JP7336787B2 - 木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造 - Google Patents

木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造 Download PDF

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本発明は、木質構造体への適用を前提として、振動外力により面外座屈させてエネルギ吸収することを可能とし、せん断降伏による場合と異なって、軽量化とそれに伴う施工性の改善、材料コストの低減を図りつつ、木質構造体に見合う振動減衰作用を確保することが可能な木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造に関する。
一般に、構造体に作用する振動外力を吸収するダンパとして、例えば特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「制震ダンパ」は、累積変形能力が損なわれることを抑制することが可能な制震ダンパを提供することを課題とし、面内方向の降伏せん断力は、柱部の基部から、中央部にずれた位置で最も小さく、中央で最も大きくなる。すなわち、面内方向(軸方向)の変形に対して、柱部は基部から中央部にずれた位置で最も降伏せん断力が小さくなるため、危険断面位置は、柱部の基部から中央にずれた位置となる。面外方向の降伏せん断力は、柱部のX方向の端部において最も小さく、中央で最も大きくなる。すなわち、面外方向(厚み方向)の変形に対して、柱部は基部近傍において最も降伏せん断力が小さくなるため、危険断面位置は、柱部の基部近傍となる。このように、本実施形態では、面外方向の変形における危険断面位置に対して、面内方向の変形における危険断面位置が、柱部の中央方向にずれた位置となるようにしている。
特許文献2の「制震ダンパ」は、パネル形状のパネルダンパを有し、このパネルダンパで地震時に建物の架構に入力される振動エネルギーを吸収することで建物の揺れを抑える制震ダンパにおいて、パネルダンパを、構造計算上長期軸力を算定する柱に設置するとともに、この柱に掛かる軸力を支持する軸力支持機構を設けて構成している。
特開2017-25674号公報 特開2014-58790号公報
特許文献1及び2に開示されているダンパを始めとして、従来一般のパネル状のダンパは、金属製であって、振動外力によりせん断降伏されることで、エネルギ吸収を果たすように考慮されていた。
せん断降伏によるエネルギ吸収では、ダンパが面外座屈してしまうことを防止することが重要であり、そのために、パネル状のダンパには、分厚い大きな板厚のものが用いられ、これをせん断降伏させることでエネルギ吸収させて、減衰作用が得られるようにしていた。
せん断降伏によるエネルギ吸収を狙った板厚の厚いパネル状のダンパは、材料コストが嵩むだけでなく、重量物であることから施工性が良くなく、施工全体において経済性に劣るという課題があった。
また、この種の金属製のダンパを、木材で構成される木質構造体へ適用することを想定した場合、ダンパの板厚を、木質構造体に見合うように薄くしても、エネルギ吸収作用をダンパのせん断降伏によっているため、木材が先行して壊れてしまうおそれがあるなど、構造的に釣り合いを持たせることが難しいという課題もあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、木質構造体への適用を前提として、振動外力により面外座屈させてエネルギ吸収することを可能とし、せん断降伏による場合と異なって、軽量化とそれに伴う施工性の改善、材料コストの低減を図りつつ、木質構造体に見合う振動減衰作用を確保することが可能な木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造を提供することを目的とする。
