JP5869717B1 - 既存コンクリート構造物補強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で、組み立て、設置が容易で地震時の耐震性能を向上させることが可能な既存コンクリートコンクリート構造物補強構造及び既存コンクリート構造物補強工法を提供する。【解決手段】既存コンクリート構造物の補強構造において、既存コンクリート柱又は既存コンクリート梁3に対して水平に伸びる断面L字形部材5を矩形状に連結してなる水平補強枠と、水平補強枠の水平部にウェブ部の上下端部が連結固定されウェブ部とフランジ部が垂直に伸びるように配置した断面T字形部材からなる垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に巻き付け固定される繊維シート14と、既存のコンクリート柱又は既存コンクリート梁3と繊維シート14が巻き付けられた水平補強枠と垂直補強枠の空隙に充填し固化され既存コンクリート構造物と一体化するコンクリートと、からなる。【選択図】図1
Description
本発明は、本発明は、建築、土木分野の既存コンクリート構造物補強構造に関する。
従来、既存のコンクリート柱やコンクリート梁の補強構造として、コンクリート柱やコンクリート梁に対して所定の間隔を保持して複数の補強鋼板で囲い、コンクリート柱、コンクリート梁と補強鋼板との間にコンクリートを打設して、コンクリートを固化させ。補強鋼板と既存のコンクリート柱、コンクリート梁を一体化する補強構造が提案されている。
しかしながら、従来の既存コンクリート柱や既存コンクリート梁の補強構造においては、既存コンクリート柱、既存コンクリート梁と補強鋼板の間に打設固化されるコンクリートと補強鋼板との一体化が不十分であるという問題と、補強鋼板の地震時の変位に対する耐久性が十分でないという問題があり、その結果、補強鋼板と既存コンクリート柱、既存コンクリート梁との空間に配筋される軸方向筋や水平筋の量を増やさなければならないという問題を有していた。
本発明は、従来技術の持つ課題を解決するもので、構造が簡単で、組み立て、設置が容易で地震時の耐震性能を向上させることが可能な既存コンクリート構造物補強構造を提供することを目的とする。
本発明の既存コンクリート構造物補強構造は、前記課題を解決するために、既存コンクリート柱の全周を補強する補強構造であって、既存コンクリート柱の全周に既存コンクリート柱に対して所定間隔を開けて配置され水平部と垂直部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を矩形状に連結して形成され既存コンクリート柱の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存のコンクリート柱と繊維シートが固定された水平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、からなることを特徴とする。
また、本発明の既存コンクリート構造物補強構造は、既存コンクリート柱の一面を補強する補強構造であって、水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を矩形状に連結して形成され既存コンクリート柱の一面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存のコンクリート柱の一面に固定され繊維シートが固定された平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、
からなることを特徴とする。
からなることを特徴とする。
また、本発明の既存コンクリート構造物補強構造は、既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部を補強する補強構造であって、水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分とコンクリートが充填される空隙を形成する部分に連結して形成され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面に固定され繊維シートが固定された水平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、からなることを特徴とする。
また、本発明の既存コンクリート構造物補強構造は、水平補強枠と垂直補強枠の外周に型枠部材を配置し、型枠部材の外周に繊維シートを巻く付けることを特徴とする。
また、本発明の既存コンクリート構造物補強構造は、断面L字形部材、断面T字形部材及び型枠部材を鋼又はFRPで形成することを特徴とする。
また、本発明の既存コンクリート構造物補強構造は、コンクリートが充填される空隙に軸方向筋、水平筋を配筋することを特徴とする。
