JP2000110399A - 戸建て住宅用建築物の耐震構造 - Google Patents

戸建て住宅用建築物の耐震構造

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JP2000110399A
JP2000110399A JP10285423A JP28542398A JP2000110399A JP 2000110399 A JP2000110399 A JP 2000110399A JP 10285423 A JP10285423 A JP 10285423A JP 28542398 A JP28542398 A JP 28542398A JP 2000110399 A JP2000110399 A JP 2000110399A
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detached house
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viscoelastic body
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Isanari Soda
五月也 曽田
Kazuaki Mitsunari
和昭 光成
Shinsuke Nanba
伸介 難波
Seishiro Fuchikawa
正四郎 渕川
Mutsumi Nakade
睦 中出
Noriyuki Wakai
敬之 若井
Hiroaki Ichinose
博明 一ノ瀬
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Nissan Construction Co Ltd
Toyo Tire Corp
Araigumi Co Ltd
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Nissan Construction Co Ltd
Araigumi Co Ltd
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  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置に余分な空間が要らず、施工が簡単かつ
低コストで戸建て住宅にとっての実用性を保ちつつ、地
震エネルギーを効果的に吸収し減少させて耐震性能の著
しい向上を達成できるようにする。 【解決手段】 戸建て住宅用木造建築物の骨組6を構成
する柱1梁2との接合部及び柱1と土台4の接合部の間
に亘って斜めに架設される筋かい7が、それの軸方向の
中央部分において該軸方向に沿う適当長さ範囲で互いに
平行状態で対向する木製帯板状剛性部材8A,8Bと、
これら木製剛性部材8A,8Bの軸方向中央部分の対向
面間に粘弾性体9を接着介在させて該筋かい7に一体に
組み込んでいる制振ダンパー10とから構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として木造建築
物の耐震性能の向上に適用される戸建て住宅用建築物の
耐震構造に関するもので、木造建築物以外にも鉄筋コン
クリート(RC)造りや鉄骨(S)造り、さらにはプレ
ハブ式建築物など各種構造形態の戸建て住宅用建築物の
耐震構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】主として集合住宅やオフィスビル等に供
される中低層や高層の鉄筋コンクリート造りの建築物を
対象として、それらの耐震性能を向上させる手段として
は、例えば積層ゴムあるいは積層ゴムとダンパーとを組
み合わせた大掛かりな免震装置や、受動型あるいは能動
型の制震装置を使用することが従来より提案されている
が、これら免震装置や制震装置は規模が非常に大きいた
めに大きな設置空間を必要とするだけでなく、製作、施
工両面でのコスト負担も非常に大きくて個人住宅規模の
戸建て住宅用建築物の耐震構造としては実用的なものと
言えない。
【0003】そこで、大規模な免震装置や制震装置を用
いないで、木造建築物が主流の戸建て住宅用建築物にお
ける耐震性能を向上させる手段として従来一般には、戸
建て住宅用建築物の骨組を構成する柱と梁あるいは梁同
士の接合部間に亘って筋かいや火打ち梁、外付けフレー
ムなどの補強用部材を斜めに架設して耐力を増強した
り、柱の剪断補強により靭性を向上させたりする手段が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
耐震手段は、補強用部材を架設するだけでよく、余分な
設置空間を必要としないとともに非常に施工性に優れ、