本発明にかかる木質構造体用制振部材は、複数の木質縦材の上下端部をそれぞれ、上下の木質横材に接合して構成される木質構造体に対し、隣接する一対の該木質縦材の上下高さ方向中途部の間に、横架材を左右横方向へ掛け渡して接合する制振部材であって、上記横架材の左右両端部分それぞれに、該横架材を前後方向両側から挟んで一対設けられる鋼製の板状材からなり、該板状材はそれぞれ、上記木質縦材の上下高さ方向に形成され、該木質縦材と接合される縦材接合箇所を有する縦材接合ゾーンと、該縦材接合ゾーンの中央部分から上記横架材の左右横方向へ向けて突出され、該横架材と接合される横架材接合箇所を有する横架材接合ゾーンと、該横架材接合ゾーンと該縦材接合ゾーンとの間に形成され、該横架材接合ゾーンの突出側先端側から該縦材接合ゾーンの上端側及び下端側それぞれへ向かう張り出し縁部を有して、面外方向への座屈変形によりエネルギ吸収する上下一対のエネルギ吸収ゾーンとを含むことを特徴とする。
該エネルギ吸収ゾーンの上記張り出し縁部には、少なくとも部分的に、上記板状材の板厚方向に向けて折り曲げて折り曲げ部が形成されていることを特徴とする。
前記エネルギ吸収ゾーンは、互いに交差する折り線が、一方の折り線の谷折りの両側に他方の折り線の山折りが交わるように連なり、一方の折り線の山折りの両側に他方の折り線の谷折りが交わって連なるように対をなす、三次元立体折り構造に折られていることを特徴とする。
前記横架材が前記板状材に接合されてユニット化されていることを特徴とする。
本発明にかかる木質構造体の制振構造は、上記木質構造体用制振部材を用い、前記木質構造体の隣接する一対の前記木質縦材に対し、それらの上下高さ方向中途部の間に、前記横架材が左右横方向へ掛け渡して接合されていることを特徴とする。
本発明にかかる木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造にあっては、木質構造体への適用を前提として、振動外力により面外座屈させてエネルギ吸収することができ、せん断降伏による場合と異なって、軽量化とそれに伴う施工性の改善、材料コストの低減を図りつつ、木質構造体に見合う振動減衰作用を確保することができる。
本発明に係る木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造の好適な一実施形態を示す制振部材を用いて制振構造とされた木質構造体の正面図である。 図1中、A-A線矢視断面図である。 図1に示した木質構造体の制振構造に用いられる木質構造体用制振部材を説明する説明図である。 図3に示した木質構造体用制振部材の折り曲げ部を説明する説明図である。 本発明に係る木質構造体用制振部材の変形例を説明する説明図である。 本発明に係る木質構造体用制振部材の他の変形例を説明する説明図である。 本発明に係る木質構造体用制振部材のさらに他の変形例を説明する説明図である。 本発明に係る木質構造体用制振部材のさらに他の変形例を説明する説明図である。 本発明に係る木質構造体用制振部材のさらに他の変形例を説明する説明図である。
以下に、本発明に係る木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1及び図2には、本実施形態に係る木質構造体用制振部材を用いることによって制振構造とされる木質構造体1の一例が示されている。
木質構造体1は、左右横方向に適宜間隔を隔てて配列される複数の木質縦材2と、これら木質縦材2の上方及び下方に、これら木質縦材2の配列方向に長く形成された木質横材3とを組むことで構成される。図示例では、木質縦材2及び木質横材3は、断面正方形状の角材で構成されているが、断面の形状は問われない。
