JP6302277B2 - 建物の制振構造 - Google Patents

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本発明は、地震や風や交通振動などによって生じる建物の揺れを抑えるための建物の制振構造に関するものである。
地震や風や交通振動などによって生じる建物の揺れを抑えるために、オイルダンパなどの減衰ダンパが配置された建物の制振構造が知られている(特許文献1−7参照)。
特許文献1−6に開示された制振構造では、オイルダンパは水平方向に向けて配置されている。このオイルダンパは、一端が天井梁から垂下された取付板に連結されており、他端が床梁上に設けられた支持架台に固定されている。
そして、地震などによって天井梁と床梁との間に水平方向の相対変位(層間変位)が発生すると、その相対変位がオイルダンパに入力されて振動エネルギーが吸収されることになる。
一方、特許文献7には、斜めに向けた減衰ダンパの上端を間柱と上大梁との隅角部に連結させるとともに、その減衰ダンパの下端をブレース状に配置された板バネに連結させた制振構造が開示されている。
特開2008−202349号公報 特開2009−2011号公報 特開2009−52199号公報 特開2011−117142号公報 特開2011−184992号公報 特開2011−47216号公報 特開2008−95327号公報
しかしながら、オイルダンパの一端が取付板を介して天井梁に連結された場合、取付板の長さをアームとし、オイルダンパの反力を作用力とするモーメントが、天井梁の取付板との接合箇所に作用することになる。
そもそも天井梁は、このような局部的なモーメントに対抗させるようには設計されていないため、天井梁に変形が生じることになる。例えば取付板を接合した位置の天井梁が下がると、オイルダンパに入力される変位が減少(入力損失)することになるため、オイルダンパの減衰性能を充分に発揮させることができなくなるおそれがある。また、天井梁に変形が起きないように補強ができたとしても、補強コストが必要になる。
また、特許文献7に開示されたように、往復運動をさせる減衰ダンパをさらに振動しやすい板バネに連結させた場合、弱い風などでも振動が生じるような過剰振動の制振構造となるおそれがある。
そこで、本発明は、減衰ダンパを効率的に作動させることが可能な建物の制振構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の建物の制振構造は、梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物の制振構造であって、往復運動によって振動エネルギーを吸収させる減衰ダンパと、前記減衰ダンパの一端と前記柱材の上部とを連結させる柱上方連結部と、前記減衰ダンパの他端を連結させる他端連結部と、前記他端連結部と少なくとも前記柱材の下端間に架け渡される下梁とを連結させる支持架台とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記減衰ダンパは、略水平に配置されるのが好ましい。また、前記支持架台は、前記他端連結部と前記下梁とを連結させる梁側支持材と、前記他端連結部と前記柱材の下部とを斜めに連結させる柱側支持材とを有する構成にすることができる。さらに、前記他端連結部と前記梁側支持材と前記柱側支持材と前記下梁とによって三角トラス状の枠構造が形成されるのが好ましい。
また、前記柱材の上端間に架け渡される上梁から垂下されるとともに、前記柱材と前記梁材とによって形成される面内空間の外側への前記他端連結部の移動を制限する倒れ防止部を備えた構成にすることができる。
さらに、前記柱上方連結部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部と、前記柱材の側面を挟んで前記垂直板部に対向させる裏当材と、前記垂直板部と前記柱材の側面と前記裏当材とを一体化させるボルト接合とを有する構成とすることができる。
一方、前記柱側支持材の前記柱材の下部と接合させる柱下方接合部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部と、前記柱材の側面を挟んで前記垂直板部に対向させる裏当材と、前記垂直板部と前記柱材の側面と前記裏当材とを一体化させるボルト接合とを有する構成とすることができる。
また、前記柱上方連結部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部とによって形成されるとともに、前記垂直板部の両側縁が前記柱材の隅角部にそれぞれ接合される構成とすることもできる。
さらに、前記柱側支持材の前記柱材の下部と接合させる柱下方接合部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部とによって形成されるとともに、前記垂直板部の両側縁が前記柱材の隅角部にそれぞれ接合される構成とすることもできる。
また、前記他端連結部と前記倒れ防止部との間に、摩擦抵抗部材が介在される構成にすることができる。