かつ、低コストであり、戸建て住宅用建築物の耐震構造
として実用的であるものの、耐力増強手段、靭性向上手
段のいずれの場合も接合部の補強に伴う建築物全体の強
度増大による耐震補強であって、地震時に骨組に入力す
るエネルギーを吸収し減少する減衰性能は持っていない
ため、設計強度を越えるような大地震の発生時には筋か
い等の補強用部材が最初に降伏し破断あるいは損傷して
しまい、このように補強用部材が一旦破断あるいは損傷
した後は該補強用部材の架設による建築物全体としての
本来の強度増大効果は望めない。したがって、設計強度
を越えるような大地震に対して十分な耐震性能を確保す
ることができないだけでなく、たとえ建築物全体が崩壊
しなかったとしても、破断あるいは損傷した補強用部材
を取換えない限り、建築物全体を元の強度に復元させる
ことができないという問題があった。
【0005】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、設置に余分な空間が要らず、施工が簡単で、
かつ低コストであるという戸建て住宅にとっての実用性
を保ちつつ、地震エネルギーを効果的に吸収し減少させ
て耐震性能の著しい向上を達成することができる戸建て
住宅用建築物の耐震構造を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る戸建て住宅用建築物の耐震構造は、戸
建て住宅用建築物の骨組を構成する柱と梁または梁同士
の接合部もしくはその接合部の近傍部間に亘って斜めに
架設される補強用部材の軸方向の一部または全部に、上
記軸方向に沿って互いに対向する剛性部材間に粘弾性体
を接着介在させてなる制振ダンパーを組み込んでいるこ
とを特徴とするものである。
【0007】上記構成の本発明によれば、骨組を構成す
る柱と梁または梁同士の接合部もしくはその接合部の近
傍部間に亘って斜めに架設される補強用部材に、図13
に示すような楕円ループの履歴特性と速度依存型の減衰
特性を持ち、微小な変形から大変形に至るまで有効にエ
ネルギー吸収が可能であり、たとえ一旦破断しても数時
間後には元の履歴特性に復元するという性質を有する粘
弾性体を用いた制振ダンパーを組み込んであるから、補
強用部材の架設によって接合部を補強するだけでなく、
地震時には粘弾性体のせん断変形により建築物に減衰性
を付与してその地震エネルギーを吸収させることが可能
であり、これによって、粘弾性体を用いた制振ダンパー
を組み込んだ補強用部材を架設するだけの簡単な施工で
ありながらも、戸建て住宅用建築物の骨組に入力する地
震エネルギーを減少させて建築物全体の耐震性能の向上
を図ることができる。
【0008】上記構成の戸建て住宅用建築物の耐震構造
における補強用部材としては、請求項2に記載のよう
に、筋かい、火打ち梁または外付けフレームのいずれを
使用してもよい。このうち、外付けフレームは既設の建
築物に対して大掛かりな改修工事をしなくても、外から
簡単に取り付けることが可能であるから、既設の建築物
を耐震改修するに際して、特に有効であり、経済的な耐
震改修を実施することができる。
【0009】また、上記構成の戸建て住宅用建築物の耐
震構造において、請求項3に記載のように、上記制振ダ
ンパーにおける粘弾性体として、予め軸方向に沿った変
形を付与した状態で互いに対向する剛性部材間に接着介
在させる構成を採用する場合は、地震時に粘弾性体に負
荷される圧縮力に対応する剛性および引張り力に対応す
る変形性能を、建築物が構築されている地盤条件に応じ
て任意に設定して使用することが可能となり、地盤条件
にかかわらず、上述したような優れた耐震性能を発揮さ
せることができる。
【0010】さらに、上記構成の戸建て住宅用建築物の
耐震構造において、請求項4に記載のように、建築物の
骨組を構成する柱と梁または梁同士に接合部にも粘弾性
体を挟み込ませることによって、地震による建築物の揺
れを粘弾性体の弾性により吸収させて、骨組構成部材の
破損や基礎への定着用アンカーボルトの引き抜きなどを
抑えることが可能となり、上述した骨組への入力地震エ
ネルギーの減少と相俟って、耐震性能の一層の向上を図
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1乃至図3は本発明に係る戸
建て住宅用建築物の耐震構造の第1の実施の形態で、こ
の第1の実施の形態では、戸建て住宅用建築物が木造建
築物であり、また、補強用部材が筋かいである場合を示
している。
【0012】図1及び図2に示すように、互いに間隔を
隔てて平行に位置する2本の柱1,1の上端部間に亘っ
て梁2を固定接合するとともに、下端部間に亘って基礎
3上に固定設置される土台4を固定接合し、かつ、梁2