木質構造体1は、上下方向に立てて設けられる複数の木質縦材2の上端部及び下端部それぞれが、それぞれ左右横方向に寝かせて設けられる下方の木質横材3の上面及び上方の木質横材3の下面に突き当てられて接合されることにより構成される。木質縦材2の木質横材3への接合は、一般周知の各種方法を採用すればよい。
木質縦材2は、木造建築物の柱であってもよい。上下の木質横材3は、例えば木造建築物の1階であれば、土台や土台上に敷かれる根太及び1階の梁であってもよく、2階であれば、1階及び2階の梁であってもよい。
木質構造体1には、これに制振作用を付与するために、横架材4が組み込まれる。横架材4は、間隔を隔てて配列される複数の木質縦材2のうち、隣接する一対の木質縦材2の間に、その長さ方向左右両端が各木質縦材2に対し隙間sが空く状態(図3参照)で、左右横方向へ掛け渡して設けられる。
横架材4は、後述する本実施形態に係る木質構造体用制振部材によって、木質縦材2に対し接合されて取り付けられる。横架材4が設けられる高さ位置は、木質縦材2の上下高さ方向の中途部であれば、どのような高さ位置であってもよい。
図示例にあっては、横架材4は、木質縦材2の上下高さ方向に適宜間隔を隔てて3つ設けられている。横架材4の設置個数は、1つ以上、いくつであってもよい。
横架材4は、木製やFRPなどの合成樹脂製であっても、あるいは金属製であってもよい。また、その断面の形状も特に問われない。図示例では、横架材4は、鋼製の帯状薄板で形成され、一対の木質縦材2間に、板面を立てて配置されている。
本実施形態に係る木質構造体用制振部材は、図1~図3に示すように、鋼製の板状材5で構成される。この板状材5は、横架材4の左右両端部分それぞれに設けられる(図1参照)。また、この板状材5は、横架材4の各端部に対し、当該横架材4を前後方向両側から挟んで一対設けられる(図2参照)。従って、板状材5は、1つの横架材4に対し、左右と前後で、計4枚設けられる。
板状材5は、図3に示すように、表裏面が平坦な薄板材を用いて形成される。図3(A)は、板状材5の正面図、図3(B)は、板状材5の側面図、図3(C)は、板状材5の平面図である。
板状材5の板厚は、上述したせん断降伏によってエネルギ吸収するパネル状のダンパに比し、極薄であって、所定の圧縮荷重により面外方向へ座屈変形が生じるように設定される。板状材5は、横架材4及び木質縦材2の双方に接合され、これにより、横架材4が当該板状材5を介して木質縦材2に接合される。
板状材5には、木質縦材2の上下高さ方向に縦材接合ゾーン(図中、梨地部分Xで示す)が形成される。この縦材接合ゾーンXは、木質縦材2に板状材5を取り付ける際に、当該木質縦材2の周側面に対して当接されるように構成される。
縦材接合ゾーンXは、その中央部分が横架材4の掛け渡し位置に合致するようにして、木質縦材2の上下高さ方向に一連に連続して形成される。
図示例にあっては、木質縦材2の前後方向寸法に対し、横架材4の前後方向寸法(板厚)が小さい場合が示されていて、この場合には、縦材接合ゾーンXは、木質縦材2の高さ方向に沿う板状材5の端縁部分を、当該木質縦材2の周側面に沿うようにL字状に折り曲げることで形成される。従って、縦材接合ゾーンXは、木質縦材2における左右方向に向く、いずれかの側面2aに当接されるようになっている。
図示例とは異なり、横架材4の前後方向寸法が木質縦材2の前後方向寸法と同じである場合には、縦材接合ゾーンXは、板状材5の端縁部分を、折り曲げることなく、平坦なままで、木質縦材2における前後方向に向く、いずれかの側面2bに当接されるようになっている。
縦材接合ゾーンXには、板状材5を木質縦材2に接合するための縦材接合箇所となるビス孔6が、横架材4の掛け渡し位置に合致する中央部分を除き、適宜間隔を隔てて一列に配置され、これらビス孔6を通してビスを木質縦材2にねじ込むことにより、縦材接合ゾーンXが木質縦材2に接合される。
