JP5778062B2 - 耐震・制振部材設置構造 - Google Patents

耐震・制振部材設置構造 Download PDF

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Description

本発明は、耐震・制振部材設置構造に関する。詳しくは、既存建物の上下の梁間に、地震や強風による建物の振動を抑制する耐震・制振部材が設置された耐震・制振部材設置構造に関する。
従来より、旧耐震設計基準に基づいて設計された既存建物に対して、地震発生時に発生する柱梁架構の大きな変形を抑制するため、この柱梁架構面内に新たに耐振部材を増設することが行われている。
耐振部材としては、例えば、油圧ダンパを介装した制振ブレースや、柱梁架構を構成する上下階の梁間に設置された制振間柱などが採用されている。
このうち、制振間柱は、例えば、鉄骨造の柱梁架構を有する既存建物に増設される。
この既存建物は、隣り合う一対の柱と、これら一対の柱間に架設された上下一対の鉄骨梁と、これら一対の鉄骨梁のそれぞれの上に形成された上下一対のスラブと、を有する。
制振間柱は、上下鉄骨梁間に間柱が設置されるものであり、例えばH形鋼からなる上部間柱と下部間柱との間に、水平方向の変位を減衰させる油圧ダンパ、粘性体、粘性弾性などが介装され、この油圧ダンパの一端部が上部間柱と一体化されるとともに他端部が下部間柱と一体化されたものである。
間柱の上端部には、その間柱を設置する階の直上階の鉄骨梁のフランジの下面に当接するように上側ベースプレートが設けられる。また、この直上階のスラブの上面には、スラブ上側対向ベースプレート設置され、上側ベースプレートと上側対向ベースプレートとは、緊結部材で連結されている。
間柱の下端部には、その間柱を設置する階のスラブの上面に当接するように下側ベースプレートが設けられる。その間柱を設置する階の鉄骨梁のフランジの下面には、下側対向ベースプレートが設置され、下側ベースプレートと下側対向ベースプレートとは、スラブを貫通する緊結部材で連結されている。
上述の制振間柱によれば、地震時に油圧ダンパが地震エネルギーを吸収して、柱梁架構が負担する地震力を抑制できる。
特許第4151693号公報
ところで、上述の制振間柱の吸収する地震エネルギーをより増大させたい場合がある。この場合、緊結部材に導入する緊張力を大きくして、既存建物の架構と制振間柱とを高い剛性で接合する必要がある。そこで、緊結部材に導入する緊張力を増大させると、スラブに作用する圧縮応力が高くなり、スラブが損壊するおそれがあった。
この問題を解決するため、既存スラブ上にコンクリート躯体を増打ちする方法や、既存スラブを撤去し、新たにスラブを打設したり緊結部材を梁に溶接したりする方法が考えられるが、いずれも施工費用が高くなる、という問題があった。
本発明は、耐震・制振部材で吸収する地震エネルギーを低コストで増大できる耐震・制振部材設置構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の耐震・制振部材設置構造(例えば、後述の耐震・制振部材設置構造1)は、既存建物(例えば、後述の既存建物10)の上下の梁(例えば、後述の鉄骨梁12)間に、当該建物の振動を抑制する耐震・制振部材(例えば、後述の制振間柱14)が設置された耐震・制振部材設置構造であって、前記耐震・制振部材の上端部に設けられた上側ベースプレート(例えば、後述の上側ベースプレート16)と、上側のスラブ(例えば、後述の上側のスラブ13)を挟んで当該上側ベースプレートに対向して配置された上側対向ベースプレート(例えば、後述の上側対向ベースプレート16a)と、前記上側ベースプレートと前記上側対向ベースプレートとを連結する緊結部材(例えば、後述の緊結部材20)と、前記耐震・制振部材の下端部に設けられた下側ベースプレート(例えば、後述の下側ベースプレート17)と、下側のスラブ(例えば、後述の下側のスラブ13)を挟んで当該下側ベースプレートに対向して配置された下側対向ベースプレート(例えば、後述の下側対向ベースプレート17a)と、前記下側ベースプレートと前記下側対向ベースプレートとを連結する緊結部材(例えば、後述の緊結部材20)と、を備え、前記上側ベースプレートと前記上側対向ベースプレートとの間、および、前記下側ベースプレートと前記下側対向ベースプレートとの間には、モルタルで形成された高強度部(例えば、後述の高強度部30)が形成され、前記高強度部は、前記スラブよりも高強度であり、平面視で前記スラブの少なくとも一部に設けられることを特徴とする。
