JP6058332B2 - コンクリート柱の耐震補強構造及びコンクリート柱の耐震補強方法 - Google Patents

コンクリート柱の耐震補強構造及びコンクリート柱の耐震補強方法 Download PDF

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Description

本発明は高架橋柱、橋脚、橋台、建築柱など、コンクリート柱に関するものであり、特に、地震の揺れにより発生する損傷を軽減するコンクリート柱の耐震補強構造、並びに、コンクリート柱の耐震補強方法に関するものである。
既設の高架橋柱、橋脚、橋台、建築中など、コンクリート柱に対する耐震補強としては、鋼板巻き補強、RC巻き補強等の方法が利用されている。特許文献1〜3にみられるように、コンクリート柱に関する各種補強方法が提案されている。
ところで、近年の比較的規模の大きな地震によって高架橋柱に損傷が発生している。高架橋柱の損傷は、大きく二つ(せん断損傷、曲げ損傷)に分類することができる。
せん断損傷とは、柱の中間付近で斜めにひび割れが発生し、斜めのひび割れ面で柱のずれが大きくなると、柱が2分割された状態となる。このため、高架橋上層部(梁やスラブ)が落橋するような甚大な被害となる場合がある。1995年の兵庫県南部地震では、せん断損傷によって高架橋の落橋が発生した。
曲げ損傷とは、せん断損傷ほど甚大な被害とはならないが、柱上端あるいは柱下端の曲げモーメントが大きくなる箇所で、かぶりコンクリートが剥落し、軸方向鉄筋が露出するような損傷を伴う形態である。曲げ損傷箇所で十分な性能を有していない場合、軸方向鉄筋内部のコアコンクリートと呼ばれる部分が欠落する場合もある。そのような場合、高架橋上層部が若干沈下する可能性もある。
特開平9−143931公報 特許第3844323号公報 特許第4167167号公報
高架橋柱の耐震補強は、1995年の兵庫県南部地震以降、多く実施されている。一般的な工法としては、柱周面に鋼板を巻き立て、鋼板と柱の隙間にモルタルを充填する方法(鋼板巻き補強工法)、コンクリートを巻き立てる方法(RC巻き補強工法)、合成樹脂シートを高架橋柱周面に巻き、シートに樹脂を含浸させることで高架橋柱に接着する方法等が知られている。
これらの耐震補強工法は、高架橋柱に補強材等を巻き立てることにより、高架橋柱自体のせん断補強効果を図るものである。このような耐震補強工法では、補強材の量を多くすることで必要な変形性能に対して対応することが可能である。これらの耐震補強を行った場合であっても、高架橋柱の変形量が補強工法の限界変位を超えた場合、高架橋柱に損傷が生じてしまう。特に高架橋柱に補強材を多く配置した場合、高架橋柱自体の重量増加により、高架橋柱内の軸方向鉄筋が振動の繰り返しの影響で破断しやすくなる(低サイクル疲労)場合もある。
このようにコンクリート柱としての高架橋柱は、現在用いられている耐震補強工法を実
施した場合であっても、大規模な地震において強い揺れを数回受けると、大きな被害に発展する可能性がある。
そのため本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造は、
コンクリート柱の振動変位を抑制する耐震補強構造であって、
前記コンクリート柱の上部近傍に固定された第1固定部と、
前記コンクリート柱の下部近傍に固定された第2固定部と、
前記第1固定部と前記第2固定部とを接続する補強材と、を備え、
前記補強材は、前記コンクリート柱から離間して配置されており、前記コンクリート柱と前記補強材が干渉(接触)せず、
前記コンクリート柱が延在する方向に沿って配置されており、
複数の前記補強材を備え、
複数の前記補強材を互いに連結する連結材が設けられていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造において、
前記補強材は、前記コンクリート柱の所定面側と、前記所定面と前記コンクリート柱を挟んで対向する対向面側に配置されていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造において、
1の構造物を複数の前記コンクリート柱で支持するとともに、
前記補強材は、ある前記コンクリート柱の所定面側と、前記所定面と複数の前記コンクリート柱を挟んで対向する対向面側に配置されていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造において、
前記第1固定部は、前記コンクリート柱の梁に固定されていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造において、
前記第2固定部は、前記コンクリート柱のフーチングに固定されていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造において、
