JP2020020229A - 外壁構造 - Google Patents

外壁構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2020020229A
JP2020020229A JP2018146753A JP2018146753A JP2020020229A JP 2020020229 A JP2020020229 A JP 2020020229A JP 2018146753 A JP2018146753 A JP 2018146753A JP 2018146753 A JP2018146753 A JP 2018146753A JP 2020020229 A JP2020020229 A JP 2020020229A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
panel member
wall
wall structure
reinforcing bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018146753A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7005875B2 (ja
Inventor
幸作 三橋
Kosaku Mitsuhashi
幸作 三橋
暢之 小田島
Nobuyuki Odajima
暢之 小田島
智章 石川
Tomoaki Ishikawa
智章 石川
暢 田井
Toru Tai
暢 田井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Komuten Co Ltd filed Critical Takenaka Komuten Co Ltd
Priority to JP2018146753A priority Critical patent/JP7005875B2/ja
Publication of JP2020020229A publication Critical patent/JP2020020229A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7005875B2 publication Critical patent/JP7005875B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】複数のパネル材により構成された壁体に開口部を確保し易い外壁構造を提供する。【解決手段】外壁構造は、斜め方向に傾斜鉄筋84が配筋された複数のパネル材30を上下方向及び横方向に並べ、上下方向に隣接するパネル材30同士は横方向位置がずれて配置され、一方のパネル材30における傾斜鉄筋84が他方のパネル材30における傾斜鉄筋84の延長線に近接するように配置された壁体20と、パネル材30に形成され、横方向に隣接するパネル材30の間に開口部40を構成する幅狭部36と、上下方向に隣接するパネル材30の間でせん断力を伝達するせん断力伝達部材(シアキー50)と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、外壁構造に関する。
下記特許文献1には、建物の外側構面を、壁式ラーメン構造の壁柱及び壁梁によって構成した建物構造が示されている。
特開平9−264050号公報
上記特許文献1に開示された建物構造のような柱部材及び梁部材で構成された外殻架構に対して、柱形及び梁形を有さないパネル材を組み合わせた外殻架構も知られている。しかし、パネル材で構成した外殻架構には、構造上、広い開口部を確保することが難しい。
本発明は上記事実を考慮して、複数のパネル材により構成された壁体に開口部を確保し易い外壁構造を提供することを目的とする。
請求項1の外壁構造は、斜め方向に傾斜鉄筋が配筋された複数のパネル材を上下方向及び横方向に並べ、上下方向に隣接する前記パネル材同士は横方向位置がずれて配置され、一方の前記パネル材における前記傾斜鉄筋が他方の前記パネル材における前記傾斜鉄筋の延長線に近接するように配置された壁体と、前記パネルに形成され、横方向に隣接する前記パネル材の間に開口部を構成する幅狭部と、上下方向に隣接する前記パネル材の間でせん断力を伝達するせん断力伝達部材と、を備えている。
請求項1の外壁構造では、幅狭部を備えたパネル材が上下方向及び横方向に並べられている。また、上下方向に隣接するパネル材同士は、横方向位置がずれて配置され、それぞれのパネル材において、傾斜鉄筋が互いの延長線に近接するように配置されている。これにより、壁体に開口部が千鳥状に配置される。
また、傾斜鉄筋が上下に隣接する傾斜鉄筋の延長線に近接するように配置されることで、壁体には鉄筋に沿った斜め方向に圧縮ストラットが形成される。さらに、せん断力伝達部材により、上下のパネル材の間でせん断力を伝達できる。このように、請求項1の外壁構造では、複数のパネル材により構成された壁体において荷重を伝達しつつ、広い開口部を確保できる。
