JP4546617B2 - プレキャストコンクリート梁と柱のpc圧着接合構造 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、主としてアンボンドPC鋼材を利用してプレストレスを導入し、プレキャストコンクリート梁をプレキャストコンクリート柱へ圧着接合する構造(以下、PC圧着接合構造と略す場合がある。)の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
上述したPC圧着接合構造は、例えば特許第2718594号、特許第2729128号、特許第2909439号、特許第2909451号公報に記載されて公知に属する。
【0003】
PC圧着接合構造は、柱・梁接合部界面の浮き上がり(柱・梁接合界面の離間)を許容して水平剛性を小さくし、地震時の入力を小さくする、プレキャスト圧着による自己免震構造としても知られている。
【0004】
即ち、PC圧着接合構造の主要部を図18に示したように、プレキャストコンクリート柱1に対して、プレキャストコンクリート梁2はアンボンドPC鋼材3を利用してプレストレスを導入し圧着接合するが、同梁2の端部は、目地グラウト又は接着剤4を介して柱1の側面に圧着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記PC圧着接合構造が地震時の水平力を受けて変形し、柱・梁接合部界面が浮き上がると、図19に例示したように、梁端部の角部に局部的な圧縮部Pを生ずる。柱・梁接合部界面の変形角θが小さい範囲(0.5%〜1.0%程度の範囲)では、梁コンクリートの圧壊は発生しない。しかし、変形角θが大きくなると、梁端部のコンクリートは圧壊を開始する。圧壊の結果、梁端部のコンクリートに図21のような断面欠損Kをもたらし、同プレキャストコンクリート梁2の初期曲げ剛性や剪断耐力が低下する問題が発生する。アンボンドPC鋼材3の歪みは、アンボンド区間の全長に分散されるため、PC鋼材は容易に降伏しないが、梁端部コンクリートが大きな損傷を受けると、構造体としては無傷とは云えないものとなる。
【0006】
次に、プレキャストコンクリート梁2の横断面図を図20に例示したように、従来の設計で梁に配置される軸鉄筋5、スターラップ6、スパイラル筋7などはそれぞれ、圧縮部コンクリートの圧壊を防止する作用効果を有している。しかし、最も大きな圧縮力が作用する、スターラップ6より外側の被りコンクリートの部分は無補強であるため、この部分が容易に圧壊を起こし、部材曲げ耐力の低下を惹起する。
【0007】
よって本発明の目的は、プレストレスを導入した圧着接合部の圧縮部分のコンクリートの圧壊を防止し、極大地震の後でも無傷を保つプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造を提供することである。
【0008】
本発明の次の目的は、柱の側面に圧壊を防止する弾性体を設置し、又は梁の端部に圧壊を防止する緩衝材若しくは補強材を設置したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造は、
プレキャストコンクリート梁を、一段配置としたアンボンドPC鋼材を利用してプレストレスを導入しプレキャストコンクリート柱と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造であって、
プレキャストコンクリート柱の側面における、プレキャストコンクリート梁の浮き上がりによる梁端部の回転変形によって圧縮を受ける部位に、圧縮変形を吸収して当該プレキャストコンクリート梁の端部コンクリートの圧壊を防止する弾性体が設置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造における弾性体は、ゴムと高強度のガラス繊維などを積層して製造した物質など、プレキャストコンクリート梁のヤング係数よりも小さいヤング係数の高強度、高弾性物質であり、プレキャストコンクリート柱の該当部位に予め欠け込みを設けてはめ込み接着等するか、又はプレキャストコンクリート柱に直接打ち込み一体化する手段で設置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造は、
プレキャストコンクリート梁を、一段配置としたアンボンドPC鋼材を利用してプレストレスを導入しプレキャストコンクリート柱と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造であって、