既存コンクリート柱の全周を補強する補強構造であって、既存コンクリート柱の全周に既存コンクリート柱に対して所定間隔を開けて配置され水平部と垂直部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を矩形状に連結して形成され既存コンクリート柱の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存のコンクリート柱と繊維シートが固定された水平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、からなることで、構造が簡単で組み立てが容易で、コンクリートと一体化した水平補強枠の水平部と垂直補強枠のウェブ部が補強リブとして機能し、補強筋の量を少なくして耐震性を向上させ、外周に固定された繊維シートが地震時のエネルギーを減衰することが可能となる。
既存コンクリート柱の一面を補強する補強構造であって、水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を矩形状に連結して形成され既存コンクリート柱の一面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存のコンクリート柱の一面に固定され繊維シートが固定された平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、からなることで、既存コンクリート柱の一面側のみの補強構造においても、コンクリートと一体化した水平補強枠の水平部と垂直補強枠のウェブ部が補強リブとして機能し、補強筋の量を少なくして耐震性を向上させ、外周に固定された繊維シートが地震時のエネルギーを減衰することが可能となる。
既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部を補強する補強構造であって、水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分とコンクリートが充填される空隙を形成する部分に連結して形成され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面に固定され繊維シートが固定された水平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、からなることで、既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部を補強する補強構造においても、コンクリートと一体化した水平補強枠の水平部と垂直補強枠のウェブ部が補強リブとして機能し、補強筋の量を少なくして耐震性を向上させ、外周に固定された繊維シートが地震時のエネルギーを減衰することが可能となる。
水平補強枠と垂直補強枠の外周に型枠部材を配置し、型枠部材の外周に繊維シートを固定することで、より強固な補強構造とすることが可能となる。
断面L字形部材、断面T字形部材及び型枠部材を鋼又はFRPで形成することで、鋼製でもFRP製でも高強度の補強構造とすることが可能となる。
コンクリートが充填される空隙に軸方向筋、水平筋を配筋することで、高強度の補強構造とすることが可能となる。
既存コンクリート柱の一面を補強する補強構造であって、水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を矩形状に連結して形成され既存コンクリート柱の一面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存のコンクリート柱の一面に固定され繊維シートが固定された平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、からなることで、既存コンクリート柱の一面側のみの補強構造においても、コンクリートと一体化した水平補強枠の水平部と垂直補強枠のウェブ部が補強リブとして機能し、補強筋の量を少なくして耐震性を向上させ、外周に固定された繊維シートが地震時のエネルギーを減衰することが可能となる。
既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部を補強する補強構造であって、水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分とコンクリートが充填される空隙を形成する部分に連結して形成され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面に固定され繊維シートが固定された水平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、からなることで、既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部を補強する補強構造においても、コンクリートと一体化した水平補強枠の水平部と垂直補強枠のウェブ部が補強リブとして機能し、補強筋の量を少なくして耐震性を向上させ、外周に固定された繊維シートが地震時のエネルギーを減衰することが可能となる。
水平補強枠と垂直補強枠の外周に型枠部材を配置し、型枠部材の外周に繊維シートを固定することで、より強固な補強構造とすることが可能となる。
