JP2011038361A - 制震間柱の施工方法 - Google Patents

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【課題】施工上の問題を解決し、低コストで施工することができる制震間柱の施工方法を提供する。
【解決手段】建物の上部梁18と下部梁20との間に設けられ、上部梁18と下部梁20との間に層間変形が生じた際にダンパーとして機能して振動エネルギーを吸収する制震間柱であり、上部梁18の下面側に設けられ、上部梁18と鋼材22を介して接合した上部柱10と、下部梁20の上面側に設けられ、下部梁20と鋼材26を介して接合した下部柱12と、上部柱10と下部柱12との間に接合され、所定の層せん断力により降伏する鋼材からなるせん断パネル14を有するダンパー部材16とを備える制震間柱の施工方法であって、上部柱10を上部梁18のコンクリートの現場打設の前または同時に構築する一方で、ダンパー部材16を上部柱10から吊り下げた状態で下部柱12をコンクリートの現場打設により構築する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の上下の梁の間に設けられる制震間柱の施工方法に関し、特に、中央ボイド型の超高層の鉄筋コンクリート建物などに用いる大容量の制震間柱の施工方法に関するものである。
近年、超高層鉄筋コンクリート(以下、RCという。)集合住宅に制震ダンパーを組み込む事例が増えており、マンション販売における重要な売り込みアイテムの一つとなっている。超高層RC集合住宅の平面計画においては、建物の規模に応じて、中央コア型と中央ボイド型とを使い分けており、中央コア型の超高層RC集合住宅の場合には、コア部の構造形式を純ラーメン構造またはRCコアウォール構造として、コア周りに制震ダンパーを設置するのが一般的である。この制震ダンパーの型式としては、ブレース型、壁型、境界梁型、間柱型のいずれでも設置可能である。間柱型の制震ダンパーとしては、例えば、特許文献1〜3に示す制震間柱が知られている。
一方、中央ボイド型の超高層RC集合住宅の場合には、平面の大きさから大容量の制震ダンパーが必要となる。しかし、その一方で、採光の確保も必要であることから、大容量の制震ダンパーを設置するスペースの確保が難しいという平面計画上の制約が生じる。このため、この中央ボイド型は制震構造には不向きな型式として、従来は耐震構造あるいは免震構造としていた。
特開2006−169747号公報 特開2008−95467号公報 特開平9−184322号公報
ところで、上記の従来の中央ボイド型の超高層RC集合住宅などの高層建物を、制震構造にする大容量の制震間柱が開発されてきている。図12の建物の平面図に示すように、この大容量の制震間柱1は、建物2の柱3の間に複数設置されるものである。
図13は、この大容量の制震間柱の一例を示した側断面図である。図13に示すように、この大容量の制震間柱1は、上部梁4の下側に配置したRCの上部柱5と、下部梁6の上側に配置したRCの下部柱7と、上部柱5と下部柱7との間に設けた鋼材ダンパー8とからなる。
この大容量の制震間柱の施工上の主な問題点は3つある。第一に、上部柱5の底型枠の施工が困難であること、第二に、上部柱5と下部柱7のRCの施工により全体工程が延びるおそれがあること、第三に、鋼材ダンパー8を上下梁間に固定してから上部柱5と下部柱7のRCを施工する必要から、この上部柱5と下部柱7の施工期間中に鋼材ダンパー8に長期軸力が累積するおそれがあることである。このため、これら3つの問題点を解決するとともに低コストで施工可能な制震間柱の施工方法の開発が求められてきた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、施工上の問題を解決し、低コストで施工することができる制震間柱の施工方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る制震間柱の施工方法は、建物の上部梁と下部梁との間に設けられ、前記上部梁と前記下部梁との間に層間変形が生じた際にダンパーとして機能して振動エネルギーを吸収する制震間柱であり、前記上部梁の下面側に設けられ、前記上部梁と鋼材を介して接合した上部柱と、前記下部梁の上面側に設けられ、前記下部