JP7293557B2 - 建物 - Google Patents

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本発明は、建物に関する。
建物階の梁を無くす、又は梁の梁成を小さくする等の方法によって建物階の天井高を高くすることで、快適な居住空間を実現した高層集合住宅等の建物がある。例えば特許文献1には、特定階の住宅ゾーンに梁を設け、基準階の住宅ゾーンに梁を設けない高層集合住宅が開示されている。
特開平10-306604号公報
特許文献1に開示されている高層集合住宅では、基準階の住宅ゾーンの梁を無くすことにより、基準階の天井高を高くすることができる。しかし、高層集合住宅において一部の階(特定階)にしか梁が設けられていないため、建物に作用する水平力を梁によって十分に伝達することは難しい。このため、建物階の梁を無くす、又は梁の梁成を小さくする観点において、改善の余地があった。
本発明は上記事実に鑑み、梁の水平力の伝達機能を確保することで、建物階の天井高を部分的に高くすることができる建物を提供することを目的とする。
請求項1に記載の建物は、コア部が設けられた構造体と、前記構造体の外周部に設けられた複数の外周柱と、前記構造体に設けられ、平面一方向へ延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第1梁を備える第1の階と、前記構造体に設けられるとともに、前記第1の階と交互に配置され、前記コア部から前記平面一方向へ延びる梁を備えていない、又は前記第1梁より梁成が小さく、前記平面一方向へ延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第2梁を備える第2の階と、を有する。
上記構成によれば、平面一方向へ延びてコア部と外周柱とを連結する第1梁を備える第1の階が、建物の構造体に設けられている。また、第1の階は、構造体の上下方向に対して第2の階と交互に配置されている。このため、建物の構造体の平面一方向に作用する水平力を、複数の第1の階にそれぞれ設けられた複数の第1梁によって外周柱からコア部へ伝達することができる。
すなわち、建物の構造体において、第2の階と交互に配置された第1の階の第1梁によって、平面一方向に作用する水平力の伝達機能を確保することができる。このため、第1の階と交互に配置された第2の階では、コア部から平面一方向へ延びる梁を無くす、又は平面一方向へ延びてコア部と外周柱とを連結する第2梁の梁成を第1梁より小さくすることが可能となる。これにより、建物階の天井高を部分的に高くすることができる。
請求項2に記載の建物は、請求項1に記載の建物であって、前記第2の階は、前記平面一方向と直交する平面他方向に延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第3梁を備えており、前記第1の階は、前記コア部から前記平面他方向に延びる梁を備えていない、又は前記第3梁より梁成が小さく、前記平面他方向に延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第4梁を備えている。
上記構成によれば、平面他方向に延びてコア部と外周柱とを連結する第3梁を備える第2の階が、建物の構造体に設けられている。また、第2の階は、構造体の上下方向に対して第1の階と交互に配置されている。このため、建物の構造体の平面他方向に作用する水平力を、複数の第2の階にそれぞれ設けられた複数の第3梁によって外周柱からコア部へ伝達することができる。
すなわち、建物の構造体において、第1の階と交互に配置された第2の階の第3梁によって、平面他方向に作用する水平力の伝達機能を確保することができる。このため、第2の階と交互に配置された第1の階では、コア部から平面他方向へ延びる梁を無くす、又は平面他方向へ延びてコア部と外周柱とを連結する第4梁の梁成を第3梁より小さくすることが可能となる。これにより、建物階の天井高を部分的に高くすることができる。
さらに、平面一方向において、第1の階の第1梁の梁成が第2の階の第2梁の梁成より大きくされ、平面他方向において、第2の階の第3梁の梁成が第1の階の第4梁の梁成より大きくされている。又は、平面一方向において、第1の階のみに第1梁が設けられ、平面他方向において、第2の階のみに第3梁が設けられている。このように、平面一方向及び平面他方向において、梁成の大きい梁を上下方向に互い違いに配置する、又は梁を上下方向に互い違いに配置することで、構造体の偏心を抑制することができる。
