JP2009046923A - 制振部材と制振補強された壁フレーム - Google Patents
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Abstract
【課題】粘弾性材を用いた制振部材として汎用性があり、両側から差し出される平坦な伝達板の先端部の平面間を結合しやすい制振部材の提供。
【解決手段】平坦な部材の第1のプレート10と段差を有する部材の第2のプレート11及び粘弾性材12とからなる。第1のプレート10に取付け部24と接着部25を設定し、第2のプレート11の段差による下段側を取付け部27とし、上段側を接着部26とする。第1のプレート10の接着部25に第2のプレート11の接着部26を重ねてその間に粘弾性材12を接着する。第1のプレート10の取付け部24と第2のプレート11の取付け部27を面一に配置する。
【選択図】図9
【解決手段】平坦な部材の第1のプレート10と段差を有する部材の第2のプレート11及び粘弾性材12とからなる。第1のプレート10に取付け部24と接着部25を設定し、第2のプレート11の段差による下段側を取付け部27とし、上段側を接着部26とする。第1のプレート10の接着部25に第2のプレート11の接着部26を重ねてその間に粘弾性材12を接着する。第1のプレート10の取付け部24と第2のプレート11の取付け部27を面一に配置する。
【選択図】図9
Description
本発明は、建物に用いる制振部材と壁フレームの制振補強構造に関する。
建物の地震対策として、地震による強い振動を壁フレームに組み込んだ制振部材で減衰させるものがある。制振部材には種々原理のものがあるが、粘弾性材の変位抵抗を利用するものもその一つである。粘弾性材を用いた制振部材は、基本的に第1のプレートと第2のプレート間に粘弾性材を接着したシンプルな構造であるため、これを用いた種々の制振構造が研究されている。例えば;
特許文献1の制振パネルは、矩形枠体17のひずみを各ブレース15を通じてインナープレート19とアウタープレート24に伝え、これら両プレート19と24の間に接着した粘弾性材に地震エネルギーを吸収させるものであり、粘弾性材の効率的な利用を図ったものである。
特許文献1の制振パネルは、矩形枠体17のひずみを各ブレース15を通じてインナープレート19とアウタープレート24に伝え、これら両プレート19と24の間に接着した粘弾性材に地震エネルギーを吸収させるものであり、粘弾性材の効率的な利用を図ったものである。
特許文献2の制振装置10は、対向して配置される第1板材11と第2板材12とに中継板材13を跨らせ、これら板材間に粘弾性材を第1板材11と第2板材12とに分離して配置することにより、制振装置10が受け入れることができる変位量を大きくしたものである。
特許文献3の制振構造は、いわゆる振り子構造であって、振り子部材6の端部と建物躯体1との間に制振部材11を配置し、矩形フレーム3の変形を拡大して制振部材11へ伝達することを特徴としている。制振部材11(粘弾性材)は横框材25と振り子部材26との間に配置されている。
特許文献3の制振構造は、いわゆる振り子構造であって、振り子部材6の端部と建物躯体1との間に制振部材11を配置し、矩形フレーム3の変形を拡大して制振部材11へ伝達することを特徴としている。制振部材11(粘弾性材)は横框材25と振り子部材26との間に配置されている。
特許文献4の粘弾性ダンパーは、柱・梁架構の仕口部に取り付ける三角形状をなす変位板5,6間に粘弾性材を接着したものである。
特許文献5の制振構造体は、架構(柱20、梁30などからなる)に振動吸収体10Aを筋交いとして用いた構造である。粘弾性材は、部材3を中央にしてその両側に配置された部材1,2との間に取り付けられている。
特許文献6の制振ダンパーは、粘弾性壁を構成するもので、上側の梁1から立ち下がる2枚の外鋼板3と下側の梁2から立ち上がる内鋼板4との間に粘弾性材5を充填したものである。
