JP2015221976A - 建物用の制振装置 - Google Patents

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中 山田
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Abstract

【課題】 建物内にコンパクトに設置され、かつ一定の減衰力を安定的に確保できる建物用の制振装置を提供すること。【解決手段】 建物用の制振装置10において、支持フレーム20とダンパ30とを有して構成され、支持フレーム20の脚部が下部構造体(床梁102)に設けた取付手段40(50)に固定され、ダンパ30の一端部が上部構造体(天井梁103)にピン結合されるとともに、ダンパ30の他端部が支持フレーム20の頂部にピン結合され、支持フレーム20の頂部に振れ止め部70が設けられるとともに、ダンパ30の制振方向に沿って延在する振れ止めガイド71、71が上部構造体(天井梁103)に設けられ、振れ止め部70は振れ止めガイド71、71によってダンパ30の制振方向に交差する方向への振れが防止されるもの。【選択図】 図1

Description

本発明は建物用の制振装置に関する。
従来、木造建物用の制振装置として、特許文献1に記載の如く、柱と梁の接合部に設置される方杖として、ダンパを用いてなるものがある。地震時に、天井梁の水平方向移動に起因して柱と梁の接合部で生ずる大きな変形によってダンパを伸縮させ、これによって生ずるダンパの減衰力を建物に付与し、建物の骨組に入力する地震エネルギを減少させてその耐震性能を向上させようとするものである。
特開平9-279683号公報
特許文献1に記載の建物用の制振装置では、天井梁の水平方向移動量の方杖方向成分が、該天井梁の水平方向移動量よりも減縮される。このため、方杖型ダンパの伸縮量は天井梁の水平方向移動力に比して減縮され、結果として、ダンパが発生する減衰力はその伸縮量の減縮分に応じて低減するものになる。
従って、建物に付与すべき減衰力を確保するために、ダンパの容量を大型化する必要を生じる一方において、そのような大型ダンパを柱の断面サイズ(幅寸法)によって定まる壁内の狭小スペースに設置することの困難を招来する。
本発明の課題は、建物内にコンパクトに設置され、かつ一定の減衰力を安定的に確保できる建物用の制振装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、下部構造体と上部構造体の間に複数の柱を立設し、各柱の下端部と上端部のそれぞれが下部構造体と上部構造体のそれぞれに接合されてなる建物用の制振装置において、支持フレームとダンパとを有して構成され、支持フレームの脚部が下部構造体に設けた取付手段に固定され、ダンパの一端部が上部構造体にピン結合されるとともに、ダンパの他端部が支持フレームの頂部にピン結合され、支持フレームの頂部に振れ止め部が設けられるとともに、ダンパの制振方向に沿って延在する振れ止めガイドが上部構造体に設けられ、振れ止め部は振れ止めガイドによってダンパの制振方向に交差する方向への振れが防止されるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記支持フレームが2本の縦材を有し、2本の縦材は互いに斜交し、それらの上端部を互いに接合し、それらの下端部を互いに離隔してなり、支持フレームは、2本の縦材の互いに接合された上端部同士で前記頂部を形成し、2本の縦材の互いに離隔された各下端部のそれぞれを2つの前記脚部とするようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記支持フレームの脚部が2本の互いに平行をなす第1と第2のボルトにより下部構造体に設けた取付手段に固定され、第1のボルトは下部構造体に設けた取付手段が備える丸孔に挿通され、第2のボルトは、下部構造体に設けた取付手段が備える、上記丸孔の孔軸を中心とする円弧に沿う円弧状長孔に挿通されるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明において更に、前記支持フレームの脚部を固定する取付手段が、建物の床梁に設けられるとともに、建物の基礎に支持され、これらの床梁及び基礎が下部構造体とされてなるようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに係る発明において更に、前記下部構造体と上部構造体と柱が木質材からなるようにしたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の建物用の制振装置が適用されてなる建物である。