このように構成された本発明の建物の制振構造は、減衰ダンパの一端を柱材の上部に連結させる。また、減衰ダンパの他端は、支持架台を介して少なくとも下梁に連結させる。
ここで、柱材は梁材に比べて剛性が高いため、減衰ダンパの反力が作用しても変形しにくく、減衰ダンパへの入力損失を抑えて効率的に作動させることができる。すなわち、地震などによって発生した建物の変形が、直接減衰ダンパに入力されることになるため、入力損失が少なく減衰ダンパの減衰性能を充分に発揮させることができる。
また、減衰ダンパが略水平に配置されていれば、柱材に対する力の作用方向が減衰ダンパの反力方向と一致することになるため、柱材に不要なモーメントが作用することを防ぐことができる。
さらに、減衰ダンパの端部を連結させる支持架台を、下梁と連結させる梁側支持材と柱材の下部と連結させる柱側支持材とによって構成することで、支持架台を介在させることによる伝達損失が抑えられて、結果的に減衰ダンパの入力損失を減らすことができる。
また、支持架台によって三角トラス状の枠構造が形成されていれば高剛性が確保されるために、支持架台自体の変形による減衰ダンパへの入力損失を減らすことができる。
さらに、減衰ダンパの端部に連結される他端連結部の面外方向への変位を防止する倒れ防止部が設けられていれば、より効率的に変位を減衰ダンパに入力させることができる。
また、柱上方連結部又は柱下方接合部を、ボルト接合によって柱材の側面に固定させる場合は、溶接接合のような熟練した技能を必要とせず、容易かつ短時間で接合作業を実施することができる。さらに、ボルト接合の場合は、高い精度で部材が製作されるので、正確な位置に取り付けることができ、設計通りの性能を発揮させることが可能になる。
また、柱上方連結部又は柱下方接合部を、柱材の側面に接触させる垂直板部と、それに略直交する張出板部とによって形成し、垂直板部の両側縁を柱材の隅角部にそれぞれ接合されることによって、柱材の最も強度が高い箇所に減衰ダンパの反力などが伝達されることになって、柱材の局部変形を防ぐことができる。
さらに、他端連結部と倒れ防止部との間に摩擦抵抗部材が介在されていれば、摩擦力によっても振動エネルギーを減衰させることができるようになる。
本実施の形態の建物の制振構造の構成を説明する正面図である。 オイルダンパと柱とを連結する柱上方連結部の構成を説明する図であって、(a)は部分拡大正面図、(b)はオイルダンパ側から見た図、(c)は(b)のA−A矢視方向で見た断面図である。 オイルダンパと支持架台とを連結する他端連結部の構成を説明する図であって、(a)は部分拡大正面図、(b)は(a)のB−B矢視方向で見た図である。 柱側支持材と柱とを接合する柱下方接合部の構成を説明する図であって、(a)は部分拡大正面図、(b)は梁側支持材側から見た図、(c)は(b)のC−C矢視方向で見た断面図である。 梁側支持材と床梁とを接合する梁接合部の構成を説明する図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D矢視方向で見た正面図、(c)は(b)のE−E矢視方向で見た図である。 実施例1の建物の制振構造の構成を説明する図であって、(a)は他端連結部と倒れ防止部との関係を示した部分拡大正面図、(b)は(a)のF−F矢視方向で見た図である。 実施例2の建物の制振構造の構成を説明する正面図である。 実施例2のオイルダンパと柱とを連結する柱上方連結部の構成を説明する図であって、(a)は柱部分を切断した部分切断図、(b)はオイルダンパ側から見た図、(c)は(b)のG−G矢視方向で見た断面図である。 実施例2のオイルダンパと支持架台とを連結する他端連結部の構成を説明する図であって、(a)は部分拡大正面図、(b)は(a)のH−H矢視方向で見た図である。 実施例2の柱側支持材と柱とを接合する柱下方接合部の構成を説明する図であって、(a)は柱部分を切断した部分切断図、(b)は梁側支持材側から見た図、(c)は(b)のI−I矢視方向で見た断面図である。 実施例2の梁側支持材と床梁とを接合する梁接合部の構成を説明する図であって、(a)は部分拡大正面図、(b)は(a)のJ−J矢視方向で見た図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の建物の制振構造の構成を説明する正面図である。この図1では、建物としてのユニット建物(図示省略)を構成する建物ユニット1に制振構造を設けた場合を示している。
まず、ユニット建物の構成から説明すると、ユニット建物は、直方体状(箱形)の建物ユニット1を、上下左右に複数、隣接設置して構築される戸建て住宅などの建物である。
また、建物ユニット1は、柱材としての4本の柱11と、その柱11,11の下端間に架け渡される梁材(下梁)としての床梁12と、柱11,11の上端間に架け渡される梁材(上梁)としての天井梁13とによって、構造部材となる骨組構造体が構成される。
この骨組構造体は、柱11と床梁12とがジョイントピース12aを介して溶接によって剛接合されるとともに、柱11と天井梁13ともジョイントピース13aを介して溶接によって剛接合されたラーメン構造体となっている。