ビス孔6は、ビスによって必要な接合強度が得られる限り、一列に配置することなく、縦材接合ゾーンXに適宜に配置すればよい。ビスには、座金を付帯させて設けることが好ましい。
板状材5には、縦材接合ゾーンXの中央部分から横架材4の長さ方向(左右横方向)へ向けて突出させて、横架材接合ゾーン(図中、梨地部分Yで示す)が形成される。
この横架材接合ゾーンYは、横架材4に板状材5を取り付ける際に、当該横架材4の前面もしくは後面に当接されるように構成される。縦材接合ゾーンXが板状材5の端縁部分を折り曲げて木質縦材2に接合される場合があるのとは異なり、横架材接合ゾーンYは、板状材5の板面自体によって形成され、当該板面が横架材4に当接されるようになっている。
横架材接合ゾーンYは、横架材4が隙間sを空けて向かい合う木質縦材2の側面2a位置から横架材4の長さ方向(左右横方向)へ向けて、長方形状の領域として形成される。
各板状材5の横架材接合ゾーンYの寸法D1、すなわち横架材接合ゾーンYの突出側先端Ycから木質縦材接合ゾーンX(折り曲げた場合は、木質縦材の側面2a)までの寸法は、木質縦材2の間隔寸法D2の半分(D2/2)よりも短く、従って、横架材4の左右両端部に設けた2枚の板状材5の間に、横架材4が所定寸法で現れるように設定される。横架材接合ゾーンYは、その上縁Yaが横架材4の上縁4aに揃い、その下縁Ybが横架材4の下縁4bに揃うようになされている。
横架材接合ゾーンYには、板状材5を横架材4に接合するための横架材接合箇所となるビス孔7が、適宜配列で配置され、これらビス孔7を通してビスを横架材4にねじ込むことにより、横架材接合ゾーンYが横架材4に接合される。
ビス孔7は、ビスによって必要な接合強度が得られる限り、横架材接合ゾーンYに適宜に配置すればよい。図示例にあっては、ビス孔7は、横架材4の長さ方向軸線Cよりも上方と下方とに、同じ寸法関係の千鳥配置で形成されている。ビスには、縦材接合ゾーンXと同様に、座金を付帯させて設けることが好ましい。
板状材5には、横架材接合ゾーンYと縦材接合ゾーンXとの間に、すなわち当該板状材5を介して木質縦材2に横架材4が向かい合うように接合配置することにより横架材4の上下に木質縦材2で区画されて形成される上下一対の隅角領域Pに、板状材5そのもので、上下一対の上部エネルギ吸収ゾーン5aと下部エネルギ吸収ゾーン5bが形成される。
1つの横架材4で見ると、この横架材4の左右両端部分で、上下合わせて4つの隅角領域Pが形成され、これら隅角領域Pに対し4枚の板状材5による上部及び下部エネルギ吸収ゾーン5a,5bが設けられる。
これらエネルギ吸収ゾーン5a,5bは、木質縦材2と横架材4が相互に相対変位するように木質構造体1が変形することで発生する圧縮荷重によって面外方向へ座屈変形され、この座屈変形の繰り返しによる履歴型でエネルギ吸収するようになっている。
エネルギ吸収ゾーン5a,5bは、上部エネルギ吸収ゾーン5aを例にとって具体的に説明すると、横架材接合ゾーンYと縦材接合ゾーンXとの間の隅角領域Pに形成され、少なくとも、横架材接合ゾーンYの突出側先端Yc側から縦材接合ゾーンXの上端側へ向かう張り出し縁部5cを有して構成される。
詳細には、上部エネルギ吸収ゾーン5aは、横架材4の上方において横架材接合ゾーンYから上方へ、そしてまた縦材接合ゾーンXから側方へ張り出した形態であって、この張り出した形態は、縦材接合ゾーンXの上端側を始端として所定の左右横方向寸法で横架材接合ゾーンYと並行に横向き側方へ立ち上がる突出縁部5dと、この突出縁部5dの終端から、横架材接合ゾーンYの突出側先端Yc側の上縁Yaへ向かう上記張り出し縁部5cとで画定される。