プレキャストコンクリート梁の端部における、同梁の浮き上がりによる梁端部の回転変形によって圧縮を受ける部分に、圧縮変形を吸収して当該プレキャストコンクリート梁の端部コンクリートの圧壊を防止する緩衝材が設置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造における緩衝材の材質は、コンクリートよりも柔らかいものであり、梁端部に一体化して設置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項3に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造おける緩衝材はバネ材またはダンパー機能を有する材とされ、圧縮及び引張り時の大きな変形に追従可能な構造でプレキャストコンクリート梁の端部に設置され、且つ一端をプレキャストコンクリート梁へ、他端はプレキャストコンクリート柱へ緊結して圧縮力及び引張り力の双方を伝達可能に設置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造において、緩衝材は、低降伏点鋼、鉛など塑性化し易く大きな塑性変形を期待できる金属材料で中空構造に構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項3〜6のいずれか一に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造において、緩衝材は、地震後に損傷したものは取り替えが可能に設置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項8記載の発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造は、
プレキャストコンクリート梁を、一段配置としたアンボンドPC鋼材を利用してプレストレスを導入しプレキャストコンクリート柱と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造であって、
プレキャストコンクリート梁の端部における、同梁の浮き上がりによる梁端部の回転変形によって圧縮を受ける部分に、同梁の端部コンクリートを三次元方向に拘束して圧壊を防止する補強材が設置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造おいて、補強材は、鋼などの金属、又は炭素繊維、アラミド繊維などで補強された高強度プラスチックなど、プレキャストコンクリート梁の端部コンクリートの三次元拘束に実効ある材料で構成されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施形態】
図1と図2は、請求項1、2に記載した発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造の実施形態を示している。
【0021】
このPC圧着接合構造は、プレキャストコンクリート梁2を、一段配置としたアンボンドPC鋼材3を利用してプレストレスを導入し、プレキャストコンクリート柱1の側面と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造として実施される。図1及び図4は真っ直ぐなアンボンドPC鋼材3が1本設置された構成を示すが、この限りではない。
【0022】
本発明のPC圧着接合構造は、プレキャストコンクリート柱1の側面であって、プレキャストコンクリート梁2の浮き上がりによる回転変形(変形角θ)によって圧縮を受ける部位Pに、圧縮変形を吸収して梁2の端部コンクリートの圧壊を防止する弾性体10が設置されていることを特徴とする。弾性体10が図2のように圧縮変形することで、梁端部コンクリートの圧壊を防止することが可能となり、大地震後においてもコンクリートの破損(断面欠損)を生じないため、非常に安全で耐震性に優れたプレキャストコンクリートラーメン構造による建物を提供できる。
【0023】
前記弾性体10は、高強度であることを要し、例えばゴムと高強度のガラス繊維などを積層して製造した物質など、梁コンクリートのヤング係数よりも小さいヤング係数の高強度、高弾性物質が好適に使用される。さらに云うと、弾性体10は、そのヤング係数が梁コンクリートのヤング係数の数分の一から数十分の一程度であれば、所期の目的(圧縮変形を吸収し梁端部コンクリートの圧壊を防止すること)を達成できる。但し、具体的なヤング係数や弾性体10の厚さ寸法などは、設計上考えられる最大の変形角θを考慮して決定することになる。
【0024】
弾性体10は、プレキャストコンクリート柱1の側面の該当部分に一体的に設置することを要する。その手段としては、プレキャストコンクリート柱1の側面に予め用意した欠け込みの中へ接着剤で接着する方法、或いは弾性体10の裏面に図3Aのように食い込みを良くする凹凸11を設け、同プレキャストコンクリート柱1へ直接打ち込んで一体化する方法、又は図3Bに示したように弾性体10の外周に、アンカー12’をもつ鋼製その他の材質による補強枠12を取り付けてプレキャストコンクリート柱1へ直接打ち込んで一体化する方法などが実施される。補強枠12は、弾性体10が圧縮変形した際に埋込み部から離脱することを防ぐ働きをする。図3Cのように、弾性体10に直接アンカー13を設けて、プレキャストコンクリート柱1へ打ち込み一体化する方法も実施できる。
