JP2017115553A - 制振装置及び建物の制振構造 - Google Patents

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【課題】複合型の制振装置において、構造体に設置したときの専有空間を削減し、制振性能の信頼性及び再現性を向上させ、振動エネルギー吸収材を容易に増減できるようにする。【解決手段】制振装置10は、第1の架構部材に取り付けられる第1基板12と、第2の架構部材に取り付けられる第2基板14と、第1基板12及び第2基板14に重ね合わされる保持板16とを備える。第2基板14は、第1基板12に対して面内方向かつ横方向へ変位できる。第1基板12及び第2基板14には、同じ側を向く第1面30及び第2面32が設けられ、保持板16には、第1面30及び第2面32に対向する保持面34が設けられる。制振装置10はさらに、第1面30と保持面34との間に挟持される粘弾性材38と、第2面32と保持面34との間に挟持され、粘弾性材38に対し第1基板と第2基板との相対変位の方向の片側に配置される摩擦材40とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、建物に生じた振動を抑制する制振装置に関する。本発明はまた、制振装置を備えた建物の制振構造に関する。
互いに間隔を空けて配置される一対の架構部材(柱や梁)を含む建物の構造体に設置される制振装置において、振動エネルギー吸収材として摩擦材と粘弾性材との双方を用いる複合型の制振装置が知られている。例えば特許文献1には、建築物の振動を減衰する間柱型の減衰装置であって、上方部材に取り付けられた第1の板材と、下方部材に取り付けられた第2の板材と、第1の板材と第2の板材との間に設けられた第3の板材と、第1及び第2の板材の一方と第3の板材の一方の面との間に設けられた粘弾性ダンパーと、第1及び第2の板材の他方と第3の板材の他方の面との間に設けられた摩擦ダンパーとを備える減衰装置が記載されている。この減衰装置では、粘弾性ダンパーと摩擦ダンパーとが第3の板材の異なる面に設けられているから、粘弾性ダンパーと摩擦ダンパーとの間の接続部分に負荷が生じにくく、減衰装置の変形を防止できる、と記載されている。
また特許文献2には、建築物に設置されて地震による振動エネルギーを吸収する壁型の制震ダンパーであって、一対の第一鋼板と第一鋼板同士の間で固定状態に設けられた第二鋼板との間に挟持される第一粘弾性体と、一対の第一鋼板と第二鋼板との間に摩擦材が配され、第二鋼板の側面に対して平行に摺動するすべり機構と、一対の第一鋼板を挟持させるように設けた一対の第三鋼板と第一鋼板との間に挟持される第二粘弾性体とを備える制震ダンパーが記載されている。第一粘弾性体及びすべり機構は上階梁に接続され、第二粘弾性体は下階梁に接続される。すべり機構は上階梁に近接して配置され、その下方に第一粘弾性体及び第二粘弾性体が配置される。
特開2009−228834号公報(段落0013、段落0014、図3) 特開2007−247278号公報(段落0005、段落0011、段落0012、図1)
複合型の制振装置において、構造体に設置したときの専有空間を削減すること、制振性能の信頼性及び再現性を向上させること、要求される制振性能に応じて振動エネルギー吸収材の表面積を容易に増減できること等が望まれている。
本発明の一態様は、互いに間隔を空けて配置される一対の架構部材を含む構造体に設置される制振装置であって、第1の架構部材に取り付けられる第1基板と、第2の架構部材に取り付けられ、第1基板に隣接して配置される第2基板であって、第1の架構部材と第2の架構部材との相対移動に伴い、第1基板に対して面内方向かつ横方向へ変位する第2基板と、第1基板に設けられる第1面と、第2基板に設けられ、第1面と同じ側を向く第2面と、第1基板及び第2基板に重ね合わされ、第1面及び第2面に対向する保持面を有する保持板と、第1面と保持面との間に挟持される粘弾性材と、第2面と保持面との間に挟持され、粘弾性材に対し第1基板と第2基板との相対変位の方向の片側に配置される摩擦材と、を具備する制振装置である。
本発明の他の態様は、互いに間隔を空けて配置される第1及び第2の架構部材と、上記した制振装置と、を具備する建物の制振構造である。
一態様に係る制振装置は、第1基板と第2基板とが互いに面内方向かつ横方向へ変位するものであるから、一対の架構部材を含む建物の構造体に、壁型又は間柱型の制振装置として設置できる。一般に壁型又は間柱型の制振装置は、構造体の中で斜めに配置されるブレース型の制振装置に比べて、制振装置を内蔵した建物の外壁等に開口部を設け易くなる利点がある。しかも本態様の制振装置では、粘弾性材と摩擦材とが互いに対し、第1基板と第2基板との相対変位の方向の片側に配置されるから、この相対変位の方向における制振装置の外形寸法を縮小でき、以て、制振装置を構造体に設置したときの専有空間を削減することができる。さらに、粘弾性材と摩擦材とが第1基板と第2基板との相対変位の方向へ互いに並んで配置されるから、粘弾性材及び摩擦材がそれぞれの特性に従って制振動作するときのモーメントの発生が回避され、粘弾性材と摩擦材との間で第1基板、第2基板及び保持板に生じる曲げモーメントが低減される。その結果、制振装置の制振性能の信頼性及び再現性が向上する。
また本態様に係る制振装置は、いずれも同じ側を向く第1面及び第2面と、それら第1面及び第2面に対向する保持面との間に、粘弾性材及び摩擦材を挟持する構成であるから、装置全体の薄型化を促進できる。しかも、保持面を有する保持板を、粘弾性材及び摩擦材に対し制振装置の厚み方向の外側に配置できるので、保持板のさらに外側に、粘弾性材及び摩擦材を追加して配置することが容易である。したがって本態様の制振装置では、要求される制振性能に応じて振動エネルギー吸収材の表面積を容易に増減できる。
他の態様に係る建物の制振構造は、一態様に係る制振装置を備えたことにより、制振性能の信頼性及び再現性に優れ、かつ建物の要求に応じた制振性能を発揮できる。また、第1及び第2の架構部材を含む構造体の中での制振装置の専有空間を削減できるので、制振構造を備えた建物の外壁等に所望の形状や寸法の開口部(ドア、窓等)を設けることが容易である。
一実施形態による制振装置の分解斜視図である。 他の実施形態による制振装置の斜視図である。 図2の制振装置の分解斜視図である。 図2の線IV−IVに沿った断面図である。 図2の線V−Vに沿った断面図である。 図2の線VI−VIに沿った断面図である。 図2の線VII−VIIに沿った断面図である。 図7に対応する断面図で、第1及び第2基板の相対変位量が小さい状態を示す図である。 図7に対応する断面図で、第1及び第2基板の相対変位量が大きい状態を示す図である。 図2の制振装置の変形例を示す断面図である。 図2の制振装置の他の変形例を示す断面図である。 図2の制振装置のさらに他の変形例を示す断面図である。 一実施形態による建物の制振構造の正面図である。 他の実施形態による建物の制振構造の正面図である。 図12の制振構造の変形例を示す正面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、一実施形態による制振装置10を示す。制振装置10は、互いに間隔を空けて配置される一対の架構部材(図示せず)を含む建物の構造体に設置され、地震や強風等に起因して建物に生じる振動を抑制するものである。後述するように制振装置10は、振動エネルギー吸収材として粘弾性材と摩擦材との双方を用いる複合型の構成を有する。また、建物の構造体を構成する架構部材は柱や梁であって、制振装置10は、一対の梁の間又は一対の柱の間に架設される壁型又は間柱型の構成を有する。
