JP4895672B2 - 建物の制振構造および制振装置の設置方法 - Google Patents

建物の制振構造および制振装置の設置方法 Download PDF

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本発明は、複数本の柱と上下の梁とを剛接合することによって形成された建物ユニットに、制振性能を有する制振装置が設置されてなる建物の制振構造および制振装置の設置方法に関する。
建物の制振構造の一例として、特許文献1に記載の技術が知られている。
この特許文献1に記載の制振構造は、上構造部に剛性一体的に固着されて上構造部の下方に突出される下方突出体と、下構造部に剛性一体的に固着されて下構造部の上方に突出される上方突出体と、振れ動き体とが備えられ、下方突出体と上方突出体とは、上下の構造部間の中間高さ位置で上下方向において対向され、振れ動き体は、その高さ方向中間部領域において、下方突出体と上方突出体とにそれぞれ枢結され、かつ、振れ動き体と下方突出体との枢結高さ位置よりも上方において、振れ動き体と、下方突出体又は/及び上構造部とが振動減衰手段を介して連結されると共に、振れ動き体と上方突出体との枢結高さ位置よりも下方において、振れ動き体と、上方突出体又は/及び下構造部とが振動減衰手段を介して連結されたものである。
このような制振構造では、振れ動き体が、その高さ方向中間部領域において、下方突出体と上方突出体とにそれぞれ枢結保持されているから、振れ動き体に要求される振動方向における剛性も低くすることができて、振れ動き体についても、これを振動方向においてコンパクトに構成することができる。従って、振動方向においてコンパクトな制振構造を実現することができる。
しかも、各突出体と振れ動き体との枢結位置を異ならせて、枢結部間の間隔寸法を大小異ならせることで、テコの原理で減衰手段に伝えられる振動の大きさを大小異ならせることができて、同じ性能の減衰手段を用いながら、大きな振動を減衰できる構造に構成したり、小さな振動を減衰できる構造に構成したりすることができる。
特に、振れ動き体を、少なくとも、その振れ動きの振幅が水平振動の振幅よりも大きくなる高さ領域部分において、上下の振動減衰手段と連結する構成とすることにより、実際の振動よりも振幅の大きな振動を減衰手段に作用させることができて、交通振動などの比較的小さい振動には効きにくい減衰手段を用いながらも、そのような比較的小さい振動をそのような減衰手段にて減衰することが可能となる。
特開2000−297556号公報
ところで、上記のような制振構造では、振れ動き体を、上部構造部に固着された下方突出体および下部構造部に固着された上方突出体に枢結しているので、例えば、上部構造部および下部構造部が地震等によって上下に撓むと、その力が上部構造部および下部構造部を介して、振れ動き体の枢結部に伝わり、振れ動き体がスムーズに振れ動けなくなって、制振機能を確実に発揮できなくなる場合があった。そこで、制振装置が設けられる建物の躯体そのものの補強を行うことによって、躯体の撓み等を防ぎ、制振機能を確実に発揮できるような技術の開発が望まれていた。
一方、上記のような制振構造では、振れ動き体が、高さ方向中間部領域において、下方突出体と上方突出体とにそれぞれ枢結されているので、振動減衰手段に伝える振動の振幅を増幅するためには、枢結部と振動減衰手段との間を長くする、つまり、揺れ動き体の長さを長くする必要がある。揺れ動き体の長さを長くすると、これが面外方向(揺れ方向に沿う面と交差する面方向)に撓み易くなるばかりか、揺れ動き体に損傷が生じ易くなり、このため制振性能が低下するおそれがある。そこで、振動減衰手段の変形を増幅できるとともに、制振性能の低下を防止することが可能な技術の開発も併せて望まれていた。
本発明の課題は、躯体の補強を行うことができるとともに、制振機能を確実に発揮することが可能な建物の制振構造および制振装置の設置方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1および図2に示すように、複数本の柱11,11と上下の梁12,13とを剛接合することによって形成された建物ユニット10に、制振性能を有する制振装置20が設置されてなる建物の制振構造において、
前記上下の梁12,13間には、該上下の梁12,13間に少なくとも一本の間柱31が立設されるとともに、この間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されることによって矩形枠部30が形成されており、
前記制振装置20は、矩形枠部30の上部固定部30aに固定されて、この上部固定部30aの下方に突出する上支持部21と、矩形枠部30の下部固定部30bに固定されて、この下部固定部30bの上方に突出する下支持部22と、前記上支持部21および下支持部22の双方に枢結される揺動体23とを備え、
前記揺動体23は、前記上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結され、
前記揺動体23の前記上支持部21と下支持部22との枢結位置より、上方または下方位置において、前記揺動体23と、前記上支持部21または前記下支持部22とが振動減衰手段24を介して連結されており、