断面L字形部材、断面T字形部材及び型枠部材を鋼又はFRPで形成することで、鋼製でもFRP製でも高強度の補強構造とすることが可能となる。
コンクリートが充填される空隙に軸方向筋、水平筋を配筋することで、高強度の補強構造とすることが可能となる。
本発明の実施の形態を図により説明する。図1は、既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の補強構造の一実施形態を示す図である。
既存コンクリート構造物は、床構造1から既存コンクリート柱2が鉛直に立設し、既存コンクリート柱2に既存コンクリート梁3が水平に交差する。既存コンクリート柱2は既存コンクリート梁3の上部にも鉛直方向に立設する。既存コンクリート梁3に床スラブ4が支持される。
床構造1から鉛直方向に伸びる既存コンクリート柱2の補強構造を、図2、図3、図4、図5(a)(b)(c)により説明する。床構造1から鉛直方向に立設する既存コンクリート柱2に対して所定間隔をおいて、断面L字形部材5の水平部5aが床構造1に接触するよう配置し、複数の断面L字形部材5を連結して矩形状の水平補強枠6を形成する。断面L字形部材5を矩形状に連結する際、コーナー部に位置する断面L字形部材5の端部を45度の角度で切除して連結する。水平補強枠6の床構造1と接する水平部5aと床構造1をアンカーボルト7で固定する。断面L字形部材5で形成された水平補強枠6の水平部5aには、垂直補強枠8を連結固定するための連結部材9が連結部材固定ピン17で固定される。連結部材9には、垂直補強枠固定ピン挿通孔9a形成される。
水平補強枠6の水平部5aに連結固定される垂直補強枠8は、断面T字形部材10により形成される。断面T字形部材10は、ウェブ部10aとウェブ部10aと直交するフランジ部10bにより構成される。フランジ部10bの上下部は、ウェブ部10aの上下端が固定される断面L字形部材5の水平部5aから垂直部5b上下端までの長さだけ切除する。ウェブ部10aの一部を切除することにより、断面T字形部材10のウェブ部10aを、断面L字形部材5の水平部5aに連結部材9と垂直補強枠固定ピン11で連結固定すると、断面L字形部材5の垂直部5bと断面T字形部材10のフランジ部10bの表面が面一になる。
複数の断面T字形部材10を矩形状に連結して構成される水平補強枠6の一辺をなす水平部5aに複数の断面T字形部材10を連結固定して垂直補強枠8を形成する場合、図5(a)に示すように、隣接するフランジ部10bの端部が接触するように配置する。コーナー部に位置する断面T字形部材10のフランジ部10bの端部を45度の角度で切除して連結すると、矩形状に連結された水平補強枠6の上に垂直補強枠8のフランジ部10bが矩形状に配置される。隣接するフランジ部10bの端部が互いに密着するように配置されるので、水平補強枠6と垂直補強枠8で形成される矩形状の外周は、垂直部5bとフランジ部10bにより閉じられた滑らかな外周面となる。
図2に示すように、床構造1から上に位置する水平補強枠8は、1対の断面L字形部材5の水平部5a同士を接触させ、上下の水平部5aを水平補強枠連結ピン12で固定する。床構造1から立設する既存コンクリート柱2の周囲に水平補強枠6と垂直補強枠8を矩形状に連結配置する。
床構造1から鉛直に立設する既存コンクリート柱2の周囲に水平補強枠6と垂直補強枠8の連結配置が終了すると、水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に繊維シートを巻きつける。必要に応じて、矩形状に連結した水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に型枠部材13を配置しても良い。型枠部材13を配置する場合、型枠部材13の外周に繊維シート14を巻きつける。水平補強枠6の垂直部5aと垂直補強枠8のフランジ部10bが面一になっているので型枠部材13の配置が容易になる。その後、既存コンクリート柱2と水平補強枠6、垂直補強枠8との間には、軸方向筋15と必要に応じて水平筋16を配筋する。
軸方向筋15と必要に応じて配置される水平筋16が配筋された空間に未硬化のセメントモルタルを打設する。セメントモルタルに金属繊維、有機繊維を混合したものを用いると強度の大きいコンクリートとすることが可能となる。セメントモルタルが固化することにより、既存コンクリート柱2と水平補強枠、垂直補強枠8、型枠部材13、繊維シート14が固化したコンクリートにより一体化して既存コンクリート柱2の耐震性能が大幅に補強される。
セメントモルタルが打設される側の水平補強枠6と垂直補強枠8には、断面L字形部材5の水平部5aと断面T字形部材10の垂直なウェブ部10aが水平方向、垂直方向の補強リブとして機能して耐震性能を向上させると共に、型枠部材13の外周に巻き付けられた繊維シート14も地震時のエネルギーを減衰する機能を有する。既存コンクリート梁3の上から立設する既存コンクリート柱2の補強構造も同様に実施する。