請求項3に記載の建物は、請求項1又は2に記載の建物であって、前記構造体の前記コア部には、ダンパーが設けられている。
上記構成によれば、コア部にダンパーが設けられているため、構造体の風揺れ等の揺れを低減することができる。
本発明に係る建物によれば、梁の水平力の伝達機能を確保することで、建物階の天井高を部分的に高くすることができる。
実施形態の一例に係る建物を示す立断面図である。 実施形態の一例に係る建物の第1の階を示す平面図である。 実施形態の一例に係る建物の第2の階を示す平面図である。 実施形態の一例に係る建物の免震層を示す平面図である。 実施形態の一例に係る建物の下層階の外観を示す部分斜視図である。
以下、本発明の実施形態の一例に係る建物について、図1~図5を用いて説明する。なお、図中において矢印Xは平面一方向、矢印Yは平面一方向に直交する平面他方向、矢印Zは鉛直方向を指す。
(建物の全体構成)
図1に示すように、本実施形態の建物10は、下部構造体14と、下部構造体14上に設けられた基礎免震層16と、基礎免震層16上に設けられた構造体としての上部構造体12と、を有している。
(上部構造体)
建物10の上部構造体12は、複数階(例えば47階)からなる超高層構造体であり、コア部18と複数の外周柱20とを有しているとともに、図2に示すように、平面視で矩形状(本実施形態では正方形状)とされている。
また、図1に示すように、上部構造体12の少なくとも上層階(本実施形態では9階以上)には、上部構造体12の上下方向に対して交互に配置された複数の第1の階22と複数の第2の階24とが設けられている。
コア部18は、せん断剛性を有しており、上部構造体12の複数階にわたって上下方向に延びている。また、図2に示すように、コア部18は、平面視で矩形状(本実施形態では正方形状)とされており、上部構造体12の略中央部に配置されている。なお、コア部18は、内部に中空部26を有しており、この中空部26には、例えば図示しないエレベータシャフトや階段、設備シャフト等が設けられている。
コア部18は、複数の柱28と、複数の梁30と、を有している。複数の柱28は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、コア部18の外周部に沿って互いに所定の間隔をあけて環状に配列されているとともに、コア部18の全長にわたって上下方向に延びている。また、柱28は、後述する免震装置54(図1参照)上にそれぞれ立設されており、免震装置54を介して後述する杭50(図1参照)に支持されている。
複数の梁30は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、コア部18の各階の外周部に沿って環状に配列されている。また、各梁30は、隣合う柱28間に架設されており、柱28とともにコア部18の各階の架構を構成している。
また、図1に示すように、上部構造体12の下層階(本実施形態では2階から7階)において、柱28と梁30とで構成された架構の構面内には、耐震壁32がそれぞれ設けられている。本実施形態では、耐震壁32は、例えば波形の鋼板からなる波形鋼板耐震壁であり、柱28との間に隙間をあけて上下の梁30に接合されている。
一方、上部構造体12の下層階より上層の階(本実施形態では8階から37階)において、柱28と梁30とで構成された架構の構面内には、ダンパーとしての制振ダンパー34が設けられている。制振ダンパー34は、例えば図示しない2枚の鋼板と、鋼板間に設けられた図示しない粘弾性ゴムと、によって構成されており、柱28との間に隙間をあけて上下の梁30に接合されている。地震時には、制振ダンパー34の粘弾性ゴムが変形することにより、コア部18の振動エネルギーが熱エネルギーに変換され、上部構造体12の風揺れ等の揺れが低減される。
複数の外周柱20は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、上部構造体12の最下層階から最上層階にわたって延びている。また、図2に示すように、複数の外周柱20は、上部構造体12の外周部に沿って互いに所定の間隔をあけて配列されており、コア部18を囲んでいる。