【0025】
次に、図4〜図6は、請求項3、8記載の発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造の実施形態を示している。
【0026】
即ち、プレキャストコンクリート梁2を、一段配置としたアンボンドPC鋼材3を利用してプレストレスを導入し、プレキャストコンクリート柱1の側面と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造であって、プレキャストコンクリート梁2の端部における、同梁2の浮き上がりによる梁端部の回転変形によって圧縮を受ける部分に、圧縮変形を吸収して当該プレキャストコンクリート梁2の端部コンクリートの圧壊を防止する緩衝材15、又は同梁端部のコンクリートを三次元方向に拘束して圧壊を防止する補強材16が設置されている。
【0027】
緩衝材15の場合は、図5A及び図6に例示したように、梁端部の圧縮を受ける部分に、梁の材軸方向にほぼ均等断面の厚みを有する形態として実施される。補強材16の場合は、図5Bに示したように、梁端部のコンクリートの外側を三次元方向に拘束し圧壊を防ぐ枠形態で実施される。コンクリートを三次元拘束することで、コンクリートの靭性を増大させる、いわゆるコンファインドコンクリートとすることができる。
【0028】
前記緩衝材15及び補強材16は、梁端部コンクリートに定着して一体化する処理が行われている。図7〜図10は、緩衝材15(及び補強材16についても同様)の種々な実施形態と一体化処理の異なる手段について例示している。
【0029】
先ず図7A、Bは、側面から見て三角形状の緩衝材15を、鉄筋やスタッドの如きアンカー17で梁端部コンクリートへ定着した例を示す。図8A、Bは、側面から見て四角形状の緩衝材15を、アンカー17で梁端部コンクリートへ定着した例を示している。
【0030】
図9は板バネ又はコイルバネその他のバネ材を緩衝材15として用い、その奥端をアンカー17で梁端部コンクリートへ定着し、他の部分は圧縮及び引張り時の変形に追従可能な構造で設置した例を示している(請求項5記載の発明)。
【0031】
以上に説明した各実施例の緩衝材15は、プレキャストコンクリート柱1とは緊結せず、柱1との間では引張り力を伝達しない構造である。
【0032】
次に図10に示す実施形態は、ダンパー型の緩衝材15の両端をそれぞれ、一端はプレキャストコンクリート柱1の側面と、他端はプレキャストコンクリート梁2の端部にアンカー17で定着したアンカープレート18、19と緊結して圧縮力及び引張り力の双方に働く構成とした実施例を例示している(請求項5記載の発明)。ここにダンパー型の緩衝材15とは、弾性体あるいは非弾性体でエネルギー吸収を期待できる、従来一般的に使用されている鉛、又は極低降伏点鋼などの金属棒を、図10のように少し湾曲させ緩みを持たせた形態のもの、或いは粘弾性体などを指す。
【0033】
次に、図11〜図13は、緩衝材15として中空構造物を使用した実施例を示している。
【0034】
図11A、Bは、図7、8に示したものと同様な形態であるが、中空構造の緩衝材15による実施例を示している。中空構造の緩衝材15の材質としては、極低降伏点鋼、鉛などが好適である。中空構造の緩衝材15は、圧縮時の塑性変形によって大きなエネルギー吸収を期待でき、地震時の揺れを低減する制震効果を奏する。
【0035】
但し、前記材質による中空構造の緩衝材15の場合は、一旦大きく圧縮変形すると、図12B、Cに例示したように、変形後には最大離間変形角θmaxを超える変形角の変形を生じないかぎり、圧縮力を伝達できない不具合がある。よって、取り替え可能に設置することが肝要である。
【0036】
次に、図13は前記中空構造の緩衝材15で引張り力も伝達する構造の実施例を示している。中空構造の緩衝材15に、塑性変形によってエネルギーを吸収するダンパー機能を持たせ、その自由端側をプレキャストコンクリート柱1の側面とアンカー17で緊結している。図13に示す中空構造の緩衝材15はまた、その中間部に大変形にも追随して変形できるように緩み15aをもつ形態とし、同中空構造の緩衝材15の両端を、柱1及び梁2へアンカー17で緊結した構成とされている。かくすれば、圧縮と引張りの双方に関してエネルギー吸収する制震構造を実現できる。中空構造の緩衝材15の実施形態は特に制限されない。
【0037】
次に、図14〜図17は、云うなれば、図4〜図6の実施形態を拡大解釈したに等しい実施形態を示している。
要するに、図4〜図6の実施形態は、緩衝材15又は補強材16を部分的に用いているが、図14〜図17の実施形態における緩衝材15及び補強材16は、梁端部の圧縮を受ける部分の全域に及ぶように比較的大きく設置した構成を特徴とする。