請求項2の外壁構造は、前記せん断力伝達部材はシアキーにより構成されている。
請求項2の外壁構造では、シアキーによって上下のパネル材の間でせん断力を伝達できる。これにより、地震時に壁体に作用する水平力に耐えることができる。
請求項3の外壁構造は、前記せん断力伝達部材は、所定値以上のせん断力が入力された際に塑性変形するエネルギー吸収部を備えている。
請求項3の外壁構造では、上下のパネル材間に所定値未満のせん断力が作用した際には、上下のパネル材間でせん断力を伝達できる。また、所定値以上のせん断力が作用した際には、エネルギー吸収部が塑性変形する。これにより、地震時に地震エネルギーを吸収し、壁体の揺れを減衰することができる。
本発明に係る外壁構造によると、複数のパネル材により構成された壁体に開口部を確保し易い。
(A)は本発明の実施形態に係る外壁構造が適用された建物の一例を示す平面図であり、(B)は本発明の実施形態に係る外壁構造が適用された建物の壁体を示す部分拡大立面図である。 本発明の実施形態に係る外壁構造においてパネル材を連結して壁体を形成した状態を示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係る外壁構造における壁体を形成する方法を示した立面図である。 本発明の実施形態に係る外壁構造が適用された壁体に梁およびスラブを接合した状態を示す部分拡大立面図である。 本発明の実施形態に係る外壁構造において開口部の形状を六角形とした変形例を示す立面図である。 本発明の実施形態に係る外壁構造においてせん断力伝達部材としてエネルギー吸収部材を用いた変形例を示す立面図である。
[第1実施形態]
(平面構成)
図1(A)には、本発明の実施形態に係る外壁構造が適用された建物10の平面図が示されている。建物10は平面形状が矩形状とされ、外周に沿って配置された外壁12の全ての部分(矩形状の4辺の全て)に、本発明の実施形態に係る外壁構造が適用された、チューブ構造の建物である。
外壁12においては、壁材であるパネル材30と、サッシ(窓ガラス)が嵌め込まれた開口部40と、が交互に配置されている。パネル材30と開口部40の幅は略同一とされている。また、パネル材30は外側面と内側面が何れも平坦面とされ、柱形や梁形を備えていない。なお、開口部40は、サッシ(窓ガラス)が嵌め込まれない開口だけのものであってもよい。
(立面構成)
図1(B)には、外壁12の正面図(立面図)が示されている。外壁12は、複数のパネル材30を組付けて形成された壁体20によって形成されている。壁体20においては、複数のパネル材30が、横方向(X方向)及び上下方向(Z方向)に並べて配置されている。
具体的には、図1(B)に示すパネル材30Aの横方向の両側面には、それぞれパネル材30B、30Cが接して設置されている。また、パネル材30Aの左側上端面にはパネル材30Dが接して設置され、パネル材30Aの右側上端面にはパネル材30Eが接して設置されている。さらに、パネル材30Aの左側下端面にはパネル材30Fが接して設置され、パネル材30Aの右側下端面にはパネル材30Gが接して設置されている。この状態で、パネル材30Aはパネル材30B、30C、30D、30E、30F、30Gと略面一に配置されている。
なお、パネル材30は、パネル材30A、30B、30C、30D、30E、30F、30Gの総称であり、本明細書において特に区別して表現する必要がない場合は、それぞれパネル材30と表記する。
図3に示すように、それぞれのパネル材30は、上張出し部32、下張出し部34及び幅狭部36を備えている。幅狭部36は、上下に配置された上張出し部32及び下張出し部34の間に配置され、上張出し部32及び下張出し部34より幅が狭く形成された部分である。換言すると、幅狭部36の上部には、幅狭部36の幅方向の両側へ突出した上張出し部32が設けられており、幅狭部36の下部にも、幅狭部36の幅方向の両側へ突出した下張出し部34が設けられている。これにより、パネル材30は略H形状の外形とされている。
なお、図3においては、パネル材30の構成を解り易くするため、後述する縦筋86及び横筋88(図2参照)の図示は省略されている。
図1(B)に示すように、パネル材30Aにおける幅狭部36Aと、パネル材30Bにおける幅狭部36Bとの間には矩形状の開口部40Bが形成されている。同様に、パネル材30Aにおける幅狭部36Aと、パネル材30Cにおける幅狭部36Cとの間には矩形状の開口部40Cが形成されている。このように、本実施形態における開口部40は、横方向に隣接するパネル材30の間に形成されている。
なお、開口部40は、開口部40B、40Cの総称であり、本明細書において特に区別して表現する必要がない場合は、それぞれ開口部40と表記する。
