JP2011058579A - エネルギ吸収構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】より反力が高く、エネルギ吸収量の大きい、反転螺旋型折紙構造を用いたエネルギ吸収構造体を提供する。
【解決手段】反転螺旋型折紙構造を用いたエネルギ吸収構造体10は、筒状の金属体からなり、多角形の仮想上底面22及び仮想下底面24に挟まれる側面26に対角線28の折り線を有する多角柱の反転螺旋型折紙構造からなる最小ユニット20を有する。最小ユニット20は、仮想上底面22又は仮想下底面24に垂直な方向に3段以上形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、エネルギ吸収構造体に関し、特に、自身が圧潰することで荷重エネルギを吸収する、反転螺旋型折紙構造を用いたエネルギ吸収構造体に関する。
一般に、例えば自動車が衝突したときのようなエネルギを吸収する構造物として、自動車のサイドメンバ等が広く知られている。このようなエネルギ吸収構造体は、荷重エネルギにより圧潰し、荷重エネルギを吸収する構造を有している。したがって、エネルギ吸収構造体には、初期の設計通りに軸方向に最後まで圧潰すること、構造物の全長に対する圧潰長さの割合をできるだけ大きくしてエネルギ吸収量を最大にすること、さらに反力が高いことが求められている。
単純な矩形断面を有するエネルギ吸収構造体の場合、初期不整等により、中心軸方向外への変形が生じ、設計したエネルギ吸収量が得られない場合がある。そこで本願発明者のうちの1人は、サイドメンバ等の強度部材の座屈波長を求め、座屈の節点となる部分に潰れビード配置位置を決定する方法を提案している(例えば特許文献1)。これにより、エネルギ吸収構造体の中心軸方向への圧潰を図っている。しかしながら、構造物の全長に対する圧潰長さの割合は70%程度であった。
また、構造物を小さな荷重で荷重方向に非常に小さく折り畳むことが可能な構造として、折紙工学を利用した構造が知られている(例えば特許文献2)。以下、折紙工学を利用した構造を、単に折紙構造と称する。特許文献2では、種々の形状の折紙構造が例示されているが、その中の1つとして、反転螺旋型折紙構造が開示されている。図1は、一般的な反転螺旋型折紙構造を説明するための斜視図であり、図1(a)が折り畳まれる前の状態の反転螺旋型折紙構造、図1(b)が折り畳み途中の状態の反転螺旋型折紙構造、図1(c)が完全に折り畳まれた状態の反転螺旋型折紙構造である。図1に示されるように、反転螺旋型折紙構造1は、例えば6角柱を構成する側面2が、側面2に設けられた折り線3に沿って折られた際に、上底面と下底面が螺旋状にそれぞれ反転しながら潰れていき、側面2が密着して折り畳まれる構造である。
本願発明者の1人は、上述の反転螺旋型折紙構造に着目し、構造物の全長に対する圧潰長さの割合をより大きくする目的で、反転螺旋型折紙構造をエネルギ吸収構造体として適用することを検討していた(例えば非特許文献1,2)。
特開平3−65634号公報 特開2003−128041公報(第81図)
萩原一郎ら、「反転らせん型モデルを用いた円筒折り紙構造の圧潰変形特性の最適化検討」、日本機械学会論文集(A編)、70巻689号、2004年1月、p.36−42 萩原一郎ら、「折り紙工学を利用した円筒構造物の圧潰特性に関する考察」自動車技術会論文集Vol.34、No.4、2003年10月、p.145−149
しかしながら、折紙構造は小さな荷重で小さく折り畳むことが可能な構造であるために、比較的小さな荷重で圧潰してしまう。構造物の全長に対する圧潰長さの割合は90%以上という特性が得られるものの、同重量の従来のエネルギ吸収構造体と比較して、反力が低く、エネルギ吸収量が小さいため、例えばサイドメンバのような反力が高いものに利用可能なものではなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、より反力が高く、エネルギ吸収量の大きい、反転螺旋型折紙構造を用いたエネルギ吸収構造体を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明によるエネルギ吸収構造体は、反転螺旋型折紙構造を用いたエネルギ吸収構造体であって、該エネルギ吸収構造体は、多角形の仮想上底面及び仮想下底面に挟まれる側面に対角線の折り線を有する多角柱の反転螺旋型折紙構造からなる最小ユニットが、仮想上底面又は仮想下底面に垂直な方向に3段以上形成される筒状の金属体を具備するものである。