前記補強材は、前記コンクリート柱を巻回して配置されていることを特徴とする。
さらに本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造は、
前記コンクリート柱に固定され、前記補強材を可動可能に支持する支持部材を有する。
また本発明に係るコンクリート柱の耐震補強方法は、
コンクリート柱の上部近傍に第1固定部を固定し、
前記コンクリート柱の下部近傍に第2固定部を固定し、
前記第1固定部と前記第2固定部とを補強材で連結し、
前記コンクリート柱の振動変位を抑制するコンクリート柱の耐震補強方法において、
前記補強材は、前記コンクリート柱から離間して配置されており、前記コンクリート柱と前記補強材が干渉(接触)せず、
前記コンクリート柱が延在する方向に沿って配置されており、
複数の前記補強材を備え、
複数の前記補強材を互いに連結する連結材が設けられていることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート柱の耐震補強構造(方法)によれば、地震等の振動により、大きな加速度が作用した場合においても、補強材により抗力を作用させることで、コンクリート柱の振動変位を抑え、損傷を抑制することが可能となる。
また、補強材の固定は、コンクリート柱の上部近傍(第1固定部)と、コンクリート柱の下部近傍(第2固定部)のみでよいため、小部材の組み合わせで補強構造を構成することが可能であり、狭隘箇所でも適用することが可能である。したがって耐震補強工事を行う際のコスト削減も図ることが可能となる。
高架橋に対して振動が加わったときの様子を示す模式図 本発明の実施形態に係る耐震補強構造の構成を示す図 本発明の実施形態に係る耐震補強構造の上部付近の構成を示す図 本発明の実施形態に係る耐震補強構造の水平面における断面図 本発明の実施形態に係る高架橋に振動が加わったときの様子を示す図 本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の水平面における断面図 本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の水平面における断面図 本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の補強材配置を示す図 本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の構成を示す図 本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の構成を示す図 本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の水平面における断面図
図1は、高架橋に対して振動が加わったときの様子を示す模式図である。ここで説明する高架橋1は、その上部を新幹線等の車両が走行することを想定したものである。図1は車両走行方向に直交する方向から見た断面図となっている。高架橋1は、地面Gから立設する高架橋柱12、高架橋柱12の上部に設けられたスラブ11を有して構成されている。また、高架橋柱12間を接続する梁12aが設けられており、高架橋1の強度向上が図られている。
このような高架橋1に対して、波形Eで示される地震動が入力されると、図に示されるように高架橋1の上部と高架橋の下部との間には相対的な振動変位を生じることとなる。特に、重量の大きいスラブ11を上部で支える高架橋柱12の場合、この振動変位は大きいものとなる。このような高架橋柱12に加わった振動変位が、限界変位に達すると、高架橋柱12の損傷に繋がることとなる。本実施形態の耐震補強構造は、振動による高架橋柱12(コンクリート柱)の振動変位を抑制することで、高架橋柱12の損傷を抑制するものである。なお、本明細書でいう「コンクリート柱」とは、鉄筋コンクリート構造、鉄骨コンクリート構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造など、各種構造で構成されたものを含んだものである。
図2は、本発明の実施形態に係る耐震補強構造の構成を示す図である。この図は、図1と異なる方向から高架橋1を眺めた図であり、車両はスラブ11上を左右方向に走行することとなる。また、図2において、左側には耐震補強構造2を施工前の高架橋柱12が示されており、右側には耐震補強構造2を施工後の高架橋柱12が示されている。
まず、施工前の高架橋柱12の構成について説明する。高架橋柱12は、梁12aを介して隣接する他の高架橋柱12に連結されるとともに、スラブ11を支える構造を有する。また、高架橋柱12の下部には、フーチング12bが張り出すように形成されており、地面G下部での高架橋柱12の安定性が図られている。このフーチング12b下部には数本の基礎アンカー13が設けられている場合もあり、フーチング12bと同様、地面G下