及び土台4の長手方向に沿って一定間隔を隔てた箇所に
両者2,4に亘る複数本の間柱5を固定接合することに
より、戸建て住宅用木造建築物の骨組6が構成されてい
る。
【0013】上記骨組6を構成する一方の柱1の上端部
と上記梁2の接合部aと、他方の柱1の下端部と上記土
台4の接合部bとの間に亘って補強用部材としての筋か
い7が斜めに架設されている。この筋かい7は、一端が
上記各接合部a,bに固定され他端が斜め下方及び斜め
上方に延設されて軸方向の中央部分において該軸方向に
沿う適当長さ範囲で互いに平行状態で対向する木製帯板
状の剛性部材8A,8Bと、これら木製剛性部材8A,
8Bの軸方向中央部分の対向面間に粘弾性体9を接着介
在させて該筋かい7に一体に組み込んでいる制振ダンパ
ー10とから構成されている。上記制振ダンパー10に
おける粘弾性体9はアクリル系高分子材料やゴム系高分
子材料を原料とするもので、流体のような粘性とスプリ
ングのような弾性を併せ持った力学挙動を呈し、既述し
たような履歴特性と速度依存型の減衰特性を持つもので
ある。
【0014】上記骨組6を構成する複数本の間柱5のう
ち、上記筋かい7を構成する木製帯板状の剛性部材8
A,8Bが斜めに交差する箇所に設置されている間柱5
の側面には、図3(A)に示すような切込み部5aが形
成されており、これら切込み部5a内に上記各剛性部材
8A,8Bを収納させることにより、各剛性部材8A,
8Bが間柱5の側面からはみださないように工夫されて
いる。また、上記筋かい7の軸方向中央部に一体に組み
込まれている制振ダンパー10が交差する箇所に設置さ
れている中央の間柱5には、図3(B)に示すような切
断貫通部5bが形成されており、この切断貫通部5bに
上記制振ダンパー10を収納配置することにより、該制
振ダンパー10が間柱5の両側面からはみださないよう
に工夫されている。なお、上記切断貫通部5bに収納配
置されている制振ダンパー10の対向剛性部材8A,8
Bと上記中央の間柱5の上下分割柱部5A,5Bとは平
金物11,11を介して固定連結されている。
【0015】上記のように、粘弾性体9を用いた制振ダ
ンパー10が一体に組み込まれた筋かい7を戸建て住宅
用木造建築物の骨組6に架設することにより、この骨組
6の接合部を補強するだけでなく、地震時には粘弾性体
9のせん断変形により制振ダンパー10、ひいては、筋
かい7自体に変形を生じさせて木造建築物に減衰性を付
与し、その地震エネルギーを吸収させることが可能であ
り、これによって、戸建て住宅用木造建築物の骨組6に
入力する地震エネルギーを減少させて建築物全体の耐震
性能を向上させることができる。
【0016】図4乃至図6は本発明に係る戸建て住宅用
建築物の耐震構造の第2の実施の形態で、この第2の実
施の形態も上記第1の実施の形態と同様に、戸建て住宅
用建築物が木造建築物であり、また、補強用部材が筋か
いである場合を示している。この第2の実施の形態にお
いて、上記第1の実施の形態と相違する点は、筋かい7
の構成である。
【0017】すなわち、この筋かい7は、一端が上記各
接合部a,bに固定され他端が斜め下方及び斜め上方に
延設されて軸方向の中央部分において該軸方向に沿う適
当長さ範囲で互いに平行状態で対向する一対の剛性部材
として鋼製のフラットバー8A,8Bを用い、これら一
対のフラットバー8A,8Bの軸方向中央部分の対向面
間に粘弾性体9を接着介在させて制振ダンパー10を一
体に組み込んでなる。このような制振ダンパー10を組
み込んだ筋かい7は、その厚みが上記第1の実施の形態
で示した筋かいよりも薄い。したがって、該筋かい7の
軸方向中央部の制振ダンパー10が交差する箇所に設置
されている中央の間柱5に切断貫通部を形成する必要が
なく、図6に示すように、その側面部に切込み部5cを
形成し、この切込み部5cに上記制振ダンパー10を収
納配置することで該制振ダンパー10が間柱5の側面か
らはみだすことがなく、骨組6全体の強度の面で有利で
ある。その他の構成は第1の実施の形態と同様であるた
め、該当部分に同一の符号を付してそれらの説明を省略
してあり、また、地震エネルギーの吸収による建築物全
体の耐震性能も上記第1の実施の形態の場合とほぼ同様
であるため、説明を省略する。
【0018】なお、上記第2の実施の形態においては、
筋かい7を構成する一対の剛性部材として鋼製のフラッ
トバーを用いたが、チャンネル鋼やH型鋼などの型鋼を
使用してもよい。ただし、型鋼を使用する場合は、筋か
い7の厚みが大きくなるので、該筋かい7の軸方向中央
部の制振ダンパー10が交差する箇所に設置されている
中央の間柱5には上記第1の実施の形態と同様な切断貫
通部を形成し、その切断貫通部に制振ダンパー10を収
納配置することが必要となる。