ここで、最小ユニットは、少なくとも1つの最小ユニットの仮想上底面又は仮想下底面の周辺長に対する高さのアスペクト比が他の最小ユニットと異なっても良い。
また、最小ユニットは、最小ユニットの仮想上底面と仮想下底面の面積が異なっても良い。
また、最小ユニットは、仮想上底面又は仮想下底面をその面の中心点で回転角θで回転することで側面形状が決定され、回転角θは10度以下であれば良い。
また、最小ユニットは、少なくとも1つの最小ユニットの回転角θが他の最小ユニットと異なっても良い。
また、最小ユニットは、その多角柱及び対角線の折り線の各辺が面取り形状であっても良い
ここで、最小ユニットの面取り形状は、サブディビジョン手法を1回適用することで決定されれば良い。
また、最小ユニットは、軸方向に偶数段、且つ、各段が他の段の仮想上底面又は仮想下底面と面対称となるように形成されれば良い。
また、最小ユニットは、仮想上底面又は仮想下底面の周辺長に対する高さのアスペクト比が、0.25〜0.75であれば良い。
本発明のエネルギ吸収構造体には、より反力が高く、エネルギ吸収量が大きいという利点がある。
図1は、一般的な反転螺旋型折紙構造を説明するための斜視図である。 図2は、本発明のエネルギ吸収構造体を説明するための斜視図である。 図3は、本発明のエネルギ吸収構造体の最小ユニットにおける回転角θを説明するための斜視図である。 図4は、本発明のエネルギ吸収構造体と比較例との圧潰−変形特性を比較したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図2は、本発明のエネルギ吸収構造体を説明するための斜視図である。本発明のエネルギ吸収構造体10は、筒状の金属体からなるものであり、図2に示されるように、反転螺旋型折紙構造を用いた最小ユニット20が、仮想上底面22又は仮想下底面24に垂直な方向に3段以上形成されたものである。反転螺旋型折紙構造については、図1を用いて説明したものと同様である。即ち、本発明の最小ユニット20は、圧潰時には仮想上底面22及び仮想下底面24が螺旋状にそれぞれ反転しながら潰れていく構造である。最小ユニット20の反転螺旋型折紙構造は、多角形の仮想上底面22及び仮想下底面24に挟まれる側面26に、対角線28の折り線を有する多角柱のものである。図示例では、正6角形の仮想上底面22及び仮想下底面24からなる最小ユニット20を4段一連に繋げた構成を示している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、多角形であれば6角形に限定されるものではなく、また、不等辺多角形であっても良い。さらに、最小ユニットの段数も、3段以上であれば良く、4段に限定されるものではない。
ここで、最小ユニット20の側面26の各辺の折り線や、対角線28の折り線については、筒状の金属体に予め折り目を付したり、切り欠きや肉薄加工をすることにより、折り線の位置で折れるように構成しておけば良い。
また、最小ユニット20の側面26の形状や対角線28については、図示例では、各最小ユニット20毎に、向きが逆になるように構成されている。より具体的には、最小ユニット20の各段は、他の段の仮想上底面22又は仮想下底面24と面対称となるように構成されている。
次に、本発明のエネルギ吸収構造体の圧潰時の動作について説明する。本発明のエネルギ吸収構造体10は、最上段の最小ユニット20の仮想上底面22側からの圧潰エネルギ(図2中黒矢印)を受けた場合に、側面26に設けられた対角線28に沿って折れ曲がると共に、隣接する側面26のつなぎ目及び上下の最小ユニット20のつなぎ目が折れ曲がり、側面26が密着して折り畳まれる。即ち、側面26間のつなぎ目は山折で折れ曲がり、対角線28は谷折りで折れ曲がる。そして、最小ユニット20間のつなぎ目、即ち、仮想上底面22又は仮想下底面24の周囲の辺は、山折で折れ曲がる。
そして、本発明のエネルギ吸収構造体の最小ユニット20は、反転螺旋型折紙構造であるため、圧潰時に仮想上底面22と仮想下底面24とが螺旋状にそれぞれ反転しながら、即ち、ねじれながら回転して潰れる。したがって、各最小ユニット20では、仮想上底面22と仮想下底面24の間では、相対的に回転が生じる。ここで、最小ユニット20を軸方向に偶数段、即ち、図示例のように4段とし、各段が他の段の仮想上底面22又は仮想下底面24と面対称となるように構成した場合には、最上段の最小ユニット20の回転が、次段の最小ユニット20の回転によって相殺され、以降、これが繰り返される。したがって、最上段の仮想上底面と、最下段の仮想下底面に、回転ねじれを生じさせないようにする場合には、偶数段且つ面対称となるように構成すれば良い。