この柱11は、図2(c)に示すように、角形鋼管などの閉断面の材料によって形成されている。一方、天井梁13は、図2(b)に示すように、C形鋼などの開放断面の材料によって形成されている。このため、柱11の方が天井梁13よりも剛性が高く、変形しにくい材料となっている。
また、床梁12も、図4(b)に示すように、C形鋼などの開放断面の材料によって形成されている。さらに、床梁12の上面と天井梁13の下面との間は、図1に示すように、柱11に平行な間柱14(又は中柱)によって接続されている。
本実施の形態の建物の制振構造は、図1に示すように、略平行に配置される天井梁13及び床梁12と、それらに略直交するように接合される略平行な柱11及び間柱14とによって、長方形に形成される開口部に設けられる。以下ではこの開口部のことを「面内空間」と呼ぶ場合がある。
この面内空間の上方に、減衰ダンパとしてのオイルダンパ2を水平に配置する。このオイルダンパ2は、作動油が封入される筒状のシリンダ21と、そのシリンダ21の軸方向に往復運動するロッド22とによって主に構成される。
そして、オイルダンパ2の軸方向(往復運動をする方向)が天井梁13の長手方向と略平行になるようにして、ロッド22の先端を柱上方連結部3にピン34で固定する。なお、オイルダンパ2を逆向きにして、シリンダ21の後端を柱上方連結部3にピン固定してもよい。
このオイルダンパ2の一端を連結させる柱上方連結部3の構成について、図2を参照しながら説明する。この柱上方連結部3は、図2(a)に示すように、柱11と天井梁13との隅角部の内側に取り付けられる。
詳細には、柱上方連結部3は、柱11の面内空間側の側面に接触させる垂直板部31と、その垂直板部31に略直交する一対の略平行な張出板部32,32とによって主に構成される。
この垂直板部31及び張出板部32は、長方形の鋼板によって成形される。そして、張出板部32,32は、面内空間の開口面と略平行となるように(換言すると鉛直方向に広がる面が形成されるように)垂直板部31に溶接接合される。
この一対の張出板部32,32は、図2(c)に示すように、垂直板部31の側縁に近い柱11の隅角部の近傍にそれぞれ取り付けられる。また、垂直板部31は、図2(b),(c)に示すように、柱11の幅よりも僅かに狭い幅に成形されている。
そして、柱11の隅角部の外周面と垂直板部31の側縁とを、隅肉溶接による溶接部33によって接合させる。このように柱上方連結部3を柱11の隅角部近傍で接合させれば、柱上方連結部3から柱11に伝達される力は、柱11の外殻に直接伝達されることになる。
また、張出板部32,32には、水平方向に投影させたときに一致する位置に、それぞれ穴32a,32aが穿孔される。張出板部32,32間にオイルダンパ2のロッド22の先端を挿し込み、張出板部32,32とロッド22の先端にピン34を貫通させることによって、オイルダンパ2の一端を柱上方連結部3にピン接合させる。
続いて、オイルダンパ2の他端を連結させる他端連結部4の構成について、図3を参照しながら説明する。この他端連結部4は、図3(a)に示すように、天井梁13の下面側のフランジ131から少し下方に離隔した面内空間に配置される。
この他端連結部4は、後述する支持架台5の上端に設けられる。他端連結部4は、オイルダンパ2のシリンダ21の後端を連結させるダンパ側部41と、ダンパ側部41を支持架台5に取り付けるため架台側部42とを備えている。
ダンパ側部41は、シリンダ21の取付端21aを挟むように面内空間の開口面と略平行に配置される一対の立板411,411と、その立板411,411間に架け渡されて取付端21aに貫通させるピン412とによって主に構成される。
この立板411,411は、架台側部42の水平方向に広がる基板421に溶接接合される。また、基板421の下面からは、立板411,411と略平行となるように一対の下向板422,422が垂下される。このような他端連結部4は、複数の長方形の鋼板を溶接接合させることによって製作される。
この他端連結部4は、下方は支持架台5に固定されているが、上方は天井梁13から離隔して自由に変位できる状態になっているため、そのままでは面内空間内だけでなく面外方向にも移動してしまうことになる。
他端連結部4が面外に移動すると、オイルダンパ2を作動させるために入力される変位が低減してしまうため、オイルダンパ2による振動エネルギーの減衰効率が低下することになってしまう。
そこで、面内空間の外側(面外)への他端連結部4の移動を制限する倒れ防止部6を設ける。この倒れ防止部6は、図3に示すように、天井梁13の下側のフランジ131にボルトなどの締結部63,・・・によって取り付けられる。
倒れ防止部6は、面内空間側となる天井梁13の下面に接触させる水平板部61と、その水平板部61に略直交する一対の略平行な突出板部62,62とによって主に構成される。この水平板部61及び突出板部62は、長方形の鋼板によって成形され、双方は溶接によって接合される。