図1に示すように、制振装置10は、第1の架構部材(図示しない梁又は柱)に取り付けられる第1基板12と、第2の架構部材(図示しない梁又は柱)に取り付けられ、第1基板12に隣接して配置される第2基板14と、第1基板12及び第2基板14に重ね合わされる保持板16とを備える。この実施形態では、第1基板12は、第1の架構部材に支持される第1支持板18と、第1支持板18に連結される第1連結板20とを備える。また第2基板14は、第2の架構部材に支持される第2支持板22と、第2支持板22に連結される第2連結板24とを備える。
第1支持板18及び第2支持板22は、H形鋼等の鋼材の形状を有することができ、所望の剛性を有する金属等の素材から形成できる。第1連結板20及び第2連結板24は、一般的な鋼板やステンレス鋼板(SUS板)等の板材の形状を有することができ、所望の剛性を有する金属等の素材から形成できる。特に第2連結板24は、後述する摩擦材との摩擦面を提供する観点で、SUS板から形成されることが好ましい。第1支持板18と第1連結板20とは、ボルト/ナット等の一般的な固定手段によって互いに固定される。図1は簡略化のため、使用される複数のボルトのうちの2つのボルト26を示す。同様に、第2支持板22と第2連結板24とは、ボルト/ナット等の一般的な固定手段によって互いに固定される。図1は簡略化のため、使用される複数のボルトのうちの2つのボルト28を示す。なお第1基板12及び第2基板14の構成は、上記構成に限定されず、第1支持板18と第1連結板20とが同一素材で一体成形されたり別素材で成形され溶接等で一体化されたりしたものであってもよいし、また第2支持板22と第2連結板24とが同一素材で一体成形されたり別素材で成形され溶接等で一体化されたりしたものであってもよい。
図1に示すように、第1支持板18の横方向(図のX方向)の寸法は第2支持板22の横方向(図のX方向)の寸法と略同一である一方、第1支持板18の縦方向(図のZ方向)の寸法は第2支持板22の縦方向(図のZ方向)の寸法よりも小さい。また、第1支持板18の厚み(図のY方向の寸法)及び横断面形状は、第2支持板22の厚み(図のY方向の寸法)及び横断面形状と略同一である。第1支持板18と第2支持板22とは、いずれも同じ方向(Y方向)を向く略平坦な主面18a、22aを有し、それら主面18a、22aを実質的同一の仮想平面上に配置した状態で、縦方向(Z方向)へ互いに並んで配置される。
図1に示すように、第1連結板20は、第1支持板18の主面18aに置かれる連結部分20aと、連結部分20aから主面18aの外方へ延長される延長部分20bとを一体に有する。第2連結板24は、その全体が、第2支持板22の主面22aに置かれる。第1連結板20の延長部分20bは、第2支持板22の主面22aに置かれて、第2連結板24に対し横方向(X方向)へ並んで配置される。
第1基板12には、外側を向く第1面30が設けられ、第2基板14には、第1面30と同じ外側を向く第2面32が設けられる。第1面30と第2面32とは、いずれも平坦で互いに略平行に配置される。また第1面30と第2面32とは、互いに同一の仮想平面上に配置されるか、或いは、僅かな高さの差を有する二つの仮想平面上にそれぞれ配置される。図1の実施形態では、第1連結板20の延長部分20bに、第1支持板18の主面18aと同じ方向(Y方向)を向く第1面30が設けられ、第2連結板24に、第2支持板22の主面22aと同じ方向(Y方向)を向く第2面32が設けられる。第1面30と第2面32とは、横方向(X方向)へ互いに並んで配置される。
制振装置10を設置する構造体の一対の架構部材が上下の梁の場合、通常、第1基板12は上の梁に直接又は間接に取り付けられ、第2基板14は下の梁に直接又は間接に取り付けられる。或いは、第1基板12を下の梁に取り付け、第2基板14を上の梁に取り付けることもできる。また、制振装置10を設置する構造体の一対の架構部材が左右の柱の場合、第1基板12は一方の柱に直接又は間接に取り付けられ、第2基板14は他方の柱に直接又は間接に取り付けられる。いずれの場合も、第1基板12と第2基板14とは、第1の架構部材(梁又は柱)と第2の架構部材(梁又は柱)との、両者の長手方向への相対移動に伴い、互いに面内方向(第1面30及び第2面32に平行な方向)かつ横方向(X方向)へ変位することができるように構成される。
この構成により、図1の実施形態では、第1支持板18と第2支持板22とは、第1基板12と第2基板14との上記した相対変位の方向に直交する方向(Z方向)へ並んで配置されることになる。また、第1連結板20の延長部分20b(第1面30)と第2連結板24(第2面32)とは、第1基板12と第2基板14との上記した相対変位の方向(X方向)へ並んで配置されることになる。なお本願において、第1基板12と第2基板14との相対変位の方向を表す「横方向」とは、第1支持板18と第2支持板22とが互いに向かい合った状態で一方が他方に対し左右に位置ずれを生ずる方向を意味するものであり、第1支持板18と第2支持板22とが互いに接近又は離反するような変位方向とは異なるものである。
保持板16は、一般的な鋼板等の板材の形状を有することができ、所望の剛性を有する金属等の素材から形成できる。保持板16は、第1基板12の第1面30及び第2基板14の第2面32に対向する平坦な保持面34を有する。図1では保持面34は見えないが、保持面34の反対側で外側を向く面36を見ることができ、保持面34は面36と同一の輪郭を有するものである。図1の実施形態では、保持板16は、第1連結板20の延長部分20bと第2連結板24とに重ね合わせて配置される形状を有し、第1面30を実質的に覆い隠す第1保持部分16aと、第2面32を実質的に覆い隠す第2保持部分16bとを一体に有する。
制振装置10は、振動エネルギー吸収材として、第1基板12の第1面30と保持板16の保持面34との間に挟持される粘弾性材38と、第2基板14の第2面32と保持板16の保持面34との間に挟持される摩擦材40とを備える。粘弾性材38と摩擦材40とは、互いに対し、第1基板12と第2基板14との上記した相対変位の方向(X方向)の片側に配置される。
