JP2003129691A - 制震間柱 - Google Patents

制震間柱

Info

Publication number
JP2003129691A
JP2003129691A JP2001326042A JP2001326042A JP2003129691A JP 2003129691 A JP2003129691 A JP 2003129691A JP 2001326042 A JP2001326042 A JP 2001326042A JP 2001326042 A JP2001326042 A JP 2001326042A JP 2003129691 A JP2003129691 A JP 2003129691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bracket
brackets
base plate
stud
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001326042A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Hirayama
浩史 平山
Takafumi Hara
孝文 原
Toru Nakajima
徹 中島
Tomoaki Odagiri
智明 小田切
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2001326042A priority Critical patent/JP2003129691A/ja
Publication of JP2003129691A publication Critical patent/JP2003129691A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄筋コンクリート製のブラケットと鉄骨部材
との接合部における剪断力伝達性能を高めることによ
り、小振幅の繰り返し載荷を受ける初期から大変形領域
に至るまで安定した履歴エネルギ吸収が得られる制震間
柱を提供する。 【解決手段】 柱梁架構を構成する上階の梁11および
下階の梁12に設けられた鉄筋コンクリート製のブラケ
ット13、14と、ブラケット間に配されて所定の水平
荷重が作用した際に塑性化する鉄骨部材15とを備え、
鉄骨部材15とブラケット13、14とを、当該ブラケ
ットの端面上に固定したベースプレート16を介して互
いに接合した制震間柱10において、ベースプレート1
6の裏面に突設した剪断力伝達部材18Aをブラケット
13、14のコンクリート中に埋設することにより、当
該ベースプレート16とブラケット13、14とを一体
に結合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下階の梁間に取
付けられて、地震時や強風時等に柱梁架構に生じる揺れ
を抑制するための制震間柱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄筋コンクリート構造の制震
技術として、柱梁架構内に制震間柱と呼ばれる間柱形状
の制震部材を取付けるものが、特開平11−17275
9号公報などにおいて知られている。図14は、従来の
この種の制震間柱1を示すもので、鉄筋コンクリート造
の柱2および梁3、4からなる柱梁架構の上階の梁3に
鉄筋コンクリート製の上部ブラケット5が垂設され、こ
れに対向して下階の梁4に鉄筋コンクリート製の下部ブ
ラケット6が立設され、これら上下部ブラケット5、6
にH形鋼からなる鉄骨部材7の上下端が、ベースプレー
ト8を介して接合されたものである。
【0003】上記従来の制震間柱1によれば、鉄筋コン
クリート製の上下部ブラケット5、6間において両端固
定状態でむき出しになった鉄骨部材7が剪断パネルとし
て作用する。この結果、大地震時に上記架構が変形した
際に、鉄骨部材7が他の部分よりも先に塑性変形するこ
とによりエネルギーを吸収して、柱2および梁3、4か
らなる架構に伝わる揺れを抑制することができる。
【0004】また、上記制震間柱1では、鉄骨部材7と
ブラケット5、6の接合をベースプレート8を介して行
っているので、鉄骨部材7の端部をブラケット5、6の
中に直接埋め込むタイプに比べて、鉄骨量の軽減が図れ
る上、鉄骨部材7とブラケット5、6を別々に施工して
後から一体化するという施工方法を採ることができ、し