この突出板部62,62は、他端連結部4の立板411,411間に少なくとも下端が挿入されるように垂下される。また、突出板部62,62は、それぞれ立板411,411からわずかに離隔した位置に設けられる。
要するに、他端連結部4が突出板部62の面に平行する方向(例えば天井梁13の長手方向)に移動する場合は、倒れ防止部6によって移動が制限されることはない。
他方、他端連結部4が突出板部62の面と交差する方向(面外方向)へ移動する場合は、突出板部62の外面に立板411の内面が当たって移動が制限されることになる。このため、倒れ防止部6の突出板部62は、天井梁13の長手方向における他端連結部4の想定される移動範囲に形成されていればよい。
そして、他端連結部4を上端に設ける支持架台5は、図1に示すように、他端連結部4と床梁12とを連結させる梁側支持材51と、他端連結部4と柱11の下部とを斜めに連結させる柱側支持材52とによって主に構成される。
この梁側支持材51は、床梁12に対して垂直、すなわち柱11及び間柱14と平行に立てられる。この梁側支持材51及び柱側支持材52は、例えば角形鋼管によって形成される。
一方、柱側支持材52は、他端連結部4から柱11の下部に向けて斜めに配置される。梁側支持材51及び柱側支持材52の上端は、図3に示すように、架台側部42の下向板422,422間にそれぞれ挿入されて溶接接合される。
これに対して柱側支持材52の下端は、図4(a)に示すように、柱下方接合部53を介して、柱11と床梁12との隅角部の内側に取り付けられる。
詳細には、柱下方接合部53は、柱11の面内空間側の側面に接触させる垂直板部531と、その垂直板部531に略直交する一対の略平行な張出板部532,532とによって主に構成される。
この垂直板部531及び張出板部532は、長方形の鋼板によって成形される。また、張出板部532,532は、面内空間の開口面と略平行となるように垂直板部531に溶接接合される。
この一対の張出板部532,532は、図4(c)に示すように、垂直板部531の側縁に近い柱11の隅角部の近傍にそれぞれ取り付けられる。また、垂直板部531は、図4(b),(c)に示すように、柱11の幅よりも僅かに狭い幅に成形されている。
そして、柱11の隅角部の外周面と垂直板部531の側縁とを、隅肉溶接による溶接部533によって接合させる。このように柱下方接合部53を柱11の隅角部近傍で接合させれば、柱下方接合部53から柱11に伝達される力は、柱11の外殻に直接伝達されることになる。
柱側支持材52の下端は、この柱下方接合部53の張出板部532,532間に挿入されて溶接接合される。一方、梁側支持材51の下端は、梁接合部54を介して床梁12に接合される。
この梁側支持材51の下端を接合させる梁接合部54の構成について、図5を参照しながら説明する。この梁接合部54は、図5(b)に示すように、床梁12が補強材545によって補強された箇所に設けられる。この補強材545は、アンカーボルトを介して基礎に連結されている。
梁接合部54は、床梁12の上側のフランジ121上に設置される基板542と、その基板542の上面に垂直に立てられる一対のL壁材541,541とによって主に構成される。
L壁材541,541は、図5(a)に示すように、梁側支持材51の対角線上の外側にそれぞれ配置される。そして、梁側支持材51は、L壁材541,541間に挿入されて、双方は溶接接合される。
一方、梁接合部54の基板542は、補強材545の上端に設けられた端面板543に、ボルトなどの締結部544によって接合される。すなわち、床梁12の上側のフランジ121を挟んで、梁接合部54の基板542と端面板543とが連結される。
このように支持架台5と床梁12との接合箇所では、基礎と連結された補強材545を介在させることで、床梁12の変形を少なくして伝達損失を低減させることができる。
以上で説明したように、支持架台5は、上端が他端連結部4に溶接接合され、柱側支持材52の下端が柱11に柱下方接合部53を介して接合され、梁側支持材51の下端が床梁12に梁接合部54を介して接合されることによって、三角トラス状の枠構造に形成される。
次に、本実施の形態の建物の制振構造の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の建物の制振構造は、オイルダンパ2の一端を柱11の上部に連結させる。また、オイルダンパ2の他端は、支持架台5を介して床梁12に連結させる。
地震などによって天井梁13と床梁12との間に水平方向の相対変位(層間変位)が発生した場合、その相対変位を水平方向に向けたオイルダンパ2に入力させることによってロッド22に往復運動をさせることができる。
このロッド22の往復運動は、シリンダ21に封入された作動油の粘性抵抗を受けながら行われるため、地震による振動エネルギーは熱エネルギーに変換されて消散されることになる。
このため、地震などによって発生した建物の変形が、損失されることなく直接、オイルダンパ2に入力されれば、オイルダンパ2の減衰性能を充分に発揮させることができる。