特許文献5の制振構造体は、架構(柱20、梁30などからなる)に振動吸収体10Aを筋交いとして用いた構造である。粘弾性材は、部材3を中央にしてその両側に配置された部材1,2との間に取り付けられている。
特許文献6の制振ダンパーは、粘弾性壁を構成するもので、上側の梁1から立ち下がる2枚の外鋼板3と下側の梁2から立ち上がる内鋼板4との間に粘弾性材5を充填したものである。
前記特許文献に現れているように、従来の粘弾性材を用いた制振部材は、平坦な第1のプレート(アウタープレート、外鋼板など)と平坦な第2のプレート(インナープレート、内鋼板など)の間に粘弾性材を接着した構造を基本としている。また、特許文献1,3,6に見られるように、粘弾性材を利用した制振部材は壁フレーム(架構)に取り付ける制振機構ともいうべき大掛かりな構造体の一部として構成されており、その壁フレームに専用のものといえる。また、大掛かりな構造体であるために、高価なものとなる。
この点、特許文献2,4,5のものは制振部材としての基本構造あるいは汎用性のある制振部材を提供しているといえる。そして、図1のように、左右の柱1,2と上下の横架材3.4(梁と土台)とからなる基本的な壁フレーム5において、左右の柱1,2から、差し出した左右の伝達板6,7の先端間を結合部材8で結合することは、結合部材が剛性である場合、原理的に壁フレーム5の変形を阻止する上で有効である。また、この結合部材8が粘弾性材を利用した制振部材であるとき、壁フレーム5は、原理的に地震による強い振動が吸収される制振補強された壁フレーム5となる。
しかし、特許文献2,4,5のものはいずれも平坦な面材間を連結できる構造となっていない。つまり、これらの構造をまとめると、図2に示すように、平坦な第1のプレート10、11間に粘弾性材12を接着したものか、あるいは図3のように平行に配置した第1、第2のプレート11の中央に第3のプレート12を配置して、第3のプレート12と第1のプレート10の間及び第3のプレート12と第2プレート11間に粘弾性材13,13を接着した構造となる。
これらの構造では、制振部材9の左右両端は第1のプレート10の平面と第2のプレート11の平面との間で段差があり、この制振部材を左右から差し出される平坦な左右の伝達板6,7に固定するのが困難である。すなわち、図4,5のように、左右の伝達板6,7の先端部に段差を吸収するための段差加工をするか、図6のように、制振部材の粘弾性材12の厚さを伝達板6,7の厚さ以下にするなど、粘弾性材の厚さが伝達板の厚さに制限される。しかし、粘弾性材12の厚さが制限されることは、例えば、粘弾性材が薄すぎるときには、必要な変形性能を得られず、反対に厚すぎると、所要の剛性を確保するために制振部材の面積を大きくしなければならず、コストが嵩むなど、解決の困難な問題が生じる。
これらの構造では、制振部材9の左右両端は第1のプレート10の平面と第2のプレート11の平面との間で段差があり、この制振部材を左右から差し出される平坦な左右の伝達板6,7に固定するのが困難である。すなわち、図4,5のように、左右の伝達板6,7の先端部に段差を吸収するための段差加工をするか、図6のように、制振部材の粘弾性材12の厚さを伝達板6,7の厚さ以下にするなど、粘弾性材の厚さが伝達板の厚さに制限される。しかし、粘弾性材12の厚さが制限されることは、例えば、粘弾性材が薄すぎるときには、必要な変形性能を得られず、反対に厚すぎると、所要の剛性を確保するために制振部材の面積を大きくしなければならず、コストが嵩むなど、解決の困難な問題が生じる。
そこで、この発明は、制振部材として汎用性があり、両側から差し出される平坦な伝達板の先端部の平面間を結合しやすい粘弾性材を用いた制振部材の提供を課題とする。