請求項2に記載の耐震・制振部材設置構造は、前記高強度部は、前記緊結部材に緊張力を導入することにより前記高強度部に生じる圧縮応力度が、当該高強度部を形成するモルタルの許容圧縮応力度よりも小さくなるように設定されることを特徴とする。
請求項3に記載の耐震・制振部材設置構造は、前記高強度部の検定断面は、前記下側ベースプレートの下面および前記梁の上フランジの上面のうち少なくとも一方である。
ここで、耐震・制振部材とは、耐震部材および制振部材であり、地震や強風などによる建物の振動や変形を抑制する部材である。
耐震部材としては、建物に剛性を与えて地震時や強風時の建物の変形を抑える間柱や、鉛直方向の振動を抑える間柱が含まれる。
また、制振部材としては、ダンパ、粘性体、粘弾性体などの建物に加わる力を吸収する部材や、建物に加わる力に対抗して力を加える装置が含まれる。
また、圧縮応力度とは、緊結部材に緊張力を導入することで、緊張力の反作用により生じるものや、ベースプレートを介した支圧作用により生じるものが含まれる。
この発明によれば、ベースプレートと対向ベースプレートとの間に、モルタルで形成された高強度部を形成した。よって、スラブの許容圧縮応力が増大するので、緊結部材に導入する緊張力を大きくして、既存建物の柱梁架構と耐震・制振部材とを高い剛性で接合できる。その結果、耐震・制振部材で吸収する地震エネルギーを増大できる。
また、スラブをコア抜きして、その後、このコア抜きした部分にモルタルを流し込むことで、高強度部を形成した。
よって、コア抜きの穿孔断面積を調整するだけで、必要な圧縮強度を容易に実現できるので、施工容易となる。
また、コア抜き作業およびモルタルの充填作業のみ高強度部を構築できるため、短期間で工事を完了でき、施工費用も低く抑えることができる。
また、梁の上フランジの直上の位置でコア抜きすれば、モルタルを充填する際、モルタル受けの型枠などが不要となるため施工効率がさらに向上する。
また、高強度部の底面には、梁の上面が当接し、側面には、スラブのコンクリートに当接し、上面には、ベースプレートが当接する。これにより、この高強度部は、四方から拘束されるため、上下方向から圧縮力を受けた際に、モルタルの設計値以上の強度発現を期待できる。
本発明によれば、ベースプレートと対向ベースプレートとの間に、モルタルで形成された高強度部を形成した。よって、スラブの許容圧縮応力が増大するので、緊結部材に導入する緊張力を大きくして、既存建物の柱梁架構と耐震・制振部材とを高い剛性で接合できる。その結果、耐震・制振部材で吸収する地震エネルギーを増大できる。また、スラブをコア抜きして、その後、このコア抜きした部分にモルタルを流し込むことで、高強度部を形成した。
よって、コア抜きの穿孔断面積を調整するだけで、必要な圧縮強度を容易に実現できるので、施工容易となる。また、コア抜き作業およびモルタルの充填作業のみ高強度部を構築できるため、短期間で工事を完了でき、施工費用も低く抑えることができる。また、梁の上フランジの直上の位置でコア抜きすれば、モルタルを充填する際、モルタル受けの型枠などが不要となるため施工効率がさらに向上する。また、高強度部の底面には、梁の上面が当接し、側面には、スラブのコンクリートに当接し、上面には、ベースプレートが当接する。これにより、この高強度部は、四方から拘束されるため、上下方向から圧縮力を受けた際に、モルタルの設計値以上の強度発現を期待できる。
本発明の第1実施形態に係る耐震・制振部材設置構造1が適用された既存建物10の断面図である。 図1のA−A断面図である。 前記実施形態に係る制振間柱の上端部および下端部の拡大断面図である。 図3のB−B断面図である。 本発明の第2実施形態に係る制振ブレースの側断面図である。 図5のC−C断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る耐震・制振部材設置構造1が適用された既存建物10の断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。
この既存建物10は、隣り合う一対の鋼管柱11と、これら一対の鋼管柱11間に架設された上下一対のH形鋼からなる鉄骨梁12と、これら一対の鉄骨梁12のそれぞれの上に形成された上下一対のスラブ13と、を有する。