ここで、柱11には閉断面の部材が使用され、開放断面の天井梁13に比べて剛性が高くなるため、オイルダンパ2の反力を作用させた場合に柱11の方が変形しにくい。
すなわち、オイルダンパ2の一端を、反力を受けても変形しにくい柱11に連結させることで、入力損失を抑えて効率的に減衰性能を発揮させることができる。
また、オイルダンパ2が略水平に配置されていれば、柱11の鉛直な側面に対して直角方向からオイルダンパ2の力が伝達されることになる。すなわち、柱11に対する力の作用方向がオイルダンパ2の反力方向と一致することになるため、柱11に不要なモーメントが作用することを防ぐことができる。
さらに、オイルダンパ2の一端を柱11に連結させる構成であれば、オイルダンパ2の設置高さを容易に調整することができる。オイルダンパ2の高さが変わると制振構造の減衰効果も変わることになるため、所望する減衰効果に容易に調整することができる。また、オイルダンパ2の設置高さが容易に調整できれば、他の部材との干渉を避けることも容易にできる。
さらに、オイルダンパ2の端部を連結させる支持架台5を、床梁12と連結させる梁側支持材51と柱11の下部と連結させる柱側支持材52とによって構成することで、支持架台5を介在させることによる伝達損失が抑えられて、結果的にオイルダンパ2の入力損失を減らすことができる。
特に、支持架台5によって三角トラス状の枠構造が形成されていれば高剛性が確保されるために、支持架台5自体の変形によるオイルダンパ2への入力損失を減らすことができる。
また、オイルダンパ2の端部に連結される他端連結部4の面外方向への変位を防止する倒れ防止部6が設けられていれば、他端連結部4が面外方向に移動して入力損失を発生させてしまうことがないため、より効率的に変位をオイルダンパ2に入力させることができる。
また、柱上方連結部3(又は柱下方接合部53)を、柱11の側面に接触させる垂直板部31(531)と、それに略直交する張出板部32,32(532,532)とによって形成し、垂直板部31(531)の両側縁を柱11の隅角部にそれぞれ接合されることによって、柱11の最も強度が高い隅角部にオイルダンパ2の反力などが伝達されることになって、柱11の局部変形を防ぐことができる。
さらに、ラーメン構造体によって形成されたユニット建物に本実施の形態の制振構造を設けることで、ラーメン構造体のエネルギー吸収性能と併せた効果が期待できる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一符号又は同一用語を使って説明する。
前記実施の形態で説明した建物の制振構造では、他端連結部4が天井梁13の長手方向に移動する際には、倒れ防止部6から摩擦力を含めて移動の制限を受けることのない構成となっていた。すなわち、倒れ防止部6の突出板部62と他端連結部4の立板411との間には僅かな隙間があり、天井梁13の長手方向には滑り抵抗を受けることなく移動することができた。
これに対して本実施例1の建物の制振構造では、倒れ防止部6Aの突出板部62Aと他端連結部4Aの立板411Aとの間に摩擦抵抗部材64を介在させて、他端連結部4Aが天井梁13の長手方向に移動する際に摩擦力を発生させる。
詳細には、他端連結部4Aのダンパ側部41Aには、図6(a),(b)に示すように、倒れ防止部6Aの突出板部62Aと重なる立板411Aの上部に摩擦抵抗部材64が設けられている。
この摩擦抵抗部材64は、図6(b)に示すように、立板411Aの突出板部62A側の面に配置される滑り材642と、その滑り材642を突出板部62Aに押し付けるためのボルト641とを備えている。
この滑り材642には、例えば四フッ化エチレン樹脂やステンレス製の板材が使用できる。四フッ化エチレン樹脂は、摩擦係数が小さいため、そのままでは何も介在させない場合に近い滑り抵抗にしかならない。
そこで、ボルト641を締め付けて滑り材642を突出板部62Aに押し付ける構成にする。このボルト641の締付け力は、任意に設定することができ、締付け力を大きくするほど滑り時に発生する摩擦力を大きくすることができる。
このように突出板部62Aと立板411Aとの間に摩擦抵抗部材64を介在させて滑り抵抗が発生されるようにすれば、地震などによって建物に揺れが起きた際に、オイルダンパ2に加えて摩擦力によっても振動エネルギーを減衰させることができるようになる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態及び実施例1とは別の形態の実施例2について、図7−11を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一符号又は同一用語を使って説明する。
本実施例2では、建物ユニット1Aの天井梁13、床梁12、柱11及び間柱14によって長方形に形成された開口部の面内空間の上方に、減衰ダンパとして略平行な2本のオイルダンパ2A,2Bを水平方向に向けて配置する。その結果、オイルダンパ2A,2Bの軸方向(往復運動をする方向)が天井梁13の長手方向と略平行となるので、ロッド22の先端を柱上方連結部7にピン73で固定する。