このように、複数のパネル材30が上下方向(Z方向)及び横方向(X方向)に、互いの境界面が馬目地(垂直方向の目地がずれて配置される目地)を形成するように並べて配置される一方で、横方向に隣接するパネル材30の間に開口部40が形成されたパターンが、横方向及び上下方向に沿って繰り返されて、壁体20が形成されている。
(連結構造)
図2には、パネル材30を組付けて構成した壁体20の部分拡大図が示されている。図2においては、パネル材30Aの内部構造を実線で示している。また、パネル材30Aと接して配置されたパネル材30F、30Gの内部構造のうち、これらのパネル材とパネル材30Aとを連結するための構成を実線で示している。
また、図3には、パネル材30を組付けている状態が示されている。パネル材30同士は、一方のパネル材30(パネル材30G)の左側上端面32Lと、他方のパネル材30(パネル材30A)の右側下端面34Rとが互いに接するように配置される。同様に、一方のパネル材30(パネル材30F)の右側上端面32Rと、他方のパネル材30(パネル材30A)の左側下端面34Lとが互いに接するように配置される。
(シアキー)
パネル材30の左側上端面32L及び右側上端面32Rには、それぞれ挿入孔52L、52Rが形成されている。挿入孔52L、52Rには、それぞれ、棒鋼で形成された、せん断力伝達部材としてのシアキー50の下端部が挿入される。
また、パネル材30の左側下端面34L及び右側下端面34Rには、それぞれ挿入孔54L、54Rが形成されている。上方のパネル材30(パネル材30A)における挿入孔54Lは、下方のパネル材30(パネル材30F)における挿入孔52Rと平面視で重なる位置に配置される。そして、挿入孔54Lにはシアキー50の上端部が挿入される。同様に、上方のパネル材30(パネル材30A)における挿入孔54Rは、下方のパネル材30(パネル材30G)における挿入孔52Lと平面視で重なる位置に配置される。そして、挿入孔54Rにはシアキー50の上端部が挿入される。これにより、上下方向に隣接するパネル材30に跨ってシアキー50が配置される。
(引張鉄筋)
パネル材30の上張出し部32には、引張鉄筋80が埋設されている。引張鉄筋80の上端部はパネル材30の左側上端面32L及び右側上端面32Rから上向きに突出して配筋されている。
また、パネル材30の下張出し部34には、左側下端面34L及び右側下端面34Rに開口する機械式継手であるスリーブ82が埋設されている。上方のパネル材30(パネル材30A)におけるスリーブ82は、下方のパネル材30(パネル材30F、30G)における引張鉄筋80と平面視で重なる位置に配置される。
これにより、パネル材30同士を上下に組付けると、下方のパネル材30(パネル材30F、30G)における引張鉄筋80が上方のパネル材30(パネル材30A)におけるスリーブ82に挿入される。スリーブ82にグラウト材を充填することにより、上下のパネル材30が引張鉄筋80によって連結される。
(傾斜鉄筋)
パネル材30の内部には、傾斜鉄筋84が埋設されている。傾斜鉄筋84は、パネル材30の左側上端面32Lから右側下端面34Rへ向って複数本配筋されている。また、パネル材30の右側上端面32Rから左側下端面34Lへ向って複数本配筋されている。傾斜鉄筋84の両端部には定着用のフックが形成されており、傾斜鉄筋84はパネル材30の外部へ突出していない。
図2に示すように、複数のパネル材30を組付けた状態では、上下方向に隣接するパネル材30におけるそれぞれの傾斜鉄筋84は、一方のパネル材30における傾斜鉄筋84が、他方のパネル材30における傾斜鉄筋84の延長線に近接するように配置される。「近接するように」とは、具体的に次の状態を指している。
すなわち、一方のパネル材30(パネル材30A)において同一方向に配筋された複数の傾斜鉄筋84の中心線CLに沿って、他方のパネル材30(パネル材30G)における傾斜鉄筋84が配置される。さらに、他方のパネル材30において同一方向に配筋された複数の傾斜鉄筋84のうち、両端の傾斜鉄筋84Eに挟まれる部分の配筋幅Kの範囲内に、該中心線CLが配置される。
なお、本実施形態においては、一方のパネル材30(パネル材30A)における傾斜鉄筋84の中心線CLは、他方のパネル材30(パネル材30G)における傾斜鉄筋84の中心線CLと略一致するように配置されている。
また、傾斜鉄筋84は、パネル材30を正面から見て、引張鉄筋80及びスリーブ82と重なるように配置されている。これにより、引張鉄筋80と傾斜鉄筋84との間に重ね継ぎ手が形成され、引張鉄筋80と傾斜鉄筋84との間で引張応力を伝達できる。換言すると、引張鉄筋80は、引張鉄筋80と傾斜鉄筋84との間で引張応力を伝達可能な本数以上、パネル材30に配筋される。
(縦筋、横筋)
パネル材30の内部には、傾斜鉄筋84に加えて、縦筋86及び横筋88が配筋されている。縦筋86及び横筋88は、パネル材30の内部に埋設された鉄筋であり、外部へ突出していない。