ここで、上部構造体12の上層階(本実施形態では3階以上)の外周部において、外周柱20は、上部構造体12の角部12A(四隅)には設けられておらず、角部12Aからずれた位置に配置されている。具体的には、図5に示すように、一対の外周柱20Aが、上部構造体12の角部12Aを挟むように角部12Aの両側にそれぞれ配置されている。
また、この一対の外周柱20Aは、上部構造体12の最下層階(例えば1階及び2階)において、下方に向かうにつれて互いに近づく方向に斜め(V字状)に延び、上部構造体12の角部12Aで1本に集約されている。この1本に集約された一対の外周柱20A、及び一対の外周柱20A以外の外周柱20は、後述する免震装置54上にそれぞれ立設されており、免震装置54を介して後述する杭50に支持されている。
また、図2に示すように、上部構造体12の各階の外周部において、隣合う外周柱20間には外周梁36が架設されている。外周梁36は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、外周柱20とともに上部構造体12の各階の外周架構を構成している。
(第1の階)
第1の階22は、例えば上部構造体12の上層階における奇数階に設けられている。図2に示すように、第1の階22は、平面一方向(矢印X方向)に延びる第1梁としての複数の第1X方向梁38と、平面一方向に直交する平面他方向(矢印Y方向)に延びる第4梁としての複数の第1Y方向梁40と、を備えている。
複数の第1X方向梁38は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、一端がコア部18の角部(四隅)に配置された柱28にそれぞれ接合され、他端が角部の柱28に対して平面一方向に隣合う外周柱20にそれぞれ接合されている。すなわち、本実施形態では、4本の第1X方向梁38によって、コア部18と一部の外周柱20とが連結されている。
同様に、複数の第1Y方向梁40は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、一端がコア部18の角部(四隅)に配置された柱28にそれぞれ接合され、他端が角部の柱28に対して平面他方向に隣合う外周柱20にそれぞれ接合されている。すなわち、本実施形態では、4本の第1Y方向梁40によって、コア部18と一部の外周柱20とが連結されている。
第1の階22において、第1X方向梁38、第1Y方向梁40、及び梁30は、平面視で井桁状に配置されている。また、第1の階22の第1X方向梁38、第1Y方向梁40、梁30、及び外周梁36の上部には、図1に示すように、上階(第2の階24)の床を構成するコンクリートスラブ42が構築されている。
(第2の階)
第2の階24は、例えば上部構造体12の上層階における遇数階に設けられている。図3に示すように、第2の階24は、平面一方向(矢印X方向)に延びる第2梁としての複数の第2X方向梁44と、平面一方向に直交する平面他方向(矢印Y方向)に延びる第3梁としての複数の第2Y方向梁46と、を備えている。
複数の第2X方向梁44は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、一端がコア部18の角部(四隅)に配置された柱28にそれぞれ接合され、他端が角部の柱28に対して平面一方向に隣合う外周柱20にそれぞれ接合されている。すなわち、本実施形態では、4本の第2X方向梁44によって、コア部18と一部の外周柱20とが連結されている。
同様に、複数の第2Y方向梁46は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、一端がコア部18の角部(四隅)に配置された柱28にそれぞれ接合され、他端が角部の柱28に対して平面他方向に隣合う外周柱20にそれぞれ接合されている。すなわち、本実施形態では、4本の第2Y方向梁46によって、コア部18と一部の外周柱20とが連結されている。
第2の階24において、第2X方向梁44、第2Y方向梁46、及び梁30は、平面視で井桁状に配置されている。また、第2の階24の第2X方向梁44、第2Y方向梁46、梁30、及び外周梁36の上部には、図1に示すように、上階(第1の階22)の床を構成するコンクリートスラブ48が構築されている。