前記矩形枠部30の上部固定部30aは、前記間柱31の上端部と前記柱11の上端部と前記横材32の三辺、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの上端部と前記横材32の三辺であり、前記矩形枠部30の下部固定部30bは、前記間柱31の下端部と前記柱11の下端部と前記横材32の三辺、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの下端部と前記横材32の三辺であり、
前記制振装置20は、前記矩形枠部30内に配置されており、前記上支持部21の上端部の両角部と上辺部とが、前記矩形枠部30の上部固定部30aの三辺に固定され、前記下支持部22の下端部の両角部と下辺部とが、前記矩形枠部30の下部固定部30bの三辺に固定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されるので、これら横材32によって前記間柱31をより安定的に立設でき、矩形枠部30の剛性を高めて強固なものとすることができる。そして、このような矩形枠部30が前記上下の梁12,13間に形成されているので、建物ユニット10を補強することが可能となる。
また、このように補強がなされた矩形枠部30内に前記制振装置20が配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されているので、従来と異なり、例えば前記複数本の柱11,11や上下の梁12,13の撓み等を防ぐことができ、制振装置20の制振機能を確実に発揮することが可能となる。
また、建物ユニット10に震動によって変形が生じると、この建物ユニット10の上部固定部30aと下部固定部30bとが左右に変位し、これに伴って上支持部21と下支持部22とが左右に変位する。上支持部21と下支持部22とが左右に変位することによって、揺動体23が、その二つの枢結位置間の中央部を中心として振り子のように揺動し、この揺動体23の端部は振れが増幅され、これによって、前記上部固定部30aと下部固定部30bとの変位が増幅される。したがって、振動減衰手段24の変形を増幅できるので、建物ユニット10の小さな変形から制振機能を有効に働かせることができる。
また、前記揺動体23が、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結されているので、中間部において枢結されたものに比して、揺動体23を短くできるとともに、揺動体23を上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方に寄せることができる。したがって、揺動体23が面外方向に撓むのを防止できるので、制振性能の低下を防止することができる。
また、前記間柱31の上端部と前記柱11の上端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの上端部と前記横材32に、前記制振装置20の上支持部21が固定され、前記間柱31の下端部と前記柱11の下端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの下端部と前記横材32に、前記制振装置20の下支持部22が固定されるので、この制振装置20を建物ユニット10に対して強固に取り付けることができ、制振装置20の捻れや撓みを防ぐことができる。これによって、地震等によって生じた建物ユニット10の振動を、さらに確実に制振できる。
請求項2に記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1に記載の建物の制振構造において、
前記建物ユニット10は基礎40上に設けられ、この基礎40には、上方に向かって突出し、かつ前記下梁13を貫通するアンカーボルト41が、前記間柱31に対応した位置に埋設されており、
前記アンカーボルト41の上端部が前記間柱31の下端部に取り付けられることによって、前記間柱31と基礎40とが接合されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記アンカーボルト41の上端部が前記間柱31の下端部に取り付けられることによって、前記間柱31と基礎40とが接合されているので、この間柱31を前記下梁13上に強固に固定して立設できるだけでなく、アンカーボルト41を通じて地震等の揺れを前記制振装置20に確実に伝えることができる。これによって、地震等によって生じた建物ユニット10の振動をより確実に制振できる。
請求項に記載の発明は、例えば図5に示すように、制振性能を有する制振装置20を、複数本の柱11,11と上下の梁12,13とを剛接合することによって形成された建物ユニット10に設置する制振装置20の設置方法において、
予め、隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32を架設することによって矩形枠部30を形成し、
この矩形枠部30内に
この矩形枠部30の隣り合う間柱31,31どうしの間の上端部と前記横材32の三辺で構成される上部固定部30aに固定されて、この上部固定部30aの下方に突出する上支持部21と、
この矩形枠部30の隣り合う間柱31,31どうしの間の下端部と前記横材32の三辺で構成される下部固定部30bに固定されて、この下部固定部30bの上方に突出する下支持部22と、