パネル材30の上張出し部32及び下張出し部34においては、横筋88は所定のかぶり厚を確保しつつ上張出し部32及び下張出し部34の幅方向の両端に亘って横方向に配筋されている。また、縦筋86は、上張出し部32及び下張出し部34において幅狭部36の幅方向外側に配置された部分で、横筋88を取り囲む様に略鉛直面に沿ってループ状に配筋されている。
パネル材30の幅狭部36、及び上張出し部32及び下張出し部34において幅狭部36の上方及び下方に配置された部分においては、縦筋86は、所定のかぶり厚を確保しつつパネル材30の上下方向の両端に亘って配筋されている。また、幅狭部36においては、横筋88は縦筋86を取り囲む様に略水平面に沿ってループ状に配筋されている。
(内部架構)
図1(A)に示すように、壁体20を四周に配置して形成された外壁12の内側には、架構60が配置されている。架構60は、柱62と、柱62及び壁体20に架設された大梁64と、大梁64及び壁体20に架設された小梁66と、を備えている。
図4に示すように、大梁64及び小梁66は壁体20と接合されている。具体的には、壁体20を構成するパネル材30にはアンカーボルト72が埋め込まれており、このアンカーボルト72によって、接合プレート74がパネル材30に固定されている。接合プレート74には、大梁64及び小梁66がボルト接合されている。これにより、大梁64及び小梁66がパネル材30に接合される。
また、パネル材30には定着筋76が埋設され、定着筋76の端部はパネル材30から突出している。この定着筋76は、スラブ配筋14Aとスリーブ78によって接合されている。大梁64及び小梁66の上方にはコンクリートが打設され、スラブ14が形成されている。
なお、アンカーボルト72及び定着筋76は、全てのパネル材30に埋設する必要はない。つまり、アンカーボルト72は大梁64又は小梁66が接合されるパネル材30のみに埋設すればよく、定着筋76はスラブ14が接合されるパネル材30のみに埋設すればよい。
(作用・効果)
本発明の実施形態に係る外壁構造の壁体20では、図1(B)に示すように、幅狭部36を備えたパネル材30が、上下方向及び横方向に並べられている。上下方向に隣接するパネル材30同士は、傾斜鉄筋84が互いの延長線に近接するように配置されている。これにより、上下のパネル材30は、横方向の位置をずらして配置される。また、横方向に隣接するパネル材30同士は互いに接して配置され、それぞれの幅狭部36の間に開口部40が形成されている。これにより、壁体20に開口部40が千鳥状に配置される。
また、図2に示すように、上下方向に隣接するパネル材30に跨って鋼製のシアキー50が配置されている。このため、一方のパネル材30に水平力が作用すると、シアキー50を介して、他方のパネル材30に水平力が伝達される。これにより壁体20の内部において水平方向の応力を伝達できる。
さらに、上下方向に隣接するパネル材30には、傾斜鉄筋84が互いの延長線に近接するように配置されている。このため、壁体20には傾斜鉄筋84に沿った斜め方向に圧縮ストラットが形成される。
より具体的には、壁体20には、パネル材30を形成しているプレキャストコンクリートが斜め方向に連続して配置された部分(開口部40によって分断されない部分)が形成される。
これにより壁体20は、地震時等において壁体20に水平力が作用した際、壁体20の面内方向に沿って作用する斜め方向の圧縮力に抵抗できる。
また、上下方向に隣接するパネル材30は、引張鉄筋80によって連結されている。このため上下方向に隣接するパネル材30で縦方向の引張力を伝達することができる。これにより壁体20は、地震時等において壁体20に上下方向の力が作用した際、この上下方向の力に抵抗できる。
また、引張鉄筋80と傾斜鉄筋84との間には、重ね継ぎ手が形成されている。このため、引張鉄筋80と傾斜鉄筋84との間で引張応力を伝達できる。また、上下方向に隣接するパネル材30にそれぞれ配筋された傾斜鉄筋84同士は、引張鉄筋80を介して応力を伝達できる。これにより、壁体20において引張鉄筋80は通し筋として機能する。
これにより壁体20は、地震時等において壁体20に水平力が作用した際、壁体20の面内方向に沿って作用する斜め方向の引張力に抵抗できる。
このように、本発明の実施形態に係る外壁構造では、複数のパネル材30により構成された壁体20において荷重を伝達しつつ、広い開口部40を確保できる。
(その他の実施形態)
本実施形態においては、横方向に隣接するパネル材30の幅狭部36の間に、矩形状の開口部40を形成しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図5には、幅狭部92の側面を屈曲して形成したパネル材90と、幅狭部92の間に形成され、正面視で六角形状の開口部42が示されているが、この開口部42のように、開口部は多角形状、円形状など任意の形状とすることができる。