粘弾性材38は、第1面30と保持面34との間に介在する薄板状の形状を有する。制振装置10を設置する構造体に振動が生じたときに、粘弾性材38は、それ自体が面内方向へ剪断変形して分子間摩擦を生じることにより振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、以て振動エネルギーを吸収する。粘弾性材38は、要求される制振性能に応じた表面積や厚みを有することができ、例えば、アクリル系ポリマー(例えばポリ(メタ)アクリレート、アクリル酸、アクリルアミド等の共重合体)、ウレタン系ポリマー(例えばポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン等)、オレフィン系ポリマー、シリコーン系ポリマー(例えばメチルビニルシリコーン)、塩化ビニル系ポリマー、ブタン系ゴム、ブチル系ゴム等を用いることができる。
摩擦材40は、第2面32と保持面34との間に介在する薄板状の形状を有する。制振装置10を設置する構造体に振動が生じたときに、摩擦材40は、主として第2面32に対し摺動して摩擦抵抗を生じることにより振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、以て振動エネルギーを吸収する。摩擦材40は、要求される制振性能に応じた表面積を有することができ、例えば、熱硬化型樹脂を結合材として、アラミド繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維等の繊維材料や、カシューダスト等の摩擦調整材、硫酸バリウム等の充填剤等を添加したもの等から作製できる。
粘弾性材38は、それ自体が有する粘着力により、第1面30及び保持面34に固着する。したがって保持板16は、粘弾性材38の粘着力により、第1基板12(第1連結板20)に取り付けられる。この状態で保持板16は、粘弾性材38の粘弾性範囲において、第1基板12(第1連結板20)に対し移動できる。
保持板16はさらに、保持面34と第1面30との間に粘弾性材38を挟持した状態で、ボルト(すなわち締結部材)42を用いて、第1基板12(第1連結板20)に取り付けられる。図1は簡略化のため、保持板16の第1保持部分16aを第1連結板20に取り付ける複数のボルト42のうちの2つのボルト42を示す。第1基板12(第1連結板20)には、それぞれにボルト42を挿通する複数の長穴44が形成される。また図示しないが、第2基板14(第2支持板22)には、第1基板12の長穴44に対応する位置に、それぞれにボルト42を挿通する複数の穴(長穴44よりも大きな開口部)が形成される。複数の長穴44は、それぞれの長軸を、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)に向けて形成される。
各ボルト42は、保持板16の穴46、第1基板12(第1連結板20)の長穴44、及び第2基板14(第2支持板22)の穴(図示せず)を貫通して、第2基板14の裏側で、図示しないナットに螺合する。この状態で保持板16は、個々のボルト42が対応の長穴44の長軸方向の端縁に係合する位置を限界として、第1基板12(第1連結板20)に対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)へ往復移動できる。粘弾性材38は、保持板16が第1基板12(第1連結板20)に対しX方向へ移動する間、この移動を阻止しようとする力を粘弾性材38自体に生じる。保持板16が第1基板12に対してX方向へ移動するときの、粘弾性材38の剪断変形が粘弾性範囲に収まるように、長穴44の長軸方向の寸法を設定することにより、粘弾性材38の塑性変形(つまり粘弾性範囲に収まらない変形)や破断を防止することができる。
なお図1の実施形態では、寸法の異なる3枚の粘弾性材38が、ボルト42との干渉を回避する位置で第1面30と保持面34との間に挟持されている。しかしこれに限定されず、ボルト42との干渉を回避し得る形状を有する1枚の大判の粘弾性材38を、第1面30と保持面34との間に挟持する構成とすることもできる。
保持板16はさらに、保持面34と第2面32との間に摩擦材40を挟持した状態で、ボルト(すなわち締結部材)48を用いて、第2基板14(第2連結板24)に取り付けられる。図1は簡略化のため、保持板16の第2保持部分16bを第2連結板24に取り付ける複数のボルト48のうちの2つのボルト48を示す。第2基板14(第2連結板24)には、それぞれにボルト48を挿通する複数の長穴50が形成される。また図示しないが、第2基板14(第2支持板22)には、長穴50に対応する位置に、それぞれにボルト48を挿通する複数の穴(長穴50と同一形状か長穴50よりも大きな開口部)が形成される。複数の長穴50は、それぞれの長軸を、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)に向けて形成される。
摩擦材40には、それぞれにボルト48を挿通する複数の穴52が形成される。摩擦材40は、個々の穴52を貫通するボルト48に、穴52の縁で係合する。各ボルト48は、保持板16の穴54、摩擦材40の穴52、第2基板14(第2連結板24)の長穴50、及び第2基板14(第2支持板22)の穴(図示せず)を貫通して、第2基板14の裏側で、図示しないナットに螺合する。この状態で保持板16は、第2基板14(第2連結板24)に対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)へ往復移動できる。第2基板14に対する保持板16の最大移動距離は、個々のボルト48が対応の長穴50の長軸方向の端縁に係合する位置を移動限界として設定できる。
第1基板12と第2基板14とのX方向への相対変位に伴い、第1連結板20の延長部分20bと第2連結板24とは互いに接近又は離反する方向へ変位する。粘弾性材38が剪断変形していない初期状態では、図1に示すように、第1連結板20の延長部分20bと第2連結板24との間に所定のX方向寸法を有する隙間が形成される。またこの初期状態で、保持板16を第1連結板20に取り付ける複数のボルト42の各々は、第1連結板20の対応の長穴44の長軸方向略中央に位置し、保持板16を第2連結板24に取り付ける複数のボルト48の各々は、第2連結板24の対応の長穴50の長軸方向略中央に位置する。この構成において、初期状態における第1連結板20の延長部分20bと第2連結板24との隙間のX方向寸法は、初期状態から個々のボルト42が対応の長穴44の長軸方向の一方の端縁に係合するまでの、第1基板12に対する保持板16の移動距離と、初期状態から個々のボルト48が対応の長穴50の長軸方向の一方の端縁に係合するまでの、第2基板14に対する保持板16の移動距離との合計よりも、小さく設定することができる。このような寸法設定によれば、第1連結板20の延長部分20bと第2連結板24とが互いに接近する方向へ第1基板12と第2基板14とが相対変位するときに、全てのボルト42、48が対応の長穴44、50の長軸方向端縁に係合してしまう前に、第1連結板20の延長部分20bと第2連結板24とが互いに当接するので、ボルト42、48の外面及び長穴44、50の端縁への応力集中に起因してボルト42、48や第1連結板20、第2連結板24に生じ得る損傷を防止できる。しかしこれに限定されず、上記した隙間のX方向寸法を、上記した保持板16の移動距離の合計と同一に設定したり、上記した保持板16の移動距離の合計よりも大きく設定したりすることもできる。