梁と鋼材を介して接合した下部柱と、前記上部柱と前記下部柱との間に接合され、所定の層せん断力により降伏する鋼材からなるせん断パネルを有するダンパー部材とを備える制震間柱の施工方法であって、前記上部柱を前記上部梁のコンクリートの現場打設の前または同時に構築する一方で、前記ダンパー部材を前記上部柱から吊り下げた状態で前記下部柱をコンクリートの現場打設により構築することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る制震間柱の施工方法は、上述した請求項1において、前記上部柱はプレキャストコンクリートからなり、前記上部梁のコンクリートの現場打設の前に、前記上部柱を構築予定の前記上部梁の下面側に仮支持部材を介して予め配置することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る制震間柱の施工方法は、上述した請求項2において、前記プレキャストコンクリートの上面には、前記上部梁と接合するための鋼材が上方に向けて突出形成してあり、下面には、前記ダンパー部材が下方に向けて突出形成してあることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る制震間柱の施工方法は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記ダンパー部材の両端にベースプレートを設け、前記鋼材を前記上部柱および前記下部柱からそれぞれ突出させるとともに、前記鋼材の端部を前記ベースプレートに設けた孔にそれぞれ挿通して固定したことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る制震間柱の施工方法は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記上部柱は前記上部梁のコンクリートと同時に現場打設により構築されるコンクリートであり、前記ダンパー部材の上端に前記上部柱のコンクリートを打設する際の型枠として使用可能なベースプレートを設け、前記鋼材を前記上部柱から下方に突出させるとともに、前記鋼材の端部を前記ベースプレートに設けた孔に挿通して固定する一方で、前記ダンパー部材の下端を前記下部柱内に埋設することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る制震間柱の施工方法は、上述した請求項4または5において、前記ベースプレートにリブプレートを溶接し、前記ベースプレートの板厚を減じたことを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る制震間柱の施工方法は、上述した請求項1〜6のいずれか一つにおいて、前記ダンパー部材は、H型形状の鋼材であることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係る制震間柱の施工方法は、上述した請求項1〜7のいずれか一つにおいて、前記せん断パネルは、低降伏点鋼あるいは極低降伏点鋼からなることを特徴とする。
本発明によれば、建物の上部梁と下部梁との間に設けられ、前記上部梁と前記下部梁との間に層間変形が生じた際にダンパーとして機能して振動エネルギーを吸収する制震間柱であり、前記上部梁の下面側に設けられ、前記上部梁と鋼材を介して接合した上部柱と、前記下部梁の上面側に設けられ、前記下部梁と鋼材を介して接合した下部柱と、前記上部柱と前記下部柱との間に接合され、所定の層せん断力により降伏する鋼材からなるせん断パネルを有するダンパー部材とを備える制震間柱の施工方法であって、前記上部柱を前記上部梁のコンクリートの現場打設の前または同時に構築する一方で、前記ダンパー部材を前記上部柱から吊り下げた状態で前記下部柱をコンクリートの現場打設により構築する。
このため、上記の従来の施工上の問題点である、上部柱の底型枠の施工が困難という問題と、上部柱と下部柱のRCの施工により全体工程が延びる問題と、上部柱と下部柱の施工期間中に鋼材ダンパーに長期軸力が累積する問題とを解決するとともに、低コストで施工することができるという効果を奏する。