(請求項1)
(a)ダンパの一端部が上部構造体にピン結合されるとともに、ダンパの他端部が支持フレームの頂部にピン結合される。このとき、支持フレームは、その脚部を下部構造体に設けた取付手段に固定され、ダンパが上部構造体に及ぼす減衰力の反力を安定的に支持する。従って、ダンパは上部構造体に対して概ね平行をなすように容易に水平配置することができ、上部構造体の下部構造体に対する水平方向移動力が減縮されずに、概ねそのままダンパに伝達される。ダンパは上部構造体の上記水平方向移動量に見合う伸縮量で伸縮し、一定の容量で一定の減衰力を安定的に発生するものになる。
(b)支持フレームの頂部に設けた振れ止め部が、上部構造体に設けた振れ止めガイドによってガイドされる。従って、支持フレームは、その脚部を下部構造体に固定され、その頂部を上部構造体に設けた振れ止めガイドにガイドされ、結果として、ダンパの減衰力の反力が作用するときにも横振れせずに、下部構造体と上部構造体が柱とともに形成する壁枠の面内に維持される。これにより、上部構造体と支持フレームの頂部のそれぞれにピン結合されたダンパは、支持フレームとともに建物の上記壁枠内にコンパクトに設置され、かつ減衰力の発生方向を上部構造体の移動方向を含む面内に設定され、建物の揺れを安定的に制振するものになる。
(請求項2)
(c)支持フレームが2本の縦材からなる。ダンパの収縮時には、ダンパが発生する伸側減衰力の反力に対し、一方の縦材が圧縮軸力を負担し、他方の縦材が引張軸力を負担する。ダンパの伸長時には、ダンパが発生する縮側減衰力の反力に対し、一方の縦材が引張軸力を負担し、他方の縦材が圧縮軸力を負担する。これにより、支持フレームは、簡易な構造により、ダンパが発生する減衰力の反力を安定的に支持するものになる。
(請求項3)
(d)支持フレームの脚部が2本の第1と第2のボルトにより下部構造体に設けた取付手段に固定される。これにより、下部構造体と上部構造体が柱とともに形成する壁枠の面内の狭小スペースに配置される支持フレームの脚部、下部構造体に設けた取付手段、脚部と取付手段の固定手段(ボルト)の各サイズ(例えば脚部や取付手段を構成する鋼板の板厚、ボルト径等)を、当該狭小スペースに適合し得る小サイズに設定しながら、それらのボルトによる脚部と取付手段の固定部に必要とされる固定強度(摩擦接合力)を確保できる。また、ダンパが発生する減衰力の反力によって支持フレームに例えば前述(c)の如くの軸力が生じたとき、上記ボルトによる脚部と取付手段の固定部における軸力の負担を軽減できる。
尚、第2のボルトが挿通される孔を、取付手段に備えた円弧状長孔とした。これにより、支持フレームや取付手段の加工精度、組立精度の誤差を円弧状長孔の長孔範囲内で吸収できる。また、建物の柱高さや柱間隔の変更等に応じて異なる形状の支持フレームを採用するとき、それらの各支持フレームの脚部を同一の取付手段に固定でき、同一の取付手段を異なる支持フレームに対して兼用できる。
(請求項4)
(e)支持フレームの脚部を固定する取付手段が、建物の床梁に設けられるとともに、建物の基礎に支持され、これらの床梁及び基礎が下部構造体とされる。ダンパが上部構造体に及ぼす減衰力の反力を、支持フレーム及び下部構造体を介して、建物の基礎に安定的に支持できる。ダンパが上部構造体に及ぼす減衰力を一層安定的に確保できる。
(請求項5)
(f)下部構造体と上部構造体と柱が木質材からなる。鉄筋コンクリート造建物等に比して、柱と下部構造体と上部構造体との接合部が剛接合にならず、地震時等に大きな変形を生ずる木造建物において、上述(a)〜(e)の減衰性能を付加し、その耐震性能を向上できる。
(請求項6)
(g)建物において、上述(a)〜(f)の減衰性能を付加し、その耐震性能を向上できる。木造建物に限らず、鉄骨建物にも適用できる。