たがって経済性の向上と施工の合理化が図れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記制
震間柱1にあっては、ベースプレート8を、ブラケット
5、6の主筋をアンカーボルトとして使用することによ
り固定しているだけであり、鉄骨部材7とブラケット
5、6の接合部における剪断力伝達性能が必ずしも十分
ではなかった。このため、大地震時に発生する大変形領
域では、ベースプレート8部分における固定度が低下
し、この結果制震効果が低下するという問題があった。
即ち、大変形領域では、ブラケット5、6に対してベー
スプレート8が横ずれしたり、あるいは開き変形したり
する可能性があり、それにより鉄骨部材7からブラケッ
ト5、6への剪断力伝達性能が低下して制震効果が落ち
る虞があった。
【0006】本発明は、このような従来の制震間柱が有
する課題を解決すべくなされたもので、鉄筋コンクリー
ト製のブラケットと鉄骨部材との接合部における剪断力
伝達性能を高めることにより、小振幅の繰り返し載荷を
受ける初期から大変形領域に至るまで安定した履歴エネ
ルギ吸収が得られる制震間柱を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る制震間柱は、柱梁架構を構成する上下階の梁の両
方または一方に設けられた鉄筋コンクリート製のブラケ
ットと、両方の梁に設けられたブラケット間または他方
の梁とブラケットとの間に配されて所定の水平荷重が作
用した際に塑性化する鉄骨部材とを備えた制震間柱にお
いて、上記鉄骨部材とブラケットとを、当該ブラケット
の端面上に固定したベースプレートを介して互いに接合
し、かつ上記ベースプレートの裏面に突設した剪断力伝
達部材を上記ブラケットのコンクリート中に埋設するこ
とにより、当該ベースプレートとブラケットとを一体に
結合したことを特徴とするものである。ここで、上記鉄
骨部材は、例えば鉄骨製H形断面部材等のフランジとウ
エブを有した形状のものが好適であり、これに剪断座屈
を防止するためのスチフナ等の補強材を各種形態によっ
て接合したものも含む。
【0008】ここで、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の剪断力伝達部材が、上記ベースプレートの裏
面に剪断力伝達方向と交差する方向に向けて突設された
支圧プレート、もしくは上記ベースプレートの裏面に突
設されたスタッドボルト、または上記支圧プレートおよ
びスタッドボルトであることを特徴とするものである。
【0009】さらに、請求項3の記載の発明は、請求項
1またな2における鉄骨部材の一端部に相対的な軸方向
変位を吸収する間隙を確保し、かつ当該端部の水平方向
の移動を拘束した状態で、当該鉄骨部材の他端部を上記
他方の梁または当該梁に設けたブラケットに接合したこ
とを特徴とするものである。
【0010】請求項1〜3のいずれかに記載の制震間柱
においては、鉄骨部材を鉄筋コンクリート製のブラケッ
トにベースプレートを介して接合する場合に、ベースプ
レートの裏面に突設した剪断力伝達部材をブラケットの
中に埋設することにより、ベースプレートとブラケット
とを一体に結合しているので、ベースプレートとブラケ
ット間の剪断力伝達性能を高めることができ、よって大
変形領域においてもブラケットに対するベースプレート
の固定度を高く維持することができ、鉄骨部材の塑性変
形により得られる制震効果を高めることができる。
【0011】この際、請求項2に記載の発明のように、
剪断力伝達部材として、ベースプレートの裏面に支圧プ
レートやスタッドボルトを突設する場合は、支圧プレー
トの寸法や枚数、あるいは、スタッドボルトの本数など
を適当に決めることにより、伝達すべき剪断力の大きさ
を自在に調整することができて好適である。
【0012】また、請求項3に記載の発明においては、
鉄骨部材の端部に自身の軸方向変位を吸収する間隙を確
保し、かつ、水平方向の移動を拘束した状態で、当該鉄
骨部材をブラケットまたは他方の梁側に接合したので、
大地震時に柱および梁からなる架構に層間変形が生じた
場合にも、鉄骨部材が上記間隙の範囲で軸方向に自由に
変位することにより、制震間柱に引張軸力や圧縮軸力と
いった軸方向力が作用することを防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1〜図3は、
本発明に係る制震間柱の第1の実施形態を示すもので、
この制震間柱10も、従来のものと同様に、鉄筋コンク
リート造の架構の上階の梁11と下階の梁12との間に