このオイルダンパ2A,2Bの一端を連結させる柱上方連結部7の構成について、図8を参照しながら説明する。この柱上方連結部7は、図8(a)に示すように、柱11と天井梁13との隅角部の内側に取り付けられる。
詳細には、柱上方連結部7は、柱11の面内空間側の側面に接触させる垂直板部71と、その垂直板部71に略直交する一対の略平行な張出板部72,72と、柱11の側面(外殻)を挟んで垂直板部71に対向させる裏当材74と、垂直板部71と柱11の側面と裏当材74とを一体化させるボルト接合(ボルト75、ナット75a)とによって主に構成される。
この垂直板部71及び張出板部72は、長方形の鋼板によって成形され、溶接接合される。一方、垂直板部71に対向させる裏当材74は、中空の柱11の内空側の側面に接触させる。
この裏当材74は、垂直板部71と略同じ平面形状で、鋼材を加工して成形される。裏当材74の四方の縁部は、折り曲げられて側壁部74aが形成される。
そして、垂直板部71と裏当材74とのボルト接合は、図8(a),(b)に示すように、鉛直方向に間隔を置いて3箇所で行われる。このボルト接合は、張出板部72,72間に配置されるボルト75と、それに締結させるナット75aとによって行われる。また、鉛直方向の中央に配置されるボルト75の頭部側とナット75a側には、それぞれ座金としてU金具75b,75bが装着される。
側壁部74aを有する裏当材74やU金具75bなどのように曲げ加工した立体的な部材を使用すれば、部材剛性が高くなるので、オイルダンパ2A,2Bの作動時に発生する引抜き力や圧縮力に対する局所的な変形を最小限に抑えることができる。この結果、オイルダンパ2A,2Bへの入力損失を抑えて効率的に作動させることができる。なお、裏当材74やU金具75bのように曲げ加工された部材に限定されるものではなく、平板であっても所望する性能を満たす構成とすることができる。
ここで、ナット75a,・・・とU金具75bは裏当材74に溶接などで固定させ、裏当材74は柱11の内側面に溶接で固定させる。このように予め裏当材74を柱11の内空側に取り付けておくことで、外部からの作業だけで容易に柱上方連結部7をボルト接合することができるようになる。
また、張出板部72,72には、水平方向に投影させたときに一致する位置に、それぞれ穴72a,72aが穿孔される。張出板部72,72間にオイルダンパ2A(2B)のロッド22の先端を挿し込み、張出板部72,72とロッド22の先端にピン73を貫通させることによって、オイルダンパ2A(2B)の一端を柱上方連結部7にピン接合させる。
続いて、オイルダンパ2A,2Bの他端を連結させる他端連結部8の構成について、図9を参照しながら説明する。この他端連結部8は、図9(a)に示すように、天井梁13の下面側のフランジ131から少し下方に離隔した面内空間に配置される。
この他端連結部8は、後述する支持架台9の上端に設けられる。他端連結部8は、オイルダンパ2A,2Bのシリンダ21,21の後端を連結させるダンパ側部81と、ダンパ側部81を支持架台9に取り付けるため架台側部82とを備えている。
ダンパ側部81は、シリンダ21,21の取付端21a,21aを挟むように面内空間の開口面と略平行に配置される一対の立板811,811と、その立板811,811間に架け渡されて取付端21a,21aに貫通させるピン812,812と、立板811,811間の上部側に架け渡される間隔保持板83とによって主に構成される。
一方、立板811,811の下端は、架台側部82の水平方向に広がる基板821に溶接接合される。また、基板821の下面からは、立板811,811と略平行となるように一対の下向板822,822が垂下される。このような他端連結部8は、台形や長方形などの複数の鋼板を溶接接合させることによって製作される。
そして、他端連結部8を上端に設ける支持架台9は、図7に示すように、他端連結部8と床梁12とを連結させる梁側支持材91と、他端連結部8と柱11の下部とを斜めに連結させる柱側支持材92とによって主に構成される。
この梁側支持材91は、床梁12に対して垂直、すなわち柱11及び間柱14と平行に立てられる。この梁側支持材91及び柱側支持材92は、例えば角形鋼管によって形成される。
一方、柱側支持材92は、他端連結部8から柱11の下部に向けて斜めに配置される。梁側支持材91及び柱側支持材92の上端は、図9に示すように、架台側部82の下向板822,822間にそれぞれ挿入されて溶接接合される。
これに対して柱側支持材92の下端は、図10(a)に示すように、柱下方接合部93を介して、柱11と床梁12との隅角部の内側に取り付けられる。
詳細には、柱下方接合部93は、柱11の面内空間側の側面に接触させる垂直板部931と、その垂直板部931に略直交する張出板部932と、柱11の側面(外殻)を挟んで垂直板部931に対向させる裏当材933と、垂直板部931と柱11の側面と裏当材933とを一体化させるボルト接合(ボルト934、ナット934a)とによって主に構成される。
