JP2004285599A - 構造物の制震構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、隣り合う2棟の構造物の構造や形状に左右されることなく、両構造物の応答変形を効果的に低減させることのできる構造物の制震構造を提供する。
【解決手段】隣り合う2棟の構造物1a、1bは、その頂部近傍を水平に配された制震構造体2により連結される。制震構造体2は、振動エネルギーを吸収し、構造物1a、1bの変形を抑制する機能を有する制震装置3により構成されており、2体の制震装置3をブレース状でかつ2方向に配して交差させた、平面視X字状の2体の制震装置3の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置した構成を有している。これらは、両構造物1a、1b間の相対変形L1を低減させることができるだけでなく、水平力を水平方向成分と軸方向成分に分散させて、何れか一方の構造物1a、1bへの水平力の集中を回避させるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】隣り合う2棟の構造物1a、1bは、その頂部近傍を水平に配された制震構造体2により連結される。制震構造体2は、振動エネルギーを吸収し、構造物1a、1bの変形を抑制する機能を有する制震装置3により構成されており、2体の制震装置3をブレース状でかつ2方向に配して交差させた、平面視X字状の2体の制震装置3の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置した構成を有している。これらは、両構造物1a、1b間の相対変形L1を低減させることができるだけでなく、水平力を水平方向成分と軸方向成分に分散させて、何れか一方の構造物1a、1bへの水平力の集中を回避させるものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外的要因の影響により生じる構造物の振動を抑制する構造物の制震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、強震や強風等の外的要因により構造物に生じる変形を低減させることを目的に、隣接して構築されている2棟の構造物に対して、減衰機構を有する複数のダンパーを、両棟を連結するように最頂部から高さ方向に、所定の間隔を持って水平に設ける構成が、一般に適用されている(特許文献1参照)。
このような構成は、隣り合う2棟の構造物間において、相対変形を低減させることが可能になるとともに、何れか一方の構造物における応答変形を低減させることが可能となる等の効果を期待することができるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平07−252967号公報(第1図参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述する構成では、例えば、図4(a)に示すような隣り合う2棟がほぼ同様な大きさの構造物4a、4bの場合には、2棟間の相対変形L3は低減されるものの、両棟の絶対変形L4を低減する効果を得ることはできない。
また、図4(b)に示すような、一方の構造物4bが低層でかつ相対的にみて質量の過大な低層棟である場合には、低層な構造物4bの応答に高層な構造物4aの応答が支配され、高層な構造物4aにおけるダンパー5の配置位置に節が生じ、逆に応答変形が増大するような現象が起こりうる。また、低層な構造物4bは高層な構造物4aからの水平力を、ダンパー5の降伏荷重に相当する力を負担することとなる。
さらに、図4(c)に示すような、一方が構造物4bが低層でかつ相対的にみて質量の軽微な低層棟である場合には、低層な構造物4bの応答変形の低減効果は発揮されるものの、高層な構造物4aの下部は低層な構造物4bからの水平力をダンパー5の降伏荷重分に相当する力を負担することとなる。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、隣り合う2棟の構造物の構造や形状に左右されることなく、両構造物の応答変形を効果的に低減させることのできる構造物の制震構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の構造物の制震構造は、隣接して構築される2棟の構造物の、振動を抑制する構造物の制震構造であって、少なくとも何れか一方の構造物の頂部近傍の側面と、他方の構造物の向かい合う側面とを、水平に連結するように制震構造体が配されており、該制震構造体が、鉛直方向に所定の間隔を持って平行でかつブレース状に配される、振動エネルギーを吸収する複数の制震装置により構成されることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の構造物の制震構造は、前記制震構造体が、ブレース状で交差する2方向に配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成されることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の構造物の制震構造は、前記制震構造体が、ブレース状で鉛直方向のシンメトリーに配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成されることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の構造物の制震構造は、隣り合う2棟の構造物について、何れか一方の構造物の頂部近傍の側面と、これと向かい合う他方の構造物の側面とを、ブレース状に配された複数の制震装置を備える制震構造体を用いて連結することにより、両棟の応答変形を効果的に低減させるものである。