図1は建物用の制振装置の一例を示す正面図である。 図2は支持フレームの頂部とダンパの結合構造を示す要部断面図である。 図3は支持フレームの脚部の固定構造を示す要部断面図である。 図4は取付手段を示す斜視図である。 図5は支持フレームの中間部に対する振れ止め構造を示す斜視図である。
図1は、木造建物100の要部を取り出して示したものであり、基礎101の上に水平状に設置された床梁102と、床梁102に対して平行をなす天井梁103を有し、床梁102と天井梁103の間に2本の柱104、105を鉛直状に立設したものである。このとき、床梁102、天井梁103、及び各柱104、105は木質材からなり、各柱104、105の下端部と上端部のそれぞれに設けられたほぞが、床梁102と天井梁103のそれぞれに設けたほぞ穴に接合される。また、基礎101に植設したアンカーボルト106が床梁102を貫通し、該床梁102を基礎101に固定している。本実施例では、基礎101と床梁102が下部構造体を構成し、天井梁103が上部構造体を構成する。
尚、各柱104、105の下端部は、各ホールダウン金物107により床梁102に接合される。各ホールダウン金物107は、各柱104、105の下端側の側面に固定される固定具107Aと、床梁102と固定具107Aとに係着される引き寄せボルト107Bとからなる。各柱104、105の上端部は、各ホールダウン金物108により天井梁103に接合される。各ホールダウン金物108は、各柱104、105の上端側の側面に固定される固定具108Aと、天井梁103と固定具108Aとに係着される引き寄せボルト108Bとからなる。
建物100は、床梁102と天井梁103と各柱104、105が区画する矩形状の壁枠109内に制振装置10を設置している。制振装置10は、壁枠109の両側のそれぞれに固定される両側の壁面材により挟まれる壁内スペースに納められるものになる。制振装置10は、支持フレーム20とダンパ30とを有して構成される。
支持フレーム20は、2本の縦材21、22を有し、縦材21は柱104、105に概ね沿う概ね鉛直状をなし、縦材22は傾斜状をなす。即ち、2本の縦材21、22は互いに斜交し、それらの縦材21、22の上端部に上端部材21U、22Uをねじ連結して備える。そして、縦材22の上端部材22Uに溶接されて1組をなす2枚の接合板23、23が形成するサンドイッチ空間に縦材21の上端部材21Uを挟み込み、図2に示す如く、それらの接合板23、23と上端部材21Uとを2本のボルト(及びナット)23A、23Bにより締結することにより、それらの縦材21、22の上端部を互いに接合している。また、2本の縦材21、22の下端部に下端部材21D、22Dをねじ連結して備え、それらの縦材21、22の下端部を互いに離隔している。縦材21の下端部材21Dは1組をなす2枚の接合板24、24からなり、縦材22の下端部材22Dは1組をなす2枚の接合板25、25からなる。
支持フレーム20は、2本の縦材21、22の各中間部同士を連結する1本(又は相並ぶ2本以上)の連結ロッド26を備え、そのフレーム強度を補強している。
支持フレーム20は、図2に示す如く、2本の縦材21、22の互いに接合された上端部同士で頂部を形成し、本実施例では接合板23、23を介して縦材22の上端部材22Uと接合された縦材21の上端部材21Uによりその頂部21Kを形成している。また、支持フレーム20は、図3に示す如く、2本の縦材21、22の互いに離隔された各下端部のそれぞれを2つの脚部とし、本実施例ではそれらの下端部材21D、22Dのそれぞれを脚部21L、22Lとしている。
支持フレーム20の一方の脚部21L(縦材21の下端部材21D)は下部構造体たる基礎101、床梁102に設けた取付手段40に固定される。取付手段40は、図4に示す如く、L字状ブラケット41と、L字状ブラケット41の水平板41Aと鉛直板41Bに直交するように溶接された取付板42からなる。L字状ブラケット41の水平板41Aは止ねじによって床梁102の上面に取着されるとともに、前述のアンカーボルト106によって床梁102の上面に締結される。41Hは水平板41Aに設けたアンカーボルト106の挿通孔である。また、L字状ブラケット41の鉛直板41Bは止ねじによって柱104の下端側の側面に取着される。