペース16に位置し、第1及び第2連結鋼材19,27に取り付けられている。せん断型パネルダンパー33は、普通鋼材よりも降伏強度が低く、塑性変形機能が高い低降状点鋼材から作られている。せん断型パネルダンパー33は、第1固定パネル34及び第2固定パネル36と、第1及び第2固定パネル34,36の間に延びるダンパーパネル35とを備えている。
第1固定パネル34は、横方向へ長い四角形に成型されている。第1固定パネル34には、上下方向へ並ぶとともに横方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔37が穿孔されている。第2固定パネル36は、第1固定パネル34と同形同大であり、横方向へ長い四角形に成型されている。第2固定パネル36には、上下方向へ並ぶとともに横方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔37が穿孔されている。
ダンパーパネル35は、その厚み寸法が第1及び第2固定パネル34,36のそれよりも小さく、その横方向の寸法が第1及び第2固定パネル34,36のそれよりも短い。ダンパーパネル35は、その両側縁38が横方向内方へ向かって弧(円弧)を画いている。ダンパーパネル35は、第1及び第2固定パネル34,36と一体成型されている。ダンパーパネル35は、その前面39(一方の面)に形成された所定面積の第1凹曲面域40と、その後面41(他方の面)に形成された所定面積の第2凹曲面域42とを有する。
第1凹曲面域40は、ダンパーパネル35の中央に形成され、前面39(一方の面)の周縁43から中心44に向かって所定の曲率半径で前後方向後方へ凹んでいる。第1凹曲面域40は、鉛直断面の外形線が円孤を画くように前面39(一方の面)の周縁43から中心44に向かうにつれてその厚み寸法が次第に小さくなる凹レンズ状の窪みである。第2凹曲面域42は、ダンパーパネル35の中央に形成され、後面41(他方の面)の周縁45から中心46に向かって所定の曲率半径で前後方向前方へ凹んでいる。第2凹曲面域42は、鉛直断面の外形線が円孤を画くように後面41(他方の面)の周縁45から中心46に向かうにつれてその厚み寸法が次第に小さくなる凹レンズ状の窪みである。
第1凹曲面域40と第2凹曲面域42とは、互いに同形同大であってダンパーパネル35において前後方向へ対称に並んでいる。せん断型パネルダンパー33では、ダンパーパネル35の厚み寸法(板厚)を自由に調節することができ(たとえば、12mm〜24mmの範囲)、その減衰力(地震抵抗力)を240kN〜1190kNの範囲で任意に設定することができる。
せん断型パネルダンパー33の第1固定パネル34は、それに穿孔されたボルト孔37と第1連結鋼材19に穿孔されたボルト孔24とに挿通又は螺着された摩擦接合用高力六角ボルトと摩擦接合用高力六角ボルトに螺着されたナットとによって第1連結鋼材19に強固に連結されている。せん断型パネルダンパー33の第2固定パネル36は、それに穿孔されたボルト孔37と第2連結鋼材27に穿孔されたボルト孔32とに挿通または螺着された摩擦接合用高力六角ボルトと摩擦接合用高力六角ボルトに螺着されたナットとによって第2連結鋼材27に強固に連結されている。
地震が発生し、地震による軸力(地震エネルギーによって建造物に作用する水平荷重や鉛直荷重、曲げ応力、せん断応力)が建造物に作用した場合、その軸力が建造物からコンクリート製(鉄骨鉄筋コンクリート製、鉄筋コンクリート製、プレストレスト・コンクリート製、プレキャストコンクリート製)の第1及び第2基礎間柱17,25と第1及び第2連結鋼材19,27とを備えた第1及び第2間柱13,14に伝達され、軸力が第1及び第2連結鋼材19,27から低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパー33に均等に伝達される。軸力が伝達されたせん断型パネルダンパー33では、ダンパーパネル35がその中心からフィレット(両側縁38)の位置にかけて、ダンパーパネル35の全体が均一に塑性変形し、ダンパーパネル35が地震による軸力(地震エネルギー)を吸収し、ダンパーパネル35によって地震エネルギーが減衰する。
制震構造物10は、地震発生時に建造物に作用する軸力(地震エネルギーによって建造物に作用する水平荷重や鉛直荷重、曲げ応力、せん断応力)が建造物からコンクリート製(鉄骨鉄筋コンクリート製、鉄筋コンクリート製、プレストレスト・コンクリート製、プレキャストコンクリート製)の第1及び第2基礎間柱17,25と第1及び第2連結鋼材19,27とを備えた第1及び第2間柱13,14に伝達され、軸力が第1及び第2連結鋼材19,27から低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパー33に均等に伝達されるから、軸力を建造物からせん断型パネルダンパー33に確実に伝達することができ、せん断型パネルダンパー33の第1凹曲面域40と第2凹曲面域42とを有するダンパーパネル35の全体が軸力によって均等に塑性変形し、更に、ダンパーパネル35が第1連結鋼材19と第2連結鋼材27との間のスペース16に位置しているから、地震による軸力の伝達時におけるダンパーパネル35の塑性変形を妨げる障害がなく、地震発生時にダンパーパネル35全体が自由に塑性変形し、せん断型パネルダンパー33に地震エネルギーを効率よく吸収させることができ、せん断型パネルダンパー232のダンパーパネル35の塑性変形を利用して地震エネルギーを十分に減衰させることができる。