断面L字形部材5、断面T字形部材10、型枠部材13は、鋼又は高強度なRRPで形成しても良い。構造が簡単な規格部材で水平補強枠6と垂直補強枠8が形成することが可能であるため、組み立て作業が容易で低コストの既存コンクリート構造物補強構造とすることが可能となる。
図6は、既存コンクリート柱2と既存コンクリート梁3の交差部の補強構造を示す図である。既存コンクリート柱2と既存コンクリート梁3の交差部に水平補強枠6と垂直補強枠8を連結して既存コンクリート柱2と既存コンクリート梁3の交差部に接する部分とコンクリートが充填される空隙部を形成する。既存コンクリート柱2と既存コンクリート梁3と接する断面L字形部材5の垂直部5bと既存コンクリート柱2、既存コンクリート梁3とをアンカーボルト7で固定する。
水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に繊維シート14を巻きつける。必要に応じて、矩形状に連結した水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に型枠部材13を配置しても良い。型枠部材13を配置する場合、型枠部材13の外周に繊維シート14を巻きつける。その場合、型枠部材13と繊維シートの両端をアンカーボルト7を介して既存コンクリート梁3に固定しても良い。図6では、既存コンクリート柱2と既存コンクリート梁3の交差部の一面側のみを示しているが、既存コンクリート柱2と既存コンクリート梁3の交差部の全周を補強する。
既存コンクリート柱2、既存コンクリート梁3と水平補強枠6、垂直補強枠8との間には、軸方向筋15と必要に応じて水平筋16を配筋する。
軸方向筋15と必要に応じて配置される水平筋16が配筋された空間に未硬化のセメントモルタルを打設する。セメントモルタルに金属繊維、有機繊維を混合したものを用いると強度の大きいコンクリートとすることが可能となる。セメントモルタルが固化することにより、既存コンクリート柱2と水平補強枠、垂直補強枠8、型枠部材13、繊維シート14が固化したコンクリートにより一体化して既存コンクリート柱2の耐震性能が大幅に補強される。
断面L字形部材5、断面T字形部材10、型枠部材13は、鋼又は高強度なRRPで形成しても良い。構造が簡単な規格部材で水平補強枠6と垂直補強枠8が形成することが可能であるため、組み立て作業が容易で低コストの既存コンクリート構造物補強構造とすることが可能となる。
図7は、既存コンクリート柱1の一面側にのみ補強される補強構造を示す図である。
既存コンクリート柱2の一側面側に水平補強枠6と垂直補強枠8を矩形状に連結して配置する。矩形状に連結した水平補強枠6の垂直部5bと垂直補強枠8のフランジ部10bが既存コンクリート柱2の一面と接する。既存コンクリート柱2の一面と接する断面L字形部材5の垂直部5bと既存コンクリート柱1の一面とがアンカーボルト7で固定される。矩形状に連結した水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に繊維シート14を巻きつける。
必要に応じて、水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に型枠部材13を配置しても良い。その場合、型枠部材13の外周に繊状シート14を巻きつける。型枠部材13と繊維シートの両端をアンカーボルト7を介して既存コンクリート柱2の側面に固定しても良い。
既存コンクリート柱2の一側面側に水平補強枠6と垂直補強枠8を矩形状に連結して配置する。矩形状に連結した水平補強枠6の垂直部5bと垂直補強枠8のフランジ部10bが既存コンクリート柱2の一面と接する。既存コンクリート柱2の一面と接する断面L字形部材5の垂直部5bと既存コンクリート柱1の一面とがアンカーボルト7で固定される。矩形状に連結した水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に繊維シート14を巻きつける。
必要に応じて、水平補強枠6と垂直補強枠8の外周に型枠部材13を配置しても良い。その場合、型枠部材13の外周に繊状シート14を巻きつける。型枠部材13と繊維シートの両端をアンカーボルト7を介して既存コンクリート柱2の側面に固定しても良い。
既存コンクリート柱2の一面側と水平補強枠6、垂直補強枠8との間には、軸方向筋15と必要に応じて水平筋16を配筋する。軸方向筋15と必要に応じて配置される水平筋16が配筋された空間に未硬化のセメントモルタルを打設する。セメントモルタルに金属繊維、有機繊維を混合したものを用いると強度の大きいコンクリートとすることが可能となる。セメントモルタルが固化することにより、既存コンクリート柱2と水平補強枠、垂直補強枠8、型枠部材13、繊維シート14が固化したコンクリートにより一体化して既存コンクリート柱2の耐震性能が大幅に補強される。
断面L字形部材5、断面T字形部材10、型枠部材13は、鋼又は高強度なRRPで形成しても良い。構造が簡単な規格部材で水平補強枠6と垂直補強枠8が形成することが可能であるため、組み立て作業が容易で低コストの既存コンクリート構造物補強構造とすることが可能となる。