この垂直板部931及び張出板部932は、長方形又は台形の鋼板によって成形される。そして、図10(b),(c)に示すように、垂直板部931の幅方向の略中央に張出板部932が溶接接合される。
一方、垂直板部931に対向させる裏当材933は、中空の柱11の内空側の側面に接触させる。この裏当材933は、垂直板部931と略同じ平面形状で、鋼材を加工して成形される。裏当材933の四方の縁部は、折り曲げられて側壁部933aが形成される。
側壁部933aを有する裏当材933のように曲げ加工した立体的な部材を使用すれば、部材剛性が高くなるので、オイルダンパ2A,2Bの作動時に発生する引抜き力や圧縮力に対する局所的な変形を最小限に抑えることができる。この結果、オイルダンパ2A,2Bへの入力損失を抑えて効率的に作動させることができる。なお、裏当材933のように曲げ加工された部材に限定されるものではなく、平板であっても所望する性能を満たす構成とすることができる。
そして、垂直板部931と裏当材933とのボルト接合は、図10(a),(b)に示すように、鉛直方向に間隔を置いて3段で行われる。このボルト接合は、張出板部932の左右両側に配置されるボルト934と、それに締結させるナット934aとによって行われる。
ここで、ナット934a,・・・は裏当材933に溶接などで固定させ、裏当材933は柱11の内側面に溶接で固定させる。このように予め裏当材933を柱11の内空側に取り付けておくことで、外部からの作業だけで容易に柱下方接合部93をボルト接合することができるようになる。
柱側支持材92の下端は、この柱下方接合部93の張出板部932に挿入されて溶接接合される。すなわち角形鋼管によって形成される柱側支持材92の下端の略中央に溝状の切欠きを設けて、その切欠きに張出板部932の上端を挿し込んで接合を行う。
一方、梁側支持材91の下端は、梁接合部94を介して床梁12に接合される。この梁側支持材91の下端を接合させる梁接合部94の構成について、図11を参照しながら説明する。この梁接合部94は、図11(a)に示すように、床梁12が補強材945によって補強された箇所に設けられる。この補強材945は、アンカーボルト151を介して基礎部15に連結されている。
梁接合部94は、床梁12の上側のフランジ121上に設置される断面視略U字形の受材941と、その受材941の底面に垂直に立てられて梁側支持材91を両側から支える一対の控え板942,942とによって主に構成される。
控え板942は、図11(b)に示すように梁側支持材91の幅方向の略中央に、床梁12の長手方向が延伸方向となる壁状に配置される。そして、梁側支持材91は、控え板942,942間に挿入されて、双方は溶接接合される。
一方、補強材945は、床梁12の上側のフランジ121の下面に接触させる端面板943と、その端面板943と略平行となるように下側のフランジ121の上面に接触させる底面板945bと、それらの両端を繋ぐ端板945a,945aとによって主に構成される。
また、端板945a,945a間には、それらと略平行となるように横リブ945dが配置され、端板945aと横リブ945dとの間には、上下に縦リブ945c,945cが架け渡される。ここで、上方に配置される縦リブ945cの上面は端面板943の下面に溶接接合され、下方に配置される縦リブ945cの下面は底面板945bの上面に溶接接合される。また、縦リブ945c,945cは、図11(b)に示すように床梁12の開放側に配置される。
そして、梁接合部94の受材941は、補強材945の上端に設けられた端面板943に、ボルトなどの締結部944によって接合される。すなわち、床梁12の上側のフランジ121を挟んで、梁接合部94の受材941と補強材945の端面板943とが連結される。
このように支持架台9(梁側支持材91)と床梁12との接合箇所では、基礎部15とアンカーボルト151を介して連結された補強材945を介在させることで、床梁12の変形を少なくして伝達損失を低減させることができる。
そして、以上のように構成された実施例2の建物の制振構造では、柱上方連結部7(又は柱下方接合部93)を、ボルト接合によって柱11の側面(外殻)に固定させる。
このため、溶接接合のような熟練した技能を有する作業者を必要とせず、容易かつ短時間で柱上方連結部7(又は柱下方接合部93)の接合作業を実施することができる。
さらに、ボルト接合とするために高い精度で部材が製作されるので、正確な位置に取り付けることができ、設計通りの性能を発揮させることが可能になる。すなわち、オイルダンパン2A,2Bの向きや位置が異なると振動エネルギーの減衰効率が変化することになるので、設計通りに機能させるには正確な位置に取り付ける必要がある。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、オイルダンパ2を減衰ダンパとして説明したが、これに限定されるものではなく、粘弾性ダンパなどを減衰ダンパとして適用することができる。
また、前記実施の形態及び実施例では、オイルダンパ2を水平方向に向けて配置したが、これに限定されるものではなく、斜めにして配置することもできる。