制振装置10では、摩擦材40と保持面34との間の摩擦係数が摩擦材40と第2面32との間の摩擦係数よりも大きくなるように、摩擦材40、保持板16及び第2基板14(第2連結板24)の素材や表面構造が設定される。その結果、ボルト48の締め付けにより保持板16を第2基板14(第2連結板24)に向けて適当な力で押し付けた状態で、摩擦材40は、ボルト48に係合したまま、保持板16と一体的に第2基板14(第2連結板24)に対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)へ移動できる。摩擦材40は、保持板16と一体的にX方向へ移動する間、この移動を阻止しようとする動摩擦力を第2面32に対して生じる。
なお図1の実施形態では、各々が1つのボルト48に係合する6枚の摩擦材40が、第2面32と保持面34との間に挟持されている。しかしこれに限定されず、各々が複数のボルト48に係合する所望個数の摩擦材40を、第2面32と保持面34との間に挟持する構成とすることもできる。
一対の梁及び一対の柱を有する建物の構造体に振動が生じたときには、左右の柱が互いに同期して同一方向へ傾くように変位するとともに、上下の梁が互いに長手方向へずれるように変位する。左右の柱は、傾きを生じるに従って互いに長手方向へずれるようにも変位する。制振装置10は、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)が、一対の梁の長手方向又は一対の柱の長手方向に合致するように方向付けされて、構造体に設置される。このような設置方法により、制振装置10は、一対の梁の間又は一対の柱の間に架設される壁型又は間柱型のものとなる。
第1及び第2の架構部材が上下の梁である場合、それら梁が振動に起因して長手方向への相対変位を生じると、第1基板12と第2基板14とは、個々のボルト42、48と対応の長穴44、50との相互案内作用の下で、前述した相対変位の方向(X方向)に相当する実質的水平方向へ互いに変位する。また、第1及び第2の架構部材が左右の柱である場合、それら柱が振動に起因して長手方向への相対変位を生じると、第1基板12と第2基板14とは、個々のボルト42、48と対応の長穴44、50との相互案内作用の下で、前述した相対変位の方向(X方向)に相当する実質的鉛直方向へ互いに変位する。
第1基板12と第2基板14とに振動によって相対変位の方向へ加わる外力の大きさや速度が比較的小さいときは、摩擦材40と第2面32との間の静止摩擦力により、保持板16は摩擦材40を介して第2基板14と一体的に第1基板12に対しX方向へ移動する(すなわち第1基板12は第2基板14及び保持板16に対し逆X方向へ移動する)。それに伴い、保持面34と第1面30との間に挟持された粘弾性材38が剪断変形して振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、振動エネルギーを吸収することにより制振作用を発揮する。
第1基板12と第2基板14とに振動によって相対変位の方向へ加わる外力の大きさや速度が増加し、保持板16を第2基板14に対して移動させようとする力が摩擦材40と第2面32との間の最大静止摩擦力を超えると、保持板16は、粘弾性材38を剪断変形させながら、摩擦材40及び第1基板12と一体的に第2基板14に対し逆X方向へ移動する(すなわち第2基板14は第1基板12及び保持板16に対しX方向へ移動する)。それに伴い、摩擦材40が第2面32に対し動摩擦力を生じて振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、振動エネルギーを吸収することにより制振作用を発揮する。
なお、摩擦材40が制振作用を発揮する間、粘弾性材38は剪断変形をさらに進行させて制振作用を継続することが一般的である。ボルト42及び長穴44は、粘弾性材38が剪断変形し続けて塑性変形や破断に至ることを防止するストッパとしても機能する。
このように、制振装置10は、振動エネルギー吸収材として粘弾性材38と摩擦材40とを用いる複合型の構成を有するから、振動の大きさに関わらず優れた制振作用を発揮することができる。また制振装置10は、第1基板12と第2基板14とが互いに面内方向かつ横方向へ変位するものであるから、一対の架構部材を含む建物の構造体に、壁型又は間柱型の制振装置10として設置できる。一般に壁型又は間柱型の制振装置10は、構造体の中で斜めに配置されるブレース型の制振装置に比べて、制振装置を内蔵した建物の外壁等に開口部を設け易くなる利点がある。しかも制振装置10では、粘弾性材38と摩擦材40とが互いに対し、第1基板12と第2基板14との相対変位の方向の片側に配置されるから、この相対変位の方向における制振装置10の外形寸法を縮小でき、以て、制振装置10を構造体に設置したときの専有空間を削減することができる。制振装置10の専有空間を削減できれば、制振装置10を内蔵した建物の外壁等に所望の形状や寸法の開口部を設けることが一層容易になる。
また制振装置10では、粘弾性材38と摩擦材40とが第1基板12と第2基板14との相対変位の方向へ互いに並んで配置されるから、粘弾性材38及び摩擦材40が前述したようにそれぞれの特性に従って制振動作するときのモーメントの発生が回避され、粘弾性材38と摩擦材40との間で第1基板12、第2基板14及び保持板16に生じる曲げモーメントが低減される。制振装置10において、制振動作中のモーメントの発生が回避されれば所期の制振性能を常に発揮でき、また構成部品に生じる曲げモーメントが低減されれば構成部品の耐久性が高まるので、結果として、制振装置10の制振性能の信頼性及び再現性が向上する。これに対し、例えば既述の特許文献2(特開2007−247278号公報)に記載される壁型の制震ダンパーでは、すべり機構が上階梁に近接して配置され、その下方に第一粘弾性体及び第二粘弾性体が配置されるので、すべり機構と粘弾性体とがそれぞれの特性に従って制振動作するときにモーメントが発生し、すべり機構と粘弾性体との間の構成部品の曲げモーメントが大きくなる。
また制振装置10は、いずれも同じ側を向く第1面30及び第2面32と、それら第1面30及び第2面32に対向する保持面34との間に、粘弾性材38及び摩擦材40を挟持する構成であるから、装置全体の薄型化を促進できる。しかも、保持面34を有する保持板16を、粘弾性材38及び摩擦材40に対し制振装置10の厚み方向の外側に配置できるので、保持板16のさらに外側に、粘弾性材38及び摩擦材40を追加して配置することが容易である。したがって制振装置10では、要求される制振性能に応じて振動エネルギー吸収材の表面積を容易に増減できる。これに対し、例えば既述の特許文献1(特開2009−228834号公報)に記載される間柱型の減衰装置では、粘弾性ダンパーと摩擦ダンパーとが第3の板材の異なる面に設けられているから、装置全体の厚みが増加する傾向があり、また第3の板材の外側に粘弾性ダンパー及び摩擦ダンパーを追加して配置することが困難である。