【0038】
即ち、緩衝材15の場合は、図15Aと図16に示したように、梁端部の横断面と同一形状で相当な厚みを有する形態で実施されている。補強材16の場合は、図15Bと図17に示したように、外径(又は外形)が梁2の端部と同一形状である枠体を嵌めた形態で実施されている。
【0039】
上記した緩衝材15の材質は、鋼や鉛、アルミニューム等の金属、又はゴムと金属、プラスチック、あるいはガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維のような高強度繊維との合成材料などを適用できる。中実の緩衝材の場合は、梁2の圧縮部コンクリートよりも変形し易い(ヤング係数が小さい)もので、接合部の柱・梁界面離間変形角θが1〜4%程度に対して弾性的な挙動を呈するものであれば、基本的にいかなる材料でも適用できる。
【0040】
以上を要約して説明すると、以下のようになる。
上記プレキャストコンクリート梁2と柱1のPC圧着接合構造における緩衝材15の材質は、コンクリートよりも柔らかいものであり、梁端部に一体化して設置されていることを要する(請求項4記載の発明)。
【0041】
上記プレキャストコンクリート梁2と柱1のPC圧着接合構造おける緩衝材15としては、バネ材またはダンパー機能を有する材でも実施され、圧縮及び引張り時の大きな変形に追従可能な構造で梁端部に設置される。また、一端を梁2へ、他端は柱1へ緊結して圧縮力及び引張り力の双方を伝達可能に設置しても実施される(請求項5記載の発明)。
【0042】
プレキャストコンクリート梁2と柱1のPC圧着接合構造に使用する緩衝材15は、低降伏点鋼、鉛など、塑性化し易く大きな塑性変形を期待できる金属材料を中空構造に構成したものでも実施される(請求項6記載の発明)。
【0043】
上記のプレキャストコンクリート梁2と柱1のPC圧着接合構造において、緩衝材15は、地震後に損傷している場合、取り替えが可能に設置される(請求項7記載の発明)。
【0044】
上記プレキャストコンクリート梁2と柱1のPC圧着接合構造おける補強材16は、鋼などの金属、または炭素繊維、アラミド繊維などで補強された高強度プラスチックなど、梁端部コンクリートの三次元拘束に実効ある材料で構成して実施される(請求項9記載の発明)。
【0046】
【発明が奏する効果】
請求項1〜9記載の発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱の圧着接合構造は、100年に1度と考えられるような大地震によっても、ラーメン躯体に損傷がなく、あるいは緩衝材を取り替えることによって損傷の修復ができるRC系建物の建築に寄与する。
【0047】
また、本発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱の圧着接合構造は、損傷を受ける部位が特定(限定)され、しかも損傷を生じさせないで済ますので、従来、RC系構造物では大地震でひび割れが入ったり、曲げ圧縮部が圧壊することで地震時のエネルギー吸収を行う設計であるため難しいと考えられていた損傷制御設計(設計時に建物の損傷程度を制御する設計法)をより簡便に実施することが可能となる。
【0048】
地震を経験してもプレキャストコンクリート部材の損傷がないか、極小で済むから、解体したプレキャストコンクリート部材を別の建物に再使用することも可能となる。そのため、地球環境に優しい建築構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造の実施形態を示した説明図である。
【図2】図1のP部拡大図である。
【図3】A、B、Cは緩衝材の定着構造を示した断面図である。
【図4】本発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造の異なる実施形態を示した説明図である。
【図5】A、Bは図4のa−a線に沿って切断した異なる実施形態の断面図である。
【図6】図5Aの梁を示した斜視図である。
【図7】A、Bは梁の異なる実施例を示した斜視図と正面図である。
【図8】A、Bは梁の異なる実施例を示した斜視図と正面図である。
【図9】A、Bは梁の異なる実施例を示した斜視図と正面図である。
【図10】プレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造の異なる実施形態を示した説明図である。
【図11】A、Bは梁の異なる実施例を示した斜視図と正面図である。
【図12】A、B、Cは梁の異なる実施例と変形状態を示した正面図である。
【図13】A、B、Cは梁の異なる実施例と変形状態を示した正面図である。
【図14】本発明に係るプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造の異なる実施形態を示した説明図である。