第1の伝達部材に固定される第1プレートと第2の伝達部材に固定される第2プレート及びこれらの平面間に粘弾性材を接着した制振部材とする。第1プレートは平坦な部材であって取付け部と接着部が設定され、第2プレートは横断方向の段差部で連続した段差のある部材であって、段差部の一方側を接着部、他方側を取付け部に設定される。段差部を利用して、第1プレートの接着部と第2プレートの接着部を重ね、両者の対向面間に粘弾性材を接着する。第2プレートの取付け部と第1プレートの取付け部とは面一にする。
この制振部材は、左右あるいは上下から差し出される(要するに、両側から差し出される)伝達板の先端部において、1個を、これらの片面間(平面間)を結合した構造として利用することもあれば、2個を用いて前記先端部の両面(平面間)を結合した構造として利用することもある。
壁フレームの場合、両側から差し出される伝達板は左右の柱あるいは上下の横架材に一辺縁を固定した伝達板であり、これらの伝達板が制振部材で結合されたとき、壁フレームは制振補強された壁フレームとなる。伝達板の片面間が結合される構造では、壁フレームが変形するときに作用する力の方向とシフトした位置に粘弾性材の抵抗中心があるので、両側の伝達板と制振部材とが構成する制振機構全体が壁フレームの面の前後方向で膨らむような座屈を生じる傾向となるので、この場合は、左右の伝達板あるいは制振部材における第1のプレートと第2のプレート間に座屈防止部材を取り付けることがある。
壁フレームの場合、両側から差し出される伝達板は左右の柱あるいは上下の横架材に一辺縁を固定した伝達板であり、これらの伝達板が制振部材で結合されたとき、壁フレームは制振補強された壁フレームとなる。伝達板の片面間が結合される構造では、壁フレームが変形するときに作用する力の方向とシフトした位置に粘弾性材の抵抗中心があるので、両側の伝達板と制振部材とが構成する制振機構全体が壁フレームの面の前後方向で膨らむような座屈を生じる傾向となるので、この場合は、左右の伝達板あるいは制振部材における第1のプレートと第2のプレート間に座屈防止部材を取り付けることがある。
柱の湾曲を防止する補強材として平らな板材が有効であるが、これを伝達板に兼用するなど、平らな板材をそのまま伝達板として利用できる。
伝達板に対して格別な加工なしに、片面から取り付けることができるので、既存建物の耐震改修の場合に屋外側あるいは屋内側の選択した片側の面から施工できる。
制振部材として両側から差し出される伝達板のそれぞれの平面にわたって取り付けられ、粘弾性材の厚さ分が伝達板の面から外側に張り出した格好で位置するので、伝達板の対向した端面間に粘弾性材を配置する場合のように粘弾性材の厚さが伝達板の厚さに制限されることはない。すなわち、第2プレートの段差部の高さを調整することによって必要な厚さを備えた粘弾性材をもつ制振部材を自由に設計することができる。
伝達板に対して格別な加工なしに、片面から取り付けることができるので、既存建物の耐震改修の場合に屋外側あるいは屋内側の選択した片側の面から施工できる。
制振部材として両側から差し出される伝達板のそれぞれの平面にわたって取り付けられ、粘弾性材の厚さ分が伝達板の面から外側に張り出した格好で位置するので、伝達板の対向した端面間に粘弾性材を配置する場合のように粘弾性材の厚さが伝達板の厚さに制限されることはない。すなわち、第2プレートの段差部の高さを調整することによって必要な厚さを備えた粘弾性材をもつ制振部材を自由に設計することができる。
なお、伝達板は構造用合板や鋼板などで構成する。伝達板は、壁フレームに作用する地震の振動を制振部材へ伝える機能のものであれば、素材と形態は問わない。なお、構造用合板のような木材板を長方形に切出したものであると、梁成(取り付けた梁の上下方向寸法)など現場の状況に応じて一部を切除するなどのことにより伝達板の長辺寸法、短辺寸法を簡単に調整することができ、制振構造を壁フレームの現状に応じた寸法としやすい利点がある。
また、制振部材を用いて壁フレームを制振補強された壁フレームとすることは、新築はもちろん既存建物の地震対策として安価に施工できる。