前記上支持部21および下支持部22の双方に枢結される揺動体23とを備え、
前記揺動体23は、前記上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結され、
前記揺動体23の前記上支持部21と下支持部22との枢結位置より、上方または下方位置において、前記揺動体23と、前記上支持部21または前記下支持部22とが振動減衰手段24を介して連結される前記制振装置20を配置し
さらに、この制振装置20の上支持部21の上端部の両角部と上辺部とを、前記矩形枠部30の上部固定部30aの三辺に固定するとともに、この制振装置20の下支持部22の下端部の両角部と下辺部とを、前記矩形枠部30の下部固定部30bの三辺に固定しておき、
その後、この制振装置20が設けられた矩形枠部30を、前記建物ユニット10に設置固定することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、例えば工場等で、予め矩形枠部30を形成するとともに、この矩形枠部30内に前記制振装置20を配置して固定しておき、その後、現場にて、このような制振装置20が設けられた矩形枠部30を建物ユニット10に設置固定するだけで制振装置20を設置することができるので、現場での制振装置20の設置作業が容易であるとともに施工手間を省略することができ、工期の短縮を図ることができる。
また、建物ユニット10に震動によって変形が生じると、この建物ユニット10の上部固定部30aと下部固定部30bとが左右に変位し、これに伴って上支持部21と下支持部22とが左右に変位する。上支持部21と下支持部22とが左右に変位することによって、揺動体23が、その二つの枢結位置間の中央部を中心として振り子のように揺動し、この揺動体23の端部は振れが増幅され、これによって、前記上部固定部30aと下部固定部30bとの変位が増幅される。したがって、振動減衰手段24の変形を増幅できるので、建物ユニット10の小さな変形から制振機能を有効に働かせることができる。
また、前記揺動体23が、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結されているので、中間部において枢結されたものに比して、揺動体23を短くできるとともに、揺動体23を上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方に寄せることができる。したがって、揺動体23が面外方向に撓むのを防止できるので、制振性能の低下を防止することができる。
また、前記隣り合う間柱31,31どうしの上端部と前記横材32に、前記制振装置20の上支持部21が固定され、前記隣り合う間柱31,31どうしの下端部と前記横材32に、前記制振装置20の下支持部22が固定されるので、この制振装置20を建物ユニット10に対して強固に取り付けることができ、制振装置20の捻れや撓みを防ぐことができる。これによって、地震等によって生じた建物ユニット10の振動を、さらに確実に制振できる。
本発明によれば、前記間柱と前記柱との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱どうしの間の上下端部に、それぞれ横材が架設されるので、これら横材によって前記間柱をより安定的に立設でき、矩形枠部の剛性を高めて強固なものとすることができる。そして、このような矩形枠部が前記上下の梁間に形成されているので、建物ユニットを補強することが可能となる。
また、このように補強がなされた矩形枠部内に前記制振装置が配置されるとともに、この矩形枠部の上部固定部および下部固定部に固定されているので、従来と異なり、例えば複数本の柱や上下の梁の撓み等を防ぐことができ、制振装置の制振機能を確実に発揮することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態について説明する。
本実施の形態の建物の制振構造は、図1および図2に示すように、複数本の柱11,11と上下の梁12,13とを剛接合することによって形成された建物ユニット10に、制振性能を有する制振装置20が設置されてなるものであり、
前記上下の梁12,13間には、該上下の梁12,13間に少なくとも一本の間柱31が立設されるとともに、この間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されることによって矩形枠部30が形成されており、
前記制振装置20は、前記矩形枠部30内に配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されている。
前記建物ユニット10は、複数本の柱11,11と、これらの柱11の上端間どうしを結合する複数本の上梁12と、前記柱11の下端間どうしを結合する複数本の下梁13とを備え、略直方体状に形成された骨組みを有するものであり、これら複数本の柱11,11と、上下の梁12,13との結合箇所は剛接合されている。
なお、前記複数本の柱11,11は、一つの建物ユニット10につき、一種類の高さのものしか用いられないが、図5に示すように、前記上下の梁12,13は、建物ユニット10を略直方体状に形成するために、長寸12a,13aのものと短寸12b,13bのものとが用いられている。