さらに、前記実施の形態では、柱11及び床梁12に強固に固定される制振構造について説明したが、この固定強度を変更することによって制振構造の減衰効果を制御することができる。例えば、柱11及び床梁12に対する接合を溶接接合からボルト接合に変更すると固定強度が変わり、オイルダンパ2への入力損失の大きさも変更されることになって、結果的に減衰効果を調整することができる。
また、前記実施の形態又は実施例2では、支持架台5(9)の一部を柱側支持材52(92)として柱11の下部に接合させたが、これに限定されるものではなく、床梁12にのみ固定される支持架台の上端に他端連結部4(8)を設けることもできる。
そして、前記実施の形態及び実施例では、建物の1階部分についてのみ説明したが、2階建て、3階建てなどの複層階の建物においては、例えば1階部分と平面的に同じ位置となるそれぞれの階に本発明の制振構造を設けることができる。
11 柱(柱材)
12 床梁(梁材,下梁)
13 天井梁(梁材,上梁)
2 オイルダンパ(減衰ダンパ)
2A,2B オイルダンパ(減衰ダンパ)
3 柱上方連結部
31 垂直板部
32 張出板部
4,4A 他端連結部
5 支持架台
51 梁側支持材
52 柱側支持材
53 柱下方接合部
531 垂直板部
532 張出板部
6,6A 倒れ防止部
64 摩擦抵抗部材
7 柱上方連結部
71 垂直板部
72 張出板部
74 裏当材
75 ボルト(ボルト接合)
75a ナット(ボルト接合)
8 他端連結部
9 支持架台
91 梁側支持材
92 柱側支持材
93 柱下方接合部
931 垂直板部
932 張出板部
933 裏当材
934 ボルト(ボルト接合)
934a ナット(ボルト接合)

Claims (10)

  1. 梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物の制振構造であって、
    往復運動によって振動エネルギーを吸収させる減衰ダンパと、
    前記減衰ダンパの一端と前記柱材の上部とを連結させる柱上方連結部と、
    前記減衰ダンパの他端を連結させる他端連結部と、
    前記他端連結部と少なくとも前記柱材の下端間に架け渡される下梁とを連結させる支持架台とを備え
    前記柱上方連結部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部と、前記柱材の側面を挟んで前記垂直板部に対向させる裏当材とを有し、
    前記裏当材には縁部に側壁部が形成されていることを特徴とする建物の制振構造。
  2. 前記減衰ダンパは、略水平に配置されることを特徴とする請求項1に記載の建物の制振構造。
  3. 前記支持架台は、前記他端連結部と前記下梁とを連結させる梁側支持材と、前記他端連結部と前記柱材の下部とを斜めに連結させる柱側支持材とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の制振構造。
  4. 前記他端連結部と前記梁側支持材と前記柱側支持材と前記下梁とによって三角トラス状の枠構造が形成されることを特徴とする請求項3に記載の建物の制振構造。
  5. 前記柱材の上端間に架け渡される上梁から垂下されるとともに、前記柱材と前記梁材とによって形成される面内空間の外側への前記他端連結部の移動を制限する倒れ防止部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物の制振構造。
  6. 記垂直板部と前記柱材の側面と前記裏当材とを一体化させるボルト接合を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物の制振構造。
  7. 前記柱側支持材の前記柱材の下部と接合させる柱下方接合部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部と、前記柱材の側面を挟んで前記垂直板部に対向させる裏当材と、前記垂直板部と前記柱材の側面と前記裏当材とを一体化させるボルト接合とを有することを特徴とする請求項3に記載の建物の制振構造。
  8. 前記柱上方連結部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部とによって形成されるとともに、
    前記垂直板部の両側縁が前記柱材の隅角部にそれぞれ接合されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物の制振構造。
  9. 前記柱側支持材の前記柱材の下部と接合させる柱下方接合部は、前記柱材の側面に接触させる垂直板部と、その垂直板部に略直交する張出板部とによって形成されるとともに、
    前記垂直板部の両側縁が前記柱材の隅角部にそれぞれ接合されることを特徴とする請求項3に記載の建物の制振構造。
  10. 前記他端連結部と前記倒れ防止部との間に、摩擦抵抗部材が介在されることを特徴とする請求項5に記載の建物の制振構造。
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