JP4846366B2 - 補強金具用連結装置 - Google Patents
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Description
直交する2本の建築用構造材の接合部分、例えば柱や梁等の2本の建築用構造材の接合部分には、例えば制震作用を備えた特許文献1に示すような補強用の金物が取り付けられている。
これらの補強金具はそれぞれ単独で建築用構造材の接合部分に設けられており、当該接合部分にかかる震動を接合部分毎に単一の補強金具を使用して吸収するようにしている。
また長尺の補強金具用連結装置を使用すれば、離間した位置に取り付けられている補強金具間の連結も可能になる。
最初に本発明の補強金具用連結装置1の適用対象である補強金具3について説明する。
補強金具3は図示のように柱5、梁7といった建築用構造材の接合部分Aに取り付けられ、地震等による震動を吸収、減衰させて構造躯体9の耐震性を向上させるものである。
補強金具3は前面側に取り付けられる第1連結部11と、後面側に取り付けられる第2連結部13と、雌ネジブロック15及び雌ネジブロック17を介して上記第1連結部11と第2連結部13との間に渡設されているバネ部材19と、上記第1連結部11の前面に取り付けられる取付板21と、取付板21、第1連結部11及び第2連結部13を重ね合わせた状態で一体に固定するボルト23及びナット25と、取付板21と第1連結部11との間及び第2連結部13と第1連結部11との間に介装される粘弾性体27とを有している。
主部29の下端部は直角に折り曲げられて、折り曲げ片33が形成されている。この折り曲げ片33には補強板31が重合され、この補強板31は主部29の下端部の形状に沿うように直角に折り曲げられている。
4つの傾斜穴35は主部29の折り曲げ部分の方向へ傾斜している(図4参照)。
また、折り曲げ片33と補強板31には連続する4つの穴39が形成されている。これらの穴39は傾斜穴35より折り曲げ片33と補強板31の先端部側(図3において手前側)に備えられ、4つの傾斜穴35にそれぞれ隣り合うように配置されている。
主部29の背面(図3において後側の面)には、3つの雌ネジが形成された雌ネジブロック15が固定されて設けられている。
主部41の右端部は直角に折り曲げられて、折り曲げ片45が形成されている。この折り曲げ片45には補強板43が重合され、この補強板43は主部41の右端部の形状に沿うように直角に折り曲げられている。
4つの傾斜穴35は主部41の折り曲げ部分の方向へ傾斜している(図5参照)。
また、折り曲げ片45と補強板43には連続する4つの穴39が形成されている。これらの穴39は傾斜穴35より折り曲げ片45と補強板43の先端部側(図3において手前側)に備えられ、4つの傾斜穴35にそれぞれ隣り合うように配置されている。主部41の背面(図3において後側の面)には、3つの雌ネジが形成された雌ネジブロック17が固定されて設けられている。また主部41には第1連結部11の雌ネジブロック15が入る大きさの開口部47が形成されている。
図1、図2に示すように2つの補強金具3は、穴39または傾斜穴35に挿通され、柱5または梁7にねじ込まれる木ネジ37によって柱5と梁7の接合部分に跨るように取り付けられる。
補強金具用連結装置1は2枚の連結部材としての連結板53、55と、2枚の連結板53、55の間に介在される中間部材としての中間板59と、連結板53と中間板59との間と連結板55と中間板59との間に設けられる粘弾性体27と、2枚の連結板53、55と中間板59とを重ね合わせた状態で連結する連結軸体の一例であるボルト61と、ボルト61の締結手段であるナット63とを備えている。
この取付穴57と、前記補強金具3側の連結フラップ49に形成されている取付穴51とにはボルト23が挿嵌され、このボルト23に螺合するナット25を使用して連結板53、55と補強金具3とが連結されている。
また2枚の連結板53、55の各々の中央部にはプレス成形加工によって形成される収容凹部67が形成されている。この収容凹部67は粘弾性体27を収容するための凹部であり、正面視ないし背面視が矩形状の浅底の凹部によって構成されている。
中間板59の連結片62は梁7に当接させられ、穴64に木ネジ37が挿通されて、この木ネジ37が梁7にねじ込まれる。これにより中間板59は梁7に固定させられる。
地震等によって構造躯体9に震動が伝達されると柱5、梁7が震動し、梁7に連結されている補強金具3における第1連結部11は梁7と同方向に震動し、柱5に連結されている補強金具3における第2連結部13は柱5と同方向に震動する。
更に第1連結部11に伝達された震動エネルギーの一部は連結フラップ49を介して連結板53、55に伝達されて、連結板53、55に形成されている長穴65によって長穴65の長さの範囲で2枚の連結板53、55は連結方向に動作し、或いはボルト61を中心として回動する。この動作の際に粘弾性体27が震動を吸収、減衰して、これにより補強金具3単体では得ることができない極めて高い制震効果を発揮する。
例えば、上記実施の形態では、補強金具として所謂制震金具を示したが、本発明はこれに限定されず制震機能を有しないタイプの補強金具に適用することも可能である。
上記実施の形態では、連結板53、55及び中間板59を板状の部材としたが、本発明はこれに限定される角柱状や丸棒状等の他の形状であってもよいのは勿論である。
また第1連結部11と第2連結部13の双方に連結フラップ49を形成してこれらの双方に連結板53、55を連結することも可能であるし、連結板の数を増やして単一の補強金具用連結装置1を使用して3つ以上の補強金具3と同時に連結できるように構成することも可能である。
7 梁 9 構造躯体 11 第1連結部
13 第2連結部 15 雌ネジブロック 17 雌ネジブロック
19 バネ部材 21 取付板 23 ボルト
25 ナット 27 粘弾性体 29 主部
31 補強板 33 折り曲げ片 35 傾斜穴
37 木ネジ 39 穴 41 主部 43 補強板
45 折り曲げ片 47 開口部 49 連結フラップ
51 取付穴 53 連結板 55 連結板
57 取付穴 59 中間板 60 主部
62 連結片 64 穴 61 ボルト
63 ナット 65 長穴 67 収容凹部
69 長穴 A 接合部分
Claims (3)
- 建築用構造材の梁と柱との接合部分に取り付けられる補強金具に対して連結される補強金具用連結装置において、当該補強金具用連結装置は一端に補強金具と連結するための取付部を有し、他端に連結方向に延びる長穴が形成された複数の連結部材と、当該複数の連結部材の間に介在され、連結方向に延びる貫通穴が形成され建築用構造材に連結するための連結部を有する中間部材と、前記連結部材と中間部材との間に設けられる粘弾性体と、前記複数の連結部材の長穴と前記中間部材の貫通穴に対して挿嵌され、複数の連結部材を相対的に移動可能な状態で且つ前記粘弾性体と前記複数の連結部材と前記中間部材とを重ね合わせた状態で連結する連結軸体とを備え、前記複数の連結部材は長穴が延びる方向と前記連結軸体を中心とする回転方向とに動作自在であることを特徴とする補強金具用連結装置。
- 請求項1に記載した補強金具用連結装置において、前記複数の連結部材の各々には粘弾性体を収容するための収容凹部が形成されていることを特徴とする補強金具用連結装置。
- 請求項1または2に記載した補強金具用連結装置において、補強金具は地震時等における震動を吸収する制震金具であることを特徴とする補強金具用連結装置。
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