そして、支持フレーム20の脚部21L(下端部材21D)を構成する2枚の接合板24、24が形成するサンドイッチ空間に取付手段40の取付板42を挟み込み、図3に示す如く、2本の互いに平行をなす第1と第2のボルト(及びナット)24A、24Bによりそれらの接合板24、24と取付板42とを互いに摩擦接合する如くに締結し、脚部21Lがそれらのボルト24A、24Bにより取付手段40に固定される。このとき、第1のボルト24Aは、取付手段40の取付板42が備える丸孔42Aに挿通され、第2のボルト24Bは、取付手段40の取付板42が備える、上記丸孔42Aを中心とする円弧に沿う円弧状長孔42Bに挿通される。
支持フレーム20の他方の脚部22L(縦材22の下端部材22D)は下部構造体たる基礎101、床梁102に設けた取付手段50に固定される。取付手段50は、L字状ブラケット51と、L字状ブラケット51の水平板51Aと鉛直板51Bに直交するように溶接された取付板52からなる。L字状ブラケット51の水平板51Aは止ねじによって床梁102の上面に取着されるとともに、前述のアンカーボルト106によって床梁102の上面に締結される。また、L字状ブラケット51の鉛直板51Bは止ねじによって柱105の下端側の側面に取着される。そして、支持フレーム20の脚部22L(下端部材22D)を構成する2枚の接合板25、25が形成するサンドイッチ空間に、取付手段50の取付板52を挟み込み、2本の互いに平行をなす第1と第2のボルト(及びナット)25A、25Bによりそれらの接合板25、25と取付板52とを互いに摩擦接合する如くに締結し、脚部22Lがそれらのボルト25A、25Bにより取付手段50に固定される。このとき、第1のボルト25Aは、取付手段50の取付板52が備える丸孔52A(不図示)に挿通され、第2のボルト25Bは、取付手段50の取付板52が備える、上記丸孔52Aを中心とする円弧に沿う円弧状長孔52B(不図示)に挿通される。
ダンパ30は、一端部が上部構造体たる天井梁103に設けた取付手段60にピン結合されるとともに、他端部が支持フレーム20の頂部21K(縦材21の上端部材21U)にピン結合される。
取付手段60は、L字状ブラケット61と、L字状ブラケット61の水平板61Aと鉛直板61Bに直交するように溶接された取付板62からなる。L字状ブラケット61の水平板61Aは止ねじによって天井梁103の下面に取着され、鉛直板61Bは止ねじによって柱105の上端側の側面に取着される。
ダンパ30の一端部のクレビス31に挿通されて抜け止めされたピン32が、取付手段60の取付板62に内蔵されたピロー軸受33(不図示)に貫通されて支持される。ダンパ30の他端部のクレビス34に挿通されて抜け止めされたピン35が、支持フレーム20の頂部21K(縦材21の上端部材21U)に内蔵されたピロー軸受36に貫通されて支持される。このとき、ダンパ30は天井梁103に対して概ね平行をなすように水平配置される。
ダンパ30としては、上部構造体たる天井梁103が下部構造体たる床梁102に対する梁軸方向の相対変位(ダンパ30の制振方向)に対して減衰力を発生するものであれば、オイルダンパ、粘弾性ダンパ等のいかなるダンパでも採用できる。
支持フレーム20の頂部21K(縦材21の上端部材21U)の天井梁103に隙間を介して近接する最上端部自体が振れ止め部70とされる。上部構造体たる天井梁103の下面における幅方向両側のそれぞれには、左右一対をなし、ダンパ30の制振方向(天井梁103の長手方向)に沿って延在する振れ止めガイド71、71が設けられる。支持フレーム20の振れ止め部70は、図2に示す如く、左右一対の振れ止めガイド71、71に挟まれるガイド溝に挿入され、それらの振れ止めガイド71、71にスライド可能にガイドされることにより、ダンパ30の制振方向に交差する方向への振れが防止される。
本実施例では、相対する柱104、105の各中間部に接合された左右一対の振れ止めガイド81、81を有する。各振れ止めガイド81は、矩形枠状をなし、各柱104、105の対向面の幅方向両側のそれぞれに固定される。支持フレーム20の2本の縦材21、22の各中間部は、図5に示す如く、左右一対の振れ止めガイド81、81に挟まれるガイドスペースに挿入され、それらの振れ止めガイド81、82に挟まれることにより、ダンパ30の制振方向に交差する方向への振れが防止される。