図1は、本発明により施工されるタイプ1の制震間柱の側断面図である。 図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。 図3は、タイプ1の制震間柱の施工方法の工程1を説明する図である。 図4は、タイプ1の制震間柱の施工方法の工程2を説明する図である。 図5は、本発明により施工されるタイプ2の制震間柱の側断面図である。 図6は、タイプ2の制震間柱の施工方法の工程1を説明する図である。 図7は、タイプ2の制震間柱の施工方法の工程2を説明する図である。 図8は、本発明により施工されるタイプ3の制震間柱の側断面図である。 図9は、図8のB−B線に沿った側面図である。 図10は、タイプ3の制震間柱の施工方法の工程1を説明する図である。 図11は、タイプ3の制震間柱の施工方法の工程2を説明する図である。 図12は、従来の中央ボイド型の超高層RC集合住宅の平面図である。 図13は、従来の大容量の制震間柱の側断面図である。
以下に、本発明に係る制震間柱の施工方法の実施例としてタイプ1〜3の3タイプの大容量の制震間柱の施工方法を例にとり、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[タイプ1]
図1および図2に示すように、本実施の形態のタイプ1の制震間柱100は、中央ボイド型の超高層RC集合住宅の柱梁架構の略スパン中央に設置される間柱であって、RCによる上部柱10および下部柱12と、この間に設置された鋼材ダンパー14(せん断パネル)をウェブに有するH型形状の鋼材16(ダンパー部材)とからなる。この制震間柱100は、上部梁18と下部梁20との間に層間変形が生じた際にダンパーとして機能して振動エネルギーを吸収するものである。
上部柱10は、その内部に複数の主筋22(鋼材)と、フープ筋24および集中補強筋24aと、鉄骨であるH型形状の鋼材16とを打ち込んであるプレキャストコンクリート(以下、PCという。)で構成され、上部梁18の下面側に設けられる。主筋22は、上部梁18と接合可能なようにPCの上面から上方に向けて突出形成してあり、一部の主筋22は下端に機械式定着(プレートナット等)44を有する。H型形状の鋼材16は、PCの下面から下方に向けて突出形成してあり、PCの真下に鋼材ダンパー14が位置している。なお、この上部柱10の断面構造は、下部柱12と同様の断面構造とすることができ、例えば高さ1m×幅1m×奥行き0.5m程度の断面寸法とすることができる。
下部柱12は、下部梁20の上面側に設けられ、その内部に複数の主筋26(鋼材)と、フープ筋28および集中補強筋28aと、鉄骨であるH型形状の鋼材16とを有するコンクリートであり、現場打設により下部梁20上に構築されるものである。下部柱12は、主筋26を介して下部梁20と接合される。一部の主筋26は上端に機械式定着(プレートナット等)44を有する。なお、この下部柱12の断面構造は、上部柱10と同様の断面構造とすることができ、例えば高さ1m×幅1m×奥行き0.5m程度の断面寸法とすることができる。
鋼材ダンパー14は、H型形状の鋼材16のウェブの一部に設けたせん断パネルであり、間柱100内法の中央に配置してある。周囲のH型形状の鋼材16が鋼材ダンパー14部分を補剛し、高いエネルギー吸収能力を確保するようになっている。この鋼材ダンパー14は、日本鉄鋼連盟規格(JFS)のLY225などの所定の層せん断力により降伏する低降伏点鋼で構成してあり、その寸法としては、例えば、高さ350×幅350mm程度のものを用いることができる。また、H型形状の鋼材16のフランジやせん断パネルを除くウェブの部分は、例えば、JIS規格のSS400で構成することができる。
上記構成のタイプ1の制震間柱100の施工方法について、図3および図4を用いて説明する。
まず、図3の工程1に示すように、PCにより製作した上部柱10を、上部梁18のコンクリートの現場打設の前に上部梁18の下面側に設置する。この場合、上部柱10は、上部梁18内に若干(例えば20mm程度)食い込む位置に設置するものとする。
また、上部柱10は、その側部から下部梁20の上面に向けて斜めに配した斜めサポート30(仮支持部材)を介して、いわば下部梁20から浮かせた状態で仮固定しておく。一方、上部柱10を配置する上部梁18の下面の前後左右には、上部梁18のコンクリート打設用の梁底型枠32を設置しておく。