【0010】
図1(a)に示すように、所定の離間間隔を持って隣接して構築されている構造物1a、1bは、両者がほぼ同様の高さでかつほぼ同様の質量を有しており、制震構造体2により連結されている。このような2棟の構造物1a、1bの頂部近傍を水平に連結する制震構造体2は、ブレース状に配された複数の制震装置3により構成されている。
制震装置3は、構造物1a、1bに制震性能を付与する場合等に一般に用いられているもので、地震や強風等の外力により、構造物1a、1bに与えられる振動エネルギーを吸収し、構造物1a、1bの変形を抑制する機能を有するものである。このような制震装置3は、鋼材ダンパー、粘性ダンパー、粘弾性ダンパー等様々な種類を有しているが、本発明に、適用する制震装置3は、いずれにもこだわるものではなく、配置される環境や施工性・作業性等、状況に応じて最適なものを選択すればよい。
【0011】
これら制震装置3を用いた制震構造体2は、ブレース状でかつ2方向に配して交差させた平面視X字状の2体の制震装置3の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置した構成を有している。なお、本実施の形態では、制震構造体2に平面視X字状に配された2体の制震装置3の組み合わせを3組連続させた構成を有しているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、その数量は、2棟の構造物1a、1bの相対変形量や、制震装置3自身の性能を考慮し、適宜設計するものである。
【0012】
上述するような隣り合う両構造物1a、1bの制震構造によれば、平面視X字状に配された2体の制震装置3による組み合わせを鉛直方向に複数連続することにより構成された制震構造体2を用いて、ほぼ同様の大きさを有する2棟の構造物1a、1bの頂部近傍どうしを、水平に連結することにより、両構造物1a、1b間の相対変形L1を低減させることができるだけでなく、図2に示すように、構造物1aから構造物1b移行する水平力を伝達された制震構造体2を構成する制震装置3は、その材軸方向の力を構造物1a、1bに対して水平方向成分と軸方向成分に分散させるため、他方の構造物1bに伝達される水平力が緩和されて、他方の構造物1bへの水平力の集中を回避させることが可能となる。また、これによりブレース状に配された制震装置3から構造物1a、1bの両者に軸方向成分の力をが生じせしめるため、図1(a)に示すように隣接する2棟の構造物1a、1bの曲げ変形L2、L2’を抑制することが可能となる。
【0013】
このような、平面視X字状に配された2体の制震装置3による組み合わせを、鉛直方向に複数連続した構成の制震構造体2は、隣接する2棟の構造物1a、1bが同様の大きさを有する場合に限るものではなく、図1(b)に示すような一方が高層の構造物1aであり、他方が低層でかつ相対的に見て質量が過剰な構造物1b、また、図1(c)に示すような一方が高層の構造物1aであり、他方が低層でかつ相対的に見て質量が軽微な構造物1bに対しても適用することが可能である。このように、隣り合う2棟の構造物1a、1bの高さが異なる場合には、低層の構造物1bの頂部近傍の側面と、これに向かい合う構造物1aの側面とを水平に連結するように、制震構造体2を配置する。
隣り合う2棟の構造物1a、1bが、図1(b)(c)のような場合には何れにおいても、隣り合う両構造物1a、1b間の相対変形L1の低減効果を損なうことなく、図1(b)においては相対的にみて質量の高い構造物1b、図1(c)においては相対的にみて剛性の高い構造物1aに移行しようとする水平力を、制震構造体2を構成するブレース状に配された制震装置3が、水平方向と軸方向の2成分に分割して緩和することが可能となる。また、これらにおいても同様に、制震構造体2により、構造物に軸方向成分の力を生じせしめるため、隣り合う両構造物1a、1bの両者の曲げ変形L2、L2’を抑制することができるものである。
【0014】
ところで、前記制震構造体2は、上述する平面視X状に配された2体の制震装置3による組み合わせを鉛直方向に複数連続した構成に、必ずしもこだわるものではない。制震構造体2の他の事例を以下に示す。