本発明のエネルギ吸収構造体10は、上述のような動作で最上段の最小ユニット20の仮想上底面側からの圧潰エネルギを吸収する。このときのエネルギ吸収量を最大とするためには、側面26の形状を決定する仮想上下底面の回転角θ、側面26及び対角線28の各辺の面取り形状、仮想上底面22又は仮想下底面24の周辺長に対する最小ユニット20の高さhのアスペクト比を、以下のように決定すれば良い。
まず、回転角θについて説明する。図3は、最小ユニット20における回転角θを説明するための斜視図であり、図3(a)は、回転角θが0度のときの最小ユニット20の斜視図、図3(b)は、回転角θを定義するための説明図、図3(c)は、仮想上底面22を回転角θで回転させた後の最小ユニット20を説明するための図である。図中、図2と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
最小ユニット20の側面26の形状は、図3(a)に示されるように、仮想上底面22を仮想上底面22の中心点Oで図3(a)中の矢印の方向に回転角θで回転させた際の仮想上底面の各辺と仮想下底面の各辺を繋げた側面形状で決定される。より具体的には、図3(b)に示される回転角θと角度α及び角度βとの関係は以下の式で表わされる。
但し、hは最小ユニットの高さ、Lは仮想上底面22又は仮想下底面24の周辺長、Rは仮想上底面22の頂点での回転直径である。
図3(b)に示されるように、回転角θに応じて、多角柱の展開図上での側面26の平行4辺形の形状が決定され、その対角線28も決定される。なお、図3(a)に示されるA点が、回転により図3(c)に示されるA'点に移動することになる。ここで、回転角θは、好ましくは10度以下であれば良い。回転角θが10度以下の場合には、エネルギ吸収量が最大となり、回転角θが28度以上となると、回転角θが0度の場合のエネルギ吸収量の70%程度となる。なお、上述の図示例では、仮想上底面22を回転させることで、側面26及び対角線28の形状を決定したが、仮想上底面22と仮想下底面24が相対的に回転されれば良いため、仮想下底面24を回転させて側面26及び対角線28の形状を決定しても勿論良い。
ここで、エネルギ吸収構造体10を構成する少なくとも1つの最小ユニット20の回転角θは、他の最小ユニット20と異なっても良い。回転角θが大きくなると、反転螺旋型折紙構造は潰れやすくなる。したがって、例えば圧潰エネルギの作用する方向から、各最小ユニット20の回転角θを順に小さくしていくことで、圧潰エネルギ作用時の反力を徐々に高めるように構成することも可能である。
次に、折り線の面取り形状について説明する。上述のように形成された最小ユニット20において、最小ユニット20の側面26及び対角線28の折り線や最小ユニット20間のつなぎ目の各辺に面取り(丸め加工)を行っても良い。面取りを行うことで、吸収エネルギ量をより大きくすることが可能である。
このときの面取り形状の決定には、例えばサブディビジョン手法を用いることが可能である。サブディビジョン手法とは、一定のルールに基づいて多面体を逐次分割していくことにより、その形状を滑らかにしていく手法である。具体的には、サブディビジョン手法の中のModified Butterfly法を用いて面取り形状を決定すれば良い。このとき、サブディビジョン手法の適用は、例えば1回とすれば良い。なお、面取りを行う手法として、サブディビジョン手法、特にModified Butterfly法を挙げたが、本発明はこれに限定されず、各辺が面取りされ、滑らかな形状となれば他の手法を用いても良い。
次に、アスペクト比について説明する。上述の図示例では、エネルギ吸収構造体10を構成する最小ユニット20の仮想上底面22又は仮想下底面24の周辺長Lに対する最小ユニット20の高さhのアスペクト比は、他の最小ユニット20のアスペクト比と同じにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、少なくとも1つの最小ユニットのアスペクト比が他の最小ユニットと異なるように構成しても良い。例えば、すべての最小ユニット20の仮想上底面22及び仮想下底面24の周辺長が一定の場合、各段の最小ユニット毎にその高さを異ならせるように構成しても良い。これにより、各段の最小ユニット20のエネルギ吸収量をそれぞれ異ならせることが可能である。例えば、圧潰エネルギの作用する方向から、各最小ユニット20の高さを順に高くしていくことで、圧潰エネルギ作用時の反力を徐々に高めるように構成することも可能である。