図3に示す第2の階24の第2X方向梁44は、図2に示す第1の階22の第1X方向梁38の直下及び直上、すなわち平面視で第1X方向梁38と重なる位置に配置されている。また、第2X方向梁44の梁成は、第1X方向梁38の梁成より小さくされている。
同様に、図3に示す第2の階24の第2Y方向梁46は、図2に示す第1の階22の第1Y方向梁40の直下及び直上、すなわち平面視で第1Y方向梁40と重なる位置に配置されている。また、第2Y方向梁46の梁成は、第1Y方向梁40の梁成より大きくされている。
本実施形態では、第1の階22の第1Y方向梁40の梁成と第2の階24の第2X方向梁44の梁成とが同程度とされ、第1の階22の第1X方向梁38の梁成と第2の階24の第2Y方向梁46の梁成とが同程度とされている。
具体的には、一例として、第1X方向梁38及び第2Y方向梁46の梁成は800mm程度とされ、第1Y方向梁40及び第2X方向梁44の梁成は、第1X方向梁38及び第2Y方向梁46の梁成の半分以下である300mm程度とされている。なお、図2、図3では、梁成の小さい第1Y方向梁40及び第2X方向梁44を水玉模様で示す。
すなわち、本実施形態では、平面一方向及び平面他方向において、梁成の大きい第1X方向梁38と第2Y方向梁46とが、上部構造体12の上下方向に互い違いに配置されている。換言すれば、平面一方向及び平面他方向において、梁成の小さい第1Y方向梁40と第2X方向梁44とが、上部構造体12の上下方向に互い違いに配置されている。
(下部構造体)
図1に示すように、下部構造体14は、建物10の基礎を構成しており、複数の杭50と、複数の杭50を連結する基礎梁52と、を有している。複数の杭50は、例えば鉄筋コンクリート造の拡底杭であり、地盤G中に打設されて支持層まで延びている。なお、地盤Gは、例えば図示しない格子状地盤改良体等によって必要に応じて地盤改良されている。
また、複数の杭50は、上部構造体12の外周柱20及び柱28の下方に適宜配置されている。一方、基礎梁52は、例えば鉄筋コンクリート造とされており、隣合う杭50の杭頭部間に架設されている。
(基礎免震層)
地盤G中における下部構造体14の基礎梁52上には、上部構造体12を支持する基礎免震層16が設けられている。図4に示すように、基礎免震層16には、免震装置54の一例としての複数(本実施形態では20基)の積層ゴム支承56と、複数(本実施形態では4基)の弾性滑り支承58と、が設置されている。なお、各免震装置54の種類や数、組合わせ等は実施形態に限らない。
積層ゴム支承56は、例えば図示しない複数の硬板と図示しない複数のゴム板とが交互に積層された積層ゴムによって構成されている。また、積層ゴム支承56は、上部構造体12の外周柱20(図2参照)の下方及び一部の柱28(図2参照)の下方にそれぞれ設置され、基礎梁52(図1参照)を介して杭50(図1参照)にそれぞれ支持されている。
弾性滑り支承58は、例えば図示しない滑り板と、滑り板の上を滑る図示しない滑り材と、によって構成されている。また、弾性滑り支承58は、積層ゴム支承56が設置されている柱28(図2参照)以外の柱28の下方にそれぞれ設置され、基礎梁52(図1参照)を介して杭50(図1参照)にそれぞれ支持されている。
すなわち、図1に示すように、上部構造体12の外周柱20及び柱28は、免震装置54(図5に示す積層ゴム支承56及び弾性滑り支承58)を介して杭50に支持されている。また、上部構造体12は、基礎免震層16の免震装置54によって水平変位可能に支持されており、これにより、上部構造体12が免震支持されている。
また、図4に示すように、基礎免震層16には、平面一方向に延びる複数(本実施形態では8基)の免震ダンパー60Aと、平面他方向に延びる複数(本実施形態では8基)の免震ダンパー60Bと、が設置されている。
免震ダンパー60A、60Bは、例えば増幅機構付き減衰装置(減衰こま)等の粘性ダンパーによって構成されており、地震時には、振動エネルギーを吸収して上部構造体12の水平変位を低減する。
さらに、基礎免震層16の外周部には、例えば高減衰ゴム材によって構成された複数(本実施形態では8台)の衝突緩衝材62が設置されている。想定外の規模の地震時には、衝突緩衝材62によって基礎免震層16が過大変形することを抑制する。
(作用効果)