第1の事例としての制震構造体2は、図3(a)に示すように、ブレース状に配される制震装置3を鉛直方向でシンメトリーになるように配置した、平面視くの字状に配された2体の制震装置3による組み合わせを、鉛直方向に複数連続させる構成としている。また、第2の事例としての制震構造体2は、図3(b)に示すように、ブレース状に配される制震装置3を所定の間隔を持って平行となるように、鉛直方向に複数連続させる構成としている。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の構造物の制震構造によれば、隣接して構築される2棟の構造物の、振動を抑制する構造物の制震構造であって、少なくとも何れか一方の構造物の頂部近傍の側面と、他方の構造物の向かい合う側面とを、水平に連結するように制震構造体が配されており、該制震構造体が、鉛直方向に所定の間隔を持って平行でかつブレース状に配される、振動エネルギーを吸収する複数の制震装置により構成される。または、前記制震構造体が、ブレース状で交差する2方向に配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成される。もしくは、前記制震構造体が、ブレース状で鉛直方向のシンメトリーに配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成される。
これにより、隣り合う2棟の構造物は、その形状に左右されることなく両者間の相対変形を低減させることができるだけでなく、制震構造体を構成するブレース状に配された制震装置が、一方の構造物より伝達された水平力を、水平方向と軸方向に分散させるため、他方の構造物に伝達される水平力が緩和されることから、他方の構造物への水平力の集中を回避させることが可能となる。また、これに伴い、構造物に軸方向の力が生じるため、隣り合う2棟の構造物各々の曲げ変形を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造物の制震構造を示す図である。
【図2】本発明に係る制震構造体の作用を示す図である。
【図3】本発明に係る制震構造体の他の事例を示す図である。
【図4】従来の構造物の制震構造を示す図である。
【符号の説明】
1a 構造物
1b 構造物
2 制震構造体
3 制震装置
4a 構造物
4b 構造物
5 ダンパー
【発明の属する技術分野】
本発明は、外的要因の影響により生じる構造物の振動を抑制する構造物の制震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、強震や強風等の外的要因により構造物に生じる変形を低減させることを目的に、隣接して構築されている2棟の構造物に対して、減衰機構を有する複数のダンパーを、両棟を連結するように最頂部から高さ方向に、所定の間隔を持って水平に設ける構成が、一般に適用されている(特許文献1参照)。
このような構成は、隣り合う2棟の構造物間において、相対変形を低減させることが可能になるとともに、何れか一方の構造物における応答変形を低減させることが可能となる等の効果を期待することができるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平07−252967号公報(第1図参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述する構成では、例えば、図4(a)に示すような隣り合う2棟がほぼ同様な大きさの構造物4a、4bの場合には、2棟間の相対変形L3は低減されるものの、両棟の絶対変形L4を低減する効果を得ることはできない。
また、図4(b)に示すような、一方の構造物4bが低層でかつ相対的にみて質量の過大な低層棟である場合には、低層な構造物4bの応答に高層な構造物4aの応答が支配され、高層な構造物4aにおけるダンパー5の配置位置に節が生じ、逆に応答変形が増大するような現象が起こりうる。また、低層な構造物4bは高層な構造物4aからの水平力を、ダンパー5の降伏荷重に相当する力を負担することとなる。
さらに、図4(c)に示すような、一方が構造物4bが低層でかつ相対的にみて質量の軽微な低層棟である場合には、低層な構造物4bの応答変形の低減効果は発揮されるものの、高層な構造物4aの下部は低層な構造物4bからの水平力をダンパー5の降伏荷重分に相当する力を負担することとなる。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、隣り合う2棟の構造物の構造や形状に左右されることなく、両構造物の応答変形を効果的に低減させることのできる構造物の制震構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の構造物の制震構造は、隣接して構築される2棟の構造物の、振動を抑制する構造物の制震構造であって、少なくとも何れか一方の構造物の頂部近傍の側面と、他方の構造物の向かい合う側面とを、水平に連結するように制震構造体が配されており、該制震構造体が、鉛直方向に所定の間隔を持って平行でかつブレース状に配される、振動エネルギーを吸収する複数の制震装置により構成されることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の構造物の制震構造は、前記制震構造体が、ブレース状で交差する2方向に配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成されることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の構造物の制震構造は、前記制震構造体が、ブレース状で鉛直方向のシンメトリーに配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成されることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の構造物の制震構造は、隣り合う2棟の構造物について、何れか一方の構造物の頂部近傍の側面と、これと向かい合う他方の構造物の側面とを、ブレース状に配された複数の制震装置を備える制震構造体を用いて連結することにより、両棟の応答変形を効果的に低減させるものである。
【0010】
図1(a)に示すように、所定の離間間隔を持って隣接して構築されている構造物1a、1bは、両者がほぼ同様の高さでかつほぼ同様の質量を有しており、制震構造体2により連結されている。このような2棟の構造物1a、1bの頂部近傍を水平に連結する制震構造体2は、ブレース状に配された複数の制震装置3により構成されている。
制震装置3は、構造物1a、1bに制震性能を付与する場合等に一般に用いられているもので、地震や強風等の外力により、構造物1a、1bに与えられる振動エネルギーを吸収し、構造物1a、1bの変形を抑制する機能を有するものである。このような制震装置3は、鋼材ダンパー、粘性ダンパー、粘弾性ダンパー等様々な種類を有しているが、本発明に、適用する制震装置3は、いずれにもこだわるものではなく、配置される環境や施工性・作業性等、状況に応じて最適なものを選択すればよい。
【0011】
これら制震装置3を用いた制震構造体2は、ブレース状でかつ2方向に配して交差させた平面視X字状の2体の制震装置3の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置した構成を有している。なお、本実施の形態では、制震構造体2に平面視X字状に配された2体の制震装置3の組み合わせを3組連続させた構成を有しているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、その数量は、2棟の構造物1a、1bの相対変形量や、制震装置3自身の性能を考慮し、適宜設計するものである。
【0012】
上述するような隣り合う両構造物1a、1bの制震構造によれば、平面視X字状に配された2体の制震装置3による組み合わせを鉛直方向に複数連続することにより構成された制震構造体2を用いて、ほぼ同様の大きさを有する2棟の構造物1a、1bの頂部近傍どうしを、水平に連結することにより、両構造物1a、1b間の相対変形L1を低減させることができるだけでなく、図2に示すように、構造物1aから構造物1b移行する水平力を伝達された制震構造体2を構成する制震装置3は、その材軸方向の力を構造物1a、1bに対して水平方向成分と軸方向成分に分散させるため、他方の構造物1bに伝達される水平力が緩和されて、他方の構造物1bへの水平力の集中を回避させることが可能となる。また、これによりブレース状に配された制震装置3から構造物1a、1bの両者に軸方向成分の力をが生じせしめるため、図1(a)に示すように隣接する2棟の構造物1a、1bの曲げ変形L2、L2’を抑制することが可能となる。
【0013】
このような、平面視X字状に配された2体の制震装置3による組み合わせを、鉛直方向に複数連続した構成の制震構造体2は、隣接する2棟の構造物1a、1bが同様の大きさを有する場合に限るものではなく、図1(b)に示すような一方が高層の構造物1aであり、他方が低層でかつ相対的に見て質量が過剰な構造物1b、また、図1(c)に示すような一方が高層の構造物1aであり、他方が低層でかつ相対的に見て質量が軽微な構造物1bに対しても適用することが可能である。このように、隣り合う2棟の構造物1a、1bの高さが異なる場合には、低層の構造物1bの頂部近傍の側面と、これに向かい合う構造物1aの側面とを水平に連結するように、制震構造体2を配置する。
隣り合う2棟の構造物1a、1bが、図1(b)(c)のような場合には何れにおいても、隣り合う両構造物1a、1b間の相対変形L1の低減効果を損なうことなく、図1(b)においては相対的にみて質量の高い構造物1b、図1(c)においては相対的にみて剛性の高い構造物1aに移行しようとする水平力を、制震構造体2を構成するブレース状に配された制震装置3が、水平方向と軸方向の2成分に分割して緩和することが可能となる。また、これらにおいても同様に、制震構造体2により、構造物に軸方向成分の力を生じせしめるため、隣り合う両構造物1a、1bの両者の曲げ変形L2、L2’を抑制することができるものである。
【0014】
ところで、前記制震構造体2は、上述する平面視X状に配された2体の制震装置3による組み合わせを鉛直方向に複数連続した構成に、必ずしもこだわるものではない。制震構造体2の他の事例を以下に示す。