制振装置10では、第1及び第2支持板18、22の裏側(図1に示す側の反対側)にも、第1連結板20と第2連結板24と保持板16と粘弾性材38と摩擦材40とを前述した相互関係の下に配置することができる。第1及び第2支持板18、22の表裏両側に同一の制振構造を設置することで、制振動作中に制振装置10自体にモーメントが発生することを回避できる。
図2〜図7は、他の実施形態による制振装置60を示す。制振装置60は、図1の制振装置10の構成に対応する基本的構成を有するものであって、制振装置10の保持板16の外側に粘弾性材38及び摩擦材40を追加して配置したものである。制振装置60の構成要素のうち、制振装置10の構成要素に対応するものについては、共通の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。なお図2〜図7では、装置構成部品の組み立てに用いられる前述した複数のボルト26、28、42、48を、簡略化のため適宜省略して示している。
図2(斜視図)及び図3(分解斜視図)に示すように、制振装置60は、第1面30を有する第1基板12と、第2面32を有する第2基板14と、保持面34を有する保持板16と、第1面30と保持面34との間に挟持される粘弾性材38と、第2面32と保持面34との間に挟持される摩擦材40とを備える。第1基板12は、第1支持板18と第1連結板20とを備え、第2基板14は、第2支持板22と第2連結板24とを備える。なお図2では、第1基板12(第1支持板18)と第2基板14(第2支持板22)とを互いに移動不能状態に連結する建て方用の複数の固定板Mが示されている。これら固定板Mは、制振装置60を建物の構造体に設置した後に除去されるものである。
制振装置60は、第1連結板20と第2連結板24と保持板16と粘弾性材38と摩擦材40とを含む複合ダンパー層62(図3)を、複数備えて構成される。個々の複合ダンパー層62は、いずれも実質的同一の構成を有して実質的同一の制振作用を発揮する。第1の複合ダンパー層62は、図1の制振装置10の第1連結板20、第2連結板24、保持板16、粘弾性材38及び摩擦材40にそれぞれ相当する第1連結板20、第2連結板24、保持板16、粘弾性材38及び摩擦材40を含む。同様に第2の複合ダンパー層62は、第1連結板20、第2連結板24、保持板16、粘弾性材38及び摩擦材40を含む。第2の複合ダンパー層62は、その第1連結板20及び第2連結板24を、第1の複合ダンパー層62の保持板16に重ね合わせた状態で、第1の複合ダンパー層62の外側に配置される。以下、図3を参照する説明では、識別のため、第2の複合ダンパー層62及びその構成要素について、参照符号の末尾に「B」を付すこととする。
図3に示すように、第2の複合ダンパー層62Bの第2連結板24B、保持板16B、粘弾性材38B及び摩擦材40Bはそれぞれ、第1の複合ダンパー層62の第2連結板24、保持板16、粘弾性材38及び摩擦材40と略同一の外形を有する。第2の複合ダンパー層62Bの第1連結板20Bは、その連結部分20aBの外形が、第1の複合ダンパー層62の第1連結板20の連結部分20aの外形と若干異なる一方、延長部分20bBの外形は第1連結板20の延長部分20bの外形と略同一である。
第1連結板20Bは、延長部分20bBの輪郭を第1連結板20の延長部分20bの輪郭に見当合わせした姿勢で、保持板16の第1保持部分16aに重ねて配置され、複数のボルト26を用いて、第1連結板20と共に第1支持板18に固定される。第1連結板20、20Bは、連結部分20a、20aBにおいて保持板16の第1保持部分16aの外方へはみ出す形状を有しており、それら連結部分20a、20aBの間にスペーサ64(図2)を介在させることができる。なお第1基板12の構成は、この構成に限定されず、第1支持板18と第1連結板20、20Bとが同一素材で一体成形されたり別素材で成形され溶接等で一体化されたりしたものであってもよい。
第2連結板24Bは、その輪郭を第2連結板24の輪郭に見当合わせした姿勢で、保持板16の第2保持部分16bに重ねて配置され、複数のボルト28を用いて、第2連結板24と共に第2支持板22に固定される。第2連結板24、24Bは、長手方向(図でZ方向)両端のボルト締結部分において保持板16の第2保持部分16bの外方へはみ出す形状を有しており、それらボルト締結部分の間にスペーサ66(図3)を介在させることができる。なお第2基板14の構成は、この構成に限定されず、第2支持板22と第2連結板24、24Bとが同一素材で一体成形されたり別素材で成形され溶接等で一体化されたりしたものであってもよい。
保持板16Bは、その輪郭を保持板16の輪郭に見当合わせした姿勢で、第1連結板20B及び第2連結板24Bに重ねて配置される。保持板16Bは、粘弾性材38Bの粘着力により、第1連結板20Bに取り付けられる。
保持板16Bはさらに、保持面34Bと第1面30Bとの間に粘弾性材38Bを挟持した状態で、複数のボルト(すなわち締結部材)42を用いて、第1連結板20Bに取り付けられ、かつ保持板16と共に第1連結板20に取り付けられる。各ボルト42は、保持板16Bの穴46B、第1連結板20Bの長穴44B、保持板16の穴46、第1連結板20の長穴44、及び第2支持板22の穴(図示せず)を貫通して、第2基板14の裏側で、図示しないナットに螺合する。この状態で保持板16Bは、個々のボルト42が対応の長穴44Bの長軸方向の端縁に係合する位置を限界として、保持板16と一体的に、第1連結板20Bに対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)へ移動できる。粘弾性材38Bは、保持板16Bが第1連結板20Bに対しX方向へ移動する間、この移動を阻止しようとする力を粘弾性材38B自体に生じる。
保持板16Bはさらに、保持面34Bと第2面32Bとの間に摩擦材40Bを挟持した状態で、複数のボルト(すなわち締結部材)48を用いて、第2連結板24Bに取り付けられ、かつ保持板16と共に第2連結板24に取り付けられる。各ボルト48は、保持板16Bの穴54B、摩擦材40Bの穴52B、第2連結板24Bの長穴50B、保持板16の穴54、摩擦材40の穴52、第2連結板24の長穴50、及び第2支持板22の穴(図示せず)を貫通して、第2基板14の裏側で、図示しないナットに螺合する。この状態で保持板16Bは、保持板16と一体的に、第2連結板24Bに対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)へ移動できる。摩擦材40Bは、ボルト48に係合したまま、保持板16Bと一体的に第2連結板24Bに対しX方向へ移動でき、この移動の間、移動を阻止しようとする動摩擦力を第2面32Bに対して生じる。