すなわち、本発明の実施形態に係るパネル材において、傾斜鉄筋84を配筋することができれば幅狭部の形状は任意であり、幅狭部によって挟まれて形成される開口部の形状も任意である。傾斜鉄筋84の配筋幅Kは、壁体20に必要とされる長期耐荷重及び短期耐荷重に応じて適宜設定することができる。
なお、図5においては、パネル材30の構成を解り易くするために引張鉄筋80、縦筋86及び横筋88の図示は省略されている。本発明の実施形態に係るパネル材においては、これらの引張鉄筋80、縦筋86及び横筋88は必須ではなく、傾斜鉄筋84とシアキー50があればよい。
引張鉄筋80がなくても地震時には壁体20には傾斜鉄筋84に沿って圧縮ストラットが形成されるため、壁体20は地震時に作用する短期荷重に抵抗することができる。また、縦筋86及び横筋88は平常時及び地震時に壁体20が負担する荷重に応じて、必要があれば適宜配筋すればよい。
また、本実施形態においては、せん断力伝達部材として棒鋼で形成されたシアキー50を用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図6のパネル材94のように、せん断力伝達部材としてエネルギー吸収部材56を用いてもよい。エネルギー吸収部材56は、上下のパネル材94間に跨って配置される本体部56Aと、本体部56Aの上下端部に形成され、パネル材94に定着する定着部56Bと、所定値以上のせん断力が作用した際に塑性変形してエネルギーを吸収する低強度部56Cと、を備えている。
本体部56Aは、鋼製の平板である。定着部56Bは、本体部56Aの両面に溶接されたスタッドである。低強度部56Cは、本体部56Aに複数の貫通孔を空けて形成した変形誘導部であり、エネルギー吸収部材56に対して横方向及び上下方向にそれぞれ所定の力が作用すると塑性変形し、破断するまで変形しながらエネルギーを吸収する。これにより振動を減衰できる。
エネルギー吸収部材56はパネル材94と一体的に成形される。具体的には、エネルギー吸収部材56の上端部をパネル材94を成形する型枠内に配置した状態でコンクリートを成形し、パネル材94とエネルギー吸収部材56とを一体化する。エネルギー吸収部材56の下端部はパネル材94の下端面から突出させる。
パネル材94を組付ける際は、パネル材94の上端面に形成された挿入孔58へ、エネルギー吸収部材56の下端部を挿入する。上下のパネル材94が所定の位置に配置された後、挿入孔58へグラウト材を充填する。
なお、低強度部56Cは、本体部56Aに貫通孔を形成する実施形態の他、例えば本体部56Aの厚みを薄くして形成してもよい。また、本体部56Aを上下に分割し、分割された上下片に低降伏点鋼を溶接してもよい。さらに、本体部56A自体を低降伏点鋼で形成してもよい。低降伏点鋼を用いることで、普通鋼を用いる場合と比較して比較的小さな振動のエネルギーも吸収できるため、振動減衰効果を高めることができる。
また、本実施形態においては、図1(A)に示すように、建物10の外周に沿って配置された外壁12の全ての部分(矩形状の4辺の全て)に、本発明の実施形態に係る外壁構造が適用されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば、外壁12の一部、例えば矩形状の3辺、2辺、1辺のみに適用することができる。後述する第2実施形態においても同様である。このように、本発明は様々な態様で実施できる。
20 壁体
30 パネル材
36 幅狭部
40 開口部
50 シアキー(せん断力伝達部材)
56 エネルギー吸収部材(せん断力伝達部材)
56C 低強度部(エネルギー吸収部)
84 傾斜鉄筋
90 パネル材
92 幅狭部
94 パネル材

Claims (3)

  1. 斜め方向に傾斜鉄筋が配筋された複数のパネル材を上下方向及び横方向に並べ、上下方向に隣接する前記パネル材同士は横方向位置がずれて配置され、一方の前記パネル材における前記傾斜鉄筋が他方の前記パネル材における前記傾斜鉄筋の延長線に近接するように配置された壁体と、
    前記パネル材に形成され、横方向に隣接する前記パネル材の間に開口部を構成する幅狭部と、
    上下方向に隣接する前記パネル材の間でせん断力を伝達するせん断力伝達部材と、
    を備えた外壁構造。
  2. 前記せん断力伝達部材はシアキーにより構成されている、請求項1に記載の外壁構造。
  3. 前記せん断力伝達部材は、所定値以上のせん断力が入力された際に塑性変形するエネルギー吸収部を備えている、請求項1に記載の外壁構造。
JP2018146753A 2018-08-03 2018-08-03 外壁構造 Active JP7005875B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018146753A JP7005875B2 (ja) 2018-08-03 2018-08-03 外壁構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018146753A JP7005875B2 (ja) 2018-08-03 2018-08-03 外壁構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020020229A true JP2020020229A (ja) 2020-02-06