図示例にあっては、張り出し縁部5cは、縦材接合ゾーンXの上端側から上下高さ方向下方の横架材4の上縁4a側に向かうに従って、当該張り出し縁部5cと縦材接合ゾーンXとの間の左右横方向寸法D4が、突出縁部5dの左右横方向寸法D3よりも次第に大きくなっていく傾斜部5eと、この傾斜部5eに一連に連続して横架材接合ゾーンYの上縁Yaに揃うように当該上縁Yaへ向けて収斂していく湾曲部5fとから構成される。
すなわち、張り出し縁部5cの湾曲部5fは、長方形状の横架材接合ゾーンYの直線状の上縁Yaに連続的に連なるように形成される。
上部エネルギ吸収ゾーン5aとしては、上下高さ方向に見て、図3中、符号Lで示すように、縦材接合ゾーンXの上端側の突出縁部5dの高さ位置を基準として、ビス孔7までの最小距離の領域とされる。エネルギ吸収ゾーン5aを形成する板状材5の板厚tについては、当該最小距離Lに対し、t/L=1/20以下に設定される。
下部エネルギ吸収ゾーン5bの構成、並びに張り出し縁部5cの構成は、上部エネルギ吸収ゾーン5aを上下逆さまにしたもので、同じである。
エネルギ吸収ゾーン5a,5bには、張り出し縁部5cに少なくとも部分的に、エネルギ吸収ゾーン5a,5bを補剛するための折り曲げ部8が形成される。図示例にあっては、折り曲げ部8は、張り出し縁部5cから横架材接合ゾーンYにまで達するように形成されている。
折り曲げ部8は、エネルギ吸収ゾーン5a,5bが座屈変形する際に、張り出し縁部5cに沿って生じる応力を負担することができ、これによりエネルギ吸収ゾーン5a,5bに局所的な破断が発生して早期に破壊されてしまうことを防ぐことができる。故に、折り曲げ部8は、張り出し縁部5c全長に亘って形成されることが望ましい。
この折り曲げ部8は、図3及び図4に示すように、板状材5の板厚方向に向けて折り曲げて形成される。折り曲げ部8の折り曲げ方向は、縦材接合ゾーンXを折り曲げて形成した場合、両者の折り曲げ方向をエネルギ吸収ゾーン5a,5bの板面に対し、図3中、実線で示すように、反対向き(図4(A)参照)としても、あるいは図3中、仮想線で示すように、同じ向き(図4(B)参照)としてもよい。
以上説明した板状材5による木質構造体用制振部材は、図1及び図2に示されかつ上述したように、木質構造体1の隣接する一対の木質縦材2に、縦材接合ゾーンXを介して接合されると共に、木質縦材2の上下高さ方向中途部の間に左右横方向へ掛け渡される横架材4に、横架材接合ゾーンYを介して接合されて、横架材4を木質縦材2に接合し、これに伴って、隅角領域Pにエネルギ吸収ゾーン5a,5bが形成されることによって、木質構造体1が制振構造とされるようになっている。
本実施形態に係る木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造にあっては、従来のせん断降伏ヒステリシスによるエネルギ吸収とは異なり、木質縦材2間に渡した横架材4に作用する引張力などを受ける板状材5が圧縮荷重を負担することで生じる座屈変形ヒステリシスによってエネルギ吸収させる構造なので、地震等の振動外力に対し、木材の先行破壊を確実に回避しつつエネルギ吸収できる構造的な釣り合いをもたせ、木質構造体1に見合った適切な振動減衰性能を確保することができる。
また、せん断降伏によるエネルギ吸収に用いられる板厚の厚いダンパとは異なり、面外座屈変形を利用してエネルギ吸収を行う態様であって、折り曲げ部8の形成が可能な程度の板状材5でなる制振部材であるので、軽量であって施工性に優れると同時に、材料コストを低廉化することができる。
張り出し縁部5cは、折り曲げ部8を少なくとも部分的に、また湾曲部5fを有するので、張り出し縁部5cを介して、板状材5全面にわたって確実に面外方向へ座屈変形させることができる。
折り曲げ部8の折り曲げ方向を縦材接合ゾーンXの折り曲げ向きと反対にすることで、安定した剛性を確実に得ることができ、制振性能を十分に発揮させることができる。