ここで、アスペクト比についてより詳細に説明する。例えば、一般的なサイドメンバの車両の設置位置のスペースが、375mm×45mm×45mmとする。このスペースに、正方形の四角柱からなる本発明のエネルギ吸収構造体を適用することを考える。このとき、最小ユニットが4段のときがもっとも反力が高くなった。そのときのアスペクト比は、周辺長が180mmであり、4段なので各最小ユニットの高さは375/4であるため、375/4/180=0.5208333となる。最小ユニットを3段とする場合には、逆算することで、アスペクト比を約0.75にすれば良いことが分かる。また、例えば最小ユニットを8段とする場合には、同様に、アスペクト比を約0.25にすれば良い。このように、最小ユニットのアスペクト比は、0.25〜0.75とすれば、最小ユニットの段数は3段から8段まで種々選択することが可能となる。
なお、上述の図示例では、すべての最小ユニット20について同じアスペクト比であり、最小ユニット20の高さ及び仮想上底面22と仮想下底面24の面積は同一のものであった。しかしながら、本発明はこれに限定されず、最小ユニット20の仮想上底面22と仮想下底面24の面積が異なるように構成しても良い。即ち、最小ユニット20の形状が、例えば多角錐台であっても良い。このとき、エネルギ吸収構造体10を一連とすると、最上段の最小ユニット20の仮想下底面24の面積及び形状と、次の段の最小ユニット20の仮想上底面22の面積及び形状とは、一致する。このような構成においても、最小ユニット20毎にエネルギ吸収量を変化させることが可能となり、その組み合わせにより所望の圧潰エネルギ吸収の作用効果を得ることができる。
以下、より具体的に本発明のエネルギ吸収構造体の特性について説明する。シミュレーション条件として、例えば以下の条件でエネルギ吸収構造体を作成した。即ち、最小ユニットの仮想上底面22及び仮想下底面24の形状は正5角形、回転角θは0度、サブディビジョン手法の適用回数は1回、アスペクト比及び仮想上底面及び仮想下底面の周辺長はすべての最小ユニットで一定、そして段数は4段とした。また仮想上底面22及び仮想下底面24の周辺長は45mm、エネルギ吸収構造体の軸方向の長さは375mm、板厚は1mmとした。
また、比較のために、自動車のサイドメンバの構造パラメータを参考にして簡略化した正方形断面の薄肉構造モデルを略同構造質量にて作成した。正方形断面の周辺長は45mm、薄肉構造モデルの軸方向の長さは375mm、板厚は1mmとした。
上述の本発明のエネルギ吸収構造体及び比較例が、剛壁に衝突したときのシミュレーションを行い、圧潰解析を行った。剛壁に衝突する際の初期速度を15000mm/sとし、各構造体の材料は鋼材を想定して、ヤング率210Gpa、ポアソン比0.3、降伏応力270Mpa、密度7890kg/mとした。なお、比較例は、正方形薄肉断面を持つ細長い構造体であるため、圧潰する途中で座屈変形により倒れやすく、最後まで倒れることなく軸方向に沿って圧潰していくことは非常に困難であるが、理想的に圧潰し、最後まで圧潰したものを想定している。
上述の本発明のエネルギ吸収構造体及び比較例の圧潰解析の結果を表1に示す。
表1から分かる通り、最小ユニットに折り線を設けた関係で、本発明のエネルギ吸収構造体の初期ピーク荷重値は、比較例よりやや低い値であるが、本発明のエネルギ吸収構造体のエネルギ吸収量は、比較例と比べても約1.37倍となっていることが分かる。またこのとき、比較例は圧潰の進行は止まっていたが、本発明のエネルギ吸収構造体では、圧潰は進行中の状態であった。即ち、本発明のエネルギ吸収構造体は、さらにエネルギ吸収が可能な状態(もっと潰れる余裕がある状態)であると言える。比較例は、上述の如く、理想的に圧潰した場合のモデルであるから、本発明のエネルギ吸収構造体の優位性は非常に高い。さらに言えば、比較例のような従来のサイドメンバと圧潰長さが同等で良いならば、その長さ分だけ本発明のエネルギ吸収構造体の長さを短くすることが可能である。このため、エネルギ吸収構造体の軽量化を図ることも可能となる。表1より、本発明のエネルギ吸収構造体と比較例は、構造質量が同じ場合には本願のほうがエネルギ吸収量が高いことが分かる。したがって、例えば所望するエネルギ吸収量が、比較例と同程度のエネルギ吸収量で足りるときには、例えば本発明のエネルギ吸収構造体を肉薄にできるため、さらに軽量化することも可能である。
さらに、サブディビジョン手法による各辺の面取り効果を確認するため、上述の条件のうち、サブディビジョン手法の適用回数のみを0〜2回と変化させ、再度、剛壁に衝突したときのシミュレーションを行い、圧潰解析を行った。表2は、本発明のエネルギ吸収構造体においてサブディビジョン手法の適用回数を変化させた場合のエネルギ吸収量を比較したものである。