次いで、この状態で上部梁18の部分にコンクリートを流し込んで現場打設することにより主筋22を介して上部柱10と上部梁18とを一体化させる。なお、斜めサポート30の代わりに、図3中の破線で示すような逆U字状の仮支持部材30aを用いることもできる。この仮支持部材30aは、例えば角パイプとサポートとを組み合わせて構成してよい。
一方、図4の工程2に示すように、H型形状の鋼材16を上部柱10から吊り下げた状態で下部柱12をコンクリートの現場打設により構築する。この場合、吊り下げてあるH型形状の鋼材16と、下部梁20から上方に突き出ている複数の主筋26(鋼材)の周囲を囲むように、フープ筋28、集中補強筋28aを配置する。なお、H型形状の鋼材16のレベル調整は、H型形状の鋼材16の下端と下部梁20上面との間にレベルボルトやフィラープレートなどを設けることにより行うことができる。
続いて、下部梁20の上面にコンクリート打設用の側型枠34を前後左右に配置することによって上方が開口した角筒をつくり、この角筒内にコンクリートを流し込んで現場打設により下部柱12を構築する。こうすることで、タイプ1の制震間柱100が完成する。なお、下部梁20のスラブと立ち上がりは、コンクリートを別打ちすることにより、予め構築しておくものとする。
上記のタイプ1の制震間柱100の施工方法においては、上部柱10を構築した後で下部柱12を構築しているが、上部柱10と下部柱12とを同時並行的に構築してもよい。
このように、本発明のタイプ1の制震間柱100の施工方法によれば、上部柱10はPC化されることから現場打設が不要であり、底型枠も不要となる。このため、上記の従来の施工上の問題点である、上部柱10の底型枠の施工が困難という問題と、上部柱10と下部柱12のRCの施工により全体工程が延びる問題とを解決することができる。
また、PC化した上部柱10をいわば浮かせた状態で上部梁18と一体化することにより、上部柱10と下部柱12の施工期間中に鋼材ダンパー14に長期軸力が累積する問題を解決することができる。
さらに、上部柱10のみをPC化するため主筋22、26の接合に用いる機械式継手は不要であり、PC化によるコストアップも発生せず、現場製作することで更なるコスト改善も可能となる。したがって、施工性に配慮しつつ、大容量の制震間柱を低コストで施工することができる。
[タイプ2]
図5に示すように、本実施の形態のタイプ2の制震間柱200は、中央ボイド型の超高層RC集合住宅の柱梁架構の略スパン中央に設置される間柱であって、RCによる上部柱10および下部柱12と、この間に設置された鋼材ダンパー14(せん断パネル)をウェブに有するH型形状の鋼材16(ダンパー部材)とからなる。
このタイプ2の制震間柱200は、上記のタイプ1の制震間柱100において、鋼材ダンパー14の上下にベースプレート36、38を設け、上部柱10、下部柱12から突出させた主筋22、26の端部をねじ式鉄筋にし、これをベースプレート36、38に設けた図示しない孔に挿通してロックナット42で締結固定したものである。
上部柱10は、現場打ちコンクリートにより構築してもよいし、プレキャストコンクリートとして配置してもよい。上部柱10が現場打ちコンクリートの場合には、鋼材ダンパー14の上部に設ける上部ベースプレート36は、上部柱10のコンクリートを打設する際の底面型枠として使用することができる。また、この場合、上部ベースプレート36の上側にリブプレートを設けて、上部柱10のコンクリートとの密着性を高めてもよい。
また、ベースプレート36、38と鋼材ダンパー14のフランジの間にリブプレートを溶接してもよい。こうすることで、ベースプレート36、38の板厚を減じることができる。なお、このようなリブプレートは、RCからなる上部柱10および下部柱12と、鋼材ダンパー14とのずれ止めとしても利用することができる。
上記構成のタイプ2の制震間柱200の施工方法について、図6および図7を用いて説明する。
まず、図6の工程1に示すように、まだ打設していない上部梁18と上部柱10間に主筋22、フープ筋24および集中補強筋24aを配置する。次いで、上部梁18の下面に梁コンクリート打設用の梁底型枠32を配置するとともに、上部柱10の側面に柱コンクリート打設用の側型枠40を配置することによって上下が開口した角筒をつくる。