横架材4を前後方向両側から挟む一対の板状材5相互において、縦材接合ゾーンXの折り曲げ向きをそれぞれ外側に向けることで、木質縦材2間の板状材5の外側に断熱材や外壁材を設ける場合に、これら断熱材等が損傷を受けることを防ぐことができると共に、座屈変形量が大きくなったときには、エネルギ吸収ゾーン5a,5bや折り曲げ部8が互いに干渉し合って、板状材5の破壊を遅らせることができる。
木質構造体の制振構造としては、横架材4と板状材5のセットを、上下高さ方向に多段で配設することにより、配設数に応じた優れた制振性能を発揮することができる。
詳細には、本実施形態に係る木質構造体用制振部材及び木質構造体の制振構造では、隣接する一対の木質縦材2に対し、これら木質縦材2の間に掛け渡される横架材4を接合する板状材5として、板厚1.2mm程度の薄板材を用い、木質縦材2と横架材4との間に生じる曲げ変形によって、板状材5に連続的な面外座屈を生じさせ、このときに生じるヒステリシスロスを減衰力とするようにしている。
特許文献1では、変形部分の長さLに対する板厚tの比(L/t)が6.7倍前後である。特許文献2では、変形部分の長さLに対する板厚tの比(L/t)が13倍である。
本実施形態については、上部もしくは下部エネルギ吸収ゾーン5a,5bの長さLを、250mmとし、板厚tを、1.2mmとすると、上記比(L/t)は208倍で、いずれの特許文献と比較しても、10倍以上薄い板状材を用いていることがわかる。
本実施形態では、連続的な面外座屈を生じさせることが重要で、L/tの値を大きく設定する必要がある。この限度を規定するとすれば、一例として、オイラーの座屈式が成立すると言われる細長比λ=100を基準にすることが考えられ、本実施形態の形状寸法にλ=100を当てはめて換算すると、L/tは28.8倍となる。
このことを考慮すると、少なくともL/tが20倍以上、言い換えれば、板状材の板厚tは、L/20以下に設定することが好ましい。
連続的な面外座屈変形を生じさせることについては、以下の通りである。
折り曲げなどのない単純な一枚板を板状材とした場合、木質縦材2と横架材4の隅角領域Pに曲げモーメントが生じると、座屈変形が一箇所に集中して生じ、座屈する範囲は狭い。
大きな減衰力を得るには、塑性変形させる範囲を広く確保する必要があり、面外座屈を減衰力として利用する場合でも同様に、座屈変形される範囲を広くすることが好ましい。
その対策として、折り曲げ部8を設けることが有効であり、これにより単純な面外座屈を防止して、変形範囲を広くすることができる。張り出し縁部5cの形態としては、真っ直ぐな直線状よりも、湾曲状や弧状であることが有効である。
折り曲げ部8を設けることで、上述のように単純な座屈を抑制して変形範囲を広く確保することができるが、縦材接合ゾーンXの折り曲げ方向に対し、折り曲げ部8の折り曲げ方向を反対向きにすると、同じ向きにする場合に比して、さらに効果的に単純な面外座屈変形を防止することができる。
同じ向きとした場合、エネルギ吸収ゾーン5a,5bに作用する圧縮力により、当該エネルギ吸収ゾーン5a,5bは、折り返している向きとは反対向きに座屈変形しようとする。このとき、折り曲げ部8には、突出縁部5dから横架材接合ゾーンYに向かうその長さ方向に沿う圧縮力が働き、折り曲げ部8自体が座屈しやすい傾向にある。
これに対し、反対向きとした場合には、エネルギ吸収ゾーン5a,5bは、圧縮力により、折り返している向きへ座屈変形しようとする。この場合、折り曲げ部8には、その長さ方向に沿う引張力が働くため、折り曲げ部8に座屈が生じることはなく、その機能を十分に発揮させることができる。