上下の鉄骨梁12の間には、鋼管柱11同士の略中間位置において、略鉛直方向に延びる耐震・制振部材としての制振間柱14が設置されている。この制振間柱14は、地震時の揺れを抑制するものであり、上下階の他の制振間柱14に連結されている。
制振間柱14は、略鉛直方向に延びる上部間柱14aと、略鉛直方向に延びる下部間柱14bと、これら上部間柱14aと下部間柱14bとの間に設けられて地震時の水平方向の地震エネルギを吸収する油圧ダンパ15と、を備える。
油圧ダンパ15は、その一端部15aが上部間柱14aと一体化されるとともに他端部15bが下部間柱14bと一体的に連結されている。
図3および図4は、制振間柱14の上端部および下端部の拡大断面図である。
制振間柱14の上端部には、上側の鉄骨梁12の下フランジ12bの下面に配置された長方形板状の上側ベースプレート16が設けられている。
また、上側のスラブ13の上面には、長方形板状の上側対向ベースプレート16aが配置されており、上側ベースプレート16と上側対向ベースプレート16aとは、複数本(本実施形態では、合計12本)の緊結部材20で緊結されている。
緊結部材20は、スラブ13、上側ベースプレート16、および上側対向ベースプレート16aを貫通するPC鋼棒21と、このPC鋼棒21の上下端部に取り付けられた定着具22と、を備える。
このPC鋼棒21には、所定の緊張力が導入されており、これにより、上側のスラブ13には、圧縮応力が生じている。
制振間柱14の下端部も、制振間柱14の上端部と略同じ構造である。すなわち、制振間柱14の下端部には、下側のスラブ13の上面に配置された下側ベースプレート17が設けられている。
また、下側の鉄骨梁12の下フランジ12bの下面には、長方形板状の下側対向ベースプレート17aが配置され、下側ベースプレート17と下側対向ベースプレート17aとは、複数本(本実施形態では、合計12本)の緊結部材20で緊結されている。
緊結部材20は、スラブ13、下側ベースプレート17、および下側対向ベースプレート17aを貫通するPC鋼棒21と、このPC鋼棒21の上下端部に取り付けられた定着具22と、を備える。
このPC鋼棒21には、所定の緊張力が導入されており、これにより、下側のスラブ13には、圧縮応力が生じている。
本実施形態では、制振間柱14が上下階の他の制振間柱14に連結されているため、上側対向ベースプレート16aは、上階の制振間柱14の下側ベースプレート17となり、下側対向ベースプレート17aは、下階の制振間柱14の上側ベースプレート16となっている。
上下の鉄骨梁12の上フランジ12aと下フランジ12bとの間には、ベースプレート16、17の面内に位置するように、複数個(本実施形態では、ウエブを挟んで両側のそれぞれ3個ずつ)の角鋼管からなる補強部材18が介装されている。なお、各々の補強部材18は、平面視において、その長手方向の両端部外方に、後述するPC鋼棒21が位置するように配置されている。
また、上側対向ベースプレート16aと上側のスラブ13との間、および、下側ベースプレート17と下側のスラブ13との間には、高強度モルタル(グラウト)が充填されている。
また、上側のスラブ13の上側ベースプレート16と上側対向ベースプレート16aとの間、および、下側のスラブ13の下側ベースプレート17と下側対向ベースプレート17aとの間には、高強度モルタルで形成された高強度部30が形成される(図1〜図4中ハッチングで示す)。本実施形態では、高強度部30は6個形成される。
高強度部30は、鉄骨梁12の上フランジ12aの直上の位置で、スラブ13をコア抜きし、その後、このコア抜きした部分に高強度モルタルを充填して形成される。
この高強度部30の合計断面積およびモルタル強度は、以下の手順で求められる。
すなわち、まず、上側ベースプレート16と上側対向ベースプレート16aとの間の上側スラブ13の上端面を、検定断面Sとする。また、下側ベースプレート17と下側対向ベースプレート17aとの間の下側スラブ13の下端面を検定断面Sとする。
次に、緊結部材の緊張力により各検定断面S、Sに作用する平均圧縮応力度を求める。
最後に、検定断面S、Sの平均圧縮応力度が、スラブコンクリートの長期圧縮応力度より小さくなるように、高強度部の合計断面積またはモルタル強度を設定する。
ここで、検定断面S、Sにおける平均圧縮応力度σは、以下の式(1)で表される。