制振装置10にあっては、地震、風力等によって建物100に揺れが生じ、天井梁103が床梁102に対して梁軸方向に相対移動したとき、床梁102の上に固定されて立設されている支持フレーム20と天井梁103の間に介装されたダンパ30が伸縮して減衰力を生じ、この減衰力が天井梁103の変位を抑え、建物100の揺れを低減する。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ダンパ30の一端部が上部構造体(天井梁103)にピン結合されるとともに、ダンパ30の他端部が支持フレーム20の頂部21Kにピン結合される。このとき、支持フレーム20は、その脚部21L、22Lを下部構造体(床梁102)に設けた取付手段40に固定され、ダンパ30が上部構造体(天井梁103)に及ぼす減衰力の反力を安定的に支持する。従って、ダンパ30は上部構造体(天井梁103)に対して概ね平行をなすように容易に水平配置することができ、上部構造体(天井梁103)の下部構造体(床梁102)に対する水平方向移動力が減縮されずに、概ねそのままダンパ30に伝達される。ダンパ30は上部構造体(天井梁103)の上記水平方向移動量に見合う伸縮量で伸縮し、一定の容量で一定の減衰力を安定的に発生するものになる。
(b)支持フレーム20の頂部21Kに設けた振れ止め部70が、上部構造体(天井梁103)に設けた振れ止めガイド71、71によってガイドされる。従って、支持フレーム20は、その脚部21L、22Lを下部構造体(床梁102)に固定され、その頂部21Kを上部構造体(天井梁103)に設けた振れ止めガイド71、71にガイドされ、結果として、ダンパ30の減衰力の反力が作用するときにも横振れせずに、下部構造体(床梁102)と上部構造体(天井梁103)が柱とともに形成する壁枠109の面内に維持される。これにより、上部構造体(天井梁103)と支持フレーム20の頂部21Kのそれぞれにピン結合されたダンパ30は、支持フレーム20とともに建物100の上記壁枠109内にコンパクトに設置され、かつ減衰力の発生方向を上部構造体(天井梁103)の移動方向を含む面内に設定され、建物100の揺れを安定的に制振するものになる。
(c)支持フレーム20が2本の縦材21、22からなる。ダンパ30の収縮時には、ダンパ30が発生する伸側減衰力の反力に対し、一方の縦材21が圧縮軸力を負担し、他方の縦材22が引張軸力を負担する。ダンパ30の伸長時には、ダンパ30が発生する縮側減衰力の反力に対し、一方の縦材21が引張軸力を負担し、他方の縦材22が圧縮軸力を負担する。これにより、支持フレーム20は、簡易な構造により、ダンパ30が発生する減衰力の反力を安定的に支持するものになる。
(d)支持フレーム20の脚部21L、22Lが2本の第1と第2のボルト24A、24B(又は25A、25B)により下部構造体(床梁102)に設けた取付手段40に固定される。これにより、下部構造体(床梁102)と上部構造体(天井梁103)が柱とともに形成する壁枠109の面内の狭小スペースに配置される支持フレーム20の脚部21L、22L、下部構造体(床梁102)に設けた取付手段40、脚部21L、22Lと取付手段40の固定手段(ボルト)の各サイズ(例えば脚部21L、22Lや取付手段40を構成する鋼板の板厚、ボルト径等)を、当該狭小スペースに適合し得る小サイズに設定しながら、それらのボルト24A、24B(又は25A、25B)による脚部21L、22Lと取付手段40の固定部に必要とされる固定強度(摩擦接合力)を確保できる。また、ダンパ30が発生する減衰力の反力によって支持フレーム20に例えば前述(c)の如くの軸力が生じたとき、上記ボルトによる脚部21L、22Lと取付手段40の固定部における軸力の負担を軽減できる。
尚、第2のボルト24B(又は25B)が挿通される孔を、取付手段40に備えた円弧状長孔42B(又は52B)とした。これにより、支持フレーム20や取付手段40の加工精度、組立精度の誤差を円弧状長孔42B(又は52B)の長孔範囲内で吸収できる。また、建物100の柱高さや柱間隔の変更等に応じて異なる形状の支持フレーム20を採用するとき、それらの各支持フレーム20の脚部21L、22Lを同一の取付手段40に固定でき、同一の取付手段40を異なる支持フレーム20に対して兼用できる。