制振装置60は、追加の振動エネルギー吸収材として、第1の複合ダンパー層62の保持板16と第2の複合ダンパー層62Bの第1連結板20Bとの間に挟持される粘弾性材68と、第1の複合ダンパー層62の保持板16と第2の複合ダンパー層62Bの第2連結板24Bとの間に挟持される摩擦材70とをさらに備える。粘弾性材68及び摩擦材70はそれぞれ、複合ダンパー層62、62Bの粘弾性材38、38B及び摩擦材40、40Bに対応する位置に配置される。したがって粘弾性材68と摩擦材70とは、互いに対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)の片側に配置される。
粘弾性材68は、複合ダンパー層62、62Bの粘弾性材38、38Bと実質的同一の構成を有する。すなわち、粘弾性材68は、それ自体が有する粘着力により、保持板16の面36及び第1連結板20Bの裏面72B(第1面30Bの反対側の面)に固着する。この状態で保持板16は、粘弾性材68の粘弾性範囲において、第1連結板20Bに対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向(X方向)へ移動できる。粘弾性材68は、保持板16が第1連結板20Bに対しX方向へ移動する間、この移動を阻止しようとする力を粘弾性材68自体に生じる。
摩擦材70は、複合ダンパー層62、62Bの摩擦材40、40Bと実質的同一の構成を有する。すなわち、摩擦材70は、ボルト48を挿通する穴74を有し、ボルト48に穴74の縁で係合する。また、摩擦材70と保持板16の面36との間の摩擦係数が摩擦材70と第2連結板24Bの裏面76B(第2面32Bの反対側の面)との間の摩擦係数よりも大きくなるように、摩擦材70、保持板16及び第2連結板24Bの素材や表面構造が設定される。摩擦材70は、ボルト48に係合したまま、保持板16と一体的に第2連結板24Bに対しX方向へ移動でき、この移動の間、移動を阻止しようとする動摩擦力を第2連結板24Bの裏面76Bに対して生じる。
図4〜図7は、制振装置60の様々な部位の断面図である。図4〜図7に示すように、第1基板12の第1支持板18及び第2基板14の第2支持板22の双方は、互いに反対の表側78及び裏側80を備える(図2及び図3はいずれも表側78の構成を示している。)。制振装置60では、第1及び第2支持板18、22の表側78及び裏側80のそれぞれに、2組の複合ダンパー層62が設置される。このように制振装置60は、合せて4組の複合ダンパー層62を備え、したがって、それぞれが粘弾性材38及び摩擦材40又は粘弾性材68及び摩擦材70を含む総計6層の振動エネルギー吸収層を備えている。
ここで、「表側」及び「裏側」という語句は便宜的なものであって、「表」及び「裏」に特段の意味は無い。制振装置60では、裏側80の2組の複合ダンパー層62は、表側78の2組の複合ダンパー層62(図3に示す複合ダンパー層62、62B)と同一の構成を有する。
第1及び第2支持板18、22の表側78に設置される2組の複合ダンパー層62の最も外側の保持板16と、第1及び第2支持板18、22の裏側80に設置される2組の複合ダンパー層62の最も外側の保持板16とは、複数のボルト42、48により互いに固定的に締結される。図4及び図7には、個々のボルト42に螺合するナット82が示され、図5及び図7には、個々のボルト48に螺合するナット84が示されている。ボルト42及びナット82は、粘弾性材38、68及び摩擦材40、70が後述するようにそれぞれの特性に従って制振動作するときに、各複合ダンパー層62の保持板16が内部応力によって外側へ浮き上がる変形を生じることを防止するように作用する。他方、ボルト48及びナット84は、粘弾性材38、68及び摩擦材40、70が後述するようにそれぞれの特性に従って制振動作するときに、各摩擦材40、70に消耗の静止摩擦力及び動摩擦力を発揮させるための押圧力を摩擦材40、70に加えるように作用する。図5及び図7には、ボルト48の締め付けに伴い摩擦材40、70に押圧力を確実に加えるための皿ばね86が示されている。
制振装置60は、前述した制振装置10と同様にして、建物の構造体の一対の梁の間又は一対の柱の間に架設され、その状態で、前述した制振装置10と同様の制振作用を発揮する。以下、制振装置60の制振作用を、図7並びに図7に対応する断面を示す図8A及び図8Bを参照して説明する。
制振装置60は、粘弾性材38、68が剪断変形していない図7の初期状態で構造体に設置される。この初期状態で、保持板16を第1連結板20に取り付ける複数のボルト42の各々は、第1連結板20の対応の長穴44の長軸方向略中央に位置し、保持板16を第2連結板24に取り付ける複数のボルト48の各々は、第2連結板24の対応の長穴50の長軸方向略中央に位置する。第1及び第2の架構部材が振動に起因して長手方向への相対変位を生じると、図8A及び図8Bに示すように、第1基板12(第1支持板18及び4枚の第1連結板20)と第2基板14(第2支持板22及び4枚の第2連結板24)とは、個々のボルト42、48と対応の長穴44、50との相互案内作用の下で、面内方向かつ横方向(図でX方向)へ相対的に変位する。なお図7、図8A及び図8Bには、長穴44、50に対応する位置で第2支持板22に設けられた穴88、90が示されている。
第1基板12と第2基板14とに振動によって相対変位の方向へ加わる外力の大きさや速度が比較的小さいときは、図8Aに示すように、摩擦材40と第2面32との間及び摩擦材70と裏面76との間の静止摩擦力により、個々の保持板16は摩擦材40、70を介して第2基板14と一体的に第1基板12に対しX方向(図示の例では右方向)へ移動する(すなわち第1基板12は第2基板14及び保持板16に対し逆X方向(図示の例では左方向)へ移動する)。それに伴い、保持面34と第1面30との間に挟持された個々の粘弾性材38及び面36と裏面72との間に挟持された個々の粘弾性材68が、それぞれに剪断変形して振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、振動エネルギーを吸収することにより制振作用を発揮する。粘弾性材38、68のみがこのように制振作用を発揮する間の、第1基板12と第2基板14との相対変位量は、通常、図8Aに示すように比較的小さいものとなる。