Figure 0005778062
式(1)中、Nは、緊結部材により検定断面S、Sに作用する全緊張力である。Aは、検定断面S、Sにおける水平断面積である。Aは、検定断面における高強度部の合計断面積である。
また、γは、高強度モルタルの圧縮強度を等価なスラブコンクリート強度に置換した場合の割増係数である。このγは、以下の式(2)で表される。
Figure 0005778062
式(2)中、Fは、スラブコンクリートの設計基準強度であり、F´は、高強度モルタルの設計基準強度である。
そして、以下の式(3)が成立するように、検定断面S、Sにおける高強度部の合計断面積Aまたは高強度モルタルの設計基準強度F´を設定すればよい。
ればよい。
Figure 0005778062
式(3)中、αは、コンクリートの長期許容圧縮応力度を求めるための係数であり、建築基準法施行令第91条に、α=1/3として規定されている。
以下に、検定断面Sについて、スラブが十分な強度を有しているか否かの検討例を示す。
PC鋼棒の緊張力 300kN/本
PC鋼棒の本数 12本
ベースプレート 400mm×1330mm
コンクリートの設計基準強度(Fc) 21N/mm
コンクリートの長期許容圧縮応力度を求めるための係数(α) 1/3
高強度モルタルの設計基準強度(Fc´) 60N/mm
コア抜き径 150mm
コア抜き箇所 6箇所
スラブ厚さ 150mm
鉄骨梁幅 200mm
以上より、N=PC鋼棒緊張力×PC鋼棒本数=300kN/本×12本=3600kNとなる。また、f長期は、1/3×21N/mm=7N/mmとなる。
γは、1.86となり、Aは、75×75×π×6=106028mmとなる。
まず、検定断面Sでは、圧縮応力が生じる面積Aは、400mm×1330mm=532000mmとなる。
よって、検定断面Sの平均圧縮応力度をσは、以下の式(4)に従って求められる。
Figure 0005778062
平均圧縮応力度σはf長期より小さいので、検定断面Sにおいて、スラブは十分な強度を有している、といえる。
次に、検定断面Sについての検討例を示す。圧縮応力が生じる面積Aは、200mm×1630mm=326000mmである。
よって、検定断面Sの平均圧縮応力度σは、以下の式(5)により求められる。
Figure 0005778062
平均圧縮応力度σはf長期より小さいので、検定断面Sにおいて、スラブは十分な強度を有している、といえる。したがって、本検討結果より、直径150mm、モルタル強度Fc´=60N/mmの高強度部を6箇所設けることで、検定断面S、Sに生じる平均圧縮応力度をスラブコンクリートの長期許容圧縮応力度より小さくできることが確認できた。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)ベースプレート16、17と対向ベースプレート16a、17aとの間のスラブ13に、高強度モルタルで形成された高強度部30を形成した。よって、スラブ13の許容圧縮応力が増大するので、緊結部材20に導入する緊張力を大きくして、既存建物10の柱梁架構と制振間柱14とを高い剛性で接合できる。その結果、制振間柱14で吸収する地震エネルギーを増大できる。
(2)スラブ13をコア抜きして、その後、このコア抜きした部分に高強度モルタルを流し込むことで、高強度部30を形成した。
よって、コア抜きの穿孔断面積を調整するだけで、必要な圧縮強度を容易に実現できるので、施工容易となる。
また、コア抜き作業および高強度モルタルの充填作業のみ高強度部30を構築できるため、短期間で工事を完了でき、施工費用も低く抑えることができる。
また、鉄骨梁12の上フランジ12aの直上の位置でコア抜きすることにより、高強度モルタルを充填する際、モルタル受けの型枠などが不要となるため施工効率がさらに向上する。
また、高強度部30は、四方から拘束されるため、上下方向から圧縮力を受けた際に、モルタルの設計値以上の強度発現を期待できる。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係る耐震・制振部材としての制振ブレース40の側断面図である。図6は、図5のC−C断面図である。
制振ブレース40は、下側のスラブ13の鋼管柱11同士の略中間位置に設けられた油圧ダンパ15と、この油圧ダンパ15の一端部15aから上側の鉄骨梁12に向かって略V字形状に延びるブレース本体41と、を備える。