また、横架材4を前後方向両側から挟む一対の板状材5相互において、縦材接合ゾーンXの折り曲げ方向をそれぞれ外側にし、折り曲げ部8の折り曲げ方向をそれとは反対にして、折り曲げ部8同士が向かい合うようにすることが好ましい。この場合では、エネルギ吸収ゾーン5a,5bは、上述したように折り曲げ部8を折り返している向きへ座屈変形しようとするので、板状材5同士が近づくように変形する。そして、板状材5のエネルギ吸収ゾーン5a,5bや折り曲げ部8は互いに干渉し合うこととなり、座屈変形の進展を抑制できるため、板状材5が破壊するのを遅らせることができる。
上記実施形態では、板状材5のみを木質構造体用制振部材として説明したが、板状材5を横架材4に接合してユニット化したものを木質構造体用制振部材として扱ってもよいことはもちろんである。
木質構造体1への施工に際しては、ユニット化した木質構造体用制振部材の縦材接合ゾーンXだけを木質縦材2に接合すれば良く、施工性を向上することができる。
図5~図7には、上記実施形態の変形例が示されている。図5(A)は、変形例に係る板状材5の正面図、図5(B)は、板状材5の側面図、図5(C)は、板状材5の平面図である。この変形例は、張り出し縁部5cが突出縁部5dの終端から横架材接合ゾーンYの突出側先端Yc側に向かって、斜め方向に真っ直ぐな傾斜部5eのみで直線状に形成されている。
図6(A)は、他の変形例に係る板状材5の正面図、図6(B)は、板状材5の側面図である。この変形例は、図3に示した板状材5を基本として、上下関係に位置するもの同士のエネルギ吸収ゾーン5a,5bを一体化して、2枚分を1枚の板状材5としたものである。
一体化するにあたり、上下方向に連続して連なる張り出し縁部5cは、それらの湾曲部5fが四半円状とされ、湾曲部5f同士が直線状の鉛直部5gでつなげられて構成されている。
このように構成すれば、上記実施形態では2つの横架材4に対し、8枚の板状材5の設置が必要であるが、それを4枚に減らすことができ、施工能率を向上することができる。
図7は、さらに他の変形例に係る板状材5の正面図である。この変形例は、図6の場合と同様に、図3に示した板状材5を基本として、3枚分を1枚の板状材5としたものである。
このように構成すれば、3つの横架材4に対し、12枚の板状材5の設置が必要であるが、それを4枚に減らすことができ、さらに施工能率を向上することができる。
殊に、図6及び図7に示した変形例では、木質縦材2にビスで止められた縦材接合ゾーンXが、面外座屈変形に伴って、木質縦材2から引き抜かれることを防止できる利点がある。
板状材5は、横架材4と木質縦材2との間で、曲げモーメントを伝達する。このため、縦材接合ゾーンXと木質縦材2との接合部分には、横架材4の上下で、圧縮力と引張力とが同時に働く。圧縮力は、本来の面外座屈変形を板状材5に生じさせるのに対し、引張力は、ビスを引き抜くように作用する。
上下の横架材4の間で、縦材接合ゾーンXが連続するこれら変形例では、例えば上方の横架材4直下に生じる引張力を、下方の横架材4直上に生じる圧縮力で相殺することができ、上下の横架材4間の縦材接合ゾーンXには、ほとんど力が発生しない。従って、これら変形例では、ビスの取付作業量を減らすことができ、施工性向上に寄与することができる。
これら変形例におけるその他の構成は、上記実施形態と同様である。これら変形例であっても、制振性能について、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
図8及び図9は、上記実施形態のさらに他の変形例に係る板状材5の正面図である。これらの変形例は、板状材5の上下一対のエネルギ吸収ゾーン5a,5bそれぞれに、当該エネルギ吸収ゾーン5a,5bに生じる変形を効率よく全体に伝搬させて大きな減衰力を得るために、三次元立体折り構造9,10を備えたものである。
図8は、三次元立体折り構造9として、公知のミウラ折り(登録商標)を形成したものであり、図9は、三次元立体折り構造10として、公知のヨシムラパターンを形成したものである。図9では、エネルギ吸収ゾーン5a,5bは、四角形状に形成されている。