本実施形態の建物10によれば、上部構造体12において、第1の階22が、平面一方向へ延びてコア部18と外周柱20とを連結する第1X方向梁38を備えている。このため、図2に矢印Pで示すように、例えば地震時に上部構造体12に平面一方向に水平力が加わった場合には、主に第1の階22に設けられた第1X方向梁38を介して水平力を外周柱20からコア部18、及びコア部18から外周柱20へ伝達することができる。
ここで、本実施形態では、第1X方向梁38を備えた第1の階22が、第2の階24と交互に配置されている。すなわち、上部構造体12の上下方向において、複数の第1の階22が1階おきに設けられている。このため、複数の第1の階22にそれぞれ設けられた複数の第1X方向梁38によって、上部構造体12の平面一方向に作用する水平力の伝達機能を確保することができる。
これにより、第1の階22と交互に配置された第2の階24では、図3に矢印Qで示すように、主に外周梁36及び梁30を介して平面一方向の水平力を伝達することが可能となり、第2X方向梁44の梁成を第1X方向梁38の梁成より小さくすることができる。この結果、第2の階24において床面から第2X方向梁44の下面までの高さが高くなり、第2の階24の天井高を部分的に高くすることができる。
また、本実施形態によれば、上部構造体12において、第2の階24が、平面他方向へ延びてコア部18と外周柱20とを連結する第2Y方向梁46を備えている。このため、図3に矢印Rで示すように、例えば地震時に上部構造体12に平面他方向に水平力が加わった場合には、主に第2の階24に設けられた第2Y方向梁46を介して水平力を外周柱20からコア部18、及びコア部18から外周柱20へ伝達することができる。
ここで、本実施形態では、第2Y方向梁46を備えた第2の階24が、第1の階22と交互に配置されている。すなわち、上部構造体12の上下方向において、複数の第2の階24が1階おきに設けられている。このため、複数の第2の階24にそれぞれ設けられた複数の第2Y方向梁46によって、上部構造体12の平面他方向に作用する水平力の伝達機能を確保することができる。
これにより、第2の階24と交互に配置された第1の階22では、図2に矢印Sで示すように、主に外周梁36及び梁30を介して平面他方向の水平力を伝達することが可能となり、第1Y方向梁40の梁成を第2Y方向梁46の梁成より小さくすることができる。この結果、第1の階22において床面から第1Y方向梁40の下面までの高さが高くなり、第1の階22の天井高を部分的に高くすることができる。
また、平面一方向において、第1の階22の第1X方向梁38の梁成が第2の階24の第2X方向梁44の梁成より大きくされ、平面他方向において、第2の階24の第2Y方向梁46の梁成が第1の階22の第1Y方向梁40の梁成より大きくされている。
このように、平面一方向及び平面他方向において、梁成の大きい第1X方向梁38と第2Y方向梁46とを上下方向に互い違いに配置することで、梁成の大きい梁が上下方向に互い違いに配置されていない構成と比較して、上部構造体12の偏心を抑制することができる。この結果、地震時における上部構造体12のねじれ量を低減することができ、建物10の耐震性能を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、上部構造体12が基礎免震層16に免震支持されており、地震時等に上部構造体12に作用する水平力を低減することができる。このため、第1の階22及び第2の階24において、第1Y方向梁40及び第2X方向梁44の梁成を小さくすることが容易となる。
また、一般的な免震建物では、例えば基礎免震層の免震装置に、変形を抑制するロック機構を設けることで、基礎免震層に支持された上部構造体に作用する小さな外力によって生じる上部構造体の風揺れ等の揺れを低減することができる。しかし、本実施形態では、上層階のコア部18に制振ダンパー34が設けられているため、免震装置54にロック機構を設けなくても上部構造体12の風揺れ等の揺れを低減することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、上部構造体12の角部12Aに外周柱20が設けられておらず、角部12Aを挟んで一対の外周柱20Aが配置されている。このため、上部構造体12の角部12Aにおいて、居住空間からの眺望や採光が外周柱20(外周柱20A)によって遮られることを低減することができる。