表2から分かる通り、すべてのケースで、比較例より高いエネルギ吸収量を示しているが、サブディビジョン手法の適用回数が1回のときにピークが生じていることが分かる。したがって、サブディビジョン手法の適用回数は、好ましくは1回であれば良い。
図4は、本発明のエネルギ吸収構造体と比較例との圧潰−変形特性の比較を示したグラフである。図4中、グラフの縦軸は圧潰の荷重、横軸は圧潰変形量である。また、実線は本発明のエネルギ吸収構造体、破線は比較例の圧潰−変形特性をそれぞれ表わしている。衝突の初期段階では、本発明のエネルギ吸収構造体は、比較例と略同じレベルの荷重値で変形していくが、変形量が250mmを超えたあたりから圧潰荷重値が高くなり、そのまま最終的な圧潰長さまで進行していくことが分かる。本発明のエネルギ吸収構造体が比較例より圧潰荷重値が高いということは、本発明のエネルギ吸収構造体が比較例より反力が大きいことを示している。
表1、表2及び図4から、本発明のエネルギ吸収構造体は、比較例よりもエネルギ吸収量が大きく、さらに反力が大きいということが明らかとなった。即ち、本実施形態におけるエネルギ吸収構造体が、従来の正方形断面の薄肉構造モデルと比較して自動車のサイドメンバに用いるのに優位な特性を有することは明らかである。
なお、本発明のエネルギ吸収構造体は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上述の本発明のエネルギ吸収構造体及び比較例において自動車のサイドメンバを想定したが、これに限定されるものではなく、建物に生じるエネルギを吸収する部材としても利用可能である。
10 エネルギ吸収構造体
20 最小ユニット
22 仮想上底面
24 仮想下底面
26 側面
28 対角線

Claims (9)

  1. 反転螺旋型折紙構造を用いたエネルギ吸収構造体であって、該エネルギ吸収構造体は、
    多角形の仮想上底面及び仮想下底面に挟まれる側面に対角線の折り線を有する多角柱の反転螺旋型折紙構造からなる最小ユニットが、仮想上底面又は仮想下底面に垂直な方向に3段以上形成される筒状の金属体を具備することを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  2. 請求項1に記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットは、少なくとも1つの最小ユニットの仮想上底面又は仮想下底面の周辺長に対する高さのアスペクト比が他の最小ユニットと異なることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットは、最小ユニットの仮想上底面と仮想下底面の面積が異なることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットは、仮想上底面又は仮想下底面をその面の中心点で回転角θで回転することで側面形状が決定され、回転角θは10度以下であることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  5. 請求項4に記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットは、少なくとも1つの最小ユニットの回転角θが他の最小ユニットと異なることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットは、その多角柱及び対角線の折り線の各辺が面取り形状であることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  7. 請求項6に記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットの面取り形状は、サブディビジョン手法を1回適用することで決定されることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットは、軸方向に偶数段、且つ、各段が他の段の仮想上底面又は仮想下底面と面対称となるように形成されることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れかに記載のエネルギ吸収構造体において、前記最小ユニットは、仮想上底面又は仮想下底面の周辺長に対する高さのアスペクト比が、0.25〜0.75であることを特徴とするエネルギ吸収構造体。
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