前記間柱31は、隣り合う前記柱11,11間に配置され、前記上下の梁12,13に取り付けられるものである。また、図3に示すように、前記建物ユニット10は基礎40上に設けられ、この基礎40には、上方に向かって突出し、かつ前記下梁13を貫通するアンカーボルト41が、前記間柱31に対応した位置に埋設されており、前記アンカーボルト41の上端部が前記間柱31の下端部に取り付けられることによって、前記間柱31と基礎40とが接合されている。
なお、この間柱31の上下端部には、前記上下の梁12,13に取り付けられて接合される接合部31aが設けられており、ボルト接合によって前記上下の梁12,13に接合されている。
このように前記アンカーボルト41の上端部が前記間柱31の下端部に取り付けられることによって、前記間柱31と基礎40とが接合されているので、この間柱31を前記下梁13上に強固に固定して立設できるだけでなく、アンカーボルト41を通じて地震等の揺れを前記制振装置20に確実に伝えることができる。これによって、地震等によって生じた建物ユニット10の振動をより確実に制振できる。
前記横材32は、上述したように前記間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に架設される。さらに、図1および図2に示すように、前記間柱31の上下端部には前記接合部31aが設けられているので、横材32の両端面のうち、少なくとも一方は前記接合部31aに当接固定されている。すなわち、横材32が前記間柱31と前記柱11との間の上下端部に架設される場合は、一方の端面が前記柱11に当接固定されるとともに、他方の端面が前記接合部31aに当接固定され、横材32が隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に架設される場合は、両方の端面が隣り合う間柱31,31の各接合部31aに当接固定される。
前記矩形枠部30は、上述したように前記間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されることによって形成されており、図4に示すように、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに、前記制振装置20の上下が固定されるようになっている。
そして、図1および図2に示すように、この矩形枠部30の上部固定部30aは、前記間柱31の上端部と前記柱11の上端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの上端部と前記横材32であり、下部固定部30bは、前記間柱31の下端部と前記柱11の下端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの下端部と前記横材32である。
このように前記矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに、前記制振装置20の上下部がそれぞれ固定されるので、この制振装置20を建物ユニット10に対して強固に取り付けることができ、制振装置20の捻れや撓みを防ぐことができる。これによって、地震等によって生じた建物ユニット10の振動をさらに確実に制振できる。
前記制振装置20は、図1および図2に示すように、矩形枠部30の上部固定部30aに固定されて、この上部固定部30aの下方に突出する上支持部21と、矩形枠部30の下部固定部30bに固定されて、この下部固定部30bの上方に突出する下支持部22と、前記上支持部21および下支持部22の双方に枢結される揺動体23とを備え、前記揺動体23は、前記上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結され、前記揺動体23の前記上支持部21と下支持部22との枢結位置より、上方または下方位置において、前記揺動体23と、前記上支持部21または前記下支持部22とが振動減衰手段24を介して連結されている。
なお、前記揺動体23と、前記上支持部21または前記下支持部22とが振動減衰手段24を介して連結されるものとしたが、これに限られるものではなく、前記揺動体23と、前記上部固定部30aまたは下部固定部30bとが振動減衰手段26を介して連結されていても良い。
ここで、前記上支持部21は、図1および図2に示すように、略二等辺三角形板状の鉄板で形成されており、二つの角部が、前記上部固定部30aに設けられたブラケット33,33に固定されている。また、二つの角部間の上辺部に取付板部21aが設けられており、この取付板部21aが前記横材32に当接してボルトによって固定されている。
すなわち、この上支持部21は、前記ブラケット33,33および取付板部21aを介して前記上部固定部30aに固定された状態となっており、上部固定部30aの三辺で固定されることになるので、強固に固定することが可能となる。
また、前記下支持部22は、略二等辺三角形板状の建築用の構造用パネルで形成されており、この下支持部22の下端部にはフレーム22aが接合されている。そして、このフレーム22aは、前記下部固定部30bに設けられたブラケット34,34に固定されている。さらに、フレーム22aの下辺部に取付板部22bが設けられており、この取付板部22bが前記横材32に当接して固定されている。