制震構造物10は、地震による軸力(地震エネルギー)が建造物から第1及び第2間柱13,14の第1及び第2連結鋼材19,27を介してせん断型パネルダンパー33に円滑かつ均一に伝達され、せん断型パネルダンパー33のダンパーパネル35の塑性変形を利用して地震エネルギーを十分に吸収(減衰)させることができるから、地震による建造物の変形や損傷を低減させる(最小限にする)ことができる。
制震構造物10は、コンクリート製(鉄骨鉄筋コンクリート製、鉄筋コンクリート製、プレストレスト・コンクリート製、プレキャストコンクリート製)の第1基礎間柱17と第1連結鋼材19(第1鉄骨鋼材22)とを備えた第1間柱13を天井梁11に構築又は連結(設置)し、コンクリート製(鉄骨鉄筋コンクリート製、鉄筋コンクリート製、プレストレスト・コンクリート製、プレキャストコンクリート製)の第2基礎間柱25と第2連結鋼材27(第2鉄骨鋼材30)とを備えた第2間柱14を床梁12に構築又は連結(設置)し、第1及び第2連結鋼材19,27にせん断型パネルダンパー33の第1及び第2固定パネル33,35を固定することで施工することができるから、短い工期で廉価に施工することができ、地震の後はせん断型パネルダンパー33を交換するだけでよく、地震後に制震構造物をあらたに施工する必要はなく、手間と費用とを節約することができる。
10 制震構造物
11 天井梁
12 床梁
13 第1間柱
14 第2間柱
15 制震装置
16 スペース
17 第1基礎間柱
18 下端
19 第1連結鋼材
20 鉄筋
21 鉄筋
22 第1鉄骨鋼材
23 スタッドボルト
24 ボルト孔
26 上端
27 第2連結鋼材
28 鉄筋
29 鉄筋
30 第2鉄骨鋼材
31 スタッドボルト
32 ボルト孔
33 せん断型パネルダンパー
34 第1固定パネル
35 ダンパーパネル
36 第2固定パネル
37 ボルト孔
38 両側縁
39 前面
40 第1凹曲面域
41 後面
42 第2凹曲面域
43 周縁
44 中心
45 周縁
46 中心

Claims (4)

  1. 建造物に施工された間柱と、前記間柱に設置された制震装置とから形成された制震構造物において、
    前記間柱が、前記建造物の天井梁に連結されて該天井梁から下方へ延びる第1間柱と、前記建造物の床梁に連結されて該床梁から上方へ延びる第2間柱とから形成され、前記第1間柱が、上下方向へ延びるコンクリート製の第1基礎間柱と、前記第1基礎間柱に埋設固定されて上下方向へ延びる第1鉄骨鋼材と、前記第1基礎間柱の下端から下方へ延出する前記第1鉄骨鋼材によって形成された第1連結鋼材又は該第1基礎間柱の下端に位置する第1鉄骨鋼材に連結されて下方へ延びる第1連結鋼材とを備え、前記第2間柱が、上下方向へ延びるコンクリート製の第2基礎間柱と、前記第2基礎間柱に埋設固定されて上下方向へ延びる第2鉄骨鋼材と、前記第2基礎間柱の上端から上方へ延出する前記第2鉄骨鋼材によって形成された第2連結鋼材又は該第2基礎間柱の上端に位置する第2鉄骨鋼材に連結されて上方へ延びる第2連結鋼材とを備え、
    前記制震装置が、前記第1間柱の第1連結鋼材に固定された第1固定パネルと、前記第2間柱の第2連結鋼材に固定された第2固定パネルと、前記第1及び第2固定パネルの間に延びるダンパーパネルとを備え、上下方向へ離間する前記第1連結鋼材と前記第2連結鋼材との間に位置する低降伏点鋼材製のせん断型パネルダンパーであり、前記ダンパーパネルが、その一方の面に形成されて該一方の面の周縁から中心に向かって所定の曲率半径で凹む所定面積の第1凹曲面域と、その他方の面に形成されて該他方の面の周縁から中心に向かって所定の曲率半径で凹む所定面積の第2凹曲面域とを有することを特徴とする制震構造物。
  2. 前記第1基礎間柱及び前記第2基礎間柱には、鉄筋と鉄骨とのうちの少なくとも鉄筋が配筋され、横方向及び前後方向へ延びる複数本のスタッドボルトが、前記第1鉄骨鋼材及び前記第2鉄骨鋼材に設置され、前記第1鉄骨鋼材が、前記第1基礎間柱に配筋された鉄筋の間に配置され、前記第2鉄骨鋼材が、前記第2基礎間柱に配筋された鉄筋の間に配置されている請求項1に記載の制震構造物。
  3. 前記第1基礎間柱が、鉄筋コンクリート、鉄筋鉄骨コンクリート、プレストレスト・コンクリート、プレキャストコンクリートのいずれかであり、前記第2基礎間柱が、鉄筋コンクリート、鉄筋鉄骨コンクリート、プレストレスト・コンクリート、プレキャストコンクリートのいずれかである請求項1又は請求項2に記載の制震構造物。
  4. 前記第1凹曲面域と前記第2凹曲面域とが、互いに同形同大であって前記ダンパーパネルにおいて前後方向へ対称に並び、前記せん断型パネルダンパーのダンパーパネルが、上下方向へ離間する前記第1連結鋼材と前記第2連結鋼材との間のスペースに位置している請求項1ないし請求項3いずれかに記載の制震構造物。
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