また、一対の外周柱20Aは、1本に集約されて1基の免震装置54に支持されている。このため、一対の外周柱20Aの下部に免震装置54をそれぞれ設置する構成と比較して、免震装置54(及び杭50)の設置数を減らすことができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の建物について実施形態の一例を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
例えば上記実施形態では、第2Y方向梁46より梁成が小さい第1Y方向梁40が第1の階22に設けられ、第1X方向梁38より梁成が小さい第2X方向梁44が第2の階24に設けられていた。しかし、第1X方向梁38及び第2Y方向梁46によって上部構造体12に作用する水平力を十分に伝達することができる場合には、第1の階22及び第2の階24に第1Y方向梁40及び第2X方向梁44を設けなくてもよい。この場合、第1の階22及び第2の階24の天井高を部分的により高くすることができる。
また、上記実施形態では、平面一方向及び平面他方向において、梁成の大きい第1X方向梁38と第2Y方向梁46とが上下方向に互い違いに配置されていた。しかし、第1の階22の第1X方向梁38及び第1Y方向梁40の双方の梁成を、第2の階24の第2X方向梁44及び第2Y方向梁46の梁成より大きくする構成としてもよい。この場合、第1の階22の第1X方向梁38及び第1Y方向梁40によって平面一方向及び平面他方向の水平力を伝達することができるため、第2の階24全体の天井高を高くすることができる。
また、上記実施形態では、コア部18の角部に配置された4本の柱28と外周柱20とを、第1X方向梁38、第1Y方向梁40、第2X方向梁44、又は第2Y方向梁46によって連結する構成とされていた。しかし、コア部18の角部以外に配置された柱28と外周柱20とを、第1X方向梁38、第1Y方向梁40、第2X方向梁44、又は第2Y方向梁46によって連結する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、上部構造体12が基礎免震層16に免震支持されていたが、上部構造体12は必ずしも免震支持されている必要はなく、建物10が基礎免震層16を有していなくてもよい。さらに、上記実施形態では、上部構造体12を支持する免震層が、地盤G中に設けられた基礎免震層16とされていたが、地盤G上に位置する建物10の中間階に設けられた中間免震層とされていてもよい。
また、上部構造体12及びコア部18の平面形状が矩形状(正方形状)とされていたが、平面形状は矩形状には限らず、三角形状や六角形状とされていても構わない。
10 建物
12 上部構造体(構造体の一例)
18 コア部
20 外周柱
22 第1の階
24 第2の階
34 制振ダンパー(ダンパーの一例)
38 第1X方向梁(第1梁の一例)
40 第1Y方向梁(第4梁の一例)
44 第2X方向梁(第2梁の一例)
46 第2Y方向梁(第3梁の一例)

Claims (3)

  1. コア部が設けられた構造体と、
    前記構造体の外周部に設けられた複数の外周柱と、
    前記構造体に設けられ、平面一方向へ延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第1梁を備える第1の階と、
    前記構造体に設けられるとともに、前記第1の階と交互に配置され、前記コア部から前記平面一方向へ延びる梁を備えていない、又は前記第1梁より梁成が小さく、前記平面一方向へ延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第2梁を備える第2の階と、
    を有する建物。
  2. 前記第2の階は、前記平面一方向と直交する平面他方向に延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第3梁を備えており、
    前記第1の階は、前記コア部から前記平面他方向に延びる梁を備えていない、又は前記第3梁より梁成が小さく、前記平面他方向に延びて前記コア部と前記外周柱とを連結する第4梁を備えている、
    請求項1に記載の建物。
  3. 前記構造体の前記コア部には、ダンパーが設けられている、請求項1又は2に記載の建物。
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