第1基板12と第2基板14とに振動によって相対変位の方向へ加わる外力の大きさや速度が増加し、保持板16を第2基板14に対して移動させようとする力が摩擦材40と第2面32との間及び摩擦材70と裏面76との間の最大静止摩擦力を超えると、図8Bに示すように、個々の保持板16は、粘弾性材38、68を剪断変形させながら、摩擦材40、70及び第1基板12と一体的に第2基板14に対し逆X方向(図示の例では左方向)へ移動する(すなわち第2基板14は第1基板12及び保持板16に対しX方向(図示の例では右方向)へ移動する)。それに伴い、個々の摩擦材40及び摩擦材70が対応の第2面32及び裏面76に対し、それぞれに動摩擦力を生じて振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、振動エネルギーを吸収することにより制振作用を発揮する。
なお、摩擦材40、70が制振作用を発揮する間、粘弾性材38、68は剪断変形をさらに進行させて制振作用を継続することが一般的である。ボルト42及び長穴44は、粘弾性材38が剪断変形し続けて塑性変形や破断に至ることを防止するストッパとしても機能する。
上記構成を有する制振装置60は、図1の制振装置10の前述した効果と同等の効果を奏する。特に制振装置60は、厚み方向へ積層される複数(4組)の複合ダンパー層62を備えているから、それぞれが粘弾性材38及び摩擦材40又は粘弾性材68及び摩擦材70を含む複数(6層)の振動エネルギー吸収層の相乗効果により、専有空間を削減可能な構成を維持しつつ優れた制振性能を有するものである。なお、複合ダンパー層62の個数は、要求される制振性能に応じて様々に設定でき、第1及び第2支持板18、22の表側78及び裏側80のそれぞれに1組又は3組以上の複合ダンパー層62を設置することもできる。複合ダンパー層62の個数の増減は、複数のボルト26、28、42、48を着脱することにより、容易に実施できる。
図9〜図11はそれぞれ、粘弾性材38及び摩擦材40又は粘弾性材68及び摩擦材70を含む振動エネルギー吸収層の層数を様々に変更した変形例による制振装置60を示す。図9に示す変形例は、第1及び第2支持板18、22の表側78及び裏側80のそれぞれに3組(計6組)の複合ダンパー層62を設置した構成を有する。厚み方向へ隣り合う複合ダンパー層62の間には、前述したように粘弾性材68及び摩擦材70が設置される。図9の変形例による制振装置60は、それぞれが粘弾性材38及び摩擦材40又は粘弾性材68及び摩擦材70を含む総計10層の振動エネルギー吸収層を備えている。
図10に示す変形例は、第1及び第2支持板18、22の表側78及び裏側80のそれぞれに1組(計2組)の複合ダンパー層62を設置するとともに、これら複合ダンパー層62の保持板16の外側に、粘弾性材68及び摩擦材70と第1連結板20及び第2連結板24とを設置した構成を有する。この構成は、図2〜図7に示す制振装置60の第2の複合ダンパー層62における保持板16並びに粘弾性材38及び摩擦材40を省略した構成に、実質的に相当する。図10の変形例による制振装置60は、それぞれが粘弾性材38及び摩擦材40又は粘弾性材68及び摩擦材70を含む総計4層の振動エネルギー吸収層を備えている。
図11に示す変形例は、第1及び第2支持板18、22の表側78及び裏側80のそれぞれに2組(計4組)の複合ダンパー層62を設置するとともに、これら複合ダンパー層62の保持板16の外側に、粘弾性材68及び摩擦材70と第1連結板20及び第2連結板24とを設置した構成を有する。この構成は、図2〜図7に示す制振装置60の第2の複合ダンパー層62の外側に、粘弾性材68及び摩擦材70と第1連結板20及び第2連結板24とを追加した構成に、実質的に相当する。図11の変形例による制振装置60は、それぞれが粘弾性材38及び摩擦材40又は粘弾性材68及び摩擦材70を含む総計8層の振動エネルギー吸収層を備えている。
ここで、図10及び図11の変形例では、ボルト48の締め付けにより摩擦材40、70に押圧力を加えた状態で、厚み方向の最も外側に配置される表裏両側の第2連結板24同士が固定されるので、ボルト48を挿通する長穴50を、第2連結板24ではなく保持板16に形成している。また、摩擦材40と保持板16の保持面34との間の摩擦係数が摩擦材40と第2連結板24の第2面32との間の摩擦係数よりも小さくなり、かつ摩擦材70と保持板16の面36との間の摩擦係数が摩擦材70と第2連結板24の裏面76との間の摩擦係数よりも小さくなるように、摩擦材40、摩擦材70、保持板16及び第2連結板24の素材や表面構造を設定している。その結果、図10及び図11の変形例では、ボルト48の締め付けにより第2連結板24を保持板16に向けて押し付けた状態で、摩擦材40、70は、ボルト48に係合したまま、第2連結板24と一体的に保持板16に対し、第1基板12と第2基板14との前述した相対変位の方向へ移動できる。摩擦材40、70は、第2連結板24と一体的に移動する間、この移動を阻止しようとする動摩擦力を保持板16に対して生じる。なお、この構成に伴い、ボルト42を挿通する長穴44も、第1連結板20ではなく保持板16に形成されている。
図12は、一実施形態による建物の制振構造100を示す。制振構造100は、互いに間隔を空けて配置される上下一対の梁(第1及び第2の架構部材)102、104と、上記した制振装置10又は制振装置60とを備えて構成される。制振装置10(60)の第1基板12は、ブラケット106を用いて上の梁(第1の架構部材)102に取り付けられ、制振装置10(60)の第2基板14は、ブラケット108を用いて下の梁(第2の架構部材)104に取り付けられる。第1基板12及び第2基板14は、両者の相対変位の方向(X方向)が梁102、104の長手方向に合致するように方向付けされる。
梁102、104を有する構造体110は、左右一対の柱112、114をさらに備えて、建物の単層分の矩形状の骨組みを形成する。この構造体110に振動が生じ、上下の梁102、104が長手方向への相対変位を反復して生じると、制振装置10(60)の第1基板12と第2基板14とは、相対変位の方向(X方向)に相当する実質的水平方向へ互いに反復して変位する。この間、制振装置10(60)は、前述したように粘弾性材38(38及び68)及び摩擦材40(40及び70)がそれぞれの特性に従って制振動作することで制振作用を発揮し、構造体110の振動を抑制する。
図13は、他の実施形態による建物の制振構造120を示す。制振構造120は、互いに間隔を空けて配置される左右一対の柱(第1及び第2の架構部材)122、124と、上記した制振装置10又は制振装置60とを備えて構成される。制振装置10(60)の第1基板12は、ブラケット126を用いて右の柱(第2の架構部材)124に取り付けられ、制振装置10(60)の第2基板14は、ブラケット128を用いて左の柱(第1の架構部材)122に取り付けられる。第1基板12及び第2基板14は、両者の相対変位の方向(X方向)が柱122、124の長手方向に合致するように方向付けされる。
柱122、124を有する構造体130に振動が生じ、左右の柱122、124が長手方向への相対変位を反復して生じると、制振装置10(60)の第1基板12と第2基板14とは、相対変位の方向(X方向)に相当する実質的鉛直方向へ互いに反復して変位する。この間、制振装置10(60)は、前述したように粘弾性材38(38及び68)及び摩擦材40(40及び70)がそれぞれの特性に従って制振動作することで制振作用を発揮し、構造体130の振動を抑制する。
