JP2000234443A - 既存構造物の補強構造 - Google Patents
既存構造物の補強構造Info
- Publication number
- JP2000234443A JP2000234443A JP11035586A JP3558699A JP2000234443A JP 2000234443 A JP2000234443 A JP 2000234443A JP 11035586 A JP11035586 A JP 11035586A JP 3558699 A JP3558699 A JP 3558699A JP 2000234443 A JP2000234443 A JP 2000234443A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- column
- shear force
- beam frame
- transmitting member
- force transmitting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
Abstract
効率的に耐震補強を行えるようにした既存構造物の補強
構造を提供する。 【解決手段】 既存の柱・はりフレーム3とその内側に
後から配置される新設壁4とを一体的に接合するため
に、柱・はりフレーム3の内周、すなわち柱1とはり2
の内側に新設壁4に作用するせん断力を柱・はりフレー
ム3に伝達するせん断力伝達部材5を突設する。せん断
力伝達部材5はフランジ部5aとウェブ部5bとから断
面略T形状をなし、フランジ部5aを柱・はりフレーム
3の内側に固定し、ウェブ部5bを新設壁4のコンクリ
ート内に突出する。また、せん断力伝達部材5のウェブ
部5bに複数の定着筋8を突設する。
Description
RC(鉄筋コンクリート)またはSRC(鉄骨鉄筋コン
クリート)構造の柱・はりフレームの内側に、新規にR
C構造の壁を配置して耐震壁を構築する既存構造物の補
強構造に関する。
では、RC構造やSRC構造の建物も多く被災し、特に
一階部分が店舗や駐車場などになっているために柱ばか
りで壁量の少ない、いわゆるピロティ形式の建物が足下
から壊れる等して多く被災し、中には一階部分が完全に
圧壊している建物も多数見受けられた。
物を耐震的に補強したいとの社会的要請はきわめて大き
く、特に壁量の少ない純ラーメン構造の建物や一階部分
が構造的に弱いピロティ形式などになっている建物を耐
震的に補強したいとの社会的要請が大きい。
する方法として、柱・梁フレーム内に新たに壁を設けて
耐震壁を構築する方法が一般に知られている。しかし、
この耐震補強方法は、既存の柱・はりフレームと後から
配置される壁とが完全に一体になって初めて耐震壁とし
て機能するものであるため、柱・はりフレームと壁とを
一体的に接合することが最重要ポイントになる。
レームと壁とを一体的に接合するために、柱・はりフレ
ームの内側にアンカーボルトを多数突設しているが、ア
ンカーボルトを突設するアンカーボルト穴の削孔時に騒
音、振動、粉塵が発生する等の課題があった。
やせん断補強筋(フープ筋、スターラップ筋)と干渉し
た場合、あらためてアンカーボルト穴を削孔する必要が
あるだけでなく、柱やはり等の躯体を相当傷める等の課
題も残されている。
なされたもので、特に騒音公害や粉塵公害などの環境公
害を低減し、きわめて効率的に耐震補強を行えるように
した既存構造物の補強構造を提供することを目的とす
る。
めの手段として、この発明に係る既存構造物の補強構造
は、請求項1として、既存の柱・はりフレームとその内
側に後から配置される新設壁とを一体的に接合するため
に、柱・はりフレームの内周に新設壁に作用するせん断
力を柱・はりフレームに伝達するせん断力伝達部材を突
設する。
ンジ部とウェブ部とから断面略T形状に形成し、かつ前
記フランジ部を柱・はりフレームの内側に固定し、前記
ウェブ部を新設壁のコンクリート内に突出する。
の定着孔を設ける。請求項4として、せん断力伝達部材
に複数の定着筋、または複数のシアコネクターを突設す
る。
ムとせん断力伝達部材との接合部分に接着材や充填材を
充填する。
の一形態を示し、図において、RC構造またはSRC構
造の左右柱1と上下はり2からなる既存の柱・はりフレ
ーム3の内側にRC構造の新設壁4が新規に配置されて
いる。
右柱1の内側と上下はり2の内側にせん断力伝達部材5
がそれぞれ取り付けられ、このせん断力伝達部材5を介
して新設壁4は柱・はりフレーム3と一体をなし、耐震
壁を構成している。
ェブ部5bとを有し、断面略T形状に形成されている。
また、必要によりウェブ部5bに壁4のコンクリートが
付着しやすいように複数の定着孔5cが所定間隔に形成
されている。
枚の平鋼を断面略T字状に溶接したり、あるいはH形鋼
をウェブ部の中央部分で切断する等して形成され、さら
に、たとえば図3(b)に図示するように2本の山形鋼