(e)支持フレーム20の脚部21L、22Lを固定する取付手段40が、建物100の床梁102に設けられるとともに、建物100の基礎101に支持され、これらの床梁102及び基礎101が下部構造体とされる。ダンパ30が上部構造体(天井梁103)に及ぼす減衰力の反力を、支持フレーム20及び下部構造体(床梁102)を介して、建物100の基礎に安定的に支持できる。ダンパ30が上部構造体(天井梁103)に及ぼす減衰力を一層安定的に確保できる。
(f)下部構造体(床梁102)と上部構造体(天井梁103)と柱が木質材からなる。鉄筋コンクリート造建物等に比して、柱と下部構造体(床梁102)と上部構造体(天井梁103)との接合部が剛接合にならず、地震時等に大きな変形を生ずる木造建物100において、上述(a)〜(e)の減衰性能を付加し、その耐震性能を向上できる。
(g)建物100において、上述(a)〜(f)の減衰性能を付加し、その耐震性能を向上できる。木造建物100に限らず、鉄骨建物にも適用できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の制振装置は建物の上階部にも適用でき、その場合に、下部構造体は例えば2階床梁、上部構造体は例えば2階天井梁になる。
本発明によれば、建物内にコンパクトに設置され、かつ一定の減衰力を安定的に確保できる建物用の制振装置を得ることができる。
10 制振装置
20 支持フレーム
21、22 縦材
21K 頂部
21L、22L 脚部
24A、24B、25A、25B ボルト
30 ダンパ
32、35 ピン
40、50 取付手段
42、52 取付板
42A、52A 丸孔
42B、52B 円弧状長孔
70 振れ止め部
71、72 振れ止めガイド
100 建物
101 基礎
102 床梁(下部構造体)
103 天井梁(上部構造体)
104、105 柱

Claims (6)

  1. 下部構造体と上部構造体の間に複数の柱を立設し、各柱の下端部と上端部のそれぞれが下部構造体と上部構造体のそれぞれに接合されてなる建物用の制振装置において、
    支持フレームとダンパとを有して構成され、
    支持フレームの脚部が下部構造体に設けた取付手段に固定され、
    ダンパの一端部が上部構造体にピン結合されるとともに、ダンパの他端部が支持フレームの頂部にピン結合され、
    支持フレームの頂部に振れ止め部が設けられるとともに、ダンパの制振方向に沿って延在する振れ止めガイドが上部構造体に設けられ、
    振れ止め部は振れ止めガイドによってダンパの制振方向に交差する方向への振れが防止されることを特徴とする建物用の制振装置。
  2. 前記支持フレームが2本の縦材を有し、2本の縦材は互いに斜交し、それらの上端部を互いに接合し、それらの下端部を互いに離隔してなり、
    支持フレームは、2本の縦材の互いに接合された上端部同士で前記頂部を形成し、2本の縦材の互いに離隔された各下端部のそれぞれを2つの前記脚部とする請求項1に記載の建物用の制振装置。
  3. 前記支持フレームの脚部が2本の互いに平行をなす第1と第2のボルトにより下部構造体に設けた取付手段に固定され、
    第1のボルトは下部構造体に設けた取付手段が備える丸孔に挿通され、
    第2のボルトは、下部構造体に設けた取付手段が備える、上記丸孔の孔軸を中心とする円弧に沿う円弧状長孔に挿通される請求項1又は2に記載の建物用の制振装置。
  4. 前記支持フレームの脚部を固定する取付手段が、建物の床梁に設けられるとともに、建物の基礎に支持され、これらの床梁及び基礎が下部構造体とされてなる請求項1〜3のいずれかに記載の建物用の制振装置。
  5. 前記下部構造体と上部構造体と柱が木質材からなる請求項1〜4のいずれに記載の建物用の制振装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の建物用の制振装置が適用されてなる建物。
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