これらは、折り線F1,F2が互いに交差し、一方の折り線の谷折り(図中、点線で示す)の両側に他方の折り線の山折り(図中、実線で示す)が交わるように連なり、一方の折り線の山折りの両側に他方の折り線の谷折りが交わるように連なって対をなす、三次元立体折り構造9,10で構成される。
折り線F1,F2を構成するいずれかの谷折りもしくは山折りの線分が、3次元座標系のXY平面、YZ平面及びZX平面すべてに対して傾きをもつように配置されたとき、すべての谷折り及び山折りが三次元空間を占める構造であって、自由度を1つしか持たない折り方であり、折り目の一部だけが変形されても、1自由度であるために、エネルギ吸収ゾーン5a,5b全体に変形が及ぶようになっている。
三次元立体折り構造9,10としては、図8及び図9に示した例に限らず、その他の折り形態であってもよいことはもちろんである。また、張り出し縁部5eに折り曲げ部8を形成してもよいことはもちろんである。
このような三次元立体折り構造9,10をエネルギ吸収ゾーン5a,5bに備えることにより、大きな減衰力を確保できて、優れた制振性能を発揮する木質構造体用制振部材並びに木質構造体の制振構造を得ることができる。
1 木質構造体
2 木質縦材
3 木質横材
4 横架材
5 板状材
5a,5b 上下一対のエネルギ吸収ゾーン
5c 張り出し縁部
6 ビス孔
7 ビス孔
8 折り曲げ部
X 縦材接合ゾーン
Y 横架材接合ゾーン
Yc 横架材接合ゾーンの突出側先端
F1,F2 折り線
9,10三次元立体折り構造

Claims (5)

  1. 複数の木質縦材の上下端部をそれぞれ、上下の木質横材に接合して構成される木質構造体に対し、隣接する一対の該木質縦材の上下高さ方向中途部の間に、横架材を左右横方向へ掛け渡して接合する制振部材であって、
    上記横架材の左右両端部分それぞれに、該横架材を前後方向両側から挟んで一対設けられる鋼製の板状材からなり、
    該板状材はそれぞれ、上記木質縦材の上下高さ方向に形成され、該木質縦材と接合される縦材接合箇所を有する縦材接合ゾーンと、該縦材接合ゾーンの中央部分から上記横架材の左右横方向へ向けて突出され、該横架材と接合される横架材接合箇所を有する横架材接合ゾーンと、該横架材接合ゾーンと該縦材接合ゾーンとの間に形成され、該横架材接合ゾーンの突出側先端側から該縦材接合ゾーンの上端側及び下端側それぞれへ向かう張り出し縁部を有して、面外方向への座屈変形によりエネルギ吸収する上下一対のエネルギ吸収ゾーンとを含むことを特徴とする木質構造体用制振部材。
  2. 該エネルギ吸収ゾーンの上記張り出し縁部には、少なくとも部分的に、上記板状材の板厚方向に向けて折り曲げて折り曲げ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の木質構造体用制振部材。
  3. 前記エネルギ吸収ゾーンは、互いに交差する折り線が、一方の折り線の谷折りの両側に他方の折り線の山折りが交わるように連なり、一方の折り線の山折りの両側に他方の折り線の谷折りが交わって連なるように対をなす、三次元立体折り構造に折られていることを特徴とする請求項1または2に記載の木質構造体用制振部材。
  4. 前記横架材が前記板状材に接合されてユニット化されていることを特徴とする請求項1~3いずれかの項に記載の木質構造体用制振部材。
  5. 請求項1~4いずれかの項に記載の木質構造体用制振部材を用い、前記木質構造体の隣接する一対の前記木質縦材に対し、それらの上下高さ方向中途部の間に、前記横架材が左右横方向へ掛け渡して接合されていることを特徴とする木質構造体の制振構造。
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