を背中合わせに抱き合わせて形成することもできる。
は、フランジ部5aを柱・はりフレーム3の内側、すな
わち左右柱1の内側と上下はり2の内側にそれぞれ、複
数のセットボルト6で固定するとともにウェブ部5bを
新設壁4のコンクリート中に突出させて柱1とはり2の
軸方向にそれぞれ連続して突設されている。
簡単に取り扱い可能な長さに形成されたものが複数本、
柱1とはり2の軸方向に隣接して突設されている。ま
た、柱・はりフレーム3とせん断力伝達部材5との接合
部分、すなわちフランジ部5aの裏側にはフランジ部5
aが柱1とはり2の内側にそれぞれ密着するように樹脂
接着材または樹脂モルタル等の充填材7が充填されてい
る。
8がそれぞれ配筋されている。定着筋8は、例えば図1
(a)に図示するように柱1とはり2の軸直角方向に櫛
の歯状に、または図2(a)に図示するように柱1とは
り2の軸直角方向に対して斜めに格子状に配筋されてい
る。こうして配筋された定着筋8はウェブ5bの側部に
溶接され、新設壁4の内方に所定長さ延長されている。
応力に応じて定着筋8の径、長さ、ピッチ等、さらにウ
ェブ部5bに対する溶接長さ等が適当に決められてい
る。なお、定着筋8を配筋する代わりに、例えば図3
(c)に図示するように複数のスタッドボルト9等のシ
アコネクターを突設してもい。
・はりフレームの4周のすべてに取り付ける必要はな
く、窓などの開口部を設ける必要がある場合には、せん
断力伝達部材5を例えば、上下はりと左右どらかの柱の
3周にのみ取り付ける補強構造でもよい。
〜(d)に基いて施工方法の一例を簡単に説明する。 最初に、上階はり2の下側に設けられた天井部分1
0を撤去する。 次に、左右柱1の内側と上階はり2の下側のコンク
リート面をグラインダーでそれぞれ平滑に磨く。また、
当該階のはり2の上に塗着された仕上げモルタル11を
はり2の軸方向に溝状にはつってコンクリート躯体2a
を露出させる。
も、仕上げモルタルが塗着されているときは、当該階は
り2と同様にそれぞれ軸方向に連続する溝状にはつって
コンクリート躯体を露出させる。 次に、左右柱1の内側と上階はり2の下側、さらに
下階はり2のコンクリート躯体2aの上に墨だし12を
それぞれ行って新設壁4の位置を決める。 次に、左右柱1の内側、上階はり2の下側、さらに
当該階はり2の墨だし12を行った内側に、複数のセッ
トボルト6を柱1とはり2の軸方向にそれぞれ所定間隔
に突設する。 次に、左右柱1の内側、上階はり2の下側、さらに
当該階はり2の墨だし12を行った内側に、予め定着筋
8がウェブ部5bの両側に溶接されたせん断力伝達部材
5を取り付ける。
取付孔にセットボルト6を通し、かつセットボルト6に
セットナット13を締め付ける。 次に、せん断力伝達部材5の外側に新設壁4の壁筋
4aを縦横に配筋する。なお、設計用せん断力が特に小
さいときは、定着筋8はせん断力伝達部材5のウェブ部
5bの片側にのみ配筋してもよい。 そして、最後に壁筋4aの両側にコンクリート14
を吹き付けてRC構造の新設壁4を必要な厚さに構築す
る。なお、コンクリート14は吹き付ける代わりに壁筋
4aの両側に壁型枠を設置し、壁型枠のなかにコンクリ
ート14を打設してもよい。
特に既存の柱・はりフレームとその内側に後から配置さ
れる新設壁とを一体的に接合するために、柱・はりフレ
ームの内周にフランジ部とウェブ部とから断面略T形状
をなすせん断力伝達部材を突設してあるので、これまで
のように柱・はりフレームの内側にアンカーボルト穴を
多数削孔する必要がなく、既存の構造物をきわめて効率
的に耐震補強を行うことができる等の効果がある。
力伝達部材を取り付けるために、必要最少の取付穴を形
成するだけでよく、またこれで強度的に不足する場合に
は柱・はりフレームとせん断力伝達部材との当接部分に
接着剤を充填すればよいので、騒音公害や粉塵公害など
の環境公害を低減することができる。
筋、または複数のシアコネクターが突設されていること
により、せん断力伝達部材に対する新設壁のコンクリー
トの付着力がきわめて大きく、これにより新設壁に作用
するせん断力を柱・はりフレームに確実に伝達させるこ
とができる。
(b)は縦断面図である。
(b)は縦断面図である。
力伝達部材と定着筋の取付例を示す縦断面図、(c)は
せん断力伝達部材とスタッドボルトの取付例を示す縦断
面図である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 既存の柱・はりフレームの内側に壁を新
規に配置して耐震壁を構築する既存構造物の補強構造に
おいて、柱・はりフレームの内周に、新設壁に作用する
せん断力を柱・はりフレームに伝達するせん断力伝達部
材を突設してあることを特徴とする既存構造物の補強構
造。 - 【請求項2】 せん断力伝達部材はフランジ部とウェブ
部とから断面略T形状をなし、かつ前記フランジ部を柱
・はりフレームの内側に固定し、前記ウェブ部を新設壁
のコンクリート内に突出してあることを特徴とする請求