続いて、鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36を上部柱10の底面に配置する。この上部ベースプレート36は、柱コンクリート打設用の底面型枠として使用される。ねじ式鉄筋である主筋22の端部を上部ベースプレート36に設けた図示しない孔に挿通して座金およびロックナット42で締結固定し、この主筋22をアンカーボルトとして用いる。なお、この場合、鋼材ダンパー14の下部ベースプレート38に設けた図示しない孔には、下部梁20から上方に突き出ている複数の主筋26の上端部を挿通しておく。
また、上部柱10の型枠40は、その側部から下部梁20の上面に向けて斜めに配した斜めサポート30(仮支持部材)を介して、いわば下部梁20から浮かせた状態で仮固定しておく。斜めサポート30の代わりに、図6中の破線で示すような逆U字状の仮支持部材30aを用いることもできる。
そして、上述の角筒内に上方からコンクリートを流し込んで、現場打設により上部柱10と上部梁18とを構築し主筋22を介して一体化させる。
一方、図7の工程2に示すように、鋼材ダンパー14を上部柱10から吊り下げた状態で下部柱12をコンクリートの現場打設により構築する。この場合、下部梁20から上方に突き出ている複数の主筋26(鋼材)の周囲を囲むように、フープ筋28および集中補強筋28aを配置する。
続いて、下部梁20の上面にコンクリート打設用の側型枠34を前後左右に配置することによって上方の一部が開口した角筒をつくり、この角筒内にコンクリートを流し込んで現場打設により下部柱12を構築する。そして、ねじ式鉄筋である主筋26の上端部を下部ベースプレート38に設けた図示しない孔に挿通して座金およびロックナット42で締結固定し、この主筋26をアンカーボルトとして用いる。こうすることで、タイプ2の制震間柱200が完成する。なお、下部梁20のスラブと立ち上がりは、コンクリートを別打ちすることにより、予め構築しておくものとする。
上記のタイプ2の制震間柱200の施工方法においては、上部柱10を構築した後で下部柱12を構築しているが、上部柱10と下部柱12とを同時並行的に構築してもよい。また、上記の施工方法においては、上部柱10を現場打ちコンクリートにより構築する場合について説明したが、PCにより構築してもよい。この場合、PCの下面から突き出たねじ式鉄筋に鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36を固定することができる。
このように、本発明のタイプ2の制震間柱200の施工方法によれば、鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36が上部柱10の底面型枠の役割を果たすので、在来工法のまま上部柱10の底面型枠の簡略化を可能にすることができる。
[タイプ3]
図8および図9に示すように、本実施の形態のタイプ3の制震間柱300は、中央ボイド型の超高層RC集合住宅の柱梁架構の略スパン中央に設置される間柱であって、RCによる上部柱10および下部柱12と、この間に設置された鋼材ダンパー14(せん断パネル)をウェブに有するH型形状の鋼材16(ダンパー部材)とからなる。
このタイプ3の制震間柱300は、下部柱12内にH型形状の鋼材を埋め込んだタイプ1と、上部柱10との取合いをベースプレートにしたタイプ2とを組み合わせた形式の制震間柱である。具体的には、鋼材ダンパー14の上端に上部ベースプレート36を設け、上部柱10から突出させた主筋22の端部をねじ式鉄筋にし、これを上部ベースプレート36と固定する一方で、鋼材ダンパー14の下側をH型形状の鋼材16で構成し、これを下部柱12内に埋設する。
上部柱10は、現場打ちコンクリートにより構築してもよいし、プレキャストコンクリートとして配置してもよい。上部柱10が現場打ちコンクリートの場合には、鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36は、上部柱10のコンクリートを打設する際の底面型枠として使用することができる。また、この場合、上部ベースプレート36の上側にリブプレートを設けて、上部柱10のコンクリートとの密着性を高めてもよい。