部での高架橋柱12の安定性が図られている。
このような高架橋柱12に対して耐震補強構造2を施工したものが、図中、右側に示されている。本実施形態の耐震補強構造2は、第1固定部3、補強材4、第2固定部5を主要な構成として有している。第1固定部3は、高架橋柱12の上部近傍に固定される部材であり、本実施形態では、高架橋柱12の梁12aに固定されている。本実施形態の第1固定部3は、鋼材等で構成された取付具32をアンカー31にて、梁12aに固定している。一方、高架橋柱12の下部近傍には第2固定部5が固定されている。
図3は、本発明の実施形態に係る耐震補強構造2の上部付近の構成を示す図であり、図2に示すA−A間から矢印の方向に眺めた断面図となっている。アンカー31は、取付具32と高架橋柱12の梁12aを貫通し、その両端で固定された状態となっている。
本実施形態の第2固定部5は、取付具52とアンカー51にて構成され、アンカー51は、取付具52を高架橋柱12から張り出して形成されたフーチング12bに固定されている。
このように高架橋柱12の上部近傍に固定された第1固定部3、下部近傍に固定された第2固定部5の間には、それらの間を接続する補強材4が設けられている。この補強材4は、高架橋柱12に振動が加わったときに高架橋柱12の上部と下部の間での振動変位の抑制を図るものであり、鋼材、鋼線、鋼棒、合成樹脂繊維などで構成されたものが使用されている。本実施形態では、1つの高架橋柱12に対して、2つの補強材4a、4a’を使用している。
図4には、本発明の実施形態に係る耐震補強構造2の水平面における断面図が示されている。本実施形態の高架橋柱12は、その断面を矩形状とするものであり、一方の面(所定面)側に補強材4aが配置されるとともに、その所定面と高架橋柱12を挟んで対向する面(対向面)側に補強材4a’が配置されている。また、両補強材4a、4a’は、高架橋柱12から離間して配置されている。本実施形態では、補強材4a、4a’は、高架橋柱12から間隔dだけ離間して配置されている。このように、補強材4を高架橋柱12から離間することにより、高架橋柱12が振動により振動変位(変形)した場合においても、高架橋柱12と補強材4aが干渉(接触)することを避け、補強材4による振動変位の抑制機能を十分に維持することを可能としている。
なお、本実施形態では、断面形状が矩形状の高架橋柱12について説明したが、円形等、他の形状の高架橋柱12についても、所定面側と、所定面と対向する対向面側に配置することで振動変位の抑制機能が実現可能である。
では、耐震補強構造2を施した高架橋柱12について、位置変動の抑制機能を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る高架橋に振動が加わったときの様子を示す図である。図のように地震等の揺れが高架橋1に加わった場合、高架橋柱12の下部(地面側)と上部(スラブ11側)は逆方向に位置変動が生ずることで、高架橋柱12には大きな振動変位が生ずることとなる。
本実施形態の耐震補強構造2は、この高架橋柱12の上部と下部間で生ずる振動変位を抑制することで、高架橋柱12の損傷の抑制を図るものである。例えば、図5の左側に示される高架橋柱12についてみると、振動により、その上部が下部に対して右側に移動していることがみてとれる。このとき、この高架橋柱12の右側に位置する補強材4aには、それを圧縮する力が加わるため、補強材4aから高架橋柱12に対してはそれを押し戻そうとする抗力が加わる。図中に示す矢印は、補強材4a、4a’による抗力の方向を示
したものである。一方、高架橋柱12の左側に位置する補強材4a’には、それを伸張する力が加わるため、補強材4a’から高架橋柱12に対して対してはそれを引き戻そうとする抗力が加わることになる。
このように、第1固定部3、第2固定部5を介して接続された補強材4a、4a’によって、高架橋柱12は、振動による振動変位とは逆向きに働く抗力を受け、振動変位の抑制が図られる。特に、本実施形態では、高架橋柱12の所定面と、所定面に対して高架橋柱12を挟んで対向する対向面に、補強材4a、4a’が配置されているため、振動変位の抑制の向上が図られている。また、本実施形態では、図4で説明したように補強材4a、4a’は、高架橋柱12から間隔dだけ離間して配置されているため、高架橋柱12が振動により変形を生じた場合にも、補強材4a、4a’が高架橋柱12と干渉(接触)することなく、補強材4a、4a’が高架橋柱12に及ぼす効力を阻害することがない。そのため、この間隔dは、想定される高架橋柱12の変位量よりも大きく見積もっておくことが好ましい。