すなわち、この下支持部22は、前記ブラケット34,34および取付板部22bを介して前記下部固定部30bに固定されたフレーム22aを通じて、下部固定部30bの三辺で固定されることになるので、強固に固定することが可能となる。
また、これら上支持部21および下支持部22は、双方とも板状に形成されており、前記上支持部21と下支持部22とは、一方が他方より上下の長さが長く、かつ、一方が他方より厚くなっている。
すなわち、下支持部22の先端部と上支持部21の先端部とは、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置に位置する。したがって、下支持部22の先端部と上支持部21の先端部とに揺動体23を枢結することによって、揺動体23を、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、上支持部21と下支持部22との双方に確実に枢結することができる。
また、前記上支持部21と下支持部22とは、一方が他方より厚くなっているので、上部固定部30aまたは下部固定部30bに固定された、上支持部21と下支持部22の一方の剛性を他方より大きくすることができる。したがって、剛性が大きい一方に揺動体23を枢結することによって、上部固定部30aまたは下部固定部30bの変位を揺動体23に確実に伝達することができる。
さらに、上支持部21と下支持部22とのうち、薄い方と、揺動体23とを振動減衰手段24を介して連結することによって、該振動減衰手段24の厚さを確保することが容易となる。
前記揺動体23は、2枚(図示せず)の揺動板23aによって構成されている。揺動板23aはそれぞれ縦長の六角形板状の鉄板で形成されたものであり、これら揺動板23aは、平行離間して対向している。揺動板23aは上支持部21を、それと所定の隙間をもって挟むようにして配置されており、これら揺動板23aの下端部には、この揺動板23aが回転する主軸となる枢結軸25が挿通されている。
また、この揺動体23は前記上支持部21側に延出し、この延出している延出部分が前記上支持部21に前記上部固定部30aの近傍で前記振動減衰手段24を介して連結されている。さらに、上支持部21にはプレート21bがボルトによって固定されており、このプレート21bに粘弾性体(振動減衰手段24)が加硫接着または接着剤によって固着されている。
なお、前記粘弾性体は、エネルギー吸収性能が変形量に比例するものであり、効率的に地震のエネルギーを吸収でき、大きな減衰力を発揮できる。
このよう制振装置20では、建物ユニット10に震動によって変形が生じると、この建物ユニット10の上部固定部30aと下部固定部30bとが左右に変位し、これに伴って上支持部21と下支持部22とが左右に変位する。上支持部21と下支持部22とが左右に変位することによって、揺動体23が、その二つの枢結位置間の中央部を中心として振り子のように揺動し、この揺動体23の端部は振れが増幅され、これによって、前記上部固定部30aと下部固定部30bとの変位が増幅される。したがって、振動減衰手段24の変形を増幅できるので、建物ユニット10の小さな変形から制振機能を有効に働かせることができる。
また、前記揺動体23が、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結されているので、中間部において枢結されたものに比して、揺動体23を短くできるとともに、揺動体23を上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方に寄せることができる。したがって、揺動体23が面外方向に撓むのを防止できるので、制振性能の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態の制振装置20は以上のような形態としたが、これに限られるものではない。例えば上支持部21と下支持部22とを天地逆として配置したり、下支持部22を大きい四角形状の建築用の構造用パネルで構成したり、揺動体23を二つ並列して設けたり、また、これらをそれぞれ組み合わせたり等の方法をとっても良く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
次に、本実施の形態の制振装置20を、複数本の柱11,11と上下の梁12,13とを剛接合することによって形成された建物ユニット10に設置する設置方法について説明する。
まず、予め工場等で、隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32を架設することによって矩形枠部30を形成するとともに、この矩形枠部30内に前記制振装置20を配置して固定しておく。
なお、このように制振装置20が設けられた矩形枠部30に、予め面材(図示せず)を貼り付けておき、いわゆる制振パネルとして生産しても良い。
そして、このように制振装置20が設けられた状態のまま、矩形枠部30を現場に搬送し、その後、この制振装置20が設けられた矩形枠部30を、図5に示すように、前記建物ユニット10に設置固定する。
このような設置方法であれば、例えば工場等で、予め矩形枠部30を形成するとともに、この矩形枠部30内に前記制振装置20を配置して固定しておき、その後、現場にて、このような制振装置20が設けられた矩形枠部30を建物ユニット10に設置固定するだけで制振装置20を設置することができるので、現場での制振装置20の設置作業が容易であるとともに施工手間を省略することができ、工期の短縮を図ることができる。