以上のように、本発明の既存コンクリートコンクリート構造物補強構造及びコンクリート構造物補強工法によれば、構造が簡単で組み立てが容易で、コンクリートと一体化した水平補強枠の水平部と垂直補強枠のウェブ部が補強リブとして機能し、補強筋の量を少なくして耐震性能を向上させ、型枠部材の外周に巻き付けられる繊維シートが地震時のエネルギーを減衰することが可能となる。
1:床構造、2:既存コンクリート柱、3:既存コンクリート梁、4:床スラブ、5:断面L字形部材、5a:水平部、5b:垂直部、6:水平補強枠、7:アンカーボルト、8:垂直補強枠、9:連結部材、9a:垂直補強枠固定ピン挿通孔、10:断面T字形部材、10a:ウェブ部、10b:フランジ部、11:垂直補強枠固定ピン固定ピン、12:水平補強枠連結ピン、13:型枠部材、14:繊維シート、15:軸方向筋、16:水平筋、17:連結部材固定ピン
Claims (6)
- 既存コンクリート柱の全周を補強する補強構造であって、
既存コンクリート柱の全周に既存コンクリート柱に対して所定間隔を開けて配置され水平部と垂直部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を矩形状に連結して形成され既存コンクリート柱の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、
高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、
水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、
既存のコンクリート柱と繊維シートが固定された水平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、
からなることを特徴とする既存コンクリート構造物補強構造。 - 既存コンクリート柱の一面を補強する補強構造であって、
水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を矩形状に連結して形成され既存コンクリート柱の一面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、
高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、
水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、
既存のコンクリート柱の一面に固定され繊維シートが固定された平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、
からなることを特徴とする既存コンクリート構造物補強構造。 - 既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部を補強する補強構造であって、
水平部と垂直部からなりコーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面L字形部材を既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分とコンクリートが充填される空隙を形成する部分に連結して形成され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面と接触する部分がアンカーボルトにより固定され既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の高さ方向に所定間隔毎に配置される水平補強枠と、
高さ方向に配置された水平補強枠の水平部間の長さを備え、水平補強枠の水平部に連結部材を介して固定されるウェブ部と、ウェブ部が上下の水平補強枠の水平部に固定された状態で上下の水平補強枠の垂直部間の長さを備え水平補強枠の垂直部と面一になるフランジ部からなり、コーナー部に位置する一端が45度の角度を有する断面T字形部材を水平補強枠と同じ形状に連結して配置される垂直補強枠と、
水平補強枠と垂直補強枠の外周に固定される繊維シートと、
既存コンクリート柱と既存コンクリート梁の交差部の表面に固定され繊維シートが固定された水平補強枠と垂直補強枠間の空隙に充填されるコンクリートと、
からなることを特徴とする既存コンクリート構造物補強構造。 - 水平補強枠と垂直補強枠の外周に型枠部材を配置し、型枠部材の外周に繊維シートを固定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の既存コンクリート構造物補強構造。
- 断面L字形部材、断面T字形部材及び型枠部材を鋼又はFRPで形成することを特徴とする請求項4に記載の既存コンクリート構造物補強構造。
- コンクリートが充填される空隙に軸方向筋、水平筋を配筋することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の既存コンクリート構造物補強構造。
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