以上、本実施形態では、高架橋柱12に対して、第1固定部3、第2固定部5、補強材4を有する耐震補強構造2により、高架橋柱12に作用する振動変位を抑制し、高架橋柱12の損傷を防ぐこととしている。本実施形態の耐震補強構造2は、高架橋柱12の1つの所定面に1つの補強材4aを配置し、所定面と対向する対向面にもう1つの補強材4a’を配置する構成をとっているが、補強材4の配置は他の形態を採用することも可能である。
図6〜図8は、本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造2について、図4と同様、水平面での断面の様子を示した図である。図4の実施形態では、矩形状の断面を有する高架橋柱12の一対の面に補強材4a、4a’を配置していたのに対して、図6の実施形態では、さらに一対の面に補強材4b、4b’を配置している。このような構成によれば、補強材4aと4a’を結ぶ線分方向の振動変位のみならず、補強材4bと4b’を結ぶ線分方向の振動変位に対応することが可能となる。
図7の実施形態では、一つの面(所定面)に複数の補強材4a、4bを配置し、対向面において対応する位置に補強材4a’、4b’を配置した構成としている。このように一つの面に複数の補強材4を配置したことで、振動変位に対して作用する抗力を大きくとることが可能となる。
以上の実施形態では、1つの高架橋柱12の所定面と対向面に補強材4を配置することとしていたが、補強材4の配置は、高架橋1を形成するブロック単位で考慮することとしてもよい。図8は、高架橋1の水平面での断面を示した様子が示されており、破線にてスラブ11A〜Cが示されている。高架橋1は、ブロック単位に分割された構成を有しており、各ブロック内では1つのスラブ11(構造物)を複数の高架橋柱12で支持する構成を有している。このような構成では、補強材4は、各高架橋柱12の所定面と対向面に設けるのではなく、ブロック単位で、高架橋柱12の所定面と他の高架橋柱12の対向面に設けることとしてもよい。
中央に位置するスラブ11Bに関してみると、スラブ11Bは、6本の高架橋柱12a〜12fで支えられたブロックで構成されている。図中、縦方向に関してみると、高架橋柱12aの図中上側の面を所定面として補強材4aを配置した場合、高架橋柱12dの図中下側の面が対向面となり、この面に補強材4a’が配置される。高架橋柱12bと高架橋柱12e、高架橋柱12cと高架橋柱12fについても同様である。また、図中横方向に関してみると、高架橋柱12aの図中、左側面を所定面とした場合、高架橋柱12cの右側面を対向面として、それぞれ、補強材4d、4d’が配置される。図中横方向の関係
については、高架橋柱12dと高架橋柱12fについても同様である。このように、高架橋柱12のある面を所定面とした場合、この所定面に複数の高架橋柱12を挟んで対向する対向面とし、所定面側、対向面側のそれぞれに補強材12を配置することで、ブロック単位でバランスよく振動変位の抑制を図ることが可能となる。また、補強材4を配置する面数の削減し、コストの抑制を図ることも可能となる。
図9は、本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の構成を示す図である。この実施形態では、複数の補強材4a、4a’間を連結材41で接続し、耐震補強構造2の強度向上が図られている。また、高架橋柱12のコンクリート材が剥落した場合においても、連結材41にて、剥落したコンクリート材が周囲に離散することを抑制することが可能となる。図9の実施形態では、連結材41を互いに交差させたラチス状に配置されているが、トラス状に配置する等、各種配置形態を採用することが考えられる。
以上、説明した実施形態では、第1固定部3と第2固定部5の間を、高架橋柱12が延在する方向(鉛直方向)に沿って配置された補強材4について説明したが、補強材4は、高架橋柱12を巻回するように配置してもよい。図10は、本発明の他の実施形態に係る耐震補強構造の構成を示す図であり、図11は、図10の耐震補強構造について水平面における断面図(図10のC区間における)を示したものである。
図10に示されるよう、この実施形態の耐震補強構造は、高架橋柱12の上部近傍に固定された第1固定部3、高架橋柱12の下部近傍に固定された第2固定部5を備えて構成されている。これら第1固定部3、第2固定部5は、図2等を用いて説明した実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本実施形態は、こらら第1固定部3と第2固定部5の間に補強材4が設けられている点では、前述の実施形態と同様である。ただし、前述の実施形態では、補強材4は、高架橋柱12が延在する方向に沿って配置されていたのに対し、本実施形態では、補強材4は、高架橋柱12を巻回して配置されている点で異なっている。補強材4には、鋼線、ワイヤー、合成樹脂繊維等、可撓性を有する材料を使用することが好ましい。補強材4の一端は、第1固定部3に設けられた固定具33に、また、補強材4の他端は、第2固定部5に設けられた固定具53に固定されている。