第1の事例としての制震構造体2は、図3(a)に示すように、ブレース状に配される制震装置3を鉛直方向でシンメトリーになるように配置した、平面視くの字状に配された2体の制震装置3による組み合わせを、鉛直方向に複数連続させる構成としている。また、第2の事例としての制震構造体2は、図3(b)に示すように、ブレース状に配される制震装置3を所定の間隔を持って平行となるように、鉛直方向に複数連続させる構成としている。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の構造物の制震構造によれば、隣接して構築される2棟の構造物の、振動を抑制する構造物の制震構造であって、少なくとも何れか一方の構造物の頂部近傍の側面と、他方の構造物の向かい合う側面とを、水平に連結するように制震構造体が配されており、該制震構造体が、鉛直方向に所定の間隔を持って平行でかつブレース状に配される、振動エネルギーを吸収する複数の制震装置により構成される。または、前記制震構造体が、ブレース状で交差する2方向に配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成される。もしくは、前記制震構造体が、ブレース状で鉛直方向のシンメトリーに配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成される。
これにより、隣り合う2棟の構造物は、その形状に左右されることなく両者間の相対変形を低減させることができるだけでなく、制震構造体を構成するブレース状に配された制震装置が、一方の構造物より伝達された水平力を、水平方向と軸方向に分散させるため、他方の構造物に伝達される水平力が緩和されることから、他方の構造物への水平力の集中を回避させることが可能となる。また、これに伴い、構造物に軸方向の力が生じるため、隣り合う2棟の構造物各々の曲げ変形を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造物の制震構造を示す図である。
【図2】本発明に係る制震構造体の作用を示す図である。
【図3】本発明に係る制震構造体の他の事例を示す図である。
【図4】従来の構造物の制震構造を示す図である。
【符号の説明】
1a 構造物
1b 構造物
2 制震構造体
3 制震装置
4a 構造物
4b 構造物
5 ダンパー
Claims (3)
- 隣接して構築される2棟の構造物の、振動を抑制する構造物の制震構造であって、
少なくとも何れか一方の構造物の頂部近傍の側面と、他方の構造物の向かい合う側面とを、水平に連結するように制震構造体が配されており、
該制震構造体が、鉛直方向に所定の間隔を持って平行でかつブレース状に配される、振動エネルギーを吸収する複数の制震装置により構成されることを特徴とする構造物の制震構造。 - 請求項1に記載の構造物の制震構造において、
前記制震構造体が、ブレース状で交差する2方向に配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成されることを特徴とする構造物の制震構造。 - 請求項1に記載の構造物の制震構造において、
前記制震構造体が、ブレース状で鉛直方向のシンメトリーに配した2体の前記制震装置の組み合わせを、鉛直方向に複数連続して配置して構成されることを特徴とする構造物の制震構造。
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JP2003076320A JP2004285599A (ja) | 2003-03-19 | 2003-03-19 | 構造物の制震構造 |
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Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006161341A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Kazuto Sedo | 構造物の制振構造 |
JP2007046722A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Ohbayashi Corp | 制振装置、制振構造建物、免震装置及び連棟制振構造 |
JP2010255409A (ja) * | 2010-08-19 | 2010-11-11 | Kazuto Sedo | 構造物の制振構造 |
JP2011140751A (ja) * | 2010-01-05 | 2011-07-21 | Akira Wada | 建物 |
JP2011168990A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Kumagai Gumi Co Ltd | 建物 |
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-
2003
- 2003-03-19 JP JP2003076320A patent/JP2004285599A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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