項1記載の既存構造物の補強構造。 - 【請求項3】 せん断力伝達部材は複数の定着孔を有す
ることを特徴とする請求項1または2記載の既存構造物
の補強構造。 - 【請求項4】 せん断力伝達部材に複数の定着筋、また
は複数のシアコネクターを突設してあることを特徴とす
る請求項1、2または3記載の既存構造物の補強構造。 - 【請求項5】 柱・はりフレームとせん断力伝達部材と
の接合部分に接着材または充填材を充填してあることを
特徴とする請求項1、2、3または4記載の既存構造物
の補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03558699A JP4016522B2 (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 既存構造物の補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03558699A JP4016522B2 (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 既存構造物の補強構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000234443A true JP2000234443A (ja) | 2000-08-29 |
JP4016522B2 JP4016522B2 (ja) | 2007-12-05 |
Family
ID=12445896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03558699A Expired - Fee Related JP4016522B2 (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 既存構造物の補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4016522B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101136914B1 (ko) * | 2009-08-12 | 2012-04-20 | 동국대학교 산학협력단 | 건물 내부 기둥의 보강구조물 및 리모델링 공법 |
KR101152853B1 (ko) * | 2009-07-31 | 2012-06-12 | 동국대학교 산학협력단 | Pc 패널을 이용하는 건물 리모델링 시공 방법, 및 이를 적용한 리모델링 건물 |
KR101187179B1 (ko) | 2011-02-24 | 2012-09-28 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 지진하중 흡수 기능을 갖는 칸막이 벽체의 시공방법 |
KR101187093B1 (ko) | 2011-02-24 | 2012-09-28 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 라멘 골조에 설치되는 지진하중 흡수장치 |
KR101236575B1 (ko) | 2011-12-09 | 2013-02-22 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 파형 웨브가 구성된 지진하중 흡수장치를 이용한 칸막이 벽체의 시공방법 |
KR101242978B1 (ko) | 2011-12-09 | 2013-03-12 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 슬릿형 웨브가 구성된 지진하중 흡수장치를 이용한 칸막이 벽체의 시공방법 |
CN112593720A (zh) * | 2020-06-16 | 2021-04-02 | 山东筑峰建筑工程有限公司 | 一种剪力墙置换支撑系统及其应用 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102505635B (zh) * | 2011-10-18 | 2014-01-15 | 中铁大桥局股份有限公司 | 桥梁施工用现浇模架 |
-
1999
- 1999-02-15 JP JP03558699A patent/JP4016522B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101152853B1 (ko) * | 2009-07-31 | 2012-06-12 | 동국대학교 산학협력단 | Pc 패널을 이용하는 건물 리모델링 시공 방법, 및 이를 적용한 리모델링 건물 |
KR101136914B1 (ko) * | 2009-08-12 | 2012-04-20 | 동국대학교 산학협력단 | 건물 내부 기둥의 보강구조물 및 리모델링 공법 |