また、上部ベースプレート36と鋼材ダンパー14のフランジの間にリブプレートを溶接してもよい。こうすることで、ベースプレート36の板厚を減じることができる。なお、このようなリブプレートは、RCからなる上部柱10および下部柱12と、鋼材ダンパー14とのずれ止めとしても利用することができる。
上記構成のタイプ3の制震間柱300の施工方法について、図10および図11を用いて説明する。
まず、図10の工程1に示すように、まだ打設していない上部梁18と上部柱10間に主筋22、フープ筋24および集中補強筋24aを配置する。次いで、上部梁18の下面に梁コンクリート打設用の梁底型枠32を配置するとともに、上部柱10の側面に柱コンクリート打設用の側型枠40を配置することによって上方が開口した角筒をつくる。
続いて、鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36を上部柱10の底面に配置する。この上部ベースプレート36は、柱コンクリート打設用の底面型枠として使用される。ねじ式鉄筋である主筋22の端部を上部ベースプレート36に設けた孔に挿通して座金およびロックナット42で締結固定し、この主筋22をアンカーボルトとして用いる。
この鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36および上部柱10の側型枠40は、逆U字状の仮支持部材30aを介して、いわば下部梁20から浮かせた状態で仮固定しておく。
そして、上述の角筒内に上方からコンクリートを流し込んで、現場打設により上部柱10と上部梁18とを構築し主筋22を介して一体化させる。
一方、図11の工程2に示すように、鋼材ダンパー14を上部柱10から吊り下げた状態で下部柱12をコンクリートの現場打設により構築する。この場合、上部柱10から吊り下げてあるH型形状の鋼材16と、予め下部梁20から上方に突き出ている複数の主筋26(鋼材)の周囲を囲むように、フープ筋28および集中補強筋28aを配置する。なお、H型形状の鋼材16のレベル調整は、H型形状の鋼材16の下端と下部梁20上面との間にレベルボルトやフィラープレートなどを設けることにより行うことができる。
続いて、下部梁20の上面にコンクリート打設用の側型枠34を前後左右に配置することによって上方が開口した角筒をつくり、この角筒内にコンクリートを流し込んで現場打設により下部柱12を構築する。こうすることで、タイプ3の制震間柱300が完成する。なお、下部梁20のスラブと立ち上がりは、コンクリートを別打ちすることにより、予め構築しておくものとする。
上記のタイプ3の制震間柱300の施工方法においては、上部柱10を構築した後で下部柱12を構築しているが、上部柱10と下部柱12とを同時並行的に構築してもよい。また、上記の施工方法においては、上部柱10を現場打ちコンクリートにより構築する場合について説明したが、PCにより構築してもよい。この場合、PCの下面から突き出たねじ式鉄筋に鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36を固定することができる。なお、PCとせずに現場打ちコンクリートにより構築する場合には、施工計画の自由度が大きくなる。
このように、本発明のタイプ3の制震間柱300の施工方法によれば、上記の従来の施工上の問題点である、上部柱10の底型枠の施工が困難という問題は、鋼材ダンパー14の上部ベースプレート36により解決することができる。また、上部柱10と下部柱12のRCの施工により全体工程が延びる問題は、工程が1日以上延びるほどの深刻な影響を及ぼすものとはならない。さらに、下部柱12内に埋設されるH型形状の鋼材16を浮かせて施工することにより、鋼材ダンパー14に長期軸力が累積する事態も未然に防止することができる。したがって、施工性に配慮しつつ、大容量の制震間柱を低コストで施工することができる。
以上説明したように、本発明によれば、建物の上部梁と下部梁との間に設けられ、前記上部梁と前記下部梁との間に層間変形が生じた際にダンパーとして機能して振動エネルギーを吸収する制震間柱であり、前記上部梁の下面側に設けられ、前記上部梁と鋼材を介して接合した上部柱と、前記下部梁の上面側に設けられ、前記下部梁と鋼材を介して接合した下部柱と、前記上部柱と前記下部柱との間に接合され、所定の層せん断力により降伏する鋼材からなるせん断パネルを有するダンパー部材とを備える制震間柱の施工方法であって、前記上部柱を前記上部梁のコンクリートの現場打設の前または同時に構築する一方で、前記ダンパー部材を前記上部柱から吊り下げた状態で前記下部柱をコンクリートの現場打設により構築する。
