JP2007303124A - 建物の制振構造および制振装置の設置方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の柱11,11と上下梁12,13とで形成された建物ユニット10に制振装置20が設置されてなり、上下の梁12,13間には、該上下の梁12,13間に少なくとも一本の間柱31が立設されるとともに、この間柱31と柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されることで矩形枠部30が形成されており、制振装置20は、矩形枠部30内に配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されている。これにより、矩形枠部を強固にして建物ユニットを補強でき、さらに柱や梁の撓みを防ぎ、制振機能を確実に発揮できる。
【選択図】図1
Description
この特許文献1に記載の制振構造は、上構造部に剛性一体的に固着されて上構造部の下方に突出される下方突出体と、下構造部に剛性一体的に固着されて下構造部の上方に突出される上方突出体と、振れ動き体とが備えられ、下方突出体と上方突出体とは、上下の構造部間の中間高さ位置で上下方向において対向され、振れ動き体は、その高さ方向中間部領域において、下方突出体と上方突出体とにそれぞれ枢結され、かつ、振れ動き体と下方突出体との枢結高さ位置よりも上方において、振れ動き体と、下方突出体又は/及び上構造部とが振動減衰手段を介して連結されると共に、振れ動き体と上方突出体との枢結高さ位置よりも下方において、振れ動き体と、上方突出体又は/及び下構造部とが振動減衰手段を介して連結されたものである。
しかも、各突出体と振れ動き体との枢結位置を異ならせて、枢結部間の間隔寸法を大小異ならせることで、テコの原理で減衰手段に伝えられる振動の大きさを大小異ならせることができて、同じ性能の減衰手段を用いながら、大きな振動を減衰できる構造に構成したり、小さな振動を減衰できる構造に構成したりすることができる。
特に、振れ動き体を、少なくとも、その振れ動きの振幅が水平振動の振幅よりも大きくなる高さ領域部分において、上下の振動減衰手段と連結する構成とすることにより、実際の振動よりも振幅の大きな振動を減衰手段に作用させることができて、交通振動などの比較的小さい振動には効きにくい減衰手段を用いながらも、そのような比較的小さい振動をそのような減衰手段にて減衰することが可能となる。
前記上下の梁12,13間には、該上下の梁12,13間に少なくとも一本の間柱31が立設されるとともに、この間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されることによって矩形枠部30が形成されており、
前記制振装置20は、前記矩形枠部30内に配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されていることを特徴とする。
また、このように補強がなされた矩形枠部30内に前記制振装置20が配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されているので、従来と異なり、例えば前記複数本の柱11,11や上下の梁12,13の撓み等を防ぐことができ、制振装置20の制振機能を確実に発揮することが可能となる。
前記建物ユニット10は基礎40上に設けられ、この基礎40には、上方に向かって突出し、かつ前記下梁13を貫通するアンカーボルト41が、前記間柱31に対応した位置に埋設されており、
前記アンカーボルト41の上端部が前記間柱31の下端部に取り付けられることによって、前記間柱31と基礎40とが接合されていることを特徴とする。
前記制振装置20は、矩形枠部30の上部固定部30aに固定されて、この上部固定部30aの下方に突出する上支持部21と、矩形枠部30の下部固定部30bに固定されて、この下部固定部30bの上方に突出する下支持部22と、前記上支持部21および下支持部22の双方に枢結される揺動体23とを備え、
前記揺動体23は、前記上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結され、
前記揺動体23の前記上支持部21と下支持部22との枢結位置より、上方または下方位置において、前記揺動体23と、前記上支持部21または前記下支持部22とが振動減衰手段24を介して連結されていることを特徴とする。
また、前記揺動体23が、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結されているので、中間部において枢結されたものに比して、揺動体23を短くできるとともに、揺動体23を上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方に寄せることができる。したがって、揺動体23が面外方向に撓むのを防止できるので、制振性能の低下を防止することができる。
前記矩形枠部30の上部固定部30aは、前記間柱31の上端部と前記柱11の上端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの上端部と前記横材32であり、前記矩形枠部30の下部固定部30bは、前記間柱31の下端部と前記柱11の下端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの下端部と前記横材32であることを特徴とする。
予め、隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32を架設することによって矩形枠部30を形成するとともに、この矩形枠部30内に前記制振装置20を配置して固定しておき、
その後、この制振装置20が設けられた矩形枠部30を、前記建物ユニット10に設置固定することを特徴とする。
また、このように補強がなされた矩形枠部内に前記制振装置が配置されるとともに、この矩形枠部の上部固定部および下部固定部に固定されているので、従来と異なり、例えば複数本の柱や上下の梁の撓み等を防ぐことができ、制振装置の制振機能を確実に発揮することが可能となる。
前記上下の梁12,13間には、該上下の梁12,13間に少なくとも一本の間柱31が立設されるとともに、この間柱31と前記柱11との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱31,31どうしの間の上下端部に、それぞれ横材32が架設されることによって矩形枠部30が形成されており、