【0019】図7は本発明に係る戸建て住宅用建築物の
耐震構造の第3の実施の形態で、この第3の実施の形態
も上記第1、第2の実施の形態と同様に、戸建て住宅用
建築物が木造建築物であり、この木造建築物の骨組6を
構成する梁2,2同士あるいは土台4,4同士の接合部
cの近傍部間に亘って斜めに架設する補強用部材として
火打ち梁12を適用したものであり、この火打ち梁12
は、図8に示すように、軸方向に沿って互いに平行状態
に対向する木材または硬質プラスチック製の一対の剛性
部材8A,8Bと、これら剛性部材8A,8Bの軸方向
中央部分の対向面間に粘弾性体9を接着介在させて該火
打ち梁12に一体に組み込まれた制振ダンパー10とか
ら構成されている。
【0020】図9は本発明に係る戸建て住宅用建築物の
耐震構造の第4の実施の形態で、この第4の実施の形態
も上記第1〜第3の実施の形態と同様に、戸建て住宅用
建築物が木造建築物であり、この木造建築物の骨組6を
構成する柱1と梁2及び柱1と土台4同士の接合部に取
り付けられる補強用部材として外付けフレーム14を適
用したものであり、この外付けフレーム14のうち柱1
と梁2及び柱1と土台4との間に斜めに架設される斜行
フレーム部14aが、図8に示したものと同様に、軸方
向に沿って互いに平行状態に対向する木材または硬質プ
ラスチック製の一対の剛性部材8A,8Bと、これら剛
性部材8A,8Bの軸方向中央部分の対向面間に粘弾性
体9を接着介在させて一体に組み込まれた制振ダンパー
10とから構成されている。
【0021】上記第3及び第4の実施の形態において
も、粘弾性体9を用いた制振ダンパー10が一体に組み
込まれた火打ち梁12または外付けフレーム14を戸建
て住宅用木造建築物の骨組6に架設することにより、こ
の骨組6の接合部を補強するだけでなく、地震時には粘
弾性体9のせん断変形により制振ダンパー10、ひいて
は、火打ち梁12または外付けフレーム14自体に変形
を生じさせて木造建築物に減衰性を付与し、その地震エ
ネルギーを吸収して建築物全体の耐震性能の向上を図る
ことが可能である。
【0022】図10(A)及び(B)は上記各実施の形
態で説明した制振ダンパー10の変形例で、図10
(A)は粘弾性体9に予め軸方向に沿った圧縮変形を付
与した状態で互いに対向する剛性部材8A,8B間に接
着介在させたものであり、図10(B)は粘弾性体9に
予め軸方向に沿った引張り変形を付与した状態で互いに
対向する剛性部材8A,8B間に接着介在させたもので
ある。
【0023】上記構成の制振ダンパー10を一体に組み
込んだ筋かい7、火打ち梁12または外付けフレーム1
4を使用する場合は、地震時に粘弾性体9に負荷される
圧縮力に対応する剛性または引張り力に対応する変形性
能を、建築物が構築されている地盤条件に応じて任意に
設定することが可能となり、地盤条件にかかわらず、上
述したような優れた耐震性能を発揮させることができ
る。
【0024】図11及び図12は本発明に係る戸建て住
宅用建築物の耐震構造の第5の実施の形態で、この第5
の実施の形態では、上記第1または第2の実施の形態と
同様に、戸建て住宅用木造建築物の骨組6中に補強用部
材として制振ダンパー10を一体に組み込んでなる筋か
い7を斜めに架設していることに加えて、土台4と基礎
3との間及び柱1と梁2や梁2,2同士、さらには土台
4,4同士の臍形式の接合部にそれぞれ粘弾性体9´を
挟み込ませたものであり、この場合は、制振ダンパー1
0の働きによる骨組6への入力地震エネルギーの減少以
外にも、地震による建築物の揺れを各接合部に挟み込ま
れた粘弾性体9´の弾性により吸収させて、骨組構成部
材1,2,4の破損や基礎3への定着用アンカーボルト
の引き抜きなどを抑えることが可能となり、木造建築物
全体の耐震性能の一層の向上を図ることができる。
【0025】なお、上記各実施の形態では、戸建て住宅
用建築物が木造である場合について説明したが、木造以
外に、鉄筋コンクリート(RC)造りや鉄骨(S)造
り、さらにはプレハブ式建築物など各種構造形態の戸建
て住宅用建築物に適用してもよく、いずれの場合も同様
な耐震性能が得られるものである。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、骨組を
構成する柱と梁または梁同士の接合部もしくはその接合
部の近傍部間に亘って斜めに架設される補強用部材に微
小な変形から大変形に至るまで安定して有効なエネルギ
ー吸収能力を持つという特異な性質を有する粘弾性体を
用いた制振ダンパーを一体に組み込むことによって、大
規模な免震装置や制震装置を用いる場合のような大きな
設置空間を要することなく、単に骨組に補強用部材を架
設するだけで、骨組の接合部を補強するとともに地震時