このため、上記の従来の施工上の問題点である、上部柱の底型枠の施工が困難という問題と、上部柱と下部柱のRCの施工により全体工程が延びる問題と、上部柱と下部柱の施工期間中に鋼材ダンパーに長期軸力が累積する問題とを解決するとともに、低コストで施工することができる。
以上のように、本発明に係る制震間柱の施工方法は、建物の上下梁の間に設けられる制震間柱の施工方法に有用であり、特に、中央ボイド型の超高層RC集合住宅に用いる大容量の制震間柱の施工方法に適している。
10 上部柱
12 下部柱
14 鋼材ダンパー(せん断パネル)
16 H型形状の鋼材(ダンパー部材)
18 上部梁
20 下部梁
22,26 主筋(鋼材)
24,28 フープ筋
24a,28a 集中補強筋
30 斜めサポート(仮支持部材)
30a 仮支持部材
32 梁底型枠
34 側型枠(下部柱用)
36 上部ベースプレート
38 下部ベースプレート
40 側型枠(上部柱用)
42 ロックナット
44 機械式定着(プレートナット等)
100 制震間柱(タイプ1)
200 制震間柱(タイプ2)
300 制震間柱(タイプ3)

Claims (8)

  1. 建物の上部梁と下部梁との間に設けられ、前記上部梁と前記下部梁との間に層間変形が生じた際にダンパーとして機能して振動エネルギーを吸収する制震間柱であり、
    前記上部梁の下面側に設けられ、前記上部梁と鋼材を介して接合した上部柱と、
    前記下部梁の上面側に設けられ、前記下部梁と鋼材を介して接合した下部柱と、
    前記上部柱と前記下部柱との間に接合され、所定の層せん断力により降伏する鋼材からなるせん断パネルを有するダンパー部材とを備える制震間柱の施工方法であって、
    前記上部柱を前記上部梁のコンクリートの現場打設の前または同時に構築する一方で、前記ダンパー部材を前記上部柱から吊り下げた状態で前記下部柱をコンクリートの現場打設により構築することを特徴とする制震間柱の施工方法。
  2. 前記上部柱はプレキャストコンクリートからなり、前記上部梁のコンクリートの現場打設の前に、前記上部柱を構築予定の前記上部梁の下面側に仮支持部材を介して予め配置することを特徴とする請求項1に記載の制震間柱の施工方法。
  3. 前記プレキャストコンクリートの上面には、前記上部梁と接合するための鋼材が上方に向けて突出形成してあり、下面には、前記ダンパー部材が下方に向けて突出形成してあることを特徴とする請求項2に記載の制震間柱の施工方法。
  4. 前記ダンパー部材の両端にベースプレートを設け、前記鋼材を前記上部柱および前記下部柱からそれぞれ突出させるとともに、前記鋼材の端部を前記ベースプレートに設けた孔にそれぞれ挿通して固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の制震間柱の施工方法。
  5. 前記上部柱は前記上部梁のコンクリートと同時に現場打設により構築されるコンクリートであり、前記ダンパー部材の上端に前記上部柱のコンクリートを打設する際の型枠として使用可能なベースプレートを設け、前記鋼材を前記上部柱から下方に突出させるとともに、前記鋼材の端部を前記ベースプレートに設けた孔に挿通して固定する一方で、前記ダンパー部材の下端を前記下部柱内に埋設することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の制震間柱の施工方法。
  6. 前記ベースプレートにリブプレートを溶接し、前記ベースプレートの板厚を減じたことを特徴とする請求項4または5に記載の制震間柱の施工方法。
  7. 前記ダンパー部材は、H型形状の鋼材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の制震間柱の施工方法。
  8. 前記せん断パネルは、低降伏点鋼あるいは極低降伏点鋼からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の制震間柱の施工方法。
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