【図15】A、Bは図4のa−a線に沿って切断した異なる実施形態の断面図である。
【図16】図15Aの梁を示した斜視図である。
【図17】図15Bの梁を示した斜視図である。
【図18】従来のプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造を示した説明図である。
【図19】柱梁接合部の変形状態を示した説明図である。
【図20】梁構造の断面を示した断面図である。
【図21】梁の断面欠損を示した正面図である。
【符号の説明】
1 プレキャストコンクリート柱
2 プレキャストコンクリート梁
3 アンボンドPC鋼材
10 弾性体
15 緩衝材
16 補強材
Claims (9)
- プレキャストコンクリート梁を、一段配置としたアンボンドPC鋼材を利用してプレストレスを導入しプレキャストコンクリート柱と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造であって、
プレキャストコンクリート柱の側面における、プレキャストコンクリート梁の浮き上がりによる梁端部の回転変形によって圧縮を受ける部位に、圧縮変形を吸収して当該プレキャストコンクリート梁の端部コンクリートの圧壊を防止する弾性体が設置されていることを特徴とする、プレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。 - 前記弾性体は、ゴムと高強度のガラス繊維などを積層して製造した物質など、プレキャストコンクリート梁のヤング係数よりも小さいヤング係数の高強度、高弾性物質であり、プレキャストコンクリート柱の該当部位に予め欠け込みを設けてはめ込み接着等するか、又はプレキャストコンクリート柱に直接打ち込み一体化する手段で設置されていることを特徴とする、請求項1に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。
- プレキャストコンクリート梁を、一段配置としたアンボンドPC鋼材を利用してプレストレスを導入しプレキャストコンクリート柱と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造であって、
プレキャストコンクリート梁の端部における、同梁の浮き上がりによる梁端部の回転変形によって圧縮を受ける部分に、圧縮変形を吸収して当該プレキャストコンクリート梁の端部コンクリートの圧壊を防止する緩衝材が設置されていることを特徴とする、プレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。 - 前記緩衝材の材質はコンクリートよりも柔らかいものであり、梁端部に一体化して設置されていることを特徴とする、請求項3に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。
- 前記緩衝材はバネ材またはダンパー機能を有する材とされ、圧縮及び引張り時の大きな変形に追従可能な構造でプレキャストコンクリート梁の端部に設置され、且つ一端をプレキャストコンクリート梁へ、他端はプレキャストコンクリート柱へ緊結して圧縮力及び引張り力の双方を伝達可能に設置されていることを特徴とする、請求項3に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。
- 前記緩衝材は、低降伏点鋼、鉛など塑性化し易く大きな塑性変形を期待できる金属材料で中空構造に構成されていることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。
- 前記緩衝材は、地震後に損傷したものは取り替えが可能に設置されていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。
- プレキャストコンクリート梁を、一段配置としたアンボンドPC鋼材を利用してプレストレスを導入しプレキャストコンクリート柱と圧着接合して柱梁接合界面の浮き上がりを許容し、当該浮き上がり変形によってエネルギ吸収するダンパ部材を設けない構造であって、
プレキャストコンクリート梁の端部における、同梁の浮き上がりによる梁端部の回転変形によって圧縮を受ける部分に、同梁の端部コンクリートを三次元方向に拘束して圧壊を防止する補強材が設置されていることを特徴とする、プレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。 - 前記補強材は、鋼などの金属、又は炭素繊維、アラミド繊維などで補強された高強度プラスチックなど、プレキャストコンクリート梁の端部コンクリートの三次元拘束に実効ある材料で構成されていることを特徴とする、請求項8に記載したプレキャストコンクリート梁と柱のPC圧着接合構造。
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