また、補強材4を巻回する際、高架橋柱12と補強材4の間には、支持部材6が設けられ、高架橋柱12と補強材4を離間させている。図11には、図10のC区間における水平面での断面図が示されている。本実施形態の支持部材6は、高架橋柱12の四隅に設けられている。各支持部材6は、固定具61と滑車62を有して構成されている。固定具61は、高架橋柱12に対して固定されるとともに、滑車62を回動可能に支持している。巻回された補強材4は、この滑車62上に配置されている。支持部材6は、地震等の振動が発生した場合、高架橋柱12に巻回される補強材4を可動可能に支持することで、補強材4が断線することを抑制するとともに、抗力が高架橋柱12に対して有効に作用することを図るものである。なお、支持部材6には、滑車62を設けたもの以外に、補強材4が可動可能なように曲面を形成した固定具61のみとする等、各種形態が考えられる。
この実施形態の耐震強構造2によれば、図5で説明した実施形態と同様、振動が発生した場合、振動変位を抑制する抗力を高架橋柱12に作用させ、高架橋柱12の損傷を抑制することが可能となる。特に、補強材4が巻回されているため、高架橋柱12の全体にわたって抗力を作用させることが可能となっている。また、高架橋柱12のコンクリート材が剥落した場合、補強材4によりコンクリート材をせき止め、コンクリート材が周囲に離散することを抑制することが可能となっている。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…高架橋
11…スラブ
12…高架橋柱(コンクリート柱)
12a…梁
12b…フーチング
13…基礎アンカー
2…耐震補強構造
3…第1固定部
31…アンカー
32…取付具
4…補強材
41…連結材
5…第2固定部
51…アンカー
52…取付具
6…支持部材
61…固定具
62…滑車

Claims (8)

  1. コンクリート柱の振動変位を抑制する耐震補強構造であって、
    前記コンクリート柱の上部近傍に固定された第1固定部と、
    前記コンクリート柱の下部近傍に固定された第2固定部と、
    前記第1固定部と前記第2固定部とを接続する補強材と、を備え、
    前記補強材は、前記コンクリート柱から離間して配置されており、前記コンクリート柱と前記補強材が干渉(接触)せず、
    前記コンクリート柱が延在する方向に沿って配置されており、
    複数の前記補強材を備え、
    複数の前記補強材を互いに連結する連結材が設けられていることを特徴とする
    コンクリート柱の耐震補強構造。
  2. 前記補強材は、前記コンクリート柱の所定面側と、前記所定面と前記コンクリート柱を挟んで対向する対向面側に配置されていることを特徴とする
    請求項1に記載のコンクリート柱の耐震補強構造。
  3. 1の構造物を複数の前記コンクリート柱で支持するとともに、
    前記補強材は、ある前記コンクリート柱の所定面側と、前記所定面と複数の前記コンクリート柱を挟んで対向する対向面側に配置されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のコンクリート柱の耐震補強構造。
  4. 前記第1固定部は、前記コンクリート柱の梁に固定されていることを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載のコンクリート柱の耐震補強構造。
  5. 前記第2固定部は、前記コンクリート柱のフーチングに固定されていることを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載のコンクリート柱の耐震補強構造。
  6. 前記補強材は、前記コンクリート柱を巻回して配置されていることを特徴とする
    請求項1から請求項の何れか1項に記載のコンクリート柱の耐震補強構造。
  7. 前記コンクリート柱に固定され、前記補強材を可動可能に支持する支持部材を有する
    請求項に記載のコンクリート柱の耐震補強構造。
  8. コンクリート柱の上部近傍に第1固定部を固定し、
    前記コンクリート柱の下部近傍に第2固定部を固定し、
    前記第1固定部と前記第2固定部とを補強材で連結し、
    前記コンクリート柱の振動変位を抑制するコンクリート柱の耐震補強方法において、
    前記補強材は、前記コンクリート柱から離間して配置されており、前記コンクリート柱と前記補強材が干渉(接触)せず、
    前記コンクリート柱が延在する方向に沿って配置されており、
    複数の前記補強材を備え、
    複数の前記補強材を互いに連結する連結材が設けられていることを特徴とする
    コンクリート柱の耐震補強方法。
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