取付けられている。この制震間柱10は、上階の梁11
に垂設された鉄筋コンクリート製の上部ブラケット13
と、これに対向して下階の梁12に立設された鉄筋コン
クリート製の下部ブラケット14と、これら上下部ブラ
ケット13、14の端面間に配されて所定の水平荷重が
作用した際に剪断パネルとしての機能を果たす鉄骨部材
(鉄骨製H形断面部材)15と、上下部ブラケット1
3、14の端面に配されて鉄骨部材15の上下端をブラ
ケット13、14に結合するベースプレート16とから
構成されたものである。
【0014】ここで、ベースプレート16は、鉄骨部材
15に対して溶接により接合され、ブラケット13、1
4に対して、アンカーボルト17及び剪断力伝達部材1
8Aを当該ブラケット13、14のコンクリート中に埋
設することにより一体的に結合されている。このように
H形鋼よりなる鉄骨部材15は、上下端がベースプレー
ト16を介してブラケット13、14に水平方向の移動
が拘束された状態で接合されているので、地震発生時等
に剪断パネルとしての機能を果たす。なお、アンカーボ
ルト17は、ブラケット13、14内の鉄筋と独立して
設けてもよいし、ブラケット13、14内に配した主筋
で兼用してもよい。
【0015】H形鋼よりなる鉄骨部材15は、極低降伏
点鋼からなるウェブ15aの両端にフランジ15bを有
するものである。また、剪断力伝達部材18Aは、アン
カーボルト17だけでは、ブラケット13、14と鉄骨
部材15間で充分な剪断力を伝達できないので、大きな
剪断力を伝達可能とするために、敢えてベースプレート
16の裏面に一体的に突設したものである。
【0016】ここで、上記剪断力伝達部材18Aは、ベ
ースプレート16と一体化した複数枚の支圧プレート1
8aと、それら支圧プレート18a間を繋ぐ補強プレー
ト18bとから構成されている。この支圧プレート18
aは、剪断力伝達方向と交差する方向、すなわち鉄骨部
材15のウェブ15aと直交する方向(フランジ15b
と平行な方向)に向けて取り付けられており、ブラケッ
ト13、14のコンクリート中に50mm以上埋め込ま
れている。また、支圧プレート18aの幅は鉄骨部材1
5のフランジ15bの幅以下となっている。そして、支
圧プレート18aの枚数は、支圧プレート18aの面積
から算定した支圧強度が、鉄骨部材15に働く剪断力を
上回るように設定されている。
【0017】このようにベースプレート16の裏面に突
設した剪断力伝達部材18Aをブラケット13、14の
コンクリート中に埋設することにより、ベースプレート
16とブラケット13、14間の剪断力伝達性能を大幅
に高めることができる。したがって、大変形領域におい
ても、ブラケット13、14に対するベースプレート1
6の固定度を高く維持することができ、鉄骨部材15に
よる制震効果を高めることができる。
【0018】剪断力伝達部材の取付例としてその他に、
図4、図5及び図6、図7に示す各例を挙げることがで
きる。図4、図5に示す例では、剪断力伝達部材18B
として、ベースプレート16の裏面に複数本のスタッド
ボルト18cを突設している。また、図6、図7の例で
は、剪断力伝達部材18Cとして、ベースプレート16
の裏面に支圧プレート18a、補強プレート18bと、
スタッドボルト18cとを突設している。前者の場合、
スタッドボルト18cは、φ16以上の径のものを用
い、コンクリート中に80mm以上埋め込む。そして、
スタッドボルト18cの本数は、スタッドボルト18c
の剪断抗力が、鉄骨部材15に働く剪断力を上回るよう
に設定する。また、後者の場合、支圧プレート18aの
枚数やスタッドボルト18cの本数は、両者の剪断抗力
の合計が、鉄骨部材15に働く剪断力を上回るように設
定する。
【0019】(実施の形態2)図8〜図10は、本発明
に係る制震間柱の第2の実施形態を示すものである。こ
の実施形態の制震間柱30は、上記第1実施形態の制震
間柱に、地震時や強風時の揺れに伴う軸方向応力が発生
しないような工夫を追加したものである。
【0020】先ず、そのような工夫を追加する理由につ
いて述べると、大地震時等に鉄筋コンクリート造の柱お
よび梁からなる架構に層間変形が生じた場合に、一般に
柱は強固に設計されているために変形量は少なく、上記
層間変形に応じて剛体的に傾くのみとなるが、制震間柱
は、上記架構の層間変形により所定の水平荷重が作用し
た際に鉄骨部材が剪断変形して、クランク形に折れ曲が
る。この際に、鉄骨部材は上下部ブラケットから離れよ
うとするために、制震間柱には、引張軸力が作用する。