本実施の形態によれば、前記間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されるので、これら横材32によって前記間柱31をより安定的に立設でき、矩形枠部30の剛性を高めて強固なものとすることができる。そして、このような矩形枠部30が前記上下の梁12,13間に形成されているので、建物ユニット10を補強することが可能となる。
また、このように補強がなされた矩形枠部30内に前記制振装置20が配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されているので、従来と異なり、例えば複数本の柱11,11や上下の梁12,13の撓み等を防ぐことができ、制振装置20の制振機能を確実に発揮することが可能となる。
本発明に係る建物の制振構造の実施形態を示す正面図である。 本発明に係る建物の制振構造の実施形態を示す正面図である。 間柱と基礎との接合状態を示す要部拡大図である。 建物ユニットに対する制振装置の固定状態を示す概略図である。 制振装置の設置方法を示す斜視図である。
符号の説明
10 建物ユニット
20 制振装置
30 矩形枠部

Claims (3)

  1. 複数本の柱と上下の梁とを剛接合することによって形成された建物ユニットに、制振性能を有する制振装置が設置されてなる建物の制振構造において、
    前記上下の梁間には、該上下の梁間に少なくとも1本の間柱が立設されるとともに、この間柱と前記柱との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱どうしの間の上下端部に、それぞれ横材が架設されることによって矩形枠部が形成されており、
    前記制振装置は、矩形枠部の上部固定部に固定されて、この上部固定部の下方に突出する上支持部と、矩形枠部の下部固定部に固定されて、この下部固定部の上方に突出する下支持部と、前記上支持部および下支持部の双方に枢結される揺動体とを備え、
    前記揺動体は、前記上部固定部と下部固定部との間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部と下支持部との双方に枢結され、
    前記揺動体の前記上支持部と下支持部との枢結位置より、上方または下方位置において、前記揺動体と、前記上支持部または前記下支持部とが振動減衰手段を介して連結されており、
    前記矩形枠部の上部固定部は、前記間柱の上端部と前記柱の上端部と前記横材の三辺、もしくは前記隣り合う間柱どうしの上端部と前記横材の三辺であり、前記矩形枠部の下部固定部は、前記間柱の下端部と前記柱の下端部と前記横材の三辺、もしくは前記隣り合う間柱どうしの下端部と前記横材の三辺であり、
    前記制振装置は、前記矩形枠部内に配置されており、前記上支持部の上端部の両角部と上辺部とが、前記矩形枠部の上部固定部の三辺に固定され、前記下支持部の下端部の両角部と下辺部とが、前記矩形枠部の下部固定部の三辺に固定されていることを特徴とする建物の制振構造。
  2. 請求項1に記載の建物の制振構造において、
    前記建物ユニットは基礎上に設けられ、この基礎には、上方に向かって突出し、かつ前記下梁を貫通するアンカーボルトが、前記間柱に対応した位置に埋設されており、
    前記アンカーボルトの上端部が前記間柱の下端部に取り付けられることによって、前記間柱と基礎とが接合されていることを特徴とする建物の制振構造。
  3. 制振性能を有する制振装置を、複数本の柱と上下の梁とを剛接合することによって形成された建物ユニットに設置する制振装置の設置方法において、
    予め、隣り合う間柱どうしの間の上下端部に、それぞれ横材を架設することによって矩形枠部を形成し、
    この矩形枠部内に
    この矩形枠部の隣り合う間柱どうしの上端部と前記横材の三辺で構成される上部固定部に固定されて、この上部固定部の下方に突出する上支持部と、
    この矩形枠部の隣り合う間柱どうしの下端部と前記横材の三辺で構成される下部固定部に固定されて、この下部固定部の上方に突出する下支持部と、
    前記上支持部および下支持部の双方に枢結される揺動体とを備え、
    前記揺動体は、前記上部固定部と下部固定部との間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部と下支持部との双方に枢結され、
    前記揺動体の前記上支持部と下支持部との枢結位置より、上方または下方位置において、前記揺動体と、前記上支持部または前記下支持部とが振動減衰手段を介して連結される前記制振装置を配置し
    さらに、この制振装置の上支持部の上端部の両角部と上辺部とを、前記矩形枠部の上部固定部の三辺に固定するとともに、この制振装置の下支持部の下端部の両角部と下辺部とを、前記矩形枠部の下部固定部の三辺に固定しておき、
    その後、この制振装置が設けられた矩形枠部を、前記建物ユニットに設置固定することを特徴とする制振装置の設置方法。
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