ブレース本体41の上端部には、上側の鉄骨梁12の下フランジ12bの下面に配置された長方形板状の上側ベースプレート16が設けられている。
油圧ダンパ15の他端部15bには、下側のスラブ13の上面に配置された下側ベースプレート17が設けられている。
本実施形態においても、上側ベースプレート16と上側対向ベースプレート16aとの間の上側スラブ13の上端面を、検定断面Sとする。また、下側ベースプレート17と下側対向ベースプレート17aとの間の下側スラブ13の下端面を検定断面Sとする。
本実施形態によれば、上述の(1)〜(2)と同様の効果がある。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態では、制振間柱14に油圧ダンパ15を設けたが、これに限らない。例えば、油圧ダンパ15の代わりに、上部間柱14aと下部間柱14bとの間に粘弾性ダンパを設けてもよいし、H形鋼のウエブ部分に低降伏点鋼が接合された履歴減衰ダンパを有する制振間柱としてもよい。
また、本実施形態では、スラブコンクリートの長期圧縮応力度を基準として、高強度部の合計断面積またはモルタル強度を設定したが、これに限らず、本実施形態と同様の手順で、スラブコンクリートの短期圧縮応力度を基準として、高強度部の合計断面積またはモルタル強度を設定してもよい。
また、本実施形態では、スラブ13をコア抜きし、その後、このコア抜きした部分に高強度モルタルを充填することで高強度部30を形成したが、これ限らない。例えば、上側対向ベースプレート16aと上側のスラブ13との間や、下側ベースプレート17と下側のスラブ13との間に、所定の厚みで高強度モルタルを充填することで高強度部を形成してもよいし、スラブ13に切り込みを入れて、この切り込んだ部分に高強度モルタルを充填することで高強度部を形成してもよい。
1…耐震・制振部材設置構造
10…既存建物
11…鋼管柱
12…鉄骨梁
12a…上フランジ
12b…下フランジ
13…スラブ
14…制振間柱(耐震・制振部材)
14a…上部間柱
14b…下部間柱
15…油圧ダンパ(制振機構)
15a…油圧ダンパの一端部
15b…油圧ダンパの他端部
16…上側ベースプレート
16a…上側対向ベースプレート
17…下側ベースプレート
17a…下側対向ベースプレート
18…補強部材
20…緊結部材
21…PC鋼棒
22…定着具
30…高強度部
S1、S2…検定断面
40…制振ブレース(耐震・制振部材)
41…ブレース本体

Claims (3)

  1. 既存建物の上下の梁間に、当該建物の振動を抑制する耐震・制振部材が設置された耐震・制振部材設置構造であって、
    前記耐震・制振部材の上端部に設けられた上側ベースプレートと、
    上側のスラブを挟んで当該上側ベースプレートに対向して配置された上側対向ベースプレートと、
    前記上側ベースプレートと前記上側対向ベースプレートとを連結する緊結部材と、
    前記耐震・制振部材の下端部に設けられた下側ベースプレートと、
    下側のスラブを挟んで当該下側ベースプレートに対向して配置された下側対向ベースプレートと、
    前記下側ベースプレートと前記下側対向ベースプレートとを連結する緊結部材と、を備え、
    前記上側ベースプレートと前記上側対向ベースプレートとの間、および、前記下側ベースプレートと前記下側対向ベースプレートとの間には、モルタルで形成された高強度部が形成され、
    前記高強度部は、前記スラブよりも高強度であり、平面視で前記スラブの少なくとも一部に設けられることを特徴とする耐震・制振部材設置構造。
  2. 前記高強度部は、前記緊結部材に緊張力を導入することにより前記高強度部に生じる圧縮応力度が、当該高強度部を形成するモルタルの許容圧縮応力度よりも小さくなるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の耐震・制振部材設置構造。
  3. 前記高強度部の検定断面は、前記下側ベースプレートの下面および前記梁の上フランジの上面のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項2に記載の耐震・制振部材設置構造。
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