次いで、揺れ戻しによって上記層間変形が減少し、制震
間柱におけるクランク形の変形が元に戻ろうとする際に
は、逆に鉄骨部材が上下部ブラケット内に押込まれよう
とするために、制震間柱には圧縮軸力が発生することに
なる。そして、制震間柱に引張軸力が生じた際には、不
連続部となる上下部ブラケットと梁との接合部における
断面の曲げ耐力やベースプレート部分の曲げ耐力が低下
し、当該部分における変形量が増加するため、これに対
応して鉄骨部材における剪断変形量が減少することにな
り、この結果、架構に対する振動抑制効果の減少をきた
すことになる。また、逆に上記制震間柱に圧縮軸力が生
じた際には、鉄骨部材に座屈が発生して、同様に当該制
震間柱による振動抑制効果が減少する虞があるからであ
る。
【0021】そこで本実施形態の制震間柱30は、その
ような問題点を解決することを意図している。その構成
について説明すると、まず、この制震間柱30において
は、ウエブ35aに極低降伏点鋼を使用したH形鋼から
なる鉄骨部材(鉄骨製H形断面部材)35の上端部が、
上述した第1実施形態と同様に、アンカーボルト17及
び剪断力伝達部材18Aで上部ブラケット13の端面に
固定されたベースプレート16に溶接により接合されて
いる。
【0022】一方、下階の梁12に立設した鉄筋コンク
リート製の下部ブラケット31に複数本のアンカーボル
ト32が埋設され、これらアンカーボルト32によって
当該下部ブラケット31の上面にベースプレート33が
固定され、ベースプレート33の裏面に突設した剪断力
伝達部材18Aが下部ブラケット31のコンクリート中
に埋設されることで、ベースプレート33が下部ブラケ
ット31に一体に固定されている。そして、鉄骨部材3
5の下端部と、ベースプレート33との間に、図9に拡
大して示すように、鉄骨部材35の軸方向変位を吸収す
るための間隙36が確保されている。
【0023】さらに、鉄骨部材35のウエブ35aの下
端部には、フランジ35bとウェブ35aとの間を塞ぐ
水平板37が一体に接合されている。そして、ベースプ
レート33上には、鉄骨部材35のフランジ35bの下
端部外面を両側から挟むプレート状の拘束部材39と、
水平板37を両側から挟むプレート状の拘束部材40と
が、それぞれ高力ボルト41、42によって固定されて
いる。これにより、鉄骨部材35の下端部は、水平方向
への移動が拘束されている。
【0024】上記構成からなる制震間柱30によれば、
大地震時に柱および梁からなる架構に層間変形が生じた
場合等に、剪断パネルとして作用する鉄骨部材35の端
部に確保した間隙36が、その軸方向変位を吸収する。
この結果、この制震間柱30には引張軸力や圧縮軸力と
いった軸方向力が作用することがなくなる。また、上記
制震間柱30では、ベースプレート33、16の裏面に
突設した剪断力伝達部材18Aを上下部ブラケット1
3、31のコンクリート中に埋設しているから、上記第
1の実施形態と全く同様に、ベースプレート16、33
とブラケット13、31間の剪断力伝達性能を大幅に高
めることができ、鉄骨部材35による制震効果を高める
ことができる。
【0025】なお、上記第2の実施形態においては、拘
束部材39、40によって、鉄骨部材35の下端部を外
周側から拘束した場合についてのみ説明したが、これに
限定されるものではなく、水平部材37を設けずに、ウ
エブ35aとフランジ35bとによって囲われる内側部
分に拘束部材を設け、これをベースプレート33に固定
してもよい。また、図8の上下の構造を逆にしてもよ
い。即ち、鉄骨部材35の上端側に軸方向変位を吸収す
る間隙36を確保し、拘束部材39、40を上側に設け
てもよい。また、拘束部材39、40の形状について
も、上述したプレート状のものに限らず、アングル材や
H形鋼を用いてもよく、またベースプレート33への固
定方法についても、上記高力ボルト41、42に限らず
溶接によって固定してもよい。
【0026】さらに、上記第1および第2の実施形態に
おいては、鉄骨部材15、35の上下端を共にベースプ
レート16、33を介して、上下部ブラケット13、1
4、31に接合する場合を説明したが、鉄骨部材の片側
端をブラケット内に埋設してもよい。次にその実施形態
を説明する。
【0027】(実施の形態3)図11は、本発明に係る
制震間柱の第3の実施形態を示すものである。この制震
間柱40においては、鉄骨部材45の上端側45aが、
鉄筋コンクリート製の上部ブラケット41の内部に埋設
されることで、水平方向の移動を拘束されており、露出