また、制振部材を用いて壁フレームを制振補強された壁フレームとすることは、新築はもちろん既存建物の地震対策として安価に施工できる。
図7は、木造住宅における軸組の一部であり、基礎13に土台4(下横架材)が載置され、土台4に左右の柱1,2を立設し、柱1,2の上端に梁3(上横架材)が架設されている。土台4はアンカーボルト14で基礎13に固定されている。左右の柱1,2の柱脚は、土台4を貫通したホールダウン構造15で基礎13と緊結され、柱頭は梁3と引寄せ金物構造16によって緊結されている。
左右の柱1,2と梁3及び土台4とによって壁フレーム5が構成されている。
符合17は天井、符合18は床であり、図7は、屋内側から内壁材を取外して施工した改修工事の状況である。
左右の柱1,2の対向面には、それぞれ取付け金物19(19a,19b,19c)及び同20(20a,20b,20c)が取り付けられている。これらは、断面コ字形で開放側を内側として柱1,2にビスで固定されており、柱脚側の取付け金物19aは、基礎側に連結される引寄せボルト21と共にホールダウン構造15を構成し、柱頭側の取付け金物19cは梁側に連結される引寄せボルト22と共にホールダウン構造15を構成している。
符合17は天井、符合18は床であり、図7は、屋内側から内壁材を取外して施工した改修工事の状況である。
左右の柱1,2の対向面には、それぞれ取付け金物19(19a,19b,19c)及び同20(20a,20b,20c)が取り付けられている。これらは、断面コ字形で開放側を内側として柱1,2にビスで固定されており、柱脚側の取付け金物19aは、基礎側に連結される引寄せボルト21と共にホールダウン構造15を構成し、柱頭側の取付け金物19cは梁側に連結される引寄せボルト22と共にホールダウン構造15を構成している。
そして、左右の柱1,2の対向面には前記の取付け金物19、同20を利用して上下に長い長方形の伝達板6,7が、それぞれの外側辺縁を取付け金物19,20に固定されて、取り付けられ、両側から差し出された格好となるこれら伝達板6,7の先端部に制振部材9が上下方向の二箇所で取り付けられている。
伝達板6,7は、厚さ28mmの構造用合板を長方形に切り出して構成しており、伝達板6,7の長辺は2000mm、短辺は350mmとしている。長辺の2000mmは土台4の上面から梁3の下面までの寸法を2850mmとした場合、上下425mmずつ合計で850mmを差し引いた長さであり、短辺の350mmは、対向して取り付けた左右の伝達板6,7間に100mm程度の間隔を取る寸法である。
壁フレーム5における柱1,2と土台4及び梁3の取付けは、ほぞと引寄せ構造あるいはホールダウン構造のような接合箇所の回動を許容する、いわゆるピンポイント構造である。一方、柱1,2と取付け金物19,20との取り付け、取付け金物19,20と伝達板6,7との取り付けは、六角スクリューなどを用いて、すべりのないように確実に固定する。
壁フレーム5における柱1,2と土台4及び梁3の取付けは、ほぞと引寄せ構造あるいはホールダウン構造のような接合箇所の回動を許容する、いわゆるピンポイント構造である。一方、柱1,2と取付け金物19,20との取り付け、取付け金物19,20と伝達板6,7との取り付けは、六角スクリューなどを用いて、すべりのないように確実に固定する。
制振部材9(図8、図9)は、第1のプレート10と第2のプレート11及びその間に接着された粘弾性材12とで構成されている。第1のプレート10と第2のプレート11は、いずれも厚さ1.6mmの鋼板製であり、第1のプレート10は長さ400×幅205mmで平坦であるのに対して、第2のプレート11は平面視において長さ400×幅215mmで中央部に横断方向の段差部23(幅10mm、内面の高さ8.5mm)が形成された段差のある部材である。第1のプレート10には取付け部24と接着部25が設定され、第2のプレート11は、これに対応して段差部23の高い側(一方側)の平端部を接着部26に、低い側(他方側)を取付け部27に設定している。
粘弾性材12は、この実施例において400×500×6.9mmの高分子制振材料であり、高減衰ゴム系、ゴムアスファルト系、エポキシ系、イソブチレン系あるいはアクリル系など、種々のものを利用することができる。
粘弾性材12は、第1のプレート10の接着部25に第2のプレート11の接着部26を重ね(図9)、両者の対向面間に接着する。このとき、第の1プレート10の取付け部24と第2のプレート11の取付け部27とは、面一の配置となる。
粘弾性材12は、第1のプレート10の接着部25に第2のプレート11の接着部26を重ね(図9)、両者の対向面間に接着する。このとき、第の1プレート10の取付け部24と第2のプレート11の取付け部27とは、面一の配置となる。
このように構成された制振部材9は、壁フレーム5において、両側から差し出された格好の伝達板6,7の先端部に、第1のプレート10の取付け部24を伝達板6の平面にラグスクリューなどで確実に固定すると共に第2のプレート11の取付け部27を伝達板7の平面にラグスクリューなどで確実に固定して壁フレーム5に取り付ける(図10)。前記の取付け部24,27が固定される平面は、この場合、左右の伝達板6,7の表面または裏面である。
制振部材9は、このように取付け部24,27が同一の面にあるので(面一の配置なので)両側の伝達板6,7に加工を施すことなく、そのまま、しかも、片面側から固定することができる。この特徴は、屋内側から行う地震対策改修工事にきわめて便利である。
制振部材9は、このように取付け部24,27が同一の面にあるので(面一の配置なので)両側の伝達板6,7に加工を施すことなく、そのまま、しかも、片面側から固定することができる。この特徴は、屋内側から行う地震対策改修工事にきわめて便利である。
また、この施工例のように、長い長方形に切り出した構造用合板を伝達板6,7としてそのまま利用できるので、施工が簡単であると共に、長方形の構造用合板は、二次断面係数が高く、これの一方の辺縁が固定されている柱1,2は湾曲に関して補強され、壁フレーム5に作用する地震の振動を効果的に制振部材9へ伝達する。
さらに、取り付けた状態で粘弾性材12は、左右の伝達部材6、7の平面をつなぐ面から外方に張り出して取り付けられるので、粘弾性材12の厚さが伝達板6,7の厚さによって制限されることがない。
さらに、取り付けた状態で粘弾性材12は、左右の伝達部材6、7の平面をつなぐ面から外方に張り出して取り付けられるので、粘弾性材12の厚さが伝達板6,7の厚さによって制限されることがない。
図10において、符合28は座屈防止部材であり、頑丈なバーないし平板の一端を一方の伝達板6にラグスクリューで固定し、他端は他方の伝達板7の平面へ単に当接してある。座屈防止部材28は伝達板6,7の制振部材9を取り付けた平面を表面としたとき裏面側に取り付け、必要に応じて、上下方向で複数段に設けることがある。座屈防止部材28は、制振部材9を伝達板6,7の表裏いずれか一面に取り付けた構造では、壁フレーム5が変形するときに作用する力の方向と粘弾性材12の抵抗中心が若干シフトした配置となり、図10に破線で示すように、両側の伝達板6,7と制振部材9とが構成する制振機構全体が壁フレーム5の面の前後方向で膨らむ座屈の傾向が生じるので、これを防止するためである。
図11は、第2の施工例であり、第1の場合と同様な壁フレーム5の構造において、実施例1の制振部材9を伝達板6,7の表裏両面に取り付けている。粘弾性材12の張り出しは相互に外側となり干渉がない。また、制振部材9は全体を薄く構成できるので、両側に取り付けた際の平面視における全体幅も、柱1,2の前後寸法内に納めることができ、後工程の内壁材や外壁材の取り付けに支障とならない。
この場合は、座屈防止部材28は必要がない。
以上説明した制振部材9は、特定の制振機構の一部として適合したものではなく、制振のための部材として独立して種々な箇所に利用できるものである。しかも、構造が簡単なので安価に提供することができる。