には粘弾性体のせん断変形により建築物に減衰性を付与
してその地震エネルギーを十分に吸収させることができ
る。したがって、施工が簡単で、かつ低コストであると
いう戸建て住宅にとっての実用性を保ちながらも、戸建
て住宅用建築物の骨組に入力する地震エネルギーを減少
させて建築物全体の耐震性能を著しく向上することがで
きるという効果を奏する。
【0027】また、請求項3に記載のような構成を採用
することにより、地震時に粘弾性体に負荷される圧縮力
に対応する剛性および引張り力に対応する変形性能を建
築物が構築されている地盤条件に応じて任意に設定して
使用することが可能となり、地盤条件にかかわらず、上
述した優れた耐震性能を発揮させることができる。
【0028】さらに、請求項4に記載のような構成を付
加する場合は、地震による建築物の揺れを吸収させて、
骨組構成部材の破損や基礎への定着用アンカーボルトの
引き抜きなどを抑えることが可能となり、上述した骨組
への入力地震エネルギーの減少と相俟って、耐震性能の
一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る戸建て住宅用建築物の耐震構造の
第1の実施の形態を示す要部の正面図である。
【図2】同上耐震構造の平面図である。
【図3】(A)及び(B)は図1のA−A及びB−B矢
視拡大図である。
【図4】本発明に係る戸建て住宅用建築物の耐震構造の
第2の実施の形態を示す要部の正面図である。
【図5】同上耐震構造の平面図である。
【図6】図4のC−C矢視拡大図である。
【図7】本発明に係る戸建て住宅用建築物の耐震構造の
第3の実施の形態を示す要部の拡大斜視図である。
【図8】図7の要部の拡大平面図である。
【図9】本発明に係る戸建て住宅用建築物の耐震構造の
第4の実施の形態を示す要部の正面図である。
【図10】(A)及び(B)は図7の変形例を示す要部
の拡大平面図である。
【図11】本発明に係る戸建て住宅用建築物の耐震構造
の第5の実施の形態を示す要部の正面図である。
【図12】同上耐震構造の要部の拡大分解斜視図であ
る。
【図13】粘弾性体の履歴特性を説明するグラフであ
る。
【符号の説明】
1 柱 2 梁 6 骨組 7 筋かい(補強用部材の一例) 8A,8B 剛性部材 9,9´ 粘弾性体 10 制振ダンパー 12 火打ち梁(補強用部材の他の例) 14 外付けフレーム(補強用部材の他の例)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光成 和昭 兵庫県西宮市池田町12番20号 株式会社新 井組内 (72)発明者 難波 伸介 兵庫県西宮市池田町12番20号 株式会社新 井組内 (72)発明者 渕川 正四郎 東京都港区南青山一丁目2番6号 日産建 設株式会社内 (72)発明者 中出 睦 東京都港区南青山一丁目2番6号 日産建 設株式会社内 (72)発明者 若井 敬之 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 一ノ瀬 博明 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AA33 AB01 AB05 AB08 AB11 AC14 AC15 AC23 AG03 AG04 AG21 AG56 BB09 BD03 CA81 EA25 3J048 AA06 BD01 EA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 戸建て住宅用建築物の骨組を構成する柱
    と梁または梁同士の接合部もしくはその接合部の近傍部
    間に亘って斜めに架設される補強用部材の軸方向の一部
    または全部に、上記軸方向に沿って互いに対向する剛性
    部材間に粘弾性体を接着介在させてなる制振ダンパーを
    組み込んでいることを特徴とする戸建て住宅用建築物の
    耐震構造。
  2. 【請求項2】 上記補強用部材が、筋かい、火打ち梁ま
    たは補強外付けフレームのいずれかである請求項1に記
    載の戸建て住宅用建築物の耐震構造。
  3. 【請求項3】 上記制振ダンパーにおける粘弾性体は、
    予め上記軸方向に沿った変形を付与した状態で互いに対
    向する剛性部材間に接着介在されている請求項1または
    2に記載の戸建て住宅用建築物の耐震構造。
  4. 【請求項4】 戸建て住宅用建築物の骨組を構成する柱
    と梁または梁同士の接合部には、粘弾性体が挟み込まれ
    ている請求項1ないし3のいずれかに記載の戸建て住宅
    用建築物の耐震構造。
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