した鉄骨部材45の下端側部分が剪断パネルとしての機
能を果たすようになっている。それ以外の点は、上記第
1の実施形態と同様である。
【0028】この制震間柱40では、ベースプレート1
6を介して鉄骨部材45をブラケット14に接合する部
分の構造が上記第1の実施形態と全く同じであるから、
同様の効果を奏することができる。
【0029】なお、鉄骨部材45の上端は、上部ブラケ
ット41内に単に埋め込むだけではなく、上階の梁11
やその内部の鉄骨に直接接合してもよい。特に、鉄骨部
材45の上端を上階の梁11に直接接合する場合には、
上部ブラケット41を省略することも可能である。ま
た、図11の上下の構造を逆にしてもよい。即ち、鉄骨
部材45の上端側をベースプレートを介して上部ブラケ
ットに固定し、下端側を下部ブラケット内に埋設しても
よい。この場合も、埋設する方の鉄骨部材の端部を梁に
直接接合してよいし、場合によって梁に接合した側のブ
ラケットを省略してもよい。
【0030】(実施の形態4)図12は、本発明に係る
制震間柱の第4の実施形態を示すものである。この制震
間柱50は、図8の第2実施形態で述べた考えを、図1
1の第3実施形態の制震間柱に応用したものである。こ
の制震間柱50においては、鉄骨部材55の上端側55
aを、上部ブラケット51に埋設している。そして、上
部ブラケット51に埋設した鉄骨部材55の上端側55
aの表面に、図中細点で示すように付着防止処理を施す
ことにより、鉄骨部材55を上部ブラケット51に対し
て上下方向に移動自在としている。
【0031】また、この鉄骨部材55の上端側55a
(埋設部)の端部と、上部ブラケット51の埋設穴の奥
端(上端)の間には、鉄骨部材55の軸方向変位を吸収
する間隙52が形成されており、当該間隙52には、発
泡スチロール、ポリウレタン樹脂、スポンジあるいはゴ
ム等の弾性係数の小さい圧縮性材料からなる変形吸収用
の弾性体53が充填されている。
【0032】以上の構成からなる制震間柱50によれ
ば、鉄骨部材55の端部に間隙52を確保し、その間隙
に弾性体53を組み込んでいるので、大地震時に柱およ
び梁11,12からなる架構に層間変形が生じた場合に
も、鉄骨部材55の上端側55aと上部ブラケット51
との間に相対移動が生じ、制震間柱50に引張軸力や圧
縮軸力といった軸方向力が作用することがない。また、
ベースプレート16部分の作用効果については、上記実
施形態と同じである。
【0033】なお、上部ブラケット51と鉄骨部材55
を上下移動可能に組み合わせるための構造としては、単
に両者問に隙間を形成するなど各種の形態が適用可能で
あるが、本実施形態のように、予め鉄骨部材55の外周
面に付着防止処理を施しておけば、容易に鉄骨部材55
をブラケット51に対して上下方向に移動自在に設ける
ことができる。ちなみに、上記付着防止処理の方法とし
ては、鉄骨部材55の表面にアスファルトなどのアンボ
ンド材を塗布する方法、ポリエチレンシートを貼る方
法、コンクリートの剥離性が高い薬品を塗布する方法な
どが適用可能である。
【0034】(実施の形態5)図13は、本発明に係る
制震間柱の第5の実施形態を示すものである。この制震
間柱60は、図8の第2実施形態の構造と、図13の第
3実施形態の構造とを組み合わせたものである。即ち、
鉄骨部材45の上側については図11の第3実施形態の
構造を採用し、鉄骨部材45の下側については図8の第
2実施形態の構造を採用したものである。これによれ
ば、双方の実施形態の効果を奏することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、地震時等に所定の水平荷重が作用す
ると塑性化する鉄骨部材を鉄筋コンクリート製のブラケ
ットにベースプレートを介して接合する場合に、ベース
プレートの裏面に突設した剪断力伝達部材をブラケット
の中に埋設するようにしているので、ベースプレートと
ブラケット間の剪断力伝達性能を高めることができ、小
振幅の繰り返し載荷を受ける初期から大変形領域に至る
まで、安定した制震効果を得ることができる。特に、請
求項2に記載の発明によれば、剪断力伝達部材として設
ける支圧プレートの枚数やスタッドボルトの本数などを
適当に決めることにより、伝達すべき剪断力の大きさを
自在に調整できる。
【0036】また、請求項3に記載の発明によれば、鉄
骨部材の端部に自身の軸方向変位を吸収する間隙を確保
しているので、大地震時に柱および梁からなる架構に層
間変形が生じた場合にも、制震間柱に引張軸力や圧縮軸