前記制振装置20は、前記矩形枠部30内に配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されている。
なお、前記複数本の柱11,11は、一つの建物ユニット10につき、一種類の高さのものしか用いられないが、図5に示すように、前記上下の梁12,13は、建物ユニット10を略直方体状に形成するために、長寸12a,13aのものと短寸12b,13bのものとが用いられている。
なお、この間柱31の上下端部には、前記上下の梁12,13に取り付けられて接合される接合部31aが設けられており、ボルト接合によって前記上下の梁12,13に接合されている。
そして、図1および図2に示すように、この矩形枠部30の上部固定部30aは、前記間柱31の上端部と前記柱11の上端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの上端部と前記横材32であり、下部固定部30bは、前記間柱31の下端部と前記柱11の下端部と前記横材32、もしくは前記隣り合う間柱31,31どうしの下端部と前記横材32である。
すなわち、この上支持部21は、前記ブラケット33,33および取付板部21aを介して前記上部固定部30aに固定された状態となっており、上部固定部30aの三辺で固定されることになるので、強固に固定することが可能となる。
すなわち、この下支持部22は、前記ブラケット34,34および取付板部22bを介して前記下部固定部30bに固定されたフレーム22aを通じて、下部固定部30bの三辺で固定されることになるので、強固に固定することが可能となる。
すなわち、下支持部22の先端部と上支持部21の先端部とは、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置に位置する。したがって、下支持部22の先端部と上支持部21の先端部とに揺動体23を枢結することによって、揺動体23を、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、上支持部21と下支持部22との双方に確実に枢結することができる。
また、前記上支持部21と下支持部22とは、一方が他方より厚くなっているので、上部固定部30aまたは下部固定部30bに固定された、上支持部21と下支持部22の一方の剛性を他方より大きくすることができる。したがって、剛性が大きい一方に揺動体23を枢結することによって、上部固定部30aまたは下部固定部30bの変位を揺動体23に確実に伝達することができる。
さらに、上支持部21と下支持部22とのうち、薄い方と、揺動体23とを振動減衰手段24を介して連結することによって、該振動減衰手段24の厚さを確保することが容易となる。
なお、前記粘弾性体は、エネルギー吸収性能が変形量に比例するものであり、効率的に地震のエネルギーを吸収でき、大きな減衰力を発揮できる。
また、前記揺動体23が、上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部21と下支持部22との双方に枢結されているので、中間部において枢結されたものに比して、揺動体23を短くできるとともに、揺動体23を上部固定部30aと下部固定部30bとの間の中間部より上方または下方に寄せることができる。したがって、揺動体23が面外方向に撓むのを防止できるので、制振性能の低下を防止することができる。
なお、このように制振装置20が設けられた矩形枠部30に、予め面材(図示せず)を貼り付けておき、いわゆる制振パネルとして生産しても良い。
また、このように補強がなされた矩形枠部30内に前記制振装置20が配置されるとともに、この矩形枠部30の上部固定部30aおよび下部固定部30bに固定されているので、従来と異なり、例えば複数本の柱11,11や上下の梁12,13の撓み等を防ぐことができ、制振装置20の制振機能を確実に発揮することが可能となる。
20 制振装置
30 矩形枠部
Claims (5)
- 複数本の柱と上下の梁とを剛接合することによって形成された建物ユニットに、制振性能を有する制振装置が設置されてなる建物の制振構造において、
前記上下の梁間には、該上下の梁間に少なくとも1本の間柱が立設されるとともに、この間柱と前記柱との間の上下端部、もしくは隣り合う間柱どうしの間の上下端部に、それぞれ横材が架設されることによって矩形枠部が形成されており、
前記制振装置は、前記矩形枠部内に配置されるとともに、この矩形枠部の上部固定部および下部固定部に固定されていることを特徴とする建物の制振構造。 - 請求項1に記載の建物の制振構造において、
前記建物ユニットは基礎上に設けられ、この基礎には、上方に向かって突出し、かつ前記下梁を貫通するアンカーボルトが、前記間柱に対応した位置に埋設されており、
前記アンカーボルトの上端部が前記間柱の下端部に取り付けられることによって、前記間柱と基礎とが接合されていることを特徴とする建物の制振構造。 - 請求項1または2に記載の建物の制振構造において、
前記制振装置は、矩形枠部の上部固定部に固定されて、この上部固定部の下方に突出する上支持部と、矩形枠部の下部固定部に固定されて、この下部固定部の上方に突出する下支持部と、前記上支持部および下支持部の双方に枢結される揺動体とを備え、
前記揺動体は、前記上部固定部と下部固定部との間の中間部より上方または下方位置において、前記上支持部と下支持部との双方に枢結され、
前記揺動体の前記上支持部と下支持部との枢結位置より、上方または下方位置において、前記揺動体と、前記上支持部または前記下支持部とが振動減衰手段を介して連結されていることを特徴とする建物の制振構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の制振構造において、
前記矩形枠部の上部固定部は、前記間柱の上端部と前記柱の上端部と前記横材、もしくは前記隣り合う間柱どうしの上端部と前記横材であり、前記矩形枠部の下部固定部は、前記間柱の下端部と前記柱の下端部と前記横材、もしくは前記隣り合う間柱どうしの下端部と前記横材であることを特徴とする建物の制振装置。 - 制振性能を有する制振装置を、複数本の柱と上下の梁とを剛接合することによって形成された建物ユニットに設置する制振装置の設置方法において、
予め、隣り合う間柱どうしの間の上下端部に、それぞれ横材を架設することによって矩形枠部を形成するとともに、この矩形枠部内に前記制振装置を配置して固定しておき、
その後、この制振装置が設けられた矩形枠部を、前記建物ユニットに設置固定することを特徴とする制振装置の設置方法。
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