JP7005875B2 JP7005875B2 (ja) 2022-02-10

Family

ID=69588699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018146753A Active JP7005875B2 (ja) 2018-08-03 2018-08-03 外壁構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7005875B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114592688A (zh) * 2022-03-25 2022-06-07 华北水利水电大学 基于等效杆件模型的斜向配筋钢筋混凝土剪力墙施工方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS525172B2 (ja) * 1971-11-04 1977-02-10
JPS53120812A (en) * 1977-03-30 1978-10-21 Taisei Corp Method of setting up building

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS525172B2 (ja) * 1971-11-04 1977-02-10
JPS53120812A (en) * 1977-03-30 1978-10-21 Taisei Corp Method of setting up building

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114592688A (zh) * 2022-03-25 2022-06-07 华北水利水电大学 基于等效杆件模型的斜向配筋钢筋混凝土剪力墙施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7005875B2 (ja) 2022-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20180010833A (ko) 헌치를 이용한 철근콘크리트 보-기둥 내진 보강 접합부
JP5124146B2 (ja) 制震建物
KR100626544B1 (ko) 강판-콘크리트 합성보 및 이를 이용한 고강성 합성구조시스템
KR101139761B1 (ko) 건축물용 보강 벽
JP2016108843A (ja) 既存建物の補強構造体
JP6791818B2 (ja) 制震構造物
JP6429652B2 (ja) コンクリート製柱梁架構における耐震壁と下方梁との応力伝達構造
JP6122740B2 (ja) 耐震補強構造体
KR101652621B1 (ko) 기존 건물의 내진 구조물
JP2020020229A (ja) 外壁構造
JP6574336B2 (ja) 鉄骨鉄筋コンクリート造の柱、及びこれを用いた建物
JP5869717B1 (ja) 既存コンクリート構造物補強構造
JP2009046829A (ja) 耐震補強壁
JP3999591B2 (ja) 繊維補強セメント系材料によるコンクリート系構造物の制震構造
JP2014088657A (ja) 座屈拘束ブレースおよびこれを用いた耐震補強構造
KR101466683B1 (ko) 노후 철근콘크리트 보-기둥 구조물을 위하여 피씨부재를 활용한 리모델링 내진보강 접합구조 및 이를 이용한 건물 리모델링 시공 방법
KR101946500B1 (ko) 힌지 결합 콘크리트 충전 강관 기둥
JP2005127056A (ja) ラーメン構造体における柱と梁との仕口構造
JP2002357009A (ja) 制振梁及び制振梁の構築方法
JP2000234443A (ja) 既存構造物の補強構造
JP7059488B2 (ja) 外壁構造
JP4660810B2 (ja) 境界梁ダンパー
KR101481152B1 (ko) 내진 보강 구조물 및 이를 이용한 내진 보강 방법
JP2008274622A (ja) 建築物の中間階免震機構
JP2007162255A (ja) コンクリートブロックによる耐震補強工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7005875

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150