力といった軸方向力が作用することを無くせ、制震効果
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1のII−II線視断面図である。
【図3】図1のIII−III線視断面図である。
【図4】第1の実施形態の変形例を示す縦断面図であ
る。
【図5】図4のV−V線視断面図である。
【図6】第1の実施形態の変形例を示す縦断面図であ
る。
【図7】図6のVII−VII線視断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図9】図8の要部の拡大図である。
【図10】図8のX−X線視断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図12】本発明の第4の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図13】本発明の第5の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図14】従来の制震間柱を示す正面図である。
【符号の説明】
10,30,40,50、60 制震間柱 11 上階の梁 12 下階の梁 13,41,51 上部ブラケット 14,31 下部ブラケット 15,35,45,55 鉄骨部材(鉄骨製H形断面部
材) 16,33 ベースプレート 17,32 アンカーボルト 18A,18B,18C 剪断力伝達部材 18a 支圧プレート 18c スタッドボルト 36,52 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 徹 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 小田切 智明 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱梁架構を構成する上下階の梁の両方ま
    たは一方に設けられた鉄筋コンクリート製のブラケット
    と、上記両方の梁に設けられたブラケット間または他方
    の梁と上記ブラケットとの間に配されて所定の水平荷重
    が作用した際に塑性化する鉄骨部材とを備えた制震間柱
    において、 上記鉄骨部材と上記ブラケットとを、当該ブラケットの
    端面上に固定したベースプレートを介して互いに接合
    し、かつ上記ベースプレートの裏面に突設した剪断力伝
    達部材を上記ブラケットのコンクリート中に埋設するこ
    とにより、当該ベースプレートとブラケットとを一体に
    結合したことを特徴とする制震間柱。
  2. 【請求項2】 上記剪断力伝達部材は、上記ベースプレ
    ートの裏面に剪断力伝達方向と交差する方向に向けて突
    設された支圧プレート、もしくは上記ベースプレートの
    裏面に突設されたスタッドボルト、または上記支圧プレ
    ートおよびスタッドボルトであることを特徴とする請求
    項1に記載の制震間柱。
  3. 【請求項3】 上記鉄骨部材の一端部に、相対的な軸方
    向変位を吸収する間隙を確保し、かつ当該端部の水平方
    向の移動を拘束した状態で、上記鉄骨部材の他端部を上
    記他方の梁または当該梁に設けたブラケットに接合した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の制震間柱。
JP2001326042A 2001-10-24 2001-10-24 制震間柱 Pending JP2003129691A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001326042A JP2003129691A (ja) 2001-10-24 2001-10-24 制震間柱

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001326042A JP2003129691A (ja) 2001-10-24 2001-10-24 制震間柱

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003129691A true JP2003129691A (ja) 2003-05-08

Family

ID=19142496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001326042A Pending JP2003129691A (ja) 2001-10-24 2001-10-24 制震間柱

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003129691A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045933A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Takenaka Komuten Co Ltd 連層コアウオール型制震超高層集合住宅建物
JP2006194036A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Maeda Corp 鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造
JP2012149412A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Kajima Corp 構造物の耐震制御構造
CN117605148A (zh) * 2024-01-22 2024-02-27 成都中品建设工程有限公司 绿色建筑及其施工方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045933A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Takenaka Komuten Co Ltd 連層コアウオール型制震超高層集合住宅建物
JP4579615B2 (ja) * 2004-08-05 2010-11-10 株式会社竹中工務店 連層コアウオール型制震超高層集合住宅建物
JP2006194036A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Maeda Corp 鉄骨造間柱の鉄筋コンクリート造梁への定着構造
JP2012149412A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Kajima Corp 構造物の耐震制御構造
CN117605148A (zh) * 2024-01-22 2024-02-27 成都中品建设工程有限公司 绿色建筑及其施工方法
CN117605148B (zh) * 2024-01-22 2024-04-30 成都中品建设工程有限公司 绿色建筑及其施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001254436A (ja) 鋼製柱と鋼製梁の接合構造
JP2003193699A (ja) 弾塑性・粘弾性ブレース
JP2000213200A (ja) 制震構造
US7647733B2 (en) Reinforcing structure for building
JP3586416B2 (ja) 軸降伏型弾塑性履歴ブレースと制振鉄骨構造物
JP4070117B2 (ja) 制震装置
JP5147007B2 (ja) ダンパー装置および構造物
JP2003129691A (ja) 制震間柱
JP4635700B2 (ja) 建物の制震構造
JP3684337B2 (ja) 鋼製柱と鋼製梁との接合構造
JPH11140977A (ja) 回転剛性調整型柱梁接合構造及び耐震建築物
JP2602888Y2 (ja) 弾塑性ダンパー
JP4242673B2 (ja) 制振装置及びそれを用いた制振構造
JP4282003B2 (ja) 制振構造
JP4678098B2 (ja) 制振間柱
JP4167627B2 (ja) 建築物又は建造物の補強構造及び補強部材
JP3744267B2 (ja) 建造物の制振装置
JP2009046923A (ja) 制振部材と制振補強された壁フレーム
JPH10292845A (ja) 弾塑性ダンパー
JP2020090812A (ja) 制振構造
JP2000001999A (ja) 既存建築物の制震補強構造
JP3100130B2 (ja) 制震ブレース
JP4878338B2 (ja) 建築物及び建造物の補強構造
JP2010236218A (ja) 孔あき鋼板ジベル使用建築物の軸部材接合構造
JP2010018985A (ja) ブレース構造による制振装置付門型フレーム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060711