図14は、図12の制振構造100の変形例を示す。この変形例では、制振構造100は、上の梁(第1の架構部材)102と下の梁(第2の架構部材)104との間に、第1基板12と第2基板14との相対変位の方向(X方向)へ互いに並んで設置される複数(図では2個)の制振装置10(60)を備えて構成される。複数の制振装置10(60)は、それぞれの第1基板12及び第2基板14を互いに同じ方向に向けて設置され、隣り合う第1基板12同士、及び隣り合う第2基板14同士が、ボルト/ナット等の公知の固定手段により互いに固定される。構造体110に振動が生じると、個々の制振装置10(60)が実質的に同期して制振作用を発揮し、構造体110の振動を抑制する。
上記変形例において、制振装置10(60)の個数は、構造体110に要求される制振性能に応じて様々に設定できる。制振装置10(60)の個数の増減は、隣り合う第1基板12同士及び第2基板14同士を固定するボルト/ナット等の公知の固定手段を着脱することにより、容易に実施できる。なお、図13の制振構造120においても、同様に複数の制振装置10(60)を備えることができる。
上記構成を有する制振構造100、120は、制振装置10(60)を備えたことにより、制振性能の信頼性及び再現性に優れ、かつ建物の要求に応じて制振性能を簡易に調整できるものである。また、構造体110、130の中での制振装置10(60)の専有空間を削減できるので、制振構造100、120を備えた建物の外壁等に所望の形状や寸法の開口部(ドア、窓等)を設けることが容易である。
以上、図面を参照して幾つかの実施形態を説明したが、本発明は図示及び上述した構成に限定されない。例えば、構造体の中での制振装置10、60の左右や上下の方向付け、ボルト26、28、42、48及び対応するナットの個数や位置、第1及び第2基板12、14の寸法、第1及び第2連結板20、24の寸法や枚数、個々の構成要素の素材等を、本発明で所望される効果に応じて、図示及び上述した実施形態の構成から様々に変更することができる。
10、60 制振装置
12 第1基板
14 第2基板
16 保持板
18 第1支持板
20 第1連結板
22 第2支持板
24 第2連結板
30 第1面
32 第2面
34 保持面
38、68 粘弾性材
40、70 摩擦材
42、48 ボルト(締結部材)
44、50 長穴
62 複合ダンパー層
78 表側
80 裏側
100、120 制振構造
102、104 梁
110、130 構造体
112、114、122、124 柱

Claims (12)

  1. 互いに間隔を空けて配置される一対の架構部材を含む構造体に設置される制振装置であって、
    第1の架構部材に取り付けられる第1基板と、
    第2の架構部材に取り付けられ、前記第1基板に隣接して配置される第2基板であって、第1の架構部材と第2の架構部材との相対移動に伴い、前記第1基板に対して面内方向かつ横方向へ変位する第2基板と、
    前記第1基板に設けられる第1面と、
    前記第2基板に設けられ、前記第1面と同じ側を向く第2面と、
    前記第1基板及び前記第2基板に重ね合わされ、前記第1面及び前記第2面に対向する保持面を有する保持板と、
    前記第1面と前記保持面との間に挟持される粘弾性材と、
    前記第2面と前記保持面との間に挟持され、前記粘弾性材に対し前記第1基板と前記第2基板との相対変位の方向の片側に配置される摩擦材と、
    を具備する制振装置。
  2. 前記第1基板は、第1の架構部材に支持される第1支持板と、該第1支持板に連結され、前記第1面を有する第1連結板とを備え、
    前記第2基板は、第2の架構部材に支持される第2支持板と、該第2支持板に連結され、前記第2面を有する第2連結板とを備え、
    前記第1支持板と前記第2支持板とは、前記相対変位の方向に直交する方向へ並んで配置され、
    前記第1連結板と前記第2連結板とは、前記相対変位の方向へ並んで配置される、
    請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記第1連結板と前記第2連結板と前記保持板と前記粘弾性材と前記摩擦材とを含む複合ダンパー層を、複数備える、請求項2に記載の制振装置。
  4. 1つの前記複合ダンパー層の前記保持板に、他の1つの前記複合ダンパー層の前記第1連結板及び前記第2連結板が重ね合わせて配置され、
    1つの前記複合ダンパー層の前記保持板と他の1つの前記複合ダンパー層の前記第1連結板との間に挟持される粘弾性材と、
    1つの前記複合ダンパー層の前記保持板と他の1つの前記複合ダンパー層の前記第2連結板との間に挟持される摩擦材とをさらに具備する、
    請求項3に記載の制振装置。
  5. 前記第1支持板及び前記第2支持板の双方は、互いに反対の表側及び裏側を備え、該表側及び該裏側のそれぞれに前記複合ダンパー層が設置される、請求項3又は4に記載の制振装置。
  6. 前記表側に設置される前記複合ダンパー層の前記保持板と、前記裏側に設置される前記複合ダンパー層の前記保持板とが、互いに固定的に締結される、請求項5に記載の制振装置。
  7. 前記表側の前記保持板と前記裏側の前記保持板とを互いに締結する締結部材をさらに具備し、
    前記第1連結板は、前記相対変位の方向へ長軸を向ける長穴を有し、前記締結部材は該長穴を貫通し、
    前記保持板は、前記締結部材が前記長穴の長軸方向の端縁に係合する位置を限界として、前記第1連結板に対し前記相対変位の方向へ移動できる、
    請求項6に記載の制振装置。
  8. 前記表側の前記保持板と前記裏側の前記保持板とを互いに締結する締結部材をさらに具備し、
    前記第2連結板は、前記相対変位の方向へ長軸を向ける長穴を有し、前記締結部材は該長穴を貫通し、
    前記摩擦材は、前記締結部材に係合して、前記保持板と一体的に前記第2連結板に対し前記相対変位の方向へ移動できる、
    請求項6に記載の制振装置。
  9. 互いに間隔を空けて配置される第1及び第2の架構部材と、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の制振装置と、
    を具備する建物の制振構造。
  10. 前記第1及び第2の架構部材の各々が梁である、請求項9に記載の制振構造。
  11. 前記第1及び第2の架構部材の各々が柱である、請求項9に記載の制振構造。
  12. 前記第1の架構部材と前記第2の架構部材との間に、前記相対変位の方向へ互いに並んで設置される複数の前記制振装置を具備する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の制振構造。
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