KR101187179B1 (ko) | 2011-02-24 | 2012-09-28 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 지진하중 흡수 기능을 갖는 칸막이 벽체의 시공방법 |
KR101187093B1 (ko) | 2011-02-24 | 2012-09-28 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 라멘 골조에 설치되는 지진하중 흡수장치 |
KR101236575B1 (ko) | 2011-12-09 | 2013-02-22 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 파형 웨브가 구성된 지진하중 흡수장치를 이용한 칸막이 벽체의 시공방법 |
KR101242978B1 (ko) | 2011-12-09 | 2013-03-12 | 한국기술교육대학교 산학협력단 | 슬릿형 웨브가 구성된 지진하중 흡수장치를 이용한 칸막이 벽체의 시공방법 |
CN112593720A (zh) * | 2020-06-16 | 2021-04-02 | 山东筑峰建筑工程有限公司 | 一种剪力墙置换支撑系统及其应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4016522B2 (ja) | 2007-12-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2000234443A (ja) | 既存構造物の補強構造 | |
JP2000170285A (ja) | 鋼板コンクリート構造壁の接合方法および接合部構造 | |
JPH09242183A (ja) | 枠組み耐震構造 | |
JP3690437B2 (ja) | 既存建築物の耐震補強構造 | |
JP2927402B2 (ja) | コンクリート建造物の柱・梁接合部構造 | |
JPH07229202A (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部構造 | |
GB2131849A (en) | Structural framework | |
JP2000154651A (ja) | 既存建物の耐震補強方法および耐震補強構造 | |
JPH10292636A (ja) | 既設建築物の構造補強ブレース | |
JPH1096294A (ja) | 鉄骨・鉄筋コンクリート梁 | |
JP3004242B2 (ja) | 制震用建築材料、制震構造及びその構築方法 | |
JPH10317712A (ja) | 制振壁とその施工方法 | |
KR20210066225A (ko) | 기둥과 보의 접합부 코어 | |
JP4660810B2 (ja) | 境界梁ダンパー | |
JP2004238801A (ja) | 耐震補強構造 | |
JPH07158161A (ja) | 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部構造及び接合部材 | |
JP2020020229A (ja) | 外壁構造 | |
JP2972962B2 (ja) | 仕口構造 | |
JPH10184031A (ja) | 既設の柱梁架構の耐震補強方法 | |
JP4379732B2 (ja) | 建物の耐震補強工法 | |
JP2000073448A (ja) | プレキャストコンクリート梁と柱の接合方法および接合構造 | |
JPH0762740A (ja) | プレキャスト鉄骨鉄筋コンクリート造柱梁の接合方法 | |
JP2004060245A (ja) | 架構の補強構造 | |
JPH11172689A (ja) | 鉄骨柱の脚部定着法 | |
JPH03275833A (ja) | 柱梁の仕口構法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050704 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070406 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070410 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070611 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070828 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070910 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |