JP7300166B2 - 制振装置及び制振耐力壁 - Google Patents
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Description
そして、このような耐力壁に制振装置や制振部材を取り付けて地震等による揺れを軽減することが提案されている。
例えば、特許文献1(特開2009-24435号公報)には、左右の柱と土台及び梁とで構成される壁フレームに制振装置を取り付けた構造であって、制振装置は、木材板から切出した長方形の伝達板とダンパーを備え、伝達板を左右の柱にそれぞれ長方形の長辺で固定すると共に、左右の伝達板間をダンパーで結合し、ダンパーは、2枚の平板間に粘弾性材を充填して接着した構造である制振補強された壁フレーム構造が開示されている。
また、特許文献2(特開2009-46923号公報)には、左右の柱あるいは上下の横架材にそれぞれ固定した第1、第2の伝達部材と、これら伝達部材の先端部を制振部材で連結した制振補強された壁フレームであって、制振部材は、第1の伝達部材に固定される第1プレートと第2の伝達部材に固定される第2プレート及びこれらの平面間に接着された粘弾性材を備え、第1プレートは平坦な部材であり、第2プレートは横断方向の段差部で連続した段差のある部材であり、第1プレートの取付け部と第2プレートの取付け部とを面一に配置してある壁フレームが開示されている。
特許文献1や特許文献2の壁フレームにおいては、図10に示すように、基礎101に土台102が載置され、土台102に柱103、104が立設され、柱103、104の上端に梁105が架設され、土台102はアンカーボルト(図示せず)で基礎101に固定され、左右の柱103、104の柱脚と柱頭は土台102と梁105に対してほぞを形成して接合されると共に、土台102に対して左右の柱103、104の柱脚はホールダウン金物(図示せず)によって緊結されている。
そして、左右の柱103、104と上下の土台102及び梁105とで壁フレーム113が構成され、壁フレーム113には、制振装置114が取り付けられている。
制振装置114は、左右の柱103、104に取り付けられた伝達板115、115と、伝達板115、115に結合されたダンパー116、116から構成されている。
ダンパー116は、金属プレート119、120を前後に重ねその間に粘弾性部材150を充填して接着したものである。
また、ダンパー116の伝達板115への固定は、ダンパー116を伝達板115の正面(又は背面)に重ね、ラグスクリュー135をダンパー116に設けられた穴に挿通して伝達板115にねじ込むことにより行われる。
そして、伝達板115の厚さは、柱103、104の横断面となる正方形の一辺の長さの3分の1以下であり(一般的に柱の横断面となる正方形の一辺の長さは90mmである)、ラグスクリュー135の伝達板115へのねじ込み長さも短く、ダンパー116を伝達板115に強固に固定することができない。
このため、地震等により壁フレーム113が激しくれて大きく変形した場合、ダンパー116と伝達板115との間に大きなせん断力等が作用して、ダンパー116と伝達板115の固定部分(グスクリュー135で固定された部分)が損傷等し、壁フレーム113の耐力壁としての機能が低下するという問題がある。
その上、ダンパー116においては、右側の伝達板115に固定された金属プレート119と、左側の伝達板115に固定された金属プレート120とが、接着材で接着された粘弾性部材150により接合されているが、地震等により壁フレーム113が激しく揺れて大きく変形した場合、金属プレート119と金属プレート120を引き剥がそうとする力が作用して、金属プレート119と金属プレート120が粘弾性部材150の部分で剥がれ、ダンパー116がダンパーとして機能しなくなるという問題がある。
さらに、伝達板115の柱103、104への固定には、補助桟や連結金物が使用され(図14、15では連結金物121、122、123を使用した場合を示している)、補助桟や連結金物を取り付けるのに手間がかかるのみならず、伝達板115に厚みがないことから、地震等により壁フレーム113が激しくれて大きく変形した場合、伝達板115と補助桟や連結金物のとの結合部分(ネジ等により結合されている部分)が損傷等し、壁フレーム113の耐力壁としての機能が低下するという問題がある。
図1は、本発明の実施形態の制振耐力壁の骨組みの構成を示す斜視図、図2は、図1に示す制振耐力壁(骨組み)の正面図、であり、図中、1は制振耐力壁(骨組み)、2は第1の柱、2Rは右側面、3は第2の柱、3Lは左側面、4は梁、5は土台、6は第1面材、7は第2面材、6R、7Rは右側面、6L、7Lは左側面、10は制振装置、21a~21d、22a~22d、23a~23d、24a~24dは長尺ボルト、31a~31d、32a~32d、33a~33d、34a~34dはナット、41a~41c、42a~42cは第1ブロック、43a~43c、44a~44cは第2ブロックである。
制振耐力壁1の骨組みは、第1の柱2、第2の柱3、梁4、土台5、第1面材6、第2面材7から構成され、各部材は、木製の材料、例えば、ヒノキ(桧)、ヒバ(桧葉)、スギ(杉)等の木材が使用される。
この制振耐力壁1においては、水平方向(左右方向)に配置されて上下に位置する梁4と土台5の間の左側に第1の柱2が組み付けられ、右側に第2の柱3が組み付けられて矩形の枠が形成されている。
この場合、第1の柱2、第2の柱3と土台5の結合部分には、柱脚金物(ホールダウン)と取り付けて補強してもよく、第1の柱2、第2の柱3と梁4の結合部分には、柱頭金物(ホールダウン)と取り付けて補強してもとよい。
第1の柱2の右側には、第1の柱2の右側面2Rと第1面材6の左側面6Lが当接した状態で、第1ブロック41a~41c、42a~42cが嵌め込まれ、第1面材6が長尺ボルト21a~21d、22a~22dとナット31a~31d、32a~32dによって固定されている。
また、第2の柱3の左側には、第2の柱3の左側面2Lと第2面材7の右側面7Rが当接した状態で、第2ブロック43a~43c、44a~44cが嵌め込まれ、第2面材7が、第1面材6と向き合うようにして、長尺ボルト23a~23d、24a~24dとナット33a~33d、34a~34dによって固定されている(詳細は後述する)。
本実施形態では、第1の柱2と第2の柱3の横断面は一辺の長さが105mmの正方形であり、第1面材6と第2面材7の厚み(前後方向の長さ)は、第1の柱2等の横断面の一辺の長さと同じ105mmである。
そして、第1面材6の右側面6Rと第2面材7の左側面7Lは、制振装置10によって連結され、第1面材6、第2面材7及び制振装置10により、制振耐力壁が形成される。
図3は、制振装置10の拡大斜視図、図4(a)~(d)は、図3に示す制振装置10の六面図(一部を省略)であり、図4(a)は平面図、図4(b)は左側面図、図4(ca)は正面図、図4(d)は右側面図、図5は、図3に示す制振装置10の分解斜視図である。
図中、11、12は第1L型プレート、11a、12aは底板、11b、12bは起立板、11h、12hは挿通孔、13、14は第2L型プレート、13a、14aは底板、13b、14bは起立板、13h、14hは挿通孔、13d、14dはボルト孔、15は中間プレート、15dはボルト孔、16、17は減衰部材、18はボルト、19はナットである。
制振装置10は、一対の第1L型プレート11、12と、一対の第2L型プレート13、14と、中間プレート15と、減衰部材16、17等から構成される。
第1L型プレート11、12は、底板11a、12aと底板11a、12aに垂直な起立板11b、12bからなるL字形状の金属板であり、底板11a、12aには多数の挿通孔11h、12hが設けられている。
第2L型プレート13、14は、底板13a、14aと底板13a、14aに垂直な起立板13b、14bからなるL字形状の金属板であり、底板13a、14aには多数の挿通孔13h、14hが設けられ、起立板13b、14bには、複数のボルト孔13d、14dが設けられている(図5参照)。
中間プレート15は、金属製の平板であり、右端側には複数のボルト孔15dが設けられている(図5参照)。
減衰部材16、17は、粘弾性体または摩擦材からなる平板である。
粘弾性体としては、高減衰ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム等が挙げられ、摩擦材としては、焼結合金、アラミド繊維や無機繊維を使ったノンアスベスト摩擦材、炭素繊維強化材料等が挙げられる。
減衰部材16、17が粘弾性体の場合、第1L型プレート11の起立板11bと中間プレート15との間に、減衰部材(粘弾性体)16が挟み込まれて溶着または接着剤等で起立板11bと中間プレート15の両方に固定され、第1L型プレート12の起立板12bと中間プレート15との間に、減衰部材(粘弾性体)17が挟み込まれて溶着または接着剤等で起立板12bと中間プレート15の両方に固定される。
また、減衰部材16、17が摩擦材の場合、第1L型プレート11の起立板11bと中間プレート15との間に、減衰部材(摩擦材)16が挟み込まれて起立板11bのみにネジまたは接着剤等で固定され、第1L型プレート12の起立板12bと中間プレート15との間に、減衰部材(摩擦材)17が挟み込まれて起立板12bのみにネジまたは接着剤等で固定され、起立板11bと起立板12bが一定の力(トリク)で締め付けられる。
この減衰部材16、17は、地震等により制振耐力壁1が激しく揺れた際に、揺れを低減するダンパーとして機能するものである。
また、第2L型プレート13の起立板13bと第2L型プレート14の起立板14bとの間に、中間プレート15の右端側が挟み込まれ、ボルト孔13d、14d、15dにボルト18が挿通され、ボルト18にナット19が螺合され、これにより起立板13bと起立板14bとの間に中間プレート15の右端側が挟持固定される。
図中、10’は制振装置、11’、12’は第1L型プレート、11’a、12’aは底板、11’b、12’bは起立板、11’c、12’cは延設板、11’d、12’dはボルト、11’e、12’eはナット、11’h、12’hは挿通孔、15’は中間プレート、16’、17’は減衰部材であり、制振装置10を構成する部材と同じ部材には同一の符号を付す。
制振装置10’は、一対の第1L型プレート11’、12’と、一対の第2L型プレート13、14と、中間プレート15’と、減衰部材16’、17’等から構成される。
第1L型プレート11’、12’は、底板11’a、12’aと底板11’a、12’aに垂直な起立板11’b、12’bからなるL字形状の金属板と、延設板11’c、12’cからなり、起立板11’b、12’bと延設板11’c、12’cは、多数のボルト11’d、12’dとナット11’e、12’eで連結され、底板11’a、12’aには多数の挿通孔11’h、12’hが設けられている。
すなわち、第1L型プレート11’、12’は、制振装置10の 第1L型プレート11、12と同じL型プレートであるが、起立板11’b、12’bが起立板11b、12bより短く、起立板11’b、12’bに延設板11’c、12’cが連結されている点で、底板11a、12aと長い起立板11b、12bのみからなる第1L型プレート11、12とは異なっている。
そして、制振装置10’においては、第1L型プレート11’(12’)の延設板11’c(12’c)と中間プレート15’との間に、減衰部材16’(17’)が挟み込まれ、減衰部材16’(17’)が粘弾性体の場合は、溶着または接着剤等で延長板11’c(12’c)と中間プレート15’の両方に減衰部材16’(17’)が固定され、減衰部材16’(17’)が摩擦材の場合は、延設板11’c(12’c)のみに減衰部材16’(17’)が固定される。
なお、制振装置10’の第2L型プレート13、14は、制振装置10の第2L型プレート13、14と同じ構成・大きさであり、制振装置10’の中間プレート15’、減衰部材16’、17’は、制振装置10の中間プレート15、減衰部材16、17と比べて、左右方向の長さが少し短い点を除いて構成・大きさは同じである。
図8は、制振装置10が第1面材6と第2面材7を連結した状態における制振装置10の近傍の平面図、図9は、第1面材6から制振装置10を分離した状態の斜視図(第2面材7は省略)であり、図中、6h1、6h2は下穴、50は木ネジである。
第1L型プレート11の底板11aの多数の挿通孔11hに木ネジ50を挿通し、第1面材6の右側面6R設けられた下穴6h1に木ネジ50をねじ込むことにより、第1L型プレート11の底板11aが第1面材6の右側面6Rに固定される。
同様に、第1L型プレート12の底板12aの多数の挿通孔12hに木ネジ50を挿通し、第1面材6の右側面6R設けられた下穴6h2に木ネジ50をねじ込むことにより、第1L型プレート11の底板12aが第1面材6の右側面6Rに固定される。
そして、一対の第1L型プレート11、12と木ネジ50により、本発明の第1固定部が構成される。
また、第2L型プレート13の底板13aの多数の挿通孔13hに木ネジ50を挿通し、第2面材7の左側面7L設けられた下穴に木ネジ50をねじ込むことにより、第2L型プレート13の底板13aが第2面材7の左側面7Lに固定される。
同様に、第2L型プレート14の底板14aの多数の挿通孔14hに木ネジ50を挿通し、第2面材7の左側面7L設けられた下穴に木ネジ50をねじ込むことにより、第2L型プレート14の底板14aが第2面材7の左側面7Lに固定される。
そして、一対の第2L型プレート13、14、中間プレート15と木ネジ50により、本発明の第2固定部が構成される。
また、制振装置10’の第1L型プレート11’、 12’も、制振装置10の第1L型プレート11、12と同様にして、第1面材6に固定される。
すなわち、第1L型プレート11’ 、 12’の底板11’a、12’aの多数の挿通孔11’h、12’hに木ネジ50を挿通し、第1面材6の右側面6R設けられた下穴6h1、6h2に木ネジ50をねじ込むことにより、第1L型プレート11’、12’の底板11’a、12’aが第1面材6の右側面6Rに固定される。
まず、第1面材6と第2面材7の厚さ(前後方向の長さ)を大きくすることができ(本実施形態では、第1面材6、第2面材7の厚さと第1の柱2、第2の柱3の横断面の一辺の長さは同じである)、第1面材6と第2面材7の強度を向上させ、制振耐力壁1の強度を向上させることができる。
次に、第1面材6、第2面材7の左右方向に木ネジ50をねじ込んで第1L型プレート11、12(11’、 12’)と第2L型プレート13、14を固定することから、木ネジ50を長くして(本実施形態では木ネジの長さは50~150mmである)、第1面材6と第2面材7に木ネジ50を深くねじ込んで、制振装置10(10’)を第1面材6と第2面材7に強固に固定することができ、地震等により制振耐力壁1が大きく変形した場合であっても、制振装置10(10’)と第1面材6、第2面材7の固定部分(木ネジ50で固定している部分)の損傷を抑制することができる。
さらに、左側の第1面材6に固定された一対の第1L型プレート11、12(11’、 12’)と、右側の第2面材7に第2L型プレート13、14を介して固定された中間プレート15(15’)との間に減衰部材(粘弾性体)16、17(16’、17’)が挟持固定されていることから、地震等により第1面材6と第2面材7が前後方向に揺れても、減衰部材(粘弾性体)16、17(16’、17’)が第1L型プレート11、12(11’、12’)や中間プレート15(15’)から剥がれにくい。
図10は、第2の柱3と第2面材7を分離した状態の上部の斜視図、図11は第2の柱3と第2面材7を固定した状態の上部の縦断面図であり、図中、3h1a~3h1d、7h1a~7h1dは貫通孔、3k1a~3k1c、7k1a~7k1cは切欠きである。
図10に示すように、第2の柱3の上部には左右方向に貫通する貫通孔3h1a~3h1d設けられ、第2面材7の上部には左右方向に貫通する貫通孔7h1a~7h1dが設けられている。
また、第2の柱3の左側面3Lの上部には、第2ブロック43a~43cの右側部分が嵌合する切欠き3k1a~3k1cが設けられ、第2面材7の右側面7Rの上部には、第2ブロック43a~43cの左側部分が嵌合する切欠き7k1a~7k1cが設けられている。
そして、第2面材7の右側面7Rを第2の柱3の左側面3Lに当接させて、長尺ボルト23a~23dを貫通孔3h1a~3h1dと貫通孔7h1a~7h1dに挿通し、ナット33a~33dを螺合させて締め付け、第2ブロック43a~43cを切欠き3k1a~3k1と切欠き7k1a~7k1cで形成される直方体形状の穴に嵌め込むことにより、図11に示すように、第2ブロック43a~43cを嵌め込んだ状態で、第2の柱3の上部に第2面材7の上部が固定される。
この場合、第2の柱3と第2面材7の下部においては、長尺ボルト24a~24dを、第2の柱3と第2面材7の下部に設けられた貫通孔に挿通し、ナット34a~34dを螺合させて締め付け、第2の柱3の左側面3Lと第2面材7の右側面7Rに設けられた切欠きで形成される直方体形状の穴に第2ブロック44a~44cを嵌め込むことにより、第2ブロック44a~44cを嵌め込んだ状態で、第2の柱3の下部に第2面材7の下部が固定される。
同様にして、第1面材6の左側面6Lを第1の柱2の右側面2Rに当接させて、第1のその上部において、長尺ボルト21a~21dを、第1の柱2と第1面材6の上部に設けられた貫通孔に挿通し、ナット31a~31dを螺合させて締め付け、第1の柱2の右側面2Rと第1面材6の左側面6Lに設けられた切欠きで形成される直方体形状の穴に第1ブロック41a~41cを嵌め込むことにより、第1ブロック41a~41cを嵌め込んだ状態で、第1の柱2の上部に第1面材6の上部が固定される。
この場合、第1の柱2と第1面材6の下部においては、長尺ボルト22a~22dを、第1の柱2と第1面材6の下部に設けられた貫通孔に挿通し、ナット32a~32dを螺合させて締め付け、第1の柱2の右側面2Rと第1面材6の左側面6Lに設けられた切欠きで形成される直方体形状の穴に第1ブロック42a~42cを嵌め込むことにより、第1ブロック42a~42cを嵌め込んだ状態で、第1の柱2の下部に第1面材6の下部が固定される。
第1ブロック41a~41c、42a~42c、第2ブロック43a~43c、44a~44cは、第1の柱2、第2の柱3や第1面材6、第2面材7より変形しにくく強度のある材料、例えば、鉄、アルミ等の金属、硬質プラスチックからなる直方体のブロックである。
図中、3h2a~3h2c、7h2a~7h2cは下穴、3h3a、3h3b、7h3a、7h3bはピン穴、61a~61h、62a~62は長尺ネジ(木ネジ)、71a~71gは第1ピン、71a~72gは第2ピンである。
図13に示すように、第2の柱3の上部には左右方向に貫通する下穴3h2a~3h2cとピン穴3h3a、3h3bが交互に設けられ、この下穴とピン穴は、第2の柱3の全体に渡って上下方向に設けられ、合計8個の下穴と7個のピン穴が設けられている。
また、第2面材7の右側面7Rの上部には、下穴7h2a~7h2cとピン穴7h3a、7h3bが交互に設けられ、この下穴とピン穴は、第2面材7の右側面7Rの全体に渡って上下方向に設けられ、合計8個の下穴と7個のピン穴が設けられている。
第1の柱2にも、第2の柱3と同様に、左右方向に貫通する8個の下穴と7個のピン穴が第1の柱2の全体に渡って上下方向に設けられている。
第1面材6の左側面6Lにも、第2面材7の右側面7Rと同様に、上下方向に8個の下穴と7個のピン穴が設けられている。
そして、第2面材7の右側面7Rを第2の柱3の左側面3Lに当接させて、木ネジである長尺ネジ62a~62hを下穴3h2a~3h2c等と下穴7h2a~7h2c等にねじ込み、第2ピン72a~72gをピン穴3h3a、3h3b等とピン穴7h3a、7h3b等が連結したピン穴に嵌め込むことにより、第2ピン72a~72gを第2の柱3と第2面材7に嵌め込んだ状態で、第2の柱3に第2面材7が固定される(図14参照)。
また、第1面材6の左側面6Lを第1の柱2の右側面2Rに当接させて、木ネジである長尺ネジ61a~61hを、第1の柱2と第1面材6に設けられた下穴にねじ込み、第1ピン71a~71gを第1の柱2と第1面材6に設けられたピン穴に嵌め込むことにより、第1ピン71a~71gを第1の柱2と第1面材6に嵌め込んだ状態で、第1の柱2に第1面材6が固定される(図14参照)。
同様に、第2面材7の厚さ(前後方向の長さ)が大きいことから、補助桟や連結金物等の補強部材を使用することなく、第2面材7の右側面7Rを第2の柱3の左側面3Lに当接させて、長尺ボルト23a~23d、24a~24dとナット33a~33d、34a~34dにより、あるいは、長尺ネジ62a~62hにより、第2面材7を第2の柱3に強固に固定することできる。
そして、第1ブロック41a~41c、42a~42c、あるいは、第1ピン71a~71gを第1の柱2と第1面材6に跨って嵌め込み、第2ブロック43a~43c、44a~44c、あるいは、第2ピン72a~72gを第2の柱3と第2面材7に跨って嵌め込むことにより、地震等により、制振耐力壁1が変形した際に、第1の柱2と第1面材6が上下方向にずれたり、第2の柱3と第2面材7が上下方向にずれたりするのを軽減し、第1の柱2と第1面材6の固定部分(長尺ボルト21a~21d、22a~22dとナット31a~31d、32a~32d、あるいは、長尺ネジ61a~61hで固定されている部分)や第2の柱3と第2面材7の固定部分(長尺ボルト23a~23d、24a~24dとナット33a~33d、34a~34d、あるいは、長尺ネジ62a~62hで固定されている部分)の損傷を防ぐことができる。
2 第1の柱
2R 右側面
3 第2の柱
3h1a~3h1d 貫通孔
3h2a~3h2c 下穴
3h3a、3h3b ピン穴
3k1a~3k1c 切欠き
3L 左側面
4 梁
5 土台
6 第1面材
6h1、6h2 下穴、
6R 右側面
6L 左側面
7 第2面材
7h1a~7h1d 貫通孔
7h2a~7h2c 下穴
7h3a、7h3b ピン穴
7k1a~7k1c 切欠き
7R 右側面
7L 左側面
10、10’ 制振装置
11、12、11’、12’ 第1L型プレート
11a、12a、11’a、12’a 底板
11b、12b、11’b、12’b 起立板
11’c、12’c 延設板
11’d、12’d ボルト
11’e、12’e ナット
11h、12h、11’h、12’h 挿通孔
13、14 第2L型プレート
13a、14a 底板
13b、14b 起立板
13d、14d ボルト孔
13h、14h 挿通孔
15、15’ 中間プレート
15d ボルト孔
16、17、16’、17’ 減衰部材
18 ボルト
19 ナット
21a~21d、22a~22d、23a~23d、24a~24d 長尺ボルト
31a~31d、32a~32d、33a~33d、34a~34d ナット
41a~41c、42a~42c 第1ブロック
43a~43c、44a~44c 第2ブロック
50 木ネジ
61a~61h、62a~62 長尺ネジ(木ネジ)
71a~71g 第1ピン
71a~72g 第2ピン
Claims (10)
- 第1の柱の右側に固定された第1面材と、前記第1面材と向き合うように第2の柱の左側に固定された第2面材とを連結する制振装置であって、
前記第1面材の右側面に固定された第1固定部と、
前記第2面材の左側面に固定された第2固定部と
を備え、
前記第1固定部と前記第2固定部の各々は、前記第1面材の厚さ方向において互いに向き合うプレートを備え、
前記第1固定部の前記プレートと前記第2固定部の前記プレートは前記第1面材の厚さ方向において減衰部材により結合されていることを特徴とする制振装置。 - 前記第1固定部は、前記第1面材の右側面に固定された一対の第1L型プレートを備え、
前記第2固定部は、前記第2面材の左側面に固定された一対の第2L型プレートと、該一対の第2L型プレートに挟持固定された中間プレートを備え、
前記中間プレートは、前記一対の第1L型プレートの間に配置されて、前記減衰部材により前記一対の第1L型プレートに結合されていることを特徴とする請求項1記載の制振装置。 - 前記減衰部材は、粘弾性体又は摩擦材であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制振装置。
- 第1の柱と、該第1の柱の右側に隣り合う第2の柱と、前記第1の柱の右側に固定された第1面材と、前記第1面材と向き合うように前記第2の柱の左側に固定された第2面材と、前記第1面材と前記第2面材とを連結する制振装置を備えた制振耐力壁であって、
前記制振装置は、
前記第1面材の右側面に固定された第1固定部と、
前記第2面材の左側面に固定された第2固定部と
を備え、
前記第1固定部と前記第2固定部の各々は、前記第1面材の厚さ方向において互いに向き合うプレートを備え、
前記第1固定部の前記プレートと前記第2固定部の前記プレートは前記第1面材の厚さ方向において減衰部材により結合されていることを特徴とする制振耐力壁。 - 前記第1固定部は、前記第1面材の右側面に固定された一対の第1L型プレートとを備え、
前記第2固定部は、前記第2面材の左側面に固定された一対の第2L型プレートと、該一対の第2L型プレートに挟持固定された中間プレートを備え、
前記中間プレートは、前記一対の第1L型プレートの間に配置されて、前記減衰部材により前記一対の第1L型プレートに結合されていることを特徴とする請求項4記載の制振耐力壁。 - 前記減衰部材は、粘弾性体又は摩擦材であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の制振耐力壁。
- 前記第1の柱と前記第1面材は、前記第1の柱の右側面と前記第1面材の左側面が当接した状態で前記第1の柱と前記第1面材に跨って挿通された第1面材側長尺ボルトと該第1面材側長尺ボルトに螺合するナットによって固定され、
前記第2の柱と前記第2面材は、前記第2の柱の左側面と前記第2面材の右側面が当接した状態で前記第2の柱と前記第2面材に跨って挿通された第2面材側長尺ボルトと該第2面材側長尺ボルトに螺合するナットによって固定されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載した制振耐力壁。 - 前記第1の柱の右側面と前記第1面材の左側面が当接する部分には、前記第1の柱と前記第1面材の両方に嵌合する第1ブロックが嵌め込まれ、
前記第2の柱の左側面と前記第2面材の右側面が当接する部分には、前記第2の柱と前記第2面材の両方に嵌合する第2ブロックが嵌め込まれていることを特徴とする請求項7記載の制振耐力壁。 - 前記第1の柱と前記第1面材は、前記第1の柱の右側面と前記第1面材の左側面が当接した状態で前記第1の柱と前記第1面材に跨ってねじ込まれた第1面材側長尺ネジによって固定され、
前記第2の柱と前記第2面材は、前記第2の柱の左側面と前記第2面材の右側面が当接した状態で前記第2の柱と前記第2面材に跨ってねじ込まれた第2面材側長尺ネジによって固定されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載した制振耐力壁。 - 前記第1の柱の右側面と前記第1面材の左側面が当接する部分には、前記第1の柱と前記第1面材の両方に嵌合する第1ピンが嵌め込まれ、
前記第2の柱の左側面と前記第2面材の右側面が当接する部分には、前記第2の柱と前記第2面材の両方に嵌合する第2ピンが嵌め込まれていることを特徴とする請求項9記載の制振耐力壁。
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