この場合は、座屈防止部材28は必要がない。
以上説明した制振部材9は、特定の制振機構の一部として適合したものではなく、制振のための部材として独立して種々な箇所に利用できるものである。しかも、構造が簡単なので安価に提供することができる。
伝達板6,7は金属板のこともある。
壁フレーム5は木造軸組構造のものを説明したが、鉄骨の場合も同様である。
座屈防止部材28は、制振部材9の第1のプレート10に一端を固定した溝形チャンネル材とし、他端部の溝を第2のプレート11にスライド可能に係合させる構造とすることもできる。
伝達板6,7の形態は、平らな面を備えることが必要であるが、他は特に限定されない。
壁フレーム5は木造軸組構造のものを説明したが、鉄骨の場合も同様である。
座屈防止部材28は、制振部材9の第1のプレート10に一端を固定した溝形チャンネル材とし、他端部の溝を第2のプレート11にスライド可能に係合させる構造とすることもできる。
伝達板6,7の形態は、平らな面を備えることが必要であるが、他は特に限定されない。
1 左柱
2 右柱
3 上横架材(梁)
4 下横架材(土台)
5 壁フレーム
6 左伝達板
7 右伝達板
8 結合部材
9 制振部材
10 第1のプレート
11 第2のプレート
12 粘弾性材
13 基礎
14 アンカーボルト
15 ホールダウン構造
16 引寄せ金物構造
17 天井
18 床
19(19a,19b,19c) 取付け金物
20(20a,20b,20c) 取付け金物
21 引寄せボルト(柱脚側)
22 引寄せボルト(柱頭側)
23 段差部
24 取付け部(第1のプレート)
25 接着部(第1のプレート)
26 接着部(第2のプレート)
27 取付け部(第2のプレート)
28 座屈防止部材
2 右柱
3 上横架材(梁)
4 下横架材(土台)
5 壁フレーム
6 左伝達板
7 右伝達板
8 結合部材
9 制振部材
10 第1のプレート
11 第2のプレート
12 粘弾性材
13 基礎
14 アンカーボルト
15 ホールダウン構造
16 引寄せ金物構造
17 天井
18 床
19(19a,19b,19c) 取付け金物
20(20a,20b,20c) 取付け金物
21 引寄せボルト(柱脚側)
22 引寄せボルト(柱頭側)
23 段差部
24 取付け部(第1のプレート)
25 接着部(第1のプレート)
26 接着部(第2のプレート)
27 取付け部(第2のプレート)
28 座屈防止部材
Claims (3)
- 両側から差し出される第1、第2の伝達部材の先端部間をつなぐ制振部材であって、第1の伝達部材に固定される第1プレートと第2の伝達部材に固定される第2プレート及びこれらの平面間に接着された粘弾性材を備え、第1プレートは平坦な部材であって取付け部と接着部が設定され、第2プレートは横断方向の段差部で連続した段差のある部材であり、段差の一方側を接着部に他方側を取付け部に設定され、第1プレートの接着部に第2プレートの接着部を重ね、両者の対向面間に粘弾性材を接着すると共に、第1プレートの取付け部と第2プレートの取付け部とを面一に配置してあることを特徴とした制振部材。
- 壁フレームにおける左右の柱あるいは上下の横架材にそれぞれ固定した伝達部材と、これらの先端部における平面間を請求項1に記載の制振部材で連結すると共に、伝達部材と制振部材が構成する制振機構が前後方向に座屈するのを防止する座屈防止部材を、制振機構の伝達部材間又は第1プレートと第2プレート間に取り付けてあることを特徴とした制振補強された壁フレーム。
- 壁フレームにおける左右の柱あるいは上下の横架材にそれぞれ固定した伝達部材と、これら伝達部材の表裏両面にこれらの先端部を表裏それぞれに請求項1に記載の制振部材で連結してあることを